凛「大きな夢は置いといて」まゆ「小さな夢から叶えましょう♪」 (45)

凛「叶えられそうな夢は...」

加蓮「叶えてしまおー!」

響子「いえーい!」

留美「デッカい夢は...」

ありす「置いといて」

まゆ「小さな夢から叶えちゃいましょう♪」

智絵里「い、いぇーい...」


奈緒(うわあ...)


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奈緒「なあ凛、こりゃ一体何の真似事だ?」

凛「あ、奈緒。居たんだ」

加蓮「ちょうどいいや。奈緒、私たちのお手伝いしてくれる?」

奈緒「お手伝いって…何のだよ。話が全然掴めねーぞ」

凛「そうか奈緒は初めてなんだね。手短に説明してあげて」

まゆ「了解しましたぁ。ねえ奈緒ちゃん、最近自分のやりたい事を出来てますかぁ?」

奈緒「? うーん…言われてみればレッスンに仕事に宿題に…まとまった自由時間なんてロクに取れてないな」

留美「でしょう?夏休みの課題も増えて、最近の若い子達は忙しくなったわね」

ありす「大人組は関係ないと思いますが」

留美「言葉尻を捕まえないで頂戴。大人にも色々あるのよ」

智絵里「で、でも!皆で力を合わせれば…叶えられる事もあります」

響子「一人ひとりが小さな夢を出し合って、せめて一つだけでも叶えられれば!」

まゆ「そういう訳でこの会議が組まれたんですよぉ。まだ2回目ですけど」

奈緒(マジかよ、絶対裏があるって…)

奈緒「へ、へぇー。面白そうな企画じゃん?それで、お手伝いってのは?」

凛「そうだった。奈緒はこの箱の中から紙を取り出して、一枚ずつ読み上げて」ドン

加蓮「紙にはペンネームと夢がそれぞれ書いてあるから」

奈緒「分かったよ。どれどれ…」ガサゴソ

まゆ「イカサマしたら指一本ヘシ折っちゃいますよぉ?」

奈緒「箱から紙出すだけでどうイカサマするんだよ。しかも罰が厳しすぎだっつーの」

まゆ「良心的ですよぉ?切断しないだけ」

奈緒「えーでは一枚目。PN『真紅の若妻』さんから、『エンジェルトランペットが欲しい』」

響子「まゆちゃん、エンジェルトランペットって何?」

まゆ「それはですね…って響子ちゃん!匿名投稿の意味が無いじゃないですか!」プンスカ

響子「わわっ、ごめん!」

奈緒(バレるのが嫌なら分かりやすいPNを付けるな)

