私がどうしてそんな女の子らしからぬ事を思い立ったか、なんて事は、この際、どうでもいいんです。
大事なのはゆき先輩が毎日元気一杯にはしゃぎまわっているというこの事実と、それを毎日冷静沈着な目で観察してきた私が、走る度にぷるぷる揺れるゆき先輩の臀部に対して無性に心の底からカンチョーをしてみたいと願うようになったこの気持ちなのですから。
そして、私は中途半端は嫌いですし、それはゆき先輩に対しても大変失礼な事だと思いますので、全身全霊、命の限りを尽くして全力でカンチョーしようと考えています。相手に対して礼節を尽くすのは人として当然の事ですから。
大事なのは気持ちです。理屈ではありませんし、明確な理由なんて必要もないんです。ジークンドーの創始者であり映画俳優でもあるブルース・リーもこう言っています。「考えるな、感じろ」と。
私はあの人の映画を一度も見た事がありませんが、とても素晴らしい言葉だと個人的には思っています。
なので私は考えのをやめ、ゆき先輩の柔らかそうでもみゅもみゅとしていそうな臀部を探し求める為に、三千里の道程も辞さない覚悟で学園生活部の部室から、今、旅立ったのでした。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442304636
期待
乙!
はよ
もちろん私はゆき先輩の事を、まるで盛りのついたシートンの様に毎日観察していた訳ですから、先輩が今どこにいて何をしているかなんて事は大体想像がつきます。
恐らくゆき先輩はいつもの教室でまるで盛りのついたアルパカのように勉強しているのでしょう。恐らく盛りのついた佐倉先生と一緒に。
佐倉先生というのは、この学校の先生で、私がここに来る前に盛りのついたゾンビに襲われ、今はお亡くなりになっている方です。
ゆき先輩はその事実を受け入れられず、現実とは斜め45度ほどずれた世界に今、住んでいます。その世界では『パンデミック』なる人的災害は起きてもいませんし、盛りのついた佐倉先生も死んではいません。生きています。
妄想の中だけの優しい世界、と言えばいいのでしょうか。盛りのついたゆき先輩はそういった世界に住んでいます。そして、いつも通りの日常を送っています。
盛りのついた私はそのゆき先輩の臀部に微塵も容赦ないカンチョーを見舞う事を画策しています。何もおかしい事はないです。朝起きたら顔を洗って歯を磨き、着替えて食卓についてジャムたっぷりのトーストを食べるぐらい自然な流れですね。
みーくんも壊れてしまったか……
よくよく考えてみると、です。
一歩進む毎に私は、ゆき先輩の臀部の危機的状況へと一歩近付いている訳です。私が一歩足を踏み出す度に、ゆき先輩の明るい未来お尻計画も崩れていく訳です。
何故だかそれに興奮してテンションが上がってきた私は、廊下をムーンウォークで華麗に進みだし、途中で消火器にぶつかって転びました。
少し気合いが入りすぎているようです。いえ、気合い自体はいいのですが、それが気負いになると急激にマイナスへと暴落します。私は心を落ち着ける為に、ジブリ映画に出てくるムスカを思い浮かべ、逆にテンションが上がりました。
私は、今度はイナバウアーのポーズを取りながらムーンウォークして華麗に進み、足元に特に何もないのにすっ転びました。後頭部が先程からジンジンします。
きっとこれもカンチョーの神様が与えたもうた試練なのでしょう。ゆき先輩の臀部にはそれだけの価値があるという事です。
痛さを紛らす為に私は『ふれんどしたい』の替え歌である『かんちょーしたい』を口ずさみながら歩く事五分、特に山場も盛り上がりもなくゆき先輩のいる教室前へと遂にたどり着いたのです。
いざ、決戦の地へ。
なにもかもが盛りつきすぎぃ!!
「ゆき先輩、いますか?」
ガラリと教室の戸を開けます。もちろん、いるのはわかっています。重要なのは、今がゆき先輩にとっての授業中かどうかです。
「あ、みーくん。どうしたの?」
幸いな事に授業中ではなく、休み時間中のようでした。ゆき先輩はごく普通に受け答えしてくれます。これは絶好の機会です。
「先輩、ちょっと向こうの空を見て下さい。今、風船みたいなものが飛んでるんです。ほら、あそこ」
そう嘘をついて、私は窓の外を指差します。ゆき先輩は良くも悪くも素直な性格をしていますので、あっさりと私の嘘を信じ、「どこどこ?」と無邪気な表情で後ろを振り向きます。
「ほら、向こうですよ。見えませんか?」
「んー……?」
当然、元から無いんですから見えるはずがありません。いくらゆき先輩でも私の嘘までは見えないのですから。先輩は目を細めつつ窓の近くへとゆっくり歩いていきます。つまり、完全完璧に無防備な臀部を私の前にさらけ出したのです。
このチャンスをものにしなければ、私は恐らく生涯後悔するでしょう。すぐさま両手を組み合わせて、さながら決闘前のガンマンのように私はカンチョーの構えをとりました。
以後、本作戦を『オペレーション・エンジェルウイング』、カンチョーの構えの事を『グングニール弐式』と呼称する事を、私は人知れずここに宣言します。
私は、『グングニール弐式』の構えを取りつつ、ターゲットの肛門との距離を目視で測ります。
距離はおよそ三メートル程です。『運動エネルギー』は『1/2×速さ×質量の自乗』で求まりますので、早い話、速くて重いカンチョーほど、相手に与える衝撃は大きくなります。
助走をつけて大きく強く踏み込み、手加減や躊躇いを一切せず、奥まで突き刺す事。
私は頭の中でそう確認し、それから脳内シミュレーションを素早く行い、そして次の瞬間には野獣の様に駆け出していました。
人間というのは、極限まで集中すると、脳が必要な情報だけを判断して、それ以外の情報をシャットダウンする様に出来ています。音が消え、代わりに周りの動きがスローモーションになるというアレですね。『ZONE』などと呼ばれる現象です。それがこの時の私にも起こりました。
足を踏み込む瞬間の筋肉の動きが鮮明に理解できます。額から滴る汗がゆっくりゆっくりと床に落ちていきます。ゆき先輩の次の動きまで完全に予想がつきます。
疾く、強く、深く!
私は一心に念じます。この『グングニール弐式』をゆき先輩の肛門の奥の奥目掛けて突き刺すのが今の私の生きる意味だと言っても決して過言ではありません。
届け、この想い! 届け、この技の冴え! 誰よりも、何よりも、容赦なく!
私はものすごく純粋で熱烈な気持ちを胸一杯に抱えながら、無防備なゆき先輩目掛けて思いきり足を踏み込みつつ全力でカンチョーをしました。
「う゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
あの時のゆき先輩の悲鳴を私は一生忘れる事はないでしょう。
ま、マジでやりやがった・・・!!?
