男の先生かと思ってました(´・ω・`)

>>2
俺も

男「いや、別にそんなワケじゃ……」

教師「そうか？」

男「そうですよ」ｼﾞｯ

教師「そ、そんな熱っぽい目で見るな。惚れるぞ？」

男「やめてくださいよ」

教師「冗談だ冗談……いや、ほら、そういやお前入学の時に事故ってただろ？」

男「……まぁ、ですね」

教師「それで友達作る機会無くなって、ズルズルここまで来てんじゃないかとかな」

男「かも知れないですね。あとすいません、説教は勘弁してください」

教師「……まぁいいさ。その気がないならないでもな」

男（別に友達作る気がないワケでもないんだけどもね）

教師「そういや、眼は大丈夫か？　今でも通院で休むことあるだろ？」

男「まぁ、そろそろ病院行かなくても良くはなってきてますけど」

教師「なら良かった！　ほら、さぁ乗れ」

男「乗ってる最中だったんですが……」

教師「小さいことを気にする男はモテないらしいぞ」

おれがいる思い出した

男「別にモテなくても……」

教師「お前まさか、男に興味でもあるのか！？」ﾊｯ

男（無視しよ……）

教師「ま、待て待て、無視は結構キツい」

教師「まぁ、その、なんだ」

男「……？」

教師「折角の修学旅行なんだ。楽しめ」

男「一人じゃ難しいですがね」

教師「何を言ってる。イザとなればもう一人いるだろ」

男「どこに？」

教師「ここに」ｸｲｸｲ

男（やっぱ無視しよ……）

……
…

男（先生を無視してバスに乗ったはいい、いいんだが……しっかし、なんでまた俺の席が）

「オッホー中々やるなぁ！！」
「お前もやるじゃねぇか！！」
「次俺な俺」

男（オタ連中の近くなのか……）

男（……そう、なんでこんな……）

オタオタ
男オタ
オタオタ

男（こんなクラスのオタ男子全員が密集した席……）

男（いや、俺もゲームとかアニメとか好きだよ？　好きだけどさ、混ざれねぇよ）

男（なんかこいつら結束固くて今更混ざれない）

「ハイハイわろすわろす」
「そういやさー」

男（まぁ別にいいけどさ）

男（俺は隣の会話を聞いて混ざった気になろう。脳内で）

男（……と、思ったんだが）

男（なんか視線をかんじる）

「なんだ？ｗｗｗ」
「なんかこの中に一人邪魔者いね？」
「誰だよｗｗｗ」
「一人窓際でたそがれてるヤツｗｗｗ」

男（やべぇなんか俺の事っぽいんだけど……）

男（きっついわ、これ）

「どうにかしろよｗｗｗ」
「どうにかって、男ってちょっと怖いんだよお前いけよｗｗｗ」
「怖いってｗｗｗまぁ確かに片方目の色違うしなｗｗｗ」
「厨二病ｗｗｗｗ」
「マジそれｗｗｗいつも一人だしなｗｗｗ自分の世界に入っちゃった系ｗｗｗｗ」

