女「ゲームをしよう!」 男「RPG?」 (62)
昔にエタったssをちょっと作り直して供養
そんなに長くないから3日くらいで終わるはず
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女「そもそも何だ、この部屋は」
男「唐突だな…俺の部屋だけど」
女「分かってる。だが一人暮らしの大学生の部屋とは思えない。多少の家具はあるが、テレビもPCも何もない」
男「必要ないしな。PCはたまに必要になったらそっちに借りに行けるし」
女「隣人だからと言って甘やかし過ぎたか…」
男「まぁ確かに暇を潰せるようなモンはないな。で、今日はわざわざテレビなんか持って来てどうしたのよ」
女「さっき言っただろ。キミに遊びってものを教えてやる」
男「余計なお世話だ…」
男「それで、その見慣れない機械は?プリンターか何か?」
女「ゲーム機だよ。流石にゲームしたことないってのはないよな?」
男「最後にやったのが小学校3年生の時だったかな」
女「…お前本当に現代人かよ」
男「それで、さっき言ってたRPG?ってたまに聞くけど何の略?Ruchnoj Protivotankovyj Granatomjot?」
女「それはロケットランチャーだな」
男「Report Program Generator?」
女「それはプログラム言語だな」
男「あはは何それ聞いたことねぇ」
女「君が言ったんだろ」
女「RPGっていうのはRole Playing Game。つまり物語の主人公になって冒険するゲームのことさ」
男「ふーん、つまり良くある勇者になって魔王倒したりーってやつ?」
女「平たく言うとそうだな。とりあえず百聞は一見にしかず。やってみようか」
男「あ、もうやるのは決定なのね」
女「別にいいだろ、お互い暇してたんだし」
男「でも2人で転がるほどのスペースあるかな…」
女「そういうロールじゃないよ」
『主人公の性別と名前を決めてください』
男「あ、名前とかは自分で決められるんだな」
女「なかにはキャラクターの見た目も弄れるゲームもあるぞ」
男「へぇ、色々あるんだな。で、まずは性別どうする?」
女「キミが決めなよ、やるのはキミなんだから」
男「んー…じゃあ普通に男で」
女「良かったね、これで女にしてたら少しキミのことを考え直したかもしれない」
男「え、そんなことで?…このゲームを通して女に試されてるような感じしてきた」
女「ふふ、どうだろうね」
男「名前は…何がいいかな」
女「迷っても仕方ないしここはパッと思い付いたのでいいんじゃないかな」
男「んー…『冷蔵庫』でいいか」
女「なんで」
男「え、いや、なんとなく…」
女「…まぁ、キミがそれでいいならいいけど」
男「あ、『冷凍庫』のが良かった?」
女「早く進めて」
男「あ、『植物性油』でもいいな」
女「何でもいいだろそこは!進めろよ!」
【ここは小さな村…貧しいが、人々はいつも幸せそうに暮らしていた】
男「ふむふむ、ここが冷蔵庫の故郷なのかな」
女「結局名前は冷蔵庫に落ち着くのか…」
男「そういえば、女はこのゲームやったことある?」
女「いや、やってないな。キミと一緒にやる時にボクだけ先を知ってても面白くないから、今日買ってきたばかりだよ」
男「俺と一緒にやるためだけにこれ買ってきたのか?」
女「いや、まぁ…そうだね、うん」
男「ふーん…じゃあ女がやった方が良くない?」
女「いいよ、君にやらせるために買ってきたんだ」
男「ふーむ……」カチカチ
【そしてこの村に、二人の若者が住んでいた】
男「あ、というかさ。これって主人公の名前を自分の名前とかにしてもいいの?」
女「そうする人は多いね、やっぱりそうすることで感情移入しやすくなるんじゃないかな」
男「あーなるほど、だったら自分の名前にしておけばよかったかな」
【若者の一人の名前は冷蔵庫】
男「ぶふっ」
女「キミが決めた名前だろ、何笑ってるんだよ」