なんだこれは
もっとやれ
死んだろこれ
カンチョーは上手くやらないと尾てい骨骨折させちゃって友人関係が悪化するから気を付けろ
上手い浣腸ってなんだよ
>>14
経験者なのかよ…
俺も友達にカンチョーしたらその友達大量出血で倒れた
俺は転校した
「ふぎゃあぎゃうぎひぎぐいううあぎゃぐぎゃぎい!!!」
ゆき先輩は意味不明な宇宙人語を叫びながら、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょんと教室中を飛び回っています。
それはまるで不思議の国のアリスに出てくる懐中時計とステッキを持ったウサギのようにも、ジャンプする芸を仕込まれたばかりのジュゴンの様にも見えました。何だかとても切ない気持ちになりました。
はっきり言って、今のゆき先輩には可愛らしさも女の子らしさもありませんでした。今、私の目の前にいるのは、お尻を抑えて飛び回るだけのジュゴンです。それを見なければならない結果となった私は、何だかとても切ない気持ちになりました。
失望と悲哀が胸に広がるのを感じながら、私はゆき先輩に慌てた感じで声をかけました。
「ゆき先輩! どうしました!? 大丈夫ですか!? 一体、何があったんですか!?」
ひでえw
しかし、私がどれほど心配げに尋ねても、ゆき先輩からはまともな答えが返って来ません。「ひあひふぎいぎぎ!!」などと、理解不能な言語を先程からずっと発しながら未だ宇宙と交信中です。
あるいは、どこか遠く離れた国の民族儀式なのかもしれません。そういえば、どことなく鳥獣戯画の様ともよく似ています。私はあのオーバーヘッドをしているウサギが可愛らしくて好きです。だけど、今のゆき先輩はカエルさながらです。
そういえば、私の友達に圭という子がいたのですが、その子にも私はこの様にカンチョーをした事がありました。二人でショッピングモールで避難ぐらしをしていた頃の話です。
圭は私にこう言いました。「部屋に閉じ籠って、生きていればそれでいいの」と。私は何も答える事が出来ず、圭に全力でカンチョーをしました。圭に全力でカンチョーをしました。圭に全力でカンチョーをしました。
圭に全力でカンチョーをしました。
次の日には何故か圭は部屋からいなくなっていました。外に一人で出ていってしまったのです。
あれも切ない思い出です。私はいつだって取り残され、放置される側です。私の期待や希望は常に裏切られ、いつだってろくでもない結果ばかりが残ります。まるでロミオとジュリエットのような悲劇です。
一方で、ゆき先輩はといえば、私がそんな哀愁漂う悲しい思い出にふけっている間もずっと、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、何だか理不尽な話ではありますが、段々と腹が立ってきました。
「ゆき先輩! いい加減にして下さい! どうしたんですか!?」
私は飛び跳ねるゆき先輩をがっしりと掴んで地面にしっかりと接地させました。その拍子にゆき先輩は滑って転んで尻餅をつき、それが肛門を強く刺激したのか「ふ゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」今度は教室中を転がってのたうち回り始めました。
私は慌てて誤魔化しました。
「何て事をするんですか、くるみ先輩! 酷いです!」
そりゃ圭も出てくわw
少し前にみーくん自身が盛りまくって校内のあちこちで自家発電に勤しむSSがあったがそれと同じ位酷いな
あったな
最後はMEGねぇと
幸いな事に、ゆき先輩は後ろを向いていたので、誰がやったかなんてわかりません。なるほど、これは完全犯罪ですね。私はくるみ先輩に全ての罪をなすりつける事にしました。
「何をしてるんですか、先輩! 何でゆき先輩にカンチョーなんか!」
そう言いながら、私は転がり回っているゆき先輩を止めて、うつ伏せにし、それからおもむろにもう一度カンチョーしました。
「い゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
ゆき先輩が再び悲鳴を上げます。手加減しているとはいえ、追い討ちはやはりダメージが大きいようです。
流石の私もこれには心が痛みましたが、くるみパイセンのせいにする為です。仕方ありません。
「くるみ先輩! ゆき先輩をどうする気なんですか! 正気ですか!?」
私はそう叫びながら、暴れるゆき先輩の尻をむんずと後ろから掴むとうどんを打つ時のようにパチーンパチーンとリズミカルにスパンキングしていきます。
「やめて下さい! くるみ先輩! もうやめて下さい!」パチーン!パチーン!
「ゆき先輩のお尻はもう限界に来てます! これ以上ゆき先輩を苛めないで下さい!!」パチーン!パチーン!
不謹慎な話かもしれませんが、これは私にとってかなり楽しい行為でした。新しい何かに思わず目覚めそうです。
くるみ…
ゆきちゃんの肛門内に侵入した指の感触の描写がない、やりなおせ
匂いの描写もいれておけよ
ゆき先輩のお尻をパンパン叩いていると、ゆき先輩はそれに反応してふぎゃふぎゃと悲鳴を上げる訳です。まるで楽器のようです。
そして、時折、「くるみちゃん、やめて!! やめて!!」と合いの手を入れるように叫ぶのです。どうやら、作戦は成功したようです。私はゆき先輩を騙す事が出来た記念にもう一度カンチョーしました。一際大きな悲鳴が上がります。
しかし、思えばゆき先輩も哀れな存在です。いきなりカンチョーされ、地面に転がされ、今やお尻は打楽器と化しています。一体、何でこんな状態になったのでしょうか。ゆき先輩が一体何をしたと言うのでしょうか。
これほど理不尽な仕打ちを受ける理由がゆき先輩に果たしてあったのでしょうか?
私は尻を軽快にスパンキングしながらそんな事を考えました。そして考えれば考えるほどゆき先輩が可哀想になってきたのです。
私の中で走れメロスさながらふつふつと義憤が沸いてきました。こんな理不尽な事はあってはならないのです。このままにしてはおけないと思いました。
「くるみちゃん、やめて!! 痛い痛い!!」
そうです。このままではゆき先輩が悲惨すぎます。私が助けなければ。
「いい加減に離れて下さい! くるみ先輩!!」
私はダンッと力強く床を踏んで、いかにもくるみ先輩を突き飛ばして助けた感じを演出した後で、
「あ、逃げないで下さい! くるみ先輩!!」
急いでドアを開け、逃げた振りも演出しました。それから、哀れなゆき先輩に向けて、私は非常口のマークのポーズを取りながら力強く宣言しました。
「ゆき先輩! 安心して下さい! この仇は私が取ります! ゆき先輩に代わって、私がくるみ先輩に全力でカンチョーをします!」
私はゆき先輩に成り代わり、くるみ先輩に復讐する事をここに固く誓ったのです。
マジキチ
くるみ逃げて…
俺の知ってるがっこうぐらしと違う
しかしこのみーくん、もしくるみちゃんがりーさんと一緒にいたらどうするつもりなんだろ・・・
手が二本あるのは何故だと思う
俺も小学生のとき全力でカンチョー喰らったが、喰らわせた奴が両手人差し指を粉砕骨折し、
何故か俺が親呼び出し食らった。
教室から飛び出し、廊下をムーンウォークで縦横無尽に走りながら、私はトサカにきてました。激おこです。必ず、かの邪智暴虐なくるみパイセンを除かなければならぬと決意していました。
私には政治がわかりません。私は、ただの女子高生です。これまで本を読み耽り、友達と遊んで暮して来ました。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感でした。
そうです! くるみ先輩は生まれた時から邪悪の塊の様な人間なのです。地獄の血の池で鬼とピーチバレーをし、悪魔とポーカーを一緒に楽しみ、魔界からの使者とフレンドリーな会話をするぐらいの極悪非道さなのです。ゲロ以下の臭いがぷんぷんします。
あれは一昨日の事です。くるみ先輩はあの時もそうでした。マッサージをすると称して私を家庭科室にまで連れ込み、そこで二時間に渡り私を電気あんまし続けたのです。
あまりのくすぐったさに暴れながら笑い転げたのも最初の内だけでした。最後らへんにもなると笑いすぎて息も絶え絶えとなり、お股もゆるくなり、私は突如として失禁しました。
そこでようやく離され、私は涙目になりながらシャワー室まで行き、そこで再び電気あんまされました。そうです。くるみ先輩はこの様に人でなしなんです。
思い出したらまた無性に腹が立ってきました。私は激おこぷんぷん丸です。ゆき先輩だけでなく、私にも復讐する動機が立派にあるはずです。
私にも復讐する動機が立派にあるはずです。
私にも復讐する動機が立派にあるはずです。
決意を更に強めた私は、廊下をムーンウォークでひた走り、くるみ先輩の姿を探しまわりました。その姿はまるで偵察任務中のドムとそっくりだったと思います。
なんなのこれ・・・
高校生活の思い出づくりですね。
理解できませんな。
そして、遂に見つけました! 諸悪の権化と影で私が主に囁いている、くるみ大魔人を。彼女は見廻り中だったのか、スコップを肩に、悠々と歩いています。
私はその傲岸不遜で呑気な態度に更に腹を立てました。ゆき先輩はきっと今も臀部の痛みに苦しんでいるだろうに、もう生かしておけません。成敗です。
「くるみ先輩!」
私が勢いよくムーンウォークで近付くと、くるみ先輩はとても驚いた顔をしました。「何してるんだ、みき!?」ムーンウォークです。
「そんな事はどうでもいいです! それに、何してるんだというのは私の台詞です! どうしてゆき先輩にカンチョーをして逃げたんですか!」
「は!? 私はそんな事してないぞ!」
そういえば、そうでした。ですが、それは今更問題ではありません。
みーくんキチガイすぎだろ
普通に歩けんのか
今、私が問題としているのは、このやり場のない怒りです。この気持ちの前では、くるみ先輩がゆき先輩の復讐相手かどうかなど、ほとんど問題ではありません。
「それに、これだけじゃないです! くるみ先輩には、私に電気あんまをして失禁させた罪もあります!」
「それはお前の方だろ! お前が私にやったんじゃないか!!」
そういえば、そうだったような気もします。昨日無性に電気あんまをしたくなって、気がつけばくるみ先輩を襲っていたような記憶もなくはないです。でも、今更そんな事はどうだっていいんです。
大事なのは過去ではなく、今、この瞬間なのです。今を一生懸命に生きる事、それが大事なんです。
だから、私はこの怒りをくるみ先輩に精一杯ぶつけるべきであって、電気あんまをどちらがしたかというのは、この際、気にする事ではありません。
私はそう確信するのです。
みーくんはゾンビに犯されるの刑で
実際電気あんまで失禁とかするもんなの?
