○プロローグ○



「うーん」

今日はいい天気で気分爽快！

なにかいいことありそうだし、一日頑張ろう！

？？？「おーい！」

「ん？」









？？？「おはよう、希ちゃん！」


希「おっはよー、ことりちゃん！」



うちの名前は、東條 希

音ノ木坂学院に通う高校２年生

今年は何か起こりそうな気がしています

～通学路～


ことり「今日はなんだか朝から元気だね？」


この娘は、南 ことりちゃん

うちのクラスメートで大親友の１人

やさしくて見てて癒される自慢の友達！


希「いやー、今日はお天道様もにっこりしてるから、元気になるパワーをもらっててん」

ことり「いつも言ってる ”すぴりちゅあるぱわー”っていうの？」

希「そうそう！ことりちゃんにもおすそ分けしようか？」〈わしわしの構え〉

ことり「ひっ！え、遠慮しまーす・・・」

希「えー　　　・・・・・！！」 ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ことり「希ちゃん！？ 急に走ってどこいくの～～～！？」

？？？「～～～♪」ﾃｸﾃｸ

希「スピリチュアルパワー注～入！」 ﾜｼﾜｼ

？？？「キャーッ！？」

希「おっはよー！真姫ちゃん！」

真姫「おはようじゃないわよ！朝っぱらから何するのよ！？///」

希「真姫ちゃんにいいことありますように」 ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

真姫「ちょっと！聞きなさいよ！！」


この娘は、西木野 真姫ちゃん

うちのクラスメートでもう１人の大親友

うちらの中で一番からかいがいのあるかわいい娘！


真姫「ねぇ！聞いてるの！？」

希「…ん？いや～、真姫ちゃんはいつ見てもカワイイなぁ～」

真姫「なっ！？///　いきなり何言い出すのよ！？///」

希「うちはその可愛さに引き寄せられてしもうたんよ～」

真姫「もーー。イミワカンナイ！！///」

ほぅ…… 興味深い
期待します

ことり「お～い。希ちゃ～ん　真姫ちゃ～ん・・・　ﾊｱﾊｱ」ﾀｯﾀｯﾀ

真姫「！？　おっおはよ、ことり！？ってどうしたのよ。そんなに息切らして」

ことり「の希ちゃんが急に走り出すから・・・　ｾﾞｲｾﾞｲ」

真姫「・・・希」

希「あはは・・ごめんなぁ。ことりちゃん」

ことり「ううん、だ大丈夫だよ・・」

希「も～。ことりちゃんは天使やわ～」 ｷﾞｭｰ

ことり「キャッ！？希ちゃん、そんな急に///」

真姫「まったく。バカなことしてないで早く行くわよ」ｽﾀｽﾀ

希「あっ！？待ってー真姫ちゃん。ことりちゃん、うちらもいこっ！」

ことり「うん♪」

1.

～教室～

希「はぁ・・・」

ことり「希ちゃん。元気ないね」

真姫「仕方ないわよ。急に廃校の話が出たんだもの」

ことり「・・・うん」

希「はぁ・・・」

真姫「もー。いつまでうなだれてるのよ！！」

ことり「まっ真姫ちゃん！？」

真姫「今の１年生が卒業するまで廃校にはならないんだから、希がそこまで気にすることじゃないでしょっ！」

ことり「真姫ちゃん。ちょっと・・・」

希「・・・うちな初めてなんよ」

ことり・真姫「？」

希「親が転勤族やったから、入学した学校で卒業するの」

希「初めて思い出がいっぱい詰まった場所がなくなっちゃうって思ったらさ」

希「なんか寂しくてね・・・」

ことり「希ちゃん・・・」

希「うち１人の思い出じゃなくて、ことりちゃんや真姫ちゃんとの思い出もあるから余計ね」

ことり「ことりも寂しいよ・・・」

真姫「・・・じゃ、廃校にさせないようにすればいいじゃない」

希・ことり「！？」

真姫「入学希望者が定員を下回ったら廃校になるなら、学校のＰＲでもして希望者を増やせばいいのよ」

真姫「私だって学校はなくなってほしくないし。それに・・・」

希「真姫ちゃん？」

真姫「ふっ２人との思い出の場所を残したいのよ///」ｶﾐｸﾙｸﾙ

希「真姫ちゃーん！！」ｷﾞｭｰ

真姫「ｳﾞｪｪｪｪ!何するのよ！？///」

ことり「ことりも、ぎゅー！！」ｷﾞｭｰ

真姫「２人ともそんなにくっつかないで！？///」

希「よーし。学校を残すためにがんばろー！！」

ことり「おー！」

真姫「・・・おー」

～中庭～

真姫「で、具体的にはどうするの？」

希「いやー。なかなか思いつかなくて」

ことり「希ちゃんの占いでも分からないの？」

希「うーん。カードもなんにも教えてくれへんのよ」



？？？「あのー」

希「はい？」

？？？「えっと・・・」

希「なにかようですか？」

真姫「誰？」

ことり「確か生徒会長の・・・」

？？？「そのー・・・」

？？？？「もー！！うじうじしないの！！アンタ生徒会長なんだからしっかりしなさいよ！！花陽！！」

花陽「ひっ！ごめんね、にこちゃん」

にこ「まったく。あんた確か南さんだっけ、理事長の娘の」

ことり「はい、えーっと」

にこ「あぁ。私は副会長の矢澤にこよ。こっちが”一応”生徒会長の小泉花陽」

花陽「一応はひどいよぉ」

にこ「アンタがはっきり言わないからでしょ」

花陽「うぅ・・」

ことり「あの、なにか用があるんじゃ？」

にこ「そうそう。理事長が廃校について何か言ってなかったか聞きに来たのよ」

ことり「ごめんなさい。わたしも今日知ったばっかりで」

にこ「そう・・・」

希「あの副会長さん。学校ほんまになくなるんですか？」

にこ「あんたたちは気にしなくていいことよ」

希「でもっ！」

にこ「ただの生徒が出来ることなんてないでしょ。行くわよ花陽」ｻﾞｯｻﾞｯ

花陽「ごめんね。これからのことは生徒会のほうで何とかするからみんなは普段通りすごしてね」ﾀｯﾀｯﾀ

真姫「あの副会長あんな言い方しなくても」

ことり「でもその通りだよね」

希「・・・・」

真姫「希？」

希「カードはまだ教えてくれへんけど、とにかくやるだけやろ」

ことり「・・・そうだね」

～放課後の教室～

真姫「いろいろ調べたけど・・・」

ことり「《伝統がある》ってことだけだったね・・・」

希「なかなか上手くいかんね・・・」

３人「はぁ～・・・」

ことり「・・・今日お母さんに聞いてみるね」

真姫「お願いね」

希「・・・はっ！！」

ことり「どうしたの！？」

希「”知性溢れる美貌の持ち主 西木野真姫がいる学校！！”っていうＰＲはどうかな？」

真姫「なんでそんな考えが出てくるのよ！！」

希「いやぁ～。おもしろいかなぁって」

真姫「どこがよ！！」

ことり「あはは・・・。ところで希ちゃん。アルバイトの時間大丈夫？」

希「うわっ！急がなきゃ。２人ともまた明日～」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

真姫「・・・相変わらずマイペースよね」ﾊｧ

ことり「それがいいところなんだけどね」

～神田明神～

希（学校を残す方法か。中々浮かばないなぁ・・・）

希（伝統以外でのアピールポイント以外でみんなの気を引くものとなると・・・）

希「はぁ～」

ｶﾞﾔｶﾞﾔ・ｶﾞﾔｶﾞﾔ

希「ん？」

「やっぱりかわいいよねー」

「うんうん。あこがれるよねー」

「入学できてホントにラッキーだよ」

希（あれはＵＴＸ学院の生徒さん）

希（やっぱりみんな新しい学校がええんかなぁ）

ＵＴＸ生Ａ「あたしたちもやってみる？」

ＵＴＸ生Ｂ「ムリムリ。出来るわけないじゃん」

ＵＴＸ生Ｃ「そうそう。あたしたちなんかじゃ無理だって」

ＵＴＸ生Ａ「だよねー。あたしたちじゃ”スクールアイドル”になれないよねー」

希（”スクールアイドル”って今流行ってる学校の活動やっけ？）

希（・・・よし）

～朝・ＵＴＸ学院前～

希「ひゃー。大きな学校」

希（さて勢いで来たけどどうしよ）


ｷｬｰｷｬｰ ｷｬｰｷｬｰ ｷｬｰｷｬｰ


希「え？なんやろ？」

～～～～～～～～～～～～～～～～～

A-RISE『ＵＴＸ学院へようこそ！！』

～～～～～～～～～～～～～～～～～

希「だれやろ。あの娘ら？」

？？？「スクールアイドルグループの『A-RISE』ですよ」

希「わっ！？」

？？？「あっ。ごめんなさい驚かせてしまって」

希「いえ。あれがスクールアイドル・・・」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

A-RISE『～What’cha do what’cha do? I do “Private Wars”～♪』

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

希「これは・・・いける」ﾁﾗｯ

希（昨日は何も答えてくれんかったカードも言ってる。）

希「よし！見つけたーーー！！」

？？？「キャッ！？」

希「よーし。やるぞー！！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

？？？「・・・あのリボンの色２年生の先輩よね。何だったのかしら？」

？？？（スクールアイドルか。このレベルで人気があるなんて）　

？？？（私は認めないわ。おばあ様の母校よりも人気があるなんて）

絵里（私が入学したからには絶対に廃校なんてさせないわ！）

～学校～

希「じゃーん！！」

真姫「なにこれ？アイドル雑誌？」

希「真姫ちゃん惜しい。アイドルはアイドルでもスクールアイドルの専門誌よ」

ことり「急にどうしたの？」

希「今朝ＵＴＸ学院に行って感じたんや。スクールアイドルの可能性を」

真姫「へぇ～。ってまさか希、あなたアイドルになるの！？」

ことり「えっ！？」

希「うちだけやない３人や。３人でアイドルをやるんよ」

ことり「３人って・・。ことりたちも！？」

真姫「冗談言わないで！！私はやらないわよ！！」

希「えぇ～。真姫ちゃんアイドルみたいにカワイイのに。雑誌の子らにも負けてないと思うけどなぁ」

真姫「そっそりゃ私のこのかわいさが他の子に負けるわけないし。っていうかこの真姫ちゃんは天性の美貌の持ち主で・・・・・///」

希（真姫ちゃんのこのちょろいところは魅力的やけど・・・）ｺｿｺｿ

ことり（ちょっと心配だよね・・・）ｺｿｺｿ

真姫「ってそうじゃなくて、私は絶対にやらないから！！///」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

希「真姫ちゃ～ん！！・・・失敗かぁ」

ことり「希ちゃん・・・」

～屋上～

希「はぁ～。あともうちょっとやったんけどなぁ」

？？？「もしもーし。元気ないみたいだけどどうしたの？」

希「へっ！？いや何でもないですよ」ｱｾｱｾ

？？？「むむむ。何かこまったことなら相談に乗るよ、先輩として！！」

希「いやその・・やってみたいことて友達にもつたわりにくいなって」

？？？「じゃあまずあなたがやれば？」

希「え？」

？？？「あなたが頑張っているところをみたら友達にもきっと伝わるよ！！」

？？？「一生懸命頑張ったらきっと応えてくれる」

？？？「そして助けてくれるのが友達だと思うから」

？？？「とにかくまずはやってみよう！！ファイトだよ！！」

希「やってみる・・・よし！」

希「ありがとうございます先輩。まずはやってみます。」

？？？「うんうん。あっそろそろ行かないと」

希「あの！先輩、元気付けてくれたお礼を」

？？？「えっ！？う～んとじゃあ今度うちの店に来てよ友達と一緒に！！」

希「お店？」

？？？「うん！”穂むら”っていう和菓子屋さん。そこで待ってるからー！！」

希「あっ！うち２年の東條希って言います」

穂乃果「私は高坂穂乃果！３年生だよ。じゃあね希ちゃん！！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

～音楽室～

真姫「はぁ～」

真姫（アイドルなんて希は何考えてるのかしら・・・）

真姫（けど信じたくなっちゃうのよね。希が見つけた可能性を・・・）ｽｯ

真姫「～愛してるばんざーい!　ここでよかった　私たちの今がここにある～♪」

・
・
・
真姫「～大好きだばんざーい!　頑張れるから　昨日に手をふって　ほら前向いて～♪」

真姫「ふぅ」

ことり「やっぱり上手だね真姫ちゃん」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

真姫「ｳﾞｪｪｪｪ!聞いてたの！？///」

ことり「ねぇ真姫ちゃん。希ちゃんが言ってたことやってみない？」

真姫「っ！？いきなり何よ」

ことり「だって真姫ちゃん。希ちゃんがいたからことりたちは友達になれたし。今度は、ね？」

真姫「それはそうだけど・・・」

ことり「・・・ちょっと来て」

～校舎裏～

真姫「こんなところで何よ？」

ことり「あれ見て」

真姫「あれって？あっ！」



希「よっ！ほっ！っとと！？」

希「う～ん。ダンスって意外とむずかしいなぁ」

希「よし！もう一回！！」



ことり「希ちゃんはいつでも前を向いてる。だからことりたちに手を差し伸べてくれた」

ことり「だからそれに応えたいなって」

真姫「ことり・・・」



希「うわっ！？」ﾄﾞﾃｯ



真姫「！？」



希「イタタ。でもまずはうちが頑張らな。ファイトファイト」

真姫「馬鹿ね」

希「！？真姫ちゃん」

真姫「いつも３人いっしょだったんだから。１人でやらないの」

真姫「ほら。手貸して」ｽｯ

ことり「そうだよ。いっしょにやろ？希ちゃん」ｽｯ

希「２人とも。ありがとう！」

～生徒会室～

花陽「部活申請？」

希「はい！アイドル部の設立をお願いします」

花陽「えっと・・・」

にこ「だめよ」

真姫「なんでですか！？」

にこ「部を創るには最初は最低５人は必要なの。生徒手帳にも書いてるわよ」

ことり「あと２人・・・」

希「わかりました。あと２人必ず見つけてまた来ます」

３人「失礼しました」ﾊﾞﾀﾝ






花陽「・・・いいの？」

にこ「なにが？もう関係ないことよ。アイドルなんて」

花陽「・・・うん」

～校門前～

ことり「これからどうする？」

真姫「部活じゃなきゃ部室も講堂も使えないし」

希「”いまは信じて進むべし”」

真姫・ことり「？？」

希「カードがそう言ってんのよ」

希「だから。今出来ることをとにかくやろ！！」

真姫「そうね」

ことり「うん！」

希「よーし！がんばるぞー！！」

３人「おー！！！」



これがうちの忘れられない最高の１年の始まり

みんなと紡いだ物語の序章

ことりだけ立ち位置変わらないんだね

希推しの[田島「チ○コ破裂するっ！」]ssはここですか？
穂乃果の手柄を希に持たせようとかｗｗｗｗｗｗｗｗ

かよちんでオドオドした生徒会長ってなかなか良いな
それをフォローしてるにこも良い感じだわ

ふむ
興味深い
完結まで書いてくれることを切に願います

いいね
続き期待

面白そう

海未ちゃんと凛ちゃんの加入が難しそうだな。

花陽のいない凛ちゃんって陸上部の青春以外選択肢なさそう

期待できないな

ことりちゃんかわいい

2-1.

