ほむら「初日にまどかが死んだ」 (176)
さやか「まどかぁぁぁぁぁ!!」
仁美「うっ…まどか…さん」
絢子「…親不孝な奴め」
たっくん「…あー?うー?まろか?」
和子「…ひっ、う、ぐす…」
ほむら「…さて、今回も今回とて頑張ろうかしら」
ほむら「…今回こそ救えるといいわね…」
ほむら「目を良くして」
ほむら「行きましょうか」
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和子「…」
和子「…」
和子「中沢くん…」
中沢「…はい?」
和子「…卵焼きにはソースですか?お醤油ですか?」
中沢「…どっちでもいいんじゃ」
和子「それもそうですね」
和子「…じゃあ、転校生を紹介します」
ほむら(…さて、まどかとの初対面)
ほむら(正直何回目かわからないけれど頑張って好印象を与えるわよ)
ほむら(…あれ?)
ほむら(…まどかが見当たらないわ)
ほむら(…今日はお休み?珍しい時間軸ね…)
ほむら「…暁美ほむらです、よろしく」
ほむら「…」
ほむら(…おかしいわね、いつもみたいにざわつかないわ)
ほむら「…あの、先生、どこの席に…」
和子「…あぁ、中沢くんの隣に座ってくれる?」
ほむら「は、はい」
ほむら(暗ぁ)
ほむら(…お、おかしい)
ほむら(…普段なら私の都合なんて考えずに質問是目にあうのに)
ほむら(どうして今日に限って何もないのかしら?)
ほむら(…なんかすすり泣きも聞こえるし)
ほむら「…あの」
さやか「…うっ…ぐす…え?」
ほむら「…鹿目、まどかさんは居るかしら?」
さやか「…!」
さやか「…居ないよ」
ほむら「…そう」
さやか「…あんた、まどかの知り合い?」
ほむら「…そう、ね」
ほむら「彼女は私のことを知らないとは思うけれど」
ほむら「私は彼女を知っているわ」
さやか「…そっか」
さやか「…」
ほむら「ど、どうしたの?」
さやか「今日の放課後、会いに行こうか」
ほむら「…?」
放課後
ほむら「…」
ほむら(怪しまれそうだから何も言わないけど)
ほむら(…こっちはまどかの家じゃないわよね)
さやか「…ここだよ」
ほむら「…え?」
さやか「着いてきて」
ほむら「…待って、冗談はやめなさい」
ほむら「…ここは…」
さやか「いいから」
ほむら「…」
さやか「…これがまどかだよ」
ほむら「…ふざけてると…」
さやか「…まどか」
さやか「まどかぁ…!」ポロポロ
ほむら「…嘘」
ほむら「…嘘よ」
さやか「…嘘じゃないよ」
ほむら「…こんなの、ありえないわ」
さやか「…まどかは…あんたが来る前日に…死んだよ」
さやか「…綺麗でしょ?」
さやか「…私が見つけたときは、酷かったんだから」
ほむら「…嘘よ」
ほむら「だって、まどかは…」
さやか「嘘じゃない!」
さやか「まどかは死んだんだ!」
さやか「私が見つけた時には、もう」
さやか「半分も残っちゃいなかった!」
ほむら「…ーーー!」
ほむら(…半分)
ほむら(それが何を意味することなのか)
ほむら(…私にも、分かる)
ほむら(…だって、彼女は)
ほむら(…顔の左側しか見えてないんだもの)
ほむら(…死んだ)
ほむら(私の守るべき、私の大好きな彼女は)
ほむら(ワルプルギスに殺されるでもなく)
ほむら(魔女になって死ぬでもなく)
ほむら(…ただの事故で死んだのだ)
ほむら「…」
ほむら「…皮肉ね」
ほむら「…守るべきあなたがいない」
ほむら「いる意味のない時間軸だと知ってなお時間を巻き戻せない私は」
ほむら「…さぞ、滑稽よね」
ほむら「…!」
ほむら(…そして、この状況もまた)
ほむら(…私を嘲笑っている)
ほむら(…憎たらしいわね…魔女…!)
ほむら「はぁっ!!!」ドドドド!!
ほむら(…こんなのただの八つ当たり)
ほむら(…虚しいだけなのに)
ほむら(…どうして死んだの?)
ほむら(…まどかぁ…!)
「…魔女狩り中に考え事?」
「危ないわよ?」
ほむら「…巴マミ…」
マミ「え?私を知っているの?」
ほむら「…」
ほむら「…ええ、とっても」
ほむら「…」
マミ「余計なお世話だったかしら?でもあなたすごく危なっかしいから」
ほむら「…そう」
マミ「…どうして私のことを知ってるのかは聞かないけれど」
マミ「とりあえずその銃をしまってくれるかしら」
ほむら「…」カチャッ
マミ「…?なんでないてるの?」
ほむら「…!」
ほむら「…な、泣いてなんか…!」
マミ「…ふふふ、うちへ来る?」
ほむら「…結構よ」
マミ「そう言わないで、ケーキ、作り過ぎちゃったの」
マミ「…はい、どうぞ」
ほむら「…ありがとう」
マミ「…暗いわね、何かあったの?」
ほむら「…」
マミ「同じ魔法少女なんだから少しくらい話してくれてもいいじゃない?」
ほむら「…出会ったばかりじゃない」
マミ「そうね、だけど」
マミ「不思議と他人の気がしないわ」
ほむら「…」
ほむら「…友達が、死んだの」
ほむら「…大好きで、誰よりも大事な友達が」
ほむら「死んだのよ」
マミ「…そう」
ほむら「…私は彼女を守れなかった」
ほむら「いつもいつも彼女だけが割を食って」
ほむら「彼女だけが辛い目に遭う」
ほむら「そんな運命を変えようとしたのに…!」
ほむら「…また、ダメだったのよ」
マミ「…」
マミ「…そうね」
マミ「辛いわよね、大切な人を失うのって」
マミ「私も幼い頃に大事な人達を亡くしたけれど」
マミ「…そんな感じだったのかな」
ほむら「…ぅ、あ」
マミ「…自暴自棄になってはダメよ」
マミ「あなたはまだ生きてるんだから」
ほむら「…う、あぁぁぁぁ…!!」
マミ「…辛いなら、私が支えて上げる」
開始した瞬間から心がいたい
支援
どうなるんだこれ
さやかの願いは変わりそう
>>18
その願いはお前の素質を超えている
うっわつまんね
ピクシブで見たわこれ
マミ「一人で帰れるかしら」
ほむら「子供扱いしないで頂戴」
マミ「あら、子供のように泣いていたのはどこの誰かしら」
ほむら「…」
マミ「うそうそ、怒らないで」
マミ「…辛くなったらまた来てもいいのよ」
ほむら「…ありがとう、ございます」
ほむら「それじゃ…」
マミ「ええ、また」
ほむら「…」
ほむら(…あなたが居なくなった今、私はこの世界をどう扱えばいいの?)
ほむら(…捨てるべき?)
ほむら(…諦めるべき?)
ほむら(…分からないわよ、そんなの)
ほむら(あなたは私にとって最期に残った道しるべ)
ほむら(脆いものね、それがなくなった今私にはもう、何も残っていないなんて)
トテトテ
ほむら「…!」サッ!
QB「…」
ほむら「…インキュ…ベーター…!」ギリリ!
QB「…君は…」
ほむら「…」
QB「どうやら魔法少女のようだね」
QB「そしてその敵意だ」
QB「君は何を知っているんだい?」
ほむら「…」
ほむら「…魔法少女の全てよ」
QB「おかしいなぁ、僕は君なんかと契約した覚えなんかないんだけど」
ほむら「そんな事はどうだっていいのよ」
ほむら「これ以上…」
ほむら「…」
QB「契約するな、かい?」
QB「君に何の理由があってそんなことを望むんだい?」
ほむら「…私は…」
QB「誰かが望んだ奇跡を、例えその結末を知らないとはいえ」
QB「君にそれを犯す権利があるのかい?」
QB「何の目的で?」
ほむら「…私は…!まどかを…!」
QB「…?」
QB「鹿目、まどかかい?」
ほむら「…!」
QB「それはおかしいよ」
QB「だって鹿目まどかはもう、死んでるんだろう?」
ほむら「…っ!」
QB「すごい素質だったね、彼女は」
QB「魔法少女になれば素晴らしい魔女になっただろうに」
ほむら「…黙れ」
QB「それだけに残念だったよ、契約していれば彼女は死なずに済んだろうに」
ほむら「黙れ!」
QB「残念だね、君の守りたい相手はもういない」
QB「その存在は永遠にこの宇宙から消え去ってしま」
ドンドンドンドン!!