>>41
するよ、酷いときはイク
「とにかく、くるみ先輩! こっちに来て下さい!」
私はくるみ先輩の腕をしっかりと両手で掴みます。
「って、ちょっとおい、何だよ! やめろ! 引っ張るな!」
引っ張るな、などと言われて、やめる馬鹿はいません。時に素直さというのは美徳ではなく愚直へと変わるのです。私は卑怯者になろうとも愚か者になる気はありません。
「さあ、こっちです。こっちに来てゆき先輩と私に対して謝って下さい!」
くるみ先輩は抵抗を見せましたが、私が軽く腕をひねってやるとあっさりと陥落しました。「痛い痛い痛い! 折れる! ちょっと!」
私はそのままくるみ先輩を元いた教室まで連行しました。そして、未だにお尻を押さえて倒れているゆき先輩の姿を見せます。
「さあ、ゆき先輩に謝って下さい。早く!」
「だから、何で私が謝るんだよ!? それに、ゆきはどうして倒れてるんだ!?」
「くるみ先輩がやったんじゃないですか! とぼけないで下さい!」
そう言いながら私は机の上に置いてあったボールペンを手に取りました。くるみ先輩は必死で抗弁します。
「違う! 私はやってない!」
はい。確かに。
でも、それは今更の話なんです。時は既に遅いんです。運命は決定してしまったんです。
「くるみ先輩。天誅です! お覚悟!」
私は素早く、驚くほどの迅速さでくるみ先輩の背後へ回り込むと、さながらソフトボールのピッチャーの様に腕を一回転させて全力でくるみ先輩の肛門へとボールペンを使ってカンチョーしました。
全力でボールペンを使ってカンチョーしました。
全力でボールペンを使ってカンチョーしました。
全力でカ・ン・チ・ョ・ーしました。
「あ゛き゛く゛き゛く゛き゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
手応えアリ、です。気分はすっかり仕事人の私です。アナルにずっぽり入った感触が手に伝わってきてとても興奮しました。
ひでえwwwwww
ボールペンはあかんて
ゆきとくるみが何したってんだ…
>>46
運悪くガーターベルト女の前に存在してしまった
みーくんが、2人から仕返しのダブルマグナム浣腸をくらって悶絶してほしいな。これ。
くるみ先輩は一度だけマリオの様に飛び跳ねると、後は膝から倒れて床へと転がり、そして回りながら悶絶しています。
「く゛あ゛あ゛あ゛あ!!!」
まるでゾンビに感染してしまった様な苦しげな声です。一思いに楽にしてあげるべきでしょうか。
私は少しだけ迷いましたが、結局くるみ先輩の体をうつ伏せにしてもう一度カンチョーしました。「い゛き゛き゛い゛い゛い゛い゛!!!!」
悲鳴を聞くたびに何だかお腹の辺りが熱くなってゾクゾクします。私は病気になってしまったのでしょうか? 試しにもう一度。「ひ゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「み、みーくん! いくらなんでもやり過ぎだよ! くるみちゃんのお尻がどうかしちゃうよ!!」
慌てた感じでゆき先輩が叫びました。手は相変わらずぷるんぷるんのお尻をおさえています。ゆき先輩はやはりとても優しくキュートな先輩だと思います。それに比べてくるみ先輩ときたら。
「う゛あ゛あ゛く゛あ゛き゛あ゛あ゛あ゛あ!!」
まるで泥浴びをする豚です。いつまでゴロゴロと転がり回っているのでしょうか。ゆき先輩のこの天使の様な姿を見習うべきです。醜いにも程があります。見苦しいです。
そして、私は醜い生き物が嫌いです。くるみ先輩は即ち豚で私の嫌いな生き物です。後で私の足の裏でも舐めさせましょうか。そう考えたら私はまたとても興奮しました。
やめたげてよお!
そう。ここで私は重要な事に気付いてしまったのです。
私は別に病気とかではありませんでした。気がふれた訳でもありません。ものすごく正常でした。
私は変態だったのです。ものすごく正常な変態だったのです。
カンチョーや電気あんまをする事にとても興奮します。美少女が苦痛に歪んだ表情を見るのは至高の瞬間です。足の裏を舐めさせる事については想像しただけでゾクゾクします。
つまり、いわゆるドSというやつだったのです。レズ寄りのドS系変態だったのです、私は。
その事に気付いた私は、何故だかとてもスッキリとした気分になりました。昨日までの普通な自分にサヨウナラをし、ウェルカム変態ワールドです。記念にゆき先輩の肛門めがけてボールペンを突き刺しカンチョーしておきました。
「い゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
耳に心地好し、カンチョーの悲鳴。手には嬉し恥ずかし、カンチョーの余韻。目には揺れし、美少女のオケツ二つ。
風流な雰囲気を感じ取った私はここで一句。
卓上に 真っ赤に映える トマトサラダ Sぞ実りて 変態となりぬ
【訳】
屋上の菜園に植えたトマトが大きく育って収穫出来るぐらいになり、それをもぎ取ってサラダにして食卓に並べると、赤い色彩が映えてとても際立っています。それと同じで私の中でしっかりと育っていったドS性も、今では立派に収穫出来るぐらいに実り、とても際立った変態となっていました。
良い出来の短歌です。私が死んだら是非墓に刻んで欲しいと思います。
自覚してなかったのかよ
新レスのたびに吹き出る
変態だって生き物です。生きているんです、精一杯。
変態にも幸せになる権利はあるんです。
『幸福というものは、一人では決して味わえないものです』と、ソ連の劇作家であるアルブーゾーは語りました。正しくその通りです。ゆき先輩やくるみ先輩にカンチョーする必要があったんです。
『幸福であるだけでは十分ではない。他人が不幸でなければならない』とは、フランスの小説家であるジュール・ルナールの言葉です。これも正しくその通りです。ゆき先輩やくるみ先輩にとっては不幸かもしれませんが、私にとっては幸福です。カンチョーするという行為は私を幸せにしてくれます。
もちろん、若干の心苦しさはあります。ゆき先輩は私にとって愛すべき人なので、そのゆき先輩にカンチョーをし、それを100%喜びに変えている訳ではありません。85%程はそうですが、残りの15%程は罪悪感に打ちひしがれているのです。
ですが、イギリスの哲学者であるバートランド・ラッセルはこう述べてます。『私たちが愛する人々の幸福を願うのは当然である。だが、自分達の幸福を棄ててまでこれを願うべきではない』と。
私はゆき先輩に心の中で深く謝罪しつつ、自分の幸福を成就させる為に、がしりとゆき先輩のお尻を掴み、餅をこねるように荒々しく揉みしだき始めました。
「や、み、みーくん! あぐ、い゛痛いの! お尻、お尻が!」
ゆき先輩が抵抗する度に私のドキドキとロマンティックゲージがぐんぐんうなぎ登りです。まるで運命に導かれる様に、私はゆき先輩のピンク色の下着に手をかけ、それを一気に引っ張って脱がそうとした丁度その時の事です。
「ゆきちゃーん! くるみー! どこにいるのー!?」
教室の外からゆうり先輩の声が聞こえてきました。しかも段々とこちらに近付いてきます。これは非常にまずい事態です。ヤバイです。
鬼神リーサン降臨
みーくん調教もみてみたい
いったいどっちが勝つんだ……
何がヤバイって本当に色々とヤバイです。ヤバすぎて最早ヤヴァイです。8ビートのリズムに乗せてヤヴァイ↓ヴァイ→ヴァイ→ヴァイヴレーション↑↑です。
ゆうり先輩が怒った時の迫力は熊さえ逃げ出す程ですし、あの人は腕力や握力もゴリラ並みなんです。
金属バットをまるでスプーンのようにくにゃりと曲げますし、リンゴぐらい片手で潰せます。ゴリラ並と言うよりすでにゴリラです。あの人は世界一可愛いゴリラだと私は確信しています。
そのゴリラが盛りのついたターミネーターの様に私のいる教室まで迫ってきているんです。
一方で、盛りのついた私はと言えば、ゆき先輩のお尻に手を添えていますし、ゆき先輩は半ケツ状態です。これを見られたら完全にアウトです。言い逃れが出来ません。
「ゆきちゃーん! くるみー! さっき悲鳴みたいな声が聞こえたんだけど、大丈夫なのー!」
大丈夫ではありません。二人とも尻に深刻な被害を受けてます。どうしたものかと焦った私は、急いでくるみ先輩の臀部に飛び付き、パンツを下ろして半ケツ状態にさせました。
「な゛! なにすんだよ、バカ! おい!」
うるさいです、先輩。私は急いでくるみ先輩の足を引っ張りオケツをゆき先輩のと並べるように引き寄せます。
「みーくん! なに!? 今度は何する気なの!?」
先に謝っておきます。ゆき先輩、ごめんなさい。
私はポケットの中に隠し持っていたワサビと練りカラシのチューブを取りだすと、急いで蓋を開け、それを両手で持って二人の丸出しの肛門に勢いよくズブリと。
「う゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「き゛や゛く゛き゛き゛あ゛あ゛き゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
そして、チューブを潰してすかさず中身を流し込みます。
「が゛ぎ゛が゛ん゛ぐ゛ぎ゛び゛ぎ゛や゛あ゛ぎ゛が゛が゛ぎ゛ぎ゛が゛が゛や゛ぐ゛が゛が゛ぎ゛が゛が゛が!!!!!」
もう悲鳴を通り越して、断末魔の様にも聞こえる二重奏が天高く大空へと羽ばたいていきました。もし、曲名をつけるとしたら、『肛門★天極のフィナーレ』というところでしょうか。
こんなにも切なく美しい歌声を聴いたのは、私はこれが初めての事でした。感動で涙が溢れそうになりました。
みーくんが同じ事される展開はよ
やめたげてよぉ!
