心底驚いた。
俺はネット上で日課のアニメ観賞していたのだが、今日は様子が違った。
俺「ん?フリーズ?珍しいな」
不気味な音を立てるpcと動かないマウスポインタにディスプレイ
俺「はぁ…」
楽しみにしていたアニメを突如中断させられたこともあり、ため息をつきながら強制終了のキーに手を伸ばす。
そのときである。
俺「な…なんだ…これ…」
いきなりミス。鉤括弧の「俺」を「男」に変換お願いします
フリーズした筈のディスプレイに映し出された見知らぬ映像。
映像は風景の他に真ん中にぽつんと佇んでいる小さな井戸が映っているだけだ。
男「うわっ!」
俺は身震いした。なんと言ってもこの映像はとても有名なホラー映画のワンシーンに似すぎていた。
男「手の込んだ物作りやがるぜ…時代遅れだっつーの」
wktk
新手のブラクラでも踏んだのかと急に怒りが込み上げてくる。
男「くっそ。俺の楽しみを邪魔しやがって」カタカタ
怒りに任せ強制終了キーを叩く
男「あれ?おかしいな。終了されねえ。…しゃーねぇ電源ごといくか」カチッ
………
……
…
男「え?」
pcは完全に停止した。当然ディスプレイも真っ暗になり自分の顔が鏡のように写し出される筈である。
男「どうなってんだおい…」
予想とは裏腹に映像は再生され続けていた。
俺は焦った。映画での結末が頭に過ったからだ。
男「いやいやいや。そんな非現実的なこと起こるわけないよ…な」
軽い混乱状態に陥る。
しかし、次に画面に目を移したとき最も起こってほしくないであろうことを目にした。
男「嘘だろオイ!」
しかし映像から目をそらすことは出来なかった。
そこには井戸のなかから這い上がる真っ赤な手が映し出されていた。
男「っ!…」
声にならない恐怖が俺を襲う。
しかし画面から目が離せない!
男「くるんじゃねぇ…くるんじゃねぇ…」
うわ言も虚しく両手で井戸から這い上がり、ゆっくりとこちら側へ歩んでくる。
その姿は白装束に所々赤い血のような染みがあり全身濡れているように見える。
そして、腰の辺りまでとても長く伸びた髪。おそらく女性であろう彼女の表情は髪で隠され伺うことはできない。
男「…」ゴクリッ
生唾を飲む。
体が動かない。
彼女はもう目の前まで迫っていた。
俺は覚悟した。映画の結末のようになったとしてもいい。
22年という短い人生だったが気の知れた友人達と毎日バカやったりなかなか楽しい人生だった。
だが、簡単に殺されてたまるもんか!戦えるだけ戦ってやる。
覚悟を決め意気込む。これがただのイタズラならお笑いものだ。
笑い者になってもいい。はやくこれを終わらせてくれ!
願い虚しく彼女が震えた右手を伸ばしてくる。
そして、その手はモニターを突き抜けっ…!
男「うわあああああ!!」
男「くそっ!体が動かねえ!」
人間は脆い。覚悟を決めても少しの恐怖ですぐ壊れてしまう。
こうしている間にも、彼女は右手左手上半身とゆっくり身を乗り出してくる。
そして、男の首へと彼女の両手が伸びる。
男「や…やめろ…やめろおおおお!」
彼女の手が男の首を包み、力が込められる。
男「このまま俺死ぬのかなぁ…せめて童貞くらい捨てとけばよかったなぁ…」
………
……
…
男「あれ?全然苦しくないぞ!?っていうか手冷たっ!」ガタッ!
女「!?」ビクゥ!
男「(落ちつけ俺!相手力メチャクチャ弱いじゃねーかwww。反撃のチャンス!)」
冷静になり動くようになった体で彼女の手を振り払い突き飛ばす。
女「きゃん」ドテ
男「!?(声可愛すぎだろ!)」
女「ぅぅ…」グスッ
処女作なんだ。
生暖かい目で見守ってくれると有難い。
先日の始球式で自分が貞子萌えだったを思い出して書いてみた。
寝る
「寝る」とだけ書いたほうが無駄に荒れずに済むと思うぞよ
面白いから支援
倒れた衝撃で彼女の前髪がふわりと浮き上がる。
潤んだ左目が微かに見えた。
男「その…大丈夫…?」
自分で突き飛ばしておいて変なことを言っているなと自ら苦笑する。
自分が大きな勘違いをしていたことにそこで気づく。
男「(別に俺を呪い殺しに来たとは限らないし)」
男「(こんなか弱い女の子に何てことをしてしまったんだ!)」
手足は傷だらけで指先はボロボロ、湿った衣装を纏い彼女は震えていた。
彼女に近づき、手を両手で包むように握ってやる。
女「ぁ…」
氷のように冷たかった。
男「かわいそうに…」
彼女は相変わらず震えており、長すぎる前髪で表情はわからない。
彼女の手から両手を離し、彼女の髪を掻き分けてみる。
そこには憎悪の念に駆られた恐ろしい形相でもなく、人間離れした崩れた顔でもなく、そこには…
男「かわいい…」ドキッ
女「ふぇぇ!?」///
思わず声が出てしまうほどの美少女がここにいた。
昨晩の妄想が今ここに
さぁ続けたまい
( ・ω・)っ④"
興味深い
(´・ω・`)っ・
蒼白いはずだった彼女の顔がみるみる紅潮してゆく。
女「あわわわわ…」
彼女の目をじっと見つめてみる。
女「あぅあぅ…ぅぅ」///
男「かわいい」ボソッ
女「きゅ~」バタリ
彼女は気絶してしまった。
どうしたものか
男「とにかく早く着替えさせて、暖かいところに寝かせてあげないと」
出会い方が特殊すぎるとは言え、今会ったばかりの女性の服を脱がせるのはやっぱり抵抗がある。
男「そんなこと言ってる場合じゃないな…よしっ」
彼女の白装束に手を掛ける。
男「そーっと…」ドキドキ
男「なっ…!?」
やましい気持ちは男である以上少しはあるものだが、彼女の痛々しい体を見てその気も消え失せる。
男「ひどい…」
彼女の体には切り傷や擦り傷、打撲の痕がたくさんあった。
彼女の体を清潔なタオルで拭き、その途中傷のあるところは軟膏をぬり絆創膏を貼ってやる。
自分の大きすぎるパジャマを着せ、自分のベッドに寝かせてやった。
いろいろなことが突然起こりすぎていたが、ようやく落ち着くことが出来る。
先ほどの映像は消えており、モニターは漆黒を映していた。
男「ふぅ…」
彼女の寝顔を横目見る。
女「すぅ…すぅ…」
規則正しくかわいらしい呼吸音が聞こえる。
男「やっぱり一目惚れ…か」
男「…」ナデナデ
女「にゃぁ…ふにゃぁ」///
男「ふふっ」
ついさっきまで恐怖体験をしておきながら俺は正直ワクワクしていた。
今日の貞子スレはここですか?
どんな悪霊もアツい抱擁をもってすればあるいは…
このSSまとめへのコメント
正直好き