「日本の首都は京都!!」(26)


志摩子「って昨日お婆ちゃんが言ってた」

安芸「あー、たまにいるよなそういう爺さん婆さん」

和泉「首都って東京なのにねぇ」

和泉「けどうちのお爺ちゃんも時々言うんだよね」


安芸「なんでなんだろうな」

和泉「唯依は知ってる?」

唯依「えっ?」


唯依「それは、明治時代に天皇が江戸に入ってから、」

唯依「正式な遷都の儀式を行なってないからよ」


志摩子「おお、流石はクラス一の真面目さん!」

安芸「こういう事は唯依に聞くのが一番だな」

唯依「私は雑学事典じゃないんだけど…」



――ex世界の京都(1997年)の話。

彼女達は嵐山の学校に通うふつーの女子高生であった。

尚、時刻は午前8時20分頃、ホームルーム前である。

和泉「でも本当、よく知ってたね」

唯依「私も小さい頃にお婆ちゃんに聞いたから」


唯依「当時の明治政府も、正式な発表はしてないんだって」

唯依「京都の人達の反発を恐れて、」

唯依「既成事実的に御座所を東京に移したんだとか」

安芸「それが無けりゃ首都京都…いや、当時なら”帝都京都”か?」

安芸「なんかカッコイイな~!」

志摩子「ねー」

和泉「けどそれなら、今頃アニメや映画で宇宙人に壊されるのが」

和泉「東京タワーじゃなくて京都タワーになっちゃってたかも!」

安芸「いいじゃんたまには」

安芸「宇宙人や怪獣もたまには京都で暴れて欲しいよ」

志摩子「あははははは」

――ちなみに京都駅新ビルはこの年(97年)完成。

更に特撮映画史上に残る初の怪獣同士の屋内戦闘が演じられるのは、

2年後の1999年の事である。

また言うまでもないことだが、京都が帝都な平行世界は色々大変である。

唯依「うーん…」

安芸「そういえば唯依はさっきから何を読みながら頭捻ってるんだ?」

和泉「それ、携帯電話のカタログじゃない?」

唯依「ああ、うん。そう」

志摩子「携帯にするの? 唯依」

唯依「考え中」

安芸「なんだよー、phsでいいじゃんかー、安いし」

安芸「連絡なんかphsとポケベルで充分だろ?」


――1997年はphsの加入数がピークの時期であった。


志摩子「そういえばphsと携帯電話ってどう違うの?」

安芸「分からん」(きっぱり

和泉「そんな威張って言うことじゃないでしょー」

和泉「唯依は知ってる?」

安芸「そうだ、唯依はおじさんが”えぬてーてー西日本”の人なんだろ」


唯依「確かにおじ様は”えぬてーてー”だけど、」

唯依「私だってあんまり詳しくはないよ」

唯依「とりあえずphsは通話可能エリアが狭くて、」

唯依「エリアが広いのが携帯電話って事くらいしか」

志摩子「phsの料金が安くて携帯電話が高いのはそのせい?」

唯依「どうなんだろう?」


和泉「そうだよ、携帯電話は通話料が高いんだ」

和泉「やめときなよ唯依、phsの方が安くていいじゃない」

唯依「それがね、」

唯依「携帯電話の料金はこれからどんどん安くなってくって、」

唯依「おじ様は言ってるんだよ」

和泉「ええっ!?」


志摩子「そうなの?」

安芸「マジか」

唯依「後は、携帯電話も文字打って飛ばす機能がつくから、」

唯依「ポケベルもいらないものになるだろうって」

唯依「携帯電話だけ持ってればいいみたい」

和泉「そうなんだ…」

和泉「ちょっとすぐには信じられないけど、」

和泉「なんか唯依が真顔で言うと説得力があるね」

志摩子「でも、電話で文字飛ばせるようになったら確かにポケベルいらないよ」

安芸「まあそりゃあな」

――この年(1997年)、メール機能付き携帯電話発売。

また携帯電話の大幅な料金引き下げもあったせいで、

phsの加入数はこの年をピークとして以後急降下していく。

ポケベルも解約が相次ぎ、瞬く間に過去の遺物と化した。

安芸「あ、そういえば知ってるか?」

安芸「今日転校生が来るんだってさ」

和泉「へ~、」

和泉「どんな娘だろう」

唯依「…!」

唯依「あれ、窓の外!!」

志摩子「えっ?」

<キッ!(ブレーキ音



志摩子「うわっ、凄いリムジン!」

志摩子「あんな高そうな車に乗ってくるなんて何処の誰よ」

安芸「あっ、中から女の子が出てきたぞ」

和泉「校舎の中に入って来る…」

唯依「!!」

志摩子「…凄い美人じゃなかった?」

志摩子「私も髪長いけど、あんなにサラサラしてないよー」

和泉「あれがその転校生なのかな」

安芸「顔立ち良かったなー」

安芸「なんかいかにもお嬢様ってカンジ?」

唯依「…」

唯依(あの人は……)

唯依(そんな、どうしてこんな普通の公立校に…?)

ガラガラッ!


教官「こらお前ら!! チャイム鳴ってるだろ!! 席に着け!!」


安芸「うわっ、やばい、”教官”だあ!」

志摩子「あ、すみません! すぐ座ります!!」


教官「では日直」

教官「今日は能登だったな」

和泉「は、はい。起立、礼――――」

クラス全員「「「「よろしくお願いします」」」」

唯依「…」

唯依(いつも思うけど、”教官”の眼帯はなんなんだろう?)

唯依(一回はずれた所見た事あるんだけど、ちゃんと両目あるんだよね)

唯依(仮に片目無くなってても義眼すればいいだろうし)

唯依(…)

唯依(分からん)

唯依(趣味なのかな)

――”教官”。

それが担任の先生のあだ名であった。

顔は怖いし普段は厳しいが、ちゃんと生徒の事を思いやる男で、

その心的姿勢は生徒達にはちゃんと理解されている。

教官「ではホームルームを始める前だが」

教官「その前に転校生を紹介する!!」

教官「さあ、入れ」

???「失礼致しますわ」

カツ、カツ、カツ………


???「ご機嫌よう、皆さん」

???「本日から皆さんと共に机を並べさせて頂きます、」

???「――――――と申します」

???「宜しくお願い致しますわ」



唯依「…!!」

唯依(やっぱり、この人は!!)

つづく。
おやすみなさい。

スレタイわかんねーよw

でも平和な世界のこいつらいいなw

マブラヴ?
今やってるやつの方の?

即レスついてる。ありがとー。

>>24
分かりにくくてごめん。

>>25
うん。
te組はex世界じゃどんなのかなって。

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