女「この人、痴漢です!」男「いやっほぉぉぉう!」(13)

女「キャーッ!」

男「?」

女「この人、痴漢です! ずっとあたしのお尻をさわってましたぁ!」

男「いやっほぉぉぉう!」

男「私はこのとおり腕を組んでたんだが……」

女「ウソつき!」

乗客A「大丈夫かい、お嬢ちゃん」

乗客B「次の駅で、駅員に突き出してやる!」

男「おっしゃあああああっ!」

駅員「やったのか?」

男「やってません」

駅員「痴漢はいつもそういうんだ! 今、警察を呼ぶ!」

男「ひゃっほう!」

警官「正直にいえ。痴漢をしたんだろ?」

男「してません」

警官「したんだろ?」

男「してません」

警官「逮捕だ」

男「っしゃあぁぁ!」

弁護士「私があなたを弁護することになりましたが……私はあなたを全く信じてません」

弁護士「弁護する気などさらさらないので、ご了承ください」

弁護士「この社会のダニが!」

男「うっひょおおおおおう!」

検事「被告人は人類史上まれに見る、最低の人間です」

検事「よって、無期懲役を求刑します」

男「おほぉっ!」

弁護士「無期懲役では生ぬるい。死刑の方がよいのでは?」

男「やりぃ!」

裁判長「弁護人の言うとおり! 被告人に死刑を言い渡す!」

裁判長「むろん、公開処刑!」

男「やったぜぇぇぇぇぇい!」

妻「あなた……最低よ! このクズ! ムシケラ!」

息子「じゃあね、お父さん……いや、知らないおじさん」

娘「いい年して痴漢なんて、信じられない! とっととくたばっちゃえ!」

男「いぇいいぇいいぇいいぇい!」

執行人「このスイッチを押せば、貴様の体は落下して、首が絞まることになる」

執行人「言い残すことはあるか?」

男「はいっ! えぇと、まず──」

執行人「ないようだな。それではさっそく処刑を開始する!」

男「そうこなくっちゃ!」

執行人「スイッチ、オン!」ポチッ

男「おほぉっ!」ギュッ…



女「あのぉ~」

女「実は痴漢されたっていうの、真っ赤なウソだったの! ごめんなさ~い!」



男「ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」ガクッ…



元気出していきましょう、冤罪

おしまい

ちょっと元気出た
ありがとう

なんだろう、これで勇気をもらうなんておかしい……でも勢いに負けた

おつ

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