黄猿「このマンションに幽霊がでるぅ?サカズキィ、お前よってるんじゃないのぉ?」
赤犬「おどりゃ、ワシがこの真昼間から酒をのむと思っとるのか」
黄猿「この平成の世の中にお前がおばけねぇ…」
青雉「コイツが冗談をこく様なたまじゃねえだろ」
赤犬「少し小耳に挟んでの、管理人として黙っていく訳にはいかんのじゃ」
青雉「おいおい、マジかよ。幽霊なんて見た事も聞いた事もないんだぜ」
ワンピース(黄猿、赤犬、青雉)が管理人を勤めるマンションのお話です。
舞台はワンピースの世界ではないです。
赤犬「今回はお主らにその幽霊のでるっていう部屋を見てきてほしいんじゃ」
黄猿「ふぅん…わかったよ。滅多にないお前からのお願いだ。きいてやろうじゃないのクザン~」
青雉「そうねぇ…」
赤犬「頼んだぞお主ら、」
【その部屋】
青雉「この部屋…だよな」
黄猿「あれぇ~?サカズキはこないのかい?」
青雉「アイツはああ見えて実は幽霊とか心霊系が苦手なんだよ。じゃなかったら一人でやろうとするだろ?」
黄猿「あ~、納得したよぉ」
青雉「準備はいいか?よし、入るぞ」ガチャ
黄猿「おじゃましまーす」
『シーン』
黄猿「んん?誰もいないねぇ…」
青雉「そりゃ簡単に出てきちゃったらオバケじゃないだろうよ。」
黄猿「つまらないねぇ~とりあえず暗いしワッシが照らすよ」
『ペカー』
青雉「改めためて感じるがその能力は便利だな」
黄猿「まあこの時代にこんな能力の使い道なんてコレ位な物だよぉ」
青雉「でもカツアゲとかされた時に使えるんじゃないの?」
黄猿「ん~、ちょっとそれやって病院送りにしちゃった事があってねぇ、」
青雉「よくそれで病院送りですんだな…」
黄猿「しかし中は随分とキレイでこわいね~、」
青雉「これはキレイというより『なんもない』って感じだな」
黄猿「まあ誰も住んでなけりゃあこうなるかぁ」
黄猿「お、このオモチャ箱っぽいのに何かあるよぉ」
青雉「んん?なんで無人の部屋にオモチャ箱があんだ?ってなんだこのボロ人形、きったねえ」
黄猿「おいおいクザン、そういうのは言っちゃいけないぞぉ」
『バタン』
黄猿、青雉「!?」
黄猿「勝手にドアが閉まったねぇ…」
青雉「やっとお出ましになられたっつう事か…」パキパキ
黄猿「おいおいちょっと早いんじゃあないのぉ?幽霊さんはせっかちだなぁ…」
『返して…』
青雉「子供の声…うーん、子供をいたぶる趣味はないんだがな…」
黄猿「う~う、こわいね~」
青雉「おーい、何を返してほしいんだー」
『人形…』
黄猿「クザンー、子供から人形とっちゃダメでしょ~」
青雉「これは俺のせいなのか…?」
黄猿「とにかく早く返してあげたらぁ~?」
青雉「ああ、ほらよ。」ポイッ
『え、本当に返しちゃう系…?』
青雉「どうした。返してほしくなかったんじゃなかったのか?」
黄猿「幽霊の気持ちはよく分からないねぇ~」
『と、とにかくうらめしや~』
黄猿「何が恨めしいんだいぃ?」
青雉「それに今頃『うらめしや』なんて聞いた事もないぜ」
『う、う~…』
黄猿「うん~、あんまり怖い幽霊じゃないみたいだねぇ~」
青雉「そりゃあ朗報だ。サカズキに早く伝えよう」
『こ、怖くなくないもん!皆びっくりするもん!』
青雉「ま、何にせよ、こうやってちゃんと会話しちゃってる時点で怖いもクソもなくなっちゃってるけどな」
『あ…』
黄猿「言っちゃあ悪いけど随分マヌケだね~」
青雉「っていうかいい加減姿を見せたらどうだ?お前には俺達が見えてるのに俺達にはお前が見れないなんて不公平だぜ」
『わ、分かったよ』スッ
青雉「おー、こいつは大した幽霊さんだこと」
黄猿「思った通り、子供だったね~」
幽霊「子供って言うなー!」
青雉「そんな事いわれたってねー」
黄猿「どっからどうみたって公園で遊んでる子供だよぉ~」
幽霊「うぐぐ…」
青雉「とにかくコイツをサカズキを差し出そう」
黄猿「同感だね~」
幽霊「ちょ!ちょっと待って!」
青雉「やかましいな…ちょっとアイスボールするか」ピキピキ
幽霊「なにこの人間いちいち恐ろしい…」
黄猿「それとも光の速度でサカズキの所まで吹っ飛ばされたいかいぃ?」
幽霊「ちょ!ちょっと待って!わかった!わかったから!」
黄猿「何を分かったっていうんだい?」
幽霊「私はちょっとした気分でここにくる人にイタズラしてたの!」
