戦刃「苗木君…!!」苗木「勘違いだよ…」 (122)
・一度落ちたスレ
・落ちてごめん
・改変したところあり
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コロシアイ生活――二日目
大神「良いか苗木?戦いとは悲しきことであると共に良き友を見つける機会でも――」
苗木「大神さんにとって戦いは出会いの場でもあるんだね!」
ワイワイ
江ノ島「ん?」
江ノ島「やっほー!二人とも何の話してんの?」ズイッ
苗木「あっ!江ノ島さん!今、大神さんと戦場(いくさば)の話を――」
江ノ島「!!!」シュ!
ガシッ!
苗木「え?あれ?」
江ノ島「…」シュタタタタタタ
大神「…」
大神「何が何だかよくわからぬ…」
ガチャ…バン!!!
ドサッ!
苗木「いてて…。どうしたの?江ノ島さん?」
江ノ島「もう…いいよ…」
苗木「?」
江ノ島「もう意味ないから…」
苗木「えっと…」
江ノ島「知ってるんでしょ…?」
苗木「(どうしよう…江ノ島さん怒ってるみたいだ。ここは――)」
江ノ島「知ってるんでしょ!!?苗木君!!!」ガシッ
苗木「ひっ…。し、知らないよ!何も知らないよ!」
江ノ島「嘘だッ!!!」スッ
苗木「(拳を振り上げた!どうしよう、殴られる!)」
江ノ島「知ってるくせに…」
苗木「…」
江ノ島「私が『戦刃骸』だってこと知ってるくせにッ!!!!!」バサッ
苗木「!!!江ノ島さん…髪がッ!?…カツラ?」
戦刃「知ってたくせに!私が本当は黒髪だってこと!」
苗木「(し、しらないよ!)」フルフル
戦刃「私が『江ノ島盾子』を演じることで、本物の『江ノ島順子』が裏で行動しやすくなることも…」
苗木「(え!?)」
戦刃「世界がおかしくなっていることも…」
苗木「(ええ!?)」
戦刃「みんなの高校生活の記憶を消していることも…」
苗木「(ええぇ!?)」
戦刃「私が…私が苗木君のことを好きなのも///」
苗木「(ええええぇぇぇぇぇ!!!?)」
戦刃「知ってたくせにーーーーー!!!」
苗木「しらないよーーーーーー!!!!!!」
戦刃「ふーん、意地でも知らない振りをするんだね。でも、ごめんね。盾子ちゃんのためにここで苗木君を始末しないといけないんだ」スッ
苗木「(ナイフ!?)」
戦刃「ごめんね、苗木君。ごめんね」
シュ!!!
苗木「(ナイフが振りかざされた瞬間――)」
苗木「(ボクは思った――)」
苗木「(ああ、本当に幸運ならよかったのに――)」ギュ
戦刃「…」ピタッ
苗木「…」
戦刃「…」
苗木「…(あれ?)」チラ
戦刃「苗木君、私考えたんだ。もし、大切な駒を一つ消したら盾子ちゃん怒るんじゃないかなって」
苗木「…」
戦刃「だから、盾子ちゃんに聞いてから殺すね。ちょっと待っててね」
苗木「(た、助かった…)」
戦刃「えーと、盾子ちゃーん!」
モノクマ「はいはーい」ストン
苗木「(!――モノクマだ!江ノ島盾子が裏で動いているって話は本当みたいだ!)」
モノクマ「あれれー?おかしいなー?」
戦刃「?」
モノクマ「どうして、苗木君がここにいるのかなー?」ギロ
戦刃「お、怒らないで盾子ちゃん!」ワタワタ
モノクマ「べつに怒ってないよー?それより説明してよ?」
戦刃「実はカクカクシカジカなのー」
モノクマ「…こいつまた勘違いしてるな」ボソッ
モノクマ「はぁ…」
戦刃「盾子ちゃん?」
モノクマ「死ね」
戦刃「わかった!苗木君を殺す!」クル
苗木「あわわ…」
モノクマ「ちげーよ!てめーだよ!残姉死ね!!!まじ死ね!!!」
戦刃「えっ…盾子ちゃん?」
モノクマ「やっぱり、てめーなんか頼るんじゃなかったぜ!死ね!FuckOff!」
戦刃「…」
モノクマ「しばらく、反省してろ!!!」
苗木「…」
戦刃「…」
モノクマ「…」ガチャ、バタン
苗木「…」
戦刃「…」
苗木「…」
戦刃「…どうしよう苗木くん」グス
苗木「えーと、どうしたらいいかな…」
戦刃「うぅぅ…」
苗木「(戦刃さんのために何か良い案を考えないと…)」
閃きアナグラム
う こ お な
苗木「(うーん、これは難しい…)」
苗木君「(『おこなう』?何を?もっと具体的なものじゃないと…)」チラッ
戦刃「わくわく」ジー
苗木「(うっ…。期待のまなざしがつらい…。早く考えないと!)」
苗木「(4P4=24。全部で24パターンか)」
しばらく経ち
戦刃「なーえーぎーくーん、ま~だぁ~?」
苗木「(ダメだ、まったくわからない。標準語じゃないとか?もしくは、暗号…)」
苗木「(はっ!?まさか…)」
苗木「(『こ』を90度回転させると…『い』に似ている!これだ!)」
苗木「わかったぞ!『内応』だ!」
戦刃「え!?どうしたの?」ビクッ
苗木「(戦刃さんをこっち側に引き込む?危険じゃないかなぁ)」
苗木「(でも、これ以外に何も良い考えが浮かばない…)」
苗木「(やるしかない!)」
苗木「戦刃さん、君を救うには味方が必要なんだ」
戦刃「私の味方は今のところ、苗木君と優しかった頃の盾子ちゃんだけだよ」
苗木「なら、もっと増やすべきだと思うんだ」
戦刃「? でも、今この学校にいるのは順子ちゃん含めて希望峰学園の生徒16人だけだよ?」
苗木「そうだね。つまり、戦刃さん、江ノ島さん、そしてボクを除く最大13人を味方につけることができるんだ」
戦刃「…」
苗木「だから、戦刃さんは他の人たちともっと仲良く――」
戦刃「私に…私に盾子ちゃんを裏切れって言うの!?」
苗木「(――!なるべく、遠回りに言ってみたつもりだけど、無駄か…)」
苗木「…うん、そうだね。その通りだよ」
戦刃「そんなこと…」
苗木「戦刃さん、このままじゃいけないんだ!」
戦刃「…」
苗木「このままだと君は江ノ島さんの捨て駒になってしまう!」
戦刃「私は…別に…それでも…」
苗木「それじゃあダメなんだ!!!」
戦刃「…なんで?」
苗木「っ…(しまった!具体的な理由を述べることができない!)」
戦刃「なんで?」ジー
苗木「(落ち着くんだ…。とりあえず、戦刃さんのこれまでの行動を遡ってみよう)」
苗木「(戦刃さんは『江ノ島盾子』の振りをして、ボク達と共にコロシアイ生活を過ごしていた。でも、戦刃さんの『勘違い』からボクはとんでもない秘密を知った)」
苗木「(実はコロシアイ生活の裏で『江ノ島盾子』『戦刃骸』が暗躍していた。黒幕かどうかはわからない。でも、『戦刃骸』『江ノ島盾子』は重要人物であることは間違いない)」
苗木「(戦刃さんにとって『江ノ島盾子』はどうやら大切な人らしい。捨て駒にされても、裏切れない存在)」
苗木「(そんな『江ノ島盾子』を戦刃さんは怒らせてしまった。戦刃さんは何とかしたいらしい。頼れるのは実質ボクだけ。それに戦刃さんはボクのことが好きだって言った…)」
苗木「(なら、答えは一つだ…!!!)」
苗木「戦刃さん!ボクを信じて!」
戦刃「!」
苗木「(どのみち彼女は、ボクしか頼れないんだ!それなら――)」
戦刃「でも、でも…」
苗木「戦刃さん、ボクが必ず君を救って見せる!どんなことをしても絶対に!!」
苗木「絶対にだ!!!」
戦刃「苗木くん…」
戦刃「…」
苗木「…」
戦刃「…まだ…まだ信用できない」
苗木「戦刃さん…」
戦刃「だから、苗木君を信用するための約束をして欲しい」
苗木「約束?」
戦刃「うん。それは――」ジッ
苗木「そ、それは?」ゴクッ
戦刃「な、なえぎくんが…わ、わたしの恋人になってくれること……///」
苗木「えっ!?///そ、そんな急に言われても!」アタフタ
戦刃「苗木君好き」
苗木「えーと、そのー、うーん…///」テレテレ
戦刃「! 今、苗木君『うん』って言った!」
苗木「え!?ち、違うよ!ボクは『うーん』って――」
戦刃「苗木君が私の恋人…。うれしい!苗木君大好き!!!」ダキッ
苗木「っ!(い、戦刃さんに抱きしめられてる!?///)」ドキッ
戦刃「(苗木君の体…柔らかくて、温かい…)」ギュー
苗木「(うー、違うのにー違うのにー…)」ドキドキ
戦刃「(ずっとこのまま抱いていたい)」ギュー
苗木「い、戦刃さんちょ、ちょっと…くるしい…」
戦刃「(苗木君、いい匂い…)」ギュー