男「いや何かシュールで…くく…」
男「ふむ……でも確かに世界を救う主人公の名前が自分と同じ名前だったら熱いな」
女「どうする?今なら始めたばかりだし、リセットして自分の名前にするかい?」
男「うーん…そうしようかな」
【冷蔵庫は年中家に引きこもり、ただでさえ貧しい彼の家庭を余計に圧迫していた】
男「えっ」
女「おや?」
冷蔵庫『オウフwwwwwwデュフフフwwwwwフォカヌポゥwwwwww』
男「Oh...」
女「うわぁ…。…さて、リセットして君の名前にしようか」
男「この惨状を見てそんなことする奴は何の願望を抱いているんだ」
【そしてもう一人、冷蔵庫の隣に住む少女がいた】
男「冷蔵庫の隣ってなんだよ食器棚かよ」
女「流し台かもしれない」
【少女の名前を決めてください】
男「あれ?このキャラの名前も決めるの?」
女「みたいだね」
男「ってことはもしかしてこの先会う人々全てに名前をつけて行くことになるのか?」
女「いや流石にそんなことはないと思うけど」
男「そのうち王様に『ゴミ箱』なんて名付けることになるかもしれないな」
女「そんなことしたら主人公は間違いなくブタ箱行きだろうけどね」
男「『三角コーナー』はどう?」
女「家庭的な王様だね。主人公の処刑は免れなさそうだけど」
男「でも少女の名前って言われても…まだ顔も出てないから名付けにくいな」
女「そういえば主人公に名前を付ける時も見た目は出てなかったね」
男「ってことは少女の方も冷蔵庫君みたいに悲惨なことになってるかもしれないのか…」
女「流石にメインキャラが両方ひどいってのはないと思うけどね」
男「じゃあ『女』で」
女「待った」
男「どうした?」
女「なんでボクの名前なんだよ」
男「ほら感情移入」
女「主人公があんなんだった今、普通は知り合いの名前にするのは躊躇うだろ!」
男「えー…じゃあ『食器棚』と『流し台』どっちがいいかな」
女「謎過ぎるだろその二択」
男「よし、さっさか進めていこう」
女「結局『食器棚』なのか…」
冷蔵庫母『朝よー』
冷蔵庫『うっせぇババァ!俺は今から寝るんだよ!』
男「ガチニートかよ冷蔵庫」
女「これが主人公とは…」
男「あ、もしかしてロールプレイングってこのデブ主人公を転がして遊ぶゲームとかそういう?」
女「いや違う…はずなんだけど。と、とりあえず進めようか」
冷蔵庫母『今日は食器棚ちゃんが遊びに来てるわよ』
冷蔵庫『なんと!それはまことで御座るか!これは急がねば!アダブラカタブラオウフコポォ』
男「何かブツブツ言ってるけど」
女「魔法の詠唱じゃないかな、説明書によると主人公は勇者の末裔で魔法が使えるらしいし」
男「へぇ、魔法なんてあるのか」
女「うん」
男「…………」
女「…………」
男「……あ、魔法ってのは30歳まで経験のない男性だけが使えるいわゆr
女「黙れ進めろ」
男「はい」
食器棚『冷蔵庫くん遅いですね…』
冷蔵庫母『ゴメンね、あの子いつもこの時間はまだ寝てるから…』
食器棚『いえ、いいんです。せめて顔だけでも見て行きたかったけど…』
男「あ、この子可愛いな」
女「…………」ギロッ
男「何故睨む」
女「……こほん、まぁ食器棚はマトモみたいだね」
男「ところで前置き長くない?RPGって全部こうなの?」
女「やっぱり最初に世界観の説明とかがあるからどうしても長くなりがちだね」
男「飛ばせないの?」
女「その真ん中のスタートボタン押せば飛ばせるだろうけど…話が分からなくなるかもだしあんまりオススメはしないね」
男「そっか…」
女「うん」
男「ほい」スキップポチッ
女「おい」
【食器棚は死んだ】
冷蔵庫『許さない…こんな世界、滅ぼしてやる!』
悪魔『くくく、この小僧に協力するのも面白そうだ』
男「…?」
女「………」
男「あ、もしかしてこれでクリア?」
女「そんなわけないだろ!?だから分からなくなるって言っただろ!」
男「じゃあ主人公も見た目変わってるしこれ別のゲームじゃない?」
