黒井「そうか、もうすぐ私の誕生日か」 (22)
黒井「ここ最近仕事ばかりで私の誕生日のことを忘れていたな」
黒井「しかし誕生日か…。最後にお祝いされたのはいつ以来だったか…」
黒井「もう忘れてしまったな。そうだな…」
黒井「たまには誰かに祝福されるのも悪くないな」
黒井「そうと決まればバースデーパーティーの準備をするか」
黒井「そうだ、ついでに765プロのゴキブリ共も招待するとしよう」
黒井「くっくっくっ…、当日が楽しみになってたぞ」
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黒井「…というわけで私の言ったとおりに招待状を送れ」
社員「かしこまりました、ところで社長」
黒井「何だ?」
社員「765プロにも送るのですか?」
黒井「意外か?」
社員「はい」
黒井「フン、私があのいまいましい765プロをこんなゴージャスなパーティーに招待させるのにはそれなりの理由がある」
社員「理由ですか?」
黒井「ああ、私が招待する相手は基本的に大企業の会長や世話になってもらっているスポンサーやテレビ局の社長などだ」
黒井「どれもセレブでゴージャスな面子ばかりだ。そんな中で貧乏でゴキブリな765プロが紛れ込んだらどうなる?」
黒井「ただただ恥をかくだけだろうなぁ~、あまりにも場違い過ぎるからな」
社員「それが狙いですか」
黒井「そういうことだ、わかったら早く送れ」
社員「かしこまりました」
黒井「待っていろ765プロめ、とびっきりの赤っ恥をかかせてやる!」
765プロ
P「はぁ…。何だ一体…」
春香「どうかしたんですか?」
P「黒井社長から誕生日の招待状が送られてきたんだ」
春香「誕生日?」
高木「そういえばもうすぐ彼の誕生日だったね」
P「まったく…何を考えているんだか…飽きれて笑いも起きないや」
春香「どうするんですか、プロデューサーさん?出席するんですか?」
P「何でわざわざ嫌がらせをしてくる相手のバースデーパーティーなんかに行かなくちゃいけないんだ」
P「せっかくの休日をそんなことで無駄にするつもりはないね。そうだ!」
P「なあ春香、その日一緒に遊園地に行かないか?」
春香「えっ、いいんですか?」
P「ああ、千早や真や響も連れていこう、きっと楽しくなるぞ!それに誕生日に行けない言い訳にもなるからな」
春香「いいですね!行きましょうよ!」
小鳥「社長は行かなくていいのですか、誕生日?」
高木「その日はゴルフの約束があるもので無理なんだよ」
小鳥「そうなんですか」
P「音無さんはどうなんですか?」
小鳥「私もその日は予定があって」
P「なら仕方ないですね。早速真たち遊園地のことを伝えておこう」
P「あっ、そうだ。ついでにお断りの手紙も書いておこう。なるべくオブラートに包んだようにしてっと…」
315プロ
翔太「冬馬くん、黒ちゃんから誕生日の招待状が届いたよ」
冬馬「わかっているさ、俺のところにもきた」
北斗「それで、どうするんだい?行くのかい?」
冬馬「その日は何があるのか忘れてないだろ?」
北斗「もちろん、ハワイでグラビア撮影だったね」
冬馬「ああ、だからおっさんには申し訳ないが俺たちは行けねぇ」
翔太「いいのかな?黒ちゃん悲しまない?」
冬馬「おっさんも大人だ。俺たちが来なくたって悲しむような人じゃないだろ」
冬馬「それにおっさんだって俺たちが仕事をサボってまで来ても仕事を疎かにするなと言って叱られるかもしれないしな」
北斗「確かにそうかもしれないね。でも断るならちゃんと手紙も書かないとね」
冬馬「ああ」
9月6日
黒井「ふふふ…ついに私の誕生日だ」
黒井「それで、どうだ?誰か来たか」
社員「まだ誰もいらっしゃってません」
黒井「ふん、まあいい…。まだ時間じゃないからな」
黒井「気長に待つとしよう。パーティーの開始時刻までまだ時間がある」
数時間後
シーン
黒井「…」
黒井「おかしい、なぜ誰も来ない…」
黒井「パーティーの開始時刻はもうとっくに過ぎている、この時間なら私のスピーチが終わり食事にはいっているはず…」
黒井「確かに私は100通近く送ったはずだ」
黒井「なのなぜ全く来ないんだ?」
社員「社長、そのことなんですが先ほどお手紙が届いております」
黒井「何?手紙だと?」
拝啓、黒井社長
おっさん、俺はおっさんの誕生日に仕事が入っているから行くことができねぇ
すまねぇな。悪く思わないでくれ、ハッピーバースデー
天ヶ瀬冬馬初めジュピター一同
黒井「あいつら…私の誕生日より仕事を優先したのか!?」
黒井「仕事などこの一年腐るほど来るだろ!だが私の誕生日は年に一度しかないんだぞ!」
黒井「おのれぇ…私が貴様等に与えた恩を忘れおって…ええいもういい!」
黒井「あいつらに頼んだ私がバカだった!」
黒井「次の手紙は!?」
拝啓、黒井社長
わざわざご招待していただきありがとうございます
しかしこちらとしては予定が入っているため行くことはできません
他の参加者とともに楽しんでください、お誕生日おめでとうございます
765プロダクション一同
黒井「ぐっ…ぐぬぬ…!765プロの連中までもかぁ!?」
黒井「あいつらが来なかったらあいつらに恥を欠かせることができないではないか…」
黒井「おのれゴキブリ共めェ!次あったらただではすまさんぞ!」
黒井「他の手紙はなんだ!?あの社長やその会長もどれも全部同じようなお断りの文で書かれているではないか!」
黒井「何故だ!何故誰もこない!せっかくご馳走やケーキも用意したというのに!?」