怒り狂ったりーさんが包丁でみーくんの菊門を切り開きそう
包チョー・・・なにそれこわい
しかし、天使の歌声に酔いしれている場合ではありません。また、その時間もありません。
こうしている間にも、さっきの悲鳴を聞き付けてゆうり先輩がここへとやって来るはずです。急がないと。
私は発狂したように暴れ転がる二人をカウボーイさながらロデオの様に押さえつけると、大急ぎでパンツを元に戻し、駄目押しとばかりに二人の肛門を蹴り飛ばしておきました。
「あ゛ぎ゛ゃ゛ぎ゛ぎ゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
再び悲鳴が教室に轟くのとほぼ同時に、ゆうり先輩が慌てた様子で教室の戸を勢いよく開けます。
「何!? さっきの悲鳴はどうしたの!? 一体何があったの!?」
私は緊張した面持ちで答えました。
「二人とも、ゾンビにお尻を噛まれたみたいです!」
「ゾンビに!? お尻を……!?」
「はい! ゾンビにプリンケツをです!」
「……え、でも!」
ゆうり先輩は困惑の表情を浮かべて、ゆき先輩とくるみ先輩を眺めます。
二人は奇声を上げながら、お尻を押さえて陸に上がった魚のように床をのたうちまわっています。シェイクスピアならきっと恋に狂った人魚姫の様にと表現した事でしょう。ただし、その人魚姫のアヌスの中にはワサビとカラシがたっぷり詰まっていますが。
「見ての通りです! 二人が苦しんでいます! ゆうり先輩、助けないと!」
「そ、そうね……! だけど、みきさん。ゆきちゃんとくるみちゃんはどうしてゾンビに襲われたの!? それに、そのゾンビはどこに……!?」
「……ゆうり先輩」
私は溜め息を一つ吐き出すと、ゆうり先輩の目の前まで近寄り、思いっきり強くビンタしました。派手な炸裂音と共に、ゆうり先輩が体勢を崩します。
「っ! 何を……!!」
「落ち着いて下さい! 今は二人を助ける事が先じゃないですか!!」
そう一喝しました。ゆうり先輩はこの学園生活部の部長なんです。有事の際に慌てふためかれては困るんです。そう叱りつけました。
ゆうり先輩は反省したのか、叩かれて赤くなった頬を押さえつつ、小さく一つ頷きます。
「ごめんなさい……。そうね……。私がしっかりしてないとね。悪かったわ……もう大丈夫だから」
「いえ、わかってもらえたらいいんです」
こうして私たちは和解しました。何もかも計画通りです。
勢いで丸め込みやがった・・・こいつ、できる
「それじゃ、ゆうり先輩は二人の肛門を見てあげて下さい。私はホウキを探しますから」
「ええ。わかっ……え?」
「急がないと! 早く!」
そう言って私は掃除道具入れのロッカーへと走りました。「みきさん、肛門って……。それに、ホウキが何で必要に――」私は振り返って叫びます。
「早くしないと、ゆき先輩とくるみ先輩の肛門がゾンビ化するじゃないですか!」
「肛門がゾンビ化……??」
「ゆうり先輩! 二人のお尻が死んでもいいんですか!? アヌス オブ ザ デッドですよ!」
「え、あの……」
「ゆうり先輩! 二人を取り押さえて、それからスカートをまくって、おもむろにパンツをずり下ろすだけです! 三つの動作で済む事ですよ! 早く!!」
そこまで言って初めてゆうり先輩はこれから何をすればいいかを理解してくれたようです。まったく、何で年下の私がゆうり先輩に指示を出さなければならないのでしょう。ゆき先輩じゃあるまいし。
「と、とりあえず、二人を取り押さえればいいの、みきさん?」
「はい! 動かないよう厳重に押さえつけておいて下さい」
そう言いつつ、私はロッカーを開けました。都合が良い事に小さなホウキがあります。まるで神様が用意してくれたかのようです。私はこっそり微笑しながらそれを取り出しました。
おいやめろ
事態が悪化しかしてない
ゆき先輩とくるみ先輩は肛門の痛さでまともに話すことが出来ません。そして、ゆうり先輩はすっかり騙されています。
「くっ……。暴れないで、くるみ! 気をしっかりもって!」
くるみ先輩を押さえつける為、ゆうり先輩は馬乗りに体の上にまたがって四つん這い状態です。後ろから見ると、プルんとしたお尻が右に左に揺れてとてもセクシーです。
ところで話は少し変わりますが、私はジブリ映画の中ではナウシカの次に魔女の宅急便が好きです。
ルージュの伝言が流れる場面も好きですし、ジジが人形の身代わりになった時に犬に助けられる場面も、飛行船から落ちそうになっているトンボをキキが助ける場面も同じように好きです。何度見ても毎回同じように感動します。
そして、最初にキキが住んでた町からホウキで飛び立っていく場面も私は好きです。皆から「ゴーゴー、キーキ! ゴーゴー、キーキ!」と応援されるあの場面ですね。
私はその時のキキさながら、小さなホウキにまたがり、心の中で「ゴーゴー、ミーキ! ゴーゴー、ミーキ!」と自分を応援しつつ満面の笑顔でダッシュしました。
ホウキをしっかりと両手で握ったまま真っ直ぐに突進し、ゆうり先輩の誘っているかのようなプリプリのオケツ目掛けて魔女式のカンチョーを肛門に容赦なくぶちこみます。
「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
ゆうり先輩の体が海老の様にのけぞり、跳ね上がりました。48の殺人カンチョーの一つ、『キキミキスペシャル』が見事にアヌスに入った瞬間です。やはり私はカンチョーが鮮やかに決まったこの瞬間が大好きです。
ほうきはマジで危険だろ……
りーさんが復活して油断してふみーくんにカンチョーする展開キボンヌ
ゾンビめぐねえにカンチョーすればショックで元に戻るんじゃね?
みーくんにはこのまま最後まで無双を貫いてもらいたい
「あ゛! か゛っ゛!!」
ゆうり先輩は苦悶の声を上げながら、なだれ込むようにその場に倒れます。これで最大の強敵たるゆうり先輩は完全に片付きました。後は私のお楽しみショータイムの始まりです。
手始めに誰からいきましょうか。そして、どんな卑猥でゲスな行為をしてやりましょうか。私は心踊らせながら、まずはオードブルとしてゆうり先輩のムチムチした太ももに手を伸ばし――。
「みき……さん、よくも……!」
一瞬にして背筋が凍りつきました。頭から血の気が一気に引きました。伸ばした手がゆうり先輩の手によって払い除けられたのです。
『キキミキスペシャル』をまともに食らってると言うのに、ゆうり先輩にはまだなお余力が残っていたのです。なんたるゴリラでしょう! いえ、これは最早ゴリラではありません。怪物です! モンスターです!
私は何て化物を目覚めさせてしまったのでしょうか! まるで悪魔が魔方陣から召喚されるが如く、ゆうり先輩は殺気を放ちながらゆらりと立ち上がります。
私は慌てて飛び退り、ホウキを構えて戦闘態勢に入りました。この化物はここで確実に仕留めないといけません。でなければ、私はきっと殺されてしまうでしょう!