～通学路～

希「おはよー。真姫ちゃん、ことりちゃん」

真姫「おはよ」

ことり「おはよう。希ちゃん」

希「今日からやることがいっぱいやけど、頑張っていこー！」

ことり「うん！学校のために出来ることをやっていこう」

真姫「で、まずは部員勧誘から始めるの？」

ことり「でも、いきなり”アイドルやりませんか？”って言っても集まるかな？」

希「うーん。確かに・・・」

真姫「それに私たちのことまったく宣伝してないから余計厳しいわよ」

希「・・・宣伝」

ことり「じゃあまずは宣伝活動かな？ポスターとかビラ配りとか」

真姫「地味だけどしょうがないわね」

希「おっ！そうやライブをすればいいんよ！！」

ことり「ライブ！？」

真姫「部として認められてないのにライブができるとは思えないんだけど？」

希「大丈夫。うちに任しとき」

～生徒会室～

希「失礼します」

花陽「あ、昨日の・・」

にこ「なに？部員数が足りたから改めて申請に来たの？」

希「いえ、今日は講堂の使用許可をいただきたいんです」

花陽「講堂の使用許可？」

希「部じゃなくても講堂は使えるって生徒手帳に書いてあったので」

にこ「日時は新入生歓迎会の日の部活紹介の直前！？使用目的はライブって勧誘活動としか思えないけど？」

希「大丈夫です。勧誘目的でライブはしません」

にこ「じゃあなんでこの日のこの時間にライブをするのよ」

希「新入生のみんなに応援のメッセージを届けたいからです」

にこ「応援のメッセージ？」

希「廃校の話が出て寂しく思ってる生徒がいるかもしれない」

希「けど楽しんで音ノ木で過ごしてもらいたい」

希「生徒会の人たちにはできないやりかたで応援したい」

希「その為のライブなんです。お願いします」

にこ「・・・花陽どうするの」

花陽「えっ！？私が決めるの！？」

にこ「生徒会長の許可が必要なんだから当たり前でしょ」

花陽「えっと。ホントに勧誘活動ではないんだよね？」

希「はい。このライブで勧誘はしません」

花陽「・・・分かりました。申請を受理します」

希「ありがとうございます」

花陽「ただし時間の都合上歌えるのは一曲だけになります。それでもいいですか？」

希「一曲・・・分かりました」

花陽「では具体的な内容が決まったら教えてください」

希「はい。失礼しました」ﾊﾞﾀﾝ

花陽「うぅ・・にこちゃーんこれでよかったのかなぁ？」

にこ「はぁ～。その人に頼る癖いい加減治しなさいよ」

花陽「・・・ごめん」

にこ「まったく。何かあったらちゃんとフォローするわよ」

花陽「うん。ありがとう」

花陽「・・・あの子たち上手くいくかな？」

にこ「・・・言ったでしょ。興味ないって」

花陽「けど・・」

にこ「もうどうでもいいのよ。アイドルなんて」

花陽「にこちゃん・・・」



花陽（ごめんね、にこちゃん。花陽に勇気がなかったからにこちゃんの大事なもの傷つけて・・）

花陽（今度は花陽が助けたいけど。何ができるかわからない・・）

花陽（こんな自分が本当に嫌になるよ・・）

～中庭～

希「場所の確保成功！一歩前進やね」

真姫「一歩前進って。勧誘活動ができないんじゃ部として認められないじゃない」

希「うちは ”ライブで勧誘はしません" って言っただけよ」

真姫「？ だから意味がないでしょ？」

希「真姫ちゃん。去年の新入生歓迎会の後、教室で何があったか覚えてる？」

真姫「教室？・・・確か歓迎会の感想を書いた気が・・！？」

希「気付いたみたいやね」

真姫「まさか狙いはライブじゃなくて、感想文のほうってこと！？」

希「そう。１年生がうちらのライブを楽しんだって書いてくれれば、生徒会も無視出来ひん」

希「上手くいけば学校全体のサポートがもらえるってことや」

真姫「でも簡単じゃないわよ。最低でも１年生の半数が必要なんじゃ・・・あっ！」

希「今の１年生は１クラス。最低でも１５人の評価があれば上手くいくんよ」

真姫「・・・呆れた。よくそんなこと思い付くわね」

希「スピリチュアルパワーに不可能はないんよ」

真姫「イミワカンナイ」ﾊｧ

ヒデコ「おっ。いたいた」

希「あ。ヒデコちゃん達どうしたん？」

フミコ「希ちゃんがまーた何かしようとしてるって聞いてね」

ミカ「今度は何しでかすのか気になっちゃて」

真姫「悪い意味で有名よね、希って」

希「あはは・・・」

ヒデコ「で、今度は何するの？」

希「実は廃校阻止のためにみんなでスクールアイドルを始めようと思って」

ヒフミ「スクールアイドル！？」

ミカ「なんか今回は凄いことやるんだね」

フミコ「あっ。だからことりちゃん服の絵描いてたんだ」

真姫「服の絵？」

ヒデコ「そうそう。なんかアイドルっぽいかんじの」

希「３人とも教えてくれてありがとう！いこ、真姫ちゃん！」ｶﾞｼｯ！

真姫「ｷｬｯ！？ちょっと急に引っ張らないでよー！？」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

ヒデコ「・・・行っちゃたね」

フミコ「相変わらず自由だよね。希ちゃんって」

ミカ「廃校阻止のためにスクールアイドルか・・」

ヒデコ「できると思う？あの３人で」

フミコ「ビミョーだよね」

ミカ「・・・うん」

ヒデコ「仕方ないか」

フミコ・ミカ「？？」

ヒデコ「希はやること無茶苦茶だけどいつもみんなの相談にのってくれてるし」

ヒデコ「真姫やことりにも色々助けてもらってる」

ヒデコ「いい加減こっちが力を貸さないとね」

フミコ「そうだね。世話になった分恩返ししないと」

ミカ「私たちは私たちで出来ることやってこうか」

ヒデコ・フミコ「うん！」

～教室～

ことり「うーん。ここはこうして・・よし！」

希「ことりちゃーん！衣装のデザイン作ってるて聞いたんやけど」

ことり「うん！今できたところ。こんな感じだけど」

真姫「へー。フリル多めのワンピースタイプの衣装ってわけね」

ことり「少し難しい場所もあるけど作ってみるよ」

希「ええやん。これでまた一歩前進やね」

真姫「けど、ホントことりの服飾に関する才能はすごいわね」

ことり「一応海外のプロデザイナーから褒められたこともありましたから」ｴｯﾍﾝ

真姫「へ！？じゃあ留学でもしてプロになる勉強すればいいじゃない？」

ことり「えっと。１年の時にちょっといろいろあって、話が流れたんだ」

希「いやぁ・・・そのごめんね。ことりちゃん」

ことり「もう気にしないで。希ちゃんのせいじゃなくてことりの自業自得なんだもん」

真姫「・・・もしかして２人が停学になったあの時に？」

希「あの時はこうなるとは思ってなくて・・・」

ことり「もう昔のことはいいから今はライブに集中しよ！ねっ」

希「・・・うん。今はライブを第一に考えよう」

ことり「・・・ことりぱわー注入！」ｷﾞｭｰ

希「！？ こっこれは。何だか甘い香りと柔らかさで癒されて元気が出てきたー！！」

真姫「・・・ハァ。２人がいいなら構わないけど。次にまず必要なのは練習場所の確保かしら？」

ことり「それもそうだけど・・」

希・真姫「？」

ことり「グループ名も考えないとね」

～図書室～

希「うーん。なかなか難しいね」

真姫「意外ね。希ってこういうこと得意そうなのに」

希「最近カードの声が聞こえん時が多くて一種のスランプ状態なんよ」

ことり「やっぱりみんなが覚えやすいのがいいのかな？」

真姫「それに加えてアイドルらしさも必要だしね」

３人「うーん」

希「あっ！」

ことり「何かひらめいたの！？」

希「 ”マッキーズ”とかは？」

真姫「私の名前でお笑い風にしないでよ！！」

ことり「じゃあ ”ＯＴＮＫ３”は？」

真姫「完全にパクリじゃない！！」

希「真姫ちゃん。図書室では静かに」ｼｰ

真姫「うう・・・誰のせいよ」

ことり「とりあえず今日の宿題にして、練習場所探そうか？」

希「グランドも体育館も運動部が使ってるから無理か」

真姫「中庭も長時間使うのは難しそうね」

ことり「じゃあ空き教室を使わせてもらう？」

希「そやね。先生に相談しよか」


～職員室～

先生「悪いけど教室は貸せないな」

真姫「どうしてもですか？」

先生「半分物置みたいな状況だし何かあったら大変だしな。それに・・」

ことり「それに？」

先生「前に勉強会とか言って教室を借りたのに、変な占い館を始めた奴がいたからな」ﾁﾗｯ

真姫「・・占い」ﾁﾗｯ

ことり「・・館」ﾁﾗｯ

希「ははは。・・・すいません」

～屋上～

希「最終的に残ったのはここだけか」

真姫「屋根もないけど贅沢は言えないわね」

ことり「とにかく今はここでやっていこう」

希「よーし。じゃあさっそく始めようか」

真姫「始めるって言っても曲も振り付けもないけど・・」

希「今は簡単なステップの踏み方からやってこ」

ことり「そうだね。いきなり曲に合わせるのはできないし」

希「じゃあまずは準備運動として屋上１０周走ってからはじめよ！」

支援

・・・・数分後


希「・・・うち大変なことに気付いたんよ」

真姫「・・・奇遇ね。私もよ」

ことり「・・・うん」

希「うちらってそこまで運動得意やなかったね」ｾﾞｰｾﾞｰ

真姫「踊る前から限界が来てるんだけど」ｾﾞｰｾﾞｰ

ことり「まずは体力づくりからだね」ｾﾞｰｾﾞｰ

～理事長室～

理事長「つまり学校存続の活動の許可をお願いしたいと」

絵里「はい。部活やクラス単位ではなく私一人で行いたいんです」

理事長「・・あなたの学校を思う気持ちは分かるけど、さすがに一生徒だけに力を貸せないわ」

絵里「力を貸していただかなくても結構です。ただ時間をくだされば」

理事長「それでも許可できないわ」

絵里「分かりました。失礼します」ﾊﾞﾀﾝ


絵里（学校の許可があれば色々できるのに）

絵里（けど諦めるわけにはいかないわ）

絵里（たとえ私に処罰が下っても絶対に廃校を防いでみせる）

絵里「頑張るのよエリーチカ！」

花陽「え？」

絵里「え？・・・・その、聞いてました？」

花陽「・・・えっと。はい」

絵里「いや。そのーつい自分を応援したくなって」（恥ずかしい応援の仕方聞かれたー！！）

花陽「ああ。ありますよねそういうの」（金髪の人→恥ずかしい一言→口封じ！？）

絵里「入学したばかりで不安になっちゃって」（ヤバイヤバイ。ナルシストって思われたんじゃ！？）

花陽「うんうん。まだ慣れない環境だしね」（どどどうしよう。花陽ピンチだよー！？）

絵里「ええ。ははは・・・」（相手先輩だしどう誤解を解けば）

花陽「ははは・・・」（うう・・・ダレカタスケテー）

にこ「ちょっとーそこの生徒会長。変な笑いしてないで早く来なさいよー」

花陽「ひゃっ！？ごごめんね、にこちゃん」（助かった～）

にこ「まったく。理事長にあの２年生がやるライブについて説明するんでしょ」

絵里（よし何とか話は逸れたわ。ってライブ？）

花陽「うん。そうだったね」

にこ「ホントにわかってるの？ちゃんとアンタが説明するのよ」

花陽「ええ！？にこちゃんは！？」

にこ「いつでもにこが手伝えるわけじゃないんだから、いい加減自分一人でやってみなさい」

花陽「うぅ。分かったよ」

絵里「あのすいません」

花陽「はい？なんですか？」

絵里「今ライブがあるって」

にこ「ああ、２年生の３人がスクールアイドルを結成したから新入生歓迎会でライブをするのよ」

絵里「３人？部として認められるのは５人からじゃ」

花陽「勧誘行為はせずに新入生の応援だけってことで許可を出したの」

にこ「ホントなに考えてるのかしらね」

絵里「その、ライブをする２年生って・・」

にこ「代表者は東條希。音ノ木一の問題児よ。あまり関わらないほうがいいわよ」

絵里「東條・・希」

花陽「他に聞きたいことは？」

絵里「いえ。ありがとうございました」ｽﾀｽﾀ



絵里（この時期に２年生がスクールアイドルを始めた？）

絵里（おそらく廃校阻止のために行っている）

絵里（非公認でも生徒会に認められるなら実力があるのかしら？）

絵里「・・・確かめてみよう」

<ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

希「まってたよーことりちゃん」ｶﾞﾁｬ

ことり「遅れてごめんね。委員会が長引いちゃって」

希「気にせんでええよ。ほら上がって」

ことり「おじゃましまーす」


～希の部屋～

真姫「ことり、お疲れさま」

ことり「うん。ありがと」

希「さて、じゃあ最後の問題について話し合おうか」

真姫「最後って曲のこと？」

希「そっ。正確には歌詞をどうするのかってこと」

ことり「そうだね。作曲は真姫ちゃんができるからあとはそこだね」

真姫「・・・ねぇ。何だかわたしが作曲するってもう決まってる風だけど」

希「真姫ちゃん。才能を活かす時が来たんよ！！」

ことり「真姫ちゃんのセンスの見せ所だよ！！」

真姫「しょ、しょうがないわね。やってあげるわ///」ｶﾐｸﾙｸﾙ

希・ことり（やっぱり心配なほどチョロイなぁ・・・）

真姫「ｺﾞﾎﾝ。じゃあ役割的に作詞は希がするのね？」

希「そやね。２人だけに負担をかけられへんし」

ことり「希ちゃん。大丈夫？」

希「うん。で２人にどんなイメージで歌いたいんか聞きたいんよ」

真姫「そうね。応援だから明るくて前向きな感じかしら」

ことり「あとみんなが一緒に楽しんでくれるのもいいかな」

希「ふむふむ。とりあえずその感じで考えてみるね」

真姫「あっ、体力づくりの方法は？」

希「その点はもう話はついてるから、明日から始めるよ」

真姫・ことり「？？」

～神田明神～

真姫「ﾊｱﾊｱ　朝からこの階段ダッシュはきついわね」

ことり「ﾊｱﾊｱ　うん。でも体力はつきそうだね」

希「ﾊｱﾊｱ　神社の人に朝と夕方に使えるよう許可貰ったから、本番までがんばろ」

真姫「そうね。下手なかっこ見せられないしね」

ことり「あとでお参りもしとかないとね」

希「そやね。よしじゃあもう一本いこか」



～？？？～

？？？「・・・」ｶﾀｶﾀｶﾀ


＜＜　音ノ木坂学院　アイドル部　ＲＡＮＫ－－－＞＞


？？？「・・・」ﾊﾟﾀﾝ

いいぞ
最後まで完結させてくれ

続き楽しみに待ってるぞ

2-2.

～通学路～

希「・・・ススメーガンバレーなんとかなるさー♪」

希「・・・一緒にやろうよ。イエイイエイ♪」

希「・・・・あかんな。こんなんじゃ」

希（歌詞を作るってこんなに難しいとは思わんかったなあ）

希（占いとかで語彙力を磨いてきたつもりやったけど）

希「はあー・・・」

ﾋｭｰ・・ｶｻｶｻ

希「・・・まるで木の葉が笑ってる。ってありきたりか・・・ん？」

？？？「フフフ。今日も木々が世界の理を憂い楽しく歌っています」

希「・・・・」

？？？「この ”蒼の心眼者”には分かります」

希「・・・・」

？？？「天からの光をその身に宿し、また世を駆ける息吹を受け」

希「・・・・」

？？？「きっとこの木々に宿る御魂も祝福の声を上げているのでしょう」

希「・・・・」

？？？「そう。まるでこの世に新たなる生命の光と悠久の時が生まれたことを喜んで」

希「・・・・」

ﾋｭｰ

？？？「ああ。また神々の息吹が・・って違います！！」

希「！？」ﾋﾞｸｯ

？？？「くっ。またやってしまいました」

？？？「高校生になったら卒業すると決めたでしょ」

海未「しっかりしなさい園田海未。あなたは由緒ある園田の家の娘のはずです」

希「・・・・」

海未「よし。そういえば誰も見ていませ・・・」ｸﾙｯ

希「・・・・」

海未「・・・・」

希「・・・し、詩人やね」

海未「・・・忘れてください！！」＜土下座

希「ええっ！！」

海未「もしこのことがばれたら ”大和撫子 園田海未”として生きていけません！」

海未「今思うと暗黒だった中学時代のように過ごしたくないのです！」

海未「どのような要求でもお飲みします。ですからっ！」

希「いや別に誰にも言わへんから頭あげて。なっ？」

海未「ありがとうございます。・・フフ。これも神々からの恩賞なので・・・はっ！」

希「あーうん。昔の癖ってなかなか抜けないよね・・・」ﾊﾊ

海未「うわー！！私は最低ですー！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

希「・・・・変わった子やね」

希「おっ！いいこと思い付いた」

～屋上～

真姫「作詞を別の人に頼む？」

希「うん。今朝運命的な出会いがあったんよ。カードもそうすべきて言うてるし」

ことり「えっと１年生の園田海未さんだっけ。どんな子なの？」

希「面白くてかわいい子！みんなでお願いしに行こっ？」

ことり「よく分かんないけど。行ってみようか」

真姫「そうね。無い知恵を絞るよりマシかもね」

希「よし、じゃあさっそく行こー」

～１年生の教室～

希「失礼します。・・えっと」ｷｮﾛｷｮﾛ

１年生「あの誰か探してるんですか？」

希「あっ。園田さんに用があるんだけど」

１年生「園田さんならさっきお手洗いに・・」



海未「はあ～。今朝は本当に災難でした・・・」ﾃｸﾃｸ

希「お。おーい園田さーん！園田海未さーん！！」

海未「え？ああああ！？今朝の！？」

希「いやーグッドタイミングやね」

真姫「この子が今朝言ってた１年生？」

ことり「ふえー。きれいな子だね」

海未「ななな何のご用でしょうか！？」

希「ちょっと話があるから付き合ってくれないかな？」

海未「すすすいません。次の授業の準備が」

希（今朝どんな要求も聞くて言うてくれたやんな？ ”蒼の心眼者”さん？）ﾎﾞｿｯ

海未「うっ！・・・・分かりました」

真姫「希、あなた何言ったのよ・・」

希「何でもないよ。ほら行こ♪」

絵里（今の人 ”希”って呼ばれてた・・）

絵里（２年生の先輩みたいだし、もしかしたら・・）

絵里（・・・よし）

～屋上～

希「というわけで海未ちゃんに作詞をお願いしたいんよ」

海未「お断りします」

希「うっ。即答」

真姫「まあ当然の反応よね」

海未「だいたい今朝偶然会っただけの人に作詞を頼むなんておかしいですし怪しすぎます」

ことり「確かに」

海未「第一私に作詞の経験等ありません。ですから他の人に・・」

希「ええ。でも今朝はあんなにスラスラと素敵な言葉言ってたやん」

海未「はうっ！！」

ことり「素敵な言葉？どんな言葉なの？」

希「えっと確か、”木々が世界の理を憂い・・”」

海未「いや－！！ちょちょちょっとこちらへ」ｸﾞｲｯ

希「おわっ！？」

海未（今朝のことは誰にも言わないでって頼んだじゃないですか）ﾋｿﾋｿ

希（ああ。ごめんごめん）ﾋｿﾋｿ

希（けど園田さん、”何でも”してくれるんやろ）ﾆﾔｧ

海未（脅すつもりですか！？）ﾋｿﾋｿ

希（いやいや。うちらはただ作詞をしてほしいって頼んどるだけよ）ﾆﾔﾆﾔ

海未（くっ・・しかし）

真姫「ねえ。いつまでコソコソ話してるのよ」

ことり「休み時間終わっちゃうよー」

海未「と、とにかく作詞はできませんが他に何かあれば手伝うということで！」

海未「で、ではご機嫌よう」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ことり「・・・行っちゃった」

希「ああー。失敗かー」

真姫「ホントあなたなにしたのよ？」ﾊｧ

希「けどもうひと押しで行けるはずや！」

ことり「前向きだね・・」

希「じゃあつぎは放課後に・・」

絵里「あの、すいません」

希「うん？あれこの前の・・」

絵里「ちょっといいですか？」

絵里「１年生の絢瀬です。お久しぶりですね先輩」

希「うん。この前はいろいろ教えてくれてありがとうね」

ことり「知り合いなの？」

希「ちょっとね。それで何の用なの？」

絵里「先輩方は先ほど園田さんに作詞を依頼していましたが」

絵里「本来なら自分たちで行うことなんじゃないですか？」

絵里「今の先輩たちは考えが甘いと感じます」

真姫「あなたっ！１年生の癖に！！」

ことり「真姫ちゃん。落ち着いて！」

希「確かにうちらがやらなあかんことは百も承知や」

希「けど１人ができることには限度がある。だから力を頼る」

希「それにたくさんの仲間ができたほうが心強いやん」

絵里「仲間なんていなくても私は・・・・」ﾎﾞｿｯ

希「うん？」

絵里「とにかく。先輩たちは本気で学校を守りたいんですか？」

～１年生の教室～

海未（作詞なんてできるわけないじゃないですか）

海未（それに今朝のこともですが中学時代のことだって忘れたいのに）

海未（まあお断りしましたしもう大丈夫でしょう）

海未（そうだ。先に別の部活に入ってしまえばいいんです）

海未（そうすれば誘われないですし、素敵な青春を過ごせます）

海未「よし！青春の汗を流す方向で行きましょう」

？？？「青春の汗？ねえ園田さん運動部に入るの？」

海未「ひゃい！ええそのつもりですが」

？？？「そうなんだ！何の部活に入るの？」

海未「そうですね。弓道部か剣道部のどちらかにすると思います」

？？？「ああ。そうなんだ・・・」

海未「？ それであなたは何部に入るつもりなんですか？えっと星空さん？」

凛「凛は陸上部だよ！！」

海未「陸上部ですか」

凛「うん！中学の時に県大会まで行ったんだけどそこで負けちゃって」

凛「だから今度は全国大会に出場するんだ！！」

海未「全国・・。とても素晴らしい目標ですね」

凛「そうかな。生意気じゃないかな？」

海未「いいえ。目標を持つことは良いことです。そしてそれを言えることもです」

海未「星空さんのその前向きさはきっと力になってくれますよ」

凛「えへへ/// 照れるにゃあ」

海未「そういえば、先ほどがっかりされたようですが？」

凛「うん。今朝園田さんがすっごく速く走ってたの見たから、陸上部に入るのかと思って」

海未「！？ いいいえ。そんな速くないですよ私なんて」

凛「うーん、そうかな？でももう決めてるんならしかたないにゃ。お互い頑張ろうね！」

海未「ええ。頑張りましょう」

１年生「凛ちゃーん！ちょっと来てくれなーい？」

凛「うん。ちょっと待ってて。また話そうね園田さん」ﾀﾀﾀ

海未「ええ。また今度」



海未（来ましたよ。ええ来ましたよ。青春です！花の女子高生ライフです！！）

海未（星空さんはクラスの人気者。彼女から私のことが広まれば、待っているのは最高の展開！）

海未（まずはやっぱり部活に入りましょう！・・あの先輩には菓子折りで勘弁してもらいましょうか）

～昼休み・中庭～

希「すぐに答えられんかったなあ・・」

ことり「希ちゃん・・」

希「学校を何とかしたい気持ちはある。だからスクールアイドルを始めた。けど・・」

希「絢瀬さんの目をみたら上手く言えなくなっちゃって」

ことり「うん。あの子の目は本気だった。少なくともことりたちよりもずっと」

真姫「甘かったのかしらね。考えが・・」

希「うん・・」

穂乃果「あっれー？また元気ないみたいだね？」

希「うわっ！？こ、高坂先輩！？」

穂乃果「うん久しぶり。ってほどじゃないよね」

真姫「今度は３年生・・いつの間に知り合い増やしたのよ？」

穂乃果「運命の出会いをしたんだよ！えっと・・」

ことり「あっはじめまして南ことりです。こっちが・・」

真姫「西木野真姫です」

穂乃果「ことりちゃんと真姫ちゃんだね。よろしく！」

希「あの先輩・・何か？」

穂乃果「そうそう。また悩んでそうだったからどうしたのかなって」

希「・・その本当に今のままでいいのかなって思って」

希「自分がやってきたこと、やろうとしてることがみんなにとっていいことなのか分からなくて」

穂乃果「うーん。じゃあみんなに聞けばいいよ」

３人「え？」

穂乃果「だってみんなが何考えてるなんか聞かなきゃ分かんないじゃん」

穂乃果「みんなの言葉を聞いてから決めればいいんだよ」

穂乃果「だって３人じゃ分からないことも、もっといっぱいの人がいればきっと分かるよ！」

希「みんなの言葉・・」

穂乃果「そうそう。あっ昼休み終わっちゃう。じゃあまたね！！」

希「あの高坂先輩。また相談に乗ってくださりありがとうございました」

穂乃果「気にしなくていいよー」ﾀﾀﾀ

希「うん。とにかくもっかいしっかり考えてみよ」

ことり「そうだね」

希「それで、次は絢瀬さんにちゃんと答えられるようにしないとね」

真姫「・・・」

ことり「真姫ちゃん。どうしたの？」

真姫「何でもないわ。まずは見つめなおしてから作詞のことは考えましょ」

希「そやね」

真姫（あの絢瀬って１年生の目は生半可な覚悟じゃできないものだった）

真姫（それだけ学校に対する思いと実行力があるのね）

真姫（けど・・このままじゃ危ないかもしれない）

真姫（何もなければいいけど・・・）

～放課後・廊下～

希（うちらの本気か・・あっ）

希（掲示板・・みんなそれぞれで頑張ってるけどうちは・・あれ？）

希「このポスター。うちらのライブのお知らせって」

ヒデコ「やっと気付いてくれたね」

希「・・みんな」

フミコ「ことりちゃんほどじゃないけど３人のイラストよく描けてるでしょ」

ミカ「新入生以外への宣伝にもなるかと思って今朝貼っておいたんだ」

希「えっ！？なんで急にそんなこと」

ヒデコ「だって希たちが頑張ってるのに私たちが何もしないのわね」

ミカ「もちろんライブの手伝いも必要になったらすぐ手を貸すからね」

フミコ「クラスのみんなも応援するって。だから頑張ってね」

希「うん。ありがとう」

ヒデコ「もう元気だしなよ。いつもみたいに ”カードが言うてるんやー”って感じでね」

希「はは、そうやね。よし頑張ってみるね」

ヒデコ「うんうん。じゃあ練習しっかりね」

希「うん。また明日ー」

希「カードか」ﾁﾗｯ

希「 ”運命の輪”か。確かに学校の運命がかかってるし・・あっ！！」


～教室～

真姫「グループ名を思い付いた！？」

希「うん。これや！！」

ことり「タロットカード？えっと何のカードなの？」

希「 ”運命の輪”。幸運を得るには自分の力でつかむ。そして人と人の繋がりも導いてくれる」

希「そこから思いついたんよ。 ”Fortune”（フォーチュン）っていう名前」

真姫「”運命の輪”だから ”Fortune”なんて安直すぎない？」

希「"Fortune favors the brave."」

ことり「え？なに？」

真姫「確かことわざよね。日本語で ”幸運の女神は勇者に味方する”。意味は・・」

希「”勇気を持って実行する者には幸運がついてくる”」

希「うちらには応援してくれる人らがいる。その人らのために勇気を出さなあかん」

希「その意味を込めたんやけど。ダメかな？」

ことり「ことりはいいと思うな。アイドルっぽい感じもするし」

真姫「私も賛成。幸運の女神を味方に付けれそうだしね」

希「よし。これからうちらはスクールアイドル ”Fortune”や！」

希「というわけで勇気をもってもう一回歌詞の依頼してくるねー！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ



真姫「元気出たみたいね」

ことり「うん、よかったね。あっ折角だしポスターに書いておこうかグループ名」

真姫「そうね」

～１年教室～

希「あちゃー。もう誰もいないか」

凛「どうしたんですか？」

希「あ。園田さんに用があったんやけど、もう帰ったのかなって」

凛「もしかしたら剣道場か弓道場にいるかもしれませんよ」

凛「剣道部か弓道部に入るかもって言ってましたから」

希「ほんまに！？ありがとうね。じゃあね」

絵里「待ってください」

希「ッ！絢瀬さん・・」

絵里「まだ園田さんに頼むつもりなんですか。やっぱり甘いんじゃ・・」

希「うちらは絶対に学校を守る。どんなことでも勇気をもって幸運を掴む。そう決めたんよ」

希「だからこの気持ちは本気。じゃまたね絢瀬さん」ﾀﾀﾀ

絵里「幸運を掴むって。本当に本気なのかしら」

凛「ねえ絢瀬さん。あの先輩と知り合いなの？」

絵里「ちょっとね」

凛「ふーん。でも何する気なんだろ？」

絵里「スクールアイドルらしいわ」

凛「アイドル！？わわ凛有名人と話しちゃったにゃあ！？」

絵里「あのね星空さん。アイドルと言っても部活の延長戦みたいなものだから有名人じゃないのよ」

凛「なーんだビックリした。けどそんなのがあるんだ」

絵里「まあ素人がアイドルの真似事をしてるだけよ」

凛「でもアイドルってことはきっと・・・」

絵里「？ 星空さんどうしたの？」

凛「え！？別に何でもないよ。じゃあまたね絢瀬さん」ﾀｯﾀｯﾀ

絵里「ええまた明日。・・・何だったのかしら今の」

～弓道場前～

海未（悩みましたがここは弓道部にしましょう）

海未（輝く青春の為に頑張りましょう！）

希「おーい園田さーん！！」ﾀﾀﾀ

海未「うっ。どうも」

希「良かった。まだ帰ってなくて」

海未「あの作詞の件ならお断りしましたが」

希「ねえ園田さん。高校生活で自分を変えるのに勇気がいったんじゃない？」

海未「へ？」

希「確か中二びょ・・」

海未「わわわ言わないでください！！ええたしかに勇気を出して変えようとしてますよ」

希「うちらも一緒。勇気出して未来を掴もうとしてる。そして応援したいんよみんなを」

海未「応援？」

希「これ一応うちが考えた歌詞なんやけど渡しとくね」

海未「え！？いや渡されても」

希「これ見てどう思ったか教えてくれるだけでええんよ」

希「まあ贅沢言うなら、それをもとに作詞してくれたら嬉しいけどね」

海未「東條先輩・・」

希「いつでもいいから聞かせてね。ほなまたね」ﾀﾀﾀ

～神田明神～

海未（こんなもの渡されてもどうすれば・・）


《希「うちらも一緒。勇気出して未来を掴もうとしてる。そして応援したいんよみんなを」》


海未（勇気を出す・・応援する・・）


希「いやー結構体力ついてきたねー！」


海未（！？　あれは・・）


真姫「そりゃ毎日続けてたらね」

ことり「そうだね。真姫ちゃんも生まれたての小鹿じゃなくなったしね」

真姫「どういうことよ！！」

希「うんうん。結構いい感じになってるし、歓迎会に間に合うよう頑張ってこ」

真姫「そうね。なんたって幸運を掴むんですもの」

ことり「うん。がんばろうね」

希「よーし Fortune 頑張るぞー！！」
　
真姫・ことり「おー！！」

海未（すごいですね。あんなにも輝いて・・）

海未（勇気・・それがあれば私だって）

海未（・・・）ｺﾞｿｺﾞｿ、ﾁﾗｯ

海未（・・うん）

～早朝・西木野家～

真姫ママ「真姫、これあなた宛てかしら？」

真姫「手紙？」

真姫ママ「ええ。宛名が ”Fortuneの西木野真姫様”ってなってるのよ」

真姫「貸してっ！！」

真姫「これってもしかして・・よし！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

真姫ママ「あら真姫、今日は出かけないの？」

真姫「ピアノを使ってやらなきゃいけないことがあるの！」

真姫ママ「そう。フフ、東條さんと仲良くなってからあなたキラキラしてるわね」

真姫「ｳﾞｪｪｪｪ!急に何言い出すのよ！？///」

真姫ママ「ほら急いで何かしないと遅刻するわよ」

真姫「もう！分かってるわよ！！///」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

～屋上～

希「真姫ちゃんどないしたん？朝練休むし、ギリギリで学校に来て」

真姫「これが届いたからよ」ｽｯ

ことり「手紙？・・これって！？」

希「封筒に弓のマーク。きっとそうやね」

真姫「そっ。とりあえず最初のほうだけ曲をつけてたのよ」

希「えっ！それ聞きたい！」

ことり「ことりも聞きたいな」

真姫「まだ全部できてないけど、いくわよ」ｶﾁｯ


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

真姫声『～I say...Hey,hey,hey,START：DASH!!　Hey,hey,hey,START:DASH!!～♪』

　　　『～うぶ毛の小鳥たちも　いつか空に羽ばたく　大きな強い翼で飛ぶ～♪』

　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　♪♪♪
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～


希「これがうちらの歌・・」

ことり「すごい・・」

真姫「ええホント。すごいわねあの子」

〈ピコーン〉

＜＜《UP↑》　音ノ木坂学院　アイドル部　ＲＡＮＫ９９９＞＞

＜＜Congraturations!>>


ことり「えっ？うそ票が入ったよ」

真姫「ホントに！？」

希「・・・よし。練習始めようか」

真姫・ことり「うん」

海未「・・”START：DASH”元の歌詞から受けた応援歌」



海未「みなさんの勇気の歌、聞かせてくださいね」

中二病海未ちゃんワロタ

厨二病うみみ君かわいい。

3.