苗木「いぐさばさん!いぐざばざん!」ジタバタ
戦刃「あっ、ごめん」パッ
苗木「はぁ…はぁ…」
戦刃「大丈夫?」
苗木「もう…大丈夫だよ…」
戦刃「私苗木君を信じるよ!」
苗木「(…誤解はあとで解けばいいよね?今は丸く収めることが重要だし)」
苗木「ありがとう戦刃さん」
戦刃「これからどうしたらいいかな?苗木君」
苗木「うーん、ここは一旦解散して、また明日にしようと思うんだ」
戦刃「明日?」
苗木「うん。今までのことを整理したいし、これからのことも一旦一人で考えたいんだ」
戦刃「…」
苗木「(それに、ボクは戦刃さんのことを完全に信用したわけじゃない。それも含めていろいろと考えないと)」
戦刃「…」ジー
苗木「えっ、な、なに?(もしかして…信用してないことがばれてる…?)」
戦刃「…苗木君」ジー
苗木「…」ゴクン
戦刃「…またね」フリフリ
苗木「…ま、またね」
苗木「(はぁ…疲れた…)」
苗木の部屋
苗木「さて、これからどうしよう?」
苗木「(戦刃さんについていろいろ考える必要があるけど、とりあえず戦刃さんとみんなの仲を取りも持とう)」
苗木「(そのためにも――)」
ピーンポーン
苗木「あれ?誰だろう?」ガチャ
舞園「苗木君!こんばんは!」
苗木「舞園さん、どうしたの?」
舞園「これから夕食をとろうと思って…。一緒にどうですか?」
苗木「うん!いくいく」
食堂
舞園「苗木君は今日のお昼何をしていたんですか?苗木君が話しかけてくれなかったから、私寂しかったんですよ?」
苗木「ごめん、お昼は大神さんと…」
舞園「…大神さんと?」
苗木「ええと…」
舞園「…」ジー
苗木「(しまった。大神さんと話している途中で戦刃さんに拉致されたんだっけ…)」
舞園「…」ジー
苗木「…ずっと話してたんだ」
舞園「どこでですか?」
苗木「食堂でだよ…」
舞園「それは違いますよ!」
苗木「えっ!?」
舞園「だって、私お昼に何回も食堂を訪れたんですよ?」
苗木「うっ…(やられた…、どうしよう…)」
舞園「…苗木君?」ジー
苗木「ごめん、本当はその…桑田君と…話してたんだ…」
舞園「なんで隠したんですか?」ムー
苗木「えーと、そのー…実は…この中で一番かわいい娘は誰かって話をしてたんだ。だから、言いづらくて…」
舞園「ふーん、それで苗木君は誰が一番かわいいと思うんですか?」
苗木「えっ!?///うーん、その…」
舞園「…」ジー
苗木「その話はまた今度…」
舞園「ダ・メ・で・す」
苗木「(うー…どうしよう…)」
江ノ島「おっす!苗木に舞園!一緒に食べようぜ!」ヒョイ
苗木「あっ!江ノ島さん!一緒に食べよう食べよう!」
舞園「な・え・ぎくーん?」
苗木「江ノ島さんの夕食はなに?」
江ノ島「カロリーメイト」
苗木「それ夕食なの?」
舞園「はぁ…、わかりました。でも、埋め合わせはしてもらいますよ?」
苗木「うん(助かった…)」
江ノ島「?」
江ノ島「それじゃあ、二人ともまた明日な!」
舞園「はい!また明日」
苗木「おやすみ、二人とも」
舞園「…」
夜
苗木の部屋
苗木「zzz」スヤスヤ
???「…」ソー
苗木「zzz」スヤスヤ
???「大丈夫…あなたは私が守るから…」ナデナデ
苗木「zzz」スヤスヤ
コロシアイ生活――二日目 終
コロシアイ生活――三日目
モノクマ『おはようございます、オマエラ』
苗木「ふわぁ~…。うーん、良く眠れた」
苗木「今日はどう過ごそう…」
苗木「(戦刃さんとみんなの仲を進展させないと。それに戦刃さんに外の世界のことをもっと聞かないとなぁ)」
苗木「(そういえば、モノクマは怒った後、特に何もしてこなかったな…なんでだろう?)」
苗木「う~ん…」
ピーンポーン
苗木「! 誰だろう?」ガチャ
江ノ島「おはよう。苗木君」
苗木「戦刃さん!口調口調!」
江ノ島「あっ…」パシ
江ノ島「ごめん」シュン
苗木「だ、大丈夫だよ。ほら、周りには誰もいないし、聞かれてないから」
江ノ島「うん…」
苗木「えーっと、とりあえず入る?」
江ノ島「うん」
苗木「ベッドにでも座っててよ」
江ノ島「お邪魔しまーす」
苗木「それで何の用かな?」
江ノ島「ううん、特に用はないんだ」
苗木「えっ?それじゃあなんで…」
江ノ島「苗木君の顔見たかったから」
苗木「え!!?///」
江ノ島「だめ?」
苗木「だ、だめじゃないけど…///」
江ノ島「じゃあ、明日からも苗木君に会いに来るね」
苗木「う、うん…///」
苗木「(って、こんなことしてる場合じゃないよ!戦刃さんには聞きたいことがたくさんあるんだ!)」
苗木「戦刃さん、昨日の話の続きをしない?」
江ノ島「うん、そうだね」
苗木「(よし、とりあえずみんなとの仲について話そう)」
苗木「昨日も言ったけど、江ノ島さんに対抗するにはみんなと協力するのがいいと思うんだ」
江ノ島「うん。じゃあ、さっそくみんなに話す?」
苗木「…」
江ノ島「どうする?」
苗木「…いや、それはやめておこう」
江ノ島「?」
苗木「理由は二つあるんだ。第一に、みんながそれを信じる保証がない」
江ノ島「うんうん」
苗木「第二に、戦刃さんの身が危ない」
江ノ島「うん?」
苗木「黒幕に通じる裏切り者。そんな人物をほっといておくわけがないよ」
苗木「戦刃さんが殺される可能性も十分にあるんだ。だから、信用のできる人物を少しずつ、協力者として集めていこう?」
江ノ島「うん、わかった」
苗木「よし、これでボク達の方針は決まったね。じゃあ、次の話に移るね?」
江ノ島「うん」
苗木「江ノ島順子について教えてくれない?」
江ノ島「順子ちゃん?順子ちゃんはね、私の妹なんだ」
江ノ島「私達は二人で絶望シスターズなんて呼ばれてたり、呼んじゃったり――」ペラペラ
苗木「(戦刃さんの長いながーい話を聞いた)」
江ノ島「あっ!絶望シスターズっていうのはね、私達姉妹が『超高校級の絶望』って呼ばれてるところからきてるんだよ!」
苗木「そうだったんだ…。超高校級の絶望。絶望シスターズ。そして…」
苗木「そして何より、戦刃さんは江ノ島さんのことが大好きなんだね」
江ノ島「うん。わかっちゃった?」
苗木「だって、江ノ島さんのことを話しているときの戦刃さん楽しそうだもん。わかっちゃうよ」
江ノ島「えへへ///順子ちゃんは私の唯一の理解者なんだ」
苗木「理解者?」
江ノ島「うん。そして、私も順子ちゃんの唯一の理解者」
苗木「(二人には特別な絆があるってことかな?)」
江ノ島「えーと、あとねあとね」
ピーンポーン
江ノ島「あっ…」
苗木「あれ?誰だろう?」ガチャ
舞園「こんにちは!苗木君!」
苗木「舞園さん!?どうしたの?」
舞園「苗木君今朝私に会いに来てくれなかったから、私から来ちゃいました!」
苗木「えぇ!?///」
江ノ島「おぉー!舞園いらっしゃーい!」ヒョイ
舞園「江ノ島さん!?…ふーん、そういうことですか」ジー
苗木「え?何が?」キョトン
舞園「江ノ島さんと二人っきりでイチャイチャしていたかったから…」
舞園「だから、私ところに来てくれなかったんですね…」ジー
苗木「そ、そんなんじゃないよ!」
舞園「あやしい…」
苗木「え、ええと…あっ!そうだ!ごはん食べに食堂に行かない?ね?ね?」
舞園「え?でも…」チラ
時計「10:45」
苗木「ちょっと早めの昼食ってことでさ!」
江ノ島「いいね!食堂に行こう!」
舞園「んー…、じゃあ行きましょうか♪」
苗木「よかったー、実はボク朝食食べてないからお腹ペコペコなんだ」
舞園「…」
食堂
苗木「(舞園さんのラー油を使った料理を味わった)」
苗木「本当においしかったよ!ありがとう舞園さん」
舞園「どういたしまて♪」
江ノ島「舞園の女子力すげーな、アタシもうかうかしてらんねーわ」
舞園「そんなことないですよ!それに、江ノ島さんの方が女子力すごいじゃないですか!」
江ノ島「えぇー?そうかぁ?」
舞園「そうですよ!例えば――」
苗木「(しばらく、談笑した後校内を探索をすることにした)」
校内探索中
舞園「うーん、これといったものはないですね」
苗木「うん、そうだね。違う場所探そうか?」
江ノ島「アタシはもう少しここら辺探索してるわ」