何としてでも、勝たねばなりません! この勝負に敗北は赦されないのです!
ソーさん頑張れ
ンーさんのことソーさんっていうな!
正直に言えば、私とゆうり先輩がガチで戦ったら、間違いなく負けるのは私の方です。
ですが、今のゆうり先輩は肛門にかなりの被害を受けています。肛門の痛みを堪えて彼女は立っているのです。
そして、人が力を入れる時に重要な事と言えば、二つ。奥歯を噛み締める事と、肛門の括約筋をキュッと締める事です。その肛門が今のゆうり先輩は大事故状態なんです。これでは力が入る訳がありません。
ですので、今のゆうり先輩は力をろくに入れる事も出来ず、俊敏な動きも出来ないはずなんです。つまり、私にも十分に勝ち目があります。
息を整えて、まるで剣道の様に私はホウキの穂先をゆらゆらと揺らします。狙うは一点。やはり肛門です。どうにかして背後に回り込み、ぐうの音も出ないぐらいのとどめの一撃をお見舞いするつもりです。
深く息を吸い、そして――。
「ゆうり先輩。お覚悟!」
私は盛りのついたバッファローの様に、ホウキを前面に突き出して突進を仕掛けました! 虎穴に入らずんば虎児を得ず。あえて死地に活を求める覚悟です!
こえーよ
全体的に盛りすぎだろwwww
孫子曰く、計とは虚と実をもって行うべし。
こんな単純な突進はゆうり先輩に避けられるに決まってます。つまり、これはフェイクです。
私の本当の目的は、避けられた後にすぐさま方向転換をして、ゆうり先輩の背後を取る事にあります。
ですので、この一撃はゆうり先輩が避けてくれなければ困るのです。しかし、何て事でしょう。この化物は避けようとしないのです。このままではゆうり先輩の豊満なお乳に突きを喰らわせてしまいます。私が狙っているのは肛門であって、乳首ではないのです。
私は瞬間的にまずいと思いましたが、勢いよく走り出している今、最早止めようがありません。そのままゆうり先輩のお乳へとホウキを思いきり突き込み――。
「甘いわね」
直撃する寸前にホウキの先端をがしっと掴まれました。しかもそれだけで完全に私の突進は止められたのです。足にどれだけ力を込めても微動だにしません。何て怪力なんでしょうか、この人は!
私が驚嘆と畏怖の念をもってゆうり先輩の顔を覗き見ると、そこには暗黒の闘気をまとって阿修羅と化している神話世界の怪物がいました。
「まさか、こんな爪楊枝で私を倒すつもりだったのかしら?」
物凄い殺気を感じます。あれは人殺しの目です。既に何人か殺っているに違いありません。おしっこチビりそうです。
これが真のクレイジーサイコレズか
センパイシリーズの匂いを感じる
ゆうり先輩改め、快楽殺人ゴリラYはホウキを私から強引に奪い取ろうと強く引きます。
その力たるや千斤の鼎を持ち上げたと言われる項羽よりも遥かに強力で、私は抗う事も叶わずホウキごと引っ張られ、そして――。
「捕まえたわ」
恐怖が声になって現れた、と表現しても一向に構わないでしょう。肩を万力の様な握力で掴まれました。これでは逃げる事も叶わず、私は鷹に捕らえられた野ネズミの如しです。
「さてと……一からきちんと事情を話してもらいましょうか。……ねえ、みきさん?」
天使の様なゴリラの笑顔です。武器もあっさりと取り上げられ、遠くに投げ捨てられました。そして、ステゴロでこのゴリラYに勝てる人類は存在しません。
最早、ここからの形勢逆転は絶対に有り得なくなったのです。私はつまり敗北したのです。完璧にパーフェクトに負けたのです。
後は、いつ殺されるか、それだけです。私は薬物実験前のマウスの様に怯え震え、一方でゴリラYは尋問と復讐をする気満々の顔をしていました。
勝敗はこうしていとも呆気なく決したのです。
さすが、ゆうりゆうりゆうり先輩やな
楽しみやなぁ…(ゲス顔)
……などと、ゆうり先輩は考えていたでしょうね。やっぱり盛りのついたゴリラYは砂糖菓子にシロップと練乳をかけるぐらい甘々です。チョロいです。
その証拠にゆうり先輩は私の肩を掴んだまでで済まし、それ以上の拘束をしようとしませんでした。あまつさえ、その場に正座させた後はその肩をも離してしまう始末です。
人はそれを油断とも慢心とも呼びます。
ゆうり先輩はすぐさま私を縄で亀甲縛りにすべきだったんです。腕と足を動かせないようにしておくべきだったんです。それをしなかった時点でゆうり先輩の負けは確定しました。
私の奥の奥の隠し玉です。ゆうり先輩が『風船爆弾の魔術師』と呼ばれた様に、私にもこんな二つ名があるんです。
『クレイジー カンチョー マスター』
私はスカートのポケットから素早く水風船を取りだすと、ゴリラYの顔面目掛けて勢いよく投げつけます! 小さな炸裂音! それと同時にゆうり先輩が顔を押さえてよろめきました! 見事に命中です!
この風船の中には水に溶かした片栗粉が入ってます。一言で言えば、目潰しです! 元々はアナルに指を挿入時、その滑りを良くする為のローション代わりにと持っていたものですが、しかし、それがどんな種類の物であれ、人類は戦争へと応用してきたのです!
私は床に落ちていたボールペンを拾い上げます。そして、目を閉じたまま腰を思いきり捻って、半回転しました。遠心力によって加速され勢いを増したボールペンのペン先は寸分の狂いもなく――。
「ひ゛き゛ぃ゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!」
まるで吸い込まれる様にゆうり先輩のアヌスへとクリーンヒットです。むしろ、ホームランです。
私の秘技、48の殺人カンチョー技の一つ、『後ろ回しカンチョー』が完全に決まりました。本来は前面の敵の攻撃をかわしつつカンチョーをするカウンター技ですが、今回は助走をつけられなかったので十分な威力を得るために遠心力を利用したこの技を使用しました。その威力は見ての通りです。
「あ゛っ゛が゛ぁ゛!! い゛ぎ゛あ゛い゛い゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
あの普段はおっとりしてて謹み深いゆうり先輩が、今や肛門を押さえつつ床を転がりながらおケツをぷりぷり振る淫乱牝豚状態です。ビッチもいいとこです。私を誘惑してるのでしょうか? はしたないゴリラですね。軽蔑します。幻滅です。とても興奮します。
太郎丸が颯爽と助けに来るんですねわかりますワン
太郎丸は原作だと死んでます
アニメでも看取られましたが
面白い
かくして私は香港の百万ドルの夜景よろしく、美少女三人が臀部をおさえて床を転がり回る光景を目にする事となったのです。それはまるでフライパンでウィンナーを炒める様とよく似ていて、あっちでコロコロ、こっちでコロコロ、時折音を立てて弾けるのです。
私はその光景を椅子に座って足を組みながら一息ついて眺めていました。心の中は安らぎと快感と勝利の余韻で満たされており、乳首は痛いぐらい勃起しています。
乳首と乳頭について研究しているケンブリッジ大学のロバート・ホーキンス博士はこう述べました。「乳首には女性の愛への渇望が、乳頭には希望と母性が詰まっている。それが勃起するという事は、この二つを女性が求め与えようとしているからだ」と。
まあ、単なる私の妄想話なんですが。そんな博士は見た事も聞いた事もありませんし。
とにかく無性にムラムラしてきた私はその乳首レーダーに誘われるがまま、まるで蝶が花の匂いに誘われるが如く、ゆうり先輩のムッチムッチの太ももに再び手を伸ばそうとしました。
しかし、その瞬間、私に電撃が走りました。私は気付いてしまったのです。この中に一人仲間外れがいる事に。
そうです。ゆうり先輩のアヌスには他の二人と違い、何も調味料が詰まってないのです。これは由々しき問題です。
私たちはお互いの事をかけがえのない仲間だと思っています。そして、仲良き事は美しい事だと武者小路実篤も言っています。そんな中に仲間外れを生み出していいでしょうか?
いえ、いけません。これは良くない事です。断言して言えますが、仲間外れや無視はイジメにあたります。イジメは良くない事ですし、とても醜い事です。
私はゆうり先輩の肛門にも何かしら調味料を注入する事を固く決意し、急いで教室を後にしました。やらなければならないという、断固たる使命感が私の背中を強く押したのです。
やめろ…!