～神田明神～

真姫「はっはっはっ」ﾀﾀﾀ

希「ほっほっほっ」ﾀﾀﾀ


真姫「ワン・ツー・スリー・フォー・・」

ことり「希ちゃん。立ち位置がずれてるよ」

希「あ、うん」



希「よし。そろそろ休憩にしよか」

ことり「ふわぁ～。疲れたよ～」

真姫「ふー。かなり形にはなってきたわね」

ことり「うん！これならライブも成功しそうだね」

希「ライブまであと少し。最後まで気ぃ抜かんようにせんとね」

？？？「・・・・」ｺｿｺｿ


希「放課後は歌いながら踊る練習をメインにしよか」

ことり「そうだね。もう時間もないしね」」


？？？「・・・・」ｼﾞｰ


真姫「今は少しの時間も無駄にできなしね」

希「そやね。・・・あっ！」


？？？「！？」ﾋﾞｸｯ


希「海未ちゃーん！練習見にきたーん？」

海未「キャッ！？大声で呼ばないで下さい！恥ずかしいじゃないですかっ！」


？？？「・・・ﾎｯ」ﾀﾀﾀﾀ


真姫「？」ｷｮﾛｷｮﾛ

ことり「真姫ちゃん？どうしたの？」

真姫「いや他にも誰かいた気がしたけど・・たぶん気のせいね」

希「海未ちゃん歌詞書いてくれてありがとうな」

海未「何度も申し上げている通り、私はそのようなもの知りません」

希「けど、封筒に弓のマークがついとるしな」

海未「そのマークが私のマークだという証拠があるのですか？」


真姫「またやってるわね・・」

ことり「いい加減認めちゃえばいいのに」


希「そっか。確かにこんなよく分からないマークを海未ちゃんが使うわけないか」

海未「よく分からないですって！？」

３人「！？」ﾋﾞｸｯ

海未「いいですか。それはあなた方の心に美しき調べを届ける神聖な弓 ”愛の神弓”を意味し・・」

希「う、海未ちゃん。また出てるよ」

海未「そう”愛の神弓”を届ける、つまり”ラブアローシュート！”と・・・あっ」

真姫「あいのしんきゅう？」

ことり「らぶあろ－？」

海未「いや、えっと、その・・」

希「い、いやー海未ちゃんもう新しい歌詞を考えてくれてるなんてすごいなー」

海未「え、ええそうなんですよ。つぎはファンタジックでかわいらしい感じをと思いまして」

真姫「へー。なかなか悪くなさそうね」

ことり「うん。楽しみにしているね♪」

海未「は、はい。楽しみにしてて下さい」

希「あ、あのさその海未ちゃんにうちらの歌聞いて欲しいねんけど」

海未「なんで関係のない私が・・・」

真姫「あれ？さっき次の歌詞って言ったのに・・・関係ない？」

ことり「え？じゃあさっきのは・・・」

海未「！？ あ、いえ是非聞かせてください。私が書いた歌詞の歌を。すぐに！さあ！！」ｽﾎﾟｯ

希「う、うん。それじゃあいくよー」

真姫「Fortune！」

ことり「ミュージック・・・」

のぞことまき「「「スタート！」」」

ｷﾀ━━ヽ(´ω`)ﾉﾞ━━!!

～学校～

絵里「・・・」ｼﾞｰ


〈〈スクールアイドル Fortune 新入生歓迎会で歓迎ライブ開催！！〉〉


１年生A「今年の歓迎会でライブがあるんだって」

１年生B「楽しみだねー」


絵里「・・ハア。みんな無駄に期待してるのね」ｸﾙｯ ﾃｸﾃｸ

絵里「どうせ中途半端なものになるでしょうに」

～屋上～

希「ついにここまできたね」

ことり「うん。なんだかあっという間だったね」

希「よし！放課後の練習もがんばろー」

ことり「おー！」


真姫「そういえば、２人はステージに立つの大丈夫なの？」

希「どういうこと？」

真姫「緊張して何もできませんでした。ってなったら最悪でしょ」

希「うちは巫女さんのバイトやってるから問題ないけど。ことりちゃんは？」

ことり「うーん。大丈夫だと思うよ」

真姫「確かにことりが緊張でテンパってるところ見たことないかも」

希「そういう真姫ちゃんはどうなん？」

真姫「私は平気よ。昔ピアノのコンクールに出たことがあるから」

ことり「おー。さすが真姫ちゃんだね」

希「やっぱりうちらのスターやね」

真姫「なっ///いきなり何言い出すのよ///」

真姫「ま、まあ私ぐらいになるとステージのほうから私を呼ぶようになるのよね」ｶﾐｸﾙｸﾙ

真姫「ていうかもはやステージというものは私のためにあって・・・」ｶﾐｸﾙｸﾙ


希「とにかく緊張という問題はなさそうやね」

ことり「あとは本番で全力をだすだけだね」

希「よし気を抜かないようにしよう」

ことり「そうだね！」


真姫「だから私は・・・ってチョット！！無視しないでよ！！」

～生徒会室～

花陽「えっと・・歓迎会に必要なものはこれで全部だね」

にこ「そうね。あとは本番で適時調整をすれば問題ないわ」

花陽「はぁ～緊張するな～」

にこ「しっかりやりなさいよ。壇上では声かけられないんだからね」

花陽「うん・・・ねえ、にこちゃん」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

にこ「ダメよ」

花陽「ええ！？まだ何も言ってないのに」

にこ「どうせ代わりに説明してとかいうつもりだったんでしょ。お見通しよ」

花陽「だってぇ・・」

にこ「まったく。生徒会長なんだしもうそろそろ慣れなさい」

にこ「それに今度は近くに私がいるんだから大丈夫でしょ」

花陽「・・そうだよね」

にこ「・・・そうよ今度は絶対に・・・」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

花陽（にこちゃん・・）

～１年生の教室～

海未（ここ最近なんだか運が悪い気がします・・）

海未（登校中に再発して東條先輩に知られてしまい・・）

海未（何故か作詞をしたことを話してしまい・・）

海未（それに今朝は危うく西木野先輩と南先輩にもバレるところでした）

海未「・・気を付けないといけませんね」ﾊｧ

絵里「園田さん。今いいかしら」

海未「絢瀬さん？ええ構いませんが」

絵里「東條先輩たちの活動のことどう思う？」

海未「そうですね。私にはよく分からない分野ですが、とてもまっすぐな印象を受けました」

絵里「まっすぐね・・」

海未「気になるのであれば練習を見に行けばいいのではありませんか？」

絵里「気になんてしてないわ。それにどうせ明日見ることになるしね」

海未「そういえばそうですね」

絵里「・・・時間をとらせちゃってごめんなさい。失礼するわね」ｽﾀｽﾀ

海未「・・・・絢瀬さんどうしたんでしょうか」

凛「そーのーだーさん！」

海未「星空さん、随分とご機嫌なようですがどうかしたんですか？」

凛「だって明日の歓迎会の後から部活に入れるんだよ。今から楽しみでしょうがないにゃー」

海未「ふふ。早く陸上部で活躍してる姿を見せてくださいね」

凛「ありがとー。そういえば絢瀬さんと何話してたの？」

海未「２年生の先輩方が行っているスクールアイドルのライブのことですよ」

凛「えっと明日の歓迎会の時にやるんだっけ？」

海未「はい。絢瀬さんも気になっているようでしたので」

凛「・・・園田さんも気になるの？」

海未「多少なりとも興味はありますね」

凛「・・・そうだよね。だって・・・」

海未「どうかしましたか？」

凛「何でもないよ。明日たのしみだね」

海未「そうですね」

～放課後～

希「さて明神さんで最後の練習しよか」

真姫「本番前だし無理は禁物よ」

ことり「そうだ練習のあと希ちゃんの家に行っていい？見せたいものがあるの」

希「え？何々教えてよー」

ことり「ダメです。希ちゃんのおうちで教えます」


穂乃果「おーい」

希「あっ。高坂先輩こんにちは」

穂乃果「明日ライブやるんだってね。楽しみにしてるよ」

希「ありがとうございます。高坂先輩がいろいろ応援してくれたおかげです」

穂乃果「私は何もしてないよ。ぜーんぶ希ちゃんたちが頑張ってきたからだよ」

ことり「一応新入生の為にってことになってますけど、先輩方も楽しんでください」

穂乃果「うん。思いっきり楽しむからね！ってもう行かなきゃ。じゃあ頑張ってねー！！」

希「はい。ありがとうございます」

真姫「あの人いっつも慌ただしいわよね」

ことり「たしかに」

希「あっそういえばまだ行ってなかったけ、先輩の実家のお店」

真姫「忙しかったんだからしょうがないでしょ」

ことり「ライブが終わったら機会をみつけていこうよ」

希「そやね」

～希の部屋～

希・真姫「・・・」ｼﾞｰ

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ツバサ『～孤独の切なさ わかる人だけど　時々言葉を交わし合って～♪』

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

希「何度見てもレベルがちがうなあ」

真姫「歌唱力にダンスの表現力、どれもプロ級よね」

希「まあ、A-RISEと競争してるわけやなしうちらはうちらでやってかな」

真姫「そうね。ってランクが上がってるわよ！？」

希「うそ！？そういえば練習してるところを結構見られてたからきっとその子たちが」

真姫「なんか少しのことだけど嬉しいわね」

ことり「おじゃましまーす。ごめんね遅くなって」

希「気にせんでええよ。あっその荷物が？」

ことり「うん。お店の人に最後の手直ししてもらってたんだ。じゃーん！」

真姫「すごい。ことりが書いたデザインそのものね」

希「これがうちらの衣装・・・ちょっとスカートが短いような」

ことり「アイドルだからね！」

真姫「そりゃそうだけど。結構ギリギリじゃあ」

ことり「アイドルだからね！！」

希「うーんでもなあ」

ことり「アイドルの衣装だからね！！」

真姫「あの、こと・・」

ことり「アイドルの衣装だからね！！」ﾆｺｯ

希・真姫「・・・ハイソウデスネ」

ことり（だって希ちゃんも真姫ちゃんもカワイイのにあんまりミニスカート履かないんだもの）

ことり（こうでもしなきゃ２人のカワイイ姿をみれないもん）

ことり（そうだ！ヒデコちゃんたちに写真とかビデオとってもらおっと）

ことり（フフフ。たのしみだなあ～）


ことり「フフ・・フフフ・・」

真姫「なんかことりが怖いんだけど」

希「た、確かに・・こ、ことりちゃーん」

ことり「へ？なあに？希ちゃん？」ﾆｺｯ

希「いえなんでもありません」

真姫「・・・はあー」

～神田明神～

希「明日のライブ成功しますようにっと」

真姫「いよいよね」

ことり「明日か・・早かったな」

希「けどまだゴールとは違うよ」

真姫・ことり「え？」

希「明日のライブが終わったら次のこともやらんとね」

真姫「そうね。廃校阻止が目標なんだもの」

ことり「まだまだがんばらないとね」


希（やるだけやった。あとは自分を、いやうちら３人を信じるだけや）

～新入生歓迎会当日・講堂～

にこ「てなわけで学校説明のあとがライブの時間だからそれまでに舞台裏にはいなさい」

希「分かりました」

にこ「それと時間もあまりないから歌い終わったらすぐに下がること。いいわね」

真姫「はい分かりました」

花陽「えっと。頑張ってね」

ことり「ありがとうございます」

希「さっきの話やと開会の挨拶の後でもう着替えとかなあかんね」

ことり「そういえば、歌とか照明って誰がするの？」


ヒデコ「私たちがやるよ」

真姫「え！？やってくれるの？」

フミコ「もちろん。すぐに手を貸すって言ったでしょ」

ミカ「Fortuneのファーストライブを最高のものにしてあげるから、まかせといてね」

希「みんな、ありがとう」

生徒A「只今より新入生歓迎会を開始します」


～控室～

希「おお。実際に着てみるとすごいアイドルっぽい。ことりちゃんありがとう」

ことり「よかった。真姫ちゃんも問題ない？」

真姫「平気よ。けどいいの？私が赤色で」

希「どういうこと？」

真姫「ほらやっぱり赤ってリーダ－のイメージがあるから、希が着たほうが良かったんじゃ」

希「別にそんなこと気にせんでもええんよ。うちはこの紫にスピリチュアルを感じてるから」

真姫「ならいいわ。でも紫・赤・緑って色的に大丈夫かしら」

ことり「照明があるから大丈夫だよ・・たぶん」

希「衣装のことは置いといて、最後にステップの確認もう一回しよ」

花陽「以上で学校の案内を終了します。つぎは先日結成されたスクールアイドルのライブを行ないます」

花陽「生徒の皆さんはしばらくお待ちください」



希「いよいよやね」

ことり「うん」

真姫「全力でやりましょう」

希「そういえば、こういう時って数字を言って気持ちを合わせるって聞いたことあるな」

真姫「数字？」

ことり「おもしろそう。やろうよ」


生徒A「只今よりスクールアイドルFortuneのライブを始めます」



希「よし。じゃいくで」


希「１！」　ことり「２！」　真姫「３！」

希「Fortune！　　ミュージック・・・」


３人「「「スタート！！」」」

ヴｨｰｰｰｰｰｰｰｰｰ…

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

～♪
　　
　　～♪

３人「～I say...　Hey,hey,hey,START：DASH!!　Hey,hey,hey,START:DASH!!」


～♪
　　
　　～♪


ことり「～悲しみに閉ざされて」

真姫「～泣くだけの君じゃない」

希「～熱い胸　きっと未来を切り開く筈さ」

～♪
　　
　　～♪

三人「～彼方へと…僕は DASH!!　　　Hey,hey,hey,START:DASH!!　　Hey,hey,hey,START:DASH!! 」

３人「はあはあ」

希「皆さん本日は私たち、Fortuneのライブを聞いてくださりありがとうございました！」

真姫・ことり「ありがとうございました！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
　　
　　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


生徒A「Fortuneの皆さんありがとうございました」

～控室～

ことり「できたね・・ことりたち」

真姫「そうね・・できたのよね」

希「うん。やったんやねうちら」

ことり「よかった～」

真姫「もう何・・泣いてるのよ・・」

希「真姫ちゃんやって・・泣いとるやん」

真姫「そんなわけ・・ないでしょ」

ことり「ほんとに・・よかったよ～」

希「きっとみんなにもうちらの思いは届いたはずや」

真姫「そうね」

うちは嬉しかった。絶対に上手くいったと思っていたから





けど・・・

現実は違ってた・・・

～数日後・生徒会室～

希「お話ってなんですか？」

にこ「この前の歓迎会でのライブの感想をまとめたから、それを渡したくてね」

花陽「・・・」

ことり「えっ！？本当ですか？」

真姫「早く見ましょう」


花陽「・・・にこちゃん」ﾁﾗｯ


にこ「よく見なさい・・」


希「どれどれみんなどんなこと書いてくれたんかな」

ことり「楽しみだね」


にこ「これが今の生徒の・・」


真姫「ほら早く」

希「ええと・・」


にこ「アンタたちへの正直な気持ちよ」


〈歌は良かったけどダンスがイマイチと思いました。〉
　
〈他のスクールアイドルと比べると正直微妙でした。〉

〈頑張っているのだけは伝わりました。〉

　　　　・
　　　　・
　　　　・

希「これって・・」

にこ「分かった？所詮アンタたちじゃ１クラスの生徒も満足させられないのよ」

ことり「そんな・・」

にこ「もういい加減諦めることね・・・子供のお遊戯会じゃないんだから」

真姫「ッそんな言い方！！」ﾊﾞﾝ　　

～ﾋﾗｯ

ことり「真姫ちゃん落ち着いて」

真姫「けど！」

希「・・・矢澤先輩」

にこ「何やっと諦める気になったの？」

希「いいえ諦めません。だって・・ほら」ｽｯ


〈先輩たちのライブを見て勇気をもらいました。私も頑張って行きたいと思います。〉

希「たった１人でもうちらに力をもらった人がいる」

希「うちはその思いに応えたい。だからアイドルを続けたいんです」

にこ「・・たった１人のためって正気？」

真姫「だったら増やしていきます」

ことり「今度はたくさんの人にもっと勇気を届けるために私たちは歌います」

希「約束します。必ず全校生徒をうちらのファンにします！」

花陽「・・・分かりました」

にこ「花陽！？」

花陽「ただし今後は生徒会の補助はありません。あとはみなさんで行って下さい」

３人「ありがとうございます」

にこ「どういうつもりよ」

花陽「だって似てたからあの子たち・・・私たちに」

にこ「花陽・・・」

花陽「見てみたくない？私たちができなかったこと・・」


花陽「全校生徒をファンにできるアイドルを」

絵里「よし」

絵里（学校を残すための準備はできたわ）

絵里（私はアイドルなんて認めない。それに一人でやりきって見せる）

絵里（絶対に・・・やるんだから）

見事にバラバラだなみんな

絵里はここでも最初は強キャラっぽいのか

4-1.