苗木「うん、わかった。じゃあ、また後でね」
江ノ島「おっけー」
苗木「舞園さんこっちに行ってみようか?」
舞園「はい!」
苗木「(それにしても…)」
苗木「(舞園さんどうしてこんなに毎日、ボクなんかに会いに来てくれるんだろう…)」
舞園「苗木君だからこそですよ」
苗木「え?あれ?ボク今、口に出してた?」
舞園「いいえ」
苗木「あれ?じゃあ、なんで…」
舞園「私、エスパーですから」
苗木「え!?」
舞園「ふふっ、冗談ですよ」
苗木「じょ、冗談かぁ…。よかったぁ」
舞園「ちょっと、勘が良いだけです」
苗木「確かに今のは勘が良かったね」
舞園「はい!だから、あんまり私に隠し事とかしない方がいいですよ?」
苗木「べ、別に隠し事なんて…」
舞園「それに、私あんまり隠し事とかされるのは好きじゃないんです」
苗木「それはボクだって――」
舞園「特に苗木君には」
苗木「え?」
舞園「苗木君との間には隠し事をつくりたくないんです」
苗木「舞園さん…」
舞園「苗木君、私と…。私と約束をしませんか?」
苗木「約束?」
舞園「はい、私は苗木君にこれから何も隠し事はしません。だから、苗木君も――」
苗木「…」
舞園「苗木君も私に隠し事はしないでください…」
苗木「…」
舞園「…」
苗木「…急にどうしたの?舞園さん何か焦ってるんじゃない?大丈夫だよ。ボクは舞園さんに隠し事なんかしていないよ」
舞園「…嘘…ですね」
苗木「!」ギリ
舞園「苗木君、私に嘘をついてますね。わかりますよ。エスパーですから」
苗木「うそなんかじゃないよ」ギリギリ
苗木「(どうしてだろう…。頭が…痛い…)」
舞園「いいえ嘘です」
苗木「違うったら…」ギリギリギリ
舞園「じゃあ、約束をしてください」
苗木「…」
舞園「『私と苗木君の間に隠し事をつくらない』約束を」
苗木「…」
苗木「(どうもボクはあまり信用されない人間みたいだ…)」
苗木「(コロシアイ生活が始まってから二回も約束をさせられた…)」
苗木「(どうして…ボクは…こう…)」
苗木「(ダメなんだろう…)」
江ノ島「結局みんな収穫はなしか」
舞園「収穫ならありましたよ!」
江ノ島「おっ!なになに?」
舞園「私達、三人の絆が一層強まったことです!」ビシッ
江ノ島「きゃはは、なるほどね!それ言えてるよ!」
苗木「うん、そうだね…」
江ノ島「…」
江ノ島「もうこんな時間かぁ。そろそろ部屋に戻るか」
江ノ島「じゃ、今日はここで解散!また明日なあ!」
舞園「はい、また明日」
苗木「二人共ばいばい」フリフリ
苗木「(ふぅ…。今日は疲れた。早くシャワーを浴びて寝ようかな?)」
舞園「苗木君…」ボソッ
苗木「!」ビクッ
苗木「(なんだろう?いったいなんだろう?)」ビクビク
舞園「苗木君」チョンチョン
苗木「(約束?…は破ってないよね?じゃあ、いったい…)」
苗木「な、なに?」クル
ちゅっ♡
苗木「えぇ!?///なに?!なに?!///」アワワ
舞園「うふふ。先に予約しておきました♪」
苗木「予約?///」
舞園「苗木君が江ノ島さんに取られないように…」
苗木「え!?///」
舞園「苗木君また明日!」フリフリ
苗木「また…明日…」ポカーン
苗木「(今…ほっぺにキスされた…?)」
苗木の部屋
苗木「…」ギリギリ
苗木「…」ギリギリ
苗木「…」ギリギリ
苗木「(どうしてだろう…。舞園さんに約束をさせられた時、頭が痛かった)」ギリギリ
苗木「(そして、舞園さんと別れた後急に頭が…)」ギリギリ
ピーンポーン
苗木「(あれ?誰か来たみたいだ?)」ギリギリ
苗木「(こんな夜中に?…でも、困っている人だったら…)」ギリギリ
苗木「はーい」ガチャ
江ノ島「よぉ、苗木!あがるぜぇ」ヒョイ
苗木「(戦刃さん!?どうしたんだろう?)」
苗木「戦刃さんどうしたの?」
戦刃「…苗木君が心配で」
苗木「心配?」
戦刃「だって、最後の方元気なかったから」
苗木「そんなことないよ」
戦刃「あるよ」
苗木「ないよ」
戦刃「ある」
苗木「…ないよ」
戦刃「ある」
苗木「…」
戦刃「だから、私が元気になる『おまじない』かけてあげようと思って」
苗木「おまじない?」
戦刃「うん」
戦刃「こ、こうやるんだよ」
ちゅっ♡
苗木「!!!///」ドキッ
戦刃「…///」カアァ
苗木「…い、戦刃さん///」
戦刃「うん///」
苗木「その…///ありがとう!元気でたよ///」
戦刃「よかった///じゃあ、私行くね///」スッ
苗木「(///)」
苗木「(うぅ…)」
苗木「(はずかしすぎるよぉ!)」ジタバタ
夜
苗木の部屋
苗木「zzz」スヤスヤ
???「…」ソー
苗木「zzz」スヤスヤ
???「あなたを守るために私は戦う…」ナデナデ
苗木「zzz」スヤスヤ
???「舞園さやかを助けてあげて…」ナデナテ
苗木「zzz」スヤスヤ
コロシアイ生活――三日目 終
とりあえずここまで。
続きは落ちる前に書く。
面白い
続いてくれるといいな
乙
今度は落ちんでくれー
コロシアイ生活――四日目
モノクマ『オマエラ、おはようございます』
苗木「ふわぁ~…。うーん、良く眠れた。疲れも取れたみたいだ」
苗木「今日はどう過ごそう…」
ピーンポーン
苗木「! 誰だろう?」ガチャ
江ノ島「苗木君おはよう」
苗木「…」
苗木「『江ノ島』さんどうしたの?」
江ノ島「えっ?私戦刃だよ。苗木君忘れちゃったの?」
苗木「…」
苗木「(柔軟に対応しよう)」
苗木「戦刃さんどうしたの?」
江ノ島「苗木君と一緒に朝食を食べようと思って」
苗木「うん!じゃあ、一緒に食堂にいこっ!」
江ノ島「わーい」
食堂
石丸「おっ、グッモーニンッ!二人とも早いではないか!関心関心!」
苗木「石丸君おはよう!」
江ノ島「石丸君おはよう」
石丸「うむ?何か違和感が…。ま、まあ良いか…。二人とも今日も一日頑張ろうではないか!」
苗木「はーい」
江ノ島「はーい」
石丸「…実は二人に提案がある」
苗木「?」
石丸「僕は昨日の夜からずっと考えていたんだ。僕らはもっと固く協力し合うべきだってね」
石丸「そこでだ…」
石丸「これから毎朝、起床時間後に、みんなで朝食を共にしようと思う」
石丸「そして、今日をその記念すべき最初の日にするのだッ!」
石丸「僕はこれからみんなを連れてくる!君達は席についていてくれたまえ!」ダダダ
苗木「す、すごいやる気だ…」
江ノ島「(苗木君と二人っきりの時間が減っちゃう…)」
舞園「苗木君おはようございます」
苗木「舞園さんおはよう!」
石丸「よーし、みんな集まったな!では、さっそく朝食会を始めるとしようかッ!」
苗木「やっぱり朝は和食かな?江ノ島さんは?」
江ノ島「んーと、レーション」
苗木「なにそれ?」
江ノ島「食べる?おいしいよ」
苗木「んー、気になる。一口だけ欲しいなぁ」
江ノ島「! じゃ、じゃあさっ!た、食べあいっこしない?」
苗木「うん、いいよ!」
江ノ島「♪」ワクワク
石丸「みんな食事前の挨拶を怠ってはいけないぞ!」ビシッ
全員「はーい」
石丸「それでは、手を合わせて…」
全員「いただきます!」
石丸「高校生の中には朝食を食べないという輩もいるが、僕はその考えに断固として反対していく!!!朝食をしっかり食べることで…」ペラペラ
苗木「さすがは超高校級の風紀委員だね…」モグモグ
江ノ島「…(石丸君うるさい)」パカッ
苗木「へぇー、これがレーションなんだ。お弁当みたい」
江ノ島「うん、そんな感じだよ。中身は一つ一つ違うみたいだから、毎日違うモノが食べられるんだ」
苗木「おいしそうだね!じゃあ、さっそくだけど一口ちょうだい!」
江ノ島「うん。じゃ、はい。あーん」
苗木「え!?」ビクッ
江ノ島「どうしたの?苗木君」キョトン
苗木「だ、だって…」モジモジ
江ノ島「食べあいっこするんでしょ?」
苗木「(それは『食べあいっこ』じゃなくて、『食べさせあいっこ』だよ!)」
江ノ島「早く、早く」ワクワク
苗木「(とは、言えない)」
江ノ島「…」ジー
苗木「うぅ…あ、あーん」パクッ
江ノ島「おいしい?」
苗木「うん、おいしい(恥ずかしい///)」
