拓海「オイ」小梅「…ひゃいっ…!?」 (58)
拓海「白坂小梅、だな?」
小梅「…そそそそう、でしゅ……!」ビクビク
拓海「…………」
拓海「………よし」
小梅 (…「よし」って…なに……!?)
拓海「………やっと見つけたぜェ……」
小梅 (…狙われてた……??!)
小梅「…っ…っ……!!」ビクビク
拓海「…………悪ィけど」
拓海「少し付き合ってもらうからな」ガシッ
小梅「…た、た、タスケテ……!!!」ズルズル
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【休憩室】
<ガチャン…
拓海「…ここなら誰も来ねェよな」
拓海「…………」チラッ
小梅 (ッ!……目が…合った……!)
小梅 (もう、ダメ…な、なぐられる…!)
小梅 (…拓海さん…渾身の……!!)
小梅 (…右が……くるっ……!!) グッ…
拓海「………すぅ………」
拓海「小梅!お願いだ!」ペコッ
小梅「……………あれ……?」
拓海「アタシと、これ…い、い……」
拓海「一緒に観てくれッ!!」
『死霊のはらわた』
小梅「…………………………」
小梅「……………へ………?」
小梅「…拓海…さん…?」
拓海「……こんなコト…頼めるの……」
拓海「…小梅ぐらいしかいねェんだ……」
小梅「あ、ありがとう……?」
拓海「やってくれるか!?」ガッシィィ
小梅「…あぅっ……?!」
拓海「あっ!す、すまねぇ!つい嬉しくなっちまってさ!!大丈夫か!?」
小梅「…だ、大丈夫、れしゅ……」
拓海「良かった…ヒヤッとしたぜ…」
小梅「…………拓海さん…どうしたの…?」
拓海「えっ?」
小梅「…どうして、いきなり…一緒にホラー映画、観よう…なんて……」
拓海「………ああ…それは、だな……」
小梅「…?」
拓海「……………」
拓海「……つい昨日のことだった……」
小梅 (……回想、入るんだね……)
【たくみんち/PM07:00】
涼『けっこう部屋広いんだね、見損なったよ』
拓海『えっ!!!??』
涼『あっゴメン、言葉間違えた』
拓海『お、おう……まあ…ゆっくりしてけよ……』
涼『あーもーゴメンって!ほら、カッコよくてさ!拓海にお似合いの部屋じゃん!アタシは好きだよ!大好きっ!』
拓海『………』
拓海『バカ……///』
涼『そのチョロさは一回病院行った方が良いと思うけどね』
拓海『…う、うっせー、本題入んぞ』
涼『ソッチは何借りたの?』
拓海『わざわざ言わなくても、見りゃ分かんだろ。早くみよーぜ』
涼『タイトルだけでも言えよ』
拓海『……チッ……』
涼『………』
拓海『…………』
涼『…………』
拓海『……ブ、だよ』
涼『は?』
拓海『「ベイブ」だよッ……!!』
涼『おぉぅ……』
※ベイブ…1995年公開、子ブタのベイブが主人公のファミリー映画。たくみんも涼ちんもかわいい。
拓海『んだよ!ベイブをバカにしやがって!』
涼『してないしてない!』
拓海『嘘つけ!!ガキあやすみたいな目してたくせに!!』
涼『ああ……それはまあ……』
拓海『クソッ!誰もベイブの良さ分かってくんねーのかよ!!』
涼『分かった!分かったから落ち着けよ!!』
拓海『始めて観た去年の夏から、アタシのバイブルなんだよ!!!』
涼『17でベイブ借りたの!?どんだけピュアなの?!』
拓海『ハァ?!あん時ベイブがなかったら今のアタシは無えんだぞッ!?』
涼『今に至る経緯が分かんないよ!!もはや特攻隊長なる必要なかったろ!!』
拓海『うるせェ!!そういう涼は何借りたんだよ!!』
涼『えっ、アタシ?アタシは……』
