李衣菜「春」凛「うらら」 (26)
―――事務所
ぽかぽか
ぽかぽか……
李衣菜「……春だね」
凛「うん、春」
李衣菜「なんだか眠いね……ふわぁ」
凛「うん……。くぁ……」
李衣菜「しゅんみんあかつきをおぼえず、だっけ」
凛「……そうだっけ……んんぅ」ウト
李衣菜「あはは、寝ちゃダメだよ?」
凛「ん……。努力する……」
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李衣菜「そうそう、春って言えばさ」
凛「うん……?」
李衣菜「やっぱり桜の季節だね」
凛「だね」
李衣菜「それで、桜ってさ……」
凛「うん」
李衣菜「ロックだよね!」
凛「うん。…………うん?」
李衣菜「とっても大きな木でさ、でも小さくて綺麗なピンク色の花を咲かせて……」
李衣菜「それがヒラヒラ舞い散って……すっごくクールだと思わない?」
凛「……そ、そう?」
李衣菜「そうだよ。うんうん、桜はロックだよなぁ!」
凛「う、うーん……?」
P「……凛、凛。ちょっとこっちへ」
凛「あ、プロデューサー。なに?」トテトテ
P「適当に頷いとけ。そしたら李衣菜、満足するから」ボソッ
凛「なるほど」
凛「……李衣菜。ちょっと考えたんだけど……私も桜、ロックだと思うよ」
李衣菜「おおっ。いやー、さすが持つべきは相棒だね。分かってくれると思ったよ~♪」ルンルン
凛(すごく嬉しそう)
凛「私もね、よくハナコの散歩で桜並木の道を歩くんだ」
李衣菜「へー、気持ち良さそうだね」
凛「ふふ、うん。……でね、ふと思ったんだけど」
李衣菜「うん」
凛「桜の花ってピンク色でしょ?」
李衣菜「うんうん、だね」
凛「だったらさ、蒼色の桜があってもいいよね」
李衣菜「うん。…………うん?」
いやその理屈はおかしい。むしろ理屈がない
凛「蒼いバラがあるんだし、蒼の桜があってもいいと思うんだ」
凛「品種改良? とかでなんとかしてくれないかな」
李衣菜「……で、でも綺麗かなぁ」
凛「綺麗で素敵だよ、きっと。だって蒼だもん」
李衣菜「う、うーん……?」
P「……李衣菜、李衣菜。ちょっとおいで」チョイチョイ
李衣菜「あ、プロデューサー。凛が……」トテトテ
P「適当に同意しとけ。そうすりゃ凛、満足するから」ボソッ
李衣菜「なるほどー」
李衣菜「……凛。よくよく考えたら、蒼い桜もアリかなって思うよ、私も」
凛「でしょ? ふふ、やっぱり李衣菜は相棒だね。分かってくれて良かった」ニコー
李衣菜(すごく嬉しそう)
李衣菜「で、なんだけど」
凛「ん」
李衣菜「桜といえば、アレだよね」
凛「うん、アレだね」
李衣菜「そう、」
凛・李衣菜「「お花見!」」
凛「ふふっ♪」
李衣菜「へへへ♪」
凛「というわけで」
李衣菜「お花見行きましょう、プロデューサー!」
P「お? おお、花見か、いいな! 時間取れたら近くの公園でも行くか?」
李衣菜「はいっ。へへ、決まりだねっ」
凛「ふふ、楽しみだね」
P「花見って言ったらやっぱ、桜の木の下で食べる弁当だよな」
凛「あ、それなら李衣菜が料理上手だから、適任だよ」
P「おお、李衣菜が?」
凛「うん。すごく美味しいよ、李衣菜のご飯。泊まりに行くといつも作ってくれるんだ」
李衣菜「そ、そんな美味しいだなんて……へへ、ありがと凛」
P「はは、李衣菜が料理かぁ。得意なものとかあるのか?」
李衣菜「あ、えっと……一応、煮物とかです」
P「煮物ぉ? けっこう家庭的なんだな李衣菜、すごいなぁ」
李衣菜「あはは、プロデューサーの胃袋だって掴んじゃいますよ! なんてねっ」
P「おー、言ってくれるなぁ。じゃあなおさら弁当も楽しみだな」
李衣菜「えっへへ、大船に乗った気持ちでいてくださいね!」
P「ああ、期待してるよ」
李衣菜「へへ♪」
凛「……むむ」
凛「……わ、私もっ」
P「ん? どした凛」
李衣菜「?」
凛「私もお弁当作ってくる。プロデューサー、食べてくれるよね」
P「おっ、凛も料理が上手なんだ?」
凛「も、もちろん」
李衣菜(あれ、凛って確か……)
P「得意料理はあるのか?」
凛「……ある、よ?」
P「なんで疑問系?」
凛「き、気のせいだよ」
李衣菜「……じゃあ凛、答えてみてよ、得意料理」
凛「…………」
凛「……………………ゆ、ゆでたまご」
P「……お、おう……」
李衣菜(やっぱりかぁ……)
凛「ほ、他のだってちゃんとできるし。簡単だよ料理なんて」
李衣菜「わ、悪いこと言わないから練習しよう、ね?」
凛「いい。李衣菜には負けない」
李衣菜「いや勝ち負けじゃなくて……プロデューサーに食べてもらうんだからさ」
凛「…………なら、教えてくれる?」
李衣菜「もち。またうちに来なよ、一緒にお弁当作ればいいじゃん?」
凛「そっか……それもいいね。合作だね」
李衣菜「うん、2人で作ってプロデューサーに食べてもらお!」
凛「……うんっ」
P「ふふ、なんか丸く収まったな。ほんと楽しみにしてるよ」
李衣菜「任せてください、とびきり美味しいの作りますからっ」
凛「私だって、プロデューサーの胃袋掴んでみせるからっ」
P「うん、ありがとな! ……じゃあ俺、ちょっと出てくるから。留守番頼めるか?」
凛「ん、いいよ」
李衣菜「はい、いってらっしゃーい」
P「あぁ、いってきますっ」
がちゃり ぱたんっ
凛「……私、頑張るね」
李衣菜「うん、私も手伝うよ」
凛「ライバルだけど……ほんとにいいの? 教えてもらって」
李衣菜「ライバルの前に、私たちは相棒。でしょ?」
凛「あ……。そうだね、そうだった。……ありがとう、李衣菜」
李衣菜「へへっ、いいっていいって♪」
凛「でさ」
李衣菜「うん?」
凛「蒼い卵焼きとかウインナーってできるのかな?」
李衣菜「やっぱり凛は作らないほうがいいかな」
おわり
というお話だったのさ
みくりーなのケンカップルもいいけど、やっぱり俺はだりりんだ! ってことでひとつ
乙
乙
だりりんいいね
実家のような安心感。乙
乙。
青・・・・料理・・・・・くっ、頭が!
これはいいポンコツりんちゃん
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