にこ「甘いモノには御用心」 (22)
希「なぁなぁ、にこっち」
にこ「何よ?」
希「帰りにエリちとファミレスでパフェ食べに行くんやけど、一緒に行かへん?」
にこ「パフェ?」
にこ(そういやー、練習や家のことで学校帰りに何か食べに行くことってあんまりないわね)
にこ「んー、別にいいけど……」
にこ(お金足りるかしら?)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436055325
希「割引券あるからお金の心配はいらないよ」
にこ「えっ、あっ、ホント。じゃあ、行ってもいいわよ」
にこ(今日はママが早く帰るから迎えも買い物も必要ないって言われてたしね)
希「よっしゃ、決まりやね。エリちにメールしとこ」
にこ(希ウキウキね)
希「よし、オッケーや。にこっち、いこか」
にこ「え、ええ」
◇ ◆ ◇ ◆
「ご注文が決まりましたら、ブザーを押して下さい」
絵里「はい」
希「今日は何にしよっかな」
にこ「今日はって、あんた達よくここに来てるの」
絵里「ええ。前は週一程度だったんだけど」
希「練習がキツくなって来た最近やと、しょっちゅうやね」
にこ「しょっちゅうってことは……」
絵里「ほぼ毎日来てるわよ。練習帰りに甘い物、これぞ女子高生よ!」
希「ここのパフェが美味しいんよ」
にこ「はぁ!?」
希「ど、どないしたん? にこっち」
にこ「あんた達、そんなんじゃ太るわよ!」
絵里「だ、大丈夫よ。ほら、練習でちゃんと運動してるし」
希「それに何より『甘い物は別腹』ゆーしね」
絵里「プロポーションだって変わってないし」
にこ「そういう問題じゃないわよ。私達はスクールアイドルよ。一応はアイドルなの! アイドルたるもの、自己管理はキチッとしないと」
希「そ、そやね」
にこ「そうしないと穂乃果と花陽の二の舞になるわよ」
絵里「そ、そうね。さすがにこだわ……」
ピンポ~ン♪
にこ「ふふ~ん♪ にこに掛かれば造作もないわ。これに懲りてあんた達も……」
「ご注文は」
絵里「ジャンボチョコレートパフェとチョコレートケーキ」
希「あっ、ウチもそれで」
にこ(人の話聞きなさいよ!?)
希「にこっちは?」
にこ「えっ、あぁ……ショートケーキとオレンジジュースで」
◇ ◆ ◇ ◆
にこ(なんというかまぁ……)ムシャムシャ
絵里「おいひいわね~」パクパク
希「疲れた後はコレやね」モグモグ
にこ(デカイわね……あれ多分、かなりカロリー高そうだわ。完食したら……やめとこ)
絵里「アイドルたるもの、よく食べるのも大事よ」
希「さすがエリちや」
にこ「あれ、にこが言ったこと忘れてなくない?」
絵里「ねぇ、にこ。ボクシングって知ってる?」
にこ「そりゃ知ってるわよ」
希「じゃあ、試合前の計量については?」
にこ「あれよね。規定の体重以下に落とさなきゃダメってやつでしょ」
絵里「そうよ」
にこ「それがどうし……あぁ!?」
絵里「気付いたようね」
希「ふふーん。つまり、計量の時に体重を戻しておけばいいんよ」
絵里「所謂、帳尻合わせね」
にこ(そんな都合よく行くわけ……)
絵里「昨日、海未は私達の体重を計ったわよね」
希「今回はちょっと危なかったけど、なんとか乗り切ったわぁ」
絵里「あんな思いは懲り懲りね」
希「地獄にいる気分やった」
にこ(何やったのよ、この二人は?)
絵里「よくて次は一週間後かしらね」
にこ「だけど海未のことだから、穂乃果と花陽の件もあって抜き打ちでやる可能性もあるわよ」
絵里「それもあるわね。まっ、明日に体重計れってなれば私と希は確実に終わりだわね」
希「海未ちゃん、しっかり者やからなぁ。多分バレたら、ペナルティー課すよ」
絵里「そうよね。しっかりしてるからこそ、今思えば穂乃果を生徒会長に推薦した時、海未を副会長に据えて正解だったわ」
希「ほんまやわぁ」
にこ(穂乃果がだらしないってのもあるけど……)
絵里「でも」
希「うん」
絵里「海未って案外抜けてるのよね」
にこ「ぶふぅー!?」
希「せやね。合宿の時の山頂アタックとか」
絵里「穂乃果が『海だぁー!?』って叫んだら『海未は私ですが』って返したとか」
希「なんでもババ抜きしたら顔に全部出るとか」
絵里「ことりも苦笑い」
にこ「ちょっ!?」
絵里「破廉恥です。露出は少なめって言っておきながら、実は自分が一番露出多めの服来て、最早抵抗すらない」
希「むしろ最近はノリノリやなぁ」
絵里「あの娘、面白いわー」
にこ(えっ、いいのコレ!?)