江ノ島「じゃあ、次私にその卵焼きを食べさせて」
苗木「う、うん。あーん」
江ノ島「あーん」パクッ
苗木「どう?おいしい?」
江ノ島「うん。おいしいよ」モグモグ
苗木「よかった(なんだかんだで戦刃さんと馴染んできたなぁ)」
舞園「苗木君、あーん」
苗木「えっ!!?」ビクッ
舞園「どうしたんですか?苗木君」キョトン
苗木「だだだって///」
舞園「私からのは食べられない、ということですか…」シュン
桑田「舞園ちゃん!オレが食べるよ!」
苗木「そういうわけじゃ――」
舞園「ならお口をあーんしてくださいね♪」グイ
苗木「うー///あーん」
桑田「舞園ちゃーん!オレにはー?」
苗木「(楽しい朝食会を過ごした)」
苗木「(ってなるはずだったのに…)」
モノクマ「…アハハハハハハハハハハハッ!!!」ヒョイ
苗木「モノクマ!?」
モノクマ「まったく、こんな時に青春しちゃって…。君達には危機感というものがないよ!」
腐川「誰のせいでこんな目に合っていると思っているのよ!」グギギ
モノクマ「オマエラゆとり世代にはがっかりだよ!殺し合えよ!傷つけ合えよ!」ガオー
苗木「な、何を言われたって…ボクらは人を殺したりなんか…」
モノクマ「そこで!中々殺し合わないガッツある君達にボクからなんとプレゼントです!」
モノクマ「学校内の『ある場所』に学園外の様子が見られるようになっています!」
モノクマ「こいつぁ見逃せねぁぜ!いざ、視聴覚室へ!」
視聴覚室
苗木「このDVDにいったい何が…」
苗木「…!」
苗木「ど、どういう事だよ…」
苗木「どうして、みんながッ!?」
苗木「!」
戦刃『世界がおかしくなっていることも…』
苗木「(世界がおかしくなった…?)」
苗木「(きっと、戦刃さんなら何か知ってるはず…!)」
苗木「ん?」チラ
舞園「…」ブルブル
苗木「舞園さん?大丈夫…?」
舞園「…」
苗木「舞園さん?」ソー
舞園「…やめてッ!!」バシッ
苗木「!」
苗木「(ボクの手を振りほどくのと同時に、走り去ってしまった…)」
朝日奈「舞園ちゃんッ!?」
十神「放っておけ…」
苗木「放っておけないよ!」
苗木「ボク、捜しに行ってくる!!」
1-A
苗木「(誰もいない教室の片隅に彼女はいた…)」
苗木「舞園さん…?」
舞園「わ、わたし…」
苗木「(なんだろう…この感じ…)」
舞園「知らなかったんです…」
苗木「(怖い―)」
舞園「苗木君には、その…」
苗木「(怖い―)」
舞園「迷惑でしたよね?すみません…」
苗木「(怖い――)」
舞園「でも――」
舞園「酷いですよ…黙っていたなんて…」
苗木「わからないよ、舞園さんの言っていることが」
舞園「苗木君は嘘吐きさんだったんですね」
苗木「違うよボクは嘘なんか…」
舞園「また嘘をついた」
苗木「違うったら!」
舞園「私が勝手に勘違いしたって言いたいんですか?」
苗木「そうじゃなくて…」
舞園「苗木君が…」
舞園「勘違いさせたくせにッ!!!」ガシッ
苗木「!?(腕を…掴まれた…?)」
舞園「苗木君!!!」ズイッ
苗木「うわっ!?」グラ
ドシンッ!
苗木「いててっ…」
苗木「(舞園さんが…!ボクの上に…!)」
舞園「嘘吐きさん、嘘吐きさん、質問です」
舞園「一昨日の約束は覚えてますか?」
苗木「…覚えてる?」
舞園「一昨日食堂で埋め合わせをしてくれるって言いましたよね?」
苗木「…」
舞園「今ここで、その埋め合わせをしてもらいます」
舞園「…」
苗木「ま、舞園…さん…」
苗木「(舞園さんの顔が、きれいな顔がボクに近づいてくる)」
苗木「(近づくにつれはっきりとしてくる。舞園さんの美しいさが…)」
苗木「(目、口、鼻…一つ一つが整っていて、その一つ一つで形成される舞園さんの顔はとってもきれいで…)」
舞園「苗木くん…」
苗木「(舞園さんの唇がもうすぐ目の前まできている。舞園さんの吐息が、甘い香りが、ボクの顔にかかる)」
苗木「ボクと舞園さんじゃあ…釣り合わないよ…」
舞園「構いません…」
苗木「舞園さんにはもっと素敵な人が…」
舞園「苗木君、これは埋め合わせなんですよ?――だから」
舞園「ただ受け入れてください――」
苗木「(…受け入れる)」
苗木「(…ウケイレル)」
苗木「(…)」
苗木「(…)」
苗木「(…!!!)」
「苗木君、好きです」
苗木「(なんだろう――)」
「どうしてですか…こんなにも…好きなのに…」
苗木「(前にもこんなことが―)」
「苗木君が悪いんですよ…」
苗木「(ダメだ―)」
「私を受け入れてくれないからっ!!」
苗木「(同じだ―)」
「苗木!二度と舞園ちゃんに近づくんじゃねーぞ!!!」
苗木「(繰り返す―)」
「苗木君は私のモノなんですから」
苗木「(受け入れなくちゃ―)」
「ちょっと、痛い目見なきゃわからねーみてーだな」
苗木「(受け入れないと―)」
「苗木君――」
「苗木――」
苗木「(イジメラレル――!)」
苗木「舞園さん!」ズイッ
舞園「!」ビクッ
苗木「舞園さん、好きだよ」
舞園「また…嘘…ですよね?」
苗木「本当だよ」
舞園「その場しのぎの嘘ですよね?」
苗木「ううん、本当だよ」
舞園「私を動揺させる作戦ですか?それとも――」
苗木「舞園さん、ボクを…信じて…」
舞園「…」
舞園「…信じたいです。でも、苗木君には…彼女が…」
苗木「(彼女?舞園さんはあのDVDを見てから急変した…。だとしたら、あのDVDに何か勘違いさせるようなものが…?)」
苗木「ボクが舞園さんを好きだってことに関係ないよ」
舞園「…」
苗木「舞園さん、好きだよ」
舞園「やめてください…」
苗木「舞園さん、大好きだよ」
舞園「やめてください」
苗木「舞園さん――」
舞園「止めてください!!!」
苗木「…」
舞園「…そんなに言われると」
舞園「信じたくなるじゃないですか…」
苗木「舞園さん…」
舞園「わかるんです。苗木君が言っているのは嘘だって。嘘吐きだって…」
苗木「…」
舞園「…でも、」
苗木「…」
舞園「それは、勘違いだって…そう思いたいです。苗木君は本当に私のことが好きなんだって…」
苗木「…」
舞園「私の勘違いですよね?」
苗木「…」
苗木「…うん、そうだよ」ギュ
舞園「!」
舞園「苗木君…!!」
苗木「勘違いだよ…」ギュウ
舞園「そう…ですよね…」
舞園「勘違い…ですよね…」
舞園「だったら…」
舞園「こうやって、素直に抱き返しても…いいですよね」ギュ
苗木「…舞園さん」
舞園「私苗木君のことが大好きです」
苗木「うん」
舞園「ずっとずっと大好きだったんです」
苗木「うん」
舞園「ごめんなさい、苗木君。あんなことをして…。本当にごめんなさい」グスッ
苗木「舞園さんは何も謝らなくていいよ。ボクは…」
苗木「舞園さんの全てを受け入れるから」
視聴覚室
苗木「確か舞園さんの座っていた場所はここだったかな?」
苗木「よかった!まだDVDも入ったままだ」
苗木「(舞園さんを勘違いさせたモノがこのDVDの中に入っている…)」
苗木「いったいなにが…?」
???『ここにいたんだ』
???『うん、学校の中はなんだか落ち着かなくて…』
???『今日もいじめられたの?』
???『別にいじめられたワケじゃないよ。よくあるノリみたいな…』
???『いつまで続けるの?』
???『…』
???『今日も膝枕する?』
???『…うん、お願い』
???『口切れてるよ、それにお腹を何度も蹴られてる』
???『へぇ~、服の上からでもわかるの?』
???『ううん、見てたから』
???『な~んだ。見られてたのかぁ』
???『だから、どうしようか迷ったんだよ』
???『…もしまた見ても、今回と――』
???『また見てるだけにして欲しい?』
???『うん』
???『いいよ、でもその代わりキスして』
???『…いいよ』
???『これじゃあ《ザザー》さんと変わんないかなぁ?』
???『《ザザー》さんよりはおねだり上手かな』クスッ
???『苗木君』
苗木『何?』
???『好きだよ』
苗木『ボクもだよ、戦刃さん』
モノクマ『あれれ~?あの苗木君に彼女がいたなんて!?』
モノクマ『それに戦刃っていったい誰ぇ!?』
正解発表は“卒業”の後で!!
