大井「私と北上さんは無敵です!」 (39)

このSSは

吹雪「大和さんの料理は美味しいです!」

比叡「この私比叡は所謂メシマズレッテルを貼られている」

加賀「小腹が空きました」

睦月「ねえねえ夕立ちゃん」

の続編ですがわざわざ検索しなくても話はわかります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432394022

ちょっと黒い大和&添えるだけの吹雪&ゲスト艦が淡々と料理します。

マジキチではありません。

大井「ふふん♪私と北上さんならこんな海域楽勝ね!」

北上「油断するのはまだ早いよー大井っちー」

大井「大丈夫ですよ!あと残ってるのは駆逐イ級と大破の雷巡チ級だけですし!」

大井「近づいて一気に決めるわよ!」

北上「あっ!ちょっと待って大井っち!」

チ級「.....」(無言の攻撃)

ドンドン!

大井「ふん!こんな攻撃かわすのなんてわけな.....」

大井「(痛っ!?)」

大井「(い....今迄の戦闘のせいで足にダメージが.....?)」

大井「(ま.....まずい!この距離じゃ確実に直撃しちゃう!距離を詰めすぎた!)」

北上「大井っち!危ない!」ドン!

大井「北上さん?!きゃっ!」バシャ

チュドーン!

大井「そ.....そんな.....私を庇って.....き....北上さん......!」

北上「よかった大井っち......怪我は無かったみたいだね.....無事で安心した......よ......」ガクッ

大井「き.....北上さん.....ごめんなさい.....。お願い......目を開けて......」


大井「北上さーーーーん!!!!」



ー提督室ー

大井「き....北上さんは.....北上さんは大丈夫なんですか?!」

長門「何度も言っているだろう。大破状態での被弾ではないから命に別状はない」

長門「ただ当たり所が悪かったせいか相当深手を負っていてな.....疲労もかなり溜まっている」

長門「北上には今日しばらく入渠に専念してもらうことになるだろう。」

大井「そ......そんな.....」

長門「お前もしばらく休暇を取れ。お前と北上は最近頑張り過ぎていたぐらいだからな。お互い休めるいい機会だと思った方がいい」

大井「わ.....わかりました... 」

長門「話は以上だ。自室に戻ってゆっくりするといい」

大井「.....はい.....」トボトボ

ガチャン

長門「ふふ♪さっきのカッコよかったかなあ?『有能だけど気も遣える上司』って感じで話したんだけど〜」

猫「?」

長門「よお〜〜〜〜しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」 ナデナデ

長門「とってもとってもとってもとってもキャワイイでちゅねえええええええええええ!」 ナデナデ

吹雪「失礼します!駆逐艦吹雪及び戦艦大和!秘書艦長門の伝令を受けて来まし......た.......」

長門「」

吹雪「」

大和「」

長門「あ....ああ....済まなかったな突然呼び出して」(滝汗)

大和「ね.....猫飼ってたんですね....長門秘書艦.....」

長門「ま....まあ艦隊にも癒しは必要だからな.....」(滝汗)

