凛「違う自分を」海未「飾りたい」 (101)
ラブライブss3作目になります
*今回はうみりん、百合では御座いませぬ ほのぼのです
*4~5レス投下予定
*途中で視点変更有 見づらくなるかとは思いますがご容赦ください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430922275
「もう、ことりっ。ですから、スカートの丈はもうちょっと長くしてくださいって、いつも言っているじゃないですか!」
「で、でもあと2cmだけ。2cmだけだからっ、これならギリギリ見えないし、振付も気をつけるから、ね?」
あちゃー、またやってるにゃ。衣装を作る段階になるといつも見るこの光景。
恥ずかしがり屋の海未ちゃんと、ことりちゃんの情熱のぶつかり合い。
そろそろミニスカートに、慣れても良いと思うんだけどね。
海未ちゃんも食い下がるけど、結局この後は…。
「海未ちゃん、おねがぁいっ」
「ううっ…ずるいです。わかりました、今回だけですよ?」
「えへへーありがとう。じゃ楽しみにしててね♪」
こうやって、海未ちゃんはなんだかんだ負けちゃうんだよね。勝ったことりちゃんは、楽しそうに去って行っちゃった。
「うーみちゃんっ、また衣装のことでもめてたね。凛見ちゃったにゃ」
わざと、おどけながら海未ちゃんの前へと出てみる。
「おや、凛、おはようございます。はぁ、まったく…ことりには困ったものです」
うん、半分諦めって感じの溜息だね。でも、そんなに悲観しなくてもいいと思うけどな。
海未ちゃんはすっごい可愛いし、…凛とは違ってミニだって似合ってる。
「大丈夫だよ!海未ちゃんはとってもとーっても可愛いから、もっと自信を持つべきにゃ!」
「あ、ありがとうございます」
あはは、照れてる照れてる。海未ちゃんって、真正面からの攻撃に弱いよね。今の一言で耳まで真っ赤っか。
「ところで、凛はあの短さで恥ずかしくはないですか?」
「えっ、うーん普段着なら恥ずかしいけど、衣装だから平気かな。…けど、凛にはスカート似合わないって思うよ」
それは昔から気にしてること。からかわれたのがショックで、あの時からスカートは凛と遠い世界になっちゃった。
「そうでしょうか。私よりも、よっぽど女の子らしい凛の方がぴったりだと思いますよ?」
海未ちゃんの言葉に耳を疑っちゃった。え、凛が女の子らしい?それに海未ちゃんよりも!?
いやいやいや、そんなはずないって。髪だってこんなに短いし、私服もズボンばっかりだし…。
「う、海未ちゃん、からかわないでよ。素直に思ったことを言って欲しいにゃ」
「いえ、本当のことを言いましたよ。凛の女の子らしさは誰にも負けないくらいです」
じわじわと恥ずかしさがこみあげてきて、思わずそこから逃げ出しちゃった。
後ろから海未ちゃんが、なにか言いたげだったけど、今の凛には気にしている余裕はないよ。
ごめん、後で埋め合わせはするから、それで許してほしいにゃ。
「海未ちゃんってば、あれを無自覚で言ってるのかな…。短いスカート履くよりかなり恥ずかしいと思うけどな」
逃げ込んだのは中庭のベンチ。一息ついた反動からか、思ってたことが直で出てきてる。
ちょっと冷静になろうとするけど、さっきのことがくるっと巡って、顔がかーっと熱くなる。
「不意打ちはずるいよ…。海未ちゃん恐るべしにゃ」
自販機で買ったサイダーの冷たさに、凛の火照りはどっか行っちゃった。
さてと、飲み終わったし教室へ行こうかな。
本日はここまでです
>>1の注意文間違えてましたね *4~5レス投下予定ではなく *4~5レスずつ投下予定です
ではでは
期待
うみりん期待
再開です
「やっと解放されたにゃ。ようっし練習、れんっしゅう♪」
授業もやっと終わり、いよいよ待ちに待った放課後!
今日は体育がなかったせいか、いつも以上に体を動かしたくって仕方なかったんだ。
「まきちゃーん、かよちーん、凛先行くね!」
だからHRが終わったらあっという間に凛は飛び出していったの。仲良しの二人を置いてね。
力ない悲鳴が聞こえたのは、きっと気のせい…だといいなぁ。
「やったぁ一番乗りっ…じゃなかった。海未ちゃん早いね。ことりちゃんと穂乃果ちゃんはどうしたのかにゃ?」
誰も居ないと思ってたから、もうすごい勢いでドアを開けたけど、海未ちゃんが先についてたみたい。
「凛、そんなに強くドアは開けないでくださいね?穂乃果は、この間の小テストの件で職員室へ、
ことりは日直の仕事で遅くなっています」
「そうなんだ。先生に呼ばれるなんて、穂乃果ちゃん可哀想だにゃ」
「あれは自業自得ですよ。私があれほどやっておいた方がいいと言ったのに…」
あー、うんそれは仕方ないかも。凛だってやばそうなときは(真姫ちゃんに頼るけど)、しっかりやるのに。
「とりあえず、みんなが揃うまでに先に柔軟だけでもやっておきましょうか?」
海未ちゃんも気合十分、やる気もばっちり、凛と一緒だね。
「うん、じゃあ着替えて上行こっ。そうだ海未ちゃん、朝はごめんね?急に逃げちゃって。
お詫びになにか出来ないかな」
「大丈夫ですよ。あ、そうですね…でしたら明日は空いてますか?」
あれ?海未ちゃんからお誘いなんて珍しいにゃ。なんだろ、明日なにかするつもりなのかな?