━━━━ずっと憧れていた


絵里「おばあさま。おとのきざかってどんなところなの？」

絵里祖母「学校にいる人みんなが楽しく夢に向かって進んでいる場所だよ」

絵里「おばあさまも？」

絵里祖母「ええ」

絵里「わたしもおとのきざかにはいれるかな？」

絵里祖母「大丈夫よあなたなら絶対に入れるわ。私のエリ－チカ」

絵里「うん！エリチカはぜったいにおとのきざかににゅうがくしておばあさまみたいになる！」


━━━━大切な人の大切な場所

━━━━だから絶対に守って見せる


絵里祖母「そうだ。音ノ木坂に入ったら忘れちゃいけないことを教えてあげるね」

絵里「なーに？」

絵里祖母「それはね、・・・・・」

～絵里の家～

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

絵里「・・・またあの時の夢か」

絵里（おばあ様が最後に何を言ってたのかだけ思い出せない）

絵里（けど今は学校を守ることを考えないと）

絵里（先輩たちのアイドルなんかより私のほうが絶対に出来るはずなんだから）

絵里（おばあ様の為にも、そして・・）


ﾄﾞﾀﾝ　ﾊﾞﾀﾝ　ｶﾞｼｬﾝ　　<ｵﾈｰﾁｬｰﾝ


絵里「・・・・あの子の為にもね」

～学校～

ことり「はふ～～」

アルパカ <ﾓｼｬﾓｼｬ

希「おーいことりちゃーん。練習しようやー」

ことり「う～ん。もう少し～」

真姫「ダメね。完全にアルパカに夢中になってる」

希「ことりちゃんの感性はよくわからないけど、早くしないと練習時間なくなるよ」

ことり「うぅ、名残惜しいけど仕方ないか」

アルパカ <ﾓｼｬﾓｼｬ

真姫（このアルパカ、ことりに抱き付かれながらよく餌食べられたわね・・）

希「よし。じゃあ今日はダンスの練習をやってこうか」

ことり「うん。でもこれ以上どうやって練習しようか」

真姫「確かにダンスの経験者の意見があればいいんだけど、そんな人知らないし」

希「まあいないものはしょうがないし自分たちでやってこ」

～屋上～

希「ふー。結構うまくなったと思うけどなあ」

真姫「やっぱり限界あるわよね」

ことり「ダンスのビデオとか買ってみる？」

希「それも一つの手やね・・ん？」

ことり「どうしたの？」

希「いや校門の前に人だかりができてるねんけど」

真姫「校門？あっホントね。何かあったのかしら」

ことり「うーん。ここからじゃ良く見えないね」

希「ちょっと気になるし行ってみよか」

～校門～

絵里「つまり音ノ木坂学院には生徒だけでなく地域の方たちの思い出が詰まっているんです」

絵里「その学校がなくなろうとしている今皆さんの力が必要なんです」

絵里「どうか廃校阻止のためにご協力お願いします」


希「あれって絢瀬さんやんな」

真姫「校門の前で演説ってかなり度胸があるわね」

ことり「それと署名集めもやってるみたい」


絵里「ありがとうございます」ﾍﾟｺ

生徒A「あなた１年生なのによく頑張るわね」

絵里「はい。学校を思う気持ちは先輩方にも負けないと自負しています」

生徒A「そう。じゃあしっかりね」

絵里「ありがとうございます。あっ、すいません学校存続の為に署名をお願いします」

生徒B「署名？無理だって。理事長が言ってるんだしもうどうしようもないよ」

絵里「ですがっ！」

生徒C「そうそう無理だよね。まあ頑張ってねー」


希「上手くいってると思う？」

真姫「正直に言うとダメね。署名してる人も興味本位だし効果もほとんどないでしょうね」

ことり「ねえさっきから思ってたんだけど・・・」

希「どうしたん？」

ことり「絢瀬さん一人でやってるのかな？」

絵里（集まったのは十数人分か。あとは放課後ね）

希「絢瀬さん。おはよ」

絵里「あっ。おはようございます」

ことり「署名活動と演説始めたんだね」

絵里「ええ。今の私に出来るのはこれだけなので」

希「けど上手くいってないみたいやね」

絵里「ご心配無用です。まだ続けていきますから」

希「そや！うちらも協力しよか？スクールアイドル付きの演説なんていかがかな？」

絵里「お断りします。私先輩たちのこと認めてませんから」

真姫「認めてないってどいうことよっ！」

絵里「歓迎会でのステージを見て思ったんです。先輩方の演技は何も感じられませんでした」

絵里「それに私はスクールアイドルという存在を認めていません」

絵里「NO.1といわれるA-RISEを含めて全員素人としか思っていません」

ことり「そんな言い方・・」

絵里「放課後の準備があるので失礼します」ﾍﾟｺ

真姫「待って！あなた１人でこの活動をしてるの？」

絵里「はい。私は１人でやり抜くと決めてますので」ｽﾀｽﾀ

真姫「このままだと危ないわねあの子」

ことり「そうかも」

希「・・・」

ことり「希ちゃん？あれそのカードは？」

希「”塔”の正位置・・あまり良くないことが起きるってカードも言っとる」

希「ちょっと心配やね」

～１年生の教室～

絵里（もっと学校の良さを伝えれば署名も集まるはず）　　<・ｾ・ﾝ

絵里（それに地域の人たちにも協力してもらえばもっといけるはず）　　<ｱ・ｾ・ｻﾝ

絵里（最悪あの子に手伝ってもらえば中学生にも・・・）　<・ﾔｾ・ｻﾝ

海未「絢瀬さん！！」

絵里「キャッ！？」

海未「あっすみません。驚かせるつもりはなかったのですが」

絵里「いいえ私のほうこそ気付かなくてごめんなさい。それで何か用かしら？」

海未「その今朝の活動を拝見したのですが先生方の許可は取られているのかと思いまして」

絵里「取ってないわ。突然やったほうが効果があるもの」

海未「取ってないのですか！？このままだと指導対象になるかもしれないんですよ」

絵里「平気よ。学校存続という結果で汚名を返上するつもりだから」

絵里「そうだ園田さんも署名してもらえるかしら？もっと集めないといけないから」

海未（絢瀬さんこのままだと・・）

海未「分かりました。ここでいいですか？」

絵里「ありがとう。助かるわ」

海未（けど私はどうすれば・・）

～放課後～

希「ごめんな今日は急に明神さんに行かなあかんくなって」

ことり「ことりもちょっと用事があって」

真姫「要するに練習はなしってことね。分かったわ私ももう少し作曲の勉強したかったし」

希「それじゃあまた明日ね」

ことり「じゃあ真姫ちゃんことりたち先に帰るね」

真姫「ええまた明日・・さて私も帰るかな」

真姫（作曲って案外難しいのよね。それにアイドル要素も考えないとだし）

真姫（そういえば、園田さんは作詞できたのかしら・・今度聞きましょ）

真姫（曲っていえば何故かサイトにこの前のライブ映像が上がってたけどいったい誰が・・）


絵里「あの署名をお願いします」

真姫「！？ あの子」

絵里「ありがとうございます。あのすいません」

真姫（放課後に校内にいる人に手あたり次第ってわけね）

絵里「よし次は体育館のほうね」

真姫「ねえ、ちょっといい？」

絵里「あ、西木野先輩・・何か？」

真姫「ちょっと無理しすぎなんじゃない？それに他の人に手伝ってもらったほうがいいと思うわよ」

絵里「いいえこれくらい大丈夫です」

真姫「大丈夫って。今はそうでもこれからのことも考えたほうがいいって言ってるのよ」

絵里「私は先輩たちと違って１人でもみんなの心を動かせます」

真姫「ッ、それどういう意味よ」

絵里「言葉の通りです。時間がもったいないので失礼します」ﾀｯﾀｯﾀ

真姫「何よあの態度！ああもうイミワカンナイ！！」

～校門～

真姫（まったく。心配した私がバカみたいじゃない）

真姫（希は気を付けたほうがいいって言ってたけど、もう何があっても助けたりなんかしないんだからっ）


？？？「～～～♪」<ｱｷﾗﾒﾁｬﾀﾞﾒﾅﾝﾀﾞ　ｿﾉﾋｶﾞｾﾞｯﾀｲｸﾙ～♪

真姫「ん？この歌って」

？？？「～～～♪」<ｱｼﾀﾖｶﾜﾚ!　ｷﾎﾞｳﾆｶﾜﾚ!　ﾏﾌﾞｼｲﾋｶﾘﾆﾃﾗｻﾚﾃｶﾜﾚ　～♪

真姫「やっぱりこの前の」

？？？「え？・・・うわっ！？」

真姫「あ、ゴメン驚かせちゃって」

？？？「あー！！Fortuneの西木野真姫さんですよね！？」

真姫「ｳﾞｪｪ・・ひ、人違いよ」

？？？「え・・そう、ですか・・・」

真姫「・・・ごめんなさい。本人よ」

？？？「良かった。あのもしよかったら・・」<pipipi

？？？「あ、ごめんなさい。もしもしお姉ちゃん？・・うん分かった。早く帰ってきてね」

真姫「それで何か用？」

？？？「あのこのノートにサインしてください！」ｳﾙｳﾙ

真姫「・・・分かったわ。あなたの名前も書いたほうがいいのかしら？」

亜里沙「はい ”絢瀬亜里沙”ってこういう字なんですけど」

真姫「絢瀬亜里・・・絢瀬？ねえ金髪の絵里っていう名前の人知ってる？」

亜里沙「はい！それは亜里沙のお姉ちゃんです！」

真姫「・・・ｳﾞｪｪ」

～公園～

亜里沙「すいません。選ぶの迷っちゃって・・」

真姫「別に良かったのに・・・おでん？」

亜里沙「日本の自動販売機っていろんな飲み物があるんですね」

真姫「それどういうこと？」

亜里沙「あ。亜里沙この前までロシアに住んでたんです。おばあ様がロシア人だから・・えっと」

真姫「つまりあなた達姉妹はクォーターってことね」

亜里沙「はい！えへへ///」

真姫「何よ急に照れだして」

亜里沙「だって亜里沙はFortuneが大好きで、そのメンバーの人とおしゃべりできてうれしいんです」

真姫「へ、へー。まあそうねこのFortuneのスターである私と話せてるんだもんね///」

亜里沙「やっぱり真姫さんってすごいんですね！歌も上手でスタイルもよくて憧れちゃいます！」

真姫「ふ、ふふ。いいわあなたを私のファン第一号として認めてあげるわ！」

亜里沙「ハラショー！ありがとうございます！！」

真姫「ｺﾞﾎﾝ それにしても姉妹でも全然違うのねあなたたち」

亜里沙「そうでしょうか？」

真姫「そうよ。亜里沙ちゃんのお姉さんは私たちを目の敵にするほどのアイドル嫌いなんだもの」

亜里沙「それってもしかしたら・・」

真姫「どうかしたの？」

亜里沙「あの真姫さん見てもらいたいものがあるんですけど」

～真姫の家～

真姫「・・・・」



～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

《真姫「これってバレエの映像？ってこの踊ってる子・・》

《亜里沙「はいお姉ちゃんです」》

《亜里沙「お姉ちゃんは子供の時にずっとバレエをやっていて本物の踊りに触れてたんです》

《亜里沙「だからスクールアイドルのことを中途半端な人たちって見ちゃってるんです」》

《真姫「それであんな態度を・・」》

《亜里沙「あの真姫さん、お姉ちゃんを責めないでください」》

《亜里沙「お姉ちゃんはおばあ様の学校を守りたくて一生懸命なだけなんです」》

《亜里沙「ただ人に頼るのが苦手なだけで、だから！》

《真姫「分かったわ。お姉さんには何もしないから安心しなさい」》

《亜里沙「ありがとうございます！あっもう帰らないと」》

《真姫「動画見せてくれてありがとう。ああそれとおでんは飲み物じゃないから覚えておきなさいよ」》

《亜里沙「え！？そうなんですか！？ハラショー・・日本の自販機奥が深い》

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～



真姫（素人でも分かるほどすごいダンスだった・・）

真姫（文句言われても仕方ないわね・・）

真姫（・・・でも）

真姫「・・・いるのね。昔の私みたいに過去に縛られている人って」

タイトル見て「いない者」は誰かな？と思ったら全く関係なかった

絵里が先に加入するのか

4-2.

━━━━また夢を見る


絵里「ひっく・・ひっく・・」

絵里祖母「泣かなくてもいいんだよ。エリチカは頑張ったんだから」

絵里「でも・・ﾋｯｸ・・おばあさまにもおしえてもらったのに・・」

絵里祖母「平気よ。オーディションんんか関係ないほどしっかりと踊ってるところを見られたんだもの」

絵里「このままじゃおとのきざかににゅうがくしてもなにもできないよ・・」

絵里祖母「エリチカ、可愛いエリチカ。忘れたのかい？おばあ様の言ったことを」

絵里祖母「音ノ木坂に入学しても大丈夫だよ。だって・・・・」


━━━━けど、その言葉はまだ聞こえない

～屋上～

希「ワン・ツー・スリー・フォー」

ことり「ハイ！！」

真姫「・・・」

希「う～ん。やっぱり微妙にしか上手くならんね」

ことり「そうだね・・・あれ？真姫ちゃん、どうしたの？」

真姫「・・・」

希「おーい、真姫ちゃーん」

真姫「・・・」

希「・・・」ｽｯ

希「真姫ちゃーん。お話聞いて-」ﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼ

真姫「キャーッ！？///ちょっと急に何するのよ！！」

希「だって真姫ちゃん何度呼んでも返事してくれんかったから」

ことり「えっと。何かあったの？」

真姫「・・・実は」

希「つまり絢瀬さんのバレエを見て今のうちらのやり方に疑問を感じたってこと？」

ことり「そんなにすごかったの？」

真姫「ええ。あの年齢で考えると相当のものよ。ほぼプロに近いぐらいだわ」

ことり「そっか、だからあんなにスクールアイドルにきつく当たってたんだね」

希「うーん。でもおかしくない？そんなにダンスが上手なら今もやってるんやない？」

希「それにＵＴＸとかでスクールアイドルをやってるんじゃ」

真姫「音ノ木坂が彼女のおばあさんの母校らしいのよ。だからこの前みたいに行動してたの」

真姫「ただダンスをやってない理由は分からないわ」

ことり「そっか。でもどうしてなんだろ？」

～廊下～

絵里「えっと確か掲示板は・・あったここね」

絵里（さすがに私ひとりじゃ限界はある。だけどポスターやチラシを使えば問題ないわ）

絵里「こんなところかしらね」

穂乃果「あれなにそのポスター？ ”廃校撤廃への呼びかけ”？」

絵里「はい。学校をなくさないために行動してるんです」

穂乃果「あなた１年生でしょ。こんなに活動できるなんてすごいね！」

絵里「ありがとうございます。ところで先輩はこの学校を守りたいと思いますか？」

穂乃果「そうだね。うちはおばあちゃんもお母さんも音ノ木の生徒だったからなくなって欲しくないな」

穂乃果「それにこの学校って古いけどなんだかこうあったかくって好きなんだ」

絵里「そうですね。私もそう思います」

穂乃果「ところで、何だか顔色悪いけど大丈夫？」

絵里「大丈夫ですよ。じゃあ私はこれで失礼します」

穂乃果「あっちょっと待って。確かここに・・あった！はいどうぞ」

絵里「これって、お饅頭？」

穂乃果「うん。うちの新商品で穂むらのお饅頭、通称ほむまん！これ食べて元気出してね」

絵里「あ、ありがとうございます」

穂乃果「あっよかったらうちのお店にも来てねー」ﾀﾀﾀ

絵里「ハラショー・・あの人いつもお饅頭持ってるのかしら」

絵里「・・・はむ」

絵里「ハラショー！！すごく美味しいじゃない」

絵里「今度亜里沙にも買ってあげましょう」

絵里「そういえば穂むらってどこかで聞いたような・・」

～昼休み～

希（なんで絢瀬さんはバレエ続けてへんのかなあ・・）

希「うーん・・・・うん？あれって」



絵里「音ノ木坂学院では過去に様々な大会などでとても優秀な成績を残した方がたくさんいらっしゃいます」

絵里「その思いを受け継ぎ皆さんを含め多くの方がそうなれるように学校を残すべきです」

絵里「皆さんどうかご協力お願いいたします」




希（学校のことを大事に思ってるのはホントみたいだけど・・）

希（思いっきり空回りしているような気がするんよね）

希（まあ今ならちょうど聞きたいことも聞けそうやね）

希「絢瀬さん。どう順調？」

絵里「東條先輩ですか。ええわずかですが手ごたえを感じていますよ」

希「そっか。ところで今日は聞きたいことがあるんやけど、いいかな？」

絵里「なんでしょうか」

希「絢瀬さんって昔バレエやってたって聞いたんやけど、どうして今はやってないのかなって」

絵里「！？ その話どこで聞いたんですか！？」

希「まあまあ落ち着いて。そやね簡単に言うとカードがうちに教えてくれたってことで」

絵里「ふざけないでください！！」

希「ふざけとらんよ。けどプロレベルの腕やのになんでやめちゃったん？」

絵里「・・・・無駄だからですよ」

希「え？」

絵里「才能のある人には何年経っても絶対に勝てない。それが分かってるからバレエはやめたんです」

絵里「それとこの際だからはっきり言います。先輩たちの活動に成長はありません」

絵里「以前のライブを見て分かりました。基礎もできてないお粗末なものだって」

絵里「だから誰にも受け入れられないんですよ」

希「きついこと言うね」

絵里「当然のことを言ったまでです。じゃあ私はこれで」

希「最後にこれだけは言っとくけど！！」

希「うちらはまだあきらめないよ！みんなの力になりたいから！！」

希「絢瀬さんもその中の一人やからね！！」

希「・・・はあ。けどきついなあ。実際に言われると」

海未「あの、東條先輩？どうかなさったんですか？」

希「ああ海未ちゃん。うんちょっとね」

海未「何があったかは分かりませんがそのアイドルというものがそんなに落ち込んでいいものなんですか」

海未「みんなへ勇気を与えるならば自らも勇敢でなければいけなんじゃないでしょうか」

希「そやね。うちはスクールアイドルや。クヨクヨする前にやるべきことをやるんや！」

希「海未ちゃん、ありがとうね」

海未「いえ、とんでもないです」

希「そうだ。ねえ海未ちゃん、絢瀬さんってクラスでどういう感じなん？」

海未「ご存じの通り廃校阻止に向けて努力しています。ただ・・」

海未「少し危うい気がするんです」

～生徒会室～

花陽「放送室を使わせてほしい？」

絵里「はい。校内放送を使えば一度に全校生徒への呼びかけができますから」

花陽「うーん。それはだめかな」

絵里「どうしてですかっ！」

花陽「ﾋﾟﾔｱ　ご、ごめんさい。そのえっと・・」

にこ「ハア、何１年生にビクついてるのよ。いい放送室を特別に使えるのは各委員会と学校が認めた組織だけ」

にこ「特例で個人使用を認めたら、全校生徒の分も認めたことになるの」

にこ「分かる？アンタの行動にはそれだけの重みがあるの」

絵里「・・・・分かりました。失礼します」

にこ「まったく下級生相手になにビビッてるのよ」

花陽「だってあの子の目つきが怖かったんだもん」

にこ「まあ確かにやばい目はしてたわね・・・ホントにやばい、ね」

花陽「うん。大丈夫かなあ」

にこ「気にすることないわよ。高校生なんだし自己管理ぐらいできるでしょ」

花陽「・・・えっとにこちゃん？じゃあどうして今朝提出の課題をいまやってるの？」

にこ「・・・花陽。みんなちがってみんないいって素敵よね」

花陽「開き直っちゃダメだよぉ」

～１年教室～

凛「よーし今日の授業も終わったし陸上部に行こっと！・・ん？」

海未「・・・」

凛「園田さん！どうしたの元気ないみたいだけど」

海未「あ、いえ。なんでもありませんよ」

凛「えー。園田さん嘘ついてるでしょ。凛じゃなくても分かるよ」

海未「ﾌｰ 実は絢瀬さんのことが心配で・・」（あと自分の身の振り方についても）ﾎﾞｿｯ

凛「絢瀬さん？そういえば何だか無理してるように見えるにゃ」

海未「ええ。このままでは体が持たないのではないかと思いまして」

凛「むむむ。あっそうだ！凛が知ってる元気になるおまじないを教えてあげればいいんだよ」

海未「おまじないですか？どのようなものですか？」

凛「えっとね。まず腕を広げて空を見る」

海未「ふむふむ」

凛「それから『天におられる祝祭の神よわが器に聖なる神秘の欠片を与えたまえ』っていえばいいんだよ」

海未「ｺﾞﾌｯ・・ほほほほほほ星空さん！？そそそれはどこで知ったんですか！？」

凛「えっとね。中学生の時に別の学校で誰かが広めてるって聞いたんだ」

凛「確か・・そう ”蒼の心眼者”っていう人だったかにゃ」

海未「その星空さん？そんな不確かなものより絢瀬さんのお手伝いをしたほうがよいと思いますよ」

凛「ええ！だめかにゃ？」

海未「そうですよ。一人で無理でも何人かで分け合えばずっと楽になりますもの」

凛「そうだね！よし今度絢瀬さんが辛そうなら手伝ってあげよっと」

海未「ええ・・・・・・危ないところでした(ﾎﾞｿｯ」

凛「？？　何か言ったかにゃ？」

海未「いえ何も言ってませんよ。ホホホ｣

～絵里の家～

亜里沙「～～♪」

絵里「亜里沙、ちょっといいかしら？」

亜里沙「～♪・・なに？お姉ちゃん」

絵里「亜里沙の学校で音ノ木坂について何か話してたりするかしら？」

亜里沙「うん。廃校になっちゃうから志望しないって子がいっぱいいるよ」

亜里沙「けど亜里沙は音ノ木坂に入りたいよ。お姉ちゃんと一緒に通いたいもん」

絵里「ありがとう。ところでさっきから何聞いてるの？」

亜里沙「これ？Fortuneのライブ映像だよ」

亜里沙「Fortuneの歌を聞いてると何だかわからないけど勇気がもらえるんだ」

亜里沙「あのね、亜里沙もし音ノ木坂に入ったらスクールアイドルをやってみたいの」

絵里「やめておいたほうがいいわよ。素人の真似事なんて」

亜里沙「確かにお姉ちゃんから見たら素人かもしれないよ」

亜里沙「けどFortuneだけじゃなくて、みんなどんな時でも前に進んでるんだよ」

亜里沙「お姉ちゃんはどうして逃げてるの！？」

亜里沙「お姉ちゃんが音ノ木坂でやりたいことってこんなことだったの！？」

絵里「・・・明日も早いからもう休むわね」

亜里沙「お姉ちゃん！！おばあ様の言ってくれたこと思い出して！！」

絵里「あなたも早く休みなさい」ﾊﾞﾀﾝ

絵里（やりたいこと・・今更無理よ。努力したって結果は見えてるんだもの）

絵里（だから今はこれしかできない・・するしかないのよ）

絵里（ｳｯ・・・ちょっと疲れてるけどまだやらなきゃ）



亜里沙（・・お姉ちゃん）ｼﾞｰ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ　ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ　ｶﾞﾁｬ

亜里沙「あ、もしもし絢瀬亜里沙です。急に電話してごめんなさい」

亜里沙「お願いがあります」

～学校～

希「そろそろ新しい曲も考えんとね」

ことり「そうだね。また園田さんに頼むの？」

真姫「そうよ。この前言ってた曲ができてたらそれを歌えばいいじゃない」

希「うーん。どうやろなー・・はは」

真姫「なんか怪しいのよね。ホントに作詞だったのあれ？」

希「いやいや本人がそう言ってるんやしね・・・あ」


絵里「署名をお願いします！」


希「おはよ。今日も朝から頑張っとるね」

絵里「おはようございます。当然です出来ることを全力でやるだ・・け」

真姫「ちょっとアナタひどい顔よ。少し休んだほうがいいわよ」

絵里「いえ・・大・・丈夫です」

ことり「全然大丈夫そうじゃないよ。少し休も？署名はことりたちが代わりに集めるから」

絵里「結構です！！私がやると決めたことだから私がっ」　ﾄﾞｻｯ

希「絢瀬さん！？大丈夫！？しっかりして！！」

真姫「急に動かしちゃダメ！！ことり保健室に行って状況を伝えてきて」


絵里（・・・やら・・なくちゃ・・）


真姫「誰か先生を呼んできて！！それから濡れたハンカチも持ってきて！！」


絵里（お・・ばあ・・さま）

絵里祖母「エリチカまた熱を出したのかい？頑張りすぎたんだね」

絵里「だって、エリチカがやらないとダメだったんだもん」


━━━━ああこれは夢だ

━━━━結局私はダメなままなんだ


絵里祖母「ねえエリチカ前にも言ったでしょ。音ノ木坂で大事なこと」

絵里「うん」

絵里祖母「音ノ木坂ではみんなで一緒にやるの」

絵里祖母「楽しい時はもっと楽しい。つらい時はみんなで助け合える」

絵里祖母「決して１人で全部やらないでみんなと夢を叶える」

絵里祖母「そうすればどんなことだってできるんだから」

絵里「じゃあみんなとがんばればエリチカはまたおどれるの？」

絵里祖母「もちろん。どんな時でもお互いに支え合える人がいればどんなことでもできるよ」

絵里祖母「そのためにもたくさんの人と分け合えるようにならなきゃね」

絵里祖母「できるでしょ。賢いかわいいエリーチカならね」


━━━━そうだった

━━━━おばあ様の言葉、やっと思い出せた

━━━━けど、もう・・・

～保健室～

絵里「うう・・ここは」

希「よかった。絢瀬さん目覚めたんやね」

絵里「私・・どうして」

希「署名集めの途中で倒れちゃったの覚えてへん？」

絵里「そういえば・・運んでくれてありがとうございます。私はこれで・・」

真姫「残念だけどどこにも行かせないわよ」

絵里「いえもう平気ですから」

真姫「ことり。お願い」

ことり「うん。ねえ絢瀬さんちょっとこれを見て」ｽｯ

絵里「鏡？これが何か？」

真姫「何か？じゃないわよ。自分の顔がどうなってるのかも分からないの？」

絵里「自分の顔・・ハハ、こんな顔色じゃ倒れちゃうわね」

真姫「疲労がたまってるから倒れたの。しばらく横になってないとダメよ」

絵里「けど！私にはやることがっ！！」

希「なあ絢瀬さん？それって絢瀬さんが、絢瀬さん”だけ”がやらなきゃいけないことなんかな」

絵里「え？」

希「確かにもう諦めちゃってる人も多いよ。けど何かしようとしてる人やっている」

希「その人らと協力していけばもっと楽になるんと違うんかな」

希「つらい時ほど助け合う。それなら頑張れるやん」

絵里「あっ・・」



《絵里祖母「決して１人で全部やらないでみんなと夢を叶える」》

《絵里祖母「そうすればどんなことだってできるんだから」》



絵里「けど私には・・」

真姫「ねえ絢瀬さん。私たちのメンバーに入ってくれない？」

絵里「皆さんのメンバーに？」

真姫「絢瀬さんのダンスの腕を見込んで頼んでるだけじゃいの」

真姫「スクールアイドルにも順位があるわ。けど ”負けたら終わりじゃない”のよ」

絵里「！？」

真姫「何度だって挑戦できるの。だから諦める必要はないのよ」

真姫「そ、それにあなたスタイルも良さそうだし人気もでると思うわ」ｶﾐｸﾙｸﾙ

絵里「私がアイドルなんて・・」

希「ねえ絢瀬さんは、絵里ちゃんの本当にやりたいことはなに？」

希「うちらは頼りないかもしれないけど、力になるよ」

ことり「そうそう。絵里ちゃんがやりたいことことり達に教えてくれないかな」

絵里「私はまた踊りたいんです。プロになりたいとか関係なくただ純粋に」

絵里「けどまた挫折しちゃうのが怖かった」

絵里「こんな私でもアイドルになれるんですか？」

希「もちろん！歓迎するよ。みんなで一緒に頑張ろ」



絵里「ｽｰ　１年生の絢瀬絵里です。少々ブランクはありますがダンスの経験はあります」

絵里「アイドルについても詳しくありませんが精一杯頑張ります」

絵里「よろしくお願いします」


希「うん。よろしくね」

ことり「一緒にがんばろうね。絵里ちゃん」

真姫「もう一人で抱える必要はないんだからね」

絵里「はい！」

～放課後～

希「いやー。しかし真姫ちゃんがあんなに熱心に勧誘するなんて」

ことり「ほんとだね。絵里ちゃんのこと凄く気にしてたんだね」

希「よっ！後輩落としのマッキー」

真姫「な、なに言い出すのよ！別にそうじゃなくてってこともないけど///」

絵里「その・・本当は迷惑でしたか？」

真姫「いや、そうじゃなくて。ハー、頼まれたのよ。絵里を助けてって」

絵里「頼まれたって誰にですか？」

真姫「あなたのことをよく知っていて、今度は自分が力になりたいと考えている人よ」

絵里「それって・・まさか」



亜里沙「お姉ちゃーん！」



真姫「あとは自分で確かめなさい」

絵里「はい」

～翌日・神田明神～

絵里「おはようございます」

ことり「あ！絵里ちゃんもう大丈夫？」

絵里「はいもう平気です。ご心配おかけしてすいませんでした。今日からよろしくお願いします」

希「うん、よろしくね。早速聞きたいんやけどダンスってどうしたら上手くなるんかな？」

絵里「そうですね。まずはやっていただきたいことがあるんですが」

ことり「よっと」ｸﾞｲｰ

絵里「ハラショー！すごいですねことり先輩」

絵里「柔軟は基礎中の基礎ですから、柔軟性を高めればダンスの質も上がります」

絵里「・・・・希先輩と真姫先輩もまずはことり先輩のようになってくださいね」

希「くっ。いやそのあれようちは前面に障害があってなかなかね」

真姫「希、それ喧嘩売ってるの？」

希「大丈夫よ。真姫ちゃんにも未来があるってカードが言うてるから」

希「・・・いつかは分からんけど」

真姫「それどういう意味よ！？」

ことり「わわ真姫ちゃん落ち着いて」<ﾊﾞｰﾝ

絵里「そうですよあっても邪魔なだけですから」<ﾄﾞｰﾝ!!

希「そうそう結構肩凝るし」<ﾄﾞﾄﾞｰﾝ!!

真姫「あなたたちねー！！」

希「うわー逃げろー」

ことり「わーたいへーん。ほら絵里ちゃんも」

絵里「え？わわっ」

真姫「待ちなさーい！！」

しえん支援！

～おばあ様へ


お久しぶりです。急に手紙を書いて驚かれたかもしれませんね。

私も亜里沙も元気です。亜里沙は日本語の勉強も頑張ってますからきっと音ノ木坂に入れると思います。

それと私また踊りをはじめました。

ただバレエじゃなくてスクールアイドルっていうアイドルの真似事なんですけど。

でも一緒に頑張ってくれる仲間ができました。

おばあ様の母校で私はもう一度頑張ってみます

お体に気を付けてくださいね

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 絵里～

絵里（おばあ様。私頑張ります）

絵里（だって私は、賢いかわいいエリ－チカですから）



希「さてじゃあ練習続けよか」

ことり「そうだね！」

真姫「はー・・もう好きにしてよ」

希「おーい絵里ちゃーん！はじめるよー」

絵里「はい！！」

～海未の家～

海未「よしこれで全部ですね」

海未（この黒歴史が詰まった箱は次のゴミの日に処分しましょう）

海未（東條先輩たちのおかげで絢瀬さんも元気になって良かったです）

海未「あっ、そういえば」

海未「彼女も練習を見に行ってたましたけど・・」

海未「どうしてコソコソしてたんでしょうか・・・・・星空さんは」

お、始まってた

来てた！
待ってたよ～

星空みゆき

やったな絵里ちゃん

5-1.