涼『……………………』
涼『……………ふふっ』
拓海『あ?』
涼『「死霊のはらわた」だよ』ニタァァ…
拓海『……ッ…!!』ゾクッ
拓海『………』
涼『あれー、たくみーん?どーしたのー?もしかしてビビってn』
拓海『ハァ?!ななな何言っちゃってんの?!ここここのアタシがホラー映画ごときにビビ、ビビるわけねーだろ!?』プルプル
涼 (…半泣きじゃん……)
拓海『た、ただ一つ言えるのはよ!!』
涼『うん?』
拓海『今観る必要無くね!!!??』
涼『えぁっ!!!!!!!??????』
拓海『うん!ねーよな!分かるぜその気持ち!!わざわざ今じゃなくても良いもんな!!さすが松永!!』
涼『いやいや!それじゃDVD借りてきた意味ないじゃん!あと松永呼びやめろよ!家族巻き込むなよ!』
拓海『分かった!明日!明日1人でコレ観てくるからさ!それならいいだろ?!』プルプル
涼『どうせ観てないクセに観たって言う気なんだろ?』
拓海『み、観るって!めっちゃ観るって!これはマジで!』プルプル
涼『……じゃあ明日、映画の内容を質問しても、ちゃんと答えられるんだな?』
拓海『ったりめーだろ!!元暴走族の記憶力ナメんなっての!!』
涼『………もし答えられなかったら?』
拓海『ハァ?!もし答えられなかったら?!そん時はなァ……!!』
拓海『…………………』
拓海『……えっと……』
涼『…………………』
拓海『…………………』
拓海『………な、何でもしてやんよ!!』
涼『ん?』
拓海「ってことだ」チラッ
小梅「………zzz」
拓海「…………」
小梅「………zzz」
拓海「…………」
拓海「…………」ツンッ
小梅「にゅっ」
拓海「…………」
小梅「……ふ、あっ…」ノビー
小梅「……あれ……?」
小梅「……たくみ、しゃん……?」
拓海「…………」キュンッ…
拓海「…あれ…アタシ、今……」
小梅「ごごごごめんにゃさいっ……!!」
拓海「え……?」
小梅「ね、寝不足……寝不足なんでしゅっ…!!」
拓海「あ、あぁ…そっか…」
拓海「まあ、き、気にすんなって…なっ?」
小梅「…うん…ごめんなさい……」
拓海「………」
拓海「……そんな顔じゃねーだろ」
小梅「……え…?」
拓海「……お前のことよくテレビで見かけるけど、そんな暗い顔してねーだろ。もっと嬉しそうに……楽しそうに笑ってんだろ」
小梅「……う、うん…」
拓海「だからさ、ほら…いつもテレビでするみたいに笑ってくれよ」
拓海「なっ?」ナデナデ
小梅「………」
小梅「え、えへへ……///」
拓海「……んぉおッ……!!!」キュンキュンッ
拓海「だめ、だ…きゅんきゅんして…ヤバい……」
小梅「…だ、大丈夫……?」
拓海「あ、ああ…へーきだ…」
小梅「…でも顔…赤い、よ……?」
拓海「マジか……重症だな……」
小梅「ダメっ……!」ギューッ
拓海「うォッ!!?」
小梅「た、拓海さん…死んじゃ、やだ…!」ギューッ
拓海「小梅ッ…今だけは…今だけは…!!」
小梅「…た、拓海さんはね……」
小梅「今までずっと、怖い人だって…思ってたけど……」
小梅「ほ、本当はすごく、優しくて…」
小梅「すごくカッコよくて……!」
小梅「…すごく、かわいくて……!」
小梅「……む、胸も…大きく、て……///」
小梅「…………」
小梅「………でも、それだけじゃない……」
小梅「…………今、やっと分かった…」
拓海「…や、やめ、ろォ……!」
小梅「…拓海さんは…わ、私の……」
拓海「……あ…ああ……」
小梅「…おねえちゃんっ……!」ギューッ
拓海「あ、がッ……!!!」キュンキュンキュンッ!!