苗木「…」
苗木「どういう…こと…?」
苗木「ボクと戦刃さんはもっと前に出会っていた…?」
苗木「戦刃さんがボクの彼女…?」
戦刃『みんなの高校生活の記憶を消していることも…』
苗木「!」
苗木「そういうことだったんだ…」
苗木「じゃあこの映像は本物…」
苗木「ボクが忘れてしまっているだけなんだ!」
苗木「戦刃さんだ!カギは全て戦刃さんが握っている!」
苗木「慎重に行動しすぎていたんだ…。もっと早く戦刃さんに聞いておけばよかった…」
苗木「戦刃さんの元へ急ごう!」
江ノ島の部屋前
苗木「…」ポチ
ピーンポーン
江ノ島「…」ガチャ
苗木「…江ノ島さん」
江ノ島「苗木君…」
苗木「ちょっと話したいんだけどいいかな?」
江ノ島「…」
苗木「…あっ、べ、別にやましい気持ちとかは――」
江ノ島「いいよ、部屋に入って」
苗木「お、お邪魔しまーす」
江ノ島「そこのベッドに腰掛けて」カツラパサッ
苗木「うん」ギシ
苗木「戦刃さん実は質問が――」
戦刃「…」ドン
苗木「えっ!?(戦刃さんに押し倒された…?)」
苗木「(この展開って…!)」ドサッ
戦刃「…」ガシッ
苗木「戦刃さん!?(戦刃さんが上に乗って…?腕をつかんで…?)」
戦刃「…」スー
苗木「い、いくさばさん?(戦刃さんの顔が近づいてくる!)」ドキッ
戦刃「…」クンクン
戦刃「(苗木君の匂い。苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君舞園さん苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君)」
戦刃「だめだよ苗木君。嫉妬しちゃうよ…」
苗木「し、嫉妬?」
戦刃「うん。わかるよ、匂いで」
苗木「におい?」
戦刃「舞園さんがこうやって苗木君を押し倒したのも」
苗木「…」
戦刃「こうやって腕を強く掴んだのも」ギリリ
苗木「い、いたいよ!」
戦刃「こうやって」スッ
苗木「(戦刃さんの顔が、目の前に!)」ドキッ
戦刃「キスするくらい近くまで顔が近づいたのも」
苗木「…」ドキッドキッ
ぎゅー
戦刃「こうやって苗木君をきつく…きつく抱きしめたのも…」
戦刃「全部わかっちゃうんだから」
苗木「ボクは、その――」ドキッドキッドキッ
戦刃「いいよ、舞園さんとどんなことをしても」プイ
戦刃「ただ――」チラッ
苗木「ただ?」ドキッドキッ
戦刃「今は舞園さんと同じくらい抱きしめてくれなきゃいやだ」ギュ
苗木「…うん」ギュ
戦刃「…」
苗木「…」
戦刃「…」
苗木「…」
苗木「…戦刃さん」
戦刃「うん?」
苗木「教えてくれないかな?」
苗木「ボクの過去を」
よし、落ちたとこまで書けた
続きは落ちる前に書く。
戦刃「…どこまで知っているの?」
苗木「まだ全然…。ボクと戦刃さんが恋人だったってことぐらいかな」
戦刃「そうなんだ…」
苗木「ねえ、これって本当に――」
戦刃「本当だよ。私と苗木君は恋人関係だった。今は二度目の恋人関係だね」
苗木「二度目…」
戦刃「それで苗木君の過去について何だけど…」
苗木「…うん」ゴクリ
戦刃「…」
戦刃「今は教えてあげない」
苗木「…」
苗木「…えっ?」
苗木「教えてあげないって…なにか理由があるの?」
戦刃「…」
苗木「もしかして江ノ島順子に口止めされているとか?」
戦刃「…」
苗木「戦刃さんボクは君を救いたいんだ。もし、江ノ島順子に脅されているんだとしても――」
戦刃「…」
苗木「そんな脅しに――」
戦刃「ねえ、苗木君…」
苗木「屈しては――」
戦刃「苗木君…」
苗木「ダメ――」
戦刃「黙ってよ」
苗木「!?」
戦刃「私が教えてあげないって言ってるんだから素直に私の言うこと聞いてよ」
苗木「え、でも…」
戦刃「苗木君、私の言うこと素直に聞いてくれないの?」
苗木「えっと…その…」
戦刃「聞いてくれないの?聞いてくれるの?」
苗木「…」
戦刃「どっち?」
戦刃「どっちなの?」
苗木「(結局ボクは戦刃さんの言うことを素直に聞いた)」
苗木「(…戦刃さんがボクの過去を教えてくれない理由)」
苗木「(きっと何か理由があるに違いない!きっと理由が…)」
苗木「(…)」
戦刃『どっちなの?』
苗木「(あの時の戦刃さん…)」
苗木「(怖くて…)」
苗木「(威圧的で…)」
苗木「(とっても…)」
苗木「(きれいだった…)」ドキドキドキドキ
夜
苗木の部屋
苗木「zzz」スヤスヤ
???「…」ソー
苗木「zzz」スヤスヤ
???「私はただ大事な人を守りたいだけよ…」ナデナデ
苗木「zzz」スヤスヤ
コロシアイ生活――四日目 終
今回はここまで
次はたぶん三週間後くらいかな
ところで江ノ島盾子の名前誤字ってるのはわざと?
うわぁ・・・
ミスりました「順子」×「盾子」○
コロシアイ生活――五日目
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です!』
苗木「ふわぁ~…。うーん、もう少し眠っていたかったなぁ」
苗木「そう言えば、朝食はみんなで一緒って約束だったなー。行かないと」
ピーンポーン
苗木「! もしかして…」ガチャ
江ノ島「苗木君おはよう」
苗木「…」
苗木「(ボクは愕然とした…)」
江ノ島「? どうしたの?」
苗木「え、江ノ島さんお化粧は…?」
江ノ島「めんどくさいからやめた」
苗木「やめたって…」
江ノ島「苗木君はメイクしている子の方が好き?」
苗木「そ、そういうワケじゃ…」
戦刃『私の言うこと素直に聞いてくれないの?』
苗木「(…)」
苗木「(…戦刃さんには何か考えがあるのかもしれない)」
苗木「ううん、ボクはすっぴんの江ノ島さんの方が好きだなぁ」
江ノ島「苗木君好き」
苗木「え!?///」
江ノ島「~♪」
苗木「(戦刃さんのご機嫌が上がったみたいだ)」
食堂
石丸「やぁ、おはよう苗木君!…と江ノ島君か?」
朝日奈「あれ?江ノ島ちゃんお化粧は?」
江ノ島「めんどくさいからやめた」
不二咲「江ノ島さん、そのままでも十分きれいだもんね」
大神「むしろそっちの方が良いのではないか?」
江ノ島「そうかな?」エヘヘ
大和田「おっす…って江ノ島かぁ!?」
山田「化粧をしているのとしていないのでこうも違うとは…」
セレス「あら?一瞬誰だかわかりませんでしたわ」
霧切「…」
桑田「そっちの江ノ島ちゃんもかわいいぜぇ!」グッ
葉隠「江ノ島っちには二つの顔があると…」メモメモ
苗木「(みんな集まってきたみたいだ)」
石丸「おや?まだ揃ってないな…?」
朝日奈「舞園ちゃんと十神がまだ来てないね」
苗木「(あれ?舞園さんがまだ来てないなんて…)」
十神「どうした?何かあったか?」
大和田「おう、十神!オメェ舞園を見なかったか?」
十神「俺が知る訳ないだろう。今、ここに来た所なんだ」
山田「朝食の約束を忘れているのですかね?」
霧切「しっかり者の彼女が?」
苗木「ボク…ちょっと、様子を見て来る!」
舞園の部屋前
苗木「…」ポチ
ピーンポーン
苗木「(ダメだ、出ないみたいだ…)」
苗木「カギは…」
ガチャ
苗木「かかってない…?」
苗木「お、おじゃましまーす」
苗木「舞園さん?」キョロキョロ
苗木「いない、どうして…?」
苗木「そうだ、シャワールームは?」
ガチャ
苗木「(ここもカギはかかってない…)」
苗木「(ボクはシャワールームの中を覗き込んだ)」
苗木「(ボクは…)」
苗木「(シャワールーム…の中…を……)」
苗木「(ノ…ゾキ…コ………)」
舞園「きゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
苗木「ご、ごめんなさぁい!!!」
バタン!