うーん、わからないや。
「空いてるよ。なにかやるの?」
「いえ、ただお詫びをと言うなら、私と買い物に行きませんかと思いまして」
「あ、なるほど。そんなことでいいなら付き合うにゃ」
そっか、買い物に行くだけだったんだ。ちょっと身構えちゃったけど、意味なかったね。
「でも行く場所は決めてあるの?」
「全然、決めてないですね。まぁ、後でのお楽しみにしておいてください」
はぐらかされちゃった。ふと、思ったんだけどこうやって含み笑いしてる海未ちゃんって、様になるにゃ。
はい、本日はここまでです
乙です!
この2人だけの買い物だと地味目なとこしかいかなそうだな
再開になります
昨日は更新できなかったので、多めの更新です
着替え終わった凛達は、宣言どおり一足先に屋上で柔軟をはじめたの。
ふわぁとしてて、優しい風。今日は天気も良いし絶好の練習日和だね。
「凛も随分と体が柔らかくなりましたよね。日々の鍛練の賜物ですね」
言われた言葉は、凛にはちょっと難しかったにゃ。前屈をしながら凛はそっと聞き返す。
「たま…もの?ってどういうこと?」
「まぁ簡単に言ってしまえば、成果が出ているということです」
「おー、流石海未ちゃん物知り!」
「それほどでもないですよ。あ、背中押してもらえますか?」
「はーいっ。やっぱり海未ちゃんも柔らかーくなってるにゃ」
「みんなで毎日、絵里の考えてくれたメニューをこなしてますからね。効果はしっかり出ますよ」
「うん、凛は初めのころすっごいつらかったけど、今じゃこの柔軟もらくらくだもん」
最初は柔軟やるだけでもあんなにきついとは思わなかったよ。
それこそ、絵里ちゃんのこと鬼だと思ったくらいにね。ああ、もちろんこのことは凛だけの秘密だけど。
「やはり、大切なのは繰り返すことですね。さてと、準備運動はこの辺にしておいて、みんなを待ちましょうか」
ぞろぞろと屋上に揃ってきて、それぞれに柔軟を始めてる。穂乃果ちゃんは海未ちゃんに叱られてるけど…。
そういう凛も、真姫ちゃんにいきなり走り出さないのって注意されちゃった。一通りやることも終わって、いよいよ練習開始。
今日は、まだ新曲も出来ていないってことで、身近に迫ってるプチライブに向けての練習。
とは言っても、やってることはいつもと同じなんだけどね。みんなで精いっぱい踊って、歌ってっていう毎日が大好きにゃ。
学校の規則であんまり遅くまでは出来ないから、7時ぐらいになったら解散。
今日も終わりの時間が来るのは早かったなぁ。もっと長く出来たらいいのに、なんて帰り道で思っちゃう。
でも、気持ちを切り替えなくっちゃね。明日は海未ちゃんとお出かけだから楽しみにゃ。
「たっだいまーっ!おかーさん今日の晩ご飯はー?」
「んーそうね…今日はオムライスよ!」
「おぉやったぁ♪じゃ、凛すぐ着替えてくるね」
久々のオムライスに、凛はご機嫌になって着替えに行く。
忘れないうちにポケットから携帯を取り出してみると、一件の通知が来てた。
「ん?海未ちゃんからだ」
『明日の件です。朝10時、駅前に集合でお願いします。』
『わかった!じゃ、また明日っ >ω</』
これでオッケーかな。よし、ご飯食べに行こうっと。
---その一方で---
「…さてと、これで用件は伝えました。問題は、何処へ行くか決めていないことですね」
凛に連絡を済ませた私は、少々悩んでいました。
実際のところ、本当に計画があるわけじゃないんですよね…。
自分から誘った手前、行きたい場所を凛に任せてしまうのもどうかと思います。
「…思いつかないです。誰かに聞いてみることにしましょう」
凛をよく見ているメンバーと言うと、にこ、花陽あたりでしょうか。その二人に協力を仰ぐことにしました。
「まずは、にこからにしますか」
にこのアドレスを探し、電話をかけます。着信音が短く鳴り響き、繋がりました。
『にっこにっこにーっ。にこでぇすっ♪』
『もしもし、夜分にすみません。今、空いていますか?』
『スルーか…。まぁ、空いてるけど、あんたからかけてくるなんて珍しいわね。どうしたの?』
『実は…』
私は明日のことを話しました。にこならきっと良い案を出してくれるんじゃないかと信じて。
『…というわけなんです』
『へぇ、それでこの完璧な私に助けを求めてきたってわけね』
若干引っかかる部分はありましたが、とりあえず流しましょう。
『ええ、面倒見の良いにこのアイデアならば、参考になると思いまして』
『そうね…凛と一緒なんでしょ?…うーん、じゃあ服屋なんて良いんじゃないの?』
『服屋ですか。なるほど…』
目から鱗ですね。予想していなかった答えに、私は心動かされました。
『そう、服屋よ。恥ずかしがり屋のあんたたち二人だもの、どうせミニスカなんて持ってないでしょ?』
『確かに私は持っていないですね』
『やっぱり。あんたたち素材は抜群なんだから、もっと自信…いや、勇気を持ちなさいよ。
絶対今より可愛くなれるわよ?ま、私には及ばないけど』
素直じゃないというかなんというか、ふふ、にこらしい言い方です。
『ありがとうございます。にこは本当に頼りになります』
『なっ…あ、当たり前じゃない。私はみんなのスーパーアイドルにこちゃんなんだから!