まゆ「まあ、写真を用意したので皆さん見て下さい」スッ

智絵里「わぁぁ…綺麗なお花…!」

加蓮「花弁の部分が白いラッパみたいな形だから….」

奈緒「エンジェルトランペットって訳か。洒落てんなあ」

まゆ「ふふふ、このお花をPさんに渡したら、凄く喜んでくれると思いませんかぁ?」

響子「お金を出し合ってプロデューサーにプレゼントですか。素敵です!」

凛「ふーん、この花は夏が見頃だからね。見栄えもするし、いいチョイスだと思うよ」

まゆ「凛ちゃんもそう思いますよねぇ。では、今回はまゆの意見で決定という事で…」

凛「ただし、毒性があるって所を除けばね」

まゆ「ッ!」

奈緒「毒性だぁ!?本当かよ、それ!」

加蓮「凛、どういう事!?説明して!」

凛「エンジェルトランペットは葉にも花にも、種にも毒があるんだ。種を誤嚥した子供が昏倒したって事例もあるんだけど、地下茎から抽出した毒はマジにヤバい」

ありす「毒の主成分はスコポラミンでしたっけ?幻覚を見せたり、行動異常を引き起こすんですよね」

留美「そう言えばこの前ドキュメンタリーで見たわ。この花から精製した薬品を使えば、半ば意識を保たせたまま人間を言いなりに操作出来るんですって」

奈緒「言いなりって…!おっかねぇ」

まゆ「…」

智絵里「そ、そんな危ない花をプロデューサーさんに近づけちゃいけません!」

響子「その通り!悪いけど、まゆちゃんの意見は却下です!」

凛「…ねえまゆ、この花を使ってプロデューサーにナニをするつもりだったの?」

まゆ「さあ?あんな綺麗な花に恐い毒があるなんて、まゆ知りませんでしたぁ」

凛「チッ、そういう事にしておいてあげる」

ありす「全く、まゆさんはプロデューサーの為なら手段を選ばないんですから」

留美「今までに増して注意が必要ね」

奈緒(胃が痛い…)