ほむら「…はぁ…はぁ…」
ほむら「…分かってるわよ、そんな事は」
ほむら(…今日もこの教室は静かだわ)
ほむら(ねぇ、まどか)
ほむら(…あなたがいないだけで、この教室はこんなにも静まり返ってしまうのよ)
ほむら(…優しいあなたならこんなの、嫌でしょう?)
さやか「ねぇ、転校生」
ほむら「…何かしら」
さやか「…明日の放課後ついて来てよ」
ほむら「…また?」
さやか「…いいからさ」
ほむら「…」
ほむら「…ねぇ、そろそろ教えてくれないかしら」
さやか「…」
ほむら「あなた一体どこへ向かっているの?」
さやか「…こっち」
ほむら「…?」
さやか「…着いたよ」
ほむら「…ここって…」
さやか「…ん、まどかんとこのお墓」
ほむら「…!」
さやか「…あんたもまどかの友達っぽいからさ、教えてあげようと思ってさ」
ほむら「…そう」
ほむら「…ここに、まどかが居るの?」
さやか「…まだ、だよ、いずれ」
ほむら「…」
さやか「…なんでかな」
さやか「…アイツ、どん臭いんだ」
さやか「勉強も運動も大したことなくてさ」
さやか「…だけどいつも誰かを思ってたんだ」
さやか「…なんでかな」
さやか「なんでまどかが死ぬんだよ…!」ポロポロ
ほむら「…」
さやか「誰よりも優しいまどかが…死んでいいはずない…!」
ほむら「…」
さやか「…ねぇ、あんた、まどかの知り合いだったんでしょ?」
さやか「…まどかのこと知ってる?」
さやか「あたしは知ってるよ…!」
さやか「演歌が好きだったり…!」
さやか「ホワイトシチューが好きなんだ…!」
さやか「私は知ってるよ…!あいつのこと」
さやか「あんたもでしょ…!?」
ほむら「…えぇ、とても良く、知ってる…」
さやか「…くない…」
さやか「忘れたくないよぉ…!」
ほむら「…」
さやか「まどかが死んじゃって…」
さやか「いつか私はまどかのことを忘れるんじゃないかって…」
さやか「それが、怖い…!」
さやか「…怖いよ…まどか…!」
ほむら「…」
ほむら「…大丈夫」
ほむら「…あなたはきっと」
「その気持ちは本当かい?」
「その思いは確かかい?」
「だとしたら、君にはチャンスがある」
「彼女の事を忘れないために」
「彼女を失わないために」
「君の心に彼女を、いや、この世界に彼女をつなぎ止めるための」
「たった一つの、チャンスがある」
さやか「…!?」
ほむら「…イン…!」
「さぁ、後は願うだけだ」
「君に起こった不都合を、無かった事にしよう」
さやか「何なの…?」
ほむら「インキュベータァァーー!!」
QB「だから、僕と契約して、魔法少女になってよ!」
(私には奇跡なんて起こったことがなかった)
(もちろんそれは滅多に起こりえないから奇跡と呼ばれるんだけど)
(とにかく私には奇跡が起こらなかった)
(…だから)
(奇跡とは反対の、不都合さえ起こらないと錯覚していた)
(いつも私の隣にいた誰かが明日は居ない)
(そんな事、奇跡の起こらなかった私には起こり得ないって、心のどこかでそう思ってた)
(でも違うんだ)
(奇跡は起こらないけれど)
(不都合は起きる)
(たとえその不都合が親友の死であったとしても)
(私には…未だに奇跡は起こらない)
QB「そうだね」
QB「この世界には確かに不都合だけを背負って、奇跡なんて起こらない人間もいるよ」
QB「だけれど君は幸運だ」
QB「君は奇跡を起こせる」
(迷う必要なんてない)
さやか「…だったら、叶えてよ」
さやか「まどかを、生き返…」
ドンドンドンドン!!
さやか「…な…」
さやか「…ほむら…あんた…!」
ほむら「何を考えているの?」
さやか「何がさ!あんた、何なのよ!」
さやか「こいつは今私のために…!」
ほむら「あなたの為じゃないわ」
さやか「…!」
QB「…酷いなぁ」
QB「君は何の理由があって僕の邪魔をするんだい?」
さやか「…え?あんた…」
ほむら「…」
QB「彼女が契約することによって君になにか不都合でも起きるのかな?」
ほむら「…」
ほむら「…分からないわよ」
ほむら「ただ単に敵を生みたくなかっただけなのかしらね」
QB「…」
ほむら「次さやかに契約を迫ってみなさい」
ほむら「殺すわよ」
QB「僕にその手の脅しは効かないと知っててかい?」
ほむら「…あなたじゃないわ」
ほむら「…」ジッ
さやか「…!」
QB「成程、確かに控えた方が良さそうだ」
ほむら「…」
ほむら「…」
さやか「…ねぇ」
さやか「…あんた知ってるんでしょ?あいつのこと」
さやか「どうして、邪魔するのよ…」
さやか「大好きな親友を返して欲しいって、そんなにダメなこと?」
ほむら「…ダメよ」
さやか「…どうしてよ…!」
さやか「あんただって!魔法少女なんでしょ!?」
さやか「自分だけ叶えて…!どうして…!」
ほむら「…そう」
ほむら「そこまで言うなら付いてきなさい」
さやか「…!」
ほむら「あなたが思っている程魔法少女は甘くないわ」
ほむら「生きていく上でどうしてもどうにもならなかった時」
ほむら「そしてその運命を背負う覚悟がある人だけ」
ほむら「…魔法少女にふさわしい」
ほむら「…着いてきて」
ほむら「あなたに、魔法少女を見せてあげる」
ピンポーン
マミ「はーい、ってあら?」
ほむら「…こんにちは」
マミ「あらあら、昨日の今日で来たの?案外甘えんぼさんね」
ほむら「…マミ」
マミ「どうしたの?」
ほむら「今日はパトロールに行くのかしら?」
マミ「…そうねぇ、病院のあたりでも行ってみようかしら」
ほむら「だったら彼女も連れていってあげて」
マミ「…え?」
さやか「…こ、こんにちは」
マミ「あ、あらあら?暁美さんのお友達?」
さやか「…美樹、さやかです」
マミ「ふふ、美樹さんね」
マミ「でもどうして?」
ほむら「…彼女はQBにその素質を認められたの」
マミ「…まぁ」
ほむら「…軽い気持ちで魔法少女にならないよう連れていこうかと思って」
マミ「…ふふ、友達思いなのね」
ほむら「だ、だれが…!」
マミ「いいわよ、美樹さん」
マミ「着いてらっしゃい」
マミ「あなたはこれから危険な目に遭うかもしれないけれど」
マミ「そんな危険な目にあってまで叶えたい願いがあるのかどうか」
マミ「見極めに行きましょう」
病院
マミ「ここね」
ほむら「えぇ」
ほむら(…お菓子の魔女)
ほむら(大丈夫よね)
さやか「…ここ、ですか?」
マミ「えぇ、行くわよ」
ほむら「…」
さやか「う、わ…!」
さやか「な、なんですかここ…?」
ほむら「魔女の結界」
ほむら「魔女は結界の中に住んで人間を襲おうとしているわ」
ほむら「…それを狩ることが、私たちの使命なのよ」
さやか「…」
ほむら「…」ドンドンドンドン!!