…それじゃあ、切るけど大丈夫?』
『はい、おやすみなさい』
『ええ、おやすみ』
勇気…それは確かに私に足りないもの。今回の計画で少しは変われるのでしょうか。
「とりあえず、服屋には行くだけ行ってみましょう。次は花陽ですね。出てくれるといいのですが」
かけた電話はつながらず、虚しく機械音声が返ってくるだけでした。
「電源が入っていないみたいですね。仕方ありません…諦めますか。あれ?意外と長電話をしていたみたいです。
こんな時間になってしまうとは…」
何気なく視線を移した時計は、11時を示しています。
「随分遅いですし寝ますかね」
明日のために、今日はもう休息を取ることにしました。
本日はここまでになります
乙
更新です
そして、何も浮かばぬまま夜が明けて。
「…もう、朝ですか」
晴れやかな空模様とは裏腹に、私の心は鈍色です。
昔から遊ぶことの少なかった私には、このプランを考えるのは荷が重かったのかもしれません。
「もっと女子高生らしいことをやっておくべきでした」
思わず口にしたのは、溜息とほんの少しの憧れ。
別に稽古漬けの毎日が嫌なわけではないですが、私にだって、一般的な少女らしく自由になりたい願望はあります。
「悔やんでいても仕方がないですね。今日はその分楽しむことにしましょう」
自分に言い聞かせるのです。私が楽しまなくては凛に失礼ですからね。
「そうは言っても、どうしたものでしょうか…」
また思考を巡らせようとしていると、丁度花陽から電話がかかってきました。
『はい、おはようございます花陽』
『おはよ~海未ちゃん。昨日はごめんね?あのとき電池切れちゃってて…。
えっとそれで、花陽になにか用があったんだよね?』
にこと同じように今日のことを伝えました。
『よくわかるなその気持ち。えへへ、花陽も任せきりになっちゃうことが多いから。
でもね、凛ちゃんはそういうの気にしないから大丈夫だよ』
『そうなんですか?』
『うん♪多分海未ちゃんは考え過ぎてるだけだよ。もっと気楽にしてもいいんじゃないかなぁ。
昔ね凛ちゃんは、誰かと遊べるだけでもすごく楽しいって言ってたんだ』
ずっと一緒の花陽が言うと説得力があります。そうですね、私は気負い過ぎていただけかもしれません。
なんだかすっと心が軽くなった気がします。
『…私が誘ったから、私が全部計画しなくてはと、変に張り切り過ぎていたみたいです』
『あはは…でも、一緒に出掛けるんだから一緒に考えるのもきっと楽しいよ♪』
『ありがとうございます、花陽』
『力になれたのかはわからないけど、どういたしましてだよ♪…あ、ごめんねごはんが炊けたみたいだから食べてくるね』
『はい、わかりました。では、また今度』
『うん、またね海未ちゃん』
ツーッと切れる音を確認した私は、電話を離しました。
二人には、今度改めて何をお礼するべきか考えながら、私は出かける準備を始めます。
はい、本日はここまでです
本日分おつおつ
再開です
「…来るのが少し早かったでしょうか。まだ、凛の姿は見えませんね」
私が着いたのは、待ち合わせよりも20分も早い時間ですから、当然だとは思います。
「時間までなにをしていましょうか…」
こうして持て余すくらいなら、あと10分遅く出てきてもよかったかもしれないですね。
思っていたよりも空いてしまったこの時間を、どうしようかと考えていた時でした。
後ろから、私を呼ぶ元気な声が近づいて来ます。
「おーいっうみちゃーん!おはよーっ」
太陽のような笑顔を浮かべ、大きく手を振りながら凛が向かって来ました。
あ、危ない。人とぶつかりそうになりましたね。
なんだか危なっかしいので迎えに行きましょう。
「おはようございます、凛。早いですね」
「うん、早く来て海未ちゃんを驚かせちゃお!って思ってたから、でも海未ちゃん早すぎだよっ。これじゃ計画失敗にゃ」
流石凛です。あの距離を走ってきても、息切れ一つ起こしていません。
「そうですね。少し余裕を持たせすぎてしまいました。それにしても凛、通行人がいるんですから走ったら危ないですよ?」
大事に至らなかったとはいえ、注意しておくに越しませんね。私はやんわりと伝えました。
「うぅ、ごめんなさい…。次は気を付けるね」
凛は本当聞き分けが良くて助かります。
しゅんとした表情がまた可愛い…ってなにを考えているのですか私は。
「それで、最初に何処へ行くの?」
どこかワクワクとした様子で尋ねてきます。ふふ、これから行く場所を伝えたらきっと、びっくりするでしょう。
「先ずは服屋に行こうかと」
「え、服屋?へぇ…随分意外な場所だにゃぁ」
くすくす、やっぱり予想外だったみたいです。まぁ私自身も、聞いたときは同じ気持ちでしたけれど。
およそ私の口から出たとは思えない台詞に、補足をしておきましょうか。
「短い衣装に慣れる為の、練習のようなものですよ。ちょっと勇気を出してみようと思うんです」
「おぉ…じゃ精いっぱいお手伝いするよ!」