奈緒「次は…PN『ダディクール』さんより、『苺狩りがしたい』」

凛「苺狩りかぁ…」

加蓮「苺狩りねぇ…」

まゆ「苺狩りですかぁ…」

ありす「えぇ!?何で皆さん乗り気じゃないんですか!?」

凛「悪くはないんだけど…」

響子「何というか、華がないなぁ」

奈緒「どうする?この夢は保留にして、次の夢に行こうか?」

凛「それでいいよ、奈緒」

留美「ええ」

ありす「待ってください!取れたての苺の美味しさを知らないから、そんな事が言えるんです!」

加蓮「いつになく食い下がるね、ありす」

ありす「産地直送どころか完全に新鮮なイチゴに甘~い練乳を付けて食べられるんですよ!?最高にスウィートって奴です!」

凛「取れたての苺に…練乳を?」

ありす「そうです!練乳プラス苺!これこそ至高の甘露でしょう!」

凛「却下して、奈緒」

ありす「!?」

奈緒「え、どうして急に!?」

凛「甘露だなんて難しい言葉で飾ってるけど…取れたての苺にミルクをかけて味を殺すようなアイドルとは、ともに食事するに値しない」

ありす「えぇえ!?」

凛「美味しんぼを最初から読み直すといいよ。山岡さんと栗田さんが結婚するところまででいいから」

響子「苺に練乳をかけるなんて、上等の料理にハチミツをブチ撒けるが如き思想。許されるものじゃありません」

智絵里「凛ちゃんの言葉は厳しいけど…」

まゆ「もっともなんですよぉ」

奈緒「そこまでの失言だったんだ」

留美「そう。会社なら謝罪会見モノのミステイクね」

ありす「うう…折角プロデューサーも連れて行って、一緒に食べようと思ったのに…」グス

奈緒「ではお次の夢を。PN『ねこ大好き』さんより『料理の修行をしたい』」

凛「料理…?」

ありす「料理の修行だなんて、和久井さんらしくありませんよ」

留美「な、何故分かったの!?」

奈緒「だからすぐバレるPNにするなっての」

響子「でも、わざわざ皆でお料理の練習する必要ありますか?」

智絵里「こういうのは一人で地道にするものだと思います…」

留美「いえ…ホラ、料理番組の出演とか多くなってきたでしょう?それに向けて、腕を磨く必要があると思うのよ。この際皆も一緒に…」

加蓮「えー別にいいよ」

留美「んなっ!レベルアップした料理をP君に食べて欲しくないの!?」

まゆ「あらぁ、本音が出ちゃいましたねぇ」

凛「気持ちは痛い程分かるけど、隠し味とか手の内を知られるといけないから。皆に差を付けるなら一人でこっそり練習しないと、和久井さん。私はパス」

留美「そ、そんな…」ガクリ

まゆ「それに…理由はそれだけじゃ無いですよねぇ?」

留美「さ、さぁ?私はただP君においしい手料理を振舞いたいという純粋な目的で…」

凛「本当にそれだけ?」

留美「...いざ本番となると、材料の買い出しとか食器の片付けとかが手間だから…」

凛「奈緒、この意見も却下で。ここは皆の夢を叶える場であって労働力集めの場じゃあない」

奈緒「お、おう」

ありす「落ち込まないで下さい和久井さん。機会があったら私が修行に付き合います」

留美「丁重にお断りするわ。オランウータンに核ミサイルのボタン掃除させるより危険よ」

奈緒「えーと次の夢はPN『ふわふわ白ウサギ』さんで『四葉のクローバーを見つけたい』」

まゆ「クローバー?智絵里ちゃん、この夢は前回採決された筈ですよぉ?」

奈緒「え、そうなの?」

加蓮「そーなの。前回ではまゆの夢と智絵里の夢が最終選考まで残ったんだ」

奈緒「まゆの夢ぇ?」

凛「確か、『新しいスタンガンの使い心地を確かめたい』…」

奈緒「スタァァァァップ!!おいコラ!スタンガンって何だスタンガンって!事務所で暴力沙汰でも起こす気かよお前達ィ!!」

ありす「突然大きな声を出さないで下さい奈緒さん」

奈緒「いやいやいやいや!!!絶対おかしいって皆!アイドルの事務所に、スタンガンだぜ!? 護身用なら兎も角、人体実験する奴がいるか!」

凛「日々を学業と仕事に拘束され、やっと得られた束の間の自由を行使しちゃいけないと言うの?」

留美「若者なら常識に囚われる事無く走り続けなさい…。年を取ると、必ず後悔する日がくるわ」

奈緒「犯罪に走りたかぁないわ!まゆ!まさかお前、Pさんに試す気だったんじゃあ…!」

まゆ「もしもし、志希ちゃんですかぁ?残念ですけど、例のアレが入手出来なかったのでプランBを…。ええっ!そんな物は無いぃ!?」

奈緒「聞いてんのかまゆ!てか平然と次の作戦に移ろうとしてんじゃあねェェーーー!!」

響子「お、落ち着いて奈緒ちゃん!怒ると皺が増えますよ!」ガシッ

凛「そんなに怒鳴らないでよ。地球上の貴重な酸素の減りが早くなるじゃない」

加蓮「もっと遠慮して生きていこう!」

奈緒「むぐぐ…!」

智絵里「あ、あの…。私の夢の話は…」

凛「だからダメだって。『あの事件』の犯人が判明しない限り、四葉探しは厳禁。前もそう言ったよ」

加蓮「ああ、アレか…。嫌な事件だったね…」ズーン

まゆ「全くです…。」ズーン

奈緒「うおっ暗っ!一体どんな凶事があったんだよ!?」

留美「それに関しては私が説明するわ」

奈緒「あ、お願いします」

留美「お聞きの通り、先の会議では智絵里ちゃんの夢が採択されたわ。やっぱりスタンガンはPく…ゲフゲフ、被験者の負荷が強すぎるという事で」

奈緒「当たり前だよ」

留美「私達は力を合わせ、夏の暑さにも、纏わり付く蚊にも負けず四葉のクローバーを探したのよ」

奈緒「あー…。あの時やけに体色が赤いと思ったけど、そういう事だったのか」

留美「そして努力の甲斐あって、346プロ敷地内のクローバー畑でそれは見つかった。あの時の嬉しさったら、P君とブライダルのお仕事をした時以来ね…。」

ありす「でも、事件はここから始まったんです」

奈緒「へ?」

ありす「私達はプロデューサーを驚かせようと、クローバーを隠しておいたんです。そしたら…」

響子「何者かがクローバーを盗み出して、一人でプロデューサーに渡しちゃったんだ。恐らく、手柄を独り占めして褒められる為に…!」ギリギリ

奈緒「マジかよ!Pさんも犯人が誰か知らなかったのか!?」

凛「無理だった。どうも、飲みに行った帰りか何かで意識が曖昧で、覚えてないんだって」

まゆ「本当に癪に触る泥棒ネコさんでよすねぇ…!まゆの血と汗の結晶を横取りするとは…!」ビキビキ

智絵里「いくらプロデューサーさんの笑顔が素敵でも…!打ち上げ帰りで泥酔したプロデューサーさんを待ち伏せして…盗んできたクローバーを差し出すなんて卑怯な事は…わ、私も許せません…!」

奈緒(え?何で具体的な状況知ってんの?)

