美常務「伝えたとおりだ」 (16)
美城常務「先日はレッスン中にすまなかったな。急だったものでな。…さて、早速だが、君たちにはユニットを組んでもらう。名前はトライアドプリムス」
加蓮「あっはい…!」
常務「メンバーは君たち北条加蓮、神谷奈緒、そして、渋谷凛の3人だ。質問は?」
加蓮「あ、あの! 凛は…」
常務「もちろん分かっている。ニュージェネレーションズはどうするのか、ということだろう。はっきり言うが本人次第だ。いや、少し違うな。本人次第ではあるが、また、君たち次第でもある」
奈緒「どういうこと…ですか」
常務「まだ渋谷んはこの話をしていない。渋谷はおそらく断る、…か保留にするだろう。そこで君たちの出番だ」
加蓮「説得をしろ、ってことですか」
常務「ユニットで活動がしたいのであれば、の話だが。さて、異論はあるか」
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奈緒「なんであたしたちなん…ですか」
常務「……。私は君たち3人に大いに可能性を感じている。先日レッスンを見て感じた。それでは不満かね」
奈緒「いや……不満とか、そういうことじゃないですけど…」
常務「私の気はあまり長くない。もう一度聞くが、このユニットに参加するか。答えなさい」
加蓮「奈緒、……やろう」
奈緒「加蓮!? ……そ、それはいいけどさ、凛はどうすんだよ?」
加蓮「なんとかしよう。もちろん、無理はしないように」
常務「何度も言うようだが、私は君たちに期待している。渋谷から良い返事が聞けることを楽しみにしているよ」
※
奈緒「どうすんだよ……? 威張るわけじゃないけどさ、あたしは何も思い浮かばないぞ」
加蓮「さーどうするのかな。アタシだってわかんないよ。…とりあえず凛が美城常務になんて答えるか、待ってみよう」
奈緒「でもさ…やっぱり普通断ると思うんだよな。だってニュージェネだってあるし。掛け持ちだってきついだろ」
加蓮「だから、それをどうにかするのがアタシたちなんでしょ。奈緒は凛と一緒にステージに立ちたくない?」
奈緒「それは……」
加蓮「レッスンして、ケンカとかして、一緒に頑張って頑張って、ふふっ。もしかしたらトップアイドルになったりして」
奈緒「と、トップアイドル…。いや、まあそりゃあ一緒にやりたいけどさ……」
加蓮「もー相変わらず優柔不断なんだから! アタシたちは、たぶん、もうこれしかないんだよ。CDデビューがなくなって、それでこのタイミングで美城常務から直接話が来たんだから」
奈緒「そんな……」
加蓮「……だから、なんとか、やろう」
奈緒「う、うん……」
※
常務「伝えたとおりだ。君には新たなユニット活動をしてもらおうと思う」
~
凛「えっと……少し、少し時間を…ください」
※
▽5
加蓮「まずは、直接話してみようよ」
奈緒「うん。あ、あそこで話そうぜ! いまフルボッコちゃんのキャンペーンやってるんだ!」
加蓮「はいはい。じゃあ行こう、先に帰られちゃったらたいへん」
※
加蓮「急にごめんね」
凛「いや…、トライアドプリムスのことでしょ」
加蓮「うん。そうなんだ。じゃあまずは、どう? やらない?」
凛「……ごめん。私にはニュージェネがあるから」
加蓮「まあ、そうだよね。でもちょっとアタシたちもそれじゃあ困るんだよねー」
加蓮「凛は、さ。アタシたちとじゃ、嫌かな?」
凛「そんなことない!」
加蓮「ありがとう。やっぱり、ニュージェネと掛け持ちじゃダメなの?」
凛「……なんていうか、そんなに半端な気持ちで、ニュージェネはできない。と思う」
加蓮「凛は美城常務になんて言われたかわかんないけど、アタシたちはさ、可能性がある、期待しているって言われたの」