「お願いしますね。さてと、ずっと話していてもなんですし、行きましょう」
「ようしっレッツゴーにゃ!」
二人肩を並べて、歩き出して行きます。
「ねぇところでさ、この辺で服屋って言っても、どこにあるの?」
「言われてみれば…それもそうですね」
ここ、秋葉原はもともとファッションとは程遠い街。服と言っても、コスプレやらなんやらで変わったものばかりです。
ましてや、純粋に女の子向けとなると限られてくるでしょう。
「駅ビルの中くらいしか思い当りませんね…」
「…肝心なとこでぽんこつだにゃ」
「うっ、すみません。不慣れなものでして…。まぁ、とりあえずはそこへ行きましょう」
「うんっ♪」
気を取り直して、ビルの中へ。しかし、もうちょっと下調べをしてくるべきでしたかね。
せめて、おすすめの場所だけでも聞いておいたらよかったです。
本日はここまでになります
書き溜めが尽きてしまったので次回以降更新が不定期になるかもしれません
ではでは
乙です!
次回更新も楽しみにしてます
この2人だとこういう時どっちが主導権握るのか楽しみです
ほ
お久しぶりです
更新大変遅くなってしまいすみません
再開になります
「いざ、来てみると…随分煌びやかな場所ですよね」
普段の私にはなかなか縁がない場所なので、ちょっと尻込みしてしまいました。
なんと言えばいいんですかね…うーん、その合わないというか。
ことりが一緒に居てくれたらきっと心強いはずです。ああっしかし、それはそれで振り回されてしまいそうですけど。
「そうだね。凛、海未ちゃんに似合いそうな服探してくるにゃ」
「あ、はい。わかりました」
私が頭の中のでぐるぐると思考を巡らしていると、凛がぱーっと行ってしまいました。
ただ待っているのもあれですし、私も凛に似合いそうな服を探してみましょう。
「海未ちゃーん、こんなのはどうかな?」
凛が持ってきたのは、青地に星の模様が入ったミニスカート。
非常に可愛らしいですけど、あれを履くんですか…短すぎる気がしないでもないですね。
「凛、あのそれ、いきなり挑戦しすぎじゃないですか?」
「うん?そうかな?いつもの衣装と変わらないって」
「で、でもスリットみたいなのもあって露出が多いと思うんです」
心の準備はしてきました。もとより慣れる為に来たわけですけれど、いきなりハードルが高すぎます!
ちょっと狼狽えていたら、凛に指摘されました。
「もーっ、そこで遠慮してたら今日ここにきた意味ないじゃん!ほらほら早く着替えるにゃ」
スカートを持たされ、凛の手により私は無理やり更衣室の中へ。
確かに当初の目的を考えたら、躊躇っているわけにも行きませんよね。
「覚悟を決めましょう。そして己に打ち勝つのです」
凛には聞こえない程度の声でそうつぶやいて、私は着替え始めました。
わぁ…履いてみると本当短いですねこれ。足がすごくすーっとします。
とりあえず凛に見せてみましょう。
「ふぅ、着替え終わりました。…どう、ですかね?変じゃないですか?」
「ううん、全然変じゃないよ!海未ちゃんかーわいいっ。よく似合ってるし、すっごくセクシーだにゃ」
「あ、あのそんなにはしゃがないでください。恥ずかしいです…」
「気にすることないよ。海未ちゃんは凛より可愛いからっ」
こうして褒められるのって慣れていないので、なんだかくすぐったいですね。
…それにしても、凛はどうしてここまで自分を卑下するのでしょうか。
昨日からずっと気になっていたんです。いや、思えば昨日だけではないですね。
パートにわかれるときも、衣装決めのときも、いつも凛は人を立ててばかりで自分を決して前に出さない。
それは私と同じで変化を恐れているのかもしれません。
よし、ならば私もあの小さなまほうつかいのように、勇気のきっかけにならなくては。
「凛、あなたもとても魅力的ですよ。だからそんなに自分を下げないでください。絶対に似合いますから」
「え…?ど、どうしたの急に」
居てもたってもいられなくなった私は自然と言葉を紡いでいました。
「前から気にしていたんです。凛が自分を低く捉えていることに。
…その、話しづらいことなら構いませんが、わけを教えてもらえませんか?」
これは触れてもよかったのでしょうか。果たして凶と出るか吉と出るかはわからないですけれど。
しかし私のエゴでなにか力になれるのであれば、私は耳を傾けたいです。
我ながらおせっかいで自分勝手だとは思います。
戸惑った様子の凛は少し深呼吸をして、その胸の内を話し始めました。
「かよちんは知ってることなんだけどね、凛は小学校のころスカートを履いて学校に行ったことがあるんだ」
「そうなんですか。ずっとズボンだったわけではないんですね」
「うん。で、その時にクラスの男の子にからかわれちゃって、『ああやっぱり似合ってなかった』
そう思っちゃったの。今になって考えてみると、その子達に悪気があったわけじゃないのはわかるよ?