【小梅ちゃんに介抱されるたくみん.mp4】
拓海「マジでごめん」ギュー
小梅「…う、ううん……」ギュー
拓海「あと、ありがとな」ギュー
小梅「…ううん、いいの…」ギュー
拓海「………」ギュー
小梅「………」ギュー
拓海「…そろそろ…離れよっか」パッ
小梅「……あっ……」
拓海「………」
小梅「……ぅぅ……」
拓海「………」
小梅「……おねえちゃん……」
拓海「………チッ」
拓海「全然進まねえよォ!!!」ギューッ
小梅「…あったかい……♪♪」ギューッ
拓海「双方抱き合いながらのスタートです」ギュー
小梅「……うん…♪」ギュー
拓海「……ところで、小梅はコレ知ってんのか?」
小梅「し、知ってる……」
拓海「………じゃあ…当然…?」
小梅「みたこと、あるよ…!」
拓海「……………どうだった…?」
小梅「…ちょっと古い、感じはあるけど…」
小梅「…気にならないぐらい、おもしろかった…!」
拓海「……怖くないってことか?」
小梅「……全然…!」
拓海「……アタシでも観れそう?」
小梅「…うん……!」
拓海「そ、そっか!よっしゃ!俄然観れる気がしてきた!」
拓海 (いや、それでも……)
『死霊のはらわた』
拓海 (……オーラがやべえ……)
拓海 (…本当に大丈夫なんだろうな……?)
小梅「もう、再生していい…?」
拓海「ちょ、ちょっと待てッ!!」
小梅「…えっ…」
拓海「……あの……」
小梅「?」
拓海「…心の準備…させてくれ……」
小梅「…………」
拓海「………ふー………ふー………」
小梅 (かわいい…)
小梅ちゃん基準じゃアカン
小梅「もう、大丈夫……?」
拓海「……ああ、いいぜ…」
小梅「……じゃあ…その前に…」
小梅「………」トコトコ
拓海「ん…?」
小梅「…お邪魔、します……」ポスン
拓海「うおっ」
小梅「………♪」
拓海 (座ってたら…足の間に入ってきた…)
小梅「………♪」
拓海 (…………いやいやいや)
拓海 (……可愛すぎんだろオラァ……) ギュッ
小梅「………♪♪」
TV<…ヒュオォォォ……
拓海「なんだよぉ…誰が覗いてんだよォ…!!」プルプル
小梅 (お、ね、え、ちゃ、ん) ←共振
拓海「これ誰視点なんだよぉ…!!」プルプル
小梅 (ぷ、る、ぷ、る、し、て、る)
拓海「……あれ?!ちょっ、オイ!!///」
小梅「……///」
拓海「いきなりナニしようとしてんだバカッ!む、胸が丸見えだったじゃねーか!///」
小梅「…ホラーは…こ、こういうの、よくある……///」
拓海「よくあるじゃねーよ!!小梅はまだ見ちゃダメだッ!!///」ガバッ
小梅「…も、もう…見ちゃった、から…///」
<グチュッ…グチュッ…ブチッ…!!
拓海「……て、てくび……てくび……」
小梅「こ、このシーン、良いよね…!」キラキラ
拓海「……ぁ…ぁ……ぅぁ……」
小梅「この後、バッ、バラバラにされる、からっ……!」キラキラ
小梅「…み、み、見どころっ……!」キラキラ
拓海「……ッッ……っ……」
拓海「………だ、め…」
小梅「……え…?」
拓海「……も…だめ……」バタッ…
小梅「…おねえちゃん…大丈夫…?!」
【再び介抱されると思いきや小梅ちゃんのいたずら心及び好奇心により胸を揉みしだかれる人気爆乳アイドルたくみん.mov】
小梅「…ぅぅ……///」
拓海「……ッッ………んっ……あれ…?」
小梅「…私の…ばか……///」
拓海「………どうした?」
小梅「ッッッ…?!!」ビクンッ
拓海「な、なんだよ?」
小梅「で、出来心、だったんですっ…!!」
拓海「………………」
拓海「…………は?」
小梅「ひッッ……!!」
拓海「えっ」
拓海「いや全っ然意味わかんねーk」
小梅「ごめんなさい…ごめんなさいっ…!」