青雉「おお…そいつはサカズキが一番キライなタイプの奴だな…ますます差し出さない訳にはいかなくなった」
幽霊「さ、最後まで聞いて!だからもうしないって事なの!もうしないの!」
黄猿「二度も言わなくったって分かってるよ~、でも逆にそっちが分かってないみたいだね~」
青雉「それをやめたらハイ、終わりってか?全然わかっちゃいねえぜ」
黄猿「ムシがいいねぇ~、」
幽霊「わ、分かった。何かさせて!そ、そうだ!毎日掃き掃除をする!部屋の隅から隅までピカピカにする!」
青雉「掃除ってったってここは空き部屋だぜ」
黄猿「やるんだったらマンションの隅から隅まで…だよねぇ」
幽霊「マ、マンション!?ひ、広すぎr「「ああ?」」
幽霊「わ、分かりました…」
【管理人室】
赤犬「で、どうなったんじゃ?」
青雉「なんもいなかったぜ、」
黄猿「ああ、ネズミが結構いたからもしかしたら、それが何かやってたんじゃないのぉ?」
赤犬「ネ、ネズミじゃとお!?じゃったら真夜中に聞こえる『返して』っつう声はどうなるんじゃ!?」
青雉「さ、さあ…」
黄猿「た、多分酔ってたんだよ~、まあ気にしない気にしない。気にしなければきっと聞こえないよ~」
赤犬「そ、そうかぁ?」
青雉「そうそう。あ、そうだ。いい酒が入ったんだ。呑まないか?」
赤犬「お!そいつは前から呑みたかった…!」
黄猿「怖い事は呑んで忘れちゃおうよぉ~」
赤犬「まあ…そうじゃな!今夜は飲み明かそう!」
『…(結構軽い人だったな…)』
【 翌日 】
赤犬「うう…頭が痛いのぉ…」
黄猿「ちょっと飲みすぎたねぇ~」
青雉「フラフラするぜ…」
『ザッ、ザッ、ザッ』
幽霊「うぅ…」ザッザッザ
赤犬「んん…なんじゃ朝っぱらからやかましい…」
青雉「お、早速やってるみたいだな」
黄猿「なかなか様になってるじゃないの~」
赤犬「ん?誰じゃあの娘は…?」
黄猿「あ~、あの子はアレだよ。ワッシの…いとこのはとこの娘のその…」
青雉「とにかく遠い親戚だ。昨日こっちに来てね。」
黄猿「掃除の好きな子だったからさせてやってるんだよ~」
幽霊「ちきしょう!何で私が!」
黄猿「…つべこべ言える立場じゃないんだよぉ…」ボソッ
青雉「…むしろこれだけで済んだ事を喜んでほしいな…」ボソッ
幽霊「ううう…」
赤犬「そこの娘っ子ぉ!それが終わったらこっちへコイ!お菓子をくれてやる!」
幽霊「え!?マジですか!?」
黄猿「やっぱり子供だね~」
青雉「そうだな」
幽霊「だから子供って言うなー!!」
【ひとまず完】
黄猿「おい幽霊~、今日もちゃんとやってっか~?」
幽霊「やってるよコノヤロウ!アンタ少しでもサボると光線打ち込んでくるだろ!?」
黄猿「あらバレた~?隠れてやってたんだけどね~」
幽霊「あんな事できるのアンタ位だよ!」
赤犬「おう娘っ子、今日も精が出るのぉ、飴なめるか?」
幽霊「あ、サカズキさん…あ、ありがとうございます」
黄猿「…ホラ、バラされたくないだろぉ~?…」ボソッ
幽霊「ううぅ…この卑怯者!」
赤犬「おうボルサリーノ、あんまり娘っ子の事をイジめてやるなよ」
黄猿「イジめてなんかいないよ~、あ、そうだ。お前の事クザンが呼んでたよ~」
赤犬「んん?アイツが?何の用じゃろうな…」
黄猿「きっとまた何かなくしたとかじゃないの~?早く行ってあげたらぁ?」
赤犬「ふむ…しょうがない奴じゃ、じゃあまたな、ボルサリーノ、娘っ子」
幽霊「さ、さようなら…」
黄猿「じゃあね~」
幽霊「サカズキさんって優しい人なんですね…」
黄猿「うん、アイツは何だかんだで人の事よく考えてくれる奴だよ~、」
幽霊「う…何だか罪悪感が…」
黄猿「うんうん、ようやく気づいたみたいだねぇ~」
幽霊「ぐうう…」
黄猿「まあ反省もできたし、サカズキも消えた所で…君に聞きたい事があるんだけどね~」
幽霊「き、聞きたい事?」
黄猿「お前~、幽霊なんだろぅ?」
幽霊「ま、まあそりゃあねえ…」
黄猿「幽霊ってのはこの世に未練を残して死んだ者が化けてでてくる物だと思うんだけどね~」
幽霊「!!」
黄猿「君にもあるんだよねぇ~、その未練って奴が~」
幽霊「そ、それは…」
黄猿「んん~?どうしたんだい~?」
黄猿と幽霊だと光で一瞬で消し去るかと思ったら
そんなことなかった
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