悲しいなぁ
社員「あのー、黒井社長」
黒井「何だ!?」
社員「そろそろ時間なので私たちは帰らせてもらいます」
黒井「何!?」
社員「ありがとうございました、それと誕生日おめでとうございます」
黒井「おい待て!貴様等!社長の誕生日祝いをしないで帰るとは失礼だとは思わないのか!?」
社員たち「えぇ…」「せっかくの休日に呼び出されてこれは…」「誰も来ないしすごく退屈そうだし…」
社員たち「どうせ祝うならかわいいアイドルの誕生日を祝いたかったぜ」「ぶっちゃけ虚しくない?」
黒井「貴様等!本音を言うなら胸の中で言え!丸聞こえだ!」
黒井「だがおかげで貴様等の本心を聞けた!そんなに参加するのが嫌なら今すぐ私の前から消えろ!」
社員たち「それじゃあ私たちは帰らせてもらいます」「お疲れさまでしたー」
黒井「お、追い待て!本気で帰るのか?」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ
黒井「待て!もし付き合ってくれたら給料払ってやるぞ!だから…!」
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ
黒井「おい!戻ってこい!ここにたくさんご馳走があるんだぞ!おい!」
シーーーーーーーーーーーーン
黒井「…そして誰もいなくなった」
黒井「何故だ、何故誰も私の誕生日を祝ってくれない…」
黒井「食べ物目当てで来る奴すらもいないのか…どうなっているんだ…?」
黒井「そういえばあいつにも送ったのに何故来ないんだ!問い詰めてやる」ピポパポピポ
悪徳『はいもしもし悪徳ですけど』
黒井「私だ!黒井だ!」
悪徳『ああ、黒井社長。どうかしたんですか?』
黒井「今日は何の日かわかっているはずだろ!何故来ない!?」
悪徳『はぁ?誰が好き好んでせっかくの休日を性格悪いおっさんの誕生日なんかに費やさなくちゃ行けないんですか』
黒井「何!?」
悪徳『世話になってもらってるから行く?付き合い長いから行く?あほらしい』
悪徳『アンタのことだからきっとすごい内装やご馳走とか用意したんだろうけどねぇ』
悪徳『だがそれでも誰もアンタの事をお祝いしたいと思う人いないと思うぜ?』
黒井「どういうことだ!?」
悪徳『だってアンタ、性格悪いだろ?アンタのお得意先や知人も表では普通だが裏では陰口ばかり言ってるんだぜ』
黒井「!?」
悪徳『まあ俺もアンタとは長い付き合いだから彼らの気持ちはわかる。性根が腐ってるおっさんの誕生日会なんて行きたくもないね』
悪徳『アンタは取引先としては最高かもしれんがプライベート関連で付き合うのは…ねぇ?』
黒井「ぐ…き、貴様ぁ…!」
悪徳『ああすまねぇ、傷つきましたか社長?』
悪徳『なんなら今貴重な時間を使ってアンタの寂しい寂しい誕生日パーティーに参加しましょうか?』
悪徳『悪友として慰めにいきますよ!アッハハハハハハハハハ!!!!!』
黒井「ぐっ…ぐうううううう!!!!!」
アッハハハハハハハハハ!!!!!ハハハハハハハハハ!!!
ハハハハハハハハハ!!!!!アハハハハハハハハハ!!!
黒井「もういい!貴様との縁もこれまでだ!」バキッ!
黒井「おのれ!どいつもこいつも…せっかくこの私が招待してあげたというのに!」
黒井「揃いも揃って欠席しおってぇ!!!」
黒井「せっかく準備したのに…準備したのに…!うぉ…おおぉ…!」
黒井「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ガシャアアアアアン!
パリイイイイイイイイン!
黒井「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ドオオオオオオオオオオオオン!バキバキバキ
パリンパリンパリン!ガチャアアアアアアアアアン!!!
黒井「ウ…オオオオオオオ…誕生日なんか…誕生日なんか…!」
黒井「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
黒井「おのれェ!おのれええええええええええええ!!!!!」
パリイイイイイイイイン!ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
黒井「ウガアアアアアアアアアア!!!!!!」
黒井「ハァ…ハァ…。よく考えたら何を言っているのだ私は」
黒井「誕生日会にだれも来なかった?私一人?それがなんだ!」
黒井「孤独は人を強くする、王者は常に孤独なものだ!」
黒井「孤独を望む私にとって知人など無粋で無意味なものではないか!」
黒井「そうだ!私はこれまでも、そしてこれからも孤独で居続ける!知り合いなど不要だ!」
黒井「このバースデーパーティーも一人で盛り上げるぞ!王者を舐めるなァ!!!」
黒井「フハハハハハハハハハハハノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \!!!!!!!!」
ハハハハハハハ!!!
こうしてこの晩、日付が変わるまでビルの中で一人の男がずっと高笑いをしていましたとさ
おしまい
両津かな?
おつ
巨人の星の飛雄馬のクリスマスパーティー思い出したわ…
かなしいなあ
巨人の星だよな……普段の行いって大事
SPで響を首にするから……
このSSまとめへのコメント
黒ちゃん可哀想…。
高木は行かなきゃダメだろ!!!( `ω´)プンプン
Pkジュピターみたいな961プロメインの作品がまた読んでみたいな。