拓海「…だから、何があったのか説明s」
小梅「ゆ、ゆ、許してください……!!」
拓海「小梅!まずは落ち着けって!じゃないt」
小梅「て、手首、食いちぎります…食いちぎります、からっ……!!」
拓海「ッッッッッ!?」ガタッ
小梅「ッッッッッ!?」ビクンッ
拓海「やめろぉぉ!!手首はぁ!!手首だけはやめてくれぇぇえ!!!」←さっきのシーンを思い出してパニック
小梅「どどどどこなら、いいですか…?!どこなら、許してくれますか……!!?」←たくみんがキレてると思ってパニック
拓海「うわぁぁぁ!!!うわぁぁぁ!!!」
小梅「ごめんにゃさぃぃ…許してくだしゃぃぃぃ……!!!」プルプル
拓海「………なんか…ごめん…」
小梅「……ううん、私こそ……」
拓海「…………」
小梅「…………」
拓海「…………」
小梅「…………」
拓海「……でも…その…」
小梅「………」
拓海「…む、胸、触る時は…だな…」
小梅「………」
拓海「…アタシに一言…声かけろ……」
小梅「………」
拓海「……そのあと、なら…」
小梅「………」
拓海「…好きにして、いい……///」
小梅「……///」
拓海「……あっ」
小梅「?」
拓海「…………映画のこと忘れてた…」
小梅「あっ……」
拓海「あー!!どうすりゃいいんだよー!!あんなエグいのアタシには無理だよぉぉ!!でも早く観ねーと涼が来ちまうよぉぉお!クッソォォォォオオオ!!」
小梅「………」
拓海「くそぉ……何が喧嘩上等だよぉ……」
小梅「大丈夫、だよ……」
拓海「………………………えっ?」
小梅「…わ、私に…まかせて…!」
拓海「……??」
拓海「…あらすじだけを覚えとけばいいって?」
小梅「…うん……!」
小梅「…そうすれば、何を…質問されても、大丈夫……!」
拓海「……まかせてつった割にえらい単純だな……」
小梅「……ぁぅ…」
拓海「………まあ観てないものを説明しろってなると、それしかねーよな」
拓海「うしっ、じゃあ小梅!アタシに『死霊のはらわた』のあらすじ、教えてくれ!」
小梅「…う、うん、わかった……!」
拓海 (…ちゃんと覚えられっかな…)
小梅 (…ちゃんと、説明…できるかな…)
<ガチャ
涼「お疲れさまー……って」
涼 (………誰もいない…)
涼 (………)
涼 (さみしい……)
涼 (………)
涼 (………この後のスケジュール確認しよ)
涼 (………)
涼 (…………何も入ってないじゃん)
涼 (あっ)
涼 (小梅も空いてるし、暇なら2人でどっか行こうかな)
<…っ…!……!
涼「…………え?」
涼 (……話し声がする……)
涼 (……誰もいないはず、なのに…)
涼 (………)
涼 (…………そういう系は…やめてよ…?)
<…………ぁ…
涼 (…………)
涼 (………いや違うな、これは…)
涼 (……………休憩室か……?)
涼 (……よく見たら明かりついてるし)
涼 (なんだ、誰かいたのか)
涼 (何してんのかなー) スタスタ
涼 (声からして、2人?)
涼 (………アタシもまぜてほしい、な…)
涼 (…………………………ん?)
<なるほど、だからあんな事になったのか…
<………えた……?
<おう!最初の方はもうバッチリだな!次いこーぜ次!
<……わかっ……それから……はね…
涼 (拓海、だよね…?もう一人は分かんないけど…)
涼 (アイツが休憩室使うなんて、珍しいな…)
涼 (……珍しいというか、怪しい……)
涼 (…………)
涼<ティン!
涼 (……もう一人には悪いけど、やってみるか)
小梅「悪魔を、追い払うには…か、体をバラバラにしなきゃ…いけないの…」
拓海「うぇー……マジかよ…」
小梅「うん…でね、さ、最初の犠牲者は…」
<バターン!!