まゆ「全くですよぉ…!犯人さんはまゆが直々にトイレの中まで追跡して、追いつめて、肥溜めにブチ込んであげますから…!?」ビキッ

奈緒(ひ、ひぃぃ…!この様子なら言わない方が良さそう…)

凛「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

加蓮「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

奈緒(!? バッチリ気付いてるーーーーッッッ!?)

凛「…まゆ?智絵里?」ヌゥゥ

まゆ「はいぃ?」

智絵里「ど、どうしましたか…?」

奈緒(NOォォ―――――ッッ!!争いはSTOP IT!! お願いだから流血ファイトだけは止めてェェェーー!!)

凛「私達も、手貸そっか?人手は多い方がいいし」

まゆ「あら凛ちゃん、いいんですかぁ?」

凛「…私も凄く悔しいよ。犯人が陰で嘲笑っていると思うと、腸が煮えくり返って仕方が無くて……ッッ!!」ギリギリ

智絵里「凛ちゃん…」

加蓮「この痛み、この苦しみ…!!怨みで人が殺せたら……ッッ!!」

凛「まゆ、皆で犯人を追い詰めよう!そして、ディアボロも裸足で逃げ出すレベルの無間地獄を味あわせてあげて!」ガシッ

まゆ「分かりましたよ凛ちゃん!」ガシッ

加蓮「じゃあ、今回は力を合わせて犯人捜しでもする?」

奈緒「そ、それはやめとこうぜ加蓮!貴重な時間を不毛な復讐に費やす事も無いって!」

まゆ「不毛ぉ~~~?? まゆ達のやってる事は無意味と言いたいんですかぁ~~?」

奈緒「いえいえいえいえいえいえ滅相も」

留美「まぁ、奈緒ちゃんの言う事にも一理あるわね。この話は後回しよ」

智絵里「留美さんがそう言うなら…」

奈緒(た、助かったぁ…)


凛(…加蓮。後で近場のクローバー畑全部掘り返しとこう)

加蓮(ラジャー)

奈緒(うおおおおおい!!そこまでするか二人とも!!)

凛(何?肥料にする為にクローバーごと耕すんだよ。あ、加蓮。ついでに大量に塩をバラ撒いておいて。四葉なんて二度と生えないようにね)

奈緒(言動が矛盾してるぞ!?)

加蓮(うん!撒いて撒いて撒きまくるよ…!カルタゴが滅ぶ程に・・・!)

奈緒(お、鬼だ…!恋愛の鬼がここにいる…!)ガタガタ

奈緒「そ、それでは次の夢を…PN『花嫁修業中』より…ッ!」

響子「!」

凛「何?早く読み上げて」

奈緒「…………『プロデューサーのお嫁さんになりたい』」

凛「…」

加蓮「…」

まゆ「…」

智絵里「…」

ありす「…」

留美「…」

奈緒(ヤベぇ…!タブー中のタブーに触れやがった!)