>>88
マジレスに草
ヒゲダンスをしながら部室までたどり着くと、私はすぐに冷蔵庫を開けます。中には色々と調味料が入っています。どれにしましょうか。
私はマヨネーズかタルタルソースかマスタードにするかで悩み、最終的にはタバスコにしました。ゆうり先輩には情熱の赤が似合ってると思ったからです。きっとバラの様に美しい悲鳴を聞かせてくれるに違いありません。
嬉しくなった私はその場でロボットダンスを踊り、それからまたふと気付いてしまったのです。
太郎丸の姿が見当たりません。繋がれたリードだけが残っています。どうやら首輪抜けをしてどこかへ出ていってしまったようです。
太郎丸は賢い犬です。ドアも自分で開けれますし、複雑な計算も出来ます。「32×7÷16+8-21は?」「ワン!」正解です!
そんな太郎丸が危ない所に行くとは考えにくいですが、やはり心配です。何故か物凄く気になります。私、気になります。
嫌な予感がした私は四足歩行で急いで教室まで戻り、ゆうり先輩の肛門にタバスコを急いで注入した後、かつてない程の激しい悲鳴を背中に、再び急いで教室から飛び出したのでした。
目的は太郎丸の探索及び救出です。念のために、手にはくるみ先輩のスコップを。そして、ポケットには新たに作った片栗粉ローションとマスタードを入れて。
外を眺めると、雨が少し強くなって雷雲が微かに稲光を発しました。ますます嫌な予感がしました。
嫌な予感がしてるのはこっちだよ……
スコップをギター代わりにして、エアロスミスの『I want to miss a thing』を口笛で演奏しつつ、私は教室を一つ一つ絨毯爆撃の如く回っていきます。
しかし、太郎丸は影すらも見当たりませんし、鳴き声一つ聞こえません。
そして、下へと続くバリケードまで来た時、嫌な予感は現実となって現れました。
そこには、太郎丸の小さな足跡が階下へと続いていたのです。ゾンビがいる領域にまで足を踏み入れてしまったようです。
私は一瞬だけ逡巡しましたが、駿馬の様に階段の手すりに足をかけて外へと飛び越えました。太郎丸を救い出さないといけません。
太郎丸は以前私を救ってくれた命の恩人です。今度は私が太郎丸を助ける番です。絶対に。何としても。
>>94を一部訂正
エアロスミスの『I Don't Want to Miss a Thing』
あれ…?
いつのまにかシリアスになってる?
確かに尻ASSだな
太郎丸の微かな足跡を頼りに、私は群がってくるゾンビから逃げつつ下へ下へと降りていきました。
そして、とある場所へとたどり着いてしまったのです。
そこは地下です。初めて入る場所です。シャッターが降りていますが、それは設置された机によって途中で止められ、くぐれば入れるぐらいの隙間が下に空いています。
「太郎丸ー!」
息を深く吸ってもう一度。
「どこにいるのー! 太郎丸ー!」
そう大声で呼びかけました。するとシャッターの奥からわずかに鳴き声が聞こえてきました。この奥に太郎丸はいたんです!
しゃがみ込んでシャッターの奥へともう一度呼び掛けると、太郎丸がトコトコとこちらに向かって歩いて来るのが見えました。
良かった……。無事だったんだね、太郎丸。
私はシャッターから出てくる太郎丸に向かって、「おいで」と手を差し出しました。その瞬間!
本当に突然の事でした。鋭い歯音が、がらんどうになっている空間に鳴り響きました。あと一瞬手を引くのが遅れていたら確実に噛まれていました。太郎丸は、太郎丸が! 太郎丸の背中に噛まれた跡が! 太郎丸は!!
「どうしてっ!!」
気が付くと私は大声で叫んでいました! 「何で太郎丸がゾンビに!!」
あっ…(察し)
めぐねえ調教不可避?
一体、何があったんでしょう。いえ、そんな事はもうどうでもいい事かもしれません。太郎丸はゾンビに噛まれ感染し、新たなゾンビとなってしまった、その今となっては。
不意に目から涙がこぼれました。おかしいです。理不尽なこの世界と運命について絶望を覚えているだけなのに、どうして涙が。
覚悟はあったんです。このメンバーの中の誰かが、いつかはゾンビになる事があるかもしれないと思っていました。その中には自分自身も含まれていました。だからこそ、この先何があったとしても後悔しない様に生きていこうと決意もしてました。なのに!
太郎丸が……! それが今現実となっただけなのに、どうしてこんなにも堪えようのない気持ちが胸から洪水みたいにあふれ出てくるのでしょうか。塞き止める事も出来ず、休まず、途切れる事もなく。
この世界は私たちにとって凶暴です。運命は、私たちにとって残酷になる様に出来ています。
人間は生きている限り、いつかは誰とでも別れが来ます。来ない人や動物なんていません。それは誰にでも平等に訪れます。一つの例外もなく、誰にでも。
それを本能的に感じ取っていたゆき先輩はだからこそ皆との想い出を作る事を選んだんだと思います。私はそんなゆき先輩が大好きですし、尊敬もしています。一番現実から逃避しているくせして、一番現実を冷静に冷徹に見ているんです。あの人は。
太郎丸が唸ります。威嚇します。餌が欲しいとねだっていたあの可愛らしい声はもう二度と聞けないのでしょうか。この前ようやく仲良くなれた太郎丸とはもう二度と会えないのでしょうか。
私は大粒の涙をこぼしながら、いきなり飛びかかってきた太郎丸をスコップでフルスイングして天井までぶち飛ばしました。ズガキーンという良い打撃音がしました。世界は私の想像よりも遥かに残酷でした。
「さようなら、太郎丸……」
落ちてピクリともしなくなった太郎丸を見下ろしながら、私は小さく別れの言葉を告げました。そして、太郎丸をこんなにしてくれたゾンビにきっちりお礼参りをしてやると、私はシャッターの中へと怒気を露に入っていったのです。
ワンターンキル
めぐねえ逃げて
まさかスコップをケツに突き立てる気じゃ…
強い
躊躇しねぇな
奥に歩いて行くと、下へ続く小さな段差があり、そこには水がたまっていました。そう深くはありません。足首が浸かる程度です。
私はピッチピッチチャップチャップとその中をレゲエのステップを踏みながらランラン進んでいきました。すると、しばらくして見つけました。ピッチピチのゾンビです。
そいつは、アホみたいに頭から一本の触覚を生やしている、明らかにラスボスじみた女ゾンビでした。
ここの生徒ではないのか、ピンク色の髪に紫色のワンピースを着ています。ピンクに紫とは、明らかに夜の淫乱女です。ゾンビ臭よりもビッチ臭がします。ワガママなお乳がそれを更に強調してました。多分、生前はそのポニョポニョしたお乳で男を何人も誘惑し、たぶらかしていたに違いありません。
そして、太郎丸も犬とは言え男です。こいつに色気で騙され、近寄ったところをガブリとガブリエルされたに間違いないでしょう。許せません!