女「そうなる何か重要な事件があったんだろうね。キミがすっ飛ばしたけど」
男「あーでもこんなイケメンになるならキャラの名前も『男』と『女』で良かったかなぁ」
女「それだとボクすぐ死ぬよね!?」
また明日
乙
おもしろそう
女がかわいい
男「あ、操作できる」
女「その左スティックで移動して、その○ボタンで調べる、×ボタンでジャンプ、スタートボタンでメニューを開けるよ」
男「メニューって何か注文できるの?」
女「いや飲食店のメニューじゃないから」
男「俺はコーヒーが飲みたいかな」
女「いやだから違うって…はぁ、ちょっと待ってて」
男「ありゃ、ホントにやってくれるのか。ありがたい」
男「うわ、ジャンプ高っ。これが元デブの力か」
男「タンスから木の盾?勝手に持っていくとか何考えてんだコイツ」
男「樽の底から金って…躊躇無くモノ壊すとか暴君かよ」
男「うわ拾った馬糞を躊躇なく持ち物に追加しやがった」
男「冷蔵庫じゃなくて家政婦か何かにしといたが良かったかな…名前」
女「家政婦でもそんなことはしないよ。はい、コーヒーはいったよ」
男「お、ありがと。ところでさ女」
女「ん、何か分からないところでもあった?」
男「この主人公キチ○イじゃね?」
女「…まぁ確かに勝手にモノ壊したりはそうなんだけど…それを今更言われるとは。あ、ところで結局ストーリーは分かった?」
男「おおまかなことだけは。何でも、最初の村でゴタゴタが起きて、それが原因で国の内乱まで発展、それに巻き込まれて食器棚が死亡、人間に絶望した主人公は魔物側の味方になって人間の世界を滅ぼそうとしてるらしい。それで主人公のこの姿は悪魔と契約したから、だとさ」
女「序盤から濃いなあ」
男「ちなみに最初の村のゴタゴタはさっき冷蔵庫がブツブツ唱えてた魔法が原因らしい」
女「自業自得じゃないか何が人間に絶望しただこのデブ」
男「元デブだ」
女「細かいよ」
男「お、何これ」
女「戦闘だね」
男「この『戦う』を選べばいいのか?」
女「そうだね。行動を選択して、○ボタンで決定だよ」
ニア『戦う』
男「お、更に何か出た、『戦う』『魔法』『特技』『道具』か」
女「『戦う』は素直に敵に攻撃、『魔法』『特技』『道具』は…まぁとりあえずやってみれば分かると思うよ」
男「んじゃ適当にやってみるかな」
ニア『魔法』→『無し』
男「無し?」
女「まだ覚えてないってことだろうね、戦ってレベルを上げていけば覚えるはずだよ」
男「さっき使ってなかった?」
女「忘れたんじゃない?」
男「脂肪と一緒に記憶も抜け落ちたか…」
ニア『特技』→『無し』
男「特技も無しか」
女「この辺りは後々だね」
男「特技無しって就職に不利じゃね?」
女「就職に有利な特技が果たして戦闘に役立つかな」
男「そろばんの段級持ってたらそろばんで相手殴れるとか」
女「画が地味そうな特技だな…」
ニア『戦う』→『スライムは倒れた!』
男「相手よわっ」
女「最初だしね」
男「でも魔法も特技も無しで勇者の末裔名乗ってる主人公も大概…」
女「『世界を滅ぼす』とか息巻いちゃってるしね」
冷蔵庫『この勇者の力で…悪を滅する!』(勝利台詞)
男「勇者の力(笑)」
女「やめなさい」
男「それで、ストーリー進めるにはまずはどうすりゃいいのよ?」
女「知らないよ、取り敢えず周りにいる人とかに話を聞けば目的とかは分かると思うけど…」
男「人なんてどこにもいないな」
女「始まりの村が最初から廃村というのは新しいな…」
男「ところでこのレベルってなんだ?」
女「まぁ単純な強さだね。モンスターを倒せば上がっていって、その段階で魔法とかも覚えられるはずだよ」
男「そっか…じゃあまずはレベル上げするかなー」
女「それでいいかもねー…ふぁあ…ボクは眠いから帰るよ、それは貸しておく」
男「ん?いいのか?」
女「いいっていいって、キミに楽しんで欲しくて持って来たんだから」
男「そっか、ありがとな。おやすみ」
