男「ふぅ。今日も疲れた」 (13)
俺の名前は男
いわゆるフリーターってやつだ。
高校卒業後、大学へ行かずフリーターをやっている。
友人は、みんなAOや推薦や一般試験(ただし全入のところ)で大学へ通っている。
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俺にも推薦は来たが断った。
元々、勉強は好きでなかったし、なにより高校時代の部活(野球)で負けて燃え尽きて何もしたくなかった。
友人達とは、最初のうちはよく遊んでいたが、今ではすっかり疎遠になった。
今のオレは、毎日、家とバイト先の往復の日々を送っているつまらない生活だ
prrr………
男「もしもし」
女「あっ!男!」
彼女は、女。俺の恋人だ。 というより、婚約をしているから、婚約者といったほうが正しいか。
男「あの話ならやめてくれよ」
女「なんで~?」
彼女とは、入籍と式の話で揉めている。
彼女とは、バイト先で知り合った。そう、彼女もフリーターだった。
おまけに、彼女は、結婚式に憧れてるらしく早くしたいらしい。
俺は、お互いの貯蓄が全然ないからもう少し待てといってるのだが、聞こうともしない。
男「しないと言ってるわけでないんだ!頼むからもう少し待ってくれ!」
女「もう少しっていつよ!!」
と、こんなやりとりが続く。
実は、彼女、専業主婦になってバイトをやめたいのが真の目的だ。
2人でもギリギリなのに何を寝ぼけたことをと思うかもしれない。
男「ふう。やっと終わったか」
ヒステリーのような彼女の暴走が数十分続いた。
男「こういうときは、いつものとこいくか。」
いつものとこというのは、別にいかがわしい店ではない。
レンタルビデオ屋だ。
俺は昔から嫌なことがあったら、何か映画をみて忘れることにしている。
ジャンルは特にこだわりはなく、適当に決めている。
その日は、適当に選んだ洋画を借りることにした。
男「さてと、早速見るか。じゃあ、最初の宣伝とかのうちにやるか」
オレは宣伝とかに興味ないから、その時間に飯の支度(といってもカップ麺やお惣菜を温めるだけ)や風呂の掃除をする
ガン!
男「おっ!そろそろか」
サッカー部A『おい、やべぇよ・・・やべぇよ・・・』
サッカー部B『どうすんだよ・・・』
サッカー部A『おい、財布しまっとけ・・・』
やくざ『おいゴルァ!降りろ。おい免許もってんのかゴルァ』
男(あれ?オレは確か洋画を借りたはずだが)
サッカー部A『はい』
やくざ『おいお前らクルルァについてこい!』
サッカー部B『免許証返してください!』
やくざ『やだよ。あぁ』
サッカー部B『オナシャス・・・!』
やくざ『お前それでも謝ってんのかこの野郎』
サッカー部B『オナシャス免許証を・・・』
やくざ『やだっつてんだろ。とりあえず土下座しろこの野郎。あぁ』
やくざ『はやくしろよ』
男「あれ?このサッカー部の男何か見覚えが……最近みたような…」
オレは、見覚えのある男を思い出すのに夢中でこのビデオをとめなかった
サッカー部B『ンギモヂイイ!!』
やくざ『何勃たせてるんだよ』
サッカー部B『アッー!』
男「TDNだ!!」
僕は、はっきり思い出した!
今でも学生野球を見に行くぐらい野球好きの自分がこの顔を知らないはずなかった!!
それに彼はドラフトの目玉選手なのだから
どうやら、ビデオは、店員のミスとわかった。
一文字違いのタイトルだ。新人がミスでもしたんだろう。
だが、今俺の中に悪魔が現れた!
俺「もし……もし……この情報を売ればいくらになるだろう?」
大金が手に入れば、俺は彼女と式を挙げられる。
俺「そうだ……こいつは、球団から金をもらってるくせにこんなビデオに出るようなやつだ」
俺には、もはや、他人のことを考えることなどできなかった
翌日、俺は早速出版社に連絡した
俺「もしもし、スポーツ担当のかたですか?」
社員「ええ。そうですけど」
俺「ドラフトの目玉選手のスキャンダル、いくらで買います?」
社員「!!?」
俺「おそらく、自分しか知らない情報だと思いますが」
社員「わ、わかった!今すぐ上と話つける!」
俺「わかりました。」
その後、俺は、前金で50万。内容によって後日、100万払うという契約をした。
後日、俺は例のビデオを見せた
社員「た、たしかに……これは……あの人だ」
男「どうです?こんなの滅多にお目にかかれないでしょ?」
社員「は、はい!」
そして、俺は、200万を手に入れた。どうやら、あの後、これが本人と確定したため出版社からのボーナスらしい。
そして、一連の騒動が起こった。
今になって、あの選手にはわずかに罪悪感が芽生えてくる。
しかし、今でもあの時の選択は間違ってなかったと思ってる。
なぜなら、いずれバレて誰かが金を手にするならそれが自分でありたいと思うのは至極まっとうな感情だからだ。
すみません。途中で男の台詞が俺になっています。
ええんやで
ええんやで…
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