男（う～ん……この眼は事故のせいなんだが……）

男（まぁいいや、ここは逃げの一手、寝たフリしよ）

男（どうせそのうち、ＤＱＮやリア充軍団から何か言われて――）

「うっせぇぞ！！　オタどもが！！」
「は、はい……」

男（こんな風にシュンとなる）

なんか知らんが見てるぞ

やっぱ群れたキモオタってクソだわ

オタクがムック口調じゃない
やりなおし

「アァッ！？」
「ひ、ひぇっ……」
「やめないか、オタ君たちが怯えているじゃないか」
「てめぇは黙ってろや」

男（いつものクラスだ。順風満帆、平和ダナー）ｼﾐｼﾞﾐ

ｷﾞ
ｷﾞｷﾞｷﾞｯ

ｷﾞﾁｷﾞﾁﾁﾁ

ﾁﾁﾁﾁ
ｶﾛｯ

ｶﾛﾛ……

男「うん？」

男（何の音だ？）

男（……下から、か？　この音……ドライブシャフトとか逝ってんじゃねぇのかこのバス大丈夫かよ）

男（運転手は異変に気づいてる？）ﾁﾗｯ

運転手「……」

男（後ろ姿しか見えねぇしｗｗｗｗ運転手が気づいてっかどうか分からねぇやコレ）

ﾁｮﾝﾁｮﾝ

男「――うん？」

隣の席のオタ「その、悪かったですぞ」

男「へ？」

隣の席のオタ「いや、我輩は止めようと思ったのですが……」

男「あ、あぁ……なるほど」

隣の席のオタ「どうにも揃うとテンションが高まりまくって仕方がないのが増えるのですぞ……」

男「いいよいいよ別に」

隣の席のオタ「そう言って頂けると……」

男「だからいいよ」

男「それより、なんかバスの下から音聞こえない？」

隣の席のオタ「ん？　音、ですかな？」

男「気のせいならいいんだけどさ」

隣の席のオタ「ふむう……」

隣のオタいい奴だな

ｶﾗﾗﾗｯ

ﾗﾗﾝｯ

ｷﾞﾁﾝ

ｷﾞﾁｯﾁﾁﾁﾁｯ

ｷﾞﾘｭｯ

隣の席のオタ「――ムムッ」ﾋﾟｸｯ

男「……どう？」

隣の席のオタ「何か、こう、金属の擦れるような音が……」

男「やっぱ聞こえたか」

隣の席のオタ「このバス、大丈夫ですかな……」

男「それは俺も思った」

隣の席のオタ「しかし、運転手の方は気づいておられるのですかな？」ｽﾞｲｯ

男「さぁそれは……」

運転手「……」

隣の席のオタ「……大丈夫そうには見え――って、ゲェエエエエエ！！」

ふむ

隣のオタが吐いたぞー！！

男「うおっ、な、なんだっ」

隣の席のオタ　ﾊﾟｸﾊﾟｸﾊﾟｸ


「っち、またオタかよ」
「いきなり奇声あげんじゃねぇーよ」
「オタまじでキモーイ」

男「お、おい、大丈夫か？」

隣の席のオタ「」ﾊﾟｸﾊﾟｸﾊﾟｸ

教師「ど、どうした！？」

隣の席のオタ「う、運転手の方が……う、動いていないのですぞ……」

男「は？」

教師「へ？」

男「お、おいんなまさか、じゃあこのバスどうやって動い――」ﾋｮｲ

運転手「……」ﾌﾗﾌﾗ　ﾊﾞﾀﾝ

男「」

男（マ、マジだった……え？　ちょ、これ、どーなんの？）

ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

男（げっ、バスが壁に――）


「ｷｬｱｱｱｱ！！」
「ど、どーなってんだよ！！」
「おい！　誰かとめろよ！！」
「これは夢だ夢なんだきっと起きたら異世界で美少女ハーレム……」

教師「お、落ち着け皆！」ｱﾀﾌﾀ

教師「だ、大丈夫だ先生は運転免許を持って――」ﾀﾀｯ

「お、おおっ！！」
「センセー頼むぜ！！」

教師「……」

「ど、どうしたセンター」
「おねがい早く……」

教師「この　ばす　まにゅある」

教師「わたし　おーとま　げんてい」

教師「わかんね……」

これは男が大活躍する

続けろや！

隣の席のオタ「だ、誰か、運転できる猛者はおりませんかな！？」ｷｮﾛｷｮﾛ

「く、車の運転なんてわかんないよ……」
「俺もわかんねぇし」

ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ
ｶﾞﾘｨｲｲｲｲ

ｸﾞﾗｸﾞﾗ


隣の席のオタ「お、男くんは！？」

男「ま、まぁ、免許は持ってることは持ってる」

隣の席のオタ「なんと！！」ﾊﾟｧｱｱ

男「二輪のな……」

隣の席のオタ「……」

男「普通に考えようぜ、この年で自動車の免許持ってるのなんていても帰国子女くらいなもんだろ」

「オ、オタ、おめーなんとかしろよ！！」
「オタクなんだから車とか好きだろ！！」

隣の席のオタ「え、えぇ！？　わ、我輩ィ！？」

隣の席のオタ「――くっ、や、やるしかないのでありますか」

隣の席のオタ「確かに車も好きではありますが……しかし、そんなア○ロ見たいなニュータイプではありませんぞ我輩……」

支援

見てるぞ

「ごちゃごちゃうるせーんだよ早くしろや！！」
「俺ら死ぬぞこのままじゃ！！」

隣の席のオタ「わ、分かったのですぞ……」ﾀﾞﾀﾞｯ

男「大丈夫かよアイツ……」

隣の席のオタ「え、えーと」ｽﾄﾝ

隣の席のオタ「こ、これがシフトレバーで、おおっ、足のこれがブレーキとアクセルですな！！」

隣の席のオタ「完璧に把握……もう安心して良いのですぞ！！」

隣の席のオタ「いま、ブレーキを踏むのですぞ！！」

「だから早くしろよ！！」
「ボケカス、くそオタクが！！」

隣の席のオタ「ええい！！　ままよ！」ｸﾞｲ

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾝﾝ！！

「うおっ！！おい！！　なんで加速してんだよ！！」
「ざっけんなよテメェ！！」

隣の席のオタ「やばいでござる。ブレーキと間違えてアクセルを踏んでしまったでござる」

隣の席のオタ「そして目の前には崖でござる」

隣の席のオタ「正直、どっちがアクセルでどっちがブレーキかなんて」

隣の席のオタ「わからなかったですぞ。そもそもペダルが三つなんて」

男「おいおい……」

隣の席のオタ「知識としては知っていても」

隣の席のオタ「実際にそれを動かすのはまた別の話と言った所ですかな」

隣の席のオタ「ペダルに今度からは機能の名称を書いた紙でも張っていて欲しいですぞ」

男（あぁ、目の前の現実から逃げようとして饒舌に……）

ｶﾞｼｬｱｱｱｱｱﾝﾝ
ｶﾞﾗｯ
ｶﾞﾗﾗﾗｱｯ

「キャアアアア！！」
「うわぁああああ！！」
「やだぁ……死にたくないよぉ……」
「異世界ハーレムハーレム……」

教師「あたしまだ結婚してないのにぃいいいい！！」

男（マジかよ……俺も出来れば死にたくないんだけど……）

隣の席のオタ「はっはっは＾ｑ＾」

男（けど、これはなぁ……）

ﾋｭｳｳｳ

男「メッチャ崖から落ちてるし、このバス」

男「さすがに死ぬだろうな俺も」

男（前に事故った時は、飛ばされた後にボンネットに落ちたから助かったんだよなぁ）

男（まぁその後転がって地面に落ちて左目をすげー打ったんだけどさ）

男「思えばずっと友達も彼女もいない人生だった」

男「……うん、案外ここで終わってもいいのかもな」

隣の席のオタ「おほー我輩たち、空を飛んでいるのですぞ＾ｑ＾」

男「――ハッ、いかんいかん、俺まで現実逃避を――っつぅ」ｽﾞｷﾝ

男（ひ、左目が、い、痛い……き、急に……）

男「な、なん、だ……」

………
……
…

ん？

……
…

男（何も、無い）

男（何も感じられない……）

男（俺は、死んだ、のか……？）

男（まぁ、それも、いい）

男（死んだのなら、仕方ないだろう）

男（……しっかしまぁ、なんで突然眼が痛くなったんだろう）

男（ほとんど治っているハズだし、そもそも神経も千切れてるハズなんだけど……）

男「まぁ、いいか。そんな事」

男「俺は死んだ、多分、それでいいじゃないか」

…
……

そろそろクライマックスか

ｻﾞﾜﾜﾜ
ｻﾞﾜ　

ｸﾞﾙｯ


男「……うん？　なんだ、急に景色が……」

男「ここは……」


？？？「たった一人で、我に挑むか、人間よ」

？？？「そうだな」


男（なんだ、変なオッサンとジジイが……ここ、城、か？）


ジジイ「ハハハハハハッ」

オッサン「そんなに笑わなくてもいいだろう」

ジジイ「片魔眼の人間よ、なぜ戦う？」

ジジイ「その眼より、石を投げられ、罵倒され、居るべき場所も最愛の者も失ったのだろう。それでいて、なぜワシに戦いを挑む」

オッサン「さぁ？」


男（何かの、ゲームか映画か？　……死んだ後にこんなモノを見るくらいに俺って好きだったっけか？）

オッサン「まっ、もしかしたらアンタを倒せば、皆が俺の事を歓迎してくれんじゃねーかなって思ったりはしてるかもな」

ジジイ「剣を向けられた見送りを受けてなお、それか……ガハハハハハッ、実に愉快だのう」

オッサン「俺は実は寂しがり屋なんだ。友達欲しいって常に思ってるしな、どうだアンタも」

ジジイ「我にそのような口を利くとは、全く全く、実に面白き人間」

ジジイ「どうだ、我が軍門に下らぬか？」

オッサン「唐突な誘いだな」

ジジイ「実に気に入ったのだ」

オッサン「そいつはどうも。だがまぁ無理な相談だ」

ジジイ「何ゆえに？」

オッサン「さぁな」


男「ほんと、どこのゲームか漫画だよこのやり取り……」

男「うん？　また景色が……」

ｸﾞﾙｯ

男「ったく、今度は何――」


オッサン「……」

ジジイ「全く全く、我が軍門に下っておれば、このようにはならなかったのだぞ」

オッサン「……」


男（ぐ、ぐろっ……。なぜかオッサンがいきなりダルマ状態の上に内臓飛び出てるんですが……）

男「ひどすぎるだろ……」

男（……これって、俺の妄想とか空想の類、なのか？　ならまさか俺って実は無意識でこういうの好きだったりすんのか？）

男「いやいやそんな事は無い、無いだろ……だってなんかリアル過ぎて吐きそうだし……」


ジジイ「もはや口も利けぬか？　ガハハハハッ」

オッサン「か、勝手に、き、決める、なよ……」

ジジイ「うぬ？」

オッサン「お、終わらない、さ……終わらせは、し、しない……」ｸﾞﾀｯ

ジジイ「――ほう。しかし、威勢だけが良くとも、その片魔眼も、随分と力が漏れ出しておるようだが……」

オッサン「あ、あぁ、これで、い、いい。いいんだ……」

男「なにこのオッサンなんていうか格好つけすぎぃ……」

ジジイ「面白い事を言う……」

オッサン「あ、あんたには、『観えて』ない、だろう」

オッサン「だ、だが、俺には、見える。――しょ、少年」

男（……うん？）

男（……どこに少年なんて……）

オッサン「き、君だ……俺には、見え、見えて、いる」

男「――ん！？　まさか、俺……か？」ﾋﾞｸｯ

男（え？　話しかけられるとかどうなってん……？）

オッサン「お、同じ、眼を持つ、異界の少年よ」

男「同じ眼って――」

男（あれ、そういやこのオッサン、俺と同じで片方だけ眼の色違くね？）

オッサン「き、君に、俺の、魔眼を……」ﾊﾟｧｱｱｱ

男「へっ！？」

ジジイ「何者かが、おるのか……？　それとも、ただの奇行か」

ジジイ「まぁ、どちらにしろ、良い」

男「ちょ、待って待ってなんか変なドス黒くて赤いなんかが俺の左目に――」

修学旅行のはずが…？

あれ？バスの中じゃ…

男「――あっ、熱ッゥウウウウ」ﾊﾞﾀｯ　ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ

男「あちぃいいいい死ぬ死ぬ死ぬぅうううう」

男（って、あれ、そういや俺死んでんだっけか？　あぁなんだもうなんだよこれぇ……）


オッサン「……」

ジジイ「力を使いきりおったか」

オッサン「……」

ジジイ「わけのわからぬ事に最後の力を使うとは」

ジジイ「つくづく理解の及ばぬヤツよのう……まぁ良い。好敵手足りえたお主には、敬意を払い、この終わりとするかのう」ﾊﾟﾁﾝ

ｺﾞｳｯ……

ジジイ「……焔の片魔眼よ、お主は、まさに揺れる焔のように掴み所の無い男であった。その最期は、焔に焼かれるが趣と言うモノ……」

オッサン　ﾁﾘﾁﾘﾁﾘ　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ……ｻﾗｻﾗｻﾗｧ


男（く、くそっ、意識が朦朧と……）

……
…

？？？「早く起きるのですぞ！　ですぞ！」

ねれない

続けて

男「う、うん……？」

男（なん、だ……誰だ？）

隣の席のオタ「おっほ、やっと目が覚めたのですぞ！！」

男「お前は……つか、ここは？」ｷｮﾛｷｮﾛ

男（病院……じゃあ、ねーよな。なんぞこの豪華な部屋は……）ﾑｸ

隣の席のオタ「言って良いのかな？　言って良いのですかな！？」ﾙﾝﾙﾝ

男「な、なんだ気持ち悪い……」

隣の席のオタ「答えてあげるが世の情けといふものですぞ！！」

男「お、おう」

隣の席のオタ「なんとここは異世界ですぞ！！　お城の中ですぞ！！　われわれは勇者召還されたのですな！！」

男「……は？」

男「いやいや俺らはバスで事故って……」

隣の席のオタ「そして異世界ですぞ！！」

男「あたまだいじょうぶ？」

隣の席のオタ「いやはや、我輩も多少は疑っておりましたが……不思議な力も得ましたし、間違いなく異世界ですぞ」

支援

男「……不思議な力？」

隣の席のオタ「そうですぞ！！　召還された勇者に、この国の巫女さまが力を下さるのですぞ！！」

男「はい？？？」

隣の席のオタ「我輩はこの力を得たのですぞ」ﾑｷｯ

男「うん……？　筋肉？」

隣の席のオタ「ちっ、違いますぞ！！　鍛冶師の力ですぞ！！」

男「いみふめいなんだけど……」

隣の席のオタ「ま、魔法使いになった者もおりますし、力を与えて貰えるのは本当に間違いは無いのですぞ」ｺﾞﾎﾝｺﾞﾎﾝ

男「……」

隣の席のオタ「男殿はずっと気を失ったままで、知らなかったでしょうぞ」

男「あっ、そういや俺どんぐらい……」

隣の席のオタ「一週間ですな……。ほかのクラスメイトは皆すぐに起きたのですが、男殿だけは眠り続けたままでしたな」

隣の席のオタ「仕方ないので、この部屋に運ばれていたのですぞ」

男「ふぅん……うそくさ」

隣の席のオタ「そ、そこまで言うならば、今から力を貰いに行きましょうぞ！！」

男「変な宗教とかじゃないよな？」

隣の席のオタ「行けば分かるのですぞ」

男「……まぁ、別にいいけどさ。ってかさ、そういやお前、俺の事、「早く起きるのですぞ」とかなんか今来たばっか見たいな起こし方してたけど……」

隣の席のオタ「あぁ、それは毎日やっておりました」

男「は？」

隣の席のオタ「いやー、異世界に来た喜びを味わって頂きたいと思った我輩なりの配慮ですぞ」

男（そんな理由で一週間毎日俺こいつにあの起こし方されてたのかよ……）

……
…

隣の席のオタ「おっほーメイドさんおはようですぞ！！」

メイド服１「はい、オタ様……あの、そちらの方は？」

隣の席のオタ「おっほー様付けはやはり良い気分ですぞ！！　おおっと、ｺﾞﾎﾝｺﾞﾎﾝ、こちらは眠っていた最後の一人の勇者ですぞ」

メイド服１「それはそれは今すぐにお食事の用意でも――ヒィィイイイ」ｽﾞｻﾞｧｱｱｱ

男「うん？」

隣の席のオタ「ど、どうしたのですかな？？？」

メイド服１「いい、いえ、そそそ、その眼が……」ｶﾞｸｶﾞｸ

男「……俺の眼？」

メイド服１「も、申し訳、あ、ありません、しし、失礼します」ﾀﾀﾀｯ

男「……なんだ？　走り去ったぞ……」

隣の席のオタ「……オッドアイが珍しかったのでしょうかな？」

男「うん？　俺の眼か……？」

隣の席のオタ「ですぞ。しかし、ううむ、謎ですなぁ。もしかしたら、何かジンクスでもあるのですかな？」

男「まぁなんだっていいんだけどさ」

隣の席のオタ「……一応、人目に触れないように行きましょうぞ」

隣の席のオタ「ここは異世界、何があるか分かりませんぞ」頬ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

男「お、おう……なんか気合入ってるな」

隣の席のオタ「いやいや、我輩はまだまだ。ほかのオタ仲間はもっとテンション高まりまくりですぞ？」

男「そ、そうか……」

隣の席のオタ「もっとも、テンション上がり気味なのは我輩たちだけではないですがな」

男「うん？」

隣の席のオタ「ほかのクラスメイトも、少なからずテンション上がり気味ですぞ」

隣の席のオタ「教師殿も女子と一緒にイケメン騎士きたこれとか騒いでおりましたし」

男「……な、なんかなぁ。なんつーか、そんないきなり色々言われてもなぁ」

隣の席のオタ「失礼。まずは力を貰うのが先ですしおすしですな」

男「ほんと変な宗教じゃないだろうな……」ﾎﾞｿｯ

……
…

ｺﾂｺﾂ
ｺﾂ

隣の席のオタ「ここですぞ」

男「……」

隣の席のオタ「どうかしたのですかな？」

男「いや、ここにくるまで誰とも会わなかったなって。なんかかなり広い城みたいだけど」

隣の席のオタ「我輩、一週間もあったお陰かこの城の中の事くらい大体把握しているのですぞ」

男「うわぁーお」

兵士「……待て、何用だ勇者殿。これより先は神の巫女さまの宮であるぞ」

隣の席のオタ「おっとこれは門番さん。失敬失敬ですぞ」

隣の席のオタ「眠ったままであった最後の勇者殿を連れてきたのですぞ。力を与えてほしいのですぞ」

男「どもっ」

兵士「ふむう……」

男（なんだこの甲冑……えぇ？　もしかしてマジで異世界とか言うの？）

兵士「……そうであるか」ｼﾞﾛｼﾞﾛ

兵士「うん？　……キサマ、その眼は、なんだ」

男「は、はい？」

隣の席のオタ「ど、どうしたでござるか？」

兵士「その眼はどうしたと聞いている」ｽﾁｬ

兵士「召還の際に紛れ込んだ、悪魔の類か……？　事と次第によってはこの場で切り捨てに値しよう眼ぞ」ｽｩ

男「へ？　は！？」

見てるよ

兵士「答えよ」

男（な、なんだコイツすげぇ怖ぇんだけど……）

隣の席のオタ「ど、どうしたのですかな？」

隣の席のオタ「けけけ、剣を収めて欲しいですぞ！！」

隣の席のオタ「男殿は、確かに我々がこの世界に来る前から居た、クラスメイトなのですぞ！！」

兵士「……答えよ」ｷﾞﾁｷﾞﾁ

男（え、えぇえええええ何これぇええええ！？）

男（やばいやばいやばいなんか知らんがヤバイ）

隣の席のオタ「つ、通じていないのですぞ……ど、どうすれば良いのか……」ｵﾛｵﾛ


？？？「お待ちなさい。その者を中へ」

兵士「――巫女さま？」

？？？「微力ながら、魔眼の力を感じます」

兵士「やはり悪魔の類か――ならばここで――」

？？？「……私は中へ入れるようにとたった今申したハズです」

兵士「な、なぜ、ですか！？」

？？？「……もしかすると、私の勘違いかも知れません。確実とする為には、直接、意識のあるうちに相対しなければなりません」

なろうに掲載してみない？
読むよ

支援

兵士「そ、そうなのですか？」

神の巫女「そうなのです」

兵士「くっ……」ｶﾁﾝ

兵士「……入るが良い」

隣の席のオタ「お、おおっ、何がなんだか分からないですが、大丈夫のようですぞ」

男「……」

男（な、なんだっつぅーんだよ）

隣の席のオタ「と、ともかく力を貰いましょうぞ」

男「ん？　あ、あぁ、うん」

ｺﾞｵｵｵｵﾝ

男（うおっ、なんかすげぇ部屋。噴水からずっと水が流れてるんだが……）

男（そしてすげぇ寒っ）

兵士「何かしようものならば、その場で切り捨てる」

男　ﾋﾞｸｯ

男（怖い怖いこの甲冑……）

超大作の予感
クラス丸ごと異世界召喚は今までにないパターンだな

神の巫女「……水は流れます」

男「はい？」

男（え？　いきなり何？）

神の巫女「運命、因果、あらゆる事柄は、水と同じであり、流れ、それに沿うものでしょう」

男（なんだこの女……顔は良いけど、なんんかすげーメンヘラっぽいような……）

神の巫女「流れに逆らうは焔」ｽｯ

神の巫女「ゆらゆらと、風にたなびくようでいて、その芯は決して移ることは無く」ｽﾀｽﾀ

神の巫女「この世の理からの干渉を受けぬ因子」ﾃｸﾃｸ

神の巫女「清き水をもってして失わせたとして」ﾃｸ……

神の巫女「種は新たに産まれてしまう」

神の巫女「……それは不滅と言って良く、ゆえに、魔の象徴」

神の巫女「……あなたが人であるならば、あなたは流れに沿わなければなりません」

神の巫女「あなたが勇者であるならば、それは大河。あらゆる人の水流を纏める流れ」

神の巫女「あなたの大河は、いかようでしょうか」ｽｩ

隣の席のオタ「決まり文句のようなものでしょうな。ここから新たな力を授かるのですぞ」ﾋｿﾋｿ

男「えっ、そうなの？　なんかただのメンヘラちゃんにしか見えないだけど……」ﾋｿﾋｿ

隣の席のオタ「え？　いや、まぁ確かになんかそれっぽいと言えばそれっぽいような……」

兵士「……」ｼﾞﾛｯ

男＆隣の席のオタ「「ひぃぃい」」

兵士「メンヘラ・チャンとは、なんだ？　侮辱の言葉であるか？」

男「いいいい、いえいえいえ、とんでもない、な……な？」

隣の席のオタ「そ、そうですぞ！！　むしろ褒め言葉ででででですぞ！！」

男「そそそ」

兵士「……ふん」

神の巫女「さぁ、あなたの大河を、私にお見せ下さい……」ｸﾞｲｯ

男「おわっ――」

男（顔近ぇ……）

神の巫女「……」

……
……ﾎﾞｳｯ

神の巫女「――これは」ﾋﾞｸｯ

神の巫女「……そう、ですか」ｽﾞｻｯ

男「へ？　はへ？」

神の巫女「あなたには、勇者の力は相応しくないと、そのようです」ｽｩ

兵士「……」ｽﾁｬ

男「う、うん？？？」

神の巫女「確かに、それは魔眼――それも片魔眼」

神の巫女「……」ﾊﾟﾁﾝ

ﾊﾞﾊﾞｯ

たくさんの兵士

男「え、えーと……」

神の巫女「捕縛なさい」

兵士たち「「「はっ！！」」」

神の巫女「良いですか、殺してはなりません。捕縛の後、投獄なさい」

男「――えぇえええ！？」

隣の席のオタ「な、何がどうなっているのですかな……！？」

……
…

牢屋

男「……お、おかしい、眼が醒めて異世界に来たと言われて、その日のうちに、な、なぜ俺は牢屋に放り込まれたんだ」

男「……この眼が原因っぽかったが……」

男「ただ、色が違うだけだろうが……」

男「なんかそういう伝承でもあるのか？」

男「あぁなんつーか、いよいよもって変な宗教みたいだわ」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

ｶﾞｧｱｱﾝﾝ

男　ﾋﾞｸｯ

豚顔の男「う、うるせぇ、ぞ」

男「へ、へい」

豚顔の男「オ、オレが、牢屋の、管理任されてる、よ、よろしく、な……へへへ」

男（やだなんかこの男怖い）

豚顔の男「へ、へへ、へ、ｲｷが良い、のは、嫌いじゃ、ない」

豚顔の男「グヘ、グヘヘヘヘ、たた、楽しめ、そそ、そうだ」ﾆﾁｬｱｱ

男　背筋がｿﾞｿﾞｯｿﾞｿﾞｿﾞｵｵｵｵｵ

豚に強姦される展開きたこれ

豚顔の男「き、今日は、良い」ﾌﾞﾋﾌﾞﾋ

男「え、えっと、その、あの、な、何がっスかね」

豚顔の男「も、もう一匹、く、来る」

豚顔の男「お、玩具、新らしい、玩具、一日、二匹」

豚顔の男「こ、ここ最近、お、玩具、来なかった」

男「そ、そーなんですか」

男（つーか、もう一匹って、もうって、俺の事もそう思ってるってことだよな？　人間扱いされねぇって事かよ）

豚顔の男「だ、だから、たた、楽しみ、グヘッ」

ｶﾂﾝ　ｶﾂﾝ

兵士「きりきり歩け！」ｶﾞﾂｯ

？？？「～～～っ！！！」

？？？「……お前ら、こ、殺して、殺して、やる。ぜ、絶対、に……」

兵士「なんて反抗的なんだ。亜人はこれだから、野蛮だと言うのだ……おっと、こいつがもう一匹のお前の玩具だ」

豚顔の男「ぐへへへぇ、あ、当たりだぁ！　亜人だなんて、いい、いじりがいが、あり、ありすぎて、涎が」ﾀﾗﾗｰ

男（……うん？　なんだあの耳……ヘアバンド？）

はよはよ

男（白い犬の耳……？　いや、狼の耳、か？　ってか、まだ小さい……つっても、俺より二つくらい下、か？　の女の子じゃねぇか）

豚顔の男「て、手は、出しててて、ね、ねぇ、だろうな？」

兵士「出していない、出させてもいない」

兵士「……お前の恨みを買うと、ロクな事にならんからな」

豚顔の男「わ、わかって、りゃあ、いい、いいんだ、グヘヘッ」

豚顔の男「こ、この耳、狼の耳、だ。ぐへへ、レ、レアモノ」ﾆﾀｧ

狼耳少女「き、気持ち悪い……」

豚顔の男「お、おじちゃんと、たた、楽しもう、なぁ？」ｽｽｽｯ

狼耳少女「よ、よるな！！」ｶﾞｯ

男（狼耳少女の蹴りが豚顔の男にクリーンヒッツ！！）

豚顔の男「げ、元気、良いなぁ……ン、ンヌッフ」

男（う、う～ん、大変嫌な事になりそうな予感がするのは気のせいだろうか？）

兵士「……こいつで、今回は最後だ。後は楽しむなりなんなり、好きにしろ」……ｽﾀｽﾀｽﾀ

豚顔の男「へ、へへへ、ま、魔眼に、狼耳、た、楽し過ぎて、お、オレ、今すぐ射精しちまいそうダァ」

男（o,oh……）

豚顔の男「兵士も、い、居なくなったし、ん、ンフフッフ」

男「な、なんかご機嫌っすね」

豚顔の男「そ、そりゃあオメェ、どどど、どっちの処女を先に貰うか、か、考えてるんダァ」

男「へ、へー……」

男「……って、うん？」

男（あれ？　『どっちの』……？）

豚顔の男「ど、どうした、お、おめぇも楽しみか？」

男「い、いや、あの、その、どっちの処女って……」

豚顔の男「お、おめぇにも、あ、穴、ついてる、だろ？」ﾆﾁｬｱｱ

男「」

男「」

狼耳少女「……」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

豚顔の男「こ、こっちの亜人は、は、孕ませて、お、オレの子でも、ううう、産んで、貰おう、カナァ」

狼耳少女　ﾋﾞｸｯ

豚顔の男「そ、それとも、先にお、男の尊厳をう、奪われた時の、の、悲鳴も、すすて、捨てがたいなァ」

男　ﾋﾞｸｯ

豚顔の男「ま、まぁ、まず、どっちも、手足の腱を切って……」

豚顔の男「い、いや、ききき、切っちまったら、あ、暴れる様子、みみ、見れないぃ……」ｼｭﾝ

豚顔の男「じゃ、じゃあ、先に、ししし、舌でも、きき、切る、か？」

豚顔の男「いいい、いや、そしたら、お、オレの舌を、ああじ、味あわせ、ららら、れないぃ」

豚顔の男「ど、どっちも、特上だから、むむ、難しい」ｳｳﾑ

男　ﾊｯ

男「……あ、あの」

豚顔の男「なな、なん、だ、お、オレはどうするかで、いい、今忙しいんだ」

男「その、お楽しみなら、い、今すぐじゃなくて、きき、今日の所は、ひとまず、考える日にしては……？」

豚顔の男　ｷﾞﾛｯ

男「ひぃ」

豚顔の男　ﾆｺｯ

男　ﾋﾞｸｯ

豚顔の男「お、おめぇ、良い事言うなぁ、そ、そうだ。今日、いい、いますぐじゃなくても、良いんだ」ﾆｺﾆｺ

狼耳少女「……」ｼー

男「へ、へい、大将、そ、そうだぜ！　そうしたほうがいいんだぜ！！」

男（やばいな自分でももう色々とヤバイ。口調とかヤバイ）

狼耳少女　ｼﾞｰ

男（う、うん？　何か視線を感じるんだが……）

狼耳少女「……片、魔眼？」ﾎﾞｿｯ

男「？？？」

豚顔の男「そ、そうと決まれば、オ、オレは、うう、上に戻って、紙に書いて……あぁ、か、考えよう」

豚顔の男「お、おめぇは、取り合えず、牢屋、はは、入ってろ」ｸﾞｲｯ　ﾎﾟｲｯ

狼耳少女「――ぁっ」ﾊﾞﾀﾝ

ｶﾞﾁﾘ

豚顔の男「ぐへ、ぐへへへ」ﾃｸﾃｸ

男（こ、これで危機は、乗り切った、のか？）

豚顔の男「そ、そうだ」ｸﾙｯ

男「？」

豚顔の男「お、おめえ、良い事言って、くく、くれたから、さ、先に、ヤッって、やる。ごご、ご褒美、だ」ﾆﾁｬｱ

男「」

豚顔の男「た、楽しみに、してろ、な？」

男「」

豚顔の男「う、嬉しくて、ここ、声も出ねぇ、よよ、ようだなぁ」

男「」

狼耳少女「……」

……
…

そして夜

男「これはヤバイ」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

男「ヤバイぞ。オレの尻穴が……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

男「いや、それだけじゃなくて、手足の腱とか舌がどうとか……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