女「おやすみー、お邪魔しましたー」バタン
男「………」カチカチ
男「………」カチカチ
男「………」カチカチ
・・・・・・
・・・・
・・
女「二日連続お邪魔しまーすってね。おーい男ー?いるかー?」
男「………」カチカチ
女「うわびっくりしたぁっ!?な、何してんの…?」
男「………ん、あ、女か…」
女「ちょ、大丈夫か?随分疲れてるけど」
男「いや、ずっとゲームやってたから…」
女「ゲームって…ってレベル50!?もしかして昨日のあれからずっとやってたのか!?」
男「うん…ちょい…寝かせて…」バタッ
女「20時間程度ぶっ続けって…まったく…」
男「Zzz...」
女「しかも見た感じストーリーは全く進めてないし…」
男「Zzz...」
女「………」ナデ …
女「はっ!?いや今のは違っ!」
男「Zzz...」
女「…起きてない、よな…?」
男「Zzz...」
女「………ふふっ」ナデナデ
・・・・・・・・ ・
・・・・・・
・・・
男「ん…あー…今何時だ?…何かいい匂いするな…」
女「あ、起きたね、ちょうど良い。もうすぐ出来るから待っててね」
男「んー?女がなんでウチに…?てか何してんだ…料理?」
女「はい、出来たよ。勝手にキッチン借りて悪いね」
男「いや、キッチンは別に構わないけど…。何で炒飯?」
女「ん、炒飯は嫌い?」
男「いや、そうじゃなくて…何で俺に飯作ってんの?」
女「あー…あはは、まあいいじゃないか。さ、食え食え」
男「お、おう…ん、おお、美味いなこれ」
女「それは良かった」
男「これならこれからも毎日頼もうかなー、なんてな」
女「ん、あー…えっと…ボクは構わない…よ?」
男「ジョークだよ。ご馳走様、さてゲームの続きやろうか」
女「……ふんっ」
男「さて、進めていこうか」
女「ここまでレベル上げる必要あったかな…」
男「よく分からないんだけどレベル50って高いの?」
女「最高レベルが100だからちょうど半分くらいなんだけど、最初のこの時点で50は反則レベルだろうね」
男「そんなに強いのか、じゃあサクサク進められそうだな」
女「あ、そういえば一番最初の場所に悪魔?だっけ、いたよね。そいつと話せば何か分かるかも」
男「なるほど、行ってみよう」
悪魔『ん?どうした、聞きたいことでもあるのか?』
>『戦闘について』
>『マップについて』
>『目的について』
>『死ぬがよい』
>『特に聞きたいことはない』
男「この選択肢は?」
女「どうやらこの悪魔がチュートリアル係というか、まぁいろいろ教えてくれるらしいね。今更だけど」
男「なるほどねぇ」
ニア『死ぬがよい』
女「なんでさ」
男「いや、レベル50に向かって偉そうなコイツはどんなもんなのかと思って…」
女「急に反骨心芽生え過ぎだろ…」
悪魔『ほう、面白い。少し遊んでやろう』
女「ほら戦闘に入っちゃったよー」
男「余裕こいていられるのも今のうちだ、返り討ちだぜ」
女「返り討ちだと冷蔵庫負けますが」
ドゴォォォォン
男「一撃で倒しちゃったよ」
女「序盤としては勝てたもんじゃないんだろうけどレベル50ともなればこうなるよなぁ…」
冷蔵庫『クッ…!つ、強い…!』
悪魔『我に勝とうというのが間違いなのだ、下等生物如きが粋がるなよ』
男「…ん?」
女「あー…このパターンか」
悪魔『なかなかの力を持っているが、所詮は人間…つまらん』
冷蔵庫『く…そ…っ!』ドサッ
話しかける前に戻る(主人公の体力は残り1まで減少)
男「あぁ、悪魔が見てる幸せな夢、みたいな?」
女「いや、負けイベントって言って、勝ち負け関係なく物語が進むタイプの戦闘だね、今のは」
男「勝ったらダメな場面だったってことか、空気読めの一言で沈む主人公に育てた覚えはないんだが…」
女「というか今更だけどさっき使ってた特技が『顔面パンチ』ってなんだよ…」
男「そろばんよりはマシじゃない?」
女「どうだか」
男「これ以上ウロウロしててもしょうがないしストーリー進めるかな」