でもそれ以来凛はスカートを履いたら、誰かに何か言われるんじゃないかなって遠ざけてた」
なるほど、これが根底にあったものなんですね。
私にはよくわかります、人からどう見られているのか気にする気持ちが。
「つまり怖いのですよね…?」
「そうなのかな…うん、凛は可愛くなれないって怯えてるんだよね。髪も短いし、女の子らしくないってわかってるから」
「凛自体はどうしたい…いや、どうなりたいですか?」
「それはもちろん、凛もみんなみたいに可愛くなりたいけど…」
私は無意識の内に凛の手を握り、その言葉を遮っていました。
「その気持ちがあるならきっと変われます。大丈夫ですよ、変化を恐れないでください。
一人じゃ怖くても、私がついています。ですから一緒に一歩踏み出してみませんか?」
冷静になるとわりと恥ずかしい内容を言っている気もしますが、今そんなことは些細なことです。
神妙な顔で返答を待っていると、急に凛が吹き出しました。
「ぷっ…あは、あははは海未ちゃんってば格好つけさんだにゃ」
「なっ、わ、私は思ったことを言っただけで。そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
「あはははっ、ご、ごめん…♪でもありがとう、ちょっと楽になったかも」
凛はひいひいと笑いながら、目に涙を浮かべています。
涙を拭ってひと段落つき、凛が続けます。
「…凛も着飾ってもいいの?本当に女の子らしくなってもいいのかな?」
「ええ、したいようにすればいいんですよ。可愛くなりたいならそれで問題なしです。
もし、そんな凛を咎める輩がいるのであれば、私が直々に思い知らせてあげますから」
「海未ちゃんそれはちょっと物騒じゃないかにゃ…うーん、わかった!凛も踏み出してみるよ!」
「ようしっ!じゃあ海未ちゃん一緒に選んでほしいにゃ。とびっきり可愛いのをねっ」
「はい♪凛も私に合いそうなのを選んでくださいね?」
凛は憑き物が落ちて吹っ切れたようです。
よかった、私は小さな勇気のきっかけになれたみたいで嬉しいですね。
その後私たちは、いろいろお互いに見繕っていました。
ただ、どうしても服というのは高いもので、結局買うのはあきらめたのですけどね。
「うーんっ楽しかったー!」
服屋を後にし、凛が大きく伸びをしながら言いました。
「そうですね。たまにはああして色んな服を着るのも悪くないです」
「それにしても、海未ちゃんがあんなにノリノリだったから凛、びっくりしちゃったにゃ」
「まあ、その…着替えているうちに楽しくなってきてしまって。ことりには内緒ですよ?」
今日のことがうっかり漏れてしまったら、きっと衣装に一切の遠慮がなくなってしまう気がします。
ああ、恐ろしい…。それだけは避けなくては。
私のそんな胸中を察してくれたようです。凛はうんうんと頷いています。
「ところで、海未ちゃんの買い物って?服を買いに来たわけじゃないみたいだし」
「そういえば伝えていなかったですね。今日はテーピングなどの備品を補充しようと思いまして」
「そっか、そういう目的だったんだね」
「はい。みんなが怪我をしてからでは遅いですからね」
「うんうん確かに。…あれ、もしかしてそういうものって全部海未ちゃんが管理してるの?」
「そうですね。私は剣道をやっている都合上スポーツ用品店には足を運ぶことが多いですから」
いわゆる適材適所ですね。少しでも専門的な知識があった方が、備品類を管理するには都合がいいでしょうし。
「凛、全然知らなかった。ごめんね海未ちゃん」
「別に謝るほどのことでもないですよ。代金は部費から賄っていますし」
「ううん、凛が言いたいのはそうじゃなくて、海未ちゃんに負担かけてる気がしたから。
凛は特にμ'sのためになにかしてるわけじゃないから、余計に申し訳ないにゃ」
なるほど、つまり凛も役に立ちたいということでしょうかね。
そもそも、発起人である穂乃果が本来こういったことをするべきなんですが…。
ふふ、まぁ穂乃果に期待をするのも間違いだとは思いますけど。
私がこうして買い出しに来ている憂いをよそに凛が続けます。
「ねぇ海未ちゃん。もっと凛を頼ってくれてもいいんだよ?今日みたいに備品の買い出しとかなら、任せてよっ。
そのくらいなら凛にだって出来るし、何より海未ちゃんも楽じゃないかにゃ?」
「確かにありがたいですね。では、次もまたお願いできますか?」
「うんっ。えへへ次も楽しみ~。んじゃさっそく目的のお店へ行こっか!」
言い終わると同時に私の手を取った凛が走り出します。