智絵里「お、お嫁さん…。素敵な夢…だと思いますけど…」

まゆ「ふふふ♪もう、響子ちゃんったらぁ。夢は叶えられる範囲でお願いしますよぉ?」

凛「ふふ、そうだよ。ちょっと、スケールが大きすぎるって」

響子「あははっ!でも、これだけはやっぱり外せないって思って!『花嫁修業がしたい』って書いても良かったけど」

留美「それだと私のと被るわね」

ありす「修行修行って…。ドラゴンボールじゃあないんですから」

加蓮「ホント。あはは!」

奈緒「ハ、ハハハ…」

凛「かぁーーーッ!ペッ!!」

加蓮「ペッ!!」

ありす「ペッ!!」

響子「!?」

奈緒「おいコラ!事務所で唾吐くなよ!」

凛「プロデューサーの…お嫁さんになりたぃィ~~~?」

加蓮「カマトトぶるのも大概にしなよ、響子」

ありす「アホらし過ぎて反吐が出ます」

響子「え…え…?」オロオロ

奈緒「お前ら急に性格荒れ過ぎだろ」

留美「それも仕方のない事よ。言うに事欠いて『お嫁さんになりたい』ですって?響子ちゃん」

響子「は、はい…?」

留美「本当にお嫁さんになりたいのね?」

響子「え、えぇ…」

留美「別に止めないわよ。役所に行って来たら?」

響子「えっ」

凛「そして15歳なのに婚姻届けを申請して恥を晒してくればぁ~?」

響子「うっ!?」

まゆ「その現場をフライデーされて芸能界ともPさんとも永遠にお別れすればぁぁ~~!?」

響子「ひ、酷いーーッ!」

ありす「酷いのは響子さんの方です!この場に及んで夢見る少女を演じて、イメージアップを図ろうだなんて!」

智絵里「剝き出しの感情でプロデューサーさんは動かせても…私達には通用しませんよ?」

響子「そ、そんな…!私はただ…」

まゆ「ただぁ?」

響子「プロデューサーの隣でウェディングドレスを着て、バージンロードを歩いてみたいなって…えへへ」

まゆ「かぁーーーっっ!!ぺっ!!」

智絵里「ぺっ!!」

留美「ぺっ!!」

奈緒「だから唾吐くなっての!」

まゆ「ウェディングドレス?笑わせないで下さいよぉ」

加蓮「笑えすぎてヘソで茶を沸かすどころか、腹からメガソニック砲でも出そうな勢いだよ」

智絵里「頭の中がお花畑なのかな…」

奈緒「皆もう少し優しくしてやれよ」

響子「いや、もういいよ奈緒ちゃん…。私の認識が甘かったみたい」

凛「フン、本当。まさか響子、まだ赤ちゃんの作り方はコウノトリやキャベツ畑だと信じてるんじゃあるまいね?」

響子「そ、それぐらいは知ってます」

ありす「流石にそこまで世間知らずでウブって事もありませんか」

留美「そうでなければ、無修正のポルノ・ビデオでも突きつけてやる所だったわ」

加蓮「不妊治療の医学書でもいいかも。結構ドギツイ内容だよ?アレ。奈緒も見る?」

奈緒「見ねーよ」

ギスギスしすぎぃ!!