女「悪魔の話によると最初はニノ街に向かうんだっけ」
男「えーと…こっちか、お、戦闘だ」
魔物A『ぴきー』
冷蔵庫『顔面パンチ』メコッ
魔物B『うがー』
冷蔵庫『顔面パンチ』グシャッ
魔物C『きえー』
冷蔵庫『顔面パンチ』バキッ
女「うわぁ…」
男「このモンスターの顔面ってどこだろ」
女「あ、もうニノ街に着いた」
町長『魔物に襲われふじこふじこ、サンノ洞窟に魔物のボスがふじこ』
冷蔵庫『こんにちは!死ね!』
町長『!?』
男「よく分からんけど戦闘始まった」
女「そういえばこの主人公の目的は人間を滅ぼすことだったね、すっかり忘れてた」
男「顔面パンチ」
女「あ、倒した」
男「次の街へ向かおう」
女「レベルが高いからサクサク進むね」
山賊『ぐへへ』
冷蔵庫『顔面パンチ』
海賊『ぐへへ』
冷蔵庫『顔面パンチ』
ちくわ大明神『ぐへへ』
冷蔵庫『顔面パンチ』
男「よし、ヨンノ王国に到着」
女「誰だ今の」
男「取り敢えず城行こう、そんで滅ぼそう」
女「そんな『コンビニで弁当買ってこよう』みたいなテンションでいいのか」
番兵『ここは通れないよ』
番兵2『まぁアレがあれば通してやらんこともないがな。…アレってなにかって?そりゃ金だよ金ェ、くっくっく』
女「腐ってるなー」
男「顔面」
女「ああ、倒せるんだコレ」
・・・・・・・・ ・
・・・・・・
・・・
男「ヨンノ王国、滅亡」
女「今更だけど買ってくるゲーム間違えたかもしれない」
男「………」カチカチ
女「…というか、随分慣れてるね」
男「んー…流石に一晩中やってたしなぁ…それに操作が難しいってわけでもないし」
女「確かにRPGはとっさの判断や練習を必要とする複雑な動きもないから全体の難易度は高くないね。初めてゲームをするならやっぱりRPGからってのが正解だと思うよ」
男「ふーん…個人的にはもっとガチャガチャやりたいかな」
女「そうかい?じゃあ次はそれを考慮して選んでくるよ」
男「これの他にも持ってくる気か?いや面白いから構わないけどさ」
女「ボクも遊び相手が欲しいんだよ」
男「ふーむ…ゲームなんてなくてもいつでも話し相手にならなってやれるけどな…」
女「それでもいいんだけどね。やっぱり趣味は共有したいんだ」
男「ふーむ…」
中ボス『ククク…私の手下にならんか?代わりに世界の半分はくれてやる』
>『俺は誰の下にもつかない』
>『仲間にでも手下にでもなんにでもなってやるから世界の半分ください』
男「………あ、女、この選択肢はどうすれば…って」
女「………」ウツラウツラ
男「…毛布持ってくるか…」
女「………」Zzz...
男「さて…と」 パサッ
ニア『仲間にでも手下にでもなんにでもなってやるから世界の半分ください』
中ボス『油断したな!バカめ!』デレレンデレレン
〉ふいうちをくらった!冷蔵庫に1のダメージ!
男「何だよ世界の半分くれるって嘘かよ」
男「ってかコイツにそんな権限あるのか…?」→1024ダメージ!
男「てかどっちみち戦闘になるならさっきの選択肢必要なんかね」←1ダメージ!
男「…えーとコイツは確か…ゴノクニの神官が悪魔に憑かれたんだったっけ」→1585ダメージ!
男「…神官って何だ?」←1ダメージ!
男「てか冷蔵庫に1のダメージて…ご家庭へのダイレクトアタックかな?」→1230ダメージ!
中ボス『グウウ…少しはやるようだな。いいだろう、本気の姿を見せてやる』バリバリィ!
男「少しはやるようだな(瀕死)」
10ダメージ!980ダメージ!15ダメージ!850ダメージ!11ダメージ!1003ダメージ!miss!1250ダメージ!12ダメージ!993ダメージ!
\デデェェェェェン/
男「少し手こずったな…またレベル上げなきゃな」
女「………」Zzz...
男「…………」
女「………」Zzz...
男「…………」ナデ…
女「……ん…」
男「…」ピタッ
女「…………」Zzz...