男（……なんだよ、これ。夢なら、夢なら醒めてくれ……）ｳｳｯ

ｺﾝｺﾝ

男　ﾋﾞｸｯ

男（な、何の音！？）

？？？？「……起きてる？」

男（と、隣の牢屋から？）「ど、どちら様ですかね……」

ごめん寝ます

お礼言い忘れてた
つ　支援してくれた人どうもです

はよ

おつ

おつおつおー
頑張れー！

続きかけ

続き書く

待ってた

男（……どちら様っても、まぁ普通に考えてあのケモ耳なんだろうけどさ……）

男（この牢屋、ケモ耳と俺以外に居なさそうだし……）

狼耳少女「起きてたんだ……私は……いや、そんな事は良いでしょ」

男「は、はぁ、ソースカ」

男（なんだろう、面倒くさい女のような気がする）

狼耳少女「……それより、あなたのその眼、魔眼なの？」

男「うん？」

男（……魔眼？　なんだその厨二全開の単語は）

男（……まぁけど、なんかこの眼が原因で牢屋にぶちこまれたっぽいし）

男（この世界では眼の色が違うのはそういう能力ある的な？　良い迷惑だわ）

男「……よく分かんないど、違うと思うけど」

男「俺の眼の色が違うのは、事故のせいだから」

狼耳少女「事故？　なら、その時に手に入れたとかじゃなくて？」

男「いや普通に車に轢かれて強打したせいなだけですが」

狼耳少女「？？？……車？　って、何？」

男「車、知らないのか？」

男（う～ん、そういやここ異世界なんだっけ？）

男（あやしい新興宗教の拠点か何かかと思ってたけど）

男（なんかマジで異世界っぽいしなぁ）

男（仮にあったとしても、ちょっと違う名前だったりするのかな）

狼耳少女「……知らない」

男「……あーなんていうのか、乗り物？　的な？」

男「まぁとにかく、なんつーか、俺の眼はただ片方の色違うだけだよ」

狼耳少女「……そっか。ハハッ……そりゃあそーだよね」

男「な、なんだ急に笑ったりして」

狼耳少女「魔眼だったら、牢屋なんてすぐに抜け出してるだろうし」

男「……そらそうだ。そんな無敵そうな能力あったらとっとと抜け出してる」

狼耳少女「……そうだよね」

狼耳少女「やっぱり、御伽話なのかな。少しだけ、もしかしたら助けて貰えるかな、なんて思ったんだけどね」

男「……うん？」

狼耳少女「……そーいう、言い伝えがあるの」

男「ふーん」

狼耳少女「……亜人の間ではね、片魔眼を持つ者は、とても神聖な存在で」

狼耳少女「よく、お話に出てくるから」

男「……どんな話？」

狼耳少女「……女の子が危ない目に合いそうになると、必ず助けてくれるって」

狼耳少女「そーいう話」

男（あー、白馬の王子様的な？）

狼耳少女「まぁ人間の間では、嫌われてるようだけど」

狼耳少女「……私の事も、助けて、くれないかな」

男（……）

男「……あー、なんつーか、悪いな」

狼耳少女「……え？」

男「いや、王子様じゃなくてさ、俺がさ。俺は尻穴を拡張されそうなことに怯えるただの小市民なものでな」

狼耳少女「――そう、そういえば、あなたからだっけか？」ｸｽｸｽ

男「ヤバイよヤバイよ、割とまじめに」

男「このままじゃ俺大事なところも切られて女の子にされたりしちゃって陵辱されて孕ませられるパターン」

狼耳少女「……何か余裕ありそうに聞こえるんだけど」

男「ねぇよそんなもん！！ 混乱してるっつーの！！　くそっ、なんかそっちは意外と諦めっつーか冷静っつーか」

狼耳少女「まぁ少なくともあなたが壊れるまでは私は何もされなさそうだから余裕はあるかも」

男「ひぃいい」

………
……
…

兵士「巫女さま、あの片魔眼はすぐに殺さずとも良かったのですか？　なぜ捕縛など」

神の巫女「……何があるか分からない、危険だと？」

兵士「左様です。城内もそうした意見が多くあります。王殿下でさえそうです。勇者の中に紛れ込んだ魔眼については、かなりの憤りを感じておられるようでした」

神の巫女「……あの片魔眼は未熟も良い所と感じられました。確かに、すぐに殺す事は可能でしょう」

兵士「であれば」

神の巫女「しかしそれでいても、また新たな魔眼が産まれるだけ」

神の巫女「ならばこそ、『飼い殺す』のが良き判断でしょう」

神の巫女「魔眼の力が未熟なまま、幼いまま、その命が尽きるまで……」

神の巫女「あわよくば、何かしらの触媒ともなりえるでしょうし」

兵士「……左様ですか」

神の巫女「えぇ。そうなのです。そうした、飼い殺しはあの拷問看の得意とする所でしょう」

兵士「そういえば、喜んではおりましたな。今日は二匹も入ったと」

神の巫女「……二匹？」

兵士「えぇ。捕らえた亜人もおりましたので」

神の巫女「そう。汚らわしい亜人を。そっちはさっさと殺処分してしまいなさい」

兵士「しかし、拷問看は楽しみたい、と言っておりましたが」

神の巫女「私が言っていた、と伝えれば充分でしょう。私、亜人って嫌いなの」

兵士「は、はっ」ｻｻｻｯ

……
…

隣の席のオタ「やばいですぞやばいですぞ……」ｳﾛｳﾛ

教師「どうした？　今日はメイドメイド騒がないのか？」

隣の席のオタ「お、おやっ、これは教師殿……」ｷｮﾛｷｮﾛ

教師「私は姫待遇の上にイケメン騎士を眺められて毎日満足だぞ！」

隣の席のオタ「い、いえ……」

教師「なんだ？　……ん？　もしかして元の世界が恋しくなったか？　……まぁ、戻れるにこした事はないが、今そんな不安を生徒たちに煽るのも、な」

みてるぞ

面白い～④

教師「今は全員、楽しそうだしな」

隣の席のオタ「……」ﾁﾗｯ


「おーすげぇマジでそれ魔法じゃんね」
「本当は覚えんのにかなり時間かかるらしいけど、俺ら特別枠見たいだしガンガン覚えよーぜｗｗｗ」
「それよりハーレムハーレム」
「イケメン毎日見てても飽きな～い！」

教師「な？　……って、そういや、男の眼が醒めたらしいが、あいつどこ行った？」

隣の席のオタ「お、男殿は……そそ、そう、ですな。一人が好きらしい、ですぞ？」

教師「そうか……」

隣の席のオタ（この反応……我輩たちには、基本、男殿の処遇は伏せられている、と言って良いのですかな？）

隣の席のオタ（あの時の事を考えるに、色違いの目を、この世界の人は恐れて……いる？）ｳｳﾑ

隣の席のオタ（いや、今はそれより、男殿の安否ですぞ……）

隣の席のオタ（教師殿には、男殿の現状を伝えた方が良いのですかな……？　いや、やめておくとしましょう）

隣の席のオタ「そ、そうですぞ！　そのうちひょっこり出てくるのですぞ！」

教師「ならいいんだが……」

隣の席のオタ「何か、含みがある言い方ですな」

教師「なんとなくふらっとどっかに一人で行きそうでな、あいつ」

教師「帰るにしても、全員揃っていないと、な」

教師「まぁ中にはそのうち勝手にどっかに行くグループも出てきそうだが……」ﾊｧ

隣の席のオタ「でしょうな」

教師「修学旅行の引率がまさかこんな目に合うとは」

隣の席のオタ「でもイケメン見れて良かったのですぞ、と」

教師「まぁそれは……そうだけどな」

隣の席のオタ「せめてそれは冗談だったと否定して欲しかったですぞ、生徒としては」

隣の席のオタ「……しかし、教師殿も男殿の事を良く気にかけますな」

教師「そうか？」

隣の席のオタ「目が覚めるまでの間、我輩と同じく毎日通っていたですし」

教師「まぁ生徒だしな、様子を知るのも教師の役目だろう」

隣の席のオタ「それなら我輩に様子を聞けばよかろうですぞ」

教師「……まぁそれは……う～ん、なんと言うか、あいついつも一人だったからな。余計に気になるってのは否定しない」

隣の席のオタ「教師殿は母性本能をくすぐる年下が好き、と」

教師「さすがに１０近く離れてる男を好きにはならないっての」

隣の席のオタ「オウフ、これは失礼」

ちょっと飯行ってきます

おつかれ～
いてら

教師「失礼だと思うなら、最初から聞くな」

隣の席のオタ「ですな……では、我輩はこれにて」ﾃｸﾃｸ

教師「おう」

ｽﾀｽﾀ

隣の席のオタ（……男殿、彼はどうなってしまうのでしょうか。もしかすると――）

隣の席のオタ（――いや、クラスメイトから死人が出るなど、考えたくはない。考えないようにしましょう）

……
…

次の日

男「やばいやばいやばい」

男「とうとう次の日になってしまった」

男「いやまぁここ暗いから次の日なのかどうかは分からんけど」

男「……寝て起きたから次の日だろ、多分」

ｶﾂ　ｶﾂ

ｶﾂﾝ　ｶﾂﾝ

男　ﾋﾞｸｯ

先生が完全に男に見える

豚顔の男「……よ、よぉ」

男「う、うぃっす……」

男（ん？　あ、あれ？　なんか機嫌悪い、のか？）

男（いやご機嫌でも困るけど……昨日の凄い楽しそうな気配がまるで無い）

豚顔の男「お、おめぇから、かかか、可愛がってやりやりたかったたたのに」ｶﾞﾝｶﾞﾝ

男「あ、あの、いきなり壁に頭ぶつけて、ど、どーしたんすかね」

豚顔の男「あ、ああ、亜人、なな、長く長く、おお、オレのモノにすす、するハズだった、のに」ｶﾞﾝｶﾞﾝ

狼耳少女「……何、か、おかしい？」ﾋﾞｸｯ

男「情緒不安定系男子の方なのかな……」

豚顔の男「なな、なんで、なんで、ウオオオオオッ」ﾊﾞｺﾞﾝﾊﾞｺﾞﾝ

男（怖ぇんだけど、何があったのこの人……）

男（昨日は昨日で怖かったけど、今日は今日で怖ぇ……）

豚顔の男「ヂグショウ、ヂグショウォ……」ｳｳｯ

豚顔の男「け、けど、めめ、命令、だじよぉ」ｳｳｳｯ

豚顔の男「き、今日しかか、たた、楽しめねぇなななんてよぉ」ｶﾂｶﾂ

狼耳少女「……えっ？」

男（――俺の方じゃなくて、ケモ耳の方に行った？）

豚顔の男「お、おめぇ、こここ、殺せって、だ、だがら、き、今日は、たた、楽しもう、なぁ」ｶﾞﾁｬﾝ

男「――おいっ、俺だろうが！！　今日は俺なんじゃねーのかよ！！」

豚顔の男「悲じい、悲じいげど、しし、仕方ねぇんダァ……ここ、来い」ｸﾞｲｯ

男「はぁ！？　ワケの分かんねー事言うなっつーの！！」

狼耳少女「～～は、はなっ、せ」

男「――おい！！　やめろっつの！！」ｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝ

豚顔の男「……」ﾋﾟﾀｯ

豚顔の男「……きき、昨日より、イイ、イキが、良い。……な、仲良いんだなぁ」ｸﾙｯ

男「……は？」

豚顔の男「そそ、そう、だなぁ」

豚顔の男「いい、一日だけけ、でも、ととと、隣、だったもんなぁ」

豚顔の男「……ででで、でも、仲良くなったんなら、そそ、そうだナァ」

豚顔の男「おお、オレとのお楽しみを、み、見て、もも、貰う、カァ」ｳｳｯ

豚顔の男「そそ、そうだぁ、そそ、それが、良ィ」

狼耳少女「――！？」

男「お、お前、何言って――」

ﾋﾞﾘﾋﾞﾘｨ

狼耳少女「……え？」

男（ケモ耳の服を破って、こいつっ）

豚顔の男「そ、そそ、そこで、見てろ」

ごめん
風呂行ってくる

ほ

し

♂

見てますよ

異世界物でクラスメイト全員が異世界来て敵になるパターンなら修学旅行前の話を入れた方がキャラがはっきりしてよかったかもね

明日が楽しみ～
楽しみにできる事がちょっとでもあると頑張れるから不思議

はやくつずきを

豚顔の男「キ、キレイな肌だナァ……」ｽﾘｽﾘ

狼耳少女「～～ッ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

豚顔の男「ここ、これが、今日で、おお、終わりだ、なな、なんて」ﾋｯｸﾞﾋｯｸﾞ

豚顔の男「ま、まずはぁ、どど、どうしようがなぁ」ﾍﾟﾛｯ

狼耳少女「や、やめろぉ……み、耳を、舐めるなぁ……」ｳｳｯ

豚顔の男「あっ、あ、あぁ、そうだぁ、おお、犯した後に、ここ、この耳、そそ、そぎ落としてぇ」ｳｳｯ

豚顔の男「おお、オレの、いい、一番のお気にののの、ナイッフでっ」ﾋｯｸﾋｯｸﾞ

男　ｻﾞﾜ……

男「……おい、豚」ｶﾞｼｬﾝ

豚顔の男「あ、ああ、あんだぁよ？　おお、オレは、いい、今、悲じぐて、悲じぐて……」

男「……そいつから、離れろよ」

男「ここがどこかとか、なんで牢屋にとか、もう、そんなんどうでも良い」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