苗木「や…」
苗木「やってしまった…」
苗木「(あーあ。ボクって本当に…)」
苗木「(ダメだなぁ……)」
石丸「声が聞こえて急いで来たが…」
霧切「…何があったの?」
苗木「ええと、そのぅ…」
舞園「苗木君はえっちです!」
石丸「えっち…!?苗木君、君という奴は!」
苗木「わ、わざとじゃないよ!舞園さんを呼びに来て、でも返事がなくて、部屋に鍵がかかってなくて、それでシャワー室を開けたら舞園さんが…」
霧切「シャワーを浴びている際中だったってわけね」
舞園「でも覗きましたよね?」
苗木「うぅ…」
霧切「それでどうするの?」
舞園「うーん…、私と苗木君二人っきりにしてくれませんか?」
舞園「このことは二人でちゃんと話し合って決めたいんです」
石丸「舞園君が言うのならばそれで良いが…」
霧切「そうね、わかったわ」
舞園「もうダメじゃないですか苗木君」
苗木「ご、ごめんなさい!」
舞園「謝らないでください、別に怒ってませんから」
苗木「え?」
舞園「私、苗木君を見習おうと思うんです」
舞園「苗木君が私の全てを受け入れてくれるなら、私も苗木君の全てを受け入れようって」
苗木「舞園さん…」
舞園「さっきは少し驚いちゃいましたけど…」
舞園「次からはいつ入ってこられても大丈夫ですよ!」
苗木「も、もうしないよっ!」
舞園「ふふっ、残念です」クス
舞園「(苗木君の全てを受け入れる)」
舞園「(それって…本当にできますか?)」
舞園「(『戦刃』という人。苗木君の彼女?元彼女?まだ教えてもらってません)」
舞園「(知りたい、いったい誰なのか、どんな関係なのか、どうして黙ってたのか)」
舞園「(隠し事をしないって約束したのに苗木君はそれを破った)」
舞園「(そんな苗木君を本当に受け入れることができますか?)」
舞園「(委ねられますか?)」
舞園「(協力できますか?)」
舞園「(信じていいんですか?)」
江ノ島「ここじゃあ、いつメイクアイテムが切れるかわからないからし、してもあんまり意味ないしなぁ」
朝日奈「まあ、見せる相手がこんな男子じゃ…ね…」
セレス「メイクの張り合いが薄れますわね」
大和田「ンだとゴラァ!」
不二咲「け、喧嘩しないでよぉ」
ワイワイガヤガヤ
苗木「あはは、楽しそうな声が聞こえるね」テクテク
舞園「…」テクテク
舞園「…」ピタ
苗木「? 舞園さん?」
舞園「(本当に苗木君は私を助けてくれるんでしょうか?)」
舞園「(苗木君は私のことが好きだって言った)」
舞園「(私を責めない)」
舞園「(私を受け入れてくれる)」
舞園「(でも、それって証拠はあるんですか?)」
舞園「(苗木君はまだあの一度しか受け入れてくれてないじゃないですか)」
舞園「(あれって今後も続けられますか?)」
舞園「(わかりません)」
舞園「(あれは論理的に片付きましたか?)」
舞園「(論理的ではありません)」
舞園「(感情的になっただけなんじゃないですか?)」
舞園「(感情的になっただけです)」
舞園「(苗木君は…私を…)」
舞園「(本当はどう思っているんですか?)」
舞園「…」
苗木「どうしたの?早く行こうよ」
ぎゅっ、ぐいっ
舞園「あっ…」
舞園「(苗木君の手の感触…)」
舞園「(…何事もなく接してくれるんですか?)」
舞園「(…導いてくれるんですか?)」
舞園「(…受け入れてくれるんですか?)」
舞園「(私のことが…好き…だから…?)」
苗木『舞園さん、好きだよ』
舞園「(あの時の言葉…)」
舞園「(本当の本当ですよね?苗木君、嘘じゃないって言ってましたもんね)」
舞園「(信じますよ、受け入れますよ、もう後には引けないんですから。どんな過程があっても、誰と何人と付き合ってようと…私のことは好きだって)」
舞園「(だから…)」
舞園「…ずっと」
舞園「…いつまでも」
舞園「…」
舞園「はい!行きましょ♪」グイ
苗木「うわぁっと…そんな強く引っ張んなくても…」
舞園「♪」
舞園「(苗木君、本当に本当に本当に大好きなんですよ。誰よりも何よりも)」
舞園「(絶対に離さないでくださいね、ずっと握っていてくださいね。この手をずっと――)」
夜
苗木の部屋
苗木「zzz」スヤスヤ
???「私の傍にいてね…」ナデナデ
苗木「zzz」スヤスヤ
コロシアイ生活――五日目 終
今回は終わり
次はいつかわかんない
待ってる
苗木「(翌朝、朝のモノクマアナウンスと共に、ボクらは体育館へと呼び出された)」
苗木「今度は…何させようってんだよ…」
コロシアイ生活――六日目
モノクマ「ハイッ!腕を上下に伸ばしてぇ~!」
モノクマ「イチ・二・サン・シ…」
モノクマ「イッチ、二ッ、サーン、シッ!」
モノクマ「さらに強く上下に、曲げ伸ばしましょーう!」
モノクマ「全身を緊張させッ、素早さと力強さを身につけるのだッ!!」
苗木「…」
モノクマ「ふぅ~、やっぱ運動って気持ちいいよね!インドアばっかだと体もなまっちゃうからねッ!」
腐川「自分で…閉じ込めたクセに…」
モノクマ「細かいことは気にしない…それがマイ生き方…」
モノクマ「あ、今のボクかっこよかったんじゃない?」
モノクマ「惚れる?惚れる死ぬ?悶え惚れ死ぬぅ?」
江ノ島「それよりあたし喉渇いた。朝食もまだだったしお腹も減った」
モノクマ「んもう!ゆとり世代はうるさいなぁ!!」
モノクマ「はい!牛乳とあんぱん!」スッ
江ノ島「わーい」
霧切「用意が良いわね」
モノクマ「みんなの分もあるからちゃんと回してね」
江ノ島「はい苗木君」
苗木「ありがとう!」
江ノ島「はい舞園さん」
舞園「ありがとうございます」
江ノ島「はい霧切さん」
霧切「ありがとう」
大神「それで…用件は何だ?ラジオ体操だけの為に呼んだのではあるまい…」モグモグ
モノクマ「ラジオ体操…だけ?だけって言った?」
モノクマ「ラジオ体操を笑う者は…ラジオ体操に泣くんだぞッ!」
モノクマ「それに、このモノクマラジオ体操には、さる暗殺の極意がみっちり凝縮されているのだ!」
モノクマ「闇の帝国に代々伝わる、秘伝の暗殺拳がな…」
山田「なんだか中学生が考えたような恥ずかしい設定のラジオ体操ですな…」パクパク
江ノ島「ふんッ!」シュ!
十神「ぐふぅ!!!」ボゴォ!
江ノ島「ほんとだ…使える…」
十神「何故俺なんだ…」ドサッ
山田「ひふみー!!!」ガタガタ
苗木「あわわ…」
モノクマ「ほらね?」
苗木「い、いいからそろそろ答えてよ!本当に、ラジオ体操の為だけに呼んだのか?」
モノクマ「あらやだ!ボクはそんなにヒマじゃないよ!」
苗木「じゃあ…」
モノクマ「えー、二つ発表しますッ!」
モノクマ「この希望ヶ峰学園は、学級裁判を乗り越える度に”新しい世界”が広がる・・・」
苗木「ひ、広がる…?」
モノクマ「ひろがる…ひろがる…」
モノクマ「という設定だったのにさああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
苗木「うわぁ!」ビク
モノクマ「てめーら砂利ガキ共のせいで全部おじゃんだぁ!!!ガルルルルル!!」
モノクマ「中々殺し合わない君たちのために”新しい世界”を用意しました!」プンプン
葉隠「新しい世界…?」
モノクマ「その新しい世界は自分たちの目で確かめてみよう!」
モノクマ「探索へGO!」
苗木「学園内を探索した結果、一階の大浴場と倉庫、二階に行けるようになったみたいだ」
モノクマ「うぷぷ。新しい世界気に入ってもらったかな?」
朝日奈「ものすごく!ありがとう!」
腐川「なに素直にお礼言ってんのよ…」
苗木「そう言えば“二つ発表します”って言ってなかった?」
桑田「一つは“新しい世界”…」
不二咲「二つ目は?」
モノクマ「二つ目それは…」
苗木「それは…」ゴク
モノクマ「あっ!時間だ!」ダッ
苗木「え?ちょっとモノクマ!」
モノクマ「えー、校内放送です。午後10時になりました。ただいまより“夜時間”になります。間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す」
モノクマ「ではでは、いい夢を。おやすみなさい…」
苗木「これ生放送だったんだ…」
葉隠「二つ目はまた明日だべ」ヤレヤレ
苗木「夜時間か…出歩きは禁止の約束だし…」
苗木「仕方がない…今日は寝るか…」
夜
苗木の部屋
苗木「zzz」スヤスヤ
???「私から離れないでね…」ナデナデ
苗木「zzz」スヤスヤ
コロシアイ生活――六日目 終
今回は終わり
次はあるかわかんない
おつ 次も楽しみにしてるからな
>>90
応援してくれてありがとー!
