モバP「楓さんの誕生日か…」(24)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
遅すぎた高垣楓さんの誕生日ネタ。
そんなには長くしない予定です。
高垣楓さんの誕生日…の一週間前。
CGプロダクションの所属アイドル、高垣楓。
今日もレッスンに打ち込む楓さん。
マストレ「よしっ!今日はここまでだ!」
マスタートレーナーの厳しいレッスンが終わる。
瑞樹「ふう、さすがにキツいわね」
高垣楓の同僚アイドル、川島瑞樹。元アナウンサーだ。
楓「そうですね、私もついていくのがせいぜい精一杯で…ふふっ」
瑞樹「無理があるわね」
楓「ぷくー」
ふくれる二十五歳児。
瑞樹「このあと、モバPくんと飲みに?」
楓「それが…忙しいみたいで…」
瑞樹「残念ね」
楓(最近、モバPさんが忙しそうでろくにコミュニュケーションが…)
瑞樹「まあ、しょうがないわね!今日は私と飲みましょう!」
楓「そうですね…」
いつの間にか暗い顔をしていた私を瑞樹さんは明るく引っ張ってくれる。
楓「いいですね、こういうの…」
しかし、誕生日が近づくにつれて…
誕生日まであと六日!
楓「そろそろ私の誕生日…」
カレンダーを見る。モバPは…
紗南「プロデューサー、ゲームしよ!ゲーム!」
モバP「やれやれ…少しだけだぞ?」
紗南「やったー!あたしは…」
困惑しながらもゲームをするモバPさん。私は思わず手を伸ばすが…
凛「楓さん、準備できた?今日は私と撮影…」
楓「えっ?あっ?そうだったわね」
同じプロダクションの渋谷凛ちゃんが私に声をかける。撮影の事を忘れていた。
楓「行きましょ」
凛「うん」
楓「いってきます」
モバP「気をつけ…うおっ!ハンマーかよ!」
楽しそうな声を尻目にプロダクションを出る。
凛「…楓さん、大丈夫?表情が暗いよ?」
楓「えっ?そうかしら?」
また、暗い顔をしていた私。
凛「ここのところ、忙しいし、撮影終わったら休んだ方がいいんじゃない」
楓「そうね…」
楓(いけないわね、凛ちゃんに気を遣わせちゃうなんて…)
撮影は順調に終わる。
誕生日まであと五日…
レッスンを難なくこなす…かと思いきや…
マストレ「どうした?高垣、動きにキレが無いぞ!」
モバPと誕生日の事が動きのキレに影響が出ているようだ。
楓「す、すみません…」
なんとかレッスンをこなす。
楓(こういう時は…)
ちひろ「モバPさん?もう帰りましたよ」
楓「そ、そうですか…」
モバPとの飲み会大作戦は失敗。
ちひろ「…私でよければ代わりに行きましょうか?」
楓「いえ、大丈夫です」
今度はちひろさんにまで気を遣わせてしまう。
ちひろ「…何かあったら言ってくださいね?」
楓さんは帰路につく。
誕生日まであと四日…
楓「モバPさ…」
モバPを見かけて声をかけようとするが、思わず隠れてしまう。
志乃「そうねえ…がいいわね」
モバP「志乃さんは相変わらず…」
モバPと柊志乃が楽しそうに話している。
モバP「今度のお泊まり…楽しみに…」
楓(えっ?お泊まり…?)
なぜか心臓が跳ねるような感覚に陥る。
志乃「…寝かさないわよ?」
モバP「お手柔らかに…」
楓(もしかして、二人って…)
なぜか落ち着かない。モバPさんが志乃さんと…
嫌な考えばかりが浮かぶ。
楓「やっぱり、お似合いなのかなー」
一人で居酒屋で酒を飲む。
楓「二人に妬けてやけ酒…」
ガンガン飲みまくる。
楓「あ、頭が…」
久し振りに酒に飲まれた。
楓「今日は寝ましょう…」
なんとか自力で帰宅。
誕生日まであと三日…
モバP「楓さんは…」
朝、高垣楓が来ない事を心配するモバP。
志乃「どうしたのかしら?」
志乃さん登場。
モバP「あっ、志乃さん、夕べはありがとうございました」
志乃「いいわよ、どうって事ないわ」
ちひろ「モバPさん、楓さん、二日酔いでレッスンを休むようです」
連絡を受けたちひろさん。
モバP「珍しいですね」
志乃「そうね、まあいいわ、もう少し…」
モバP「そうですね」
ちひろ「私も一緒に…」
志乃「そうね、ちひろさんも…」
その頃、高垣楓さんは…?