豚顔の男「あ、あぁ？」

男「もっかい言うぞ、そいつから、離れろ」ｶﾞｼｬｶﾞｼｬ

ｶﾞｼｬｶﾞｼｬのところ想像したらわろた

急げ！

マクロ経済のテストあるんだよ
続きくれよ、楽しみなんだよ

豚顔の男「だ、だめだぁ、おお、俺は、離れネェ」ｽﾘｽﾘ

豚顔の男「で、でで、でも、良い顔、すんなぁお前」

豚顔の男「おおお、お前は、なな、長く、長く、たた、楽しむ、がらなぁ」ｳﾙｳﾙ

ｶﾞｯｼｬﾝ

男（くそっ、この牢屋、やべぇな。当たり前だが、揺らそうが掴もうが、全然壊れねぇ）

豚顔の男「ここ、壊れ、ねぇよォ。そそ、そいつは、特殊な金属なんダァ」ﾂﾂﾂ

狼耳少女　ﾋｯｸﾋｯｸ

豚顔の男「みみみ、見ろよぉ、こここ、こいつ、俺の一番のお気にののの、ナイッフ、なんだぁぞ」ｽｯ

狼耳少女「――いゃ」ﾋﾞｸｯ

豚顔の男「ひ、ひひっ、あああ、安心しろぉ、ここ、こいつは、ささ、最後のお楽しみだがらよぉ」

豚顔の男「ままま、まずは、ふふ、普通に、たた、楽しもううう、や」ｽﾙｯ

ｶﾞﾝｶﾞﾝｯ

男（クソッ、クソッ！！　なんだよ、これ）

隣の席のオタ　『異世界でテンション高まりまくりですぞ！』

男（どこがだよ、なんだよこれ、何がテンション高まりまくりだよ……ふざけんなよ……）ｶﾞｸｯ

期待

豚顔の男「イヒッ、ヒヒッ」

ｽﾞｽﾞｯ
ｽﾞｯ

男（いつも、一人だった。異世界になんて来て、牢屋にぶち込まれて）

男（でも、それでも正直、どうせいつも一人だしとか、車に轢かれた事もあるとか）

男（なんとかなるんじゃねーかって、思ってた）

男（そんな時に、あのケモ耳が来て、たった一晩だけだけど、話して）

男（もしかしたら、友達とかになれるんじゃないかって思ったりもして……）

男（だから、力が、欲しい……。力が）

男（クラスメイトたちは、勇者の力を貰ったんだっけか……あいつらなら、助けられる、のか？）

男（なんで、なんで俺にはそれが無いんだ……）

狼耳少女「――イヤア”ア”ア”ア”」

男（見てるだけなんて、なんで、俺には……くそった――）

―――少年。望むか、力を――

男　ﾊｯ

男（なん、だ……今、の声は……）

……
…

教師「……今日も、姿を見ないな」

隣の席のオタ「ですな」

教師「二日続けてかくれんぼでもしてるのかあいつは？」

隣の席のオタ「さ、さぁ……」

教師「なんか今日もテンション低めだな」

隣の席のオタ「そうですかな？　メメ、メイドさんワッショイですぞ！！　今いくのですぞ夢のメイドさん！！　なっ、皆！！」ﾀﾀｯ

キモオタ１「そうそうｗｗｗ」ﾀﾀﾀｯ

キモオタ２「俺も俺もｗｗｗ」ﾀﾀｯ

教師「あっ、おい……ったく」

隣の席のオタ（危なかったのですぞ……我輩ポーカーフェイスとか苦手なんですぞ……）ﾀﾀｯ

隣の席のオタ（男殿……なんとかしてあげたいのですが、いかんせんどうしようも……）ﾁﾗｯ

「お姉さん俺と遊ぼーよ俺ら勇者だぜ？」
「そーそー、勿論夜もなｗｗｗ昨日より頑張るし二回戦まで行くわ俺ｗｗｗｗ」
「イケメン騎士さーん待って～」

隣の席のオタ（……気楽なもんですな、クラスメイトたちは……）

隣の席のオタ（いくら男殿がいつもボッチだったとは言え、心配すらしないとは……）

隣の席のオタ（歯がゆい、ですな……）

隣の席のオタ（我輩、決してお人よしではないですが）

隣の席のオタ（どうにも心がざわつきますな……）

……
…

男「くそっ、くそっ……」ｳｳｳｯ

豚顔の男「は、ハァ、ハァ」

狼耳少女「……」

豚顔の男「ななな、何発、ややや、やった、かナァ」ﾊｧﾊｧ

豚顔の男「ややや、っぱり、はは、初物は、ここ、興奮するナァ」ﾊｧﾊｧ

豚顔の男「おお、おい、み、見ろよ、おお、お前もぉ、ここ、こいつ、声も出ねぇんダ」ﾊｧﾊｧ

男「……」

男（……酷い、なんて、酷いんだ……）


狼耳少女　『……女の子が危ない目に合いそうになると、必ず助けてくれるって』

狼耳少女　『……私の事も、助けて、くれないかな』


男（助けて……欲しかっただろうな……）ｳｳｯ

やられちまったか

ええええええええまじか
つずきはよ

ア，バットエンドはあんまし好きじゃないぞ

うわああ

豚顔の男「おおっ、おぅ、おお、起きろ、よ」ﾊﾟｼﾊﾟｼ

狼耳少女「……」

豚顔の男「ハァハァ、い、いい感じに、うう、虚ろににに、ななな、なってるぅ」ﾊｧﾊｧ

豚顔の男「つつつ、次は、みみみみ、耳、ききき、あああ、ま、またオレェ興奮ッ、アアアア」ｽｯ

狼耳少女「……お母さんが」

豚顔の男「ううう、うん？」ﾊｧﾊｧ

狼耳少女「……あたちの耳、可愛いって、ゆってくれるの」

豚顔の男「うううう、うんうん、かかか、可愛い、よぉ。だだだ、だから、ずずず、ずっと、とっておくんだァ」ﾐﾁ

豚顔の男「ハァ、ハァ……た、たまんねぇえええ！！」

男「……」ｻﾞﾜｯ

豚顔の男「ヒヒッ、ヒッ、たたた、たまに、こここ、子供ににに、心が戻るの、居るんだよナァ」

豚顔の男「おお、オレののの、だだだだぁい好物ぅ」ﾊｧﾊｧ

――少年。望むか、力を――

男（この声は、さっきのと……幻聴、か？　いや、もうなんだっていい）

男（望むか、望まないか……答えなんてもう決まってる）

男「――望むさ。力を」ﾎﾞｿｯ

――その意気やよし――


豚顔の男「ひひ、さささ、さぁ、剥ぎ取りましょうねぇ」ﾐﾁﾐﾁﾐﾁ

狼耳少女「……あたち、の、耳、可愛い、の……痛い、の、痛い、の」

豚顔の男「あぁん、ややや、っぱり、うう、動いてると、きき、綺麗に、行かななないィ」ﾌﾞﾁﾌﾞﾁﾌﾞﾁ

狼耳少女「痛い、の、痛い、の」


――しかし、少年。力を得るには、器がまだ熟してはいない――

――しかるに、それでも望むと言うならば、代償を頂く――


豚顔の男「ややっ、やっぱり、こここ、殺さないと、駄目カァ」ｽｯ　ｸﾞｼｬｧ…

狼耳少女「――ァ！　～～～ァァァ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ　ｼﾞ……ﾀ……ﾊﾞ……ﾀ

豚顔の男「おお、おおおお、おっ、ややや、っぱり、くく、首をつつつ、突くと、いいい、勢い良く、死ぬ、なァ」


男「……よく分かんねーけどよ、好きなもん、持ってけよ」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

男「今……今じゃねぇと、駄目なんだよ」ｷﾞﾘ……


――であれば、貰おう。魔に連なる色の一つを――

――その艶やかに綺麗な黒髪を、貰おう――

――黒は、焔に続く魔の象徴――

――失えば、魔族にも受け入れられはしない――

――魔眼にて、人には拒絶され――

――白髪にて、魔族にも拒絶され――

――少年、君の居場所はこの世界に、無くなるやも知れない――


男「――だからどうした。俺は元々この世界の人間でもねぇし、そもそも、好きなもん持ってけって言っただろうが――」


――……ならば、よし――

――その心、焔の如くに一瞬に猛り――

――ゆえに、魔眼の力を扱うに足ると断じよう――

――今より、少年を片魔眼の継承者と認めよう――

――奮え、焼き尽くせ、それは消える事の無い理の焔――

ｺﾞｳｯ……

……
…

神の巫女「……」ﾋﾟｸｯ

神の巫女「この感覚は……」

兵士「どうか、されましたか？」

神の巫女「……そんな、まさか」

神の巫女「まだ、未熟な器だとばかり……」

神の巫女「……いえ、未熟である事は確か」

神の巫女「であれば、無理やり引き出した……と言う事でしょうか」

神の巫女「そのような……いえ、今はそんな事を考えている場合ではありませんね」ｽｯ

神の巫女「……未熟な器は、更なる次代をまた捕らえれば良いだけの事……」ﾃｸﾃｸ……ﾋﾟﾀ

神の巫女「宜しいですか？　今すぐ、城内の兵の全てをお集めなさい」

兵士「すっ、全て、ですか？」

神の巫女「方針が変わりました。件の片魔眼の男を、殺処分しましょう」

兵士「それはまた、随分と急な――いえ、賛成ではありますが」

神の巫女「では、お行きなさい」

兵士「は、ははっ！！」ﾀﾞﾀﾞｯ

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
ﾀﾞﾀﾞ

隣の席のオタ「……あわわ」

隣の席のオタ「あわわ……ななな、なんと言う事ですぞ……」

隣の席のオタ（何か情報が無いかと、城内をウロウロしていたら、とんでもない話を……）

隣の席のオタ（多分、あれは男殿の事、ですな？）

隣の席のオタ「殺処分って……」ｵﾛｵﾛ

隣の席のオタ「せせ、拙者、どうすれば良いでござるか……」ｵﾛﾛﾛﾛﾝ

……
…


豚顔の男「あ、あァ、こここ、今度は綺麗に取れれれ、た！」ｻﾞｸｯ

豚顔の男「ややや、っぱり、ししし、死体からとるのが、いいい、一番、良いなぁ。おおお、お前ぇも、みみ、見てみ――」ｽﾞｲｯ

豚顔の男「ははは、はへ？　おおお、お前ぇ、ななな、なんでいきき、なり、髪が白く」

男「……」

豚顔の男「ささささ、さっきき、まで、くく、黒髪、だだだ、ったよナァ？　あで？　ろろろ、牢屋がが、ああ、あれ？」

ﾄﾞﾛｯ……

豚顔の男「な、なな、ふ、触れた牢屋が、溶けっ」ｽﾞｻﾞｯ

男「……」

豚顔の男「そそそ、その牢屋、ミミミ、ミスリル合金で、どどど、どんな魔法も……あ、ああ、あで？　なな、なんで？」

豚顔の男「なな、何を隠して――」

ｼﾞｭｩｳ

男「黙れよ。何も隠してねぇ。俺の手のひら、じっくりお前の顔で確認しろや」ｸﾞｸﾞｯ

豚顔の男「――あぶっ！？」ﾄﾞﾛｫｯ

豚顔の男「――～～ッ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

ﾄﾞﾛﾛｯ

ﾄﾞﾛｫｯ

ｼﾞﾀ……ﾊﾞﾀ……ﾋﾟﾀｯ

豚顔の男「……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

男「……」ﾊﾟｯ

ﾄﾞｻｧｯ……

男「……」ﾁﾗｯ

狼耳少女「……」

男「……ごめんな、助けて、やれなくて……」ｽｯ

狼耳少女「……」

男（……あまりに、惨すぎる。陵辱され、耳を切り取られ、挙句に喉をナイフで一突き）

男（……血だまりの匂いが……吐きそうなくらいに、気持ち悪く匂ってくる。けど……）ｸﾞｯ

男（……涙を拭って、瞼を閉じさせて……）ｸﾞｲｯ

男（……いや、違うな。そんな事より）

男（きっと、この姿のまま晒されるほうが、嫌だろう）ｽｯ

男「……」ｼﾞｨｯ

ｺﾞｳｯ……

狼耳少女　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ、ﾊﾟﾁ……ｻﾗｻﾗ、ｻﾗ……

男「……出よう。ここから」

男「もっと遠くへ……こんな所、もう居たくない」

男「ずっとずっと、気持ち悪くて仕方が無くて……」

………
……
…

教師「な、なんだこの騒ぎ……」

ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ

同級生男１「ど、どうしたんスか」

兵士１「城内に危険な魔物が現れたとの事で、城内の兵士、騎士、魔法師を全員集めておるのです」

オタ「うん？　これっていわゆる一つのイベント的なアレじゃねｗｗｗｗ」

オタ２「だよなだよな、異世界ものの定番ｗｗｗ。これクリアすっと何かありそうｗｗｗ」

オタ３「ハーレムに近づく為にやんなきゃなんねぇなｗｗｗあーサーセン俺らも混じってイイっすか？ｗｗｗ」

兵士２「いえ、勇者さま方のお力には及びません。まだ、召還されてから日も浅いでしょう」

兵士３「ひとまずは我々だけで」

オタ３「あっ、そーなんすかｗｗｗｗ」

オタ２「あー多分アレだなこれ、途中で問題起きて、俺らが出張る系のイベント？ｗｗｗｗ」

オタ４「じゃあ待つかｗｗｗｗ」

隣の席のオタ（……男殿、大丈夫でしょうか）ｳﾛｳﾛ

隣の席のオタ（ええい、迷うくらいならば、探さねばなるまいでしょう）ｽｯ

隣の席のオタ（幸い、我輩は城内の地理は把握済みにて、牢の位置も簡単ですぞ）ﾀﾀｯ

ごめん寝ます

見てくれた人ありがとう！

続き待ってます

乙

隣の席のオタ「ここでござるね！」
隣の席のオタ「男殿！今来たでござるよ！」
男「……」
隣の席のオタ「そんな…男殿！これは何でござるか！？」
隣の席のオタ「まさか、男殿がこの2人を殺したでござるか！？」
男「……」
隣の席のオタ「みんなを読んでくるでござる！」
男「ちっ、面倒になりそうだな…逃げるか…」
……
ﾄﾞﾀｯﾄﾞﾀｯﾄﾞﾀｯ
隣の席のオタ「みんな！ここでやんす！」
男「間に合わなかったか…くそっ！」
教師「男！…何その風貌は？…あなたいったい何をしたの！」
男「こうなったら、全員まとめて殺してやるよ！かかってこい！」
教師「お願いだから私を犯してからにして！」
男「話がわかる奴だな。いいだろう。ﾌﾞﾋｯ…えっ？…ｸﾞﾌｨｯ、ﾌﾞﾋｨ…」
男「とりあえずこここっちににに、来るんだなななな！ﾌﾞﾋｯ」
男(なんだ！さっきの豚顔みたに話方になってしまう)

教師「喜んで！」
他の生徒「ずるい！先生！私も混ぜてよ！」
教師「お前らは黙ってなさい！まずは私が犯されるのを見てなさい！」
教師「男君。さぁ、思う存分犯して…」
隣の席のオタ「辞めるでござる先生！」
男「ﾌﾞﾋｨ、ｸﾞｯｸﾞｯ。お前黙れ！」 ﾋｭｯ、ﾄﾞｯﾝ！！！
隣の席のオタ「うっ…」ﾄﾞﾀｯ…
他の生徒「キャー、わー」
教師「何するの男君！」
男「邪魔したから、こここころしたまままでなんだなあぁ」
教師「そうね、わかった。さぁ早く犯してよ！」
ﾋﾟﾁｬﾋﾟﾁｬ、ﾆｭ～ｸﾞﾁｭｸﾞﾁｭ。
教師「あっ、気持ちい。最高よ。もっと突いて！」
ﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯ！
教師「こんなに気持ちいの初めて！」
他の生徒「先生！早く変わってよ！」
教師「うっ…るさい！あっん、あ～気持ちい…殺すわよ！」
男「そうなんだなぁ、殺そう！」ﾋｭｯーﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾝ！！！
男「全員死んだんだなぁ！みんな美味そうに死んでる」
教師「あんっ、イク～～～～～ｯ」
教師「これから、あなたと先生だけ。素敵な夫婦生活をしましょ」

偽物はアク禁しろ

>>122
つまんな

おーぷんってCC0だったのか
しらんかった

続き書くとしたらコテ外したほうがいいのかな

誰かアドバイスくらさい
cc0って事は、人格権も使わないようにって事だよね？
って事は、コテって言うか、ｓｓ書く場合トリつけるのも駄目って事になるのかな
だとしたらトリ外して続き？
よくわからん

よく分かんないけど酉ダメなら付けられないんじゃ
この掲示板全体が、って事じゃないの？
（ここに書かれた事の著作権を放棄します＝まとめていいよ、的な）
個々のスレはスレ主の物だと思うけど…
アク禁機能だって1に付いてるんだし、自由にコテ付けて書き込んでいいと思う。
みんなも1のを読みたがってる。いらん成りすましは迷惑

>>122
ちょっとお前死のうか

てか続き読みたい～！
さとるは、そんな細かいこと言わないと思う。
ジムみたいにねちっこくないよ

>>128
㌧
転載ＯＫだよーとかだけだったら「へーむしろまとめてくれたら嬉しいな」
くらいであんまり考えないんだけど
cc0とか出てきたから、なんぞソレハって思ってしまった

もうちょいしたら続き書くます

待ってます！

えっ？121～122は偽物やんな？

隣の席のオタ（……兵士たちより先に行かねばっ）ﾀﾀｯ

ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ

隣の席のオタ（……思い当たる節はあれど）

隣の席のオタ（直接的な原因は分かりかねますが……）

隣の席のオタ（むっ、この階段ですな）ﾋﾟﾀｯ

ﾋｭｳｳｳｳ

……ｺﾂ　ｺﾂ

隣の席のオタ（誰かの、足音、ですかな？）ｺﾞｸﾘ

隣の席のオタ（兵士の方……？　いえ、まずは行ってみますか）ｽｯ

ｶﾂ　ｶﾂ

隣の席のオタ「……」ｺﾂ　ｺﾂ

隣の席のオタ（く、暗くて良く見えませんな……しかし、足音は近づいて――）

？？？「お前か」

隣の席のオタ「――むっ、だ、誰ですぞ！？」

隣の席のオタ（兵士では、無い？　何か、聞き覚えのある声ではありますぞ……）

？？？「……そうか、暗いもんな。お前には見えない、か」

きたれす

>>133
それは俺ではないけども

？？？「俺には良く見える」

？？？「いや、お前だけじゃない」

？？？「見ようと思えば、この建物の中に居るやつら全員『観える』」

隣の席のオタ「――その声は」

ｶﾂ、ｶﾂ、ｺﾂ、ｺﾂ……

ﾎﾞｳｯ

隣の席のオタ「お、男殿……え、えぇ！？」

男「……どうしたんだ。これなら、お前にも見えるだろう、俺が」

隣の席のオタ「ど、どうしたのですかな！？　そ、そんな漂白剤使った後見たいな髪は……それに、今の火は？？？」

男「……さぁな」

隣の席のオタ（なんかちょっとカッコいいのですぞ……って、今は違う！！　そんな事はどうでもいいのですぞ！！）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