頑張るよー
コロシアイ生活――七日目
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です!』
苗木「眠い…。なんだか体がおもい…」
ピーンポーン、ガチャ
舞園「おはようございます!」
江ノ島「苗木君おはよー」
苗木「(ボクが出る前に二人とも勝手に入ってきた…)」
苗木「おはよう、今日も元気だね」
舞園「苗木君も元気そう…じゃないですね…」
江ノ島「寝不足?」
苗木「うん、まぁ…」
舞園「ちゃんと規則正しい生活を送らないとダメですよ!」
苗木「たはは…」
食堂
朝日奈「みんなおっはー!」
苗木「おはよう…。もう、みんな揃ってるの?」
葉隠「いんや、十神っちと石丸っちがまだだべ」
舞園「石丸君がまだ来てないなんて珍しいですね」
セレス「石丸君でしたら、遅刻魔の十神君を呼びに部屋まで迎えに行きましたわ」
大神「すぐに戻ってくるはずだ。我らは、ここで待っているとしよう」
セレス「待つのは構いませんが、1つ問題があるのです」
江ノ島「…問題?」
セレス「喉が渇きました」
大和田「どこが問題だっつーの…」
セレス「苗木君、紅茶入れてくださる?」
苗木「…え?」
セレス「ミルクティーをお願いしますわね」
苗木「えっとー、なんでボクが…?」
セレス「女性を二人も侍らせる、その能力を見込んでのことです」
苗木「ちょ、ちょっと待ってよ!侍らせるなんてそんな…!」
桑田「そうだ!そうだ!舞園ちゃんは別に苗木のことなんか――」
舞園「そうですよ!苗木君が侍らせているんじゃなくて、私から付き従っているんです!」
桑田「アポ…?」
江ノ島「そうだそうだー」
朝日奈「えぇ!!そうなの!?」
腐川「卑猥よぉ!!!」
山田「美少女二人を侍らせるとは…苗木誠恐ろしい…!!」
セレス「いいから早く持って来い、このビチグソがぁぁぁ!!!」
苗木「ひっ…、す、すぐに持ってくるよぉ!」ダッ
セレス「うふ。恐喝は便利ですわね」
朝日奈「人格…変わったけど…」
大和田「クソ…一瞬ブルっちまったぜ…」
セレス「うふふふふふ…」
江ノ島「…」
苗木「どうしてボクが…」ブツブツ
苗木「――よしっと!」
苗木「みんなの分も用意してっと、持っていこう」
ガチャ
苗木「…」
苗木「(…これって一体どういう状況だろう?)」
苗木「(泣いてる不二咲さん…)」
苗木「(石丸君に羽交い絞めにされてる十神君…)」
苗木「(その十神君にボディーブローを入れてる戦刃さん…)」
苗木「えーっと、これって…?」
舞園「あっ、お帰りなさい苗木君。わぁー!みんなの分も用意してくれたんですか!飲んでもいいですか?」
苗木「うん、もちろん」
舞園「とってもおいしいです!」
苗木「よかったぁ!口に合うか心配だったんだ」
霧切「本当ね、おいしいわ」
江ノ島「おいしい・・・」
朝日奈「苗木やるじゃん!」
桑田「悪くねーな!」
苗木「(えへへ、みんな喜んでくれているみたいだ)」
セレス「…」ゴクッ
セレス「本当ですわ。とってもおいしいです」ガシャーン
苗木「(カップを壁に叩きつけられた…)」
山田「ふむ、悪くないですが…苗木誠殿、まだまだだね」キリッ
苗木「あ、うん」
苗木「で、どうしてこんな状況になってるの?」
石丸「廊下で十神君と鉢合わせになったんだ。朝食へ誘ったんだが、受け入れてくれなくてな…。苗木君、おかわりを頼む」
霧切「そこで羽交い絞めにして無理やり連れてきたのね。苗木君私も」
江ノ島「あんまり十神君が暴れるから昨日みたいに一発入れちゃった」テヘヘ
十神「江ノ島ぁぁぁ!!!貴様ぁぁ!!!」ゴホゴホ
苗木「でも…、朝はみんなで集まって朝食って、…約束だったでしょ?」
十神「約束…?まったく、ゆっくり読書することも許されないのか…」
苗木「あと不二咲さんはどうして泣いてるの?」
不二咲「うぅ…」
大和田「十神の野郎が泣かしやがったんだよ!」
十神「そいつが『仲間同士仲良くしようよ』とほざいたから教えてやっただけだ」
十神「俺達は仲間同士なんかじゃない。その逆だ…互いに蹴落とし合う競争相手なんだ、と」
不二咲「うぅ…でもっ…」
十神「なんだ?言いたいことがあるならハッキリ言え。言えないなら、最初から口を閉じておけ」
不二咲「ご、ごめん…なさい…」
大和田「おい、ゴラァ!弱い物いじめして楽しいか!?胸クソわりーんだよ…!!」
十神「また仲良しごっこが始まったか…。で、それはいつまで続くんだ?」
大和田「うるせぇ!!」
十神「うるさい…そう言ったのか?まったく、我が耳を疑ってしまうな。そんな単純で無意味な言葉しか出てこないとはな」
大和田「よし決めた!今すぐ殺すッ!」
朝日奈「ちょ、ちょっと!落ち着い――」
霧切「うるせぇー!!!このビチグソ共がぁぁぁ!!!」
苗木「!!!」
朝日奈「え…、き、霧切ちゃん…?」
霧切「うふ。本当ね。恐喝って便利だわ」
朝日奈「人格…変わったけど…」
十神「とにかく…」
十神「俺はこれ以上、お前らと一緒に行動するつもりはない。蹴落とし合いのゲームで、協力し合おうなど…」
十神「そんな無意味な行動に、時間を費やしたくないんでな」
苗木「む、無意味って…」
十神「仲良しこよしの食事会などもっての他だ。誰かに毒を盛られる可能性だってある…」
十神「まだ、最後の晩餐に出席するつもりはないんでな…」
モノクマ「うぷぷ。十神君鋭いね」
苗木「モ、モノクマ!?」
モノクマ「えぇ、オマエラに“二つ目” の発表をします」
モノクマ「この中の一名が食事に毒を盛りました」
今回はおわり
全員「!!!」
桑田「おいまじかよ!?」
葉隠「洒落になんねーって!」
モノクマ「しかしご安心ください。今までこの毒を飲んで死んだ人はいません!」
葉隠「じゃあ、大丈夫だべ」アハハ
腐川「なわけないでしょ!例え死ななくても何か影響が出るはずよ」
モノクマ「だいせーいかーい!君達本当に勘が良いね。先生感動しちゃいました!」
苗木「影響って…、何が起きるんだよ!」
モノクマ「 “加虐性欲”って知ってる?人に暴力をふるったりすることが大好きで、それに快楽を感じる人のことです」
モノクマ「この毒は、人間の持つ残酷な一面を刺激し、加虐性欲へと走らせるコロシアイの特効薬なのです!やったね!」
大和田「なんつーことをしやがんだ…」
桑田「でもよぉ、食事に毒なんて…どうやって盛るんだ?俺達は気づかないうちに食っちまったってわけか?」
霧切「それに毒が盛られたことは事実なのかしら?」
モノクマ「事実、まごうことなき事実!」
霧切「その毒を私達“全員”が飲んだのかしら?」
モノクマ「…」
霧切「どうなの?答えて」
モノクマ「…まったくうるさいなぁ」
モノクマ「みんなまずは僕の話を聞いてよ!話はまだ終わってないんだから!」
モノクマ「毒を飲んだのは一人です!いつ、どうやって、誰が飲んだかはお答えできません!」
モノクマ「これだけじゃわからないだろうから、僕からの特別ヒント!」
モノクマ「毒を飲んだ決定的瞬間!その時、その場に全員揃っていました」
モノクマ「…うぷぷぷ。これ以上はお答えできません!」
モノクマ「では、さようなら!」シュバ
石丸「いろいろと話し合うべきことはあるが…」
朝日奈「早急に解決しないといけないのはどれ?」
桑田「そりゃー、誰が飲んだかってことだろ」
霧切「確かに誰が飲んだかは重要よ。でも――」
苗木「今のボク達にはそれを確定づける証拠が無い」
十神「まずは別の面から問題を片づけていくべきだろうな」
セレス「では、まず私から議題を提示します」
セレス「毒を盛った人物が故意なのか、それとも偶然なのかですわ」
十神「故意の可能性はない。仮に故意だとしたら、モノクマが黒の犯行を暴露したことになる」
苗木「モノクマなら、コロシアイを未然に防ぐようなことは絶対にしない」
霧切「それに加えて、モノクマは毒に随分と詳しかったわ」
大神「つまり毒を盛った“この中の一名”というのは…」
苗木「モノクマだ!」
十神「それは違うな」
苗木「…え?」
十神「言っただろ。“偶然”なのかと」
霧切「モノクマが仕込んでおいた毒を誤って飲んだ、あるいは飲ませてしまった」
セレス「その可能性は十分にありますわね」