マミ「えいっ!」ドドドドドォン!
さやか「すご…」
マミ「あら、暁美さんの銃ってなんだか…」
ほむら「私のは本物よ」
マミ「そ、そうなの?」
ほむら「…えぇ」ドンドンドンドン!!
さやか「…」
QB「怖いかい?」
さやか「うわぁっ!?」
さやか「あ、あんた!ついてきてたの!?」
QB「まぁね」
さやか「ほ、ほむらに殺されちゃうよ!?」
QB「君がね」
さやか「そうだった…」
QB「目の前で見てどうかな?」
QB「君の願いはこの運命を背負ってまで叶えたいものかい?」
さやか「…分かん、ない」
QB「…そうかい」
さやか「…」
ほむら「…着いたわ」
マミ「…この先に魔女がいるわね」
マミ「さぁて、速攻で…!」
ほむら「…待って」
ほむら「こいつは、私にやらせて頂戴」
マミ「…?」
ほむら「もちろんグリーフシードはあなたに渡すわ」
マミ「…え、いえ、いいのだけれど」
ほむら「…さやか」
さやか「ふぇっ!?」
ほむら「見ておきなさい、あなたが背負うべき使命を」ダッ!!
ほむら「…たぁぁぁっ!」ドンドンドンドン!!
ほむら「…ふっ!」ドガァン!!
ほむら「たぁぁぁっ!」ドンドンドンドン!!
QB「…凄いね、彼女の動きは」
マミ「…そうね」
さやか「…ほむら」
ほむら「…これで、止めよ!」ボカァン!!
ギュルルルルル!
マミ「あ、暁美さん!!まだ…!!」
お菓子の魔女「ーーーーーーーっ!!!」バクゥッ!!
さやか「…!!!」
さやか「ほ、ほむらぁっ!!!!」
お菓子の魔女「…?」モグモグ
お菓子の魔女「…」
ほむら「その目に焼き付けなさい」
ドガァン!!ドガァン!!ドガァン!!
さやか「あ、あんた…!腕…!!」
お菓子の魔女「…ぐ、べぇ…!」
ほむら「腕がもげても、足がもげても、痛みさえ感じない」
ほむら「魔力を消費すれば全て治ってしまう」パシュッ
ほむら「見た目こそ人間だけれど、人間とはかけ離れた存在」
お菓子の魔女「…ぐ、え…」
ほむら「魔法少女になるって」
ほむら「こういうことよ?」
マミ「馬鹿ね」スパン
ほむら「いっ…!」
マミ「魔法少女がどういうものか分からせるためだけにあんな危険なことをして!」
マミ「少し間違えれば死んでしまうわよ!」
ほむら「…私は死なな…」
マミ「…」スパン
ほむら「…いっ…!」
マミ「…あなたが死んだら、寂しいじゃない」
ほむら「…そう」
さやか「…」
ほむら「…ところでさやか」
さやか「…何?」
ほむら「あなたは死の危険と隣り合わせになって、人間であることを放棄して」
ほむら「それでもまた魔法少女になりたいかしら?」
さやか「…私は…」
ほむら「…さやか」
ほむら「…まどかは、誰も」
ほむら「恨んだり、しないわ」
さやか「…っ!」
さやか「…私…いいのかな?」
さやか「折角、まどかを生き返らせられるのに…!」
さやか「それって…!まどかを裏切…!」
ほむら「ならない」
さやか「…!」
ほむら「裏切りには、ならない」
さやか「…」
ほむら「…まどかのためにというあなたの気持ちは素晴らしいと思う」
ほむら「だけれどそれは、あなたの人生と引換にしていい物じゃない」
ほむら「あなたの人生はあなたのものよ」
ほむら「まどかは絶対に、それを望まない」
さやか「…!」
ほむら「まどかの事を忘れそうなら私が何度だって彼女の事を教え直してあげる」
ほむら「だから…」
さやか「…ふふ」
さやか「…ばぁか」
ほむら「…」
さやか「…それじゃ…」
さやか「…まどかを忘れないために」
さやか「…私と、友達になってくれる?」
ほむら「…!」チラッ
マミ「…」クスクス
ほむら「…」
ほむら「…喜んで」ニコッ
数日後
ほむら「…」スタスタ
ほむら「…体が…重い」
ほむら「風邪でも引いたかしら…」
ほむら「…あれだけ人間ではないとか言っておいて…」
ほむら「…風邪を引くって…どうなのかしら…」
「ほーむらっ!」
ほむら「…あ、さやか…」
さやか「そーだよ、さやかちゃんです」
ほむら「…あぁ、うん」
さやか「ちょ、何それ!」
ほむら「…体がだるいわ…」
さやか「あらぁ?風邪でも引いたの?」
さやか『腕がもげても、足がもげても…』
ほむら「ぶっ飛ばすわよ…」コホコホ
さやか「冗談だってば」
ほむら「…気分はどうかしら?」
さやか「…うん、落ち着いた」
さやか「まだ少し受け入れられない私がいるけどさ」
さやか「…それでも少しずつ、受け入れようと思うんだ」
さやか「…だってまどかは、私の一番の友達だから…」
ほむら「…そう」ニコッ
さやか「あ、でもほむらも友達だぞー」
ほむら「嫌よ」
さやか『喜んで』
ほむら「…風邪じゃなかったら殴ってるわ…」
さやか「あはは」
教室
和子「…であるからして、…で…」
ほむら(…まずいわ)
ほむら(…まさかここまで風邪がしんどいなんて…)
ほむら(…魔力も温存しないといけないのに…)
ほむら(…ぅ…)
ほむら(…)
さやか「せんせーい」
和子「…?どうしたのかしら?美樹さん」
さやか「ほむらを保健室に連れていってもいいですか?」
ほむら「…!」コホコホ
和子「…それは係…そうね…お願いします、美樹さん」
さやか「はーい」
さやか「行こ、ほむら」
ほむら「…」コホコホ
さやか「うっわ、軽!あんたしっかり食べてんの?」
ほむら「…食べてるわよ」
さやか「…私の背中とぴったりだね」
さやか「膨らみを感じな」
ほむら「…」ギイイイイ
さやか「いだっ!いだだだ!嘘!嘘だよ!」
ほむら「…ふぅ」コホコホ
さやか「ほら、着いたよ」
ほむら「悪いわね…」
さやか「なぁに、これしき」
さやか「何たって大切な友達だからね」
ほむら「…」スゥスゥ…
さやか「寝たし」
どうしてほむらちゃんはさやかちゃんの契約を止めたの?
「…」
そしたら私は生き返ることができたのに
「…」
私はそんなこと望んでないよ
「…」
もう一度生きて、パパやママ、学校のみんなと会いたい
「…」
邪魔、しないで
「…」
私は助けてって言ったんだよ?
「…」
QBに騙される前の私を助けてって
「…」
それなのに私が死んじゃダメじゃない
「…」
楽しい?
「…」
私に縛られず、束の間とは言え普通の女の子に戻れて楽しい?
「…私は…」
ほむらちゃんの、嘘つき
「まどかぁ…!!」
ほむら「はぁ…はぁ…」
ほむら(…そう、なの?)
ほむら(…私のしていることが間違っているの?)
ほむら(もっと、深く、深く…)
ほむら(…私はどうして美樹さやかの契約を止めたの?)
ほむら(…美樹さやかになって欲しくないから…?)
ほむら(…それとも…)
「私が生き返ったら、邪魔だから?」
ほむら「っ!?」バッ!
「私がいるとほむらちゃんが疲れるから?」
「私がほむらちゃんの足枷になっているから?」
「何度繰り返しても死んじゃう私に嫌気がさしたから?」
「私が嫌いだから?」
ほむら(…私が…まどかを?)
ほむら(…嫌い?)
「だったら止めちゃえばいいよ」
「あの時交わした約束も」
「あの時望んだ未来も」
「全部全部、無かった事にすればいい」
ほむら(…やめて…!)