楓「ううー…」
二日酔いで苦しんでいた。
楓「最近、ついてないですね」
やはり、モバPが柊志乃と付き合っている疑惑が…
楓「…私の誕生日はどうでも いいのでしょうか?」
どんどんネガティブになる…
誕生日に告白しようと思っていた矢先にこれである。
楓「もっと早く…」
高垣楓はモバPの最初に担当したアイドルだ。
真面目で誠実なモバPに特別な感情を抱いていたが、まさかこんな形で…
楓「もうアイドルやめようかな?」
だんだんおかしな方向に向かっていた。
誕生日まであと二日…
楓さんは出てきた。
楓「おはようございます…」
モバP「おはようございます、楓さん」
楓「ご迷惑をおかけしました」ペコリ
頭を下げる楓。
モバP「気にしないでください、誰にでも飲まれたい時はあるでしょうし」
蘭子「闇に飲まれたいですか!」
モバP「お前じゃない、座ってろ」
蘭子「ここは退くか…」(あっ、わかりました)
モバP「これからはまあ、気をつけて…」
楓「はい…」
レッスンに向かう楓。
モバP「うーん、やばいなこれは…」
なんとなく、様子が変なのを察したモバP。
モバP「よし!少し早いが…」
モバPは動く。
蘭子「我が力を授けよう…」(お手伝いしましょうか?)
モバP「アッハイ、お願いします!」
モバP「みんなに…」
蘭子「心得た!」(任せてください!)
誕生日は明日に迫る。
なんとかレッスンをこなした楓さんは身仕度を整えると…
瑞樹「楓ちゃん、ちょっといいかしら?」
川島瑞樹に呼び止められる。
楓「瑞樹さん、どうしました?」
瑞樹「ちょっとこっちに…」
楓「はあ…」
川島瑞樹の案内で連れてこられたのは…
瑞樹「楓ちゃん、扉を開けてくれるかしら?」
楓「はあ…」
ガチャリッ!
パーン!パーン!パーン!
いきなりのクラッカー!
凛「楓さん、お疲れ様!」
礼子「さあさあ、こちらに…」
部屋はパーティー会場のようになっていた。
楓「えっ?あの…」
事態が飲み込めない。
志乃「なんか、勘違いさせてしまったみたいね…」
志乃さんが近づいてきた。
楓「志乃さん…?」
思わず身構える。
志乃「ふふふ、モバPさんが楓の誕生日に合うお酒を探しているから、協力してくれって頼まれたのよ」
志乃「サプライズでね…私も一緒に飲んだりして選んだりね…」
楓「も、もしかして、寝かさないっていうのは?」
志乃「あら、聞いていたの?あれは利き酒をしていただけよ。ただ私は利き酒ついでに飲みまくっていただけでね」
楓「」
志乃「あら、どうやら変な想像をしていたようね」
楓「………はい」
志乃「安心しなさい、人のオトコを奪い取る趣味はないからね」
楓「なんか色々すみません」
志乃「いいわよ、私達も誤解を招くような事をしちゃった訳だし、これでおあいこね」
麗奈「よーし!この晶葉特製のレイナサマバズーカを…!」
楓「えっ!」
ズドオォン!
小関麗奈のバズーカから、煙とかテープがすごい勢いで飛び出した!
楓「麗奈ちゃん、すごーい」
麗奈「アーッハッハッハッ!当然よ!」
志乃「湿っぽいのはこの辺にして、パーティーを楽しみましょう」
楓さんはみんなに祝福されつつ、パーティーを楽しむ。
数時間後…
チッチッチッチッチッ…カチッ
時計が夜の12時を回る。すると、大和亜季が部屋に突入!
亜季「高垣楓殿!誕生日おめどうございます!」
ズドオォン!ズドオォン!
ミサイルランチャーのようなクラッカーが火?を吹く!
楓「すごい…!」
亜季「さて、あとは…」
部屋の入口から、モバPが登場。
モバP「楓さん、誕生日おめでとうございます!」
酒瓶を持って…
楓「あ、ありがとうございます!」
酒瓶のラベルには『楓』と書かれている。
モバP「なかなか酒が見つからなくて…」
楓「いえ…こちらも勝手に…」
モバP「本当は誕生日に祝う予定でしたが、楓さんの様子がやばいので、みんなに無理言って早めたんです」
楓「ふふふ…すっかり振り回されてしまいましたね」
モバP「お互い様です」
モバPはさらに…
モバP「あと、これを…」
楓「これはネックレスですか?」
箱に入ったネックレス。楓があしわられている。
モバP「はい、楓さんという事で楓を…」
楓「ありがとうございます…大事にしますね…」
礼子「あらあら、妬けるわね」
志乃「そうね」
麗奈「このレイナサマにはないのかしら?」
凛「邪魔しちゃ駄目よ」
モバP「これからもよろしくお願いします!」
楓「はい!トップを狙うためにどっぷりとレッスンを…ふふっ」
モバP「いまいちですね」
楓「ぷくー」
こうして楽しい誕生日を迎える事ができた楓さんだった。
途中経過は…まあいいや。
終わり
という訳で、思ったより長くなってしまったが、終わりです。
遅すぎる誕生日SSでした!
完結作に書こう。
乙
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