～屋上～

ｻﾞｰ　ｻﾞｰ　ｻﾞｰ

希「うーんこの雨じゃ屋上での練習は無理そうやね」

ことり「梅雨入りが近いって天気予報で言ってたもんね」



真姫「やっぱりダメだったわ。体育館は他の部が使ってたわ」

絵里「空き教室を使うのも無理だそうです」

希「２人ともご苦労様。雨の日でも使える練習場所を早めに見つけんとあかんね」

絵里「あの、部室をもらえばいいんじゃないですか？」

真姫「そうしたいけど。あと１人いないと部として認められないのよ」

ことり「やっぱり誰かを勧誘する？」

希「けどなあ・・それも難しいと思うし」

絵里「あの思っていたことがあるんですけど」

希「ん？何？」

絵里「園田さんを正式なメンバーとして迎えないのですか？作詞は彼女がしたんですよね」

希「あーそれは」

真姫「確かに。あの子なら部員になってくれるかもしれないわね」

ことり「練習もよく見に来てくれてたしきっと大丈夫だよ。ねっ、希ちゃん！」

希「ああうんそうやね」

希（どうしよー。みんなは海未ちゃんの中二病のこと知らんしなー）

希（上手いこと立ち回らんといかんね）

～廊下～

凛「・・・」

凛「～悲しみに閉ざされて　泣くだけの君じゃない～♪・・・」

凛「・・・やっぱり凛には」

海未「星空さん？」

凛「！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

海未「え！？ちょっと・・・どうしたんでしょうか？」

～弓道場～

真姫「園田さんがもう弓道部に入部してたなんてね」

ことり「でも結構似合ってそうだよね」

希「まあ確かに・・外面はね」

真姫「何か言った？」

希「いやなんでもないよ」

ことり「けど別の部活に入部してたら勧誘しても意味がないいじゃないかな」

真姫「それは平気よ。基本的に所属できる部は一つだけど、二つまでなら兼部は平気みたいよ」

真姫「ただしどちらの活動も疎かにしてはいけないけどね」

希「そう考えるとちょっと頼みにくいかなあ」

ことり「でも一応頼むだけ頼んでみよ」

真姫「そうね。ところで希、ちょっと様子が変よ」

希「いやいやうちはいつも通りのスピリチュアルガールやん。おかしいところなんてないよ」

希（海未ちゃんの中二病のことは気になってるけどね・・・）

海未「お待たせしてすいません」

希「気にせんでええよ」

ことり「うわぁ～♪弓道着姿かっこいいね！」

海未「そ、そうでしょうか」

真姫「そうね。すごく凛々しく見えるわ」

海未「ありがとうございます。ところでどのようなご用件でしょうか」

希「ああ実は海未ちゃんに頼みがあるんよ」

ことり「弓道部で大変かもしれないけど、あたしたちの部に入ってほしいの」

希「正確には正式な部にするために力を貸してほしいってわけやねんけど」

海未「すいません。お力になりたいとは思いますが、弓道部の活動と両立は難しいと思います」

真姫「どうしてもダメかしら？」

海未「私は中途半端に行動するのが嫌いと言いますか、あまり器用なほうではないんです」

海未「ですから皆さんにご迷惑をおかけするかもしれないので、お断りさせていただきます」

希「そっか、確かに無理させるわけにもいかんしね」

ことり「うん。絵里ちゃんみたいになったら大変だし」

真姫「分かったわ。ああ、ところでこの前のはできたの？」

海未「この前の？」

真姫「ほら、ファンタジックでかわいらしい感じの歌詞を書いてるって言ってたでしょ」

海未「！？いや、その・・あれは・・」

真姫「別に攻めてるわけじゃないわ。ただ歌詞がないと作曲もできないのよね」

ことり「あと衣装も作れなくて」

海未「すいません。その・・世界観といいますかそういうものはあるんです」

海未「ただ納得のいくものができてないので・・」

希「ああ、そこまで気にせんでええよ。急いでるわけやないし」

海未「ッ申し訳ありません」

希「海未ちゃんのペースで作ってくれたらいいからね」

海未「・・・はい」

真姫「やっぱり兼部は無理か」

ことり「しょうがないよね。考えてみれば１年生なんだし」

希「あとは絵里ちゃんの情報待ちかな」

ことり「そうだね」

真姫「情報？何の話？」

希「１年生でまだ部活に入ってない子を見つけといてって頼んだんよ」

真姫「なるほど。まあそれしかないわね」

ことり「ねえ希ちゃんの占いで何か分からないかな？」

希「占いかー。やってみよかな。ええっと・・・」ｽｯ

希「？”節制”の正位置？」

真姫「どういう意味なの？」

希「えっと、忍耐や堅実、倹約って意味やけど」

ことり「うーん・・ことりたちには関係ないような」

希「あっ。それと ”密かな思い”って意味もあるんよ」

～１年生の教室～

絵里「はあー」

絵里（ほとんどの子がすでに入部済みか入部したい部が決まってる）

絵里（入部してないのは塾や家の都合で部活自体できない人だけ）

絵里（兼部前提で考えると難しいわね・・）

絵里・凛「はあー」

絵里・凛「え？」

絵里「どうしたの？いつも明るい星空さんが溜息なんて」

凛「だって最近雨ばっかりで全然外で走れないんだもん」

凛「早く思いっきり体を動かしたいにゃー」

絵里「そういえば陸上部に入ってたわね」

凛「うん。ところで絢瀬さんはどうしたの？あっ何か困ってるなら手伝うよ」

絵里「実は新しい部を作るためにあと１人部員が必要なんだけど、なかなか見つからなくてね」

凛「そっかー、大変だね。でも無茶したらまた倒れちゃうよ」

絵里「平気よ。今度は１人でやってるわけじゃないから」

絵里「心配してくれてありがとう。やさしいのね、星空さんって」

凛「えへへ///照れるにゃー。ところでどんな部活をつくるの？」

絵里「まだ名前は決まってないけど。そうねアイドル部っていうものかしら」

凛「アイドル・・・それって先輩たちがやってる？」

絵里「ええ。メンバーに入れてもらったの」

凛「そっか。・・・・アイドルか」

絵里「もしかして興味ある？」

凛「ええ！？ないない。それに凛にアイドルなんて似合わないよ」

絵里「そうかしら？あなた可愛いのに。アイドルの衣装とか似合うと思うわよ」

凛「そんなことない！！」

絵里「！？」ﾋﾞｸｯ

凛「あ、ごめんなさい。その頑張ってね」ﾀﾀﾀ

絵里「・・・びっくりした。けど」

絵里「どうしてあそこまで否定するのかしら」

～通学路～

海未（中二病をごまかすのに次の作詞をしていると言ったことをすっかり忘れてました）

海未「どうしましょう」

希「こうなったら正直に言うしかないんとちゃうかな」

海未「！？・・東條先輩」

希「真姫ちゃんもことりちゃんも別に海未ちゃんが中二病でも気にしないよ」

希「まあ、うちも似たようなもんやし」

海未「皆さんが気にしなくとも私が気にするんです」

海未「それに同級生の絢瀬さんもいるので」

希「いやいや。絵里ちゃんやって広めたりする子やないと思うけど」

海未「それでもダメなんです」

海未「まだ新しい自分になれる自信がないのです」

希「そっか・・分かった。けど困った時には相談に乗るからね」

海未「ありがとうございます。・・あっ」

希「ん？どうしたん？」

海未「一応お伝えしておきますと、皆さんの練習をこっそり見ていた人がいるんです」

希「えっ！？ホントに！？」

海未「はい。ですがコッソリと見ていたようですので、興味がそこまであるかは分かりませんが」

希「気付かなかったなー。で、それが誰か分かる？」

海未「はい。１年生の星空凛さんです」

～理事長室～

理事長「残念だけど生徒会としての学校存続に対する活動は認められないわ」

花陽「そう・・ですか」

にこ「まあ分かってたことだけどね」

理事長「生徒会は生徒の代表としての組織」

理事長「だから、あなたたちには今いる生徒たちの学園生活のことを第一に考えてほしいの」

花陽「はい、分かりました」

理事長「学校のことは私たち教師に任せなさい」

にこ「一つ聞いてもいいですか」

理事長「何かしら」

にこ「２年生の東條希とその友人が行っているアイドル活動は禁止しないのですか」

理事長「そうね。今のところ注意するつもりはありません」

にこ「それは実の娘が所属しているからですかっ！？」

花陽「に、にこちゃん！？そんな言い方したらダメだよ」

にこ「答えてください！」

理事長「確かに娘が活動をしているのは気にはしているわ」

理事長「でもそれが活動を禁止しない理由ではないわ」

にこ「じゃあどうしてっ！」

理事長「残念ながら教えられないわ。それに・・」

理事長「あなたたちならきっとすぐに分かるはずよ」

～生徒会室～

花陽「もうにこちゃん！理事長にあんなこと言っちゃダメでしょ」

にこ「・・悪かったわよ」

花陽「怒られるんじゃないか不安だったんだからぁ～」

にこ「仕方ないじゃない気になったんだし」

にこ「でも考えてみれば娘がいるからって理由じゃないのは当然よね」

花陽「？ あっ！去年の」

にこ「そう。あの人は娘を贔屓しない教育者だったわ」




にこ「だって実の娘に停学処分を下したんだもの」

なにやらかしたら停学処分に……

援交

それはないやろ

続き来てた！
気になります！

穂乃香って加入してたっけ？

マジ？

ことりちゃん何したんや……

バイト禁止なのにやってた的な感じか……？

バイトか

何のバイトかな？

同級生で停学になった奴は暴力だったけど女子校の暴力事件って想像したくない

5-2.

～中庭～

絵里「やっぱり１年生からの勧誘は難しいかもしれません」

真姫「そっか・・・一応２年生にも聞いたけどダメだったわ」

ことり「聞いてないのは３年生の先輩だけど・・」

絵里「受験のこともありますし無理でしょうね」

真姫「そういえば、新入生歓迎会の時のアンケートに私たちに勇気をもらったって書いた子がいたわよね」

ことり「けど誰が書いたのかは分からないんだよね。絵里ちゃん、何か知らない？」

絵里「ごめんなさい。私にも分かりません。そういえば希先輩は？」

ことり「ちょっと気になることがあるからってどこかに行っちゃたけど」

真姫「とにかくもう一度部員探しやってみましょう」

～音楽室～

～♪
　　
　～♪

真姫「ハァ・・って言ってももう当てがないのよね」


ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


真姫「？」

穂乃果「すごいね！音楽室の天才ピアニストって真姫ちゃんのことだったんだね！！」

真姫「ｳﾞｪｪｪｪ!こ、高坂先輩」

穂乃果「去年から結構噂になってたんだよ。音楽室からすっごくきれいなピアノの演奏が聞こえるって」

真姫「ま、まあこれでも子供の頃からピアノはやってましたし、コンクールで入賞もしましたから///」

穂乃果「うわぁ～真姫ちゃんってやっぱりすごいなぁ。私には元気しか取り柄がないし」ﾊﾊﾊ

真姫（確かにすごく明るい人なのよね）

真姫（希も明るいけどこの人とは真逆。まるで月と太陽みたいに）

真姫（それにすごく声量もあるし・・・）

真姫「あの、高坂先輩」

穂乃果「うん？なに？」

真姫「Fortuneに、スクールアイドルになってみませんか？」

穂乃果「スクールアイドルに？」

真姫「はい。先輩は３年生だからお忙しいかもしれんせんが、アイドルとして輝けると思ったので」

穂乃果「うーん。ごめんね真姫ちゃん」

真姫「やっぱりダメですか」

穂乃果「うん。確かに歌ったり踊ったりするのは楽しいと思うし私もやってみたいよ」

穂乃果「けど家の手伝いもしないといけないし、いつかは家を継ぐことを考えてるから難しいかなって」

真姫「分かりました。変なこと言ってすいません」

穂乃果「いいよいいよ。メンバー集め頑張ってね。ファイトだよ！！」

真姫「はあ～希みたいにはいかないわね・・」

真姫「家を継ぐか・・」

真姫「私も来年からああなるのかしらね」

～３年生の教室～

穂乃果「アイドルか」ﾎﾞｿｯ

穂乃果（ライブ見たけどすごかったな。あんな風になれるのかな・・）

穂乃果「！」ﾊｯ

穂乃果（ダメダメ！今はそんなこと考えちゃダメなんだから）

穂乃果（今日も穂むらの味を勉強しなきゃ・・）

穂乃果（そうだよ・・穂乃果がやらなきゃいけないんだ）

穂乃果「・・・ごめんね。雪穂」

～屋上～

希「ごめんね、急に呼び出しちゃって」

凛「いえ大丈夫ですけど。お話ってなんですか？」

希「海未ちゃんから聞いたんやけど、星空さんがうちらの練習を見てたって」

凛「！？それは・・」

希「別に見てくれるのは構わないんよ。アイドルは人に見られてパフォーマンスをするんやし」

希「ただアイドルに興味があるなら一緒にやってみない？」

凛「ええっ！無理ですよ。だって凛は落ち着きがないって言われるし、髪だって短いし」

凛「全然女の子らしさがないのにアイドルなんて無理ですよ」

凛「・・・それに陸上部で頑張りたいですし」

希「そっか。もうやりたいことが決まってるんやね」

凛「はい。だからごめんなさい」

希「こっちこそごめんね。ああ練習はいつでも見に来ていいからね」

凛「ありがとうございます。じゃあ部活があるので失礼します」ﾀﾀﾀ

希「うーん」

ことり「あっ。希ちゃんここにいたんだね」

希「うーん・・・気になるなぁ」

ことり「どうしたの？」

希「さっき星空さんっていう１年生の子と話してたんやけど・・」

ことり「それって練習を見に来てた子だよね」

希「うん。陸上部で頑張りたいって言ってたけど・・」

希「どうしても本心に聞こえなかったんよね」

～グラウンド～

ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ　　
　　　　
　　　　　ﾋﾟｯ

陸上部員Ａ「すごいね星空さん。記録更新だよ」

凛「ﾊｱﾊｱ　本当ですか」

陸上部員Ａ「うん。このままいけば次の大会ですごい記録が出せるよ」

陸上部員Ｂ「１年生なのにすごいよね」

陸上部員Ｃ「確かに。星空さんはわが陸上部の期待の星だね」

凛「ありがとうございます」

陸上部員Ａ「じゃあ少し休んだらもう一本ね」

凛「はい！」

凛（へへ。また記録伸ばしたにゃ）

凛（頑張って全国を目指すんだから・・ん？）ﾁﾗｯ


ヒデコ「ねえこの前出来た新しいお店行ってみない？」

ミカ「それって駅前の？」

フミコ「あそこってカワイイ系の服がメインのお店でしょ」

ヒデコ「そう。希たちの衣装の参考になるものがあるかなって」

フミコ「いいね。ことりちゃんもきっと助かると思うし」

ミカ「みんなに合うアイドルっぽいの見つけよっか」


凛「・・・アイドル」

凛「けど凛には・・」

～通学路～

凛「・・・」




《絵里「アイドルの衣装とか似合うと思うわよ」》


《希「アイドルに興味があるなら一緒にやってみない？」》




凛「でも・・凛には」




《陸上部員Ａ「このままいけば次の大会ですごい記録が出せるよ」》


《陸上部員Ｃ「星空さんはわが陸上部の期待の星だね」》




凛「うう・・」

海未「星空さん？」

凛「・・園田さん」

海未「どうしたんですか？元気がないようですが」

凛「園田さん。凛はどうしたらいいんだろ」

海未「陸上部とアイドルで悩んでる？」

凛「うん。前に凛は陸上で全国に行きたいって言ったよね」

海未「ええ。それに普段の練習も楽しんでいるようですし」

凛「楽しいよ。でもね凛はそれしかできないから」

海未「それって・・」

凛「昔からずっと短い髪で外で走り回るのが好きでさ」

凛「服も男の子みたいなものばっかり着てて」

凛「でも一度だけスカートを履いて学校に行こうとしたんだけど」

凛「途中で男の子にからかわれて。それから制服以外でスカートをはけなくなっちゃた」

凛「それから足の速さが褒められて陸上を続けてるんだ」

凛「陸上を逃げの道具にしてるんだよね」

海未「もしかして星空さんはもっと女の子らしくなりたいんですか？」

凛「うん。でも今更もう無理だよね。」

海未「そんなことありませんよ。今からだって出来ます。自信を持ってください」

凛「自信か・・園田さんはすごいよね。どんな時も自信があって」

海未「いえ、私はそんなんじゃ」

凛「話聞いてくれてありがとう。じゃあまた明日」

海未「星空さん！・・・行ってしまいました」

海未「自信があるか・・」

海未「そんなもの私にはありませんよ」


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ｿﾉﾀﾞｻﾝ､ﾜﾀｼﾀﾁﾄｲｯｼｮﾆｶｴﾗﾅｲ?

ｲｴ･･･ｿﾉ･･･ｺﾞﾒﾝﾅｻｲ


ｱﾚ?ｿﾉﾀﾞｻﾝﾀﾞﾖﾈ

ｱﾗ､ｺﾞｷｹﾞﾝﾖｳ･･･ﾌﾌ､ｷｮｳﾓｶﾐｶﾞﾐﾉｺｴｶﾞﾖｸｷｺｴﾏｽﾈ

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～


海未「ずっと逃げてきたんですから」

海未「周りからも・・・・自分からも」

待ってた

続き気になるなぁ。停学になったことり達の過去もそうだけど、雪穂に死亡フラグがたってて気になる

5-3.