「そうしたら、ほら」
「ほむらちゃんは幸せだもんね?」
ほむら「いやぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
さやか「うわぁぁぁっ!?!?」
ほむら「…はぁっ…!はぁっ…!」
さやか「…様子見に来たらどうしたんだよー、ほむら」
ほむら「…美樹、さやか?」
さやか「…美樹?」
ほむら「…はぁ…はぁ…」
さやか「ほれ、冷たいもの」
ほむら「…」
さやか「ってどこ行くの!?」
ほむら「…帰るわ」
さやか「はぁ?」
ほむら「…少し用事が出来たの」
さやか「あ、あんた風邪は?」
ほむら「…治した」パッ
さやか「…消えた…」
ほむら(…どうして私は美樹さやかの契約を止めたの?)
ほむら(…まどかがいないから?)
ほむら(…それとも)
ほむら(まどかが生き返るから?)
ほむら(…分からない)
ほむら(…分からないわよ)
ほむら(…やっぱり、まどか)
ほむら(あなたが私の道しるべ)
ほむら(…あなたが死ぬと、私はこんなにも脆いのよ)
杏子「…」
杏子「シケたツラしてんじゃねーぞ、ボンクラ」
ほむら「っ!?」
杏子「あんただろ?見滝原のイレギュラーってのは」
ほむら「…佐倉…杏子?」
杏子「…どこかであったか?」
ほむら「どうしてあなたが見滝原に…」
杏子「どうしたもこうしたも」
杏子「単なる興味だよ、興味」
ほむら「…興味?」
杏子「守りたい奴がいなくなった魔法少女とやらを見てみたくなったのさ」ニヤッ
お前もだろ杏子
おやすみなさい
乙~
自分と同じだから見に来たのか。
似たようなものはあったかも知れないけど、意外に原点を突いてる気がして面白いな。
乙です。
乙
ワルプルギス以前にほむらが潰れそうだ……
乙
まどマギよく知らないけど、ほむらってまたループできるんじゃないの?何を困ることがあるんだろうか。
>>68
一ヶ月経たないと砂時計の砂が落ち切らないからループ出来ないの
だから一ヶ月間まどかが死んで無意味な周回でも取り敢えず過ごさなきゃいけないの
なるほど、そういう事か。流石に一ヶ月寝て過ごすってのも変だし、何もしてなくても思い悩むこと多いかもね。
ほむら「…」
杏子「何でって顔だな」
杏子「別に対したことじゃないよ、QBから聞いたのさ」
ほむら「…まどかのことを?」
杏子「そうそう、まどかっていったなぁ」
杏子「素質があったのに死んじまったやつ」
ほむら「…」
杏子「なぁ、聞かせてくれよ」
杏子「QBは言ってたぜ、暁美ほむらは鹿目まどかにご執心ってな」
杏子「あんたの願いがどう言ったもんか知らないが」
杏子「あんたはまどかを助けたかったんだろ?」
杏子「少なくとも、この街へ来た目的はそれだった訳だ」
ほむら「…」
杏子「どうだ?」
杏子「守りたかったやつを守れないで、どんな気持ちだ?」
ほむら「…黙りなさい」
杏子「別に知ってるさ、アンタのせいじゃないことくらい」
杏子「ありゃあ不運な事故だったんだろ?」
ほむら「…」
杏子「にしても馬鹿だよなぁ」
杏子「魔法少女にやむにやまれぬ事情がある奴だけにふさわしい」
ほむら「…?」
杏子「そのやむにやまれぬ事情って奴に巻き込まれてなお契約しないなんて」
杏子「ほんと、ただの平和バカだね」
ほむら「…何を言ってるの?」
>>73
杏子「魔法少女はやむにやまれぬ事情がある奴だけにふさわしい」
杏子「おいおい、頭でもおかしくなったか?」
ほむら「まどかは、魔法少女になる必要なんてなかったわ」
杏子「…はぁ?あんた鹿目まどかのためにこの街へ来たんじゃないのか?」
ほむら「…?あなたさっきから何を言ってるの?」
杏子「…だから…!」
杏子「…あんた、まさか鹿目まどかかわ死んだのはただの事故だと思ってるのか?」
ほむら「…まさか」
杏子「…」
杏子「鹿目まどかは死んだよ」
杏子「魔女の結界に取り込まれて」
杏子「…殺されたんだよ」
>>75
かわ×
は〇
>>76
はじゃなくてがじゃね?
>>77
そうでした
ありがとうございます
ほむら「…そんな…だって…」
杏子「死体が残ってた、かい?」
杏子「確かに魔女結界で死んじまった奴の死体は残らない」
杏子「普通はな」
ほむら「…」
杏子「だが魔女だって馬鹿じゃねー」
杏子「近くに魔法少女がいれば逃げ出すこともあるだろうさ」
ほむら「…」ギリリ
杏子「その魔法少女を責めるのはお門違いってやつさ」
杏子「だって鹿目まどかは契約せずに死んじまったんだから」
杏子「自殺だよ、ほとんど」
ほむら「ふざけないで!」
杏子「…」
ほむら「…それなら…なおさら…!」
杏子「…」
ほむら「なおさら…あの子が可哀想じゃない…!」
杏子「…アホか」
杏子「何がどうあれ、その結果を選びとったのはあいつ自身なんだ」
杏子「…あいつは何故か魔法少女にならなかった」
杏子「結界に迷い込んで、目の前に化物が現れても、な」
ほむら「…」
杏子「自分で選んだ結果なんだ、あんたがどうこういう権利はこれっぽっちもないよ」
ほむほーむ
ほむら「…」
ほむら(…どうすれば良かったの?)
ほむら(…まどかを助けようと思っても)
ほむら(…運命が…彼女を殺す…)
ほむら「…居るんでしょう、QB」
QB「…やぁ、相変わらず殺風景な部屋だね」
ほむら「…教えなさい、あなたまどかと接触していたのね?」
QB「…あぁいう強引な契約は僕らにとっても好ましくないけれどね」
QB「でも良かったじゃないか」
QB「これで鹿目まどかが契約する事は永遠にない」
ほむら「…!」
QB「…」
ほむら「…聞かせなさい」
QB「…?」
ほむら「その時のことを、私に教えなさい」
QB「…いいのかい?君にとっても辛いことだと思うけれど」
ほむら「…いいから!」
QB「やれやれ…」
ほむほーむって何かと思ったらほむホームかww
まどか「…」
まどか「…ふぅ、学校疲れたぁ…」
まどか「…変な夢も見たし、最近私変かも…」
QB「やぁ」
まどか「ほら、変」
まどか「幻覚まで見ちゃうって疲れすぎだよね…」
QB「僕が見えるんだね」
まどか「…フフフフフーン…♪」
QB「無視しないで欲しいな」
まどか「…えぇ!?猫が喋ってる!?」
QB「猫じゃないよ、僕はQBだよ」
まどか「…QB?」
QB「うん」
まどか「…どこかで、見たことあるかも…」
QB「…?おかしいな、僕は今日が君と初めてあった日だけど」
まどか「…夢の中で…」
QB「夢かい」
QB「夢というのは日常の情緒を安定させたり記憶を整理したりする睡眠時のプロセスと認識しているよ」
QB「だから君が僕を夢に見たと言ってもにわかには信じ難いな」
まどか「…それで、何の用?」
QB「君はすごい素質を持っているね」
まどか「素質?」
QB「うん、魔法少女としての素質さ」
QB「本来魔法少女の素質というのは背負い込んだ因果の量に左右される」
QB「なのに君のような平凡な生活を送っている学生にそれほどの素質があるなんて」
QB「稀有で前代未聞だね」
QB「実に興味深いよ」
まどか「…?ちょっと何言ってるかわかんないよ…」
QB「そうだね、歩きながら話そう」
まどか「…つまりあなたは勧誘してるってこと?」
QB「そうだね、君たちの言葉を借りるなら勧誘だ」
QB「君の願い事をなんでもひとつ叶えるよ」
QB「だから僕と契約して…」
まどか「…」
QB「…どうしたんだい?」
まどか「…それって…いい事なのかな?」
QB「?悪い事なのかい?」
まどか「…分かんない…」
まどか「…だけど、誰かがダメって言ってる気がするの…」
QB「僕には聞こえないよ」
まどか「…ごめん、QB」
まどか「…少し考えさせて」
QB「うん、その気になったらいつでも行って」
QB「僕はいつでも君のそばにいるよ」
まどか「…うん」
ギュルルルルル
まどか「…!?」
まどか「…何…これ…!」
QB「魔女の結界だ…!」
まどか「…魔女?」
QB「さっきも言っただろう、契約すると君は魔法少女になり」
QB「魔女を狩ることになる」
まどか「…あれが…」
魔女「…」
まどか「…」
QB「悪いことは言わないよ」
QB「今すぐにでも契約するんだ」
まどか「…でも…!」
QB「考えている時間はないよ!」
QB「ここで死んでしまったら…!」
まどか「…でも!」
まどか「…私が契約すると…悲しむ人がいる気がするの…!」
QB「君はどこまで愚かなんだい!?」
魔女「…!」ピクッ
QB「…気付かれた…!」
QB「来るよ!まどか!」
まどか「きゃぁっ!」ドガァ!!