絵里「みんなのハートを」
希「撃ち抜くぞ……バァン!」
にこ「そ、それ以上はやめ……」
「ほう、誰が抜けていると言うのでしょうか?」
にこ「ん?」
絵里「あっ」
希「えっ」
「そんなに……そんなに絵里と希は私のことを想っていてくれてたのですかぁ。なんだか嬉しくて涙が出ますよ」
絵里「」
希「」
にこ(あー、こりゃもうダメだわ)
絵里「な、な、な」
希「なんでおるんよ!」
絵里・希「海未(ちゃん)!!」
海未「穂乃果がどうしても甘いモノを食べたいというので来てみたら、後ろの席で私のことを楽しそうに話してる絵里達がいましたので」
にこ「なら声くらいかけなさいよね。つか穂乃果」
穂乃果「なに~」
にこ「あんた、ダイエットはいいの?」
穂乃果「だってぇ、ご飯もいいけどスイーツも食べたいよぉ」
にこ「あんたの家、和菓子屋でしょ」
穂乃果「ウチのは飽きてるし、それにここのケーキが美味しいって聞いたから」
ことり「ちょうど、割引券あったから誘っちゃったっ」
にこ「はぁ……まぁいいわ。食べすぎないようにね」
穂乃果「はーい」
海未「穂乃果には一回分のペナルティーとして、私が考案した特訓をこなして貰いますからね」
穂乃果「うぇぇー」
海未「私が何もなしに穂乃果の甘えを許すと思いますか?」
穂乃果「だよねぇ~」
ことり「あんまり酷いことしちゃダメだよ」
穂乃果「なんか気分が……甘いモノ食べたいって言うんじゃなかったよぉ」
海未「大丈夫ですよ穂乃果。もしかしたら、穂乃果と特訓する仲間が増えるかもしれませんよ」
穂乃果「えっ、ほんと」
海未「はい」
海未「で、す、よ、ね」ニッコリ
希「」
絵里「」
にこ(なんとか言いなさいよ)
絵里「そ、そうだ! 買い物して帰らないと……お腹を空かせた亜里沙が待ってるわ!」
希「タイムセールの時間逃したら家計が……」
海未「お二人とも、まだパフェが残ってますよ。ちゃんと食べないと、お店に失礼だと思いません?」ニッコリ
にこ(笑顔が怖い)
希「海未ちゃんあのな。これには深~いワケがあるんよ」
絵里「そ、そうよ。深い深い、どこまでも深い……」
海未「」ニッコリ
海未「」ギロッ
にこ(ウチに来た時の夜叉みたいな顔に……)
絵里「にこ~」
希「にこっちぃ~」
絵里・希「助けてぇ~」
にこ(うぅ……この状況で頼られてもねぇ)
にこ「ん~、まぁそのアレよ。アイドルたるもの、目の前の障害は乗り越えないとダメね。そしてその先に希望の光がある!」
希「どういうこと……」
にこ「つまり……」
にこ「どうしようもない、詰んだ、ゲームオーバー、諦めが肝心ってことよ」
絵里・希「意味わかんない!」
ことり「あ、あははは……」
海未「希、絵里! あなた達も明日から特訓です!」
絵里・希「ひえぇぇ~!」
◇ ◆ ◇ ◆
海未「ほら、穂乃果。遅いですよ!」
穂乃果「う、うん!」
海未「絵里、ペースが落ちてます! 更にメニュー追加しましょうか?」
絵里「い、いいです……」
海未「かしこいかわいいあなたなら、抜けてる私の考案した特訓なんてなんとでもなります。ダメでも帳尻は合わせられますよ」
絵里「もうやだーおうち帰るぅ~」
海未「終われば帰してあげますよ。ほら希、もう少しペースアップ」
希「無理無理、無理なモンは無理!」
海未「あなたのスピリチュアルパワーでなんとかなります! カードが告げるんやー、運命撃ち抜くぞ……バァン!!ですよ」
希「ならへんよ! バァンって何!?」
にこ「あいつらもバカね」
ことり「にこちゃんは海未ちゃんの特訓は免除されたんだね」
にこ「まぁ、にこは自己管理がしっかりしてるから」
にこ(海未のことを笑わなかっただけかもしれないけど)
ことり「さ~っすが、にこちゃん。すごぉーい」
にこ「なんてたって世界一、宇宙一のアイドル目指してるんだから当然よ!」
ことり「うふふ」
にこ(そりゃ、あれを完食したら……太るのも無理ないわね)
にこ(絵里、希。あんた達もアイドルの辛さ、身を以て分かったみたいで何よりよ)
にこ(今は辛いだろうけど頑張りなさい)
海未「希と絵里にはジャンボチョコレートパフェ並のボリュームに富んだメニューがありますからね。もしも目標に届かない場合はチョコレートケーキ分のメニューもプラスしますから、覚悟してて下さい!」
絵里・希「うわ~ん。ごめんなさ~い。もう甘いモノは懲り懲りだぁ!」
☆ おわり ☆
久しぶりにSS書いてみましたが……
ラブライブでは初めてですが、なんてゆーか適当過ぎて申し訳ないです
次、頑張ります
乙
乙
面白かった
この後、海未ちゃんが穂むらのお饅頭を食べ過ぎて逆襲されるんですね分かります
乙です
面白かった
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