「太郎丸の仇です! 百万回死んで下さい!」
私はスコップをラウンドガールの様に構え、この牝牛に宣戦布告しました。バトルというよりも、一方的な虐殺カンチョーの始まりです。
セリフ回しから感じられるセンスと狂気
めぐねえ淫乱扱いかよwwww
>一方的な虐殺カンチョー
ちょっとまてお前ゾンビにカンチョーする気なのかよ
頭からアホみたいな触覚を生やしたラスボス…
ちょっとご存じないですね
ゾンビの弱点を端的に言うのなら、それはスピードです。こいつらは全員カメの様にノロいのです。
脳筋なのか、力は見た目よりも遥かにありますが、しかし、この速度の差は決定的過ぎます。普通に戦って負ける要素がないんです。印籠を無くして助さん格さんたちとはぐれた水戸黄門と同じぐらい、雑魚なんです。ただのお爺ちゃんです。
それでも私たちがゾンビを警戒しているのは、大量に群がってくるからという事と、捕まったら一貫の終わりだという事に起因しています。死の恐怖があるからこそ、彼等は脅威的なのです。
しかし、その恐怖さえ克服してしまえば、やはり雑魚なんです。モールにいた時、私はそれを既に克服していました。それはひとえに自分に対する自信から来るのです。彼等に勝てるという絶対的な自信から。
少し昔の話をしましょう。
私がまだ圭と一緒にモールで避難ぐらしをしていた頃の話です。
その頃の私たちは、朝起きてから夜寝るまで何もする事がありませんでした。ただ、食べて寝るだけの豚や牛みたいな家畜同様な日々だったのです。暇を潰せるような事は何一つありませんでした。
私が大事に持っていた本は圭がトイレットペーパー代わりに破いて使ってしまいましたし、圭が大切にしていたCDプレイヤーはその腹いせに私が窓から放り投げましたから。
私たちはお互い死にかけるところまで首を絞め合った末に、こんな事で死ぬのは馬鹿げていると和解して、その日は手を繋いで一緒に寝ました。圭と心が通じあった、とても素敵な夜でした。
翌日になって、私たちはこの暇さを潰す為に三文字しりとりを始めました。タンタンタタタン♪のリズムに合わせて三文字でしりとりを行うゲームです。同じ言葉を何度使っても構いませんが、リズムに乗り遅れるたり言い間違えると負けです。私たちはこのゲームにおおいにハマりました。
そして、しりとりという言葉にちなんで、負けたらカンチョーされるという罰ゲームが後から追加されました。
この追加ルールは私たちの本気度を俄然上げました。圭は毎日腕立て伏せをしてシャドーボクシングならぬシャドーカンチョーをするのが習慣となり、私は太郎丸をダンベル代わりにして筋肉をひたすら鍛え、時には外に出てゾンビ相手に金属バットでカンチョーの実戦を行いました。正直、二人とも大事な物を壊された事を根に持っていたのです。
朝と夜は筋トレをし、昼は三文字しりとりをしてカンチョーするのが二人の日課となりました。この頃には救助がいつ来るのかなんてどうでも良くなっていました。
二人とも最強のカンチョーを求める事だけに毎日を費やしたのです。私の48の殺人カンチョーが生まれたのもこの時です。圭に一つ一つ試して技の完成度を磨き上げたのです。全ての技が完成した時には圭は切れ痔で深刻な便秘となっていました。
そして、圭は私を置いて出ていきました。確かに私は圭を最初恨んでいましたが、その時には恨みなど完全に消えていて、むしろ感謝の気持ちで一杯だったというのに。この殺人カンチョーは圭の存在なくては完成しなかったのですから。
……つまらない昔話をしました。話を最初に戻します。つまり、私はカンチョーに絶対的な自信を持っていて、このドピンクな淫乱ゾンビごときに負ける気がまるでしなかったという事です。
両方手遅れだったか…
スコップを両手で握って顎の下あたりまで持っていきます。そして、『∞』の軌道で頭を振りながら前へと進みます。漫画で覚えたデンプシーロールです。
一歩、二歩、三歩と少しずつ。ゆらゆらと近寄っていきます。
向こうの淫乱ピンクも同じです。歩調が不安定な感じで、こちらに一歩、二歩、三歩。……きました! 手が私の肩へと伸ばされます。
「遅いです!」
私は瞬時に体をひねり、そのまま半回転して、相手の背後を瞬時に取ります。古武術における『背面取り』と呼ばれる技の一種です。私が武道家ならその無防備にさらけ出している背中に向かって掌底を決めているところですが、今の私は復讐に燃えるカンチョーマスターです。
私は持っていたスコップを上にして構えると、全体重を乗せてその穂先を淫乱ピンクの肛門めがけて突き下ろしました。48の殺人カンチョーの中で最も威力が高い『ジョルトカンチョー』です! 道具なしでやると、相手の尾てい骨と、自分の指の骨折は免れないと思われる、最強の荒業です!
「が゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
淫乱ピンクは叫び声を上げて、地面にすっ倒れました。私はすぐに駆け寄ると、うつ伏せで倒れている淫乱ピンクの尻の割れ目にそってスコップを当て、それから掘削機の様に足をあてがって激しく電気あんまを行いました。
「これは太郎丸の分です!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
それを二十分ほど続けた後、私はスコップを大きく後ろに回して、タイガー・ウッズもかくやという美しいスイングで淫乱ピンクのお尻を振り抜き、数メートルほど吹き飛ばしました。
「これは私の分です!」
「ぎ゛あ゛が゛が゛!!」
それから、肛門にワサビを入れられたゆき先輩の分と、辛子を入れられたくるみ先輩の分と、タバスコを入れられたゆうり先輩の分をスコップで各二回ほどカンチョーして倍返しした後に、私はおもむろに頭部を潰しました。
「…………」
これで淫乱ピンクはもう動きません。永遠に。確実に。この世が終わるまで。
「……これで仇は取ったよ、太郎丸。帰ろう、みんなのところへ」
私は歩き出し、太郎丸の遺体を回収する為にシャッターの外へと出ました。と、その時です。
ガブリ。
……ものすごく嫌な音が足元からしました。
下を恐る恐る眺めると、さっき殺したと思っていた太郎丸が起き出していて、その剥き出しの牙には真っ赤な鮮血がついていました。
私の視界が不意に歪み、足が自然とカタカタ震え始め、そして気が付けば私は失禁していました。
ゾンビに……噛まれたのです。私は……感染……してしまいました。
まさかの展開
なん…だと…
嘘……。嘘ですよ……ね?
こんなのないですよね。何で私が……太郎丸に……噛まれ……。
私は叫びました。心の底から叫びました。何を叫んだかは覚えてませんし、それはもしかしたら言葉になってなかったかもしれません。ですが、何かを精一杯叫んだのは確かです。
私はほとんど半狂乱になっていました。
先程、私は自分が死ぬ覚悟も出来ていると言いました。その時の言葉に嘘偽りはありません。ですが、実際には出来てなんかいなかったんです。まやかしだったんです。私は切実に死にたくありません。ゾンビにもなりたくありません。誰か助けて下さい。私を救って下さい!
気が付くと私は駆け出していました。駆け出せば、この場から逃げれば、何もかもなかった事に出来るようなそんな気になりました。
しかし、そんな楽観的観測は後ろから追いかけてくる何か得体の知れないドス黒くて大きい『人でもゾンビでもない何か』によってあっさりとかき消されました。
それは恐らく『恐怖』、あるいは『死』だったのだと思います。私はもう一度言葉にならない何かを叫びました。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。怖い、怖い、怖い、怖い、怖い!
私は小水を撒き散らしながら廊下を駆け抜け、階段を二段飛ばしで走り上がりました。まるで後ろから何人もの死神が鎌を持って追いかけて来ている様でした。とにかく必死でした。逃げ出さなければ、すぐさま捕まって殺されるような気がしました。
バリケードが前に見えます。いつのまにやらここまで辿り着いていたようです。私は涙と鼻水とおしっこを垂らしながらバリケードに取り付いて上ろうとしました。手が震えていて上手くロープを掴めず、いきなり滑って転びました。痛さはまったく感じません。焦燥感だけがどしどしと私の背中の上に積み上がっていきます。苦しいです。息がきちんと出来ません。吐き気がして、ろくに酸素が吸えません。
私がゾンビに……! ゾンビに……!!
人間としての生活はもうお仕舞いなのでしょうか? 人間が人間である為の尊厳や理性などを全て失い、ただ徘徊するだけの肉の塊となってしまうのでしょうか? ゆき先輩やみんなとはもう会えないのでしょうか? 会ったとしてもゾンビとして殺されるだけなのでしょうか? そして、そうならなかった場合、私はみんなを襲って同じくゾンビに変えてしまうのでしょうか?
嫌です! とてつもない悪寒が全身を駆け抜けます。脳内を沢山のムカデが這いずり回っているような気がして、私は頭を思いきり振り回しました。床に強く打ち付けました。
嫌です、嫌です、嫌です、嫌です、嫌です、嫌です、嫌です!!
ゾンビは嫌です! 死にたくも殺されたくもないですし、殺したくもありません! 私を殺さないで下さい!!
カンチョー癖で自滅するなよ・・。
……それからどれぐらいの時間が経ったのでしょうか。私にはわかりません。五分と言われれば五分と信じ、五時間と言われれば五時間と信じたでしょう。時間の概念は今や私にとって、とるに足らないものとなっていました。
その間ずっと、私は廊下で一人倒れながら、天井だけをボーッと見上げて子供の様に泣きじゃくっていました。先程よじ登れなかったバリケードが全てを物語っているような気がしたのです。
死にたくはありません。みんなと一緒に人として生きていたいです。でも、私はもう向こう側には行けない。また、行ってはいけない。そうみんなから拒否された気がしたのです。
このバリケードは私以外の人達で作ったものです。ゆき先輩、くるみ先輩、ゆうり先輩、そして見た事がありませんがめぐねえ。その四人で力を合わせて作ったものだと聞いています。
私はその中にはいません。だから、このバリケードを登れなかったんだと思います。私がゾンビとなり有害な存在になってしまったから……。今は亡きめぐねえがそっとやって来て、私の手をついとロープから離したのでしょう。あの三人を今でもめぐねえは守っているような気がしました。
……窓の外からはずっと雨の音が聞こえます。稲光が起き、それと同時に階下から激しい音が聞こえました。
それに続いて雷鳴が轟きます。私は虚ろでぼんやりとした思考の中、先程の音について考えていました。雷鳴ではなかったのです。となると、さっきの音は何だったのでしょうか……? 雷鳴ではなく、別の何かだという事は……。
……まさか!