まどか「…うっ…あ」
QB「大丈夫さ、まどか」
QB「魔法少女になればその程度の傷、いくらでも治せるよ」
まどか「…ぅ…」
QB「君たちの体は入れ物だ、例え手がもがれても、足がもがれても」
QB「死にさえしなければ、元に戻る」
まどか「…!!」
まどか「…やっぱり、あなたは…」
QB「…」
まどか「…私達の…敵、なんだ、ね…」
QB「…おかしいな、君には何も教えていない筈なのに」
QB「…その顔は確信しているね」
QB「君が最悪の魔女になると言う結末を」
まどか「…思い、出したの…」
QB「…?」
まどか「…私のお願いを…」
まどか「…聞いてくれた人がいる…」
まどか「…ふふ」
まどか「…2度目、かぁ」
QB「…君はそれでいいのかい?」
QB「今ここで死んでしまって、悔いはないかな?」
まどか「…無いよ」
まどか「…そんな結末…知っちゃったら、なお、さら…」
QB「…そうかい」
魔女「…ーーーーーーーっ!!!」
ドガァ!!
まどか「…ぁ…」
まどか「…ら、ちゃ…」
QB「これが事の顛末さ」
QB「彼女は思い出した様に魔法少女としての運命を拒み」
QB「そして死んでいったよ」
ほむら「…」カタカタ
ほむら「…?…!?」カタカタ
ほむら「…それじゃあ…!」
QB「驚いたね、自分の命より他人の命を優先するその考えに」
QB「彼女が魔女になれば、間違いなく訃報もないエネルギーを生んだだろう」
ほむら「私が殺したようなものじゃないっ…!!」バァン!!
この時間軸は…救われてるのか、救われてないのか…
まあ死んでる時点で救いはないか(遠い目)
ほむら「他の!誰でもない!」
ほむら「…まどかを殺したのは…!」
ほむら「…私じゃない…!」ポロポロ
QB「…それはおかしいね、君は…」
ほむら「おかしくないっ!!」
ほむら「…私が…まどかを殺したのよ…!」
ほむら「…あの子が背負うべき運命をねじ曲げて…!」
ほむら「…私のした事は…間違っていたというの…?」
QB「自己の否定かい」
QB「どうして君たち人間は勝手に自分を追い込み、勝手に自滅するんだい?」
QB「鹿目まどかが死んだのは紛れもなく魔女のせいだっていうのに」
ほむら「…ぅ、ぁぁぁあああ…!」
ほむら「うわぁぁぁぁぁぁ…!!!!」
ほむら「…」
ほむら「…ふ」
ほむら「…ふふ、あは」
ほむら(…そうか)
ほむら(…あの時の願いは…間違っていたのね)
ほむら(…私は…)
ほむら(…もう、どうしようもなくなっていたのね…)
ほむら(…この世には…不都合がある)
ほむら(…そしてそれを覆す奇跡も存在する…)
ほむら(…知ってた筈なのに)
ほむら(…だけどそれでも、救いはない)
と、訃報…
学校
さやか「あ、マミさーん」
マミ「…あら、美樹さん」
さやか「おはようございます」
マミ「えぇ、おはよう」
さやか「最近どうですか、魔女退治」
マミ「そうねぇ、最近はそれ程でもないかしら」
さやか「…ほむらのやつみてます?」
マミ「…いいえ」
さやか「…あいつ、学校に来てないんですよ」
マミ「…そうなの?」
さやか「…」コクッ
途方です
誤字多くてすいません
「途方もない」の「とほう」を「訃報」と変換するとか一体どんなゴミ端末使ってるんだろう
さやか「…」
マミ「美樹さんは友達思いなのね」
さやか「…えっ?」
マミ「私も行こうかしら」
さやか「ちょ、何を…」
マミ「今日行くんでしょう?」
マミ「暁美さんの家」
さやか「…はい」
マミ「…どうして来ないのか分からないけれど」
マミ「お見舞いくらいは行かなくちゃね」
マミ「…お友達だもの」ニコッ
さやか「…はい…!」
Simeji使ってます
多分2ちゃんねるで訃報(ふほう)が訃報(とほう)というネタレスを多く見るので余計な変換をしたんじゃないですか
雰囲気(ふいんき)で変換できるのと同じ感じだと思います
Simejiの情報送信問題ってもう解決したの?
杏子「…」
杏子「おーい」
杏子「暁美ほむらぁ!」
杏子「暁美ほむらぁ!!!」ガンガンガン!