～凛の家～

凛「・・・」

凛「やっぱり似合わないよね・・スカートなんて」

凛「凛にも園田さんや絢瀬さんみたいに自信があればな」

ﾋﾗｯ

凛「？ なんだろ。新聞の切り抜き？」

凛「！？これってあの時の」

・
・
・
・
・

――凛・小学生時代


凛（小学生）「・・・ねえ、アンおねえちゃん」ｼﾞｰ

アン「なーに？」

凛「この人たちなんで歌ってるの？」

アン「何でって。アイドルだから歌ってるんでしょ～」

凛「へー。そうなんだ」

アン「もしかして興味あるの？」

凛「にゃ！？ちがうもん」

凛母「ただいま。あらアンちゃんいらっしゃい」

アン「おじゃましてま－す」

凛「おかーさん。おやつはー」

凛母「すぐに用意するから先に手洗って来なさい」

凛「はーい」ﾀﾀﾀ

アン「・・・」

アン「・・・ねえ、おばさんお願いがあるの」

凛「しゅくだい・・やりたくないにゃー」

凛「けどおこられたくないし」ﾑﾑﾑ

凛「・・・とりあえずしんぶんのマンガ読もっと。えっと・・あっ！」

凛（さっきテレビにでてた人だ｡あいどる・・・かわいいなぁ）

凛（かおもかわいいし、それにおようふくもすっごくかわいい）

凛（でも、りんにはにあわないよね・・）

凛「・・・」

ｽｯ　ﾁｮｷﾁｮｷ

凛「・・・しゅくだいやらなきゃ」



凛母「もしもし、ちょっと買ってきて欲しいものがあるの」

待ってました

凛「きょうのごはんもおいしいにゃー！」

凛母「嬉しいわー。・・じゃあ今度はちゃーんとお魚も食べるのよ」

凛「う～・・おさかなはいやだにゃ～」

凛母「好き嫌いしてたら大きくなれないわよ！」

凛「だいじょうぶだもん！りんはいつかスーパーヒーローみたいに大きくなるもん！」

凛父「そうかそうかそれは楽しみだな。ああそうだ、凛にお土産があるよ。はい」ｽｯ

凛「わーい、ありがとー！何かな、何かな。・・えっ！？これってスカート？」

凛母「あら、かわいいじゃない」

凛「でもりんには・・」

凛母「凛、あなたは可愛いわよ。もっと自信を持ちなさい」

凛「・・・おかーさん」

凛母「確かに凛は元気いっぱいで男の子みたいだけど、あなたはお母さんたちにとっては天使のような女の子なの」

凛母「今日のアイドルを見て思ったんでしょ。もっと可愛い服を着たいって」

凛母「だから今日は凛が新しく生まれる日なのよ。もっと可愛くなれるね」

凛「なれるかなぁ」

凛父「大丈夫だよ。凛は可愛いんだから」

凛「あいどるみたいにも？」

凛母「もちろんよ。自信を持ちなさい」

凛「・・・うんっ！」

～翌日～

凛「じゃーん！」

アン「へー似合ってるよ～」

凛「ほんとかなぁ」

アン「信用ないな～」

凛「だってアンおねえちゃんはすっごくかわいいんだもん」

アン「そんなことないよ～。今のりんちゃんのほうがずっとカワイイよ～」

凛「うーん・・・ありがとっ！」

アン「じゃあ、わたしきょう日直だから先にいくね～」

凛「うん！またあとでねー！！」

凛「～♪」

凛の友達Ａ「りんちゃん、おはよー」

凛の友達Ｂ「おっはよー！」

凛「おはよー！」

凛の友達Ａ「あっ！りんちゃん、そのスカート」

凛「どうかな？」

凛の友達Ａ「すっごくにあってるよ！」

凛の友達Ｂ「うんうん。かわいいよ」

凛「えへへ///ありがとにゃ」



男子Ａ「あー！！」

凛「！？」ﾋﾞｸｯ

男子Ａ「ほしぞらがスカートはいてるじゃん」

男子Ｂ「ほんとだ、いっつもズボンなのにへんなのー」

凛「へ、へんじゃないもん！」

凛の友達Ｂ「そうよ。男子はだまってて」

凛の友達Ａ「りんちゃん、気にしなくていいからね」

男子Ｃ「でもにあわないもんなー。なっ？」

男子Ｂ「そうそう」

凛「りんはかわったんだもん・・あいどるみたいになるんだもん」

男子Ａ「あいどる？むりむり」

凛「なれるもん！！」

男子Ａ「むりだって、ほしぞらみたいにガサツで男みたいなやつがあいどるなんて」

男子Ｂ「たしかに！そうだきのうのテレビみた？」

男子Ｃ「みたみた。クラスのみんなにもきこうぜ」

ﾊﾊﾊﾊﾊ　　ﾊﾊﾊﾊﾊ

凛の友達Ｂ「ほんとっ、ムカつくわね。男子って」

凛「・・・・」

凛の友達Ａ「りんちゃん。だいじょうぶ？」

凛の友達Ｂ「男子のいうことなんて気にしなくていいって。そのスカートほんとににあってるから」

凛「・・りん、かえるね」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

凛の友達Ａ「りんちゃん！？」

凛の友達Ｂ「りん！まって！」

～凛の家～

ﾊﾞﾀﾝｯ　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

凛母「凛！？あなた学校は！？」

凛「えへへ・・わすれものしちゃって」

凛母「まったく・・ってその格好！？」

凛「やっぱりズボンがいいや・・・」

凛「おかあさん・・・りんはあいどるにはなれないよ」

――凛・中学生時代

凛（中学１年生）「制服・・慣れないなぁ」

凛の友達Ａ「凛ちゃん。次の授業体育だよ」

凛の友達Ｂ「早く着替えよ」

凛「うん。そうだね」



クラスメイトＡ「ねえねえ。これどう？」

クラスメイトＢ「おっ！もう夏の新作アイテム出てるじゃん」

クラスメイトＡ「このフレアスカートとか良くない？」

クラスメイトＢ「こっちのワンピースは？」

ﾜｲﾜｲ　ﾜｲﾜｲ


凛「・・・」

凛の友達Ａ「・・・凛ちゃん」

凛「早く着替えないと遅れちゃうね。行こ」

凛の友達Ａ「凛ちゃんってやっぱり足速いね」

凛「えっ？そうかなぁ？」

凛の友達Ｂ「だって今日の50ｍ走のタイムすごかったし」

先生「星空ー」

凛「先生？なんですか？」

先生「星空はまだ部活やってなかったよな」

凛「はい。まだ決めてませんけど」

先生「じゃあ陸上部に入ってみないか？」

凛「陸上部に？」

先生「ああ。その足なら全国でも通用できるし、それに・・」

凛「それに？」

先生「星空はどう見たって、100％アスリート向きのタイプだからな」

凛「！？」

凛の友達Ｂ「ちょっと！先生！！」

先生「うん？どうした？」

凛の友達Ａ「凛ちゃん、その・・」

凛（・・・やっぱりね）

凛「分かりました。先生、私陸上部に入ります」

先生「そうか！じゃあ後で入部届けを出すんだぞ」

凛「はい」

凛の友達Ａ「いいの？凛ちゃん？」

凛「うん。凛、走るの好きだし」

凛の友達Ｂ「凛、先生の言うことなんて気にするなって。凛は今でもずっとカワイ」

凛「やめて！！」

凛の友達Ａ・Ｂ「！？」ﾋﾞｸｯ

凛「もう分かってるから。凛は可愛くないって、どうみてもスポーツタイプだって」

凛「だからこれからは陸上部に入って青春を満喫するにゃ！」

凛「２人とも応援してね！」

・
・
・
・
・

――現在

ﾎﾟﾀ　ﾎﾟﾀ

凛「あれ？なんで・・」ｸﾞｽｯ

凛「・・・諦めちゃダメなんだ　その日が絶対来る・・・」

凛「ｸﾞｽｯ　もう分かんないよ」

～弓道場～

海未「急にお呼び立てして申し訳ありません」

絵里「構わないわ。けどどうしてこんな所に？」

海未「あまり人に聞かれたくないお話ですので」

絵里「・・・何かしら」

海未「実は、私の知り合いに本音を我慢している人がいまして・・」

海未「過去の経験のせいで一歩踏み出せないことが原因なのですが・・」

海未「もっと自信を持ってと言ったんですがダメでした」

海未「でもとても辛そうで見てられないんです」

海未「絢瀬さんはとても自分に自信があって、アイドルになる勇気も持っていらっしゃるので」

海未「何かアドバイスをいただきたいのです」

絵里「そっか・・・でも園田さん一つ勘違いしてるわ」

海未「勘違い、ですか？」

絵里「そう。私は真姫先輩みたいに自分に自信があるわけじゃないし、ことり先輩みたいに強くないわ」

絵里「そして、希先輩みたいに諦めない心も持ってない」

海未「ですが廃校阻止のためにあんなに頑張っていたじゃないですか」

絵里「あれは勇気じゃなくて無謀だった。今ではそう思えるの」

絵里「けどそんな私が変われたのは、１人じゃなかったから」

絵里「背中を押してくれる人と引っ張ってくれる人、自分を受け入れてくれる人がいたから変われたの」

海未「受け入れる人・・」

絵里「だからもっとそのお知り合いの人のこと知ってあげたらいいんじゃないかしら」

絵里「一緒に悩んで、一緒に頑張って、一緒に楽しむ」

絵里「それが音ノ木坂という場所よ」

海未「・・・・絢瀬さん。ありがとうございます！」

絵里「お役に立てたかしら？」

海未「ええ、もう悩むのはやめました。やるだけやってみます」

～翌日・屋上～

凛「うう・・どうしよう」

凛「 ”今日の放課後、屋上に参られたし。汝の運命を変えて見せよう”って変な手紙のとうりに来たけど」

凛「凛、何かしちゃったかな・・これって誰かに目をつけられたのかなぁ」

凛「でも無視したら後が怖いし・・・えい行くにゃ！」ｶﾞﾁｬ




凛「すいませーん・・手紙読んできたんですけど」

海未「お待ちしておりました。いえ、いらっしゃるのは遥か悠久の頃より存じてましたが」

凛「にゃ！？園田さん！？なんでレース被ってるの？それになんかジャラジャラしてるし・・」

海未「園田？フフ、何をおしゃっているのですか」

海未「私はこの世界におられる神々の代弁者」

海未「蒼の心眼者ですよ」

凛「ええー！！そ、園田さんがあの変な噂が立ってた、蒼の心眼者なの！？」

海未「変な噂・・はあー。まったく神代の理から外れ俗世に甘んじた異端者の言霊など意味をなさぬものを」

海未「まあ神と精霊の慈悲により私は ”神代りの天霊術”による天誅を下すつもりはありませんが」

凛「かみ？・・てんちゅう？」

海未「そんなことより、星の名を冠す少女よ」

凛「えっ？それもしかして凛のこと？」

海未「汝の悩み、変わりたいという願い。私の神霊術の力を持って解・・け・・」

凛「？・・・園田さん？」

海未「あああああああああ！！！もう無理ですー！！！」

凛「にゃあ！？」

海未「恥ずかしすぎます！何でこんなことをしてたんですかっ、過去の私ー！！」ｶﾞﾝｯ ｶﾞﾝｯ ｶﾞﾝｯ　

凛「ちょ、ちょっと園田さん落ち着いて。そんなに床に頭ぶつけたらダメだよ！？」

海未「ﾊｰ ﾊｰ　申し訳ありません。少し取り乱しました」

凛「少しじゃない気がするけど・・けど急にどうしたの？」

海未「以前言われたことの訂正の為です」

凛「訂正？」

海未「ええ。ご覧の通りこれが過去の私」

海未「自信がなくて逃げていた本当の園田海未です」

凛「え？どういうこと？」

海未「私は元々臆病な性格でした。友達も自分からは作れなかった」

海未「厳しい家の生まれによるストレスもあったのでしょう」

海未「自分を守る何かが欲しかった。分かってくれる存在が欲しかった」

海未「そして神や精霊といった空想の産物を相手にすることで満足してたんです」

海未「けど誰とも分かり合えなかった、いえ私のほうが分かろうとしませんでした」

海未「だから音ノ木坂では変わろうと思ったんです。過去を乗り越えて」

凛「過去を乗り越えて・・」

海未「だから過去に囚われて苦しんでいる星空さんを見過ごせないんです」

海未「私は何度だって言いますよ。星空さん、もっと自信を持ってください」

海未「あなたは自分が思っている以上に魅力的な人なんですから」

凛「けど凛にそんな勇気は・・」

海未「大丈夫ですよ。だって１人じゃありませんから」

凛「えっ？」

海未「私もまだまだ未熟です。ですから力を貸してください」

海未「私もあなたの力になりますから」

凛「凛はバカだから迷惑かけるし、力になれないかもしれないよ」

海未「構いませんよ」

凛「どうして？」

海未「あなたと友達になりたいからですよ、凛」

凛「こんな意気地なしとでも友達になりたいの？」

海未「ええ。それに意気地のなさなら負けませんから」

凛「へへ//ありがとう、海未ちゃん」


希「あれ？海未ちゃんに星空さん？何してるん？」

凛「東條先輩・・」

海未「凛、勇気を出して。自分の思ってることを言いましょう」

凛「凛は・・」

海未「ﾌﾌ」


トン 　


凛「あっ・・・よし、東條先輩！」

希「なにかな？」

凛「１年生の星空凛です。運動は得意だけどアイドルとかオシャレとかまったく詳しくありません」

凛「けどアイドルになりたいんです。新しい私になりたいんです」

凛「こんな私をアイドルに、Fortuneのメンバーにいれてくれませんか！」

希「顔あげてや。凛ちゃん」

凛「先輩？」

希「ようこそ、Fortuneへ歓迎するよ♪」

凛「ハイッ！」

海未「良かった」

真姫「で、あなたはどうするのよ海未？」

ことり「メンバーはまだまだ募集中だよ」

海未「でも私は自信ないですし・・ちょっと恥ずかしいですし」

絵里「言ったでしょ、引っ張てあげるって」

海未「絢瀬さん」

絵里「一緒に頑張りましょ、海未」

海未「ハイッ！よろしくお願いします」

海未ちゃん…

～数日後～

凛「急に押しかけてごめんね、アンお姉ちゃん」

アン「別にいいのよ。けど古くてもいいから服を貸してなんてビックリしちゃった」

凛「えっとね、笑わないでね」

凛「凛もう一度頑張ってみようと思うんだ。女の子らしい自分になるために」

アン「やっと一歩踏み出す気になったんだ～。よかったよかった」

凛「だからね今日は部活の友達とお買い物に行くんだ」

アン「部活・・陸上部だっけ」

凛「あ、陸上部はやめたんだ」

凛「先輩は残念がってたけど、正直に全部話したら応援してくれるって」

アン「じゃあ何の部活に入ったの？」

凛「まだ名前は決まってないけど、凛はスクールアイドルになるんだ」

凛「アイドルになって友達や先輩たちと学校を守るんだよ」

アン「そっか。ところで時間大丈夫？」

凛「わわっ！もう行かなきゃ。アンお姉ちゃんありがとう！」

アン「気を付けてね～」

～駅前～

絵里「ねえ海未、あなた大丈夫？」

海未「ひゃい！な、なにがでしょうか。べべ、別に友達との買い物が初めてで緊張してるわけじゃないのですよ」

絵里「いや、してるじゃない」

凛「お待たせー！」

絵里「おはよう、凛」

海未「お、おはようございます。凛」

凛「絵里ちゃん、海未ちゃん、おはようにゃ。じゃあ行こっか」ｷﾞｭ

海未「え！？どうして私の手を握るんですか？」

凛「だって凛も海未ちゃんの助けになるって決めたんだもん」

絵里「そうね。じゃあ私も」ｷﾞｭ

海未「絵里・・ありがとうございます。行きましょうか」

凛「よーし。女子力アップショッピングにいっくにゃー！！」

ﾌﾟﾙﾙ　ﾌﾟﾙﾙ

アン「もしもーし。こちらアンお姉ちゃんでーす」

？？？『何ふざけてるのよ、あんじゅ』

あんじゅ「ごめんごめん。急にどうしたの？ツバサ」

ツバサ『今度のレッスンで確認したいことがあったんだけど、やけに今日は機嫌がいいわね』

あんじゅ「ふふ。可愛い妹分の成長が見れたんだもの。機嫌もよくなるわよ」

ツバサ『はい？』

あんじゅ「なんでもないよ。で、レッスンのことだっけ？」




あんじゅ（スクールアイドルの頂点として待ってるよ、凛ちゃん♪）

まあアンって時点で
あんじゅだと思ったよ……

完全にフルハウス！

アンってそういう事だったかぁ……
でも、面白くなってきたやん！

蒼の心眼者でモリサマ思い出す

オリキャラだと思ってた

まだかな？

6-1.


希「番号ー。1！」

ことり「えっ！？ ２!」　

真姫「・・３」　

絵里「４」

凛「５！」　　

海未「６？」


希「よーし、全員おるね」

真姫「今の点呼必要なの？」

希「いや、ただのノリやから意味はないよ」

ことり「意味もないのにやっちゃうんだ・・」

希「けど３人から始まったのに今では６人になったんやなぁ」

真姫「そうね。努力は実を結ぶって実感できるわ」

絵里「あっ、６人になったということは部活動申請ができるんじゃ」

海未「そういえば。ということは」

凛「申請すれば部室がもらえるんだよね！」

希「その通り！じゃあ生徒会に書類出すからみんな名前書いてくれる？」

５人「はーい」

ことり「ねえ、希ちゃん。部の名前はどうするの？」

希「もう決めとるよ。部の名前は・・」

～生徒会室～

にこ「ごめん。日直の仕事長引いちゃって」

花陽「全然大丈夫だよ。おつかれさま」

にこ「おつかれって言われてもねー。まだ仕事はあるし・・ってなにこれ？」

花陽「部活の申請書だよ。ほらスクールアイドルをやってる」

にこ「へー、人数揃えたのね。で部室をあげたの？」

花陽「うん。えっと、この教室だよ」

にこ「・・・・そう。ここなのね」

花陽「その・・勝手に決めちゃって怒ってる？」

にこ「怒ってないわ。ただ、いいの？そこアイツらに貸して」

花陽「えっと、たぶん」

にこ「まったく。相変わらず煮え切らないわねー」

花陽「うぅ。ごめんなさい。でも大丈夫だから」

にこ「ふーん。まあいいわ。ほら仕事するわよ」

花陽「・・・うん」

～部室～

希「では、只今よりアイドル研究部の第１回ミーティングを始めます」

ことり・凛「わーい！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

海未「あの質問してもいいでしょうか？」

希「はい、園田君」

海未「君？いえ、そのどうして ”研究部”なんですか？ただのアイドル部でもいいのでは」

希「占いで出たんよ。カタカナと漢字を合わした名前が一番幸運を呼ぶって」

希「だから、一番語呂のいい字を選んで付けたわけ」

真姫「ふーん。まあ部の名前は置いとくとして、何を話し合うのよ」

希「では、第１回ミーティングの内容を発表します、それは掃除の担当決めです！」

凛「えっ？アイドルの話じゃないんですか？」

希「これから長い間使う教室やからね。きれいにして幸運を呼び込もうって思ってね」

絵里「確かにバレエをしていた時もレッスン場の掃除をしてダンスへの考えを強めてましたね」

海未「ええ。武道においても掃除は部屋だけでなく心と体を清める意味もありますからね」

真姫「そうね、ちょっと埃っぽいしやっちゃいましょうか」

ことり「担当かぁ。掃き掃除と拭き掃除とあとは・・」

海未「机やいすはありますし、それぐらいじゃないでしょうか」

真姫「じゃあ手分けして取り掛かりましょう」

凛「はー。早く体を動かしたいにゃー」

真姫「早く掃除すれば練習の時間がたくさん取れるわよ」

凛「そっか！よーし頑張るぞー！」

真姫「口より手を動かす」

凛「はーい。ところで真姫先輩ってオシェレに気を使ってるってほんとですか？」

真姫「急にどうしたのよ//まあ少しは流行とかも意識してるけど」

凛「すごいにゃあ。凛ももっとオシャレになりたいから色々と教えてください。真姫先生」

真姫「せ、先生！？も、もちろん構わないわよ///」

真姫「音ノ木坂の歩くトレンド、マッキー先生がたっぷりご教授してあげるわ///」ｶﾐｸﾙｸﾙ

凛「よろしくお願いしますにゃ」

凛（希先輩の言う通り、褒めたらすぐこっちのペースにはまってくれるにゃ）

凛（・・・年下に遊ばれるなんて、将来大丈夫かな）

ことり「海未ちゃんって雑巾絞るの上手いんだね」

海未「家に道場がありますから、自然と上手くなったんです」

ことり「へー。あっそうだ。ねえ海未ちゃん」

海未「なんでしょうか？」

ことり「この前の格好可愛かったから、もう一度見せてほしいなぁ」

海未「この前って、まさか」

ことり「蒼の心眼者の格好だよ」

海未「ダメです！！」

ことり「えぇ、どうしても？」

海未「あれは凛の為にやったんです。もう２度と着るつもりはありません」

海未「今度こそ完全に封印しましたので、ご要望には応えられません」

ことり「・・・ねえ、海未ちゃん」

海未「はい？」

ことり「だめかなぁ～？」

海未「はぅ//」

海未（な、なんですか、この脳を溶かされるような感覚は）

海未（まさか、ことり先輩も神に選ばれた神霊術師では・・じゃなくて！！）

海未（気をしっかり持つのです、園田海未。心頭滅却をすればこんな誘惑なんて・・）

ことり「・・・」ｽｩ

ことり「海未ちゃぁん、おねがぁい！」 ｳﾙｳﾙ

海未「ふわぁい//わかりましたぁ///」ﾄﾛｰﾝ

ことり「わーい！ありがとう！！そうだ。色々アレンジしてもっと可愛くしてあげるね♪」

ことり（海未ちゃんって真姫ちゃんよりも押しに弱いみたいだね）

ことり（えへへ//ことりの新しい楽しみができそうです）

絵里「ごみ捨てはこれで終わりですか？」

希「えっと・・うん。これでおしまいやね」

絵里「これでようやく雨の日でも練習ができますね」

希「せやね。部活になったから音楽室も借りれるようになったしね」

絵里「そういえば、部室の机や棚は希先輩が用意したんですか？」

希「え？うちは用意してないけど」

絵里「最近ってほどじゃありませんけど、わりと新しい物だったので」

希「もしかしたら、前にあの教室を使ってた部活の物かもしれんね」

絵里「勝手に使っていいんでしょうか？」

希「うーん。生徒会の人なら何か知ってるかもしれんし、今度聞いて確認してみよか」

絵里「ですね」



にこ「あっ、ここにいたのね」

希「副会長さん？」

にこ「ちょっと付き合いなさい」

～理事長室～

理事長「急に呼び出してごめんなさいね」

希「いえ、あのお話ってなんですか」

理事長「一つ確認したいことがあるの」

理事長「あなたたちが行っているスクールアイドル活動は本当に学校の為なのかってね」

希「もちろんです。学校存続の為に精一杯やるつもりです」

理事長「・・・その言葉を信じるわ。学校を代表することを許可します」

希「ありがとうございます」

理事長「ただし、学生の本分は勉強。学業を疎かにするようなら活動停止もありえることをわすらないように」

希「はい」

～廊下～

希「ふ～」

絵里「大丈夫でしたか？」

希「問題なし！これからは正式に活動できるよ」

絵里「やりましたね！」

にこ「まあ精々恥をかかない程度にやりなさいよね」

絵里「っ、そんな言い方しなくても」

希「絵里ちゃん、落ち着いて。な？ところで副会長さん」

にこ「なによ」

希「うちらが部室にもらった教室って前にどこかの部が使ってたことありますか？」

にこ「なにか問題でもあったの？」

希「いえ。机や棚が割と新しいものやったんで勝手に使っていいのかなって」

絵里「もしご存じなら許可をいただきたいんです」

にこ「・・・その必要はないわ」

希「え？それって」

にこ「以前その教室を使ってた部の人間はもういないわ。アンタたちが好きに使っても問題ないわよ」

絵里「そうですか。じゃあ使わせてもらいます」

希「ちなみに何の部活だったんですか」

にこ「どうしようもない部よ」

にこ「部員のことを守れない最低の部長がいたダメな部活よ」

～部室～

希「では、只今よりアイドル研究部の第２回ミーティングを始めます」

ことり・凛「わーい！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

真姫「この流れさっき見た気がするんだけど」

希「細かいことは気にしたらあかんよ」

希「さて、うちらがスクールアイドルを始めて結構経ったけど、まだ一曲しかＰＶを撮ってないんよね」

ことり「そうだよね。そろそろ次の曲も考えないと」

絵里「そのＰＶも誰が撮ったのかまだ分からないんですよね」

真姫「ライブをしたのは歓迎会の時だけ。あの時撮影ができた人なんていたのかしら？」

凛「ステージばっかり見てたからよく覚えてないにゃあ」

希「まあ考えてもわからないことは置いといて。・・・海未ちゃんはどうしたん？元気ないけど」

海未「いえ、何でもありませんよ。ただ己の未熟さを恥じてるだけなので」

真姫「・・・ことり。あなた何したのよ」

ことり「えぇ、真姫ちゃんひどいよぉ。ことりはなにもしてないよ。ね？海未ちゃん♪」

海未「は、はい。ことり先輩は何もしていません！」

真姫「・・・凛、絵里よく覚えておきなさい」

絵里「何をですか？」

真姫「希も面倒な性格してるけど、一番敵に回したら厄介なのはことりだってことよ」

凛「え？でもやさしいですよ」

真姫「ことりの趣味を知ってもそう言えるかしらね」

絵里「趣味ですか？」

真姫「気に入った子を着せ替え人形にして遊ぶことよ。身の危険を感じたらすぐ逃げなさい。いいわね」

絵里「ハラショー・・・分かりました」

希「はいはい。おしゃべりはそこまでにしてな」

真姫「そうね。しつこいようだけど海未。作詞は順調なの？」

海未「あっ、はい。もうほとんどできてるんですが・・・」

希「？ もしかして行き詰ってるん？」

海未「いえ・・その私も少しアイドルについての見聞を広めているのですが」

海未「Fortuneのセンターは希先輩で考えておけばよろしいのでしょうか？」

希「センターか。考えたことなかったなあ」

凛「え！？凛もそう思ってたんですけど」

真姫「希が言いだしたことだから自然とそうなってたけど」

ことり「ことりはそのままでもいいけど」

絵里「センターってグループの顔ともいえるポジションですし。ここは部長の希先輩のままでもいいんじゃないですか」

希「けどなあ。真姫ちゃんがやったらいいんとちゃう？うちより歌うまいし」

真姫「い・や・よ！センターなんて面倒じゃない。文句言わずにやりなさいよ」

ことり「そうだよ！希ちゃんのリーダーシップならセンターもできるよ」

海未「1年生の私たちでは荷が重すぎますしね」

絵里「希先輩なら信頼できますから」

希「みんながそこまで言うなら・・・よし！じゃあ、うちがセンターやります」

５人「わー！！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

希「じゃあもうすぐ中間テストやけど勉強と両立して頑張ろ―！！」

５人「おー！！」

凛「・・・・え？」

真姫「確か理事長が出した条件だったのよね」

希「うん。確かに勉強は大切やからね」


凛「・・・・・」


ことり「真姫ちゃんは学年首位だし、ことりと希ちゃんも問題ないよね」

真姫「けど油断大敵よ。ちゃんと復習もしないとね」


凛「・・・・・」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ


希「海未ちゃん達は大丈夫？」

海未「入学して初めての試験なので確約できませんが、毎日予習復習はしていますので問題ないかと」

絵里「そうですね。授業内容もしっかりと覚えてますから」


凛「・・・・・」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ　ｶﾞｸｶﾞｸ


希「そっか。2人とも問題ないなしやね。凛ちゃんは？」

凛「・・・・・」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ　ｶﾞｸｶﾞｸ　ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

希「凛ちゃん？」

真姫「凛、あなたもしかして」

凛「ごめんにゃさい！！凛は自信がありません！！」

ことり「うわっ！？凛ちゃん落ち着いて」

絵里「そんなにダメなの？」

凛「全部じゃないよ。ただ英語だけは苦手で・・」

海未「そういえば、英語の授業はいつも寝ていたような」

凛「海未ちゃんってばよく見てるね。照れるにゃあ///」

海未「照れている場合ですかっ！！赤点を取ったら活動停止かもしれないんですよ！！」

凛「は、はい！！」

真姫「仕方ないわね。絵里と海未に教えてもらいなさい。2人もそれでいいわよね」

絵里「はい。英語は得意なので」

海未「いいですかこれからテストまで毎日勉強しますからね」

凛「うぅ・・分かりました」

希「うちらも手伝うからね。ああ後の二人も分からないことがあったらいつでも聞いていいよ・・真姫ちゃんに」

真姫「ｳﾞｪｪ！？なんで私だけなのよ！！」

希「そりゃあ学年首位やし」

ことり「それに真姫ちゃんって先生とか似合いそうだし」

希「生徒に愛される人気教師！西木野真姫！しっかり勉強しないと冷たい火傷を教えちゃうぞ♪」

真姫「いきなり何言ってんのよ！！もう、イミワカンナイ！！」

～生徒会室～

花陽「よかったね。理事長が贔屓しなくて」

にこ「そうね」

花陽「でも、廃校阻止につながるかどうかは分からないね」

にこ「だから私たちもできることはなんでもやるのよ」

花陽「うん、そうだね。でも、にこちゃん」

にこ「なによ」

花陽「まずは赤点取らないようにしてね」

にこ「な、何言ってるのよ。生徒会の人間が赤点なんて取るわけないじゃない」

花陽「そっか。じゃあ今年は勉強教えなくてもいいんだね」

花陽「生徒の信頼を集めてる生徒会から補習を受ける人が出ないか心配だったけど、大丈夫そうだね」

にこ「・・・・お願いします。助けてください」

花陽「もう。にこちゃん！去年も同じこと言ってたよ。少しは反省してください！」

にこ「しょうがないじゃない！廃校問題とかで急に忙しくなったし、家のこともあって時間がなかったのよ」

花陽「私はちゃんとやってたよ。にこちゃんはもっと計画性を持ってください」

にこ「・・・・この前出来た定食屋さん」

花陽「」ﾋﾟｸｯ

にこ「とーってもお米に拘ってるんだって」

にこ「今勉強教えてくれた人にはーご馳走してあげてもいいんだけどなー」ﾁﾗｯ

花陽「も、もうしょうがないなぁ。どこが分からないの？」

にこ「わーい、ありがとう♪」

にこ「でも・・・涎は拭きなさい」

花陽「・・・はい」

待ってた

穂乃果の功績を希に持たせるとか本当希推しはやることが違いますなあ

生徒会メンバーがどうなるか気になる

こうなると、穂乃果が一番難しいな
家業だし、それ以外の家庭環境も少し違ってそうだな

6-2.