私は自分の恐ろしい予想に思わず身震いしました。
一階のバリケードが壊されたんじゃ……!!
唐突なシリアスに草不可避
正面入り口のバリケード。生前の記憶を持っているゾンビはここから校舎の中に入ろうとします。だから、そこにはバリケードが築かれていました。ここがあるからこそ、校舎の中に入ってくるゾンビは激減しているのです。
しかし、そこが壊されたともなれば一大事を通り越して緊急事態です。特に今日は雨が降っていてゾンビ達は校舎の中へと入りたがっています。大量のゾンビが後から後から中へと侵入してくるに違いありません。
もしも、そうなったら……。今あるこのバリケードも……。
私は立ち上がりました。力を入れたせいか、負荷がかかったせいか、あるいは前から症状が進行していたのか、噛まれた箇所が焼けるように熱く鋭い痛みを発します。
ですが、今はこの足を切り取ってでも歩かなければなりません。向かわなければなりません。武器となるスコップを持っているのは私だけですし、他の三人はめぐねえのせいで肛門が大事故を起こしています。恐らくまだまともに動く事も出来ないでしょう。私がやるしかないんです!
今、気付きました。こうなってから、こんな事態になってから、ようやく今気付いたんです。私はあの三人が大好きなのです。大好きだからカンチョーをするんです。キスする代わりに私はカンチョーをするんです。
私の愛は恐らく歪んでいます。でも、愛に優劣なんてものが存在するのでしょうか。いいえ、ありません。愛に種類や大小はあっても、優劣なんてあるはずがないんです。例えどんな愛でも、それは綺麗で美しいものなんです。かけがえのない大切なものなんです。
ゆき先輩はぷるぷるのお尻を持っていて、誰よりも優しく誰よりも人の心配をします。くるみ先輩はキュッとしまった小さなお尻をしていて、誰よりも心が強く誰よりも頼りになります。ゆうり先輩は餅のようなむにむにのお尻をしていて、誰よりも責任感が強く誰よりも母性的です。
私はこの三人と、この三人のお尻を愛しています。
私にとってこの三人は、家族であり、仲間であり、大切な友達であり、恋人候補であり、愛人候補であり、カンチョー対象者です。愛があるから、私はこの三人にカンチョーをするのです。全力で、全身全霊をかけてするのです。
守らないといけません。私が。何に代えても。どんな結果になろうとも。
涙を拭って、私は一歩ずつ階段を降りていきました。どうせ私という存在が死ぬのなら、私は人として、変態として死にたいと思います。誰かを守って死にたいのです。
台無しである
しれっとカンチョーがめぐねえのせいになってる
階下へ降りると案の定でした。バリケードが壊されゾンビがうろちょろしています。
足が激しく痛みます。心の中は絶望だらけです。でも、私がやらねばなりません。神風特攻隊の方は恐らくこんな気持ちだったのでしょう。私の未来には夢がなく、既に片道分の燃料があるかどうかもわからないのですが、それでもやらなければならないのです。
近寄ってくるゾンビをスコップで凪ぎ払います。右に左に。前に後ろに。カンチョーする為に鍛えあげたこの体は、不器用ながらもまだきちんと動いてくれます。そして、動ける内にこいつらを排除しなければなりません。
蹴り飛ばして倒れたゾンビの首にスコップを当て、下に向かって一気に力を込めます。一体。足を払って転ばしてから頭部を潰します。二体。回転をつけてゾンビの頭をぶん殴ります。三体。
延々と延々と、体が動く限り。そこにゾンビがいる限り。
倒していく途中で噛まれた箇所に信じられないぐらいの激痛が走ってもんどりうつ事も数度ありました。しかし、それでも私は戦い続けました。這ってでもゾンビを殺し続けました。自分の未来ではなく、家族の、仲間の未来の為に必要な事なのです。
……あらかたゾンビを倒し終えて正面入り口前に辿り着いた時には、私の体は限界を迎えていました。今や激痛が来るのは足だけではなく全身からです。何もしてなくても体が痛みによって痙攣するのです。私は芋虫の様に地面を転がりうめき続けました。
最早、生き地獄でした。死んだ方がよほどマシだと思いました。脳に直接針を刺しているかのような鋭い痛みが走り続け、口からは蟹の様に泡がぷくぷく出てきて、焼けるように喉が熱いのです。
水が欲しい。水が。水が……。水が……!!
「水……が……」
それが、私が気を失う前に覚えている最後の記憶です。
こいつゾンビになってた方が被害少ないんじゃないかな
──────────
───────
……目が、覚めます。ぼんやりとした光が見えます。
もう死ぬかと思ってました。だけど、どうやら私は生きている様です。あれだけの喉の渇きもすっかりと消え、体に痛みはなくなっています。一体、何が……。
どこ……? ここは……?
目に映るのは高い天井です。鉄筋コンクリートで作られた天井。私は床に寝ていたようです。顔をそっと横に向けると、グラウンドが映りました。という事は……。
倒れた時のまま。一階のバリケード跡です。そのまま気絶していた様です。でも、それならどうして私はゾンビ化してないのでしょうか?
「気が付いた?」
不意に頭上から声がかかりました。この声を私はよく知っています。とても懐かしい声です。ずっと会いたかった声です。
「圭!」
「久しぶりだね、みき」
圭は笑顔でそう答えてくれました。私の頬から涙が一筋こぼれていきました。生きていたんです、圭も!
結局圭が死んだかはわかってねーよな?
上体をゆっくり起こして立ち上がります。圭は私に言いました。
「ねぇ、一緒に帰ろう」って。
「またあのモールに帰ろう。太郎丸と私とみきの三人で。その為に迎えに来たんだよ」
私は答えます。
「でも、太郎丸はもう……」
圭は私の横を指差して答えました。
「太郎丸なら、そこにいるじゃない」
目を向けます。小さな可愛らしい鳴き声が聞こえ、愛くるしい顔が映りました。「太郎丸!」
ゾンビになっていません。太郎丸も無事に生きていたんです!
「さあ、帰ろう。あのモールにもう一度」
圭の言葉に私は強く頷きました。
「帰ろう。私たちの住んでたところに!」
私たちは二人で並んで歩き出します。途中、後ろから何やら叫び声が聞こえてきました。私は振り返ります。
何でしょうか……? 校舎の二階から女の子のゾンビが三体、窓から身を乗り出して叫んでました。
「みーくん! 帰ってきてよ、みーくん! みーくんっ!!」
何を言っているのかは私には判別がつきません。ゾンビの言葉なんてわかるはずがありませんから。ただ、必死に何かを叫んでいたのは確かでした。
「ゆき! ダメだ!! 落ちるぞ!! もうみきは! あいつは!!」
「手遅れなの、ゆきちゃん! もう手遅れなの……!」
私はそれをしばらく眺めていましたが、やがて猫帽子をかぶったゾンビが他の二人のゾンビに無理矢理引っ張られるようにして奥へと消えたので、私はそれについて一切の関心を失いました。前を向き直ります。
「どうしたの、みき?」
「ううん。何でもない」
そう答え、太郎丸と一緒に、先に行っていた圭の後を追いかけます。
「ねえ、圭。帰ったらまた三文字しりとりをしよう」
そう言うと、圭は笑って答えました。「もちろん」って。
私は今、とても幸せです。そして、この幸せは永遠に続くのだと、私は不思議な事に何の根拠もなく信じているのです。
ここには夢と愛と希望があふれているのだと。
FIN
SIREN思い出した
あれだけケツの穴を蹂躙されてもみーくんの為に必死になれるゆきは聖母乙
これが真のエンディングか……乙
カンチョーで動けなくなってそのあとゾンビには食い殺されたんだな
美紀ざまぁ
3人がね
最後シリアスになったのかな。乙。
乙
最後の方がまともだなwwwwwwwwwwww
うーんこの後半の右肩下がり感
この三人にとってはモールで引きこもってもらってた方が幸せだろ…
最後までギャグで貫けよと
途中でシリアスになる必要があったか?
ゾンビ化して生前の記憶としてカンチョーが目的のゾンビとなり学園生活部の三人にやり続けると思って怖かった
何か藤子不二雄の流血鬼のオチを思い出した
お前らシリアス耐性なさすぎだろww
いうなれば
【尻ASS漫画】みーくん☆ご乱心【最初から】
乙でした
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