僕「瞬殺の破局」 (11)
僕(それは、高校卒業を3日後に控えた日だった)
僕(ちなみに、場所は屋上だ)
後輩「好きです、付き合ってください」
僕「え」
僕(呼び出された僕は、所属していた部活の後輩に、まさかの告白をされたのだった!)
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僕「本当に……僕でいいの?」
後輩「……はい」
僕(俺の問いに、顔を真っ赤にしながらコクリ、と頷く彼女!)
僕(信じられない!)
僕(しかしこれは、紛れもない現実なのだ!)
僕(やった、やったよ!)
僕(まさか!)
僕(まさかこの僕に、彼女が出来る日が来るなんて!)
僕「ありがとう! ありがとうぅぅぅぅ!」
彼女「キャッ!?」
僕(幸福の絶頂に上り詰めた僕は!)
僕(喜びの感情に身をゆだね!)
僕(彼女の制服に包まれた、腋の下をくすぐった!)
彼女「キャハハハハーッ!?」
僕(悲鳴をあげ、身体を捩って逃げようとする彼女!)
僕(そんな彼女を背後から羽交い締めにし!)
僕(さらに腋の下をくすぐろうと試みた!)
僕(オッケイ!)
僕(ギリギリ指が、腋の下に届くぞ!)
僕「こちょこちょこちょ」
彼女「アハハハハ! やめてーっ!」
彼女「やめてください~っ! キャハハハハ!」
僕「どう? くすぐったい?」
彼女「くすぐったいです~! アハハハハ! 私くすぐったがりなんです~っ!」
僕「くすぐったがり!」
僕(その言葉に、僕の心はヒートアップ!)
僕(彼女の腋の下をくすぐる指先もスピードアップ!)
彼女「やめて~っ! なんで、なんでくすぐるんですか~っ!」
僕(笑いながらのたうち回る彼女に、僕は答えた!)
僕「僕、くすぐりフェチだから!」
僕(そう!)
僕(僕は子供の頃から、どうしようもないぐらいのくすぐりフェチなのだ!)
僕(僕は女の子がこちょこちょされ、笑い悶える姿が大好きなのだ!)
僕(恋人同士ならば、ボディタッチはごく自然な事象!)
僕(ならば、くすぐりも許されるに違いない!)
僕(誰もが納得するであろう理論を脳内展開!)
僕(そして僕が腋の下をくすぐる指の動きをさらに早めようとした、その時だった!)
彼女「ごめんなさい! やっぱりなかったことにしてください~!」
僕「え」
僕(息も絶え絶えな様子で、後輩は交際のキャンセルを宣言した!)
僕(慌てて羽交い締めを解いたものの、時すでに遅し)
彼女「こんなの、毎日耐えられません!」
僕(そう言い残し、後輩は僕から逃げるように、屋上から走り去ってしまった……)
僕(ここに、初めての彼女との交際は終わった!)
僕(時間にして、わずか30秒の出来事だった……)
僕(くすぐりではなく、キスやハグだったらOKだったのだろうか)
僕(僕の問いに答える者は、もはやこの場には誰もいない)
僕(今日ほど、自分のニッチな性癖を悔やんだことはなかった)
僕(ただ一つだけ、確実にわかったことがある)
僕(それは)
僕(腋の下をこちょこちょされている後輩の笑い声が、最高に可愛かったということ)
僕(くすぐりフェチの僕に、彼女が出来る日は遠い……)
Fin
恋人といえどもくすぐり過ぎると破局を招きます
ソースは作者
自戒します
読んでくれた方、ありがとうございました
苦手な人には苦痛でしかないからなぁ。
乙
このSSまとめへのコメント
…ま、まあいい勉強になったってことで…