隣の席のオタ「そ、そうでしたぞ！！　男殿、今――」

男「あぁなんか甲冑の連中が集まってるな。変な服の連中も居る……後十分もあればこっちに来るかもな」

隣の席のオタ「へ？？？　なぜそれを――」

男「見えるんだ。今の俺は、全てが見えるかも知れない」

隣の席のオタ（……まさか、男殿は勇者の力を貰ってはいないハズでは……）ｺﾞｸﾘ

男「……悪いんだが、俺は今から逃げなくちゃならない。ここには、居たくないんだ」

隣の席のオタ「そ、それはもう。確かに、追われるだけっぽいですし……」

男「いや、多分、甲冑連中はぶっ殺せる」

隣の席のオタ「えぇ！？　な、なんと……」

隣の席のオタ（……ウ、ウソか真か分かりかねますが――むっ……た、確かに不思議な力を感じるのですぞ）ｺﾞｸｯ

隣の席のオタ（し、しかし、真であったとしても、ならばここで倒そう、等とは我輩には言えないのですぞ……）

隣の席のオタ（その後の事もあるのですぞ！）

隣の席のオタ（となれば、今の我輩に出来る事は逃がす手伝いのみ……）

男「……どいてくれ」

男「一人、ヤバイのが見える」

隣の席のオタ「ヤバイ、ですかな？」

男「あぁ、あのメンヘラ――何かしようとしてる」

隣の席のオタ「それも、見えた、と？」

男「あぁ」

男「今しがた、だけどな。見えたのは」

隣の席のオタ「……」ｸﾙｯ

男「どけてくれるか、悪いな」

男「……お前もさっさとここから居なくなったほうが良いかも知れないぜ」

男「今まさに逃げようとしてる俺と接点があるとなれば、まずい事もあるかも知れない」

男「俺の事は知らないフリでもしていろ」

隣の席のオタ「な、なんか男殿、キャラが変わってるでござるよ……」

男「そうでもないさ」

隣の席のオタ「いやいやいや……ま、まぁ良いですぞ別に。それより、こっちですぞ！！」ﾀｯ

男「……うん？」

隣の席のオタ「我輩、この城の事は知り尽くしていると言ったではないですかな？」ﾀﾀｯ

隣の席のオタ「抜け道も当然の如く把握ですぞ！！」

男「……お前」

隣の席のオタ「異世界に来て一週間やそこらだと言うのに」

隣の席のオタ「クラスメイトが殺され等、寝覚めが悪くて叶わないのですぞ……」

男「……良いヤツだな、お前。この世界に来る前に、お前と仲良くなっときゃ良かったよ」

見てるよ

男「すまないな……」ﾀｯ

隣の席のオタ「礼は助かった後にでも頼むので――」ﾀﾀﾀｯ

男「――待て」ﾋﾟﾀｯ

隣の席のオタ「――ど、どうしたのですかな？」ﾋﾟﾀｯ

男「……どういうことだ」

隣の席のオタ「？？？」

男「一瞬で、甲冑連中の姿が前方に移動してる」

男「瞬間移動じゃあるま――そうか、そういう事か」

隣の席のオタ「な、何ですかないきなり！？」

男「……今、見えたんだ」

……
…

神の巫女「醜い魔眼。あなたを逃がしはしませんよ」

神の巫女「一人一人では面倒ですが……ある程度数の集まった兵の転移なれば、造作も無い事」

神の巫女「大神殿ではないゆえに、全力とは行きませんが……時間さえ稼げば」

神の巫女「あなたをこの世から消し去る魔法を構築する事が可能」

保守

続けてよい

ﾊﾟﾁ……

神の巫女「……あら？」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ……

神の巫女「私の園が……焔に」

神の巫女「小神殿の間に、焔を点らませますか」

神の巫女「つまり、名実共に、これは魔眼の焔」

神の巫女「けれど……あははっ、あはははははっ、なんてチャチな焔なのかしら！！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ……ｼｭｳ

ｼｭｳｳｳ……

神の巫女「……ほうら、簡単に消えてしまう」

神の巫女「『私の力』で、こんなにも簡単に消えてしまう……アハハハハッ！！」

…
……


男「――ちっ、そうそう上手くは行かない、か。まだ弱い、弱いな、俺の力は……」

隣の席のオタ「？？？　わ、わけが分かりませぬが、そそ、それより、おおお、男殿」

男「なんだ」

俺が想像するRPGに似てる
と言っても妄想程度で話にならんけどな

隣の席のオタ「まままま、まま、前ぇえええい！！」ﾋﾞｼｨ　ｶﾞｸｶﾞｸ

男「……」ｸﾙｯ

甲冑「魔眼の悪魔め、神妙に殺されるが良い！！」ﾋｭﾝﾋｭﾝ

男「もう来たのか」

甲冑「キェエエエ――」ﾄﾞﾛｯ

甲冑「――ゲェエエっ！？　や、槍が……悪魔に届いた瞬間に――」

甲冑２「とと、溶け、た……？」

男「……悪いんだが、そこをどいてくれないか」

甲冑３「だ、誰がどくものか！！　悪魔を見逃すなど、我らにそのような選択は無い！！　ええい、魔法師よ、何か対策を！！」

魔法師　ﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

男「……」

男（……殺す、か？　いや、それは……）

男（……あの豚は躊躇も無くいけたが、こいつら相手に……？）

隣の席のオタ「あわわわわわ……わわわ、我輩、ここ、ここで、死ぬなんてぇええ」ﾋﾞｴｴｴｴﾝ

男（まぁとにかく、オタだけは守らないといけねぇな）

男（巻き込んだ形だしな）ｸﾞｲｯ

隣の席のオタ「ﾋﾞｪｴｪｪ――ぐぇあ！！　お、男殿、いきなり何を――」

男「黙ってろ」

甲冑「――何を」

男「こいつには道案内を頼んだ。拒んだら殺すと脅してな」

隣の席のオタ「……へ？」

甲冑２「――ぐっ、なんと卑怯な！！　魔法師、詠唱やめ！！」

魔法師　ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ……ﾌﾞﾂ……ﾋﾟﾀｯ

甲冑３「まだ力の扱いもままならぬ勇者さまに――まさに外道、悪魔の所業！！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

男「おう、召還されて日も浅い勇者さまは弱くて助かる」

隣の席のオタ「お、男殿……まさか……」

男「だが、ここまで来ればもう用済みだ。ほらよ、返してやるよ」ﾎﾟｲｯ

ﾋｭｳｳ　ｶﾞｼｯ

甲冑「ぐっ、ゆ、勇者さま、大丈夫でしたか！？」

隣の席のオタ「……」

甲冑「勇者さま！！」ﾕｻﾕｻ

隣の席のオタ「へ？　あ、あぁ、大丈夫、ですぞ……」

甲冑２「フ、フハハハッ、魔眼め、判断を誤ったな！！」

男「あん？」

甲冑２「勇者さまと言う人質が無ければ――魔法師、詠唱の再開だ！！　我々への付与も忘れるな！！　普通の槍や剣では溶けてしまう！！」

魔法師　ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

魔法師２　ﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

男（……やべぇなこれ）

男（どうすっかなぁ……）

ｻﾗ……ｻﾗ

――あ――とう――

男「……ん？」

ﾌﾞｧｱｱｯ

甲冑「うぐっ！？　な、なんだ、急に――灰、か、これは！？――」


――――て――れて――

男「……この声は」

――その眼、魔眼だったんだ――

男（……あの、ケモ耳、か？）

男「……さぁ、な」

男「……俺はこの世界の人間じゃ、元々無いんだ」

男「だから、魔眼がどうとか、そんな事、わからない」

男「ただ、遅くて、助けてやれなくて、悪かった……」

――ううん。その髪……――

――それに、異世界の人だって言うなら――

――……――

――お願い――

男「……なんだ」

――あなたの眼が、魔眼かどうかは分からないけど――

――私と同じような子が居たら――

――助けてあげて――

――魔眼の王子さまでいてあげて――

男「……」

保守

男「……気が向いたらな」

男「……何つーか、物語の王子様って柄じゃないんでね」

――ありがとう――

男「礼は言わなくてもいいさ」

男「……もしかしたら俺はここで死ぬかも知れない」

男「どうにもな」

――……もう一度――

男「……うん？」

――もう一度、風が吹くから――

――逃げて――

男「……そうかい」


甲冑「くそっ、あぁ～、やっと止んで――」ﾍﾟｯﾍﾟｯ

ｺﾞｳｯ――　ﾌﾞﾜｧｱｱｱｱ

「ま、また――」
「え、詠唱が……」
「さっきより、凄ぇぞ――」

男「……」ﾀﾞﾀﾞｯ

男（……自分で言っておいてなんだが、気が向いたら、か）ﾀﾀｯ

男「……毎回、気が向いちまうかもな」ﾊﾞｯ

ﾄﾞﾛｫｵｯ　ﾋｭｳｳｳｳ


「くそっ、壁を溶かして外に――」
「馬鹿が、そこの下は激流の川だぞ――」

ﾊﾞｯｼｬｱｱｱﾝ　ｼﾞｭｳｳｳ……

……
…

神の巫女「――逃げ、られた？」

神の巫女「そんな……」

神の巫女「あの灰は……死者の風」

神の巫女「どこから――」

神の巫女「……チッ――」ｶﾞﾝｯ

神の巫女「――っぅ」ｼﾞｨｲﾝ

神の巫女（……い、イラついたからと言って、物に当たるのはやめておきましょう。ひとまず、落ち着きましょう）ｼﾞｨｲﾝ

神の巫女　ｽｰﾊｰｽｰﾊｰ　ﾌｩ

神の巫女「……逃したのであれば、致し方ありません。消息を掴むまでは、考えおいても意味は無い事と割り切りましょう」

………
……
…

ｻﾞｧｱｱｱ
ｻﾞｧｱ

幼女「おーい」ﾂﾝﾂﾝ

男「……」

幼女「おいおい」ﾂﾝﾂﾝ

幼女「むー」

村女「……んー、何してるの？　また綺麗な石でも見つけたの？」

幼女「んーん。なんかねー、にーちゃがいるの。ねーちゃも見てよー」ﾂﾝﾂﾝ

村女「へーお兄ちゃんが居たのそりゃあ良かっ――って、え？　えぇ！？」ﾀﾞｯ

男「……」

村女「……え、えぇ……行き倒れ……？　白い髪……遠くの人、かしら」

幼女「どうしゅるの」ﾂﾝﾂﾝ

村女「と、取り合えず棒でつつくのやめなさい」ﾊﾞｯ

幼女「あっ、やーだ、やーだ」ｻｯｻｯ　ﾊﾞｯﾊﾞｯ

村女「はいはい人様の事つっついちゃ駄目でしょ。……でも、う～ん。とりあえず、連れてこうかしら……大変な時はお互い様だものね」

村女「……でも、そう言えばそもそも生きてるのかし――」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

男「…・・・う、ぅぅ」

村女「あっ、生きてた……あ、あの、大丈夫、ですか？」

男（ど、どこだ、ここ……）ｳｳｯ

男（くそっ、確か飛び降りて……あぁ、ここまで流された、のか）ﾑｸｯ

村女「う、うわっ、急に起きないで下さいよ……」

男「あ、あぁ、悪――」ﾊﾟﾁｸﾘ

村女「――えっ、ひっ、ヒィッ！！」ｶﾞﾊﾞｯ

幼女「ありゃ？　ねーちゃ、ねーちゃ、どうしたの？　痛いよー」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

村女「――い、妹は。妹だけは――」

男「……は？」

村女「ま、魔眼だなんて――」

男（……あぁ、この眼、か）ｻｯ

男「……別に、何もしないさ」ｽｯｸ

幼女「にーちゃ、にーちゃ、綺麗なおめめだねぇ」ﾆﾍﾗ

村女「こ、こらっ、喋っちゃ駄目――」

男「……そうかい。ありがとよ」ﾎﾟﾝﾎﾟ――

村女「すいませんすいません、妹が失礼な事を、ですから、ですから」ﾊﾞｯ

男「……ん？」ｽｶｯ

村女「いい、妹に、呪いをかけないで下さいっ」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男「の、呪いって……あぁ、もうなんでもいいや」ﾌﾗﾌﾗ

村女　ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

幼女「ねーちゃ、あのにーちゃ怖くないひとだよー」

村女「いいから！！　そ、そんな事より、どこか具合悪い所は無い？」

村女「もしかしたら、呪いをかけられたのかも……」ｷﾞｭｯ

幼女「だいじょーぶだよー」

男「……」ﾌﾗﾌﾗ　ﾃｸﾃｸ

男（……どんだけこの眼って変なんだよ。この世界基準で）ﾌﾗﾘﾌﾗﾘ

男（……あーつーかヤバイな）ﾃｸﾃｸ　ｶﾞｻｶﾞｻ

男（すげぇ腹減った。俺何日流されてた？）ﾃｸﾃｸ

男「…いや、そういや、俺異世界来てから一回も飯食ってねぇんだけど……」ｼﾞｬﾘｼﾞｬﾘ　ﾃｸ……ﾃｸ

男「はぁ……」ﾄﾞｻﾘ

男（あー、眠い）ｸﾞﾀﾘ

男（……さっきまで気絶っつーか、まぁ寝てたようなもんなハズだけど。流されてた時の意識ねぇし）

男「けど、ねみぃ……」

男「少しだけ、少しだけ、眠ろう……」ｚｚｚｚ

……
…


王「宴じゃ宴じゃ！！」

王「数日も前の事であるが、紛れ込んだ魔眼の悪魔が逃げた！　殺す事は叶わなかったかも知れん。じゃが、此度は我々の勝利であろう！！　退けたのじゃ！！」

王「さぁ、城の皆々よ、大いに騒ぐが良い！！　勇者さま方も奮って参加くだされ！！」


「うっひゃーすげぇご馳走！！」
「元の世界じゃとんでもねぇ値段とられそうな料理ばっかなんだがｗｗｗｗ」
「うめぇうめぇ……」


教師「……さすがに姿を見なさ過ぎるだろ、男のヤツ。完全に行方不明じゃないか」

隣の席のオタ「……そう、ですな……」

教師「……多分なんだが……お前何か知ってるだろ……？」

隣の席のオタ「――へ！？　いいい、いいえ、知らぬでござるですぞ！！」

おたくくん・・・

ごめん寝る

おやすみ

おやーすみ
おつおつ

おつ

男にはもう少し更なる苦難に陥って頂くか
早めに仲間でも入れてあげるべきか悩むけど……
まぁその場のノリと勢いでいっか

そろそろ続き書きます

教師「……怪しいキョドり方だな」ｽﾞｲｯ

隣の席のオタ「そそ、そのような事は無きかなですぞ！！」

教師　ｼﾞﾄｯ

隣の席のオタ「やや、やだなぁ教師殿ォ……お、おおっと」

王　ｺﾞﾎﾝ

隣の席のオタ「お、王様が何かを言う所ですぞ！！　しかと聞かねば！！」

教師「……まぁ、言いたく無いならいいさ。死んだってワケでも無いだろ？」

隣の席のオタ「そ、それは。生きてるかと」

教師「ほら知ってんじゃないか」

隣の席のオタ「おうふ……」

王「勇者様方諸君、宴の席にて、気分も上々の所ではあるが」


「なんだなんだ」
「あーきたこれイベントイベント」


王「あともうしばらく、そうであるな……召還されし日より、一月にもなる日が来れば」

王「いよいよと魔物の討伐にも出向いて貰わねばなるまいと思っている」

王「苦難の道となるだろうが、勇者として召還された定めでもあり、しかし、富と名誉を勝ち取ろう事にもなろうぞ」

「討伐系イベントキター！」
「えーなんか怖いんだけど……」
「ばっかお前俺らアレじゃん勇者じゃん」
「そんなん楽勝楽勝ｗｗｗｗ」

王「そして、力を蓄えた暁には、魔神をも打ち倒して欲しい」

王「この世界を混沌に陥れし悪の神」

王「ぜひとも、頼みたい」


「魔神？　ラスボス？」
「裏ボスとかもいそう」
「あーそうだ。サーセン王様、仲間とかって貰えるんスかｗｗｗ」

王「うむ、望めば用意しようではないか」


「やったｗｗｗじゃあ俺女がいいんすけどｗｗｗ」
「あたしイケメンがいいー」
「美人なので頼むはｗｗｗあっ、エルフとかも居たら欲しいんだけどｗｗｗ」
「俺は隠しキャラ的なのがいいわー大抵ＲＰＧとかにあるじゃん？　ほら東に日本っぽい国あったり」
「もしかして忍者系？」
「そうそうそれの美少女ほしいわｗｗｗ」
「あーエルフもほしいけど俺もそっちのがレアっぽくて欲しいわ」