大和「(吹雪ちゃん....私達は何も見なかった。いいですね?)」ヒソヒソ

吹雪「(り....了解です....)」ヒソヒソ

大和「それで...ご用件とは?」

長門「北上が大破したことは知っているな?」

吹雪「ええ.....大井さんを庇ったと伝聞で見ました。」

長門「そのせいで大井は精神的にもかなり参っているみたいでな。一応休暇は出したんだがこのままでは復帰後も艦隊に影響が出かねない。」

長門「お前達には大井のケアを頼みたいのだが......」

大和「うーん.....私達はそれほど大井さんとは親しくありませんし.....私達が変に関わることで余計に彼女を追い詰めそうな気がするんですが.... 」

大和「それなら私達よりも姉妹艦である球磨さん多摩さん木曽さんの方が適任ではありませんか?」

長門「私もそう思ったんだが生憎球磨と木曽は出撃、多摩は遠征任務に参加していてな。」

長門「一応このことは既に伝えてはいるが3人が帰ってくるのにも時間がかかる。だからお前達を呼んだわけだ」

吹雪「わ...私達にできるんでしょうか...?」

長門「.....これでもお前達を買ってのことなのだ。頼む」 ペコリ

大和「.....わかりました。長門秘書艦にそこまでされたらやらない訳にはいきませんね。やるだけのことはやってみます」

吹雪「わ....私も頑張ります!」

長門「負担をかけるような頼みをして済まないな」

大和「じゃあ後で大井さんの所に行ってみますね。では私達はこれで.....」スタスタ

ガチャン


長門「はあ〜緊張したあ.....でも二人が頼みを引き受けてくれて良かったあ。私だってこれでも北上と大井を心配してるんでちゅよ?」

猫「?」

長門「よおおおおおしよしよしよしよしよしよしよしよし」 ナデナデ

長門「よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデ

吹雪「あ!それと一つ聞き忘れてたことがありました!明日の遠征のメンバーについてなん.......です....が....」ガチャン

長門「」

吹雪「」

ー大井の部屋ー

大和「部屋の前まで来たはいいですけど.....どう話しかけましょう?」

吹雪「と....とりあえず北上さんの話題にはあまり触れない様にしましょう.....当たり障りの無い挨拶から始めて.....」

吹雪「......自分で言ってて自信無くなって来ました.....」

大和「まあどうしていいのかわからないなら仕方ありません。相手の様子次第で出たとこ勝負ですね」 スッ

吹雪「あっ!ちょっと待って下さい大和さん!」

大和「大井さん?居ますか?」ガチャン




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

吹雪「うっ?!この重苦しい空気は一体?!というかこれ空気というより瘴気じゃないですか?!」

大和「どうやら大井さんはこの中に居るようですね.....そしてどんな状態なのか容易に想像がつきます」

吹雪「こんな空気吸い続けたらこっちまで心が荒みそうです!」

大井「キタカミサンキタカミサンキタカミサンキタカミサン」

吹雪「い....居ました!部屋の一番奥にいます!」

大和「こうなったら腹括りますよ、奥へ進みましょう。吹雪ちゃんは念のため連装砲を装備した方がいいかもしれません」

大和「この瘴気に感染した大井さんが襲って来るかも知れませんし」

吹雪「そんなバイOハザードみたいな」


大井「キタカミサンキタカミサンキタカミサンキタカミサン」

吹雪「あ....あのー....大井さん?」

大井「......ふふ....誰かしらぁ?私と北上さんの部屋に勝手に入ってくる人は....?」 グリン

吹雪「(ひいっ!ホントに襲って来そうです!)」ヒソヒソ

大和「(軽くホラー映画出れますねこれ)」ヒソヒソ

大井「......北上さん......?もしかして北上さんなの?!」

吹雪「......へ?」

大井「キタカミサンキタカミサンキタカミサンキタカミサン」

吹雪「あ....あのー....大井さん?」

大井「......ふふ....誰かしらぁ?私と北上さんの部屋に勝手に入ってくる人は....?」 グリン

吹雪「(ひいっ!ホントに襲って来そうです!)」ヒソヒソ

大和「(軽くホラー映画出れますねこれ)」ヒソヒソ

大井「......北上さん......?もしかして北上さんなの?!」

吹雪「......へ?」

またミスりました
※15は無しで

大井「....北上さん?!大破したはずじゃ?!どうしてここに?!自力で修復を?!」 ユラア

吹雪「え?!ち.....ちょっと....」

大和「(無言の腹パン)」

大井「うっ?!」 ドサッ

大和「彼女は北上さんではありません」

吹雪「大和さん?!大井さん大丈夫なんですか?!」

大和「恐らく吹雪ちゃんを北上さんと見間違えたのでしょう。相当精神ダメージを負っているみたいです」

大和「さて....少々手荒になってしまいましたが大井さんを私の部屋まで運びましょう。こんなところにいては心が荒むのも当然ですしね」 スタスタ

吹雪「.......」

吹雪「(任務失敗したら別の鎮守府に左遷......最悪クビで再就職かなあ....)」

ー数十分後ー

吹雪「大和さん!大井さんが目を覚ましました!」

大井「う......ここは?」

大和「気付いたようですね。部屋の空気があまりにも淀んでいたので私の部屋まで運ばせて貰いました」

大井「.....そもそもどうしてあなたたちが私の所に?」

吹雪「長門秘書艦から頼まれたんです。大井さんのサポートをしてくれって」

大井「......全く....揃いも揃って余計なことを.....」