～部室～

凛「うー・・・もう無理にゃあ」

海未「まだ３０分しか経ってませんよ。ほら集中してください」

凛「でも、英語の教科書って変な呪文が書いてるみたいで訳わかんないんだもん」

絵里「そうね・・苦手な人からしたらそう思うわよね」

海未「ですが、苦手を克服しなければいけない時でもあります」

凛「克服したって絶対将来使うわけじゃないでしょ。だからやる気も出ないよ」

絵里「じゃあ、もし凛が英語の試験で６５点以上取れたら何か奢ってあげるわ」

凛「ホントに！？」

海未「絵里！そんなやる気の出させ方はどうかと思いますが」

絵里「今は凛のやる気を出させるのが第一。それに今回限りにするから大丈夫よ」

凛「ねえねえ。本当に何でも奢ってくれるの？凛ラーメンが食べたいんだけど」

絵里「もちろんよ！この私にドーンと任せなさい」

海未「ドーンとですか・・」<ｽｰﾝ

凛「ドーンとかにゃ・・」<ｽｰﾝ

絵里「ええ！ドーンとね！」<ﾄﾞｰﾝ

凛「・・・海未ちゃん。ここもっと教えて。絶対に奢ってもらおう」

海未「ええ、お財布が空になるまで奢ってもらいましょう！」

絵里「え！？ちょっと待って、なんでそんな親の仇を見るような目で見るの？ねえ？」

～アルパカ小屋～

ことり「はふ～♪」

希「相変わらずやね」

ことり「希ちゃんもおいでよ。ほんとに気持ちいいから」

アルパカ「メェ～」

希「いや～うちは遠慮しとくね。ってその水入れ空になってない？」

ことり「あれ？ほんとだ。うーん勝手に替えていいのかな？」ｽｯ

アルパカ（♀）「ヴルルルルル」

ことり「キャッ！？」

希「ことりちゃん！落ち着て。興奮させないようにゆっくり動いて」

花陽「あっ！２人とも大丈夫？」

ことり「生徒会長さん？」

花陽「よしよし。もう怖くないよ」

アルパカ（♀）「メェ～」

希「おお、まるでアルパカ使いやん」

花陽「驚かせちゃってごめんね。あの子たち臆病なところがあるから」

花陽「最近は私以外誰もお世話してないからかもしれないし余計に過敏になってたんじゃないかな」

希「あれ？でも普通は飼育委員がすると思うんですけど？」

花陽「私が1年生の時に飼育委員でお世話してたらすごく懐かれちゃって。そのままずっと続けてるんだ」

ことり「生徒会のお仕事もあるのに大変ですね」

花陽「好きでやってることだから大丈夫だよ」

花陽「ところでこんな所で遊んでてテストは大丈夫なの？」

希「うちらはちゃんと対策はしてきてるんで問題ないですよ」

ことり「真姫ちゃんが出題傾向を考えてくれたし大丈夫です」

花陽「そっか。せっかく部を立ち上げたのに活動停止にならないように気を付けてね」

希・ことり「ありがとうございます」

～３年生の教室～

にこ「花陽ー、いるー？」

穂乃果「にこちゃん？どうしたの？」

にこ「花陽がまだ生徒会室に来ないから探してるんだけど。どこに行ったか知らない？」

穂乃果「ごめんね。ちょっと分からないや」

にこ「そう。けどまだ穂乃果が帰ってないのって珍しいわね」

穂乃果「今日は日直だからね。早く終わらせて帰らないと」

にこ「家の手伝いもいいけどちゃんと勉強しなさいよ」

穂乃果「にこちゃんに言われてもなぁ」

にこ「どういう意味よ！」

穂乃果「ごめんごめん。けどちゃんと勉強もしてるから」

にこ「ねえ穂乃果、アンタ無理してないわよね」

穂乃果「無理なんてしてないよ。元気だけが取り柄だって言われるぐらいだもん！」

にこ「それはそれでどうかと思うけど・・」

にこ「とにかく受験生になったんだから体調管理もしなさいよね」

穂乃果「はーい」

にこ（本当に分かってるのかしら・・）

穂乃果「よし！日誌も書けたし帰ろっと」

にこ「穂乃果！困ったときは言いなさいよ。少しはアンタの立場分かるから」

穂乃果「にこちゃん・・・ありがとう！！」

穂乃果「にこちゃんも困ったら何でも相談してね！じゃあまた明日！」ﾀﾀﾀ



にこ「立場が分かるか・・」

にこ「家族の、妹の為に頑張りすぎなのよねアイツって」

～廊下～

真姫（残りの作曲は家に帰ってからやるとして・・）

真姫（問題の凛は大丈夫かしら・・）

真姫「・・・部室にいこ」

にこ「あっ」

真姫「げっ」

にこ「ちょっと人の顔見てそれはないんじゃない」

真姫「すいません」

にこ「まあいいわ。一応聞くけど花陽がどこにいるか知らない？」

真姫「生徒会長？いえ知りませんけど」

にこ「じゃあ見かけたら生徒会室に来るようにって・・」


花陽「あれ？にこちゃん何してるの？」

にこ「はあー。いつまでも生徒会室に来ない生徒会長様を探してたのよ」

花陽「うぅ、ごめんなさい」

にこ「まったく。ほら行くわよ」

真姫「あのちょっと待ってください」

にこ「なに？」

真姫「もう少し詳しく教えてくれませんか。以前部室を使ってた部について」

花陽「それは・・・」

にこ「気にする必要はないわ。アンタたちの活動には関係ないことだから」

真姫「けどやっぱり勝手に棚とかを使うのは気が引けて」

花陽「じゃあ生徒会から聞いとくってことでどうかな？」

にこ「そうね。それで納得しときなさい。行くわよ」

真姫「ちょっと！」

花陽「ごめんね。けど本当に気にしなくていいから」

真姫「・・・分かりました」

花陽「うん。あっ、一つだけ教えてあげるね」

花陽「その部活がなくなったのは１人の部員が部長やほかの部員に何も言わなかったから」

花陽「だから西木野さんたちは言いたいことは我慢せずに本音で言ったほうがいいよ」

花陽「じゃあスクールアイドル頑張ってね」

真姫「どういうこと？」

真姫（副会長は部長のせいで廃部になったって言ってたのに）

真姫（生徒会長は部員のせいで廃部になったって・・）

真姫「・・・何があったのかしら」

希「真姫ちゃーん！どうしたん？」

ことり「何か悩み事？」

真姫「！？何でもないわ」

希「じゃあ、早く部室に行こか」

真姫「そうね」

真姫（今はテストに集中して、後で相談するほうがいいわね）

～部室～

ことり「調子はどう？」

絵里「ご覧の通りです」


凛「もう飽きたー」

海未「ほらあと少しでこのページは終わるんですから、やる気を出してください」


真姫「海未って結構スパルタなのね」

絵里「熱意はあるんですけど、ありすぎるという感じで」

ことり「確かに」


希「・・・海未ちゃん、ちょっといい？」

海未「希先輩、なんでしょうか？」

希「海未ちゃんの得意科目ってなに？」

海未「得意科目ですか？そうですね、古典は得意なほうですが」

凛「古典！？あんなややこしいのが得意なの！？」

真姫「・・・ねえ凛、一つ確認してもいいかしら」

凛「なんですか？」

真姫「英語の勉強をすれば赤点は回避できるの？」

凛「大丈夫です・・・たぶん」

絵里「もしかして他の教科も危ないの？」

凛「いや、他の教科は英語ほどひどくないし、それに生物と体育は得意だから」

ことり「体育に筆記試験はないよね」

海未「はぁ。仕方ありません英語を重点的にやりながら他の教科も勉強しましょうか」

凛「もしかして海未ちゃんが全部教えるの？」

海未「当然です！」

凛「厳しすぎるよー」

希「じゃあ分担制にする？」

海未「分担制ですか？」

希「そっ。海未ちゃんが古典、絵里ちゃんが英語みたいに得意科目をお互いに教えあっていくってこと」

絵里「お互いってことは私たちも教わる側になるんですか？」

希「得意なものがあれば苦手なものもあるやん。みんなで協力して赤点回避しよ」

ことり「そうだね。みんなで教えあえば楽しく勉強できそう♪」

凛「凛もそのほうがいいにゃ」

真姫「それに海未にばっかり負担をかけるわけにはいかないもんね」

海未「そうですね。私も初めてのテストで不安がありますから、教えていただけるのはありがたいです」

絵里「私も教えてもらいたいことがあるんですけど、大丈夫ですか？」

希「決まりやね。じゃあテストまで残り一週間、勉強会で頑張っていこう！」

５人「おー！！」

～２週間後・部室～

希「うちらは赤点なしやったけど、１年生はどうやった？」

海未「私は問題ありませんでした」

絵里「私も大丈夫でした」

真姫「凛はどうだったの？」

凛「うぅ・・」

ことり「もしかして・・」

凛「もう少しで・・・ラーメン奢ってもらえたのに」

希「ラーメン？えっとそれってアカンかったの？」

凛「赤点はなかったのに・・・ラーメンが～」ｽｯ

海未「なるほど、６４点では確かに惜しかったですね」

ことり「どういうこと？」

絵里「英語の試験で６５点以上取れたら何か奢ってあげるって約束してたんです」

希「なるほどね。ねぇ凛ちゃん？」

凛「なんですか？」

希「勉強も頑張ったし、うちがラーメンご馳走してあげるよ」

凛「ホントに！？」

真姫「そんなに甘やかしていいの？」

希「まあ祝勝会ってことであかんかな？」

ことり「ことりは賛成かな？みんなでご飯とか食べたことないし、行ってみたいかも」

真姫「・・・まあ結束力を高めるってことならいいんじゃないかしら」

海未「でしたら凛におすすめの店を教えてもらいましょうか」

凛「いいよ！えっとね駅前の、あっでもあっちのほうが・・・」

真姫「それは後で聞いてあげるから先に練習しましょ」

絵里「そうですね。新曲のＰＶ撮影もしないといけませんし」

希「あっ、そうそう。みんなちょっとええかな」

希「うちな、あれから考えたんよ」

希「センターを任された以上今よりもしっかりせなあかんって」

希「けど今回の勉強会で分かったんよ」

希「一人でやるよりみんなでやるほうがいいって」

希「ちょっと難しいかもしれないけど、センターの役割をみんなで分け合わない？」

真姫「つまり全員がセンターの覚悟を持つわけね」

希「どうかな？」

凛「凛は勉強会をみんなでやって楽しかったよ」

凛「大変だったけど、１人でやるよりもずっと気が楽だった」

凛「アイドル活動もそうできたらいいと思うから、希先輩の意見に賛成です！」

絵里「私も賛成です。一人で背負う辛さと助け合える力を知ってますから」

海未「作詞をする身としては厳しいですが、私も賛成です」

希「２人はどう？」

ことり「ことりは賛成だよ。そのほうが楽しそうだもん」

真姫「私も海未と同じく厳しいと思うけど構わないわ」

真姫「それに、その考えだと私にもセンターになれる可能性があるんだもの」

希「ｸｽｯ　じゃあみんな賛成ってことで、みんなで一緒にセンターとして頑張る」

希「そして、廃校を阻止できるようにしっかりとやってこー！！」

５人「おー！！」

希「じゃあ練習、始めよっか」

～♪
　　
　　～♪

絵里「私たちの想いが集まれば～♪」


希「小さなちからだけど～♪」


ことり「わからないことだらけ～♪」


凛「少しずつでもいいんだね～♪」


真姫「つまずいたらどうする?～♪」


海未「笑ってみる? えがおで wai wai wai～♪」


希「だいじょうぶ　飾らずに素直な声で～♪」


全員「Someday いつの日か叶うよ願いが～♪」



全員「楽しみはまだまだ　まだまだこれから!～♪」


～♪
　　
　　～♪

～生徒会室～

にこ「ちゃんと活動はしてるみたいね」

花陽「新しいＰＶか・・すごいね」

にこ「全然ね。チームワークはいいみたいだけどそれだけね」

花陽「・・・ねえ、にこちゃん」

にこ「・・・なによ」

花陽「もし仮ににこちゃんが手伝ったら上手くなると思う？」

にこ「知らない。手伝う気はないもの」

にこ「それより、仕事を片付けるのが先よ」

花陽「・・・うん」

～部室～

海未「取れそうですか？」

凛「もう・・少し・・」


ｶﾞﾁｬ

希「やっほーって、なにしてるん？」

絵里「海未が消しゴムを落として壁と棚の間に入ったみたいで」

真姫「棚を動かしたほうが早いんじゃない？」


凛「よっし取れた！！ってなんだこれ？」

ことり「それって写真？」

海未「以前に部室を使ってた方たちのものでしょうか？」

凛「でもこれアイドルの写真みたいだよ。ほら」

絵里「確かに、でもこの人誰かに似てるような」

真姫「ちょっと見せて・・・えっ！？これって」

希「ちょっとー、うちにも見せてよー」

真姫「驚くと思うわよ」

希「驚く？もしかしてこの学校を卒業した有名人の写真とかかな。ってこの人！？」

ことり「？　どれどれ・・・あー！！」

海未「どうかしたんですか？」

希「このアイドルみたいな人って・・・生徒会長？」

おっ、来てた

待ってたＺＥ！

待っとりました

7-1.



━━夢と現実は同じもの

━━見るのは簡単だけど、失うのも簡単

━━希望になるけど、絶望にもなる

━━そんなものなら




━━━━夢なんてないほうがいい

～部室～

希「やっぱりこの写真の人は生徒会長やんな」

真姫「撮影日は・・・２年前ね」

ことり「今の３年生が１年生の時だね」

海未「写真を見る限りでは、生徒会長は私たちと同じスクールアイドルだったように思えますが」

絵里「けどあの生徒会長よ。いつも副会長の陰に隠れてるような人がアイドルなんて・・」

凛「陸上部の先輩も言ってたよ。今の会長は副会長の顔をいっつも見てるって」

ことり「じゃあ文化祭の時の写真かな？」

海未「ですが、その場合部室にあるのはおかしいと思います」

絵里「じゃあ演劇部・・・もなさそうだし」

真姫「・・・・ちょっと気になることがあるんだけど」

真姫「確か希は副会長から以前この部室を使ってた部の廃部理由を聞いたのよね」

希「うん。部長さんのせいで廃部になったって聞いたけど」

真姫「けど生徒会長が言うには部員せいで廃部になったらしいのよ」

ことり「あれ？どういうこと？」

絵里「片方が正しいのか両方が正しいのか、のいずれかだと思いますけど」

海未「しかし生徒会が正しい情報を把握してないのはおかしくありませんか？」

絵里「確かに・・そうね」

凛「うー。難しくてよくわからないにゃあ」

凛「そうだ！いっそのこと直接聞いてみたらどうかな？」

真姫「それで答えてくれるとは思わないけど」

希「けど、直接確かめるっていうも悪くないかもね」

ことり「えっ！？本当に聞きに行くの！？」

希「写真の生徒会長さんの格好も気になるし、ちょうどええやん」

希「それにもしスクールアイドルだったなら色々と教えてもらえるかもしれへんしね」

凛「おお！！新しいコーチができるってことだね！！」

希「その通り！！それに２人に聞いたほうがいいって、カードも言うてるしね」

真姫「・・・仕方ないわね」

海未「いいんですか？」

真姫「正直言うと私も気になってたしね」

真姫「それに生徒会との繋がりを強く出来れば活動のプラスになるかなって」

絵里「そうですね。ダンスや歌については今いるメンバーでできますけど。アイドル性となると・・」

ことり「ことりたちには足りてないよね」

ことり「あっ！でも海未ちゃんがいるから多少はあるよね」

海未「私ですか？恥ずかしながらそのような才能はないかと・・」

ことり「えっとね・・・」



海未『さあ、数多の神々に遣わされた歌姫からの祝杯を求むものよ』

海未『神聖なる蒼き愛の神弓より放たれる邪を滅する聖気を受け取るのです』

海未『 ”聖愛必射神弓！〈ラブアローシュート！〉”バーン♪』



ことり「ってこの前部室でやってたよね♪」

凛「あっそれ凛も見たよ。あの時の海未ちゃん、まさにアイドルって感じだったにゃあ」

海未「いやああああああああああああああああ！！！////」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ



絵里「ハラショー・・海未の中二病治ってなかったのね」

真姫「 ”病”って付いてるけど医学的な意味での病気じゃないから治るとかの問題じゃないのよね」

希「中学卒業してまだ一年経ってないしね」



海未「最悪です最悪です最悪です最悪です最悪です最悪です最悪です最悪です最悪です・・・・・・」

ことり「そうだ！もし生徒会長さんがスクールアイドルだったら海未ちゃんのアイドル性を評価してもらおうよ」

海未「フワッ！？」

凛「面白そう！凛もいっぱい海未ちゃんのアイドルっぽい所宣伝しますね」

ことり「２人で海未ちゃんの可愛さをみんなに教えてあげようね♪」

凛「はいですにゃ！」

海未「ちょ、ちょっと待ってください。そのようなことしないで下さい。お願いします！」

ことり・凛「えぇ～」

海未「絶対に嫌ですからね！・・・どうして忘れられないんですか。まったく」

ことり「・・！！ねぇ凛ちゃん、ちょっと」ﾋｿﾋｿ

凛「にゃ？・・・ﾌﾑﾌﾑ」

ことり・凛「ねぇ、海未ちゃーん」

海未「なんですか？・・ハッ！？」

ことり・凛「おねがぁい！」ｳﾙｳﾙ

海未「あっ、くっ、し、しかし・・///」

ことり・凛「だめぇ～？」ｳﾙｳﾙ

海未「ふぁ、わかりましたぁ///」

ことり・凛「イエーイ！！」ﾊﾟﾝ!

ことり「ふふ、ふふふ」

ことり（ふふん♪これで海未ちゃんのかわいい姿をたくさん見れそうだなぁ）

ことり（それに・・・最近凛ちゃんも懐いてくれてるし、上手くいけば２人とも！）

ことり（あぁ～ことりのおやつがいっぱいで幸せ～）



希「って思ってるんやろうな」

真姫「悪女ね」

絵里「悪女ですね」

希「うん、悪女やね」

海未「と、とにかく生徒会長さんにお話を伺いに行きましょう」

希「あっ！それならうちは別行動でもええかな？」

真姫「別行動？何する気よ」

希「もう一人の関係者に聞きに行こうかなって」

ことり「それって副会長さん？」

希「うん。なんか気になるんよね、あの人」

希「それに副会長さん目線からの話が聞けるかも知れんし」

真姫「そうね。じゃあ二手に分かれて聞きましょ」

ことり「６人いるから３人ずつでいいよね。希ちゃんもそれで大丈夫？」

希「うちは問題ないよ」

絵里「じゃあさっそく分かれましょう」


凛「うーん」

海未「凛？どうしたんですか？」

凛「ねぇ、この写真の生徒会長さんの顔が笑ってない気がするんだ」

海未「そうですか？私には素敵な笑顔に見えますが」

凛「違うんだ。だってまるで・・」

凛「ホントにやりたいことを我慢してる時の笑い方だもん。昔の凛みたいに」

～アルパカ小屋～

花陽「よいしょっと」


ことり「こんにちは」

花陽「あっ、こんにちは」

ことり「今日もお世話大変そうですね」

花陽「そんなことないよ。この子たちの顔見たら全然辛くないし」

ことり「確かに。癒されますよねぇ」

花陽「そうだねぇ」

アルパカ「メェ～」

ことり・花陽「はぁ～」


真姫「和んでるところ悪いけどちょっといいかしら」

花陽「ﾋﾟｬｯ!?な、なにかな」

海未「少し見ていただきたいものがあるんです」ｽｯ

花陽「写真？・・これって！？」

真姫「写っているのは生徒会長ですよね」

花陽「・・この写真どこで？」

ことり「部室の壁と棚の隙間に落ちてたんです」

真姫「私たちが何を聞きたいかもうお分かりですよね」

真姫「その写真と以前部室を使ってた部のことについて本当のことを教えてください」

～生徒会室～

にこ「アンタたちもしつこいわね」

希「探求心が強いって言ってもらいたいんですけどね」

にこ「前にも言ったでしょ。そのことについては話すつもりはないって」

絵里「では、生徒会長がスクールアイドルだったのかは教えてくれませんか」

にこ「さあ、どうだったかしら」

絵里「真面目に答えてください！」

凛「え、絵里ちゃん、落ち着いて」

希「凛ちゃんの言う通りや。絵里ちゃん、もうちょっと冷静になろうな」

絵里「・・・すいません」

にこ「用がないなら帰ってくれる？アンタたちと違ってこっち忙しいの」

希「その、ホントに教えてくれないんですか？生徒会長のこと」

～アルパカ小屋～

花陽「ごめんね。何度お願いされても教えられないんだ」

海未「それは生徒会としてですか。それとも生徒会長個人のお考えですか？」

花陽「両方かな？それと、にこちゃんの為でもあるかも」

真姫「これ以上聞いても無駄みたいね」

ことり「うん。そうだね」

花陽「そういえば、どうして部のことや私のことを聞きたがるの？」

真姫「仮に生徒会長がスクールアイドルだったら色々と教えてもらおうと思ったんです」

ことり「今の部員はアイドルに詳しい人が全然いないんで」

～生徒会室～

希「アイドルらしさとかを教えてもらえれば、うちらのパフォーマンスも上達するって考えたんです」

希「その為にお話を聞きたくて」

絵里「ダンスや歌だけではアイドルとしての成長はできないって思ったんです」　

凛「だから新しいコーチになってもらいたい　「いいかげんにしなさいっ！！」にゃあ！？」

にこ「アンタたちのくだらない遊びに花陽を巻き込まないで！！」

にこ「これ以上誰かの為だけにあの子を頑張らせるわけにはいかないのよっ！！」

にこ「教えるつもりはないって言ったでしょ！早く出ていきなさい。出てけっ！！」

絵里「え、ちょ、ちょっと」

凛「わわ、押さないで」

希「うわっ！こ、これだけは言わせてください」

希「うちらは遊びじゃなくて本気でアイドルをやってるんです！それだけは覚えていてください」

～アルパカ小屋～

花陽「分かったよ。本気だっていうのは信じるね。でも何も話すつもりはないから」

花陽「じゃあ練習、頑張ってね」

真姫「放課後は屋上で練習してるんです！それを見てくれればきっと私たちの考えが分かるはずです！」

花陽「・・・・」ﾀｯﾀｯﾀ



海未「来てくれるでしょうか？」

ことり「こればっかりは分からないね」

～生徒会室～

にこ「はぁ・・はぁ・・」

花陽「遅れてごめんね・・ってどうしたの？」

にこ「何でもないわ」

花陽「ほんとに？」

にこ「ええ・・・ふぅ。花陽、アイツらには絶対関わらないでよ」

花陽「あいつら？」

にこ「アイドル研究部の連中よ。いい、何を言われても無視しなさい」

花陽「さすがに無視はできないよぉ」

にこ「じゃあ上手くはぐらかしなさい。それならいいでしょ」

花陽「まぁ、それぐらいなら」

にこ「花陽は自分がやりたいことを第一に考えて行動しなさい」

にこ「自分のやりたいことに影響を与えない程度のことには力を貸すようにするのよ」

にこ「人がいいのは魅力的だけど、断ることも覚えなさい。分かった？」

花陽「・・う、うん」

にこ「絶対よ。じゃあ仕事しましょ」

花陽「・・・」


《真姫「放課後は屋上で練習してるんです！それを見てくれればきっと私たちの考えが分かるはずです！」》


花陽「・・・自分がやりたいこと」

～屋上～

<ﾜﾝ･ﾂｰ･ｽﾘｰ･ﾌｫｰ･････


花陽「・・」ｿｰ


海未「凛！ちょっと早いですよ！ことり先輩はもっと大きく動いてください！」

ことり・凛「はいっ！」


真姫「絵里、別に遠慮しないで堂々としていいのよ」

絵里「けど先輩よりも目立つわけには」

希「そんなこと気にせんでええんよ。全力でやらなきゃ見てくれる人に失礼やん」

真姫「それに、私たちが簡単に追い抜けると思ったら大間違いなんだからね！」

絵里「分かりました。もっと気合い入れていきます」


花陽「・・・」ｿｰ　

<ｷﾞｰ


希「うん？あっ、生徒会長さん！」

花陽「わっとと・・お邪魔かな？」

希「そんなことないですよ。見学ならもう少し近くで見てもいいですよ」

花陽「えっと・・いいのかな？」

真姫「こっちが誘ったようなものだから別に構わないですよ」

ことり「他の人の視線があればライブの本番と同じ緊張感が持てますから大歓迎です」

花陽「・・それじゃあ、見させてもらうね」

凛「よーし！今日はいつも以上に頑張るぞー！！」

絵里「頑張りすぎないように気を付けるのよ」

海未「お座りになるならこのシートをお使いください」

花陽「あ、ありがとう」

希「じゃあ練習再開しよか」

花陽「・・・」ｼﾞｰ


絵里「ここのステップはこうやって・・」

凛「こうかな？よっと」

絵里「そうよ。やっぱりセンスがあるわね」


ことり「もっと笑顔で踊ったほうがいいのかな？」

真姫「そうね。でも表情を意識しすぎて声量を下げないように気を付けるのよ」

ことり「了解です！」


海未「やはりダンスと武道では足運びが違うので少し違和感がありますね」

希「けど海未ちゃんは上手にできてるよね」

海未「失敗を恐れて手を抜かずにやるように心掛けてますから」


花陽「・・・」ｼﾞｰ

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

『そうそう！やっぱり花陽は才能があるのよ！』

『いい。アイドルはどんな時も笑顔を無くしちゃいけないのよ』

『失敗なんて気にする前に成功することを考えなさい』

『ほら自信を持ちなさい。にこがちゃんと手伝ってあげるニコ！』

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

希「生徒会長さん？どうしたんですか？」

花陽「えっ！？何が？」

希「だって泣いてるみたいなんで」

花陽「えっ、うそ」

希「うちら何か嫌な気分にさせちゃいましたか？」

花陽「そ、そんなことないよ。じゃあ私もう行くね」ﾀﾞｯ

希「あの、見に来てくれてありがとうございました」

真姫「急にどうしたのかしら？」

凛「もしかして凛たちのダンスに感動したのかな？」

ことり「それは違うんじゃないかなぁ」

絵里「あの時の会長、私たちを見ていなかったような気がするのよね」

海未「そうですね。心ここにあらず、という感じでした」

希「まるで何かを懐かしんでるような気がしたんよね」

真姫「懐かしいことって、この練習が？」

ことり「やっぱりスクールアイドルだったのかなぁ」

希「気になるなぁ。２年前のこと」

～花陽の家～

花陽「・・どうしよう」

花陽（話したほうがいいのかな・・・でも）

花陽（私だけのことじゃないし・・・でも）

花陽（こうやってウジウジしてるから、にこちゃんに心配かけるんだよね）

花陽「・・・にこちゃんもつらいんだよね」ｽｯ

花陽「スクールアイドルか・・」


《『アイドルはすごいのよ。悲しい人も笑顔に変えられるんだから』》


花陽「・・・よし」

～部室～

希「じゃあ今日も練習始めよか」

ことり「生徒会長さん、大丈夫かな」

絵里「気になりますけど調べる方法がありませんし」

真姫「・・・一つだけあるわ」

希「えっ！？どんな方法なん？」

真姫「２年前のことを知っているのは生徒会の二人だけじゃないわ」

真姫「他の３年生に聞けばいいのよ」

海未「３年生ですか・・あいにく弓道部には３年生がいませんし・・」

凛「今日は陸上部はお休みのはずだし・・」

希「他に話ができる人は・・・」

ことり「そうだ！高坂先輩に聞いてみようよ」

希「おお！確かにあの人なら快く教えてくれそうやね」

絵里「じゃあ、その高坂先輩に話を聞きに行きましょうか」


<ｺﾝｺﾝ


希「はーい。どちらさまですか？って」

花陽「少しいいかな？」

花陽「昨日は急に帰っちゃってごめんね」

希「いえ、その・・大丈夫ですか」

花陽「一つ聞いてもいいかな」

希「なんですか」

花陽「あなたたちは、Fortuneはアイドルとしてたくさんの人を笑顔にしたいと思っていますか？」

花陽「悲しんでいる人を助けられるアイドルとしての想いはありますか？」

希「うちらは音ノ木坂を廃校にさせたくないからアイドルを始めました」

希「人助けっていうのはよく分かりませんけど」

希「この学校にいる人たちをみんなうちらのファンにして楽しませたいとは思ってます」

希「みんなもそうやんね？」

真姫「当然でしょ。ファンがゼロなんて私にふさわしくないもの」

ことり「あはは・・でもことりもみんなが笑顔になったらうれしいな」

絵里「私もたくさんの人の笑顔でこの学校を包みたいと考えています」

凛「凛もみんなで楽しく歌ったり踊ったりできたらすっごくうれしいにゃあ」

海未「ここにいるメンバーの思いは同じです。私もたくさんの人を笑顔にしたいです」

花陽「・・・そっか」

花陽「その言葉を信じて教えてあげるね。２年前のこと」

花陽「私がスクールアイドルだった時のことを」

希「やっぱり、そうだったんですね」

花陽「そのかわりお願いがあるの」

花陽「私のことばっかりで自分をずっと責めてる人を」

花陽「にこちゃんを助けるのに力を貸してほしいの」

海未ちゃん・・・・

希マンセーの糞ss

7-2.