隣の席のオタ（う、ううむ……何か、クラスメイトやオタたちは浮かれ気味なのですぞ）

隣の席のオタ（あの男殿を見た後の我輩は、とてもではないけどそんな気分にはなれないのですが……）

教師「――はぁ、世話の焼ける生徒だなぁ男は。どこほっつき歩いてんだか……」

隣の席のオタ（……どうでもいいですが、なんか教師殿は違うとは言いますが、時たま男殿に惚れてるんじゃないかってくらいに心配していますな」

教師「ん？　なんか言ったか？」

隣の席のオタ（す、少し言葉に出てしまったのですぞ……）

隣の席のオタ「い、いえ、なんでもないのですぞ」

教師「そうか」

……
…

男「……俺、寝たハズだよな」

ｻｧｱｱｱｱ

男「どこだよ、ここ」

？？？「……ここは、君の中かな」

男「うおっ……って、あんたは」

オッサン「おや、俺を覚えていない？」

男「んん？　……あーっ、あんた、確か前に夢の中に出てきた……グロイ事になってたオッサン」

オッサン「まぁあれ夢じゃないんだけどね」

オッサン「しかしグロいとは酷いな。確かにグロい事になったけど」

オッサン「まぁ俺のグロいダルマの時の事はどうだっていいんだ」

男「……夢じゃない、か」

男「だとしたら、凄いなアンタ」

オッサン「照れるな」

男「もっと照れていいよ」

オッサン「なんだその返しは反応に困るだろう」

男「そう？」

オッサン「まぁいいさ。時間が無いんだ」

男「……うん？　時間？」

オッサン「そう、俺がこうして君の意識の中に出てこれたのは」

オッサン「俺が君に魔眼をあげたからに他ならない」

男「……」

男（……これ、魔眼だったのか。とんだ異世界だな本当に）ｽｯ

オッサン「けどね、それは種だけだったんだ」

男「……種？」

オッサン「そう。本来は、こんなに早くに種を分け与えられた人が開眼する事は無い」

男「……いきなりなんだってんだよ」

オッサン「いやはやメンゴメンゴ」

男「そんなんいいから」

オッサン「冷たい少年だ。まぁいいけど」

オッサン「取り合えず続けようか」

男「……」

オッサン「君は、本当ならもっと後に魔眼を開眼する予定ではあった」

オッサン「時間をかけ、器を熟成させ、そうしてしかるべく開眼するのが、従来の片魔眼だ」

オッサン「……それまでの間、種はくすぶり続ける」

オッサン「そして、それまでの間に、前任者の魂があるべき魔眼の使い方を教え行くものなんだよ」

男「……つまり、この力の使い方をオッサンが教えてくれるって事？」

オッサン「話をちゃんと聞こう」

オッサン「種である間の事だから。君もう開眼しちゃってるし」

オッサン「開眼してしまったら、もう前任者の魂は消えてしまうから無理」

オッサン「……役目を終えたと魔眼そのものに判断されてね」

オッサン「だから本当はもう少し時間をかける予定だったんだけど……君が力欲しいっていうからさ」

男「俺のせいかよ」

オッサン「そうだ君のせいだ」

男「もっと事前にしっかり言わなかったオッサンのせいでもあるだろう」

オッサン「そのりくつはおかしい」

男「おかしくねーよ」

オッサン「いやおかしい」

男「もうやだこのオッサン……」

オッサン「さて、冗談はこのくらいにして」

オッサン「今回俺はそのことを最後に伝えに来たんだよ」

オッサン「君が次に眼を覚ませば、俺は消えてなくなる」

男「え？　ちょっ」

オッサン「つまり、頑張って自分でその力の使い方を探ってくれ」

男「無責任すぎね？」

オッサン「さらば、少年」

ﾌﾞﾜｧｯ　ﾒﾗﾒﾗﾒﾗｧ

男「えっ、ちょっ待って待って」

オッサン「待てと言われると逃げたくなるのが男の性と言うものだろう」

男「じゃあ消えていいよ」

ﾊﾟｯ

オッサン「じゃあもう少し居ようかな」

男「マジかよなんだよこのオッサン……」

オッサン「どうにも俺は少し天邪鬼のようでな」

オッサン「まぁだが、君が目覚めれば消えるのだけは確かだ」

男「はぁ……まぁいいや。じゃあそれまで使い方教えて――」ｸﾞﾗｯ

男「……あれ？　なん、だ」

オッサン「……どうやら、そろそろ起きる時間のようだぞ」

男「そんな――」

オッサン「……本当に最後だから、言っておこう」

男「――何を――」

男（やばい、くらくらしてきて、オッサンが何言ってるか聞こえねぇ）

オッサン「……異界の少年よ。何も知らぬ君に、重荷を背負わせてしまった事を謝罪しよう」

オッサン「いくらあの時俺に『観えた』からと言って、同じだからと思ったとして、それは許されざる事だろう」

オッサン「しかしそれは眼だけに過ぎず」

オッサン「そもそもとして、なぜ君がこの世界に来たのか、それすらも私には理解が出来ない」

オッサン「しかし、そこに意味があるのだとしたら」

オッサン「魔眼の焔、その本質は理をも焼き尽くす焔」

オッサン「人の手によって、または精霊の力によって導き出されるマガイモノではない、それは真の魔法」

オッサン「ゆえに、あの時に私は迷わなかったのかも知れない」

オッサン「理を超える力は、理の外の者にこそ相応しいと、直感を得たのかも知れない」

男（――もう、駄目、だ……）ﾊﾞﾀﾘ

オッサン「……少年、理外に足を踏み居れし神を、魔神を、どうか倒してくれ」ｽｩ

オッサン「私の焔では届きはしなかった、あの神に」

………
……
…

？？？１「爺様、行き倒れがいるぞ」

？？？２「そのようじゃな。顔つきはあまりワシらと大差が無いようじゃが……」

？？？２「同じ出身なのかのう。いやはや、郷里の里では見覚えも無い顔じゃが」

？？？１「そもそも、見慣れない服の上に、髪が白いのだが」

？？？２「ふぅむ……」

？？？１「どうするのだ？」

？？？２「ここいらの人間であるならば、放置もしようかとは思うのじゃが」

？？？１「……」

？？？２「どうにも郷里を思い出す顔つきには、ワシも弱い――ゲホゲホッ」ﾖﾀﾖﾀ

？？？１「じ、爺様、大丈夫か！？」ﾊﾞｯ

？？？２「ええい、大丈夫じゃ、大丈夫……ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

？？？２「それより、この男を運ぶとするかのう……ｹﾞﾎｯ……」ﾖｯｺｲｾ

男（……な、んだ？）ﾋﾟｸｯ

男（誰かに、背負われてる、のか？）

男（くそっ、まだ瞼が重くて、体が動かねぇ。……そういや、今さっきの夢……オッサン……）

？？？２「しかし、軽いのう……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

男「……それは、た、食べてねぇ、から、だよ……何も」

？？？１「喋った！！　爺様！！」

？？？２「ほほう、生きておるか」

男「……生きてたら、な、なんか、悪いって、か」ﾊﾟﾁ

？？？２「喋る元気があるなら、大丈夫じゃのう……うむ？　お主、その眼」

男「あ、あぁ……気に入らねぇ、置いて、け」

男（……つーより、なんだこいつら……黒装束の爺に、女、か？）

男「……つーかよ、お、お前ら、なんだその格好、忍者か、何か、かよ」

忍爺「左様。遠い東の地より旅をしておる、ただの忍びじゃよ。……しかしお主、不思議な眼をしておるのう」

忍少女「ああ。不揃いの色だけど……綺麗な眼だ」

男「……お前ら、怖がん、ねぇのか？」

忍爺「なにを怖がる必要があろう。不思議な力を感じはするが、ここで行き倒れる程度の男が、お主じゃろう」

忍爺「普通の人間と変わりはなかろう」

忍少女「うむ。しかしそう言えば、髪が白いのはなぜなんだ？」

忍少女「見た所、私たちと変わりのない顔つきだ。生まれつきなのか？　そのような髪は見た事がないぞ」

男「……さぁな」

忍少女「呪術か何かでも受けたのか？」

男「……そうかもな」

忍少女「そ、そうなのか！？」

男「違うかもな……」

忍少女「うん？　……どっちなんだ！！」

男「どっちでもお前らに関係ねぇだろ……」

男（……この眼、魔眼になった見たいだし、まぁ言われて見れば呪いみたいなもんかも知れねぇ）

男（……そういや元の世界にもしも戻れたら、これ、戻るよな？）

男（髪もどうなんだろうか）

男（まぁ、いいか……）ｸﾞｩｳｳ

忍爺「ほっほっほ、これ、何か食わせてやりなさい」

忍少女「心得た」ｶﾞｿｺﾞｿ

男「あん？　別にお前らから食い物貰わんでも――んぐっ」ﾓｸﾞｯ

忍少女「食え。そこらへんで拾った正体不明の木の実だ」

男　ﾌﾞｯｰ

読んでないけどワロタｗｗｗ

男「なんちゅーもん食わせんだ！！　ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」

忍爺「なぁに、大丈夫じゃよ。ワシも食ったが」

忍爺「少し腹が痛くなり熱が出るだけで、まぁ不味くはない」

忍少女「ゆえに私は絶対食べないが」

男「……」

忍爺「そう睨むでない。仕方ないのう、水」

忍少女「心得た」ｶﾞｿｺﾞｿ

忍爺「今の木の実の侘びじゃ、飲むが良い」

男「……まぁそれな――んぐっ」

忍少女「飲め、水だ」

忍爺「まぁ半分わしの唾液入り――」

男　ﾌﾞｯｰ

忍爺「ではないがのう」

男　ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ

男「……な、なんなの、あんたら」

忍少女「旅の忍びと言っただろう」

忍爺「そうじゃそうじゃ、もっと言ってやれ」

忍少女「心得たぞ、爺様」ﾌﾝｽ

男「いやそういう事じゃなくてさ……」

忍爺「……まぁ、冗談はおいておいて、まいてまいて」

男（絶対冗談継続してそうなんだけど……）

忍爺「ワシらは旅の忍び。行き倒れたお主を見つけ、似た顔つきに郷里を思い出したがゆえに助けた」

忍爺「ただそれだけじゃ」

男「助けようと思った相手に腹が痛くなって熱が出る正体不明の木の実を食わせるの？」

忍爺「……」ﾊﾟﾁｸﾘ

忍少女「……」ﾊﾟﾁｸﾘ

忍爺「ところでお主、どこから来たのじゃ？」

忍少女「それは私も気になる所だ」

男（えっ、スルー？）

男（まぁいいや……そっちがその態度なら、俺もそうするまでの事）

男「……さぁお空の上からだったかな」

忍爺「な、なんとっ」

忍少女「かみ様だったのか！？」

男「え？」

忍爺「これは拝まねばなるまい」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

忍少女「うむ。あやかっておこう」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

忍爺「神様神様」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

忍少女「かみ様かみ様」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

男「あの、すいません俺が悪かったんでやめてください」

忍爺「分かれば宜しい」

忍少女「宜しいのだ」ﾌﾝｽ

男「……」ｼﾞｨー

忍爺「ほっほっほ、まぁそう睨みなさんな。とにかく、何度も言うがワシらは気まぐれでお主を助けた、それがすべ――ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」ｶﾞｸｯ

忍爺「ｴﾌｯｴﾌｯ……ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｺﾞﾎｯ」

忍少女「じ、爺様！！」ﾀﾀｯ

男「お、おいっ、大丈夫かよ爺さん、俺の事は降ろせってか、降りるぞ」ﾊﾞｯ

忍少女「――爺、さま」

忍爺「ｹﾞﾎｹﾞﾎｹﾞﾎｯ……ｸﾞｪｯ」ｸﾞｪｯ

ﾋﾞﾁｬｯ……

男「うおっ……吐血って……爺さん、あんた……何か病気でも患ってるのか？」

忍爺「なんでも、なんでも無いのじゃ」

忍少女「爺様、爺様、今おくすりを――」ｺﾞｿｺﾞｿ

忍爺「良い、良い」ｽｯ

忍少女「しかし――」

忍爺「高い薬じゃ。ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……そ、そうそう使うわけにも、行くまい……」

