メイド長「魔王様。そう日になんども尋ねられましても、勇者様の歩みは速くなったりしませんよ?」
魔王「むぅ、それはそうかもしれないが.......」
メイド長「魔王様。ここは1つのんびりどっしりと構えて、勇者様の到着をお待ちください。それが.....」
魔王「城主たる者の勤めだ.......それもういい耳にタコだ」
メイド長「でしたら、魔王様」
魔王「もういいと言ってるっ! わたしはバラ園に行くからなっ!」タッタッタ
メイド長「あっ! 魔王様っ!」
魔王が女なのか男なのか
それが問題だ
女の子
城内・バラ園
魔王「メイド長のお小言は長くてかなわん........それにひきかえお前たちは何も言わないからいいな.....」
バラ「」
魔王「.......ただ、咲いてるだけだし、な.........」
魔王「.......この城に初めて客がくるんだ。ちゃんともてなさなくては失礼だろ.....な?」
バラ(cv魔王)「まあ客って言っても魔王ちゃんを倒しにくるんだけどね」
魔王「そんなことはわかっている......でも、初めて人が訪ねてくるんだ。やはり楽しみなんだっ」
バラ(cv魔王)「でもさぁ、魔王ちゃん。勇者が来たら戦いになるんだよ。いいの?」
魔王「.......戦うのは、嫌だな.......なんとか、話し合いですまないだろうか」
バラ(cv魔王)「それは勇者の人柄によるよねぇ」
魔王「そう、だな......勇者とはどんな男なのだろう......知っているか?」
バラ(cv魔王)「なんでも噂によると頭に角が4本生えていて、体はオーガなみにデカいらしいよ」
魔王「それは......もう人間ではないな」
魔王「.......はあ.......わたしはなんてバカなんだろうな......ひとりでこんなこと.....」
魔王「まあいい。あしたメイド長に勇者のことを聞いてみよう」
魔王ちゃんかわいい
魔王かわいいな
<翌日>
魔王「メイド長、メイド長」
メイド長「何でございましょう、魔王様」
魔王「勇者はまだか?」
メイド長「......魔王様」
魔王「もういいわかった」
魔王「......ところで、メイド長は勇者の噂を知っているか?」
メイド長「勇者様のお噂、でございますか......」
魔王「うん」
メイド長「何でも、勇者様の頭には角が」
魔王「いや、そういったバカげた噂ではなく......もっとこう真実味のある噂だ」
メイド長「そうですねぇ......勇者様は困っている人々を無償で助けていらっしゃるとか」
魔王「......まるで、母様が聞かしてくれた父様の様だ......」
メイド長「左様でございますね」
メイド長「先代の魔王様とお会いになる前は、その様に旅をなさっていらっしゃいました」
魔王「うん、わたしもそう聞いている.......勇者は父様に似ているだろうか.....」
メイド長「それは、どうでしょうか.....」
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