桑田「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待てよ!じゃあ、今朝苗木が用意したミルクティーの中にも毒があった可能性は…!」
山田「あ…」
セレス「ありますわね…」
石丸「苗木くん!君という奴は!」
葉隠「ひでーぞ!苗木っち!」
苗木「ちょっと待ってよ!可能性があるだけで決まったわけじゃ…」
腐川「それはどうかしら?モノクマの現れたタイミングを見ると、バッチリじゃない」
苗木「うっ…」
腐川「それにモノクマは言ったわ」
腐川「毒を飲んだ決定的瞬間!その時、その場に全員揃っていました」
腐川「…つまり」
腐川「この条件で絞ると…」
腐川「苗木!あんたが持ってきたミルクティーしかないのよ!」
苗木「うぐっ…」
苗木「(推論の域だけど、その推論に対して反論できない…)」
腐川「うふふ、潔く罪を認めなさい。許しはしないけど」
十神「だから言ったんだ」
十神「仲良しこよしの食事会などもっての他だ。誰かに毒を盛られる可能性だってある、とな」
十神「苗木の作ったミルクティーに毒が盛られていたと仮定するなら、俺は飲んでいない。つまり安全圏だな」
大和田「あぶねぇ、俺も飲んでないぜ」
不二咲「ボクも泣いてて飲んでないや…」
セレス「この三人以外は全員飲んだことになるのですね」
舞園「あの、誰が毒を盛ったかはどうでも良いことではありませんか?」
桑田「さすが舞園ちゃん!そうだよなぁ!最初の問題に戻るが、一番に解決しないといけない問題は誰が飲んだかだよなぁ!」
十神「何度も言うが誰が飲んだかは特定することはできない。だが、今のうちに対策を考えておくのも良いか…」
苗木「対策…?」
大神「人間の持つ残酷な一面を刺激し、加虐性欲へと走らせる毒」
十神「つまり、殺人犯へと狂暴化させることだな」
セレス「そのような危険な人物を野放しにすることはできません」
石丸「うむ。見つけ次第隔離せねば」
苗木「隔離!?」
苗木「ちょっと待ってよ!それじゃあ仲間を閉じ込めることになる!」
苗木「みんなの絆を切ろうとする、モノクマの思う壺だよ!」
十神「絆か…」フフッ
十神「それを“毒”を飲ませてしまったお前が言うとは傑作だなぁ」
苗木「!」
苗木「(違う、そんなつもりはなかったんだよ!)」
苗木「(そう言おうとみんなを見たけど、みんなの目は…)」
苗木「(ボクをじっと見つめていた。ボクを責めていた)」
苗木「(これって…)」
苗木「(…ボクのせい?)」
苗木「(…ボクが悪い?)」
苗木「(…ボクが余計なことをした?)」
苗木「(あれ、おかしいや…)」
苗木「(これじゃあまるでボクは…)」
『邪魔なんだよッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
『消えろ』
『どうしてまだいるの?』
『もう来ないでくれないか?』
『てめーは害そのものだな』
『目障りだ』
『いらないんだよ、お前は』
『お荷物ですな』
『面倒臭い』
『鼻摘み者』
『厄介者』
『問題児』
苗木「(ボクは邪魔?)」
苗木「(ボクはいらない?)」
苗木「(ボクは何?)」
苗木「(ボクは…)」
「違うよ…」
江ノ島「それは違うよ!」
今回は終わり
あ
保守
申し訳ない、忙しすぎて全然更新できなかった。
今日ちょっとだけ投稿する。許してくれ。保守してくれた人ありがとう!
十神「なんだ文句でもあるのか?」
江ノ島「あるよ」
十神「おもしろい、言ってみろ」
江ノ島「確かに、苗木君が入れたミルクティーに毒が入っていたかもしれない」
江ノ島「その毒を飲んで“殺人”を起こす人が出るかもしれない」
江ノ島「でも…」
江ノ島「だからって、苗木君一人に罪を全て負わせることは違うよ。仲間を隔離することは間違ってるよ」
十神「ならどうすればいい?俺達はビクビク怯えながら生活するのか?すぐ側にある恐怖を目の前にして何もしないのか?」
江ノ島「毒があるのなら、それを治す薬だってあるはずだよ」
江ノ島「隔離なんてしちゃダメだよ。こんな時だからこそ団結しなきゃダメだよ」
十神「理想論だな、現実を見ろ」
十神「モノクマが治す薬を用意していると思うか?」
十神「そいつを野放しにしている間にどうなるか考えろ」
十神「薬や対策、団結なんて隔離してから考えればいい」
十神「必要なのは希望的観測じゃない、現実を見ることだ」
江ノ島「違う」
江ノ島「希望はあるよ。自分から捨てるなんてことしちゃダメだよ」
江ノ島「希望を見失っちゃダメだよ」
十神「…」
十神「ふん、おもしろい」
十神「確かにお前の言い分には一理ある。苗木一人に責任を全て押し付けるのはあまりにもかわいそうだ」
舞園「そうですよ!苗木君だってモノクマさんにしてやられたことなんですから!」
江ノ島「うん」
十神「そして希望も捨てるわけにはいかない」
江ノ島「うん、うん」
セレス「…」
十神「そこで江ノ島。俺から提案がある」
江ノ島「?」
十神「どうだ?俺達の希望の象徴になってくれないか?」
石丸「? どういうことだ?」
十神「つまりだ」
十神「毒を飲んだ人物、それは江ノ島。お前だ」
苗木「!?」
朝日奈「嘘…!?」
石丸「何だと!?」
山田「し、しかしどうやって江ノ島盾子殿が毒を飲んだと見破ったのですか?」
大和田「そうだ、証拠はあんのか?」
十神「証拠はない」
大和田「ああん!?」
十神「つまりだ」
十神「江ノ島盾子が飲んだと仮定する」
大神「仮定…?」
十神「そうだ、この中の一人が飲んだことは確定しているんだ」
十神「それは曲がらない事実だ」
十神「そして毒を飲んだ人物を江ノ島だと仮定し、隔離すれば――」
霧切「要するに、証拠も何もないけど適当な人物を選んで隔離するってことね」
十神「適当ではあるまい。俺達の希望の象徴になる人物だぞ」
苗木「希望って…、江ノ島さんを閉じ込めることでボク達が安心できるってこと?」
十神「そうだ、安息をもたらす人物。まさに希望の象徴じゃないか」
十神「どうだ江ノ島?この提案呑むか?」
十神「お前の願った団結。お前自身が隔離されることで叶うかもしれないぞ?」
江ノ島「…」
舞園「私は反対です!」
不二咲「…僕もあんまり賛成できないよ」
十神「黙れ」
十神「これは江ノ島が決めることだ。お前らの意見は求めていない」
十神「どうするんだ江ノ島?呑むのか?呑まないのか?」
江ノ島「…」
苗木「それは違うよ!」
苗木「十神君の提案は間違ってるよ!」
苗木「そんなもの希望じゃない!」
苗木「江ノ島さんに全て押し付けて…」
苗木「迫害して、見下して、自分たちが安心しているだけ…」
苗木「それじゃあ、江ノ島さんは、希望の象徴じゃなくて、犠牲者だよ!」
苗木「みんなで団結するには、誰か一人でも欠けたらダメだよ!」
苗木「ボク達は仲間なんだ!共に戦う仲間なんだ!」
苗木「ボクは認めない!」
苗木「絶対に認めない!」
苗木「認め――」
苗木「み――」
苗木「(…)」
苗木「(…い)」
苗木「(言わなくちゃ…)」
苗木「(今思ったことを…)」
苗木「(江ノ島さんを助けるために…)」
苗木「(言わなくちゃダメなんだ…!)」
苗木「(なのに…)」
苗木「(なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのに――)」
苗木「(口が動かない…)」
苗木「(頭が回らない…)」
苗木「(くらくらする…)」
苗木「(緊張して、汗がにじむ…)」
苗木「(あれ?)」
苗木「(ボク何を考えてたんだっけ…?)」
苗木「(ボク何を言いたかったんだっけ…?)」
苗木「(ボクは…ボクは…)」
江ノ島「…いいよ」
江ノ島「呑むよ」
江ノ島「それでみんなが団結できるなら」
十神「ふふっ。よく決断した。褒めてやるぞ江ノ島」
江ノ島「でも、約束して」
江ノ島「みんな協調的に動くって。今朝みたいに勝手な行動はしないって」
十神「…いいだろ。約束してやろう」
十神「この十神の名に懸けてな」
苗木「(ボクは…ボクは…)」
苗木「(ボクは…)」
苗木「…」
苗木「…ごめん…江ノ島さん」
苗木「ボクは…やっぱり…」
「ダメだよ…」
すまん、次あるとしたら相当遅れる
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