忍爺「……いずれにせよ、治りもせぬ病でもあるのだ。金ばかり使っても、のう……」

男（……なんか俺には口が出せない雰囲気が……）

忍少女「じ、爺様、爺様」ｵﾛｵﾛ

忍爺「……いついかなる時も、冷静でなければならない」

忍爺「そう、教えてきたハズじゃが……」

忍爺「……まぁ、そこがお前の良い所じゃが……ｴﾌｯｴﾌｯ」

ﾋｭｳ　ﾋｭｳ……

忍爺「ふぅ、ふぅ……やっと、落ち着いてきたわい」

男「……爺さん、なんか大変そうだな」

忍爺「……歳を取れば誰でもこうなる」

男（……）

男「……なぁ爺さん」

忍爺「なんじゃ」

男「何か、手伝える事は無いか？」

男「なに、なんて事は無い。正体不明の食い物と水を貰った礼だ」

忍爺「ほっほっほ……なんとも情に厚いのう」

忍爺「ワシなら、あんな食い物食わせられたら、即効で殺しにかかっとるわい」

男「御託は良い、なんかあるなら言ってくれ」

忍爺「……ふむ。そうじゃな、ならば、次の街まで共に行こうではないか」

忍爺「この歳になると、どうにも話し相手が欲しくなって叶わんのじゃ」

忍少女「爺様、私が話し相手では駄目なのか？」

忍爺「たまには、違う人とも話したくなるものなのだ。孫とばかり話をしていてものう」

忍少女「こ、心得た……」ｼｭﾝ

忍爺「良い子じゃ、良いこじゃ……して、受けてくれるかな？」

男「……まぁそれぐらいならな……けど」

忍爺「うん？」

男「俺は街には入らない、入り口でお別れな」

忍爺「またどうして」

男「人にはそれぞれ事情があるだろう」

男（……この眼で入ると、絶対問題になるような気がする、と言うのは伏せておこう）

男（城ん中しかり、流された先での女の反応しかり）

男（こいつらは気にしてないようだけど、気にする連中は多いんだろうし）

男（また牢屋にぶち込まれるとかなったら洒落にならん。情報はなるべく出さないようにしておくべし）

忍爺「……まぁ、それもそうじゃな」

忍爺「悪い事を聞いたかのう」

男「いや別に――ん？」

忍少女　ﾑｽｯ

男「なんかそこで俺の事睨んでるのが居るんだけど」

おつおつ

忍爺「お爺ちゃん思いの孫なだけじゃよ」

男「……なるほど、つまり俺がホモの上に爺好きだと勘ぐってるとかか？」

忍爺「ほっほっほ、いきなり何を言うかと思えば……そうなのか？」

男「俺は普通に女性が好きですがね。……まぁいいや。それより、次の街までってどれぐらいかかるんですかねっと」

忍爺「あと二周もあれば着くんじゃなかろうか」

男「長っ」

忍爺「案外あっさり過ぎるもんじゃよ、それぐらいなど」


………
……
…


男「う～ん。同行して一週間も経たない内にこんなのが出るのか」

忍爺「どうした」

男「いや、異世界の人間ってなんか荒れてるなって」

盗賊「へへへ、おい、持ち物全部置いてけや」

盗賊２「そうすりゃすぐに楽にしてやるぜ」

盗賊３「あぁ苦しまずに殺してやらぁ」

忍爺「うん？　異世界……？」

男「いや、言葉のあやのようなものだから、特に気しないで大丈夫」

忍爺「ふむ……」

男「まぁしかし、これは色々と酷い連中だ」ｽｽｯ

盗賊「なんだ、お前から死に――ゲッ」ｽﾞｻﾞｯ

盗賊２「おいおいどうし――魔眼、か？」ﾋﾟｸｯ

男（……賊っぽい連中でも驚くのか。いや、そうでもなさそうのが近づいてるな）

ﾊﾟｶﾗｯﾊﾟｶﾗｯ　ﾋﾋｰﾝ

？？？「……おいおい、何ビビってやがんだテメェら」ﾇｯ

盗賊３「お、オヤブン――ぐえっ」ﾄﾞｶﾞｯ

頭領「ビビってんじゃあねぇよ」ﾊﾞｯ

盗賊２「け、けどオヤブ――ぐぇあ」ｶﾞｯ

頭領「だから、ビビってんじゃねぇよ。そいつが魔眼かどうかなんて関係ねぇ。なぁに、本当に魔眼なら殺してめん玉売り飛ばしゃあ良いだけの事」

忍爺「……魔眼、のう」ﾁﾗｯ

男（う～ん。肩パッドでもつけたらまさに世紀末な人がおいでになったぞ）

男（さてはて、どうしたものか……ん？　忍少女が前に……）

ｽｯ

忍少女「……爺さま、こいつらどうする？」

忍爺「……どうする、とは？」

忍少女「皆殺しか？」

男「ひぇっ……」

男（今なんか物騒な言葉がこの子から出てきたんだけど……）

頭領「……おいおい、面白い事言うお嬢ちゃんだなぁ。見れば顔も良い」

頭領「……よし、方針が決まった」

頭領「爺と男は殺せ、男の死体からは目玉拾え。お嬢ちゃんは俺のペットにする」

頭領「逆らったらお前ら死刑な」

盗賊「へ、へいっ！！」

忍爺「……まぁ、好きにするがええ」

忍爺「殺したければ殺すが良い。そうでなければ、思うようにするがいい」

忍少女「心得た」

頭領「おらっ、いけぇおめぇら！！」

支援

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

男（……ここは、俺の出番だろうか）

男（忍びとかなんとか言ってたけど、女の子と爺だも――）ﾁﾗｯ

忍爺「ほっほっほ」

男（あれ、忍少女どこ行った？）


盗賊４「チ、チクショー人使い荒いんだからオヤブンは」ﾀﾞﾀﾞｯ

盗賊１「よっしゃ、まずはヨボヨボの爺から――？」ﾌﾞﾗｯ

盗賊１「――？？？」ﾌﾞﾗﾝ

盗賊１「あで？」

盗賊２「は？　お、おまっ、どうしたんだ？　ちょ、首取れてる取れてる」

忍少女「まず一人」

盗賊３「――このガキ、お前かやったの――？？？　っへ？」ﾌﾞﾗﾝｯ

忍少女「もう一人」ｽｩｳ



男「……強っ、って言うか、ぐろっ……」

男（賊の首がポンポン飛んでくんですが……）

続けろ

忍少女「次、次、次……」


ｱﾍｪｱ　ｴｯ　ｵﾏｯ、ｸﾋﾞｸﾋﾞ


男（……あの女、良く何の躊躇いもなく人の首を飛ばせるもんだな……）

男（まぁ、俺もあの豚やった時、何の躊躇いも無かったが……）

男（そういえばあのクズ豚、俺が殺した、んだよな）

男（すげぇ溶けてたし、生きてるって事も無いだろうし……）

ｿﾞｸｯ

男（……俺が、殺した？　なんだ、思い返すと、背筋が凍えるようだ）

男（殺した、そうだ。あいつはクズだった。死んで当然だった。そして、俺が殺したんだ……）ｶﾞｸﾌﾞﾙ

忍爺「……」ｼﾞｨｯ


ﾋﾟｷｯ　ﾋﾟｼﾋﾟｼ　ﾌﾞﾁﾝ……

盗賊「ヒャッハー！！　さすがオヤブン！！　よく分かんねぇ攻撃止めやがった！！」

忍少女「――何？」

頭領「はいはい、駄目だなぁお痛しちゃあ」

頭領「……小刀に、それにこいつは糸か。全く、どこの出身かは知らんが、危ないなぁ」ﾆﾀｧ

忍少女「……」ｽﾞｻｧｯ

頭領「おいおい、そんなに下がらなくてもいいだろ、お嬢ちゃんっ」ﾕﾗﾕﾗ

盗賊７「オヤブン最高ですぜー！！」

盗賊８「さすが俺らのオヤブン！！」

頭領　ﾋﾟｸｯ

頭領「あぁん、おい、おめぇらよ」ｸﾙｯ

盗賊７「はい？」

頭領「俺は初めによ、おめぇらいけ、っつったよなぁ」

頭領「それ考えるとよ、なーんで俺が戦ってんだ？　なぁオイ」

盗賊８「あっ、いや、それは……」

頭領「ふん、まぁ良い。後で指潰すから、覚えとけ。全員だ」

盗賊６「……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

頭領「ケジメはつけねぇとな……まぁそれも今は良い。それより」ｸﾙｯ

忍少女「……」

頭領「奴隷になる準備はＯＫ？　俺のでけぇ剣をしゃぶる準備もＯＫ？」ﾆﾔｧ

忍少女「……」ｽｩｯ

ｼｬｯ

頭領「おっと、今度は投げナイフ……ぽんぽん色々なもんが出てくんなぁ」ﾊﾟｼｯ

忍少女「――っ」ﾊﾞｯ

忍爺「……うむ。これはちっとばかり不味いかも知れんのう」

男　ﾊｯ

男「……不味いって、何が？」

忍爺「いや何、あの賊の頭領、魔法を使っておる上に、地力もある」

男「……魔法？」

忍爺「あの子にはちょいと荷が重いかも知れないのう」ﾁﾗｯ

男（……なぜ俺を見る）

忍爺「女の子にだけ戦わせて、申し訳ないとは思わないのかのう」

男「そりゃそうだが」

男（……まぁ良い。深く考えるのは、今は止めにしよう）ｸﾙｯ

男（つっても、どうしたらいいんだか）

長い
３行

男（……助けるのは良いんだが）

男（この眼の使い方も分からないし）

男（取り合えず、良く見てみるか）ｼﾞｨ

頭領「さぁてと、とっととお嬢ちゃんを捕まえて、残りの二匹も殺さねぇとなぁ」

忍少女「……」ｽｩ

頭領「はっはー、何しようが俺には効かねぇよ」

ｶﾞｯ　ｶﾞｷﾞｷﾞｷﾞ……

忍少女「やっぱり、弾かれる――」

忍少女「かと言って、糸も切られる……」

男「……」ｼﾞｨ

男（なんだ、あいつの周り、少し歪んでる……風？）

男（……あれが魔法か……まぁ観える事は観えるんだが、あれをどうしたらなぁ）

男（……取り合えず燃やして見るか）ｷﾞﾗｯ

ﾎﾞﾎﾞｯ……ﾒﾗｧ……

頭領「――ん！？」

頭領「なんだ……俺の魔法が……燃やされて、る？　――ちっ、そうか、魔眼――本物だったってか！！」ﾊﾞｯ

ｵﾔﾌﾞﾝ　ﾄﾞｳｼﾀﾝｽｶｰ


男「……おおう、燃えた燃えた」

頭領「魔法を燃やすなんぞ、魔眼以外に考えらんねぇ……ちっ、先にそっちを潰しとくべきだったか」ｸﾙｯ

忍少女「――好機。背中を見せるなんて無用心も良い所」ｽｯ

ﾋﾟｼﾋﾟｼ――ﾌﾞﾁﾌﾞﾁﾌﾞﾁ

盗賊９「お、オヤブン！！」

盗賊１０「オヤブンがやべえ！！」

頭領「――うげぇっ……く、くそっ、そうだった……つ、つか、た、盾になるくらい、しろよ、ボケナス、どもが」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

頭領「くそっ、くそっ、こご、こんな所で――あべべ――ぐぇっ……」ﾌﾞﾁﾝ……ﾌﾟﾗｰﾝ

盗賊１１「や、やべぇよ……お、オヤブンの首、首がっ……ひ、ひぇっ……」

盗賊９「にに、逃げるしかねぇよ！！」ｸﾙｯ

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

男（す、すげー勢いで逃げ出したぞ、こいつら……）

忍少女「……爺さま」ｽｯ

忍爺「……この逃げる足音は……全員か？」

忍少女「全員だ。隠れてる気配も無い」

忍少女「私、大活躍だ」ﾌﾝｽ

忍爺「そうじゃのう……」ﾁﾗｯ

男「……なんだよ」

忍爺「いや、今しがた……」

男「うん？」

忍爺「……」

忍少女「爺さま、どうかしたのか？」

忍爺「いや、不思議な術を使う男だな、と思ってな」

忍爺「それが魔眼と言うヤツなのかのう」

男　ﾋﾞｸｯ

男「……」

忍爺「まぁ別に、言いたくなければそれでも良いけどのう」

忍爺「人には事情があるそうじゃし」

忍少女「……爺さま？」

忍爺「まぁ良い。お前はこの男にひとまず礼を言った方が良いじゃろう」

忍少女「へ？　な、なぜ？」

ごめん寝ます
今日も見てくれた人達ありがとう！

おつかれさま

おつおつ
続き待ってんぜ

忍爺「助けられたのだ。当たり前じゃろうよ」

忍少女「いつ助けなど――」

男「別にいらねぇ。助けた覚えもない」

忍少女「ほら、こいつもそう言っ――ちょ、爺様！！」

忍爺「……そう照れるな……ほれ」ｸﾞｲｯ

忍少女　ｼﾞﾀﾊﾞﾀ　ﾊﾞｯ

忍爺「お？」

忍少女　ﾑｽｯ

忍爺「ワシから逃れるとは、腕を上げたのう」

忍少女「……」ﾌﾟｲｯ　ﾃｸﾃｸ

男「……孫から嫌われた様だぞ」

忍爺「ほっほっほ、別に構わんよ。それより」ﾃｸﾃｸ

男「？」

忍爺「お主は不思議な強さを持っておる。あぁ、とても不思議な強さを」

忍爺「……見た所、人も悪くは無さそうじゃ。……しかし、お主、何かを臆しておったな。あの時、本当ならば賊の頭領を殺す事も出来た力じゃろう」

忍爺「……だが、それはしなかった。それは優しさか、あるいは弱さか」

>>1-100

男「……」

男（臆した……言われて見れば、確かにそうかも知れないな）

男（なんで俺はとりあえずあの歪みを燃やそうとしたのか）

男（あれではなく、賊そのものを燃やせば良かったんじゃないのか）

男（なぜそう考えなかったのか……）

男（……いや、その答えは簡単だ。とても簡単だ）

男（……俺は、怖いんだ）

男（人を殺すのが、怖いんだ）

男（だから、出来なかった）

男（俺は……）ｼﾞｨ

忍爺「ほっほっほ、何を深く考えておる」

男「……別に。ただ、俺は弱いんだろうなって、そう思っただけさ」

忍爺「弱さであると肯定するか」

男「弱くないって言ったって、何の意味も無い。強いと言えば、悩み悔やみも何もかもが無くなると言うならば、言うかも知れないけれど」

忍爺「ほっほっほ、とんだカッコつけだのう」

忍爺「だが、嫌いじゃあないぞ」

男「爺に好かれたって嬉しくもない」

忍爺「そりゃそう――ッ！？」ｶﾞｸｯ

男「ん？　爺、さん？」ｸﾙｯ

忍爺「ｺﾞﾎｯ､ｺﾞﾎｯ」ﾋﾞﾁｬｧ……

男「お、おい、大丈夫かよ」

忍爺「え、ええい、大丈夫じゃ」ﾋｭｰﾋｭｰ

男「んな事言っても、吐血してんじゃねーか」

忍爺「も、もう慣れておる。……し、しかし、最近はあまりに頻繁」

男「なんなら背負ってやろうか」

忍爺「よ、余計な世話じゃ……」ｽｸｯ

男「お、おう……」ｻｯ

忍爺「……この命、もうそろそろ、か……」ﾎﾞｿｯ

男「……何か言ったか、爺さん」

忍爺「……」ｼﾞﾄｯ

男「……まっ、別に言いたくないなら、良いけどさ」

忍爺「……お主に、頼みがある」

忍爺「……会って数日、ぶしつけなのは重々承知。……今夜にでも、少し時間を作ってはくれないじゃろうか」

男「……ふむ」

男「まぁ、聞くだけならな」


………
……
…


キモオタ３「おらおらっ！！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

メイド「あっ、あっ」

キモオタ３「俺のは良いだろ？」

メイド「は、はい、勇者さまのは、最高、です」ﾋｯｸﾋｯｸ

キモオタ３「やっべーな、下手なエロゲより興奮するはｗｗｗ」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

キモオタ３「つか、勇者だっつえば股開くとか、ありがてぇありがてぇ童貞卒業がこんなに楽勝だとはｗｗｗｗ」

キモオタ３「なぁ、中に出して良いよな？　つっても、昨日も出してるけどｗｗｗ」

メイド「は、はぃ、ど、どうぞ」ﾋｯｸﾋｯｸ

キモオタ３「そのうち孕んだりしてなｗｗｗ」

メイド「ゆ、勇者さまのお子なら、か、歓迎でございます」ﾋｯｸﾋｯｸ

キモオタ３「俺の子を歓迎ってｗｗｗｗ」

キモオタ３「ブサメンキモメンすぎて一生彼女出来ないと思ってた俺がまさかそんな言葉聞けるとはｗｗｗ」ｸﾞｲｯ

キモオタ３「異世界最高過ぎｗｗｗ」

キモオタ３「なぁ、俺って酷いか？」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

メイド「い、いぇ……」ﾋｯｸﾋｸ

キモオタ３「だよなぁ、他の連中もこういうことしてるだろうし」ﾊﾟﾝ……

キモオタ３「俺は普通の事してるだけ」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

キモオタ３「大体にして、勇者だから子孫残さないとなｗｗｗうんｗｗｗ」

キモオタ３「じゃあほら、受け取れ俺の元気な子種をｗｗｗｗ」ﾄﾞﾊﾟｯ

メイド「――ぁっ、う、うぅ……」ﾋｯｸﾋｯｸ

キモオタ３「……ふぃー。あー、疲れた。……って、やべえｗｗｗ」

メイド「……」

キモオタ３「俺が三回も中に出したせいで漏れてる漏れてるｗｗｗ」

キモオタ３「やばいこれは孕んだかも知れんｗｗｗｗ」

メイド「……」

キモオタ３「……ふぅ、しかしこれからどうすっかなぁ。賢者タイムのお陰か思考がクリアだ」

キモオタ３「……正直、同じ女は飽きてきたなぁ」

キモオタ３「うおっと、俺氏、今凄いモテる男見たいな発言をしてしまうｗｗｗ」

キモオタ３「まぁそれはおいておいてｗｗｗｗ」

キモオタ３「まぁぶっちゃけると、そろそろ別の女が良いなぁってｗｗｗｗ」

キモオタ３「うんｗｗｗ勇者の力もあるし、そろそろ冒険にでも出てみるかｗｗｗ」

キモオタ３「王様もいずれは的にそれっぽい事言ってたし」

キモオタ３「一番乗りしたら何か貰えるかもなｗｗｗゲームとかだと一番最初か最後のどっちかは良い装備とか道具とか貰えるしｗｗ」

メイド（……勇者さま、冒険に、出るんだ）

メイド（やっと、この地獄のような時間から解放される……）

キモオタ３「ただ道中おっきしてしまった時が困るなぁ。あっ、そうだ、メイドも連れていこう」

メイド「……え？」

キモオタ３「よろしくよろしくｗｗｗ」

メイド「そん、な……」

キモオタ３「んじゃ王様に話つけに行かねーとなｗｗｗ」ﾀﾀｯ

キモオタ３「楽しくｗｗｗなってｗｗｗきたｗｗｗｗ」ﾀﾀﾀｯ

ｶﾞﾁｬ　ﾀﾀﾀｯ

キモオタ３「王様ぇ！　すげぇ装備用意しててくれよなーって、お前はｗｗｗ」ﾀッ――ﾋﾟﾀｯ

隣の席のオタ「お、おぉこれはこれは」

キモオタ３「お前、人の部屋の前でウロウロとは良い度胸だな」ｺﾞｱｯ

隣の席のオタ「いやいや、我輩はたまたま通りかかっただけですぞ」

キモオタ３「なんだそうなのか」ｼｭｳ

隣の席のオタ「男殿の事が気になって、少々調べ事を……」

キモオタ３「あーそういやあの厨二病、全然見ないよな。ずっと起きないまま死んでんじゃねぇのｗｗｗ」

隣の席のオタ「いえ、起きたことは起きてはおりますが、少々諸事情でもうこの城には居ないのですぞ」

キモオタ３　ﾋﾟｸｯ

キモオタ３「うん？　あいつ、もしかして一番乗りで冒険に出たんか？」

隣の席のオタ「冒険に出たというか、なんと言いますか」

キモオタ３「……そういやあいつ、どんな能力貰ったんだ？　ハーレム要員候補の神の巫女には会ったんだろ？」

隣の席のオタ「あ、会うことは会いましたが……」ｵﾛｵﾛ

隣の席のオタ「勇者の能力は、貰えなかった、ですな」

キモオタ３「……は、ははっ、マジかよｗｗｗｗ先に居なくなったって事はチート能力でも貰ったのかと思って一瞬ドキっとしたぜ」

キモオタ３「つか、能力無しって、ただのｻﾞｺじゃねぇかｗｗｗ」

キモオタ３「それで旅に出るって、アホじゃねぇのかｗｗｗ」

隣の席のオタ（……いや、確かに勇者の力こそ貰えてはいませんでしたが……）

隣の席のオタ（遠くが見えたり、壁を溶かしたり……）

隣の席のオタ（髪も真っ白になっておりましたし、ゲームで言えば明らかに隠し能力的な何かですぞ、あれは）

隣の席のオタ（とは言え、それを他の連中に言うのも……あまり良い事ではないですな）

隣の席のオタ（取り合えず、話題を変えるのですぞ！！）

隣の席のオタ「そ、そんな事より、キモオタ３殿は何を慌てていたのですかな？」

キモオタ３「あぁｗｗｗいや俺そろそろ旅に出ようと思ってさｗｗ」

隣の席のオタ「へ？」

キモオタ３「そろそろハーレム構築にも力入れねぇとさ」

キモオタ３「他のキモオタ連中と手を取り合ってハーレム作るのも嫌だしなｗ」

キモオタ３「あいつらと穴兄弟とか考えたくねぇ」

キモオタ３「王様もいずれは魔物の討伐？　とか言ってたし、簡単にＯＫ出るだろｗｗ」

隣の席のオタ「な、なるほど……」

疲れたので休憩(´･ω･`)

ほ

休憩しすぎた……(´･ω･`)