杏子「居留守なのは分かってんだよ!」
杏子「おいコラァ!!!」
QB「杏子、それじゃ出たくても出てこれないよ」
杏子「テレパシーにも応じないんじゃこうするしかないだろ」
QB「やれやれ…荒っぽいね」
杏子「ったく、出てこねぇな」
杏子「こうなったらドアでもぶち破って…!」
さやか「ちょちょちょ!あんた何してんのよ!!」
杏子「はぁ?誰だあんた」
さやか「ほむらの友達よ!」
杏子「…ふーん」
杏子「…!」
マミ「…佐倉…さん?」
杏子「…マミ」
さやか「…?」
杏子「…何だぁ…?まだ甘ちゃんやってんのか?」
杏子「マミィ…!」
マミ「…あなたには関係ないことでしょ」
杏子「はっ!確かにな」
杏子「使い魔を狩るっていう馬鹿みたいな真似はやめたのかい?」
マミ「…辞める訳ないでしょ」
杏子「まぁここはあたしの縄張りじゃねーからな」
杏子「好きなようにするといいさ」
杏子「ただしあんたの生き方には誰も賛同しないけどな」
マミ「…」
さやか「な、何なんですか?こいつ…」
マミ「…佐倉杏子さんよ」
マミ「…隣町、風見野の魔法少女」
杏子「お前の馬鹿みたいな正義に付き合ってくれるやつはいるのかい?」
マミ「…!」
杏子「使い魔に余計な魔力を使うくらいなら」
杏子「魔女に育った使い魔を狩る方がいいってなんで分かんないかねぇ」
マミ「…私は損得で魔法少女をやっている訳じゃないのよ」
マミ「例え誰も分かってくれなくても」
マミ「…私は…」
さやか「…分かってますよ」
杏子「…はぁ?」
杏子「誰だいあんた」
杏子「魔法少女でもない奴が口を…」
さやか「…マミさんを、馬鹿にするなよ」
マミ「…美樹さん」
さやか「マミさんがどれだけ頑張ってるか知らないくせに」
さやか「知った口聞くな!」
杏子「…そりゃあんただろ」
杏子「…はぁ、うぜぇなぁ」
杏子「…うざいやつにはうざい仲間がいるもんだね」
さやか「何だと!」
杏子「何だよ?」
マミ「…二人とも、喧嘩はよして」
マミ「美樹さん、私たちの目的は暁美さんのお見舞いでしょ」
マミ「佐倉さん、今あなたが私たちに噛み付いても何の得も無いはずよ」
さやか「…」
杏子「チッ」
マミ「…あなたは何のためにここへ来たの?」
杏子「…暁美ほむらに用があるんだよ」
杏子「だけど出て来やしねぇ」
マミ「…そう」
マミ「…QB」
QB「なんだい?」
マミ「あなた壁をすり抜けられるんでしょ?」
杏子「えっ?そうなのか?」
QB「まぁ、不可能ではないね」
マミ「開けてきて」
QB「いいのかい?暁美ほむらに許可もなく」
マミ「えぇ」
マミ「彼女もドアを壊されるよりマシでしょう」
杏子「…言えよ…」
QB「聞かれなかったからね」
カチャ
さやか「暗ぁ」
杏子「…なんだこりゃ、ほんとにいんのか…?」
マミ「…暁美さん…?」
パチッ
ほむら「…」
さやか「お、おーい、ほむら」
ほむら「…?」
ほむら「…」
杏子「…おい、どうしたんたよコイツ」
さやか「…分かんないわよ」
マミ「…」
マミ「…暁美さん」
ほむら「…何よ…」
マミ「…どうしたの?」
マミ「…部屋、滅茶苦茶よ…」
ほむら「…いいのよ」
ほむら「…どうせ、一ヶ月たったら元通りなんだから…」
さやか「…?」
ほむら「…いえ」
ほむら「…元に戻す必要も、無いかもね」
杏子「…どうしたんだ?」
ほむら「…まどか…」
さやか「…!」
ほむら「…ごめんね、まどか」
ほむら「…ごめんね、ごめんね…!」
ほむら「…ぅ…ぁ…」ポロポロ
マミ「…しっかりして、暁美さん」
杏子「…なんだよ、まどかって」
杏子「…死んだんじゃねぇのか?」
ほむら「…いいえ…」
ほむら「殺したのよ…」
さやか「…は、はぁ!?」
ほむら「…私が、まどかを殺したの…!」
QB「気付かれた!」
お前のせいですおやすみなさい
おつ
乙
寝れませんでした
杏子「どういう事だ…おい」
ほむら「…」
QB「…やれやれ」
さやか「…ほむら、ちゃんと話してよ」
さやか「…友達でしょ?」
ほむら「…」
マミ「…言ったじゃない、頼ってねって」
ほむら「…聞いたら、あなたたちは後悔するわ」
杏子「…」
さやか「…後悔なんて、しないよ」
ほむら「…」
ほむら「…」
ほむら「…例え、貴方達がこの話を聞いたところで」
ほむら「…もう、何がどうなるわけでない」
ほむら「…それでも、いいの?」
さやか「…いいよ、聞かせてよ」
さやか「…あんたのこと」
ほむら「…まどかは、魔法少女として途轍もない素質を持っていた」
ほむら「…だからこそ、QBに迫られ…死んでしまったのよ…」
杏子「…はぁ?だから鹿目まどかは…」
ほむら「…今回はね」
ほむら「…今回は、魔女に殺された」
マミ「…今回…?」
QB「…」
ほむら「…私はね、時間を巻き戻せるの」
ほむら「…どうあがいても死んでしまうまどかを助けるために…」
ほむら「…何度も、この一ヶ月を繰り返してる」
ほむら「…もうすぐこの街に、ワルプルギスが来るわ」
杏子「…なっ…!」
マミ「…なんですって…!?」
ほむら「長い歴史の中で育った呪いの集合体」
ほむら「史上最悪の魔女が、ここへ来るのよ」
QB「…」
杏子「…それじゃああんたは」
ほむら「…まどかは優しすぎて」
ほむら「…強過ぎる」
ほむら「だから毎回のように魔法少女となって」
ほむら「…ワルプルギスを撃退してしまう」
杏子「…しまう?」
ほむら「…マミ、ソウルジェムを」
マミ「…?」
ほむら「…いいから」
マミ「…はい」
ほむら「…そもそも」
ほむら「魔女っていうのはどうやって生まれると思う?」
杏子「そりゃあ人間の呪いとか…」
ほむら「…違う」
ほむら「あいつらは私達魔法少女の成れの果て」
ほむら「私達は、ソウルジェムが濁りきると魔女になってしまうのよ」
マミ「…!?」
ほむら「…」
さやか「…」
杏子「…」
マミ「そ、そんなわけないじゃない…!」
マミ「私は人のために魔女を狩っているのよ!?」
マミ「ど、どうしてそれが人を襲う魔女になるって言うのよ!?」
ほむら「…それはそこのQBに聞けばいい」
マミ「…Q…B」
QB「…」
QB「君たちはどうしていつも同じ反応をするんだい?」
QB「魔法少女という希望の象徴と」
QB「魔女という呪いの塊が」
QB「無関係な筈ないじゃないか」
杏子「てめぇ…何開き直ってやがる!!」
マミ「嘘、よね?」
QB「僕らは嘘はつかないよ」
QB「暁美ほむらのいったとおり、魔女は魔法少女の成れの果て」
QB「言い換えれば世界を呪った君たちだ」
マミ「…!!」
杏子「てめぇ!何の目的で!」
QB「そうだね、理由としては様々だよ」
QB「だけど一番の理由としてはエネルギー回収かな」
QB「君たち魔法少女が絶望へ落ちたとき、魔女に変化してしまったとき」
QB「その感情エネルギーは素晴らしい物になる」
QB「僕らの目的はそのエネルギーを使った宇宙の延命さ」
マミ「…そん、な」
QB「そもそも願いを一つ叶えるという対価が単なる魔女退治と思っていたのかい?」
QB「それに形はどうあれ君たちの願いは確かに叶ったよ」
QB「なのにどうして自分だけが不利益被った被害者のような顔をしていられるんだい?」
QB「やむにやまれぬ事情を持って」
QB「それを解消できたんだ」
QB「君たちの願いが叶ったのなら、君たちは魔女となり」
QB「その身を絶望へ落として、その存在を全うすべきだ」
杏子「クソ野郎がァ!!」ドゴォ!!
杏子「ふざけんな!契約の時そんな話一つもしてなかっただろ!」
QB「…無駄に個体を減らさないで欲しいな」
QB「それはね、契約に関して不必要だと思ったからさ」
杏子「…ふざけんな…!そんな話…!」
QB「君たちはこの真実を知っていたのなら、契約しなかったかい?」
杏子「!」
QB「マミ、君はあそこで死んでいたね」
QB「杏子、君の父親は一生後ろ指を指されただろうね」
杏子「…そ、れは…!」
QB「ほら、自信がないだろう」
QB「真実を知っているか、知っていないかなんて」
QB「契約には不必要な事なんだよ」
QB「そしてどういう理由があれ、君たちのその考えは」
QB「これまで死んでいった魔法少女に対する冒涜だ」
ほむら「…」ドォン!