凛「やれやれ…。お口直しに次の意見に移ろうか。奈緒、読んで」

奈緒「えーとお次の夢はPN『旋律のブルー』さんより、『プロデューサーの飼い犬になりたい』…」


凛「よっと!」ダッシュ


加蓮「あっ!凛が逃げた!」

まゆ「おおっと、逃がしませんよぉ!?」シルシル

凛「ぐうっ!?」ガシィ

響子「まゆちゃんナイス!」

留美「逆さ吊りにして折檻するのよ!」

奈緒は胃に穴が開く前に早く逃げるんだ!

~~~~

凛「違うの。これは何かの間違いだよ。お願いだから縄を解いて降ろして」ブラブラ

響子「何が違うって言うんですか?あれ程私を馬鹿にしておいて」

ありす「響子さん目のハイライトが消えてますよ。怖いですよ」

まゆ「響子ちゃん、好きにしてくれて構いませんから」

凛「だってだって!私達はアイドルなんだよ!?それを棚に上げて『お嫁さん』だなんて!アンビリーバブルだよ!アブノーマルだって!」

響子「犬プレイの方がよっぽどアブノーマルでしょうがあああああ!!!!」ギチギチギチ

凛「ウギャアアアア!止めてとめてとめてぇ!関節に食い込むゥゥゥ!!」

加蓮「奈緒、止めなくていいの?」

奈緒「自業自得だろ」

響子「フンッ!」ギッ

凛「とめった!」ガクッ

智絵里「あっ…落ちちゃいました…」

まゆ「では、凛ちゃんの夢も却下でいいですかぁ?」

響子「当然です」

奈緒「ありゃ?この夢も却下にしちまったらもう他の夢が無いな…。全員の夢候補が不合格になるのもなあ」

留美「言われてみれば」

智絵里「ここにきて何にも無しは…勿体ないなぁ…」

まゆ「じゃあ、お花を買いましょう。不埒な事には使いませんから。多分」

留美「いえ、料理の練習をするわよ」

響子「…ウェディングドレス」

ありす「苺狩りを!練乳は無しでいいですから」

加蓮「じゃすとあもーめんと。誰か忘れてない?」

奈緒「誰かって…あっ!まだ加蓮のが残ってた!」

アイドル達(チッ)

奈緒「ええと…最後の夢はPN『純情可憐』さん『弱っている人を介抱したい』…?」

加蓮「うんうん」

留美「弱っている人の介抱、ねぇ…」

ありす「つまり人助けって事ですか?」

奈緒「今まさに弱ってる人がいるけど…」

凛「…」ブクブク

加蓮「私が助けたいのは弱ってる『人間』。ありゃ犬でしょ」

まゆ「その通りですよぉ」

響子「でも弱っている人なんて、そうそう見つかるんですか?」

加蓮「…今日さ、事務所が何だか寂しくない?」

智絵里「そうですね…。誰か大切な人がいない気がします…。」

まゆ「もしかして…Pさん!」

加蓮「そう!今日はプロデューサーが休みなの! ちひろさんに聞いたんだけど、夏風邪に罹ったらしくて」

奈緒「Pさんが?本当かよソレ!」

加蓮「ここで嘘ついても始まらないよ。私、プロデューサーにお見舞いに来てもらったとき凄く嬉しかったから…。だからその、恩返しがしたいなって」

まゆ「加蓮ちゃん…!あなたは…お馬鹿さんですねぇ!」

加蓮「お、怒らないでまゆ!夢を叶えるコーナーで労働力を求めちゃいけないのは重々承知だけど…」

ありす「聞きましたか?和久井さん」

留美「さあ?」

まゆ「そういう事じゃありませんよ。Pさんの一大事、こんな企画を通さず早く言えばいいんです!」

加蓮「えっ」

響子「いくら恋敵だからって…プロデューサーを大切に思う気持ちは、皆一緒ですよ」

奈緒(今サラっと恋敵って言った!)

ありす「困ったものです。こんなヘンテコな策を弄さずとも…」

智絵里「プロデューサーさんは…みんなにとって大事な人ですから」

留美「その通りよ」

奈緒「そ…そこまで言うならしょうがねえ!あたしも手伝いに行くか!」

加蓮「み、皆…!ありがとう!」

まゆ「それじゃあ早速Pさんの家に行きましょう。合鍵はまゆが持ってますから」ジャラ

奈緒「どこで手に入れたよソレ」

響子「私はお粥を作ってあげよっと!」

智絵里「わ、私はリンゴを剥いてあげます!」

留美「私は卵酒でも作りましょうか」

ありす「濡れタオルを替えてあげます!」

奈緒「うーん…あたしはPさんの汗でも拭こうかな?」

加蓮「皆…本当にありがとう!」

まゆ「まゆは尿瓶を持ってきて、下のお世話をしますよぉ♪」

加蓮「それは止めて。じゃ、プロデューサーの家に行こっか!」

アイドル達「うん!」



凛(えっ嘘?これで話お終い?私の事は完全無視?)

凛(そもそも響子が私の夢を全否定するからだよ!あそこで採決されてたら、
  皆でプロデューサーのフゥレイヴァーを堪能したりもふもふくんかくんかしたりのHappyEndだったのに!)

凛(嘘でしょ?嘘でしょ!?まだ続くよね?こんなオチじゃ満足しないよ!)

???(凛ちゃんが落ちた時点でこのオチは決定していた...。フフフ...)

凛(やかましいわ!)


おわり

夏風邪と酷暑のコンボは掛け値なしに死ねます。皆さん、エアコンの付けっ放しには注意しましょう。
体にお気を付けて、有難うございました。

いい勢いだった

乙でした

あと、エアコン付けっぱは思ったよりダメージが少ないという噂

わかってたのに笑ってしまった

いいssだった、かけ値なしに

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