男「……ふむ」
男「…………」ナデナデ
また明日
おおあんたか
おかえり
・・・・・・
・・・・
・・
女「…んぁ…んぅ……えーと…昨日は…」
男「おはよう」
女「っ!?な、何でキミが!?」
男「いや、昨日ゲームしてたら女が寝ちゃったからそのままにしといただけだけど」
女「え…あ、そうだったな…寝ちゃってたか…ってか今何時!?うっわ寝坊したヤバい遅れる!」
男「俺は今日大学ないよ?」
女「ボクは仕事あるんだよ!」
男「え、夜の!?」
女「今思いっきり朝だろうが死ね!」
男「言葉キツ過ぎますね」
女「…って、落ち着いてみたら遅いどころかむしろ少し早いくらいの時間で余裕あったよ」
男「そうだ、朝飯食べる?」
女「悪いね、頂くとしよう」
男「じゃあ作って」
女「作る気すらないのか」
男「卵は鶏小屋の中に置いてあるから」
女「いやだから作るとは言ってな鶏小屋!?」
男「あ、ゴメン鶏じゃなくて烏骨鶏だった」
女「いや問題はそうじゃなくて!」
男「ちなみに鶏と烏骨鶏の違いは主に皮膚の色と足の指の数だよ」
女「だから朝ごはん!何だよその知識!今から鶏肉でも食うのか!?」
男「卵だって言ってるじゃん」
女「分かってるよ!」
男「んじゃ作ってくるからちょっと待ってて」ガチャ
女「…はぁ、朝からもう疲れた…ん?」
女「テレビもゲームもつけっぱなし…もしかしてまた一晩中やってたのか」
女「…レベル80!?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
男「はい、どうぞ」
女「いただきます。…ところで、あのレベルは…」
男「ん?ああ、中ボスに少し手こずったからレベル上げた」
女「中ボスってあの神官?」
男「そうそう。…あ、ストーリーはそこから進めてないから大丈夫だよ」
女「いや、むしろキミが大丈夫か」
男「俺のレベル?」
女「いや体調だよ」
男「心配には及ばんよ」
女「ならいいんだけど…」
男「今夜も一緒に進めような」
女「無理はしないように、ね」
女(一緒に…ね)
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
女(夜8時…晩御飯も食べたしそろそろ行くかな)
女(いかしあそこまでハマるとは予想してなかったな)
女(一緒に…ね、ふふ)ニヤニヤ
女「男ー、いるかーい?」ピンポーン
男「ずっと後ろにいるよ」
女「っうわぁ!?」
男「さっきからニヤニヤしてどしたの」
女「うっ、うるさい!いいからさっさと続きやるぞ!」
男「えっ…いやいいけど…そんな…積極的///」
女「殺すぞ」
男「下ネタには厳しいですね」
男「ほい、いらっしゃい」ガチャ
女「ん、お邪魔します」
男「そんで続きだけど、レベル80ってどのくらい強いの?」
女「んー…もうラスボスにも大して苦戦しなくて済むくらいには強いと思うよ」
男「そっか、じゃあ後はストーリー進めていくだけかな」
女「そうだね、ストーリーも多分もうちょっとで終わると思うよ」
男「サクサク進んでるしなぁ」
女「…というか何でそんなにレベリングばっかりしてるの?」
男「何でって言われてもなぁ…暇だからとしか」
つまらんからもうかかんでええで
女「暇って…ストーリー進めなよ」
男「うーん…だって女いない間にストーリー進めるのもなぁ」
女「ボクは構わないよ?」
男「俺が構うんだよ」
女「……ん、ありがと」
男「何が?」
女「…この鈍感野郎」
男「何でちょっとおこなの?」
男「レベル上げることをレベリングって言うんだよな?RPGが好きな人はそのレベリングってのが好きなのか?」
女「そういう人もいるね。あとはやっぱりストーリー性があるゲームが好きな人とか、シンプルな操作性から手軽にやりやすいから好きって人とかも」
