勇者「銅の剣wwwww錆びてんじゃねーかwwww」(14)

店主「えっ…」

勇者「これが180gとかボッタじゃん。値段下げろよ」

武闘家「そうだ下げろおっさん!!」

店主「え、ええ?それはそういう…」

勇者「全てはお前の管理体制が悪いから錆びるんだろ?こっちはお客様よ?」

店主「そ、そう言われましても…」

武闘家「おいこれ皮の盾だってwwwこれで身守れるわけないじゃんwww」

勇者「オヤオヤぁ?これは酷いな。王に告訴するわwww」

店主「わ、わかりました。では30gで…」

全国的に銅の剣は30gになったという……
これが現代のモンスター勇者です

糸冬

勇者「………」

武闘家「どう?俺の言った通りになったっしょ」

勇者「なったけどさ……」

武闘家「何?」

勇者「こんな何十本も銅の剣いらないよ?」

武闘家「いいじゃん!三刀流とか出来るぜ?」

勇者「やらないよ……」

武闘家「それはいいけど……暫く装備はそれだけだからな」

勇者「ええ!これ売ってもっといい武器買ってよ!」

武闘家「やだよ!面白くないじゃん!」

勇者「面白く無くていいから……」

武闘家「まぁ頑張れや!」

勇者「………」

武闘家「銅の剣だって使い方によっちゃあ強いって!」

勇者「……例えば?」

武闘家「貸してみ」

勇者「はい」ポイッ

武闘家「投げんじゃねえよ!……見てろよ?」

勇者「………」

武闘家「デヤァ!」

ズシャャァアッ!!!……パキン……

勇者「………」

武闘家「どやっ!」

勇者「俺より君が銅の剣使いなよ……」

武闘家「駄目だ!」

勇者「何でさ……おかしいよ……銅の剣が砕け散る程使いこなせてるじゃん……」

武闘家「そんなダッセェ武器使えるかッ!」

勇者「……そのダサい武器を何で僕が使わないといけないの?」

武闘家「勇者だからさッ!」

勇者「意味わからないよッ!」

武闘家「………」

勇者「……売るよ?」

武闘家「駄目だって!……実はな」

勇者「実は?」

武闘家「勇者が銅の剣を使うとな……銅の剣の秘められた力を使う事が出来るんだ……」

勇者「嘘だよね?」

武闘家「……本当だッ!」

勇者「その秘められた力ってなんなのさ……」

武闘家「………」

勇者「………」

武闘家「……その力は自分の目で確めろ」

勇者「そんな事言って……無いんだよねそんなの……」

武闘家「あるって!」

勇者「じゃあ教えてよ!」

武闘家「……なら覚悟しろよ」

勇者「え?」

武闘家「………」

勇者「マジであるの……?」

武闘家「ある筈……」

勇者「なんだよそれ!確かじゃないんじゃん!」

武闘家「……昔な、見たんだ俺」

勇者「何を?」

武闘家「銅の剣一本で海を割る姿を……」

勇者「まっさかぁ……」

武闘家「本当だって……こうズバーッ!って」

勇者「それが勇者だったって言うの?」

武闘家「いや、知らない人」

勇者「勇者関係無いじゃん……」

武闘家「いいから!お前が海を割ればいいんだよ!」

勇者「無茶苦茶言うな……」

武闘家「……そうすれば」

勇者「うん……」

武闘家「今よりもずっと」

勇者 (僕が強くなると……そうすれば魔王も……)

武闘家「……何倍も」

勇者「………」

武闘家「銅の剣の価値が上がってウハウハだろ!」

勇者「………」

武闘家「銅の剣で大儲けだぜ!」

勇者「死ね!」ヒュパッ!ヒュパッ!

武闘家「危なッ!大事な商品投げんな!」

勇者「………」

武闘家「な、なんだよ……」

勇者「………」

武闘家「怒んなよ……」

勇者「………」ブスー

武闘家「取り合えずだ!……ちょっと使ってみろよ」

勇者「うん……えいや!」

シュパッ!

武闘家「ん……」

勇者「君みたいには出来ないよ?」

武闘家「気合いが足りない」

勇者「気合いって……それだけで出来るようになる訳……」

武闘家「また貸してみ」

勇者「……はい」ポイッ

武闘家「だから投げんな!……ったく」

勇者「……で?」

武闘家「一緒にやれ。まずはこう構えて……念じる!」

勇者「……念じる」

武闘家「エロイムエッサッ仏……」

勇者「エロイムエッサッ仏……」

武闘家「我は求めて訴えた

勇者「それ違うよ!十二使徒呼んじゃうから!」

武闘家「……呼びたいじゃん」

勇者「呼ばなくていいから……オカリナ無いし……」

武闘家「チッ……」

勇者「………」

武闘家「じゃあ今度こそな」

勇者「うん……」

武闘家「ハァァァァアッ!」ピカーン!
勇者「………」

武闘家「何やってんだよ……真似しろよ……」

勇者「……無理だよ」

武闘家「はあ?出来るだろこれぐらいよ」

勇者「普通出来ないよ……どうやったら銅の剣が光るんだよ」

武闘家「つべこべ言ってねえでやれ!」

勇者「ええ……」

武闘家「さんはい!」

勇者「ハァァァァアッ!」

武闘家「………」

勇者「ね?」

武闘家「こっちの銅の剣でやってみ」ポイッ

勇者「同じだよ……」パシッ

武闘家「………」

勇者「ハァァァァアッ!」ピカーン!

武闘家「………」ニヤリ

勇者「………」

武闘家「なっ!」

勇者「何で……?」

武闘家「そりゃ俺が気合い込めたからよ」

勇者「意味がわからないよ……」

武闘家「ほら!振ってみ!」

勇者「う、うん……」

武闘家「あぁ!振る時なファイナルストライクって言えよ」

勇者「……やだよ」

武闘家「何で!」

勇者「恥ずかしい……」

武闘家「やれって!」

勇者「………」

武闘家「………」

勇者「ふ、ファイナル……ストライク……」

武闘家「駄目だ駄目だッ!もっと大きい声でッ!」

勇者「ファイナルストライク……!」

武闘家「ちゃんとやれッ!」

勇者「………」

武闘家「………」

勇者「ファァァァイナルゥストラァァァイクゥゥウッ!!!」

ズバァァァアシュアッ!……パキーン

勇者「………」

武闘家「お?出来たな」

勇者「………」

武闘家「どうだ?ふふふ」

勇者「何か大事な物を奪われた気分だよ……」

武闘家「今みたいにやるんだぜ!」

勇者「………」

武闘家「なに?」

勇者「何で君はこんな事が出来るの?」

武闘家「………」

勇者「………」

武闘家「そりゃ練習したからな」

勇者「……一人で?」

武闘家「………」

勇者「………」

武闘家「お前のおやっさんに教えて貰った」

勇者「パパに?」

武闘家「……これからの武闘家は銅の剣ぐらい使いこなせなければ駄目だってな」

勇者「………」

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