さやか「…ほむら…」
ほむら「もういい、消えて」
杏子「…」
杏子「ちくしょう…」
杏子「…ちくしょう…!」
ほむら「…聞いたとおりよ、私たちはいずれ魔女になる」
ほむら「…そして」
ほむら「…強い魔法少女は…より強力な魔女になる…!」
さやか「…!じゃあ、まどかは…!」
ほむら「…そうよ、彼女は…」
ほむら「…っ」
ほむら「…誰よりも、誰かを助けようとしたまどかは」
ほむら「…ワルプルギスを超える…最悪の魔女になる…!」
ほむら「…マミ」
マミ「…!」ビクッ
ほむら「…馬鹿なこと、考えるんじゃないわ」
マミ「…でも、私は…!」
マミ「…仲間を殺していたのよ…!?」
マミ「…それに、私も魔女に…?」カタカタ
マミ「…何だったのよ…!」
マミ「…私は今まで…!何の為に…!」
杏子「…マミ」
マミ「…佐倉さん…」
杏子「何のためだったかなんて、馬鹿な事、今更自分に問うことじゃねぇ」
杏子「…あんたは人を助けてたんだろ」
マミ「…でも…」
杏子「うぜぇな」
杏子「あんたがあたしと仲違いしたのは何でだ!」
杏子「あたしの生き方に共感できなかったからじゃねーのか…!」
杏子「…だったら今更迷うんじゃねーよ!」
ほむら「…杏子」
杏子「…冒涜なもんか」
杏子「あんたの考えは、誇りこそすれ、恥じるもんじゃねぇんだよ」
マミ「…ぅ、あ…!」ポロポロ
さやか「…そうですよ、マミさん」
さやか「…私もほむらも、杏子も付いてますから…!」
杏子「なーんであたしまで…」
杏子「…」
杏子「…んで?ほむら」
杏子「まどかを殺したってのは、お前がまどかの契約を止めたせいだからってことでいいのか?」
杏子「…前の世界で」
ほむら「…そうよ」
ほむら「…覚えている事なんて…滅多にないのよ」
ほむら「…なのに…どうして…」ポロポロ
杏子「…」
杏子「…はぁ」
杏子「…そんななよなよすんなよ」
杏子「…あんたには、いくらだってチャンスがあるじゃないか」
ほむら「…」
杏子「…死んじまった奴を、助けるチャンスがさ」
杏子「…この世にはもうそんなチャンス一生巡ってこねぇ奴だっているんだ」
ほむら「…杏子」
杏子「な、だからさ」
杏子「…んー」
杏子「頑張ろうぜ」ニカッ
ほむら「…」
ほむら「…うん…!」ポロポロ
帰り道
さやか(終始空気だった)
杏子「おい、マミ」
マミ「…なぁに…?」
杏子「…その、さ」
杏子「久々にお前んちに行っていいか?」
マミ「…え?」
杏子「か、勘違いすんなよ!その、あれだ!」
杏子「今日食うもんに困ってるからだ!」
マミ「…うん、いいわよ」ニコッ
マミ「美樹さんも来る?」
さやか「行きます!」
マミ「…」ゴシゴシ
マミ「…うん、それじゃあ今日は家でパーティね」
マミ「…腕によりをかけちゃうんだからっ!」
さやか「…ねぇ、杏子」
杏子「…いきなり呼び捨てかよ…」
さやか「その、ごめん」
杏子「あん?」
さやか「…私、あんたのこと勘違いしてたかも」
杏子「…ふん、別にしてねーさ」
杏子「ただ見てられなかっただけだ」
さやか「…」
杏子「…他人の為に泣く奴はもう、見たくないんだよ」
さやか「…そっか」
さやか「ありがと」
杏子「は、はぁ?」
さやか「…ほむらとマミさんを支えてれて」
杏子「いや、だからあたしはなぁ…」
さやか「口が悪いのが玉に瑕だけどね!」
杏子「な、なんだとコラァ!」
さやか「あはは」
杏子「…待てコラ!あたしのどこが口が悪いってんだ!」
さやか「それ」
ギャーギャーギャー
マミ「…ふふ」
マミ「…もう少しだけ」
マミ「頑張れそうだよ」
QB「…惜しかったね」
QB「あの雰囲気なら一気に三人の魔法少女を絶望に落とすことができたのに」
QB「存外、佐倉杏子は強いようだね」
QB「…いや、強くなったんだね」
QB「…」
QB「…史上最悪の魔女、ワルプルギスの夜」
QB「まどかが居ない状況で、君たち魔法少女はどうやってこの最悪の状況を乗り切るのか」
QB「どう足掻くのか」
QB「存分に、観察させてもらうよ」
ほむら(…どうして私は…さやかを助けたのかな)
ほむら(…私はどうして、マミや杏子と接触を持ったの?)
ほむら(…ねぇ、どうしてか…)
ほむら(…分かる…?まどか…)
それはね、ほむらちゃんが生きやすい世界を作るため
「…」
ほむらちゃんが楽になりたいから
「…」
度重なるループに疲れ果てて、諦めたから
「…」
私が嫌いになったから
「…」
「…まどか」
「…まどか…!」
「…まどか!!」
私の事が…
「まどかを、穢すな」
「一度だってあなたを諦めた日はない」
「一度だってあなたを忘れた日はない」
「私はあなたを助ける、ただそれだけのために魔法少女になったんだから」
「…どうして?」
「…」
「美樹さやかの契約を阻止したのも、マミや杏子と接触を持ったのも」
「全部、全部全部」
「…あなたならそうすると思ったからよ」ニコッ
「本当はずっと知ってたわ」
「…私はきっと誰かに責めてもらいたかっただけなんでしょうね」
「…いつまで経ってもあなたを助けることのできない私を」
「無力な私を」
「知ってたわ」
「優しいあなたに憧れてるのも」
「…あなたが居ない今、私があなたの願いになる」
「…次こそは、必ず助けるから」
「…今回は」
「少し寄り道してもいいかしら?」
「もちろんだよ、ほむらちゃん!」
QB「今まで幾度となく、この魔女を見てきたけれど」
QB「やっぱり目の前で見るとその強大さに驚くね」
QB「これが人間の魂が作り出したものっていうのだから、ほんと」
QB「人間というものは興味深い」
杏子「ごちゃこちゃ言ってんじゃねぇ」
杏子「ぶっ潰すぞ」
QB「僕なんかに時間を割いてる場合かな?」
杏子「…チッ」
マミ「…来るわ…!あれが…!」
杏子「…笑えるデカさだな…!!」
ワルプルギスの夜「…キャハハハハハハハハ!!!」
マミあん「…ワルプルギスの夜…!」
杏子「っらぁ!先手必勝!!」ガキィ!
マミ「たぁぁっ!!」ドンドン!!
ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハハ!!!」
さやか「…ねぇ、QB」
QB「なんだい?」
さやか「…二人は、あいつに勝てる?」
QB「無理だね」
さやか「…」
QB「今は互角に戦っている様に見えるけど」
QB「ワルプルギスの夜は彼女達を敵としてすら認識していない」
QB「余りにも無茶だ、無謀だ」
QB「そもそもたった二人で立ち向かう事が愚かだよ」
さやか「…」
QB「最善はワルプルギスの夜の夜が過ぎ去るまで息を潜めてることだね」
QB「そして過ぎ去ったあと、また普段の生活に戻ればいい」
QB「完全に元通りになるには少し時間がかかるだろうし」
QB「人も大勢死ぬけれど」
QB「それが一番、賢い選択だと思うよ」
さやか「…この…!」
ほむら「違うわ」
ほむら「…最善は」
ほむら「誰一人死ぬことなく、みんなで生きて帰ることよ」
さやか「…ほ、ほむら!」
QB「それが無理だから…」
ほむら「魔法少女は奇跡の象徴」
ほむら「どんな不条理を覆したところで不思議ではない」
ほむら「…でしょう?」
QB「…僕はそんなこと言ってないよ」
ほむら「あなたはね」
さやか「ほむら…死なないでね…」
ほむら「えぇ、もちろん」ニコッ
杏子「…チッ!キリがねぇ!」
杏子「雑魚どもが邪魔しやがる!」
マミ「…くっ…思った以上に苦しいわね…」
カチッ
ほむら「…杏子」
杏子「こうなったら…ってほむら!」
杏子「…なんだこりゃ…止まってやがる…」
ほむら「私から手を放さないで」
杏子「…おう」
ほむら「…マミ」
マミ「こうなったら…!って暁美さん!?」
マミ「…あら?止まってるわ…」
ほむら(似てる)
ほむら「…私の魔法よ」
杏子「…はー、なるほど、時間を、ねぇ」
マミ「…すごい魔法ね…」
ほむら「…聞いて」
ほむら「…私の魔法を駆使して死角からあいつに、一斉攻撃を仕掛けるわ」
杏子「…」
マミ「…」
ほむら「…成功率なんて、言う必要ないわよね?」
マミ「…えぇ…!」
杏子「成功するまでだ!」
ほむら「…行くわよ」
カチッ
マミ「ティロ・フィナーレ!!!」
杏子「うおらぁぁぁぁっ!!!」
ほむら「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドガァァァァン!