涼「アタシの歌を聴けぇぇぇぇ!!!!!」
拓海「うわあぁぁぁああああ!!!???」
小梅「あうっっ……!!?」
涼「ハハハッ!ナイスシャウトだね拓海!なかなかやるじゃん!おー!もう一人は小梅だったんだ!意外な組み合わせだねー!」
拓海「りりりりりりり涼!!?」
小梅「び、びっくり、した……!」
涼「驚かせてごめんな?」ナデナデ
小梅「ううん、大丈夫、だよ……」
拓海「………………………」
拓海 (これは……ヤバイ……)
拓海 (まだ半分もあらすじ聞いてないのに……)
拓海 (…登場が早すぎるだろ…クソッ……!)
涼「ん?拓海、どうしたの?顔面蒼白だよ?」
拓海「えっ?!い、いや、ちょっとな!ちょっと、あの、ほら………そう!痛えんだ!節々が!節々が痛え!!」
涼「…節々が痛えって……大丈夫か?」
拓海「心配すんなって!よくある事だから!昔っから節々だけ弱いからさ!」
涼「……そ、そっか……」
拓海「…………」
涼「……そういや、小梅と2人で何してたの?」
小梅「!」
拓海「……ッ…!」
涼「なんか熱心に喋ってたから気になっちゃてさ、良ければ教えてくれない?」
小梅「………」チラッ
拓海「………」
拓海「……あのー……アレです……」
涼 (『です』……?)
小梅 (『です』……?)
拓海「…ざ、雑誌…読んでたんです…」
小梅 (…ウソが、下手すぎる……)
涼「……ふーん、雑誌を、ね……」
拓海「………」
小梅 (……す、すごい汗……)
涼「………………」
涼「雑誌も無いのに?」
拓海「ッッッ!!!!!!!!!!!」
小梅 (……あぁ…………)
拓海「………」
小梅「………」
涼「………」
涼「………ん?」
『死霊のはらわた』
涼「………」
涼「………」チラッ
小梅「……?」
涼 (……なるほどね)
拓海「…ぅぅ………」
涼「拓海」
拓海「………んだよ」
涼「なんで今ウソついたの?」
拓海「うっ……」
涼「………」
拓海「………」
涼「アタシに何か隠してる?」
拓海「か、隠すワケねーだろ…」ビクビク
小梅 (涼さん…絶対気づいてる……)
涼「じゃあ何でそこまでオドオドしてるの」
拓海「し、し、してねーし……」ビクビク
小梅 (…ふ、ふるえてる……)
涼 (本当に元暴走族なのか……?)
拓海「…うー……」ビクビク
小梅「………」
涼「………」
涼「拓海」
拓海「……なんだよぉ……」
涼「もういいんだ」ギュッ…
拓海「ッ?!」
小梅「……!?」
拓海「り、涼!!てめーなに抱きついてやがる!!早く離れろォ!!」
涼「……拓海、やめろ」
拓海「何をだよ!!」
涼「もう自分に嘘をつくのはやめろ」
拓海「は、はあ?!何……何言ってんだよ!!アタシは自分にウソなんて……!!」
涼「映画、観れなかったんだろ」
拓海「…………っ」
涼「………」
涼「……拓海はさ、顔に出るんだ」
拓海「………顔…?」
涼「……機嫌良い時も、悪い時も、辛い時も……全部、顔に出てんだよ」
拓海「………テキトーぬかすんじゃねえ」
涼「テキトーじゃないよ、だっていつもの拓海は……」
涼「そんな顔してないだろ」
拓海「!」
小梅 (…おねえちゃんが…押されてる……!)
涼「もっと嬉しそうに…楽しそうに笑ってるだろ」
拓海「………」
涼「だから拓海……いつもみたいに笑ってくれよ」
涼「なっ?」
拓海「………」
涼「………」
小梅 (…ど、どうしよう…このままじゃ、おねえちゃんの…プライドが……)
小梅 (…バ、バラバラにされちゃう…!)
拓海「………はあ…」
拓海「…オマエには敵わねーな……」
小梅 (えっ…!!!??)
拓海「分かった……正直に言うよ」
涼「………うん」
小梅 (…えっ……え……!?)