「ちょっ…凛、そっちじゃないです。あっちですっ!」
凛の勢いに為す術なく私は連れられて行きます。
はい、本日はここまでです
久々の更新だったので、かなり長めの更新となっております
では、またの更新ときに
期待
お待たせしました
更新になります
「いきなり駆け出すからびっくりしました。せめて一声かけてくださいね?」
「あはは、つい楽しくなっちゃって♪」
まさか小川町まで走ることになるとは思わなかったですね。
普段から鍛えておいてよかったと痛感しました。
「それに、なにも手を引いて走らなくてもよかったじゃないですか。わりと視線が集まって恥ずかしかったのですが…」
「いやぁごめんね。ちょっと強引だったかな」
「結果的には早く予定を済ませられるのでよしとします」
なんて素直じゃないことを口走ります。
内心可愛い後輩に、振り回されるのも悪くないと思っているくせに、いじわるですね私は。
「あ、あう…もしかして怒ってる?」
「ふ、ふふっ…怒っていませんよ。すみません、ほんの出来心でからかっただけです」
「にゃあああっ。海未ちゃんに弄ばれた気がするにゃ…」
「さあさあ、目的地まで行きましょうか♪」
普段は私がからかわれる側ですし、今日くらいばちは当たりませんよね?
「随分いろんなものがあるんだね」
「スポーツ専門店ですからね。幅広い需要に答える必要があるのでしょう」
凛にとっては物珍しかったようで、店内を繁々と興味深く見渡しています。
行ったり来たりと知らない場所を探索する姿は、まるで本当の猫の様ですね。
あ、立ち止まりました。あれは…。
「バドミントンのラケットですね。凛、購入するのですか?」
「うーん、どうしようかな。持ってはいるけど昔買ってもらったやつだから、ちょっと小さいんだよね…」
普段は即断即決のイメージがありますが、今日はそうもいかないようです。
凛がここまで悩んでいるのは初めて見る気がします。
…よし、たまには先輩らしい面を見せないとですね。
「値段もそこまで大した物でもないですし、良ければ差し上げますよ」
「え、いやそれは悪いかな。大丈夫だよ」
「まあそう言わずに。私から今日のほんのお礼です」
それだけ伝えてラケットに手をかけました。
「本当に良いの…?」
「はい。私にはあまり趣味と呼べるものは無いですから、こういう時くらいしかお金を使わないでしょうし」
「ありがとう海未ちゃん!あ、でも待って、やっぱり不公平だから凛も海未ちゃんに買ってあげる!」
あれ?それって私がお礼出来ない気がするのですが…。
「なんでそんなポカーンとしてるの…?凛、別に変なこと言ってないよね?」
「えっと、それでは私がプレゼントする必要が無いのではと思いまして」
凛が大きくため息をつきました。
皆目見当がつかないのですけれど、なにかまずいことを言ってしまったのでしょうか…。
「海未ちゃんは本当朴念仁だにゃ。バドは一人じゃできないから、一緒にやろうっていう意味だったのっ!」
「ああ、なるほど…。合点がいきました」
「はぁ…。まぁそういうわけだから後で、ね?」
「了解しました。では会計を済ませましょうか」
「うんっ♪」
それにしても今日は凛に呆れられてばかりですね。自分の知らないうちに、思いのほか浮かれているのかもしれません。
なんにせよ凛は喜んでくれているようでなによりです。
横でうきうきとしている凛を見てると自然と口角が緩みそうになってきます。
そして私達は店を後にしました。
はい本日はここまでです
乙です
うみりんいいね
再開です
「この辺でいいかな?」
「いいと思います。広さも申し分ないですし」
私達は近くの公園に辿り着きました。
まだ昼間だというのにとても閑散としていました。
その方が都合はいいですけどね。子供達の中に混じっていくのは勇気が要りますから。
落ち着く場所ですね、ここは。
「うんしょ、うんしょっと。よーっし、準備オッケーだよ!」
私が静寂を楽しんでいる間に、準備運動を終えたようです。
さて、凛を待たせる訳にもいかないですから、私も準備しましょう。
「…ふう。はい、大丈夫ですよ。さ、始めましょうか」
「いくよー。それっ」
軽快な音を立ててシャトルがひらひらと飛んできます。
「おっと、はいっ」
「えいっ」
ぱすっ、ぱすっと軽はずみな感触が心地いいです。
暫くぶりのそれはどこか懐かしさがありますね。
「いい調子だね海未ちゃん。これならずっとラリー出来そうだよ!」
「中学の授業以来ですが、案外出来るものですね」
「へぇ、そうなんだ。でも海未ちゃんのことだからきっと授業にも本気でやってたんでしょ?なら、当然だと思うにゃ」