吹雪「元気出して下さい大井さん.....北上さんが大破したのは大井さんだけのせいじゃありませんよ」

大井「うるさい!そんなとってつけたような言葉で慰めてられても何も響きません!」

大井「それに北上さんだって私のことを嫌いになったに違いないわ!私が突っ走ったせいで自分が傷つくはめになったんですもの!」

吹雪「.....そんなことありません!大井さんのことを親友と思ってるからピンチの時に大井さんを庇ったんだと思います。」

吹雪「それに....こんなことで嫌いになるぐらいなら今迄親友で居られる筈ないじゃないですか!」

大井「!」

大和「(やっぱりこういうメンタル的な問題は吹雪ちゃんの方が適任ですね)」

大井「.....私....北上さんに会いたい.....会って一言お詫びがしたいわ....」

吹雪「大井さん....」ホッ

大井「そうだわ!ドックに行くにしても何か手土産を持って行った方がいいかも...ドックの中は暑いから出来れば甘くて冷たいものの方が.....」

大和「....でしたら私がプリンの作り方をお教えしましょうか?さっき言った条件にぴったりですし」

大和「北上さんも手作りのものの方が喜んでくれるかも知れません」

吹雪「いいですね大和さん!私達と一緒に作りましょうよ大井さん!」

大井「大和さん....あなたが他の艦娘に料理を前から教えていたのは知ってました....」

大井「でも私自身特筆して料理が上手いわけではありません。それでも美味しく出来ると保証してくれるのかしら?」

吹雪「大井さん.....」

大和「ご心配なく!味はそこらの市販品より美味しく出来ると保証しますよ」

大井「.....わかったわ....あえて口車に乗ってあげる.....でも北上さんの口に入るものだから.....不味かったら承知しないわよ!」

吹雪「それでは始めましょう大和さん!」

大和「はい!今回の材料はこちらです!」

蒸しプリン 3人分
牛乳200〜300ml(豆乳や低脂肪乳でもOK)
卵 2個
砂糖 大さじ3〜4杯(好みによって調節)
バニラエッセンス 数滴(なくても良い)
マグカップ等の耐熱容器×3

カラメルソース 3人分
砂糖 大さじ2杯
水 70ml

大井「....これだけ?意外と材料は少ないのね?それにプリンならゼラチンが必要だと思うけど....」

大和「今回はゼラチンや寒天は一切使いません!卵液の成分だけで固める王道のプリンを作ります!」

吹雪「すごく本格的ですね!」

大和「まずプリンの材料となる牛乳 卵 砂糖 バニラエッセンスを泡立て器で完全に混ざるまでかき混ぜましょう」

大和「ここで豆知識ですがプリンは牛乳の量を多くすればするほど柔らかく優しい味わいになり」

大和「少なくすればする程どっしりと濃厚なプリンになります」

吹雪「牛乳が200ml〜300mlって書いたのはそのためなんですね!」

大和「ただし200mlより少なくすると固くなり過ぎるし300mlより多いと今度は固まらなくなる可能性があるので注意が必要です」

吹雪「しっかり混ざりました!」

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大和「そしたらざるで一度こして別の容器に移しましょう!この手順がプリンの滑らかさを決めます。 」

大和「これで第一段階は完了です!」
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大井「私は何をすればいいかしら?」

大和「大井さんにはカラメルソース作りをしてもらいます。火加減が少し難しいので注意して下さい」

大和「まずフライパンに大さじ二杯の砂糖を入れたらヘラで固まりを砕きながら中火で茶色い液体になるまで熱を加えましょう」

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大井「こ....こうかしら?」

大和「その調子です!1〜2分したら砂糖が液体になっていくのでそのまま砂糖を平らにしていきましょう」

ー数分後ー
大井「砂糖が茶色くなってきたわ。いい香り.....」

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大和「では火を止め水を70ml入れましょう。水を入れると熱いのが飛ぶので気をつけて下さい。」

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大和「そしてカラメルソースを均等にマグカップに入れた後に空気が入らないようにゆっくりプリン液を入れたら第二段階は完了です!」

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吹雪「あとはこれを熱湯を敷いた天板に入れて焼けば完成ですよね?」

大和「ふふ....吹雪ちゃん....勉強はしてるようですが惜しいですね...今回はフライパンを使って蒸していきます!」

大井 吹雪「ふ....フライパン?!」

大和「それでは最終段階に入りましょう!あらかじめ空気を抜くためにカップは揺すっておきましょう!」

大和「フライパンでカップが半分程浸かる量の水を沸騰させた後一旦火を止め」
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大和「そこにプリン液が入ったカップを入れます。蓋やアルミホイルをカップに被せ最小火力で15分、その後火を止め10分放置すればプリンは固まります」
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ー25分後ー