隣の席のオタ「……」

キモオタ３「そういや、お前はどうすんだ？」

隣の席のオタ「へ？　わ、我輩ですかな？」

キモオタ３「お前そういや鍛冶だっただろ力がさ」

キモオタ３「お前ってあんまりハーレムに手出して来なさそうだし、なんなら俺と来いよｗｗｗ」

キモオタ３「伝説の武器作って俺によこせｗｗｗ」

キモオタ３「俺のお古のいらなくなった女が出たらそいつとやってもいいしなｗｗｗ」

隣の席のオタ「は、ははっ……それはちょっと」

キモオタ３「おいおい、俺たち、友達、だろ？」

隣の席のオタ（……なんと言うか、異世界ではっちゃけていると言うか）

隣の席のオタ（最初はただ単にテンション上がっただけだと思っていましたが）

隣の席のオタ（何やらそれだけでは終わらない感じに最近なってしまったのですぞ……）

隣の席のオタ（こういう風になってしまったオタ仲間とは、あまり行動したくはないのですが……）

隣の席のオタ（しかし、我輩と違って、戦える能力。下手に拒絶して刺激するのも良くはないのですぞ……）

隣の席のオタ「そ、そうですな、じ、じゃあ少しばかり、考えておきます、かな……ははっ」

キモオタ３「ちゃんと考えとけよ？」

ｶﾂｶﾂ……

ｶﾂ……

隣の席のオタ「ぜ、善処するのですぞ」

キモオタ３「なら良いんだけどな……ん？」ﾋﾟｸｯ

キモオタ３「あれは……」

神の巫女「……あら、ご機嫌麗しゅう、勇者さま」

キモオタ３「これはこれはｗｗｗ俺に会いに来たのかなｗｗｗ」

神の巫女「いえ、通りかかっただけではありますが……」ﾋﾟｸｯ

神の巫女「……」ﾁﾗｯ　ｷｮﾛｷｮﾛ

隣の席のオタ（な、なんですぞ……。いきなり来たと思ったら周りをキョロキョロ……）

キモオタ３「あっ、そーなんだｗｗｗそうだ、そうそう、俺そろそろ旅っつーか魔物退治に行こうと思ってんだけどｗｗｗ」

キモオタ３「巫女さんも来る？ｗｗｗ大事にするよｗｗｗ？」

神の巫女「……見ていますね」ﾋﾟﾀｯ

キモオタ３「へ？　何がｗｗｗ？　あぁ、俺は毎日神の巫女さんの事見てるけどさｗｗｗ」

キモオタ３「凄い美少女だしｗｗｗ」

神の巫女「……しかし、、やはり微弱な力。掠れて観える程度でしょうか。本来の片魔眼の千里を見通す力には程遠い……」ｽｩ

神の巫女「……一部でしかない力さえ使い方がなっておらず……。所詮は小僧」

キモオタ３「うん？ｗｗｗ　何してんの？　あっ、俺の事祝福でもしてくれるとか？ｗｗｗ」

隣の席のオタ「……」

神の巫女「――」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

ﾊﾞﾁﾞｨｯ……

キモオタ３「――お、おうっ、なんの音、だ？」ﾊﾞｯ

隣の席のオタ「い、今の音は……」

神の巫女「チッ、眼を閉じたな、クソガキ……」ﾎﾞｿｯ

神の巫女「……いえ、しかし大体の場所は分かりましたし、これはひとつの収穫でしょうか」

キモオタ３「おいおいｗｗｗ今のなんなのよｗｗｗｗ」

神の巫女「えっ？　あっ、いえ、なんでもございません。これは失礼を……」ﾍﾟｺﾘ

キモオタ３「そっかｗｗｗってか、いいっていいって頭なんか下げなくてもｗｗｗｗそれより、俺と旅に出てくれたりすんの？ｗｗｗ勇者である俺とｗｗ」

神の巫女「はい？　何のお話でしょうか？」ｷｮﾄﾝ

キモオタ３「うはｗｗカワイイｗｗｗって違う違うｗｗｗ今さっき言ったじゃんｗｗｗ俺そろそろ魔物退治とか冒険とか出ようかなーってさｗｗｗ」

神の巫女「……魔物退治。……なるほど」

キモオタ３「そうそうｗｗｗだから俺と来てよｗｗｗそしたら俺のテンション更に上がるしｗｗｗｗ」

キモオタ３「大丈夫大丈夫ｗｗｗ危険な目にあっても絶対俺が守るからｗｗｗｗ」

神の巫女「……まぁ、良いでしょう」

キモオタ３「おっ、話分かるｗｗｗ」

神の巫女「ただし、二つ条件があります」

キモオタ３「うん？」

神の巫女「最近、少々手ごわい魔物が出没するという地域があります。そこの魔物のボスを倒せると言うのであれば」

神の巫女「最低限の力量があると認め、冒険についてゆきましょう」

キモオタ３「もう一つの条件は？ｗｗｗｗ」

神の巫女「倒す事が出来た時にお話しましょう」

キモオタ３「ＯＫＯＫｗｗｗｗ」

キモオタ３「イベントきたこれｗｗｗｗうっしゃｗｗｗｗ」

隣の席のオタ「……」

隣の席のオタ（力を貰っておいてなんですが、この神の巫女さん）

隣の席のオタ（どうにも我輩は胡散臭く感じるのですぞ）

隣の席のオタ（男殿への対処を見る限り、きな臭いのですぞ……）

隣の席のオタ「キ、キモオタ３殿――」

キモオタ３「そうと決まれば早速王様の所だぜｗｗｗ」ﾀﾞﾀﾞｯ

隣の席のオタ「ま、待つのですぞ！！」

神の巫女「……」ｼﾞｯ


………
……
…


男「――ちっ、バレたか」

忍爺「どうしたのだ」

男「いや……少し」

男（……そう言えば前に違う場所が見えたよな、と思って見ようとしたら）

男（わーお城の中が見えてしまった。……ただ、掠れてたけど……。遠いから掠れてたんだろうか？）

男（……いまいち使い方が分からないんだよなぁ）

男（しかしあの女、気づきやがった。なんか変な言葉を喋ってたような気がするが……）

男（大丈夫、だよな？　うん、大丈夫だろう多分）

男「……さて、俺の事より前に言ってた頼みってなんだろうか。まだ夜じゃないが、そろそろ日も落ちそうだし」

忍爺「あの子も食料を取りに行かせて、今はおらん。……そうじゃな。今のうちに言っても良いかも知れんな」

男「――あっ、そうだ。ちょっと待ってくれ、一つ」

忍爺「な、なんじゃ？」

男「……そういや、ここから城までってどんぐらいの距離あるのか、出来れば聞きたいんだけど」

男（この眼で見れる有効範囲って知っておきたいしな）

忍爺「城……？」

男「……うん？」

忍爺「……はぁ、ワシらはそもそも旅の者だと言っただろうに」

忍爺「城と言われても、どんな城かも分からんと答えられん」

忍爺「知っているとも限らん。……ちなみに、なんと言う城だ？」

男「……」

男（やべっ、そういえばあの城ってなんて城なんだ？）

男「わかんねぇ」

忍爺「それじゃあワシも答えられん」

男「……それもそうだな。話の腰を折って悪かった。で、改めて頼みってなんなんだ？」

忍爺「うむ……。お主に頼むのは――」

男「……最初にも言ったけど、まず聞くだけな」

忍爺「……まぁそれでも良い。お主はきっと受けてくれると、そうワシは思っている」

男「……」

忍爺「ワシの命はもう長くはない」

男「……うん？」

忍爺「薬で誤魔化し誤魔化しここまで来たのだが」

忍爺「あと、どれぐらい生きれるか」

男（……そんなに悪いのか）

男（まぁ吐血した時点でやばいような気はしてたが）

男「……なるほど」

男「んで、その今際の際の爺さんが俺にしたい頼み事とは？」

男「……なんでも治る奇跡の薬でも探して欲しいとかか？」

男「……生憎だけど、俺はそんなのは知らないからな」

忍爺「……そんな事は言わんよ」

忍爺「これも、寿命じゃろう。ワシはそれを受け入れるつもりであるし、ゆえに仮にそのようなモノがあったとして、使わん」

男「……その割には普通の薬は持ってるようだけど？」

忍爺「……それは、ただただどうしても心残りが一つあるからじゃ。そして、それこそがお主へのお願いの本質じゃな」

男「……」

忍爺「ワシが死んだ後、あの子を、頼みたいのだ」

男「……は？」

忍爺「あの子には、ワシの持てる限りの技術は教えてある」

忍爺「しかし、まだ未熟も良い所」

男「賊との戦いを見た限りだと、凄く強く思ったけど……」

忍爺「……あれくらい、本来ならばもっと手早く確実にやれねばならなく」

忍爺「ゆえに、ゆえになのだ。今しばらく、もうしばらく、あの子は一人で居てはいけない」

忍爺「……一人で、一人で生きていけるまでは」

男「……過保護だなぁ」

男「別にそこまでしなくても」

男「顔は良いんだし、適当に良い男でも捕まえて暮らす方法でも教えてやればいいだろう」

忍爺「……それは出来ぬよ。出来ぬ。出来ぬからこそ、でもあるのだ」

男「……」

忍爺「あの子はのう、実は半分人間ではないのだ。だからこそ、そのような暮らし、もしも秘密がバレてしまった時が恐ろしいと言うもの」

男「……半分、人間ではない？」

男「……もしかして、爺さんの実の孫じゃなかったりするのか？」

忍爺「いいや、実の孫である事に変わりは無い」

忍爺「ただ、ワシの息子が、鬼の女と愛し合ったのだ」

忍爺「そして、あの子が産まれた」

忍爺「しかし、鬼の一族と人間は決して相容れることはない」

忍爺「妖と人であるのだから、当然ではあるのだ。滅ぼしあう仲」

男「……」

忍爺「ゆえに、ワシの息子への風当たりは強く」

忍爺「里より離れ隠れ住んで居たと言うのに、終には殺されてしまった」

忍爺「……それは大義名分の下で行われ、その事実を、殺される事を事前に察した息子とその嫁である鬼が」

忍爺「ワシにあの子を託しおったのだ……」

忍爺「……あの子は人の世界に生きる事も、鬼の世界で生きる事も出来ぬ」

忍爺「どちらにも拒絶されるじゃろうし、それにそもそも、鬼は既に存在しておらなんだ」

男「……うん？　存在していない？」

忍爺「うむ。里の者は息子たちを殺した後、勢いに任せ、とうとうは鬼を滅ぼしおったのだ……」

男「……」

忍爺「ワシはその光景を見て、逃げねばなまるいと思った」

忍爺「遠くへ、遠くへと」

忍爺「……ただでさえ、息子がそうだという事で、ワシへの風当たりも強かったのだ」

忍爺「あの子の存在がばれれば、ワシ共々処分されてしまうじゃろう」

忍爺「若かりし頃ならばともかく、今のワシには里の人間全てを相手にする力は残っておらなんだ」

忍爺「いや、仮に残っていたとしても、それなりに情はある」

忍爺「向こうにはなくとも、ワシにはあるのだ。殺すなど、出来はしない」

男「……」

忍爺「……あの子は、一人で生きていかねばならないのだ」

忍爺「事情を知る者の居ない地で、頼る場所も無く」

忍爺「……しかしそんな折に、お主と出合った」

男「なんで俺が出てくるんだ」

忍爺「その眼、あの賊の驚きよう。魔法を燃やすあやしげな術――」

忍爺「――ならばこそ、お主はあの子と似たような事情を抱えておるのではないか？　半分人ではない存在なのではないか？」

男（……）

忍爺「……であるなら、あの子の理解者となって欲しいのだ」

忍爺「わしらと似た顔つきである事も、あの子には多少なりともの救いにはなる」

忍爺「この西の地は、ワシらとは随分と違う人々ばかりじゃからのう……」

男「……ふむ」

男（……う、う～ん。なんつー重い話だ。けどまぁ）

男「……言いたい事は理解した」

忍爺「そうか。であるならば」

男「――おっと、ただ、残念だけど、俺は人間だ」

男「半分そうじゃないって事も無い」

男「この眼はたまたまこうなったに過ぎないし、ついでに、まだ受けるとも言ってない」

忍爺「……」

男「だから当然理解者にはなってあげられないだろうし」

男「そもそも、あの子がそれを良いと言うかどうかも分からない」

男「……まぁこういうのもなんだけど」

男「俺見たいなどこの馬の骨とも知れないヤツに言うより、自分が長生きする方法を考えて、一人前になるまで自分で見る、くらいの気概を持ったほうがいいんじゃない」

男「大体、俺は強くない。弱い」

男「下手したら、逆に俺のせいであの子が危険な目に合うかも知れない」

男（……あの逃亡劇を考えれば、確実に俺はお尋ね者になるだろうしな）

男（いや、もうなってる、か？）

忍爺「……それでも、じゃ」

忍爺「ワシはお主に頼みたい」

男「う～ん。なんと言うか、そもそもとして出会ってそんなに経ってないのによく信じるなぁ」

忍爺「そういう言葉が出てくるからこそ、信じられるものでもあるのだ」

男（……）

男「……まぁ、考えてはおくさ」

忍爺「ほっほっほ、そう言ってくれると思っておったわい」

男「だから受けるとは言ってねぇ」

男「気が向いたら……くらいなもんだよ」

忍爺「それで良い、それで……おっと、帰って来たようじゃ」ｸﾙｯ

ﾀﾀﾀｯ
ﾀﾀﾀ

忍少女「爺様！！　とってきたぞ！」ﾀﾀﾀｯ

忍爺「ほっほっほ、大猟じゃのう。ウサギに狸に……この木の実は」

男（げっ、あれは腹が痛くなって熱が出る木の実じゃねーか……）

忍少女「あいつに食わせてやろうと思って」ﾁﾗｯ

男「俺を殺す気か」

忍爺「ほっほっほ、魔物には出会わんかったかのう？」

忍少女「少し居たけど、全て殺して来た」

忍爺「それでこそ我が孫じゃ」

男（……もう一人でやっていけるんじゃないの、この子）

男（逆に俺が足手まといになるだろ絶対に――って、ん？）

忍少女「食え」ｽﾞｲｯ

男「えっと、その木の実はちょっと俺の口には――むぐっ」

忍少女「好き嫌いはするな。まぁ私は絶対食べないがな」

男　ｵｪｴｴｪｪ

忍爺「ほっほっほ、楽しいのう……」

ごめん寝ます
見てくれた人がいるかどうかは分からないけど
居たら見てくれてありがとう！

おっつおっつ

おつー

(・ω・｀)乙

支援

ほ

ただいま(´･ω･`)
今から続き書くます(´･ω･`)

忍少女「……爺様、最近良く笑う。楽しいなら、それが良い」

男「お、俺は楽しくねぇよ……なんなの、俺の事が嫌いなの？」

忍少女「……どっちかと言うと嫌いだ」

男「ハッキリ言うな……」

忍少女「爺様が久しぶりに良い笑顔をしている」

男「うん？」

忍少女「だから嫌いだ」

男「意味不明なんだけど」

忍少女「ふんっ」ﾌﾟｲｯ

男「……ねぇ？」ﾁﾗｯ

忍爺「いやはや、楽しいのう」

男（……）

男「まぁいいけどさ、別に」

………
……
…

一週間後


男「……大体二週間くらい、か？」

男（案外早くそれくらい経つもんなんだな……。でもって事はそろそろ）

忍爺「ほれ、街が見えてきたぞい」

忍少女「そのようだ」

男「おおう、あれか」

忍爺「さて、それでは街に入るわけじゃが……お主は」ﾁﾗｯ

男「最初に言った通りだ。俺は街に入らない」

忍爺「では、ワシの頼みごとはどうなるのかのう」

男「……だから受けるとは言ってない……けどまぁ、しばらくは外をウロウロしてるかな。爺さん達が街を出るくらいまで」

忍爺「ほっほっほ、そうかそうか。しかし、ならば共に入れば良いだろう」

忍爺「宿代くらいならば、出そうではないか」

忍少女「じ、爺さま、そこまでする必要があるのか？」

忍爺「安いものだろう」

忍少女「何が？？？」

男「……悪いんだが、事情があるんだと言っただろうに」

忍爺「……わしはお主を信じた。お主もわしを信じるくらいしても、罰は当たりせんぞ」

忍爺「どのような事情か、話して見ても良いのではないか？」

忍爺「まぁ言われずとも、薄々の予想はついておるが」

男「……」

忍爺「その眼、じゃろうよ」

男「……その通りだよ」

男「分かった、分かった言う」

男「……なんと言うかこの眼はあまり良くは無いものであるらしくて」

忍爺「らしい？」

男「だから、前にも言ったけど、たまたまこうなっただけなんだ」

男「最近までそうでも無かった。こうなってから、この眼になってから」

男「あまり人には好まれないらしい。まぁ元から好まれるような人間でもないけど」

男「とにかく、面倒ごとは極力避けたい」

忍爺「……ほっほっほ、なるほどのう。しかし……であれば……そうだのう、お主髪が少々長いのう」

男「それが？」

忍爺「なんとかしてあげなさい」ﾁﾗｯ

忍少女「へ？　わ、私がか？」

忍爺「そうじゃ。お前は櫛も持っておっただろう」

忍爺「片眼だけ隠れるように出来んか？」

忍少女「……そ、それは」

忍少女「く、櫛は父さま母さまからの、最後の贈り物なんだ」

忍少女「それを使うなんて……」ﾁﾗｯ

男「……別に俺は街に入れなくても構わないっての」

男「あんたらと居たお陰で、野宿もだいぶ覚えた。感謝してる」

男「それに、良い事を聞いた。今度から人前に出る時は、髪で片方だけ眼を隠すようにしよう」

男「まぁ、見辛くなるのは勘弁だから、そうそうしないとは思うけどな」

忍爺「……どうせするのなら、きちんとしたほうがええ。小汚く思われても、嫌じゃろう」

忍爺「……のう、我が孫よ。どうしても駄目かの？」

忍少女「……」

忍少女「じ、爺さまが、ど、どうしても、と言うなら……」

忍爺「ならば、どうしても、じゃ」