「そういうものでしょうか。私は至って普通に取り組んでいただけですから、なんとも言えないです」
「またまたー。謙遜しちゃってー」
シャトルとともに私達の会話も弾みます。
そんな緩い空間だからなのか、甘い球がふわりとこちらへ。
ここなら…いける!思わず私は打ち込む体勢に入っていました。そして…。
「はぁっ!」
「え、えっ、ちょっ…あいったぁーっ」
「あ」
スパーンと放たれたスマッシュは凛の額に直撃。
うめき声と共にその場に崩れ落ちる凛。
「もうっ、いきなり本気出すなんて聞いてないにゃ!それに、あんな速い球とれる女子がどこにいるのさ!」
「すみません凛っ。大丈夫ですか?」
「うぅ…すごく痛い…」
「ごめんなさい…。力が入りすぎました」
「まったくだにゃ。凛だって楽しくなりすぎてヒートアップしちゃうのはよくあるけど、流石に今のは酷くないかな?」
「反省してます…」
体が勝手に、とは言えないですよね。
私の中の闘争心の所為でしょうか、どうしても決めずにはいられなかったのです。
本当に申し訳ないです…。
はい、本日の更新はここまでです
次回から視点が凛ちゃんに戻ります
構想としてはもう少しで完成の予定です
ぜひとも最後までお付き合いいただければ幸いです<m(__)m>
三行目が見えない
屋外でバドミントンってかなり難しいよな
お待たせしました
再開です
ーーーーーー
「まあうん、とりあえずもう大丈夫だから。続きやろっ!」
「その…私とやるのは怖くないのですか?」
「何言ってるのさ。怖いわけないよ。すっごい楽しかったよ」
確かにさっきの豪速球が怖くないって言えば、嘘だけどさ。
実際まだおでこはひりひりしてるし。
「だからやるのっ。…それとも海未ちゃんは凛とやって楽しくなかったの…?」
ことりちゃんの真似をして、ちょっと涙目で訴えてみる。
成果はどうかにゃ?お、効いてる効いてる。
海未ちゃん面白いくらい慌ててる♪
「いや、そんなことないですよ!?私もとても楽しかったですって!」
「うん、知ってるよっ。凛にぶつけるくらい熱中してたもんね?」
「うっ…やっぱりまだ怒ってますよね、凛…」
「ぜーんっぜん」
「本当に本当ですか?」
いつまでもこうしてるのもじれったいなぁ。
大丈夫って言ってるのに、もう意外と心配性なんだから。
ようしっこうなったら、いきなり始めちゃおっと。多少強引だけど、こうでもしないといつまでも気にしてそうだしね。
「わっ、急に始めるなんて、ずるいです。せいっ」
「油断してるのが悪いにゃ。でも不意打ちだったのにしっかり返してる。えいっ」
凛の急な攻撃にも、海未ちゃんは全然バランスを崩してないね。
あれかな、弓道で体幹だっけ?を鍛えてるからかな。
流石だね♪かよちんや真姫ちゃんなら多分取れないんだろうなぁ…ってそうだっ、今度は真姫ちゃんともやろう!うん、そうしよう。
「凛?どうしたのですか?急ににやけだして」
「へ、ああうん。なんでもないにゃー」
知らない内に顔に出てたみたい。
みんなとこうして、バドやったら楽しいだろうなーって。
そのあとは、特にこれといったこともなくて、楽しい時間はあっという間に過ぎて行っちゃった。
「さてと、今日はこのくらいにしておきましょうか」
「えーっ、もう終わり!?」
まだまだやりたいから、つい抗議の気持ちを出しちゃう。
「私としても、残念ですが…。凛、そこの時計を見てください」
うん?時計?どれどれ…。
ありゃ、もう5時かー。まあそれじゃ仕方ないや。
「いつの間にか、こんな時間だったんだね。ちょっと物足りないけど、おしまいにしよっか海未ちゃん!」
「そうですね。またの機会にやりましょう」
あんまり遅くならないように凛達は、そそくさと片付けを始める。
「もっとやりたかったけど、うん満足かな。あ、海未ちゃん汗かいたでしょ。飲み物買って来るから待ってて!」
「わかりました。お願いします」
海未ちゃんに軽く合図をして、さあしゅっぱーつ!
自販機はどっちかな?あれ、見当たらないや…。
「コンビニ行くしか無いみたいだね。一応遅れるかもって連絡しておかなくちゃ」
確かあっちの方だったはず。自分の感覚を頼りに通りへ抜けていく。
お、あったあった。ちょっとお腹も空いちゃったし、何か軽い物も買っていこうっと。
「悩んでたら、意外と時間が経っちゃったにゃ。あんまり待たせちゃ悪いよね。早く戻らなくっちゃ」
すでに公園を出てから15分が経とうとしてた。
いやね、凛もこんなに時間がかかるとは思わなかったよ?