ワルプルギスの夜「…」
ワルプルギスの夜「…キャハハハハハハハハ!!!」グルン!!
マミ「…こっちを…!」
杏子「…チッ、なんつーバケモンだ…!」
ほむら「…まだよ…!」カチッ
ほむら(…諦めて、たまるか)
ほむら(…まどかが居ないのなら)
ほむら(…今回だけは、私がまどかになってやる…!)
ほむら(…いつも…いつも…!)
ほむら(…いつまでも)
ほむら「邪魔するんじゃないわよっ!!!!」ドガァァァァン!
ワルプルギスの夜「…ァ、ァァァァァ…!」
杏子「…やったのか?」
マミ「…!…暁美さん、危…!」
ワルプルギスの夜「キャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」ドガァァァァン!
ほむら「…!」
ほむら「…ぐ、ふ…!」
ほむら「あら?」
ほむら「…私、何で…」
ほむら「…!」
まどか「…お疲れ様、ほむらちゃん」
ほむら「…まどか…」
まどか「…今まで、頑張ってくれて、ありがとう」
まどか「…もう、頑張らなくても、良いんだよ」ポロポロ
まどか「…もう、これ以上戦わなくてもいいんだよ」
まどか「…傷つかなくてもいいんだよ?」
ほむら「そうね」
まどか「…」
ほむら「…」
まどか「…」
ほむら「…嘘は、辛い?」
まどか「…!」
ほむら「…」
ほむら「思ってもないことを口にするということは、辛い?」
まどか「…ほむら、ちゃん…!」
ほむら「…私は今まで幾度となく世界を繰り返してきた」
ほむら「…あの時のまどかとの約束を守るために」
ほむら「…あの世界も、あの世界も、あの世界も、私はあの時のまどかとの約束を守ろうとしてきた」
ほむら「…その世界のまどかを、無視してね」
まどか「…うん」
ほむら「…それが私のやり方だから」
ほむら「…」
ほむら「…だけど、今回だけは」
ほむら「…あの時のまどかとの約束を、守らない」
まどか「…」
ほむら「…この世界の」
ほむら「今、ここにいるあなたのために」
ほむら「…今回限りの、約束をさせて頂戴」
まどか「…」
まどか「…皆を…守ってよぉ…!!」
ほむら「…了…解…!」
マミ「…暁美さん!」
杏子「ほむらぁ!!」
ほむら「…」カチッ
マミ「…暁美さん…!大丈夫なの…!?」
杏子「…」
ほむら「…後一回だけなら…」
ほむら「…」
ほむら「…行きましょう」
ほむら「…あいつを倒して」
ほむら「…笑って、帰りましょう」ニコッ
カチッ
マミ「ティロ・フィナーレ!!!!!」
杏子「くたばれえぇぇぇぇぇ!!!!!」
ほむら「…」
ほむら「…」
ほむら「…守ったわよ、まどか」
ワルプルギスの夜「…ァァァァァァ…」
QB「…」
QB「…」
QB「…」
QB「…」
さやか「…やっ、た…」
さやか「…やったぁぁぁぁ!!!!」ピョンピョン!!
QB「…おかしい、有り得ないよ」
QB「…魔法少女が三人いるとはいえ、勝てる筈がない」
QB「相手は最強の魔女なんだ…」
さやか「…ふふ、残念だったね」
さやか「…勝った方が強いんだっ!」
QB「…」
QB「今回の結果は非常に興味深いよ」
QB「彼女たち魔法少女は、三人の力を、何かしらの要因で何倍にも増幅したようだ」
QB「しかし、魔力や体力にこれと言った変化は見られなかった」
QB「…そうかい、これが」
QB「これが、君たちのいう奇跡ってやつなのかい?」
QB「…もう少しだけ君と話したかったよ」
QB「鹿目、まどか」
杏子「…やったなぁぁ!!!おい!!」
マミ「ええ、やったわ」
ほむら「…はぁ、はぁ…」
ほむら「…倒したの?」
杏子「そうだぞ!!」
杏子「あんたは、私達は、ワルプルギスの夜を倒したんだ!!」
ほむら「…そう」
ほむら「…そうなのね」
杏子「…?どうかしたのか?」
ほむら「…いいえ」
ほむら(…一人で立ち向かっても、無理だった)
ほむら(…共闘こそが、取るべき手段だったのね)
さやか「…おーい!ほむらぁ!!」
杏子「お、さやか!」
さやか「見てたよ!やったんだね!」
杏子「まぁな、あたしにかかればこんなもんだ!」
マミ「ふふ、あなただけじゃないでしょ」
杏子「…腹へった…飯食いに行こうぜ!」
マミ「ちょ、ま、今から!?」
マミ「後日改めて私の家で…」
杏子「…あー、お前のマンション全壊してたぞ」
マミ「…なんですってぇ!」
さやか「…」
さやか(…マミさん、ファイト!)
ほむら「…」
さやか「…どしたの、ほむら?」
ほむら「…ありがとう」
ほむら「…お礼を言うわ、貴方達のお陰で、希望が見えた」
さやか「…?」
マミ「暁美さん…」
杏子「…ほむら」
ほむら「…今度は、絶対にまどかを、救う、から…!」
ほむら「…貴方達が…まどかを、忘れ…ないように…」
ほむら「…私の事も、覚えてて…くれる…!?」
杏子「…んー、忘れるも何も、あたしはまどかってやつのことなんも知らねぇしな」
マミ「…そうねぇ、私も」
ほむら「…」
杏子「…行ってこいよ」
杏子「…あんたみたいなやつ、忘れられるわけ無いだろうが」
マミ「ふふ…私も」
さやか「…ほむら、気にしないで」
さやか「…今までの私がどうあれ、これまでの私がどうあれ」
ほむら「…」ポロポロ
さやか「…今この私は、あんたの友達だから…!」
ほむら「…うん…うん…!」
ほむら「さよなら、ありがとう」
ほむら「…貴方達と出会えて、幸せだった…!」カチッ
杏子「…」
マミ「…」
さやか「…こちらこそだよ、ほむら」
ほむら(私は何度でも繰り返す)
ほむら(この世界を、呪われた一ヶ月を)
ほむら(…絶対にまどかを助ける)
ほむら(私は何度でも繰り返す)
ほむら(あなたを救うまで)
ほむら(あの時の約束を守るため)
ほむら(私は何度でも繰り返す)
ほむら(この質問を、何度だって)
ほむら「あなた自分の人生が尊いと思う?」
ほむら(繰り返す)
ほむら「夢、オチィ…!?」
お疲れ様でした
見てくれてありがとうございました
似たような題材のSSは数多くあるだろうと思いますがその中でしっかり差別化できたならそれはとっても嬉しいぜ
ありがとうございました
あと公式の魔獣編楽しみです
お疲れ様でした
乙!面白かった
まどかがいない方がうまくいくタイプのストーリーは少なくないんだよな。
やっぱりほむらが執着し過ぎて周りが見えなくなるのが問題なんだろうか?
乙でした。
乙
夢オチ言うなしww
乙
まどかが死んでる以外はみんな物分かりのいい優しい世界だった
まどか死んでるけど
ありがちな内容だけど楽しめました
QBのセリフがそれっぽくて好き
乙でした
最初にタイトル見たとき、むかしのSSで退院したほむらがまどかの家に向かうと葬式中だったってのを思い出したけど、
展開とか全然ちがってたんで楽しめたぜ
挑発上手なあんこちゃんがいるとすげーシリアス
乙でした
乙
奇をてらったりクロスが横行するなか久々に王道を見た感じでした
つまんね
乙
>>165
実際の所ほむらにとっての最大の障害ってマミでもさやかでもワルプルギスでもなく、まどか本人の性格だからなあ
まどかのコンプレックスと魔法少女がピッタリすぎてもう、まどかとQBが知り合った時点でほぼ詰みみたいなもんだしねあれ
乙詢
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