加蓮「それでさ、アタシたちってもうこれが最後のチャンスなんじゃないかなーって思ってるんだ」
奈緒「ちょっ、加蓮!」
加蓮「…ああでも、そう言って無理やりやらせようとか、そういうことじゃないから。気にしないで」
凛「気にしないでって…」
加蓮「まあまあ。アタシたちにとっても、凛にとっても新しい挑戦になる。でも、新しい何かを得られるチャンスなんじゃないかな」
加蓮「新しいユニット、新しいレッスン、新しいステージ。もちろん簡単なことじゃないよね。アタシたちは違うけど、凛にはニュージェネもあるんだから」
凛「知らない場所で何かをはじめるのは…ちょっと、怖いかな」
加蓮「あのね、凛。新しいことに挑戦するのは、知らない場所でなにかをするのは、みんな初めてのことなんだよ。だって、やったことないんだもん。知らないんだもん」
加蓮「でも、みんなそれを乗り越えていくんだよ。がむしゃらに頑張ったり、仲間と協力したり。アタシたちじゃ、それはできないかな……?」
凛「分かった。加蓮の言うことは…、いちおうわかった。だけど、やっぱりちょっと考えさせてほしい」
加蓮「うーん、まあ…仕方ないか。ほら、奈緒もちょっとは話しなよ」
奈緒「あ、あたしか!? あ、あの……そうだ! 明日、もう一回合わせてみないか?」
加蓮「そうだね。この前3人で合わせた時、すごくイイ感じだった。アタシがトライアドプリムスをやりたいって思ったのも、もしかしたらそこからなのかもしれない」
加蓮「この3人なら、きっとすごいことができる、そう思えた」
※
奈緒「来て…くれるかな? 凛」
加蓮「来なかったら、仕方がないよ」
奈緒「そんな……」
加蓮「凛だってたいへんだろうし、アタシたちが無理にやらせても、ダメじゃない?」
奈緒「それはそうだけど……」
加蓮「でもアタシは賭けてみたいんだ。3人で歌うことで感じた何かに、得られるかもしれない何かに」
奈緒「……そうだなっ! 明日、精一杯頑張ろう」
加蓮「うん」
※
加蓮「アタシたちで歌うから、聞いてて」
凛「うん」
~
加蓮「はあ、どうだった?」
凛「うん。良かった」
加蓮「次は凛も歌ってみてよ」
~
奈緒「あーっ! やっぱりこの3人でやりたい!」
加蓮「良かったね」
凛「うん……」
加蓮「それで、また急になっちゃうんだけど、どう? やっぱりできない?」
奈緒「ど、どうだ…?」
凛「……そうだね。私は…」
※
奈緒「あーっ、緊張するな…!」
加蓮「ふふっ、奈緒ってば、少しは落ち着きなよ」
奈緒「だってさあ! は、初ライブだぞ!」
加蓮「そうだね……やっと、アタシたちも、やっと、辿り着いた…」
加蓮「アタシたちで、何かできるかな」
奈緒「加蓮…」
加蓮「アタシも緊張してきちゃった。手が……」
加蓮「頑張って、すごいことができるって、思ってる。でも…」
奈緒「加蓮! ……あたしたちは、3人だ!」
奈緒「加蓮一人じゃない。凛も、あたしもいる。3人で、すごいことをやるんだ」
凛「私に、何か感じた、すごいことができるって言ったのは加蓮だよ」
凛「3人で、私たちはトライアドプリムスなんだよ」
加蓮「ふたりとも・・・。そうだよね、ありがとう」
ビジョム
奈緒「今、この瞬間が明日をつくるんだ」
加蓮「…なにそれ」
奈緒「あ、アニメの…セリフ…」
凛「ふふふっ」
加蓮「ふふっ、相変わらずだね。でも、そうだね、……ありがとう。今を頑張って、3人で、明日を、トライアドプリムスの未来をつくろう」
終
かなりあっさりでしたが、北条加蓮さん、誕生日おめでとうございます。
そして、(おそらく)今日21話で結成されるであろうトライアドプリムス、楽しみにしています。
ありがとうございました
乙
このSSまとめへのコメント
え?素で書いてんのこれ??
TPアンチが書いてるのかと思ったわ