男「へぇ、やっぱゲームの中でもまた好みは分かれるわけだ」
女「そりゃ、ゲームって一言に言ってもいろいろあるわけだしね」
男「女は何が好きなんだ?」
女「ボクはそうだなぁ、まぁ割と好きだけど一つに絞るならやっぱりアクションかなぁ」
男「アクションか…やったことないけどスマブラとか?」
女「そんな感じだね」
男「……うーん…負けることはなくなったけど戦闘が単調だなぁ」
女「余程のことがないと死ぬこともないだろうし、強過ぎるのも考えものだね」
男「世界が俺について来れてないのか」
女「冷蔵庫が何か言ってる」
???『はぁ…はぁ…止めなきゃ…!彼の暴走を…!』
男「お、新キャラ」
女「この終盤で…?」
男「てか普通RPGってもっと色んなキャラが仲間になるものだと思ってた」
女「確かにこのゲームは主人公1人だな…まぁ人間の敵だしね」
男「可愛い獣娘ちゃんとか仲間にならないかな」
女「…」ギロッ
男「何故睨む」
女「睨んでないよ」
男「……ん?場所変わった?さっきまでハチノシマにいたはずだけど」
女「というか操作キャラも変わってるね…さっきのフードの女の子か」
男「んー……じゃあ女、パス」
女「えっ、いやいいよ、君がやりなよ」
男「と言われても女も見てるだけじゃ退屈じゃない?取り敢えずやってみなよ」
女「んー…まぁそういうことなら」
男「それで、このキャラ急に出てきたけど誰?」
女「さぁ…フード被ってるから顔は分かんないし…多分今までに出てきたキャラの誰かだとは思うけど」
男「ああ、見覚えあると思ったらニノ街の町長」
女「彼は爺さんだったよ」
男「惜しいな」
女「全然」
男「あ、しかもよく見たらこの場所ニノ街じゃん」
女「え…あ、本当だ。寂れてるから気付かなかった」
男「やっぱり町長か…」
女「違うと思う」
男「で、今は何を目的に進んでるの?」
女「さぁ…一本道を進んでるだけみたいだけどよく見たら今までの主人公のルートなぞってるみたいなんだよなぁ」
男「まさか今までの冒険の道をフルマラソンさせられたりして」
女「はは、まさかそんな。本当にそんなことされたら即クソゲー認定して任◯堂本社に投げ込んでやる」
男「これ任◯堂のじゃないけどね」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
女「…………」
男「……ドンマイ」
女「クソゲーじゃないか!任◯堂最低だな!」
男「落ち着いて、任◯堂関係ないよ」
女「だっておかしいだろ!?1時間以上一本道を進むだけって!途中戦闘一切ないって!退屈過ぎるわ!」
男「んで主人公のいるジュウノ城まできたのはいいけど……ここ多分最後のステージだよな」
女「くそう……余計なことさせやがって食器棚め…」
男「え、こいつ食器棚なの?」
女「え、ああ多分展開的にそうかなとは思うけど…」
男「でも序盤に死んだよ?」
女「色々あったんじゃない?」
男「いやいや流石にないでしょ。それは展開として酷すぎる」
『私よ!食器棚よ!思い出して、冷蔵庫!』
男「任◯堂最低だな」
女「任◯堂関係ないよ」
男「…で、何で生き返ってんの?」
女「今から説明あるんじゃない?」
『ニンゲン…コロス…!』
『思い出させてあげる!』
男「戦闘始まったんだけど」
女「しかも冷蔵庫側かよボクら」
男「まぁいいか…サクッと倒しちゃうかな」
女「待った、この戦闘までボクにやらせて」
男「ん?別にいいけど…なんで?」
女「この女にはフルマラソンの恨みがあるからね……この鬱憤、晴らさせてもらうよ」
男「キャーコワーイ」
3日(大嘘)
また明日
乙
3日と言わずゲームが終わったあとも続いても良いのよ?