吹雪「おお!ちゃんと固まってますね!」

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大井「卵と砂糖の甘い香りが堪らないわ....これなら北上さんの口に入れても大丈夫そうね.....ふふ」

大和「後はこれを冷蔵庫で冷やせばプリンの完成です!」


ー1時間後ー

大和「そろそろいい頃合いでしょう。プリンの中央に穴を開けた後お皿にひっくり返せば完成です!」

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吹雪「ちゃんとカラメルの色がプリンについてますね!美味しそうです!」

大井「...もう私我慢できないわ.....北上さんの所に行ってきますッ!」

吹雪「あっ!大井さん!」

大和「走る元気があるんですから大丈夫ですよ。後はお二人次第です」

大和「私達もプリンを食べましょう!」

ー入渠ドッグー

北上「ふー.....傷と疲労は大分回復したねー。にしてもドックは暇だよー」

大井「北上さーん!」ドドドド

北上「うお!どうしたの大井っち?そんなに慌てて」

大井「ごめんなさい!私が先走ったせいで北上さんが大怪我をすることになってしまって.....」

北上「あー.....そんな必死こいて謝らなくてもいいよお。戦闘だから大破することだってあるし」

北上「それに困った時はお互い様でしょ?親友なんだからさ」

大井「き.....北上さん!」



北上「ふふふーもしかして私に嫌われたとでも思った?」ニヤニヤ

大井「えっ?!そそそそそそそんなことないですよ!」

北上「(こりゃあ図星だねえ)」ニヤニヤ

北上「ところで手に持ってるそれは何ぃ?」

大井「これは....北上さんへのお詫びにと吹雪さんと大和さんが教えてくれたプリンなんです。北上さんのお口に合うかどうか.....」

北上「へー.....あの二人が...じゃあお言葉に甘えて貰っちゃおうかな〜」

大井「どうぞ北上さん!あーんして下さい!」つスプーン

北上「あーん(・Д・)」モグモグ

北上「これすごく美味しいよお。甘くてどっしりしてる。大井っちも食べてみなよ?」

大井「じゃあ私も頂きます.....ホントですね!口の中で牛乳の濃厚さが広がります!」パクパク

北上「ちょっとお!私の分もちゃんと残しといてよお?」

大井「はっ!すっすみません!」

北上「全く大井っちったら〜.....ふふふ〜」

大井「クスッ.....ふふふ.....」

北上「.....やっぱあたしらって仲良いねえ〜」

ー翌日ー

北上「完全復活ぅ!アルティメット北上様だよー!」

大井「太陽を背に!さすが北上さん!そこに痺れる憧れるぅ!」

木曽「.....長門秘書艦から二人の状況を聞かされた時は何事かと思ったけど」

多摩「どうやらただの杞憂みたいだにゃ」

球磨「全く....心配掛けさせるクマ....」

北上「そうだー!あたしら今休暇貰ってて暇なんだー!たまには球磨型全員で夕食でもどう?焼肉とかさあ?」

球磨 多摩 大井 木曽「賛成クマ!」にゃ!」です!」だ!」



吹雪「...とりあえず元通りに戻れたみたいですね」

大和「よく頑張りましたね。長門秘書艦もホッとしてますよ」

北上「あーいたいた!吹雪ー!大和さーん!」スタスタ

吹雪「?どうしたんでしょう北上さん」

北上「いや〜あたしがぶっ倒れてる間に大井っちが迷惑掛けちゃったみたいだねー....ありがとね二人とも。これ間宮さんの甘味ね」

大和「いえ.....私達はただ任務をこなしただけです....でもありがたく頂きますね?」

球磨「そろそろ行くクマー!置いてくクマよー!」

大井「あっ!あの二人北上さんに色目を遣ってるんじゃないの?!」

北上「....これ以上は面倒臭そうだからそろそろ行くね。じゃ!またね!」スタスタ



吹雪「......北上さんも北上さんで大変ですねえ......」

大和「まあ......相手を好きになるのは良いことですが......愛が重すぎるというのも......考えものですね」

ー艦ー


終わりです。今回も完走は出来ました。
見てくれた方々ありがとうございました。

乙!

おつー
和んだ

唐突に始まる飯テロに草

おつでした

相変わらずレシピがガチすぎて安心したw

真似て牛乳少な目で作ってみたら確かにどっしりしてて食べごたえがあってうまかったわ
できたてのあったかいのも市販品とは違っていいなこれ

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