ただ、レジ前の商品がどれも美味しそうだったから何食べようか、パッと決められなかっただけなの。
結局凛だけ食べるのもどこか不公平な気がしたから、二人で分けあえる物にしたけどね。
はい、本日はここまでです
ようやく全文書き溜め終わりました
あと2~3回の更新で御終いになるかと思います
乙ー
再開です
「お待たせーっ。ごめんね、遅く…あれ?海未ちゃんもしかして寝てる…?」
公園に戻って来て、わりと大きな声でベンチに座ってる海未ちゃんに声かけたけど反応は無かった。
そばに行って様子を見てみると、小さく寝息をたててるのが分かる。
「まあ流石に、3時間も通しでバドやったら疲れちゃうよね。いくら海未ちゃんでも体力が無限にあるわけじゃないだろうし」
にしてもこのままって訳にもいかないよね。
風邪ひいちゃうし、なにより唐揚げが冷めちゃう。
「おーい起きてー。風邪ひいちゃうよー」
「う、うん…?はっ…お帰りなさい凛。すみません、私としたことがうたた寝していました」
「まあ仕方ないよ。はい、スポーツドリンクでよかったよね?」
「ええ、ありがとうございます。…ん、ふう。染み渡る感じがしますね」
「うんうん、やっぱり汗かいたあとはこれだよね。ところでお腹空いてないかにゃ?」
「そういえば、些か空腹感がありますね」
「そうだと思ってね…じゃーんっ、唐揚げ買ってきたよ!今キャンペーン中で丁度6個入ってるんだって。さ、食べよっ」
海未ちゃんの発言を待ってましたとばかりに、小さなレジ袋から唐揚げを取り出す。
食欲を誘う匂いが鼻をくすぐってくる。
「何から何までありがとうございます凛。じゃお言葉に甘えて頂きます」
「そんな大層な物じゃないってば。凛も1つっと。…うん美味しいっ!」
空腹だからか、いつもよりも美味しく感じるよ。
こういうのがちょっとした幸せって言うのかな?
コーヒー一杯の幸せならぬ、唐揚げ一つの幸せ…なんてね。
「んーっ、ご馳走様っと」
「ご馳走様です。なかなか美味しかったですね」
凛が3つ目の幸せを噛み締めている間に海未ちゃんも食べ終わったみたい。
「それじゃ帰ろうか海未ちゃん!」
言うと同時に軽くゴミを捨ててきて、夕暮れの公園から離れていく。
本日はここまでです
再開です
「凛、今日はありがとうございます。おかげで素敵な一日になりました」
「改まって言うほどの事でもないにゃ。でも、凛も海未ちゃんとお出かけ楽しかったよ!また一緒に出掛けよっ。
あ、そうそう今度はね、凛のオススメの場所教えてあげる!すっごいおいしいラーメン屋さんなんだけどね、…」
次回のことを考えたらワクワクが大きくなりすぎて、この後延々としゃべっちゃった。
凛は自分の好きなものは、周りにも好きになってもらいたい性質だからついね。
それに海未ちゃんはじっくり話を聞いてくれるから、話す側としてはすごく楽しいってのはあるかも。
「…でね。そこのお店は、量は多いんだけどあっさりしてるから、多分海未ちゃんでも食べやすいと思うよ!」
「なるほど。参考になりますね」
なんて話している内にもう秋葉原の駅へ到着。
時間が経つのは本当に早いや。
「…もう、着いちゃったね。あっという間だったにゃ」
「ずっと話していましたからね。それこそ時間さえ忘れるほどに」
「なんだかペラペラとごめんね?」
「いえ、なかなか興味深い話でしたよ。それに凛が本当にラーメンが好きなのがしっかりと伝わりました。
また今度是非聞かせてください」
「うん、わかった!それじゃあまたね海未ちゃん!」
「はい、ではまた」
駅の前で海未ちゃんを見送って、凛も背を向けて帰り道へ。
「ふふ、今日は楽しかったぁ!」
一人になった帰り道で、思わず口ずさむ。
きっとそれは、自分が寂しくならないように。
凛は誰かと遊んで別れた後の静かさが嫌いだから。
口に出すことで気を紛らわせる。
「次は海未ちゃんの家に遊びに行ったりするのも楽しそうだにゃ」
お互いに送りあった、ラケットを握る力が強くなる。
それぞれのイメージカラーのラケット。
凛のは海未ちゃんカラー。海未ちゃんのは凛のカラー。
「あーあ、どうして楽しい時間はこんなにも短いのかなぁ」
やっぱり次に遊ぶことを考えると少し切なくなるね。
「ううん気持ちを切り替えなくっちゃ。…また今度か、楽しみだなぁ。次は絶対負けないからね海未ちゃん!」
とは言え別に勝負してたってわけじゃないけど。
…まずはあの超速スマッシュが取れるかが課題かな。
よーっしがんばらなくっちゃ。
凛の頭の中は今すっごく充実してる。
「今度も楽しくなりますよーにっ」
少々尻切れトンボになってしまった気がしますが…。これにて完結です
見てくださった方、レスをくれた方ありがとうございました<m(__)m>
次回の題材はまだ未定ですが、またいつか会える日を
それでは依頼を出してきたいと思います
乙でした
乙乙
今まさに凛ちゃんと同じ心境だよ
乙乙!
仲良しうみりんはやっぱり良いなぁ
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