拓海「…………結論から言えば」
拓海「やっぱアタシには無理だった」
拓海「人の手を借りてみたが、それでも……ダメだった」
拓海「だからもう、ヤケになって……アタシは…ズルしようとしたんだ……」
拓海「弱いクセに見栄張って…そのちゃちい見栄のために……ダチを騙そうとした…!」
拓海「…最低なヤツなんだ…!!」
涼「………」
小梅 (…な、なんだろう…この空気…)
涼「ッ!!!」バチーン!!
拓海「ぐっ!!!」
小梅「!!!!!!?????」
小梅「…あ、ああ……」ガタガタ
拓海「……ははっ、殴られて当然だよな……だってアタシは…」
涼「黙れ」
拓海「……っ…」
涼「………アンタはアタシのな…最高のダチなんだよ」
涼「そんな人を『最低』だとか言うヤツは」
涼「アタシが絶対に許さねえ」
拓海「………!」
小梅 (……………あれ……?)
涼「………殴って、ごめん」
拓海「…いや、いい。目ぇ覚ましてくれて、ありがとよ」
小梅 (……全然、わからない……!!) ガタガタ
涼「小梅も、ごめんな」
拓海「おう、すまねーな小梅…変なトコ見せちまって」
小梅「…だだだだ大丈夫…だよ…!」ガタガタ
涼・拓海「?」
涼「……あっそうだ、拓海」
拓海「なんだ?」
涼「昨日の約束、覚えてる?」
拓海「……ああ」
涼「早速してもらうけど、いい?」
拓海「……いいぜ、女に二言はねえ」
涼「よし、それじゃあ………」
拓海「………」
涼「アタシと小梅に、ちょっと付き合ってくれ」
小梅「……へ…?」
拓海「…はぁ……?」
涼「小梅、この後ヒマ?」
小梅「…うん…仕事も、無いし…」
涼「拓海は?」
拓海「まあ、ヒマだけど……」
涼「決まりだね。さて、どこ行く?」
拓海「ちょ、ちょっと待て!」
涼「なに?」
拓海「…何でも言うこと聞くつってんのに、そんな事でいいのかよ?」
涼「小梅はそれでいいよなー?」
小梅「…うんっ…!」
涼「ほら、小梅もこう言ってるんだぞ?」
拓海「ぐぬぬ……」
拓海「なんか…連続で負けた気分だ…」
小梅「…おねえちゃん…」ウルウル
拓海「!!」
涼「………………えっ………?」
小梅「…私と、一緒じゃ…いや……?」
拓海「そ、そんな事ない!!むしろ嬉しい!!嬉しいんだけどよ!!」
涼「……………おねえ…ちゃん……?」
小梅「…おねえちゃん…早く……」
拓海「涼!!目と耳を塞げ!!このままじゃアタシたちッ…!!!」
涼「いや、そんな事よりおねえt」
小梅「……一緒に…イこっ…?」
拓海「やられちまぁあッッッ!!!!!!!」キュンキュン!!
涼「ちゃんぁあああ!!!!!!!」キュンキュン!!
『その後、3人で仲良く手を繋いでいるのを目撃されたり』
『拓海のあだ名がおねえちゃんになったり』
『小梅争奪戦なるものが繰り広げられたり』
『R-18に引っかかりかけたりするのだが』
『それはまた別のお話』
おしまい
涼ちんの奇を衒わないスタイルすき
一瞬でも見てくれたらありがとう
3人とも可愛すぎだったのでたくみんはお持ち帰りして一緒にSAWとハンニバルとスウィートホーム観ますね、乙
乙
可愛かった
小梅ちゃんは涼さん通していかつい組とも仲良いイメージ
R-18に引っかかるとかいう部分はもうちょっと詳しく書けないですかね?
タイトルが似ている死霊の盆踊りにしておけばこんなことには…
面白かった
乙
乙キュン
共振てあれか、たくみんの暴れおっぱいがプログレッシブしてたのか
乙
スレタイでスイッチだと気付いた
涼ちんだと一般的にはちんがついてるほうの涼を指しちゃうのでそこだけ気になった
内容は素晴らしかった
その後のお話も読みたいですね
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