冷蔵庫『顔面パンチ』
食器棚『痛いっ!顔を殴るなんて最低!男とは思えないわ!』←20ダメージ
女「は?」
男「うわ全然ダメージ通ってねぇ」
冷蔵庫『顔面パンチ』
食器棚『痛いっ!顔を殴るなんて最低!男とは思えないわ!』←19ダメージ
女「あ?」イラッ
男「打撃効かないタイプかな…魔法使ってみたら?」
女「分かってるよ!」
男「どうどう」
冷蔵庫『アツイマホー』
食器棚『なに魔法なんて使ってるのよ!この卑怯者!』←16ダメージ
女「……」イライラ
男「魔法も効かない……?負けイベ?」
女「にしても攻撃してこないしこの女ァ…!」
冷蔵庫『スゴイマホー』
食器棚『なに魔法なんて使ってるのよ!この卑怯者!』←16ダメージ
女「あぁあぁぁぁああああ!!」ゴロンゴロン
男「床をそんなに転がったら壁にぶつかるよ」
女「痛ったぁぁああああ!?」ゴロンゴロン
男「遅かったか」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
〜30分後〜
男「…で、もうずっと殴ってるわけだけど…」
食器棚『痛いっ!顔を殴るなんて最低!男とは思えないわ!』←19ダメージ
女「…………」ビキビキ
男「女、凄い顔なってるよ」
女「……ちょっと、君やって…ボクその間に落ち着くから…」
男「え、あ、うん…」
女「スー…ハー…フー……!」
男「あ、何か持ち物の『思い出のペンダント』っての使ったらムービー入ったんだけど」
女「クソがぁぁぁぁあああ!!!」ジタバタ
冷蔵庫『俺は……一体……』
食器棚『正気に戻ったのね。あなた悪魔にそそのかされて……」
冷蔵庫『そう…だったのか…』
女「てやっ!」スキップ ポチッ
男「あ、ちょっ」
女「こんなの認められるか!くそぅ!」
男「……あ、イベント終わったと思ったらジュウノ城のそれっぽい部屋の前から始まった」
女「ボス戦じゃないかな!そろそろラスボスだと思うよ!」
男「いつまで怒ってんだよ…ほら飴」
女「ふん…そんなんでボクの機嫌を取ろうったって…」パクッ
冷蔵庫『俺は間違っていた…今こそ、お前を倒して決別する!』
悪魔『お前には期待していたのだがな…では、死ね』
男「あーでも回復アイテムとかだいぶ少ないな、いけるかな」
女「何で買い溜めとかなかったんだよ」
男「買い溜めてたけどたった今君がほぼ使ったんだよ」
女「うぐっ…」
・・・・・・・・・
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・・・
悪魔『何故だ…何故貴様如きに…この…私が……!』
男「主人公のレベルが高かったからだよっと」
女「ラスボスよえー…てか何でレベルが90超えてるんだよ」
男「食器棚の経験値が凄くて10レベ以上上がった。多分殴った分だけ経験値が膨れたんじゃないかな」
女「ぐっ…何か凄く複雑な気分だ…」
【こうして滅びかけた世界は再生を始めた】
男「ん、エンディングかな?」
女「エピローグみたいだね、ストーリーとしてはこれでお終いみたいだ」
男「ストーリーとしては?どういうこと?」
【悪魔の脅威は去り、人々はかつての活気を取り戻した】
女「RPGは確かにストーリーに沿って進めるものだけど、クリアした後も自由に色んなことができたりするんだ」
男「へぇ、具体的にどんな?」
女「それはゲームによるけど、アイテムを集めたり隠しボスがいたりとかかな」
【冷蔵庫と食器棚も無事に故郷に戻った】
男「最強の装備を探したりとか?」
女「そうだね、要するにやりこみ要素さ」
男「なるほどねぇ…隠しボスっていうのは?」
女「このゲームはどうか知らないけど大抵のRPGにはラスボスより強い隠されたボスがいてね、そいつを見つけ出して倒したらより強い装備が貰えたりするんだ」
男「ほー…そりゃ面白そう」
【食器棚はチャラ男と結婚し、冷蔵庫はニートに逆戻り———】
男「ちょっと君うるさい」スキップ ポチッ
女「おいいや飛ばすなよ!」
男「え、いや何で」
女「いや、確かに終わったけど…何かあるだろ!余韻みたいな!」
男「えぇ…ああ、女って映画はエンディングまでちゃんと見る派?」
女「そうだけども!確かにそうだけども!」
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・・・・・・
・・・
女「……こほん、それでまぁ、これでこれでこのゲームは終わりだけど、どうだった?」
男「世の中のRPGって大体こうなの?」
女「誤解しないで欲しい!ちゃんとしたやつはちゃんとしてるから!これは酷い奴だから!」
男「そっか…俺は面白かったけどな…」
女「えっ、あ、そう…そっか。なら良かったけど…」
男「やっぱアレだな、女と一緒だからだな」
女「……っ君は全く、そういう恥ずかしいセリフを…」ゴニョゴニョ
男「え、何て?」
女「何でもないよ!」
女「とはいえ君がここまでどハマりするとは思わなかったよ、もしかしたらゲームするのに向いてる性格なのかもね」
男「何かそれやだなぁ」
女「まぁそういうなよ、また一緒にゲームしてくれる?」
男「それはまぁ、構わないけど…」
女「それじゃこれからもまぁよろしく頼むよ、ねっ!」ニコッ
男「はいはい、次も楽しみにしてますよ」
おしまい、ここまでありがとう
次のゲームはよ
おつ
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