提督「『は?』じゃないが」
鈴谷「いや、意味わかんないんだけど」
提督「どこが?」
鈴谷「なんで探す必要なんてあるの?」
提督「別に絶対探せって言ってるわけじゃないけど」
鈴谷「それでも意味わかんない」
提督「えぇー…」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428148076
提督「…1から説明するか?」
鈴谷「じゃあお願い」
提督「まず、君達艦娘のお陰で深海棲艦を壊滅させることができました」
鈴谷「最後の戦いは大変だったよねー」
提督「んで、平和になったので艦娘達の社会復帰のための斡旋などが始まりました」
鈴谷「私は艦娘のままでも良いかなーって思うんだけどねー」
提督「んで社会復帰した娘の中には良い男捕まえて幸せになってる娘達もいます」
鈴谷「一時期は結婚式への招待状が多かったよね」
提督「だから貴女も良い伴侶を見つけたらどうでしょうか?」
鈴谷「何それ意味わかんない」
提督「アッハイ」
提督「…鈴谷、君は良い娘だ」
鈴谷「え、どうしたの急に?」
提督「まず容姿は愛らしさと女性的魅力にあふれている」
鈴谷「そ、そうかなぁ?」 テレテレ
提督「性格も明るく、物怖じせずかつ人を立てられる絶妙なバランスを保っている」
鈴谷「もぉ、そんなに褒めても何も出ないってばぁ♪」 テレテレ
提督「そういう君ならば、良い伴侶もすぐに見つかると思う」
鈴谷「何それ意味わかんない」
提督「そっかー」
鈴谷「…さっきから鈴谷に出ていって欲しそうな言い方してるけどさ」
鈴谷「提督は鈴谷のこと嫌いなの?」
提督「好ましく思ってるからこそ、良い人を見つけて幸せになってもらいたいんだよ」
鈴谷「でも…鈴谷には提督がいるじゃん?」
提督「…ん?」
鈴谷「…えっ、何その反応?」
提督「なんで俺が出てくるの?」
鈴谷「えっ」
鈴谷「…まさかのと思うけど、鈴谷こと全く眼中に無かったの?」
提督「仲良くしてくれるなー、とは思ってたけど」
鈴谷「いろいろやったでしょ!?カレー作ってあげたりとか、デートしたりとか!」
提督「『こんなつまらない男と仲良くしてくれるなんて、なんて良い娘なんだ』って思ってた」
鈴谷「あちゃー、そもそも女として見られてなかったかー」
提督「…マジでそういうアレだったの?」
鈴谷「…うん」
提督「…なんかごめん」
鈴谷「…あれ?でも、抱きついた時とかは反応してたような気がするけど」
提督「それはそれ、これはこれ」
鈴谷「そういえば、さっきも『愛らしい』だのなんだの言ってたよね?」
提督「言ったなぁ」
鈴谷「つまり脈あり?」
提督「まあ見た目も性格もぶっちゃけ超好みよ」
鈴谷「ほうほう…!」
鈴谷「つまり提督は、『鈴谷と結婚ようかなー』と思ってるわけだ!」
提督「それはちょっと違うかなー」
鈴谷「何それ意味わかんない」
鈴谷「…一旦整理しよっか」
提督「構わんが」
鈴谷「提督は鈴谷の見た目が好みである」
提督「はい」
鈴谷「提督は鈴谷の性格も好みである」
提督「はい」
鈴谷「結婚するなら鈴谷みたいな娘が良いなーと思っている」
提督「はい」
鈴谷「だから鈴谷と結婚する」
提督「いいえ」
鈴谷「何それ本当に意味わかんない」
鈴谷「…真面目な話、鈴谷の何がダメなの?」
提督「いや、鈴谷がダメなんじゃなくてこっちの問題なんだ」
鈴谷「実は既婚者とか?」
提督「残念ながらそれは違う」
鈴谷「じゃあEDとか?」
提督「ちゃうわ」
鈴谷「じゃあ何なのさ?」
提督「…来週、元帥閣下のご息女とお見合いするんだ」
鈴谷「…つまり大人の事情?」
提督「まあそんなものだ」
鈴谷「…今どきお見合いって、どうなのさ」
提督「まあ娘さんも気だての良い人だし」
鈴谷「その人の方が、鈴谷より好みなの?」
提督「そういう訳じゃないが」
鈴谷「じゃあどうして…?」
提督「政治的な理由という奴だな」
鈴谷「はあ…?」
提督「まず俺は海軍提督の中では若造だ」
鈴谷「うん」
提督「にも関わらず、俺の現在の階級は中将」
提督「これは艦娘の皆が頑張ってくれたお陰で得た地位ではあるんだが…」
提督「いかんせん『手柄を立てすぎた』」
提督「…まあ軍上層部の中で悪目立ちしてるって状態だな」
鈴谷「なるほど」
提督「まあそれだけなら俺が胃壁を削りながら生活すりゃあ良いだけなんだが…」
提督「…権力欲にまみれた人間は何をしでかすかわからん」
提督「俺を目障りだと思った連中が、元俺の麾下の艦娘に手を出す可能性がある」
提督「特に、俺は現状ロクに後ろ盾も無いからな」
提督「だが…」
鈴谷「お見合いで結婚して、元帥という後ろ盾を得る」
提督「まあ、そういうことだ」
鈴谷「…提督は、本当にそれで良いの?」
提督「是非もなし」
鈴谷「……」
提督「…皆が幸せに生きるためだ、それに命を取られるわけでもないしな」
鈴谷「…少なくとも、鈴谷は幸せになれないよ」
提督「君ならいつか幸せを掴める」
鈴谷「私は提督じゃないとヤだよ…」
提督「だがしかし──」
??「 待 て ぃ ! 」
.
提督「!?」
??「少女一人を幸せに出来ずして何が『幸せを守る』だ」
??「己のエゴのために他人の幸せを奪う……」
??「人それを、『独善』と言う!」
提督「貴様っ、何者だッ!」
??「貴様に名乗る名前はない!」
提督「…それで、本当に何なさってるんですか、元帥閣下」
鈴谷(えっ、この変人が元帥…?)
元帥「うむ、改めて見合いの話について詰めようと思ったら、何やら興味深い話をしていたからな」
提督「…閣下、私は──」
元帥「見合いは取りやめる」
提督「なっ!?」
元帥「既に伴侶となる者がいるのならば、そう言えば良かったではないか」
元帥「ああ、君の立場を盤石にする方法なら他に幾らでもある、心配はしなくて良い」
提督「し、しかし…!」
元帥「…君は聡明な男だと思っていたのだが、これ以上の言葉は必要かね?」
提督「…いえ、とんでもありません」
元帥「…見合いを取りやめるかわりと言っては難だが…」
提督「なんでしょう?」
元帥「…娘の嫁ぎ先、どっかに伝手ない?」
提督「あります、尽力しましょう」
元帥「そうか、ならこの話はこれで終いだ」
提督「…お心遣い、感謝いたします」
元帥「気にするな、私が勝手に決めたことだ」
元帥「では、二人共達者でな」 イソイソ
鈴谷「…えーっと、つまりどういうこと?」
提督「元帥が」
「見合い取りやめ」
「俺フリー」
鈴谷「なるほど…」
提督「…………」
鈴谷「…………」
提督&鈴谷「……あのっ!」
鈴谷「お、お先にどうぞっ」
提督「い、いや鈴谷から先に…」
鈴谷「…じゃあ、さ」
鈴谷「提督はどうするの?」
提督「どう、とは?」
提督「…いや、愚問か」
提督「鈴谷、俺は──」
………………………
…………………
……………
………
…
= 鎮守府正門 =
元帥「あの男は優秀ではあるのだが、真面目でイカンな…」
元帥「大体、最初から私に相談してくれていればこのような面倒なことなどせずとも良かったというのに」
元帥「…………」
元帥「互いに相手を思いやり、互いの幸せを願う」
元帥「人それを『愛』という」 ドヤァ
警備員(何言ってんだこのオッサン)
【人これを『終劇』という!】
何が書きたかったんだ、俺は
いや、いいぜ!鈴谷とラブラブ結婚式はよ!
さぁ続きを
うんアッサリしてて喉ごし爽やかなハッピーエンドだ
やっぱロム兄さんは最高や
良い所しか見あたらないのだが?
唐突に出てきた警備兵のツッコミwww
すばらしい!
うん!鈴谷はこうでいいんだよ!
昨日マシンロボの事ググってた俺びっくり
鈴谷かわいい
じゃあ元帥の娘さんは俺が貰っていきますね
乙
こういうのいいじゃん
わりとこれ好き
娘さんと言いつつ、実はレイナの可能性
読みやすくていいね
しかし、元帥になるぐらいの年をした人の娘……。 何歳なんだ?
そりゃ若い女の子引っ掛けて産ませたから若い娘さんでしょ
元帥一人でこの鎮守府周辺の平和は取り戻したんだろうなぁ(白目
元帥がプロトかんむすだった可能性
このSSまとめへのコメント
短いけど面白かったよ。
このと読みやすさと分かりやすさを、人は「まるで3-2-1レベリングをするようだ」という。(自分以外の人がいるかはわからん)
鈴谷の太ももペロペロしたい
短いけどとても面白かったです。
あと、鈴谷の太ももスリスリしt(殴
イカンセン、ジンワリト
ワラワセテモラッタヨ
この勢い、
嫌いじゃないっ‼︎
警備員で爆笑した
ほう、悪くない(突然のヘチョー)