――2年前

花陽（１年生）「はぁ・・・」

花陽（今日もダメダメだったなぁ・・）

花陽（中学の頃の友達は別の高校に行っちゃたから新しく友達作りを頑張ろうと思ったのに・・）


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

――入学初日

先生『じゃあ次は小泉さん。自己紹介をお願いします』

花陽『ﾋﾟｬｲ!?・・えっと・・・こ、小泉花陽です。その・・えっと』

クラスメイト『・・』ｼﾞｰ

花陽『うぅ・・よ、よろしくお願いします』



――授業中

先生『次の文章を・・・小泉！』

花陽『は、はい！えっと・・・、・・・,・・・」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

先生『はい、そこまで』

花陽『・・はい』

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

花陽（これじゃあ友達なんてできないよぉ）

花陽（でも高校時代を一人ぼっちで過ごしたくないし・・何とかしないと）

花陽「まずは明るくならなきゃだよね。えっと・・”明るい性格になるには”っと」ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ

花陽「ふむふむ。”前向きな考えを持つ”、”素直になる”か・・」

花陽「・・・どうすればいいの？」

花陽（前向きで素直・・・自分のやりたいこと）

花陽「すぅ～はぁ～」

花陽「あ～♪あ～♪あ～♪・・・・」

花陽（小さいころからアイドルになりたいって思ってるけど・・やっぱり無理かなぁ）

花陽（あっ、また否定してる・・こんなじゃ・・）



にこ「へぇ、意外と声だせるじゃない」

花陽「ひぃ！？」

にこ「ごめんごめん。驚かせちゃったわね」

花陽「平気だよ。えっと・・や、矢作さん？だっけ？」

にこ「矢澤よ！や・ざ・わ！！矢しか合ってないじゃない」

花陽「ごめんね。その間違えちゃって」

にこ「まあ、いいけど。確か小泉さんよね、ってクラスメイトに聞くのも失礼よね」

花陽「そんなことないよ。私目立たないからみんなも注目してないと思うし」

にこ「・・・ねぇ名前なんて言ったけ」

花陽「？ 花陽だけど」

にこ「単刀直入に言うわ。花陽、アイドルになってみない？」

花陽「ええ！？ア、アイドル！？」

にこ「正確にはスクールアイドルっていうんだけど知ってる？」

花陽「うん。最近すごく有名だから・・でもどうして？」

にこ「さっきの歌声、ちょっと癖はあるけど磨けば相当の物よ」

にこ「上手くいけば、あのA-RISEに匹敵するものになるはず」

花陽「A-RISE！？そ、そんなの無理だよぉ」

にこ「確かにその性格じゃ難しいかもしれないわね」

にこ「けど安心しなさい！」

にこ「このスーパーアイドルプロデューサー・にこにーが最高のアイドルにして見せるわ♪」

花陽「で、でも・・・」

にこ「ほら自信を持ちなさい。にこがちゃんと手伝ってあげるニコ！」

花陽（・・・自信）

花陽「本当に大丈夫かなぁ？」

にこ「まっかせときなさい！花陽を生まれ変わらせて見せるから」

花陽「よろしくお願いします。矢澤さ、にこにーちゃん」

にこ「・・・矢澤にこだから、にこでいいわよ。っていうかそう呼んで」

～部室～

にこ「おっまたせー！！連れてきたわよ！」

部員Ａ「え！？見つけたんですか？」

にこ「もちろん！さ、入って」

花陽「し、失礼します」

にこ「にこと同じクラスの小泉花陽ちゃん♪歌うとすっごいんだから」

花陽「小泉花陽です。あの、にこちゃん。ここは？」

にこ「ここはにこが部長を務めるアイドル活動部！で、そっちが我が部の部員たち」

部員Ａ「よろしくね、小泉さん。みんな１年生だから気を遣わなくていいよ」

花陽「う、うん、ありがとう」

部員Ｂ「けどよく見つけられたね。アイドルになりたい人」

部員Ｃ「活動って名前なのに何もしないのは今日で終わりみたいだね」

花陽「活動してない？みんなはスクールアイドルじゃないの？」

部員Ｄ「はい。私たちはアイドルは好きですけど自分たちでやろうとは考えていないんです」

にこ「でも、みんなただ応援したりするだけじゃつまらないって考えたのよ」

にこ「そこで！自分たちで最高のアイドルを生み出していけばいいかもってことになったのよ」

部員Ｂ「だけどアイドルになってくれる子が見つからなくてね」

部員Ｃ「半ば諦めていたんだけど・・」

部員Ａ「小泉さんが来てくれてすごく感謝してるんだ」

部員Ｄ「大変かもしれませんが、私たちも精一杯サポートしますから頑張りましょう」

花陽「その、私はすごく引っ込み思案で恥ずかしがりやだけどアイドルは大好きです」

花陽「それにこんな自分から変わりたいと思っています」

花陽「いっぱい迷惑をかけるかもしれないけど、よろしくお願いします！」

部員Ａ「こちらこそ！よろしくね」

にこ「じゃあ早速練習始めるわよ」

花陽「練習って？」

にこ「決まってるでしょ。にこが考えたアイドル育成練習に決まってるにこ♪」

にこ「ほらーもう一周頑張りなさーい」

花陽「な、なんでこんなに走らなきゃいけないのぉ」

にこ「いい。アイドルはどんな時も笑顔を無くしちゃいけないのよ」

にこ「例え何曲も歌って踊った後でも次の曲ではまた笑顔で歌わなきゃダメなのよ」

にこ「だってアイドルはたくさんの人を笑顔にする存在なんだから」

にこ「アイドルはすごいのよ。悲しい人も笑顔に変えられるんだから」

花陽「そう、だね。よし頑張るよ」

にこ「よく言ったわ！じゃあ後三周追加ね。それから柔軟と体幹のトレーニングと・・・」

花陽「あ、あの・・にこちゃん？それ全部やるの？」

にこ「当然よ。さあとっとと始めなさーい！！」

花陽「ふえええ。ダ、ダレカタスケテー！！」

花陽「ら～♪」

部員Ｂ「やっぱり声きれいだね」

部員Ｄ「それに何だか妙にうっとりするような気が・・」

部員Ｃ「確かに・・こう脳が蕩けるような・・」

部員Ａ「後はライブができればいいんだけど」

花陽「ライブってほんとにやるの？」

部員Ａ「まあできるならやってほしいって思ってるけど・・」

花陽「ライブかぁ・・うぅ、考えるだけで緊張しちゃうよ」

部員Ｃ「けど実際やる機会がないもんね」


にこ「待たせたわね！！ビッグニュースを持ってきたわよ！！」

部員Ｄ「ビッグニュースですか？いったいどのような」

にこ「ふふふ、聞いて驚きなさい。来月の放課後に講堂でライブができることになったのよ！」

部員Ａ「ホントに！？すごいじゃん！」

にこ「それほどでもないわ。にこの交渉術さえあれば当然の結果にこ♪」

部員Ｂ「来月か・・あと三週間ぐらいだね」

部員Ａ「それまでに衣装と曲と振付を作らなきゃだけど・・小泉さんはそれで大丈夫？」

花陽「歌は覚えられると思うけど、振付は心配かも」

にこ「歌うのは花陽だけだから他のアイドルグループみたいにキツイものにはしないつもりよ」

にこ「とにかくアンタはどっしりと構えとけばいいのよ」

部員Ｄ「衣装などは私たちがやるますね。すごくかわいいのを作るから期待してて下さい」

部員Ｃ「曲はどうするの？」

にこ「吹奏楽部に知り合いがいるから頼んでみるわ。詞はみんなで考えましょ」

花陽「私も一生懸命頑張るね」

にこ「それじゃあライブに向けて行動開始よ！」

～中庭～

花陽「はあ～運動した後のご飯はおいしいなぁ」

にこ「それは結構なことだけど・・・その巨大おにぎりはなに？」

花陽「実はすごく美味しい昆布を見つけて、そのおいしさを一番引き出すお米と合わせて作った最高のおにぎりだよ」

にこ「食べ過ぎると太るわよ」

花陽「へ、へいきだよ。多分」

にこ「アンタねぇ。少しはアイドルとしての意識を・・」


穂乃果「そうだよね！ちょっと食べ過ぎちゃったぐらいで急に太るわけないもんね」

花陽「キャッ！？だ、だれ？」

穂乃果「初めまして、高坂穂乃果です。よろしくね！！」

花陽「小泉花陽です。えっと同じ１年生だよね」

にこ「隣のクラスよ。それにしても相変わらず無駄に元気よね」

穂乃果「そうかな。ところでアイドルって何の話？」

花陽「その、私スクールアイドルを始めたんです」

穂乃果「そっか。アイドルになってくれる人見つかって良かったね。にこちゃん」

にこ「まあね。今度ライブやるから見に来なさいよ」

穂乃果「うわー面白そう！分かった、楽しみにしてるね」

穂乃果「ライブ頑張ってね、花陽ちゃん」

花陽「うん！ありがとう、穂乃果ちゃん」

花陽「にこちゃんと穂乃果ちゃんって友達なの？」

にこ「ええ、花陽の前に一応勧誘したの。まっ、断られちゃったけどね」

花陽「そうなんだ」

にこ「家が老舗の和菓子屋らしくてね。その後継ぎとして勉強してるから忙しいんだって」

花陽「大変なんだね・・・そういえば、にこちゃんはどうしてアイドルをやらないの？」

にこ「そうね・・・現実を知ったのよ。自分の向き不向きがあるってことにね」

にこ「にこも昔はアイドルを目指していたわ。オーディションにも挑戦した」

にこ「けどね。そこで会っちゃたのよ、本物に」

花陽「本物？」

にこ「天性の才能の持ち主ってやつよ。正直見惚れたわその子の演技に」

花陽「それでアイドルになるのは諦めたんだね。でもどうしてプロデューサーって言ってるの？」

にこ「オーディションはいくつかのグループに分かれて審査されるんだけど、そのこと同じ組でね」

にこ「待ち時間中にすごく緊張してたみたいでね。ちょっとアドバイスしてあげたのよ」

にこ「とにかくにっこり笑顔でやってみればって」

にこ「そのあとはさっき言った通り。で、そのあとその子に言われたのよ」

にこ「『あなたのアドバイスで自信が持てた。ありがとう』って」

にこ「それまで夢をあきらめるか迷ってたんだけど新しい光が見えたの」

にこ「自分はプロデュースの才があるんじゃないかって」

にこ「それからはすっごく充実したわ。中学の文化祭での演出とかやったりしてね」

にこ「負けちゃったけど感謝してるのよ、その子には」

花陽「そんなことがあったんだね」

花陽「その後その子には会ったの？」

にこ「それっきりよ。名前も忘れちゃったし」

花陽「え！？そうなの？」

にこ「にこも緊張しまくりで余裕なかったから覚えられなかったしね」

花陽「でもそれだけすごい才能の持ち主ならすぐにわかるんじゃ」

にこ「有名な劇団とかを調べたけどいなかったわ。まあいつか出会えるわよ」

花陽「そうだね。でも見てみたいなその人の演技。それにきっと素敵な人なんだろうな」

にこ「確かにかなりかわいい子だったわね。けどにこと違って美人系になりそうな感じだったけどね」

にこ「そんなことより今度のライブ成功させるわよ」

にこ「花陽もみんなをメロメロにする気持ちで歌いなさいよね」

花陽「メロメロって言うのはよく分からないけど。自分が出せる力を全部出して頑張るよ」

花陽「私が元気いっぱいに頑張ればみんなも楽しんでくれる。人を笑顔にするって大変だけど楽しいね」

にこ「そうそう！やっぱり花陽は才能があるのよ！」

花陽「へへ///にこちゃん頑張ろうね」

にこ「もちろんよ！さあ今日もビシビシ指導してあげるからね」

花陽「はい！お願いします！！」

――ライブ当日

部員Ｂ「照明はＯＫだよ。音響は？」

部員Ｃ「問題なし！」

部員Ａ「さっき見てきたけどすごい見に来てくれてたよ」

部員Ｄ「残る問題は・・・」ﾁﾗｯ


花陽「ううううううううう」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

にこ「いつまで緊張してるのよ。もう始めるわよ」

花陽「だって失敗したらどうしようって思っちゃたら震えてきちゃって」

にこ「失敗なんて気にする前に成功することを考えなさい」

にこ「前向きに考えれば必ずいい方向に進むものよ」

にこ「ほら、にっこり笑顔を忘れちゃダメでしょ」

花陽「そうだね・・・よし！」

にこ「それじゃあアイドル活動部の小泉花陽のデビューライブを始めるわよ！」

５人「おー！」

～講堂～

にこ「大変長らくお待たせしました。只今よりアイドル活動部所属のスクールアイドル、小泉花陽のライブを開始いたします」

にこ「どうぞ楽しんでいってください」


ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　　　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

　　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　　　　ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


花陽（いける、大丈夫、自信をもって）

花陽（・・・・よし！）ﾊﾞｯ


ｳﾜｰ､ｺｲｽﾞﾐｻﾝｽｺﾞｲｶﾜｲｲ

ﾎﾝﾄﾀﾞ｡ｲﾂﾓﾄﾊﾍﾞﾂｼﾞﾝﾀﾞﾈ

ﾄﾞﾝﾅｳﾀｺﾞｴｷｶｾﾃｸﾚﾙﾝﾀﾞﾛｳ

ﾋｿﾋｿ　ﾋｿﾋｿ
　　
　ﾋｿﾋｿ　ﾋｿﾋｿ


花陽「・・・あ、ああ」（ダメだ足が・・）


～♪

　～♪

花陽「！？」（そうだ歌わなきゃ）

花陽「・・・が・・みた・・・」



部員Ａ「ねえ、ちょっと様子がおかしくない」

部員Ｄ「どうしました？・・あっ！」


花陽「・・・と・・・・くる・・」

花陽「・・・けちゃ・・・」


ﾈｴｷｺｴﾙ?

ｾﾞﾝｾﾞﾝｷｺｴﾅｲｹﾄﾞ

ｱﾚｯﾃﾎﾝﾄﾆｳﾀｯﾃﾙﾉ?

ｻﾞﾜｻﾞﾜ　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ

　ｻﾞﾜｻﾞﾜ　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ

　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ　　　ｻﾞﾜｻﾞﾜ


部員Ｂ「部長、これじゃあ」

部員Ｃ「部長！」

にこ「・・・花陽」



花陽（やっぱりダメだった・・・にこちゃん、みんな・・）

花陽「・・・ごめんね」

――数か月後

花陽「先生、課題のプリント持ってきました」

先生「うん、確かに。ご苦労さん」

花陽「クラス委員ですから」

先生「小泉は真面目だな。他の人がやらないことを進んでやるんだから」

花陽「・・失礼します」



花陽「・・・」ﾃｸﾃｸ


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

生徒Ａ『ねえ昨日のライブ見た?』

生徒Ｂ『小泉さんの？見たよ。でも全然歌聞こえなかったよね』

生徒Ｃ『考えてみれば小泉さんってあまり自己主張しないほうじゃん。なんでライブしたんだろ』

生徒Ａ『なんか矢澤さんが誘ったらしいよ』

生徒Ｂ『矢澤さんっていっつも騒いでるんだから自分がやればいいのに』

生徒Ｃ『小泉さん、あの後すごく泣いてたらしいよ』

生徒Ａ『かいわいそうにね。目立ってない部活のピエロにされたみたいじゃん』


にこ『・・おはよ』


ﾋｿﾋｿ　ﾋｿﾋｿ

　ﾋｿﾋｿ　　ﾋｿﾋｿ


花陽『ねえやめてくれない？』

生徒Ｃ『でも小泉さんが一番つらいんじゃ』

花陽（にこちゃん・・ごめんね）ﾁﾗｯ

花陽『違うよ。目立ちたがってたのは私だよ』

花陽『人気者になりたくてにこちゃんたちを頼ったの』

にこ『なっ！？』

花陽『一番みんなに迷惑を掛けたのは私だから』

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

花陽（それ以降ずっと委員長や代表になってる・・）

花陽（みんながやらないことをやっておけば目立ちたがりだと思われ続ける・・）

花陽（そうすれば、にこちゃんも部のみんなも傷つかずに済む・・）


にこ「・・花陽」

花陽「！？・・にこちゃん。どうしたの？」

にこ「最近部室に顔出してないじゃない。どういうつもりよ」

花陽「ごめんね。忙しくて」

にこ「・・なにが忙しいよ」

にこ「今やってることもアンタ一人でやる必要はないでしょ！！」

にこ「どうして花陽だけが貧乏くじを引く羽目になってるのよ！！」

にこ「あのライブが失敗したのは花陽の精神状態をちゃんと見てなかったにこのせいでしょっ！！」

にこ「にこのせいだって言いなさいよ！！」

花陽「にこちゃん違うよ。あれは花陽が悪いんだ」

花陽「可愛い衣装や素敵な歌を作ってもらったのに何もできなかった私のせい」

花陽「それとこれ」ｽｯ

にこ「・・・退部届」

花陽「こんな形でやめちゃってごめんね」

花陽「ほんとに・・・ごめんね！」ﾀﾀﾀﾀﾀ


にこ「なんで何も言わないのよ・・・」

にこ「言ってくれいないと余計につらいじゃない」ﾊﾞﾝ

穂乃果「にこちゃん、どうしたの？」

にこ「ｸﾞｽｯ　な、何でもないわよ」ｺﾞｼｺﾞｼ

穂乃果「花陽ちゃんのことかな」

にこ「自分が悪いから全部背負い込むなんて意味が分からないわ」

穂乃果「私は分かるな、その気持ち」

にこ「どういうことよ？」

穂乃果「だって私は・・・・」

～部室～

部員Ａ「ごめんね部長。もう私たち辛くて」

部員Ｂ「私たちだけで楽しむわけにはいかないから」

にこ「・・そうね」

にこ「本日をもってアイドル活動部は解散します。部長の力不足のせいでごめんなさい」

部員Ｃ「そんなことないよ」

部員Ｄ「私たち全員の責任ですから」

にこ「各自私物は順次持ち帰ってね。それから今度部室の掃除をするからもう一回集まってね」

にこ「みんな、お疲れさまでした」

にこ「・・・・」



《穂乃果「だって私は花陽ちゃんと同じだから。私が頑張らないといけないから」》



にこ「なによ・・」

にこ「みんな不器用すぎるのよ」

――現在

花陽「そして二年生の秋に生徒会長になったの」

花陽「にこちゃんは内申点の為に副会長になったって言ってたけど、たぶん私を守るためだと思うの」

花陽「今度こそ私の力に、私だけが辛い思いをしないために」

希「そんなことがあったんですか」

真姫「副会長が私たちにきつく当たる理由も分かったわね」

ことり「きっとやさしい人なんだよ。ことりたちが同じ目に合わないようにわざと悪役になってるんだよ」

花陽「Fortuneのみなさんにお願いします。にこちゃんの笑顔を取り戻す力を貸してください」

海未「私たちは構いませんが・・」

絵里「けどなんていうか何かが違う気がしてて・・」

花陽「違う？」

凛「凛たちがやってもいいんですけど・・」

希「生徒会長さん、うちらはライブをやることには反対しません」

希「けど、うちらじゃ副会長さんの笑顔を取り戻すことはできません」

花陽「ど、どうして」

希「アイドルは見てる人を笑顔にする存在なのは同感です」

希「でも今度はそれだけじゃ足りない」

希「本当は分かってるんやないんですか？副会長の心を動かせるものが何なのか」

花陽「・・・分かってるよ」

花陽「分かってるけど逃げ出しちゃいそうになるんだよ。あの時のことが忘れられないから」

花陽「私は皆さんと違って１人だから・・」

真姫「１人じゃないわ。今度は私たちがいますから」

凛「生徒会長さんがピンチの時は凛たちがすぐに駆けつけますにゃ！」

花陽「で、でも・・」

絵里「私たちって結構お人好しみたいなんですよ。困っている人は絶対にほっとけないくらいに」

海未「直接思いを届けるのは生徒会長ですが、その支えぐらいにはなれるつもりです」

ことり「だから勇気を出してください。絶対に成功させますから」

花陽「みんな・・」

希「うちらは準備万端です。あとは生徒会長が、花陽先輩が決めてください」

花陽（自信をもって、成功することを考えて、そうすれば）ｸﾞｯ

花陽「Fortuneのみなさんに改めてお願いします」

花陽「にこちゃんの笑顔の為に私のライブのサポートをしてください！！」

希「了解しました。じゃあ色々決めなあかんね」

真姫「そうね。あまり時間をかけるわけにはいかないから曲もそれを意識しないと」

海未「思いを届けるならバラードのようなものがいいんでしょうか」

ことり「衣装もそれに合わせないといけないね」

花陽「あの、ちょっといいかな」

希「どうしましたか？」

花陽「歌なんだけど、これじゃダメかな？曲はないんだけど」ｽｯ

真姫「ちょっと失礼・・・・・・うん、悪くないわ」

凛「どれどれ・・おー、すごくいい感じな歌詞だよ」

海未「これなら今回の件にもぴったりですね」

絵里「あとはどうやって副会長をライブに呼ぶかですけど・・」

希「そこは生徒会長さんに頑張ってもらわなね」

花陽「うん。何とかしてみるね」

希「明日は土曜日か、できれば週明けにもできたら一番なんやけど」

花陽「私は大丈夫だよ。今必要なのは上手いことじゃなくて思いを伝えることだから」

真姫「ピアノ伴奏だけならすぐに曲はつけれるわ」

ことり「衣装は手伝って欲しいかもだけど、頑張るね」

希「それじゃあ副会長の笑顔を取り戻すライブ開催作戦開始―！！」

６人「おー！！」

～週明け・講堂～

にこ「花陽ー、講堂の確認作業って何やるのよー。っていないし」

にこ「今朝もコソコソしてたし何なのよまったく」


ヴｨｰｰｰｰｰｰｰｰｰ…


にこ「へ？」


希「大変長らくお待たせしました。只今より小泉花陽のライブを開始いたします」


にこ「ライブ？花陽の？え？どういうこと」


ｺﾂｺﾂ　ｺﾂｺﾂ

にこ「花陽！？アンタその格好」

花陽「にこちゃん、あの時はごめんね。今度はちゃんと届けるから」


真姫「」ｽｯ



～♪

　～♪

花陽「出会いがわたしを変えたみたい　なりたい自分をみつけたの～♪」

花陽「ずっとずっとあこがれを　胸の中だけで育ててた～♪」



にこ「・・・」



花陽「あきらめかけた時　ささえてくれた　優しい手のそのぬくもり好きだよ～♪」


～♪

　　～♪

花陽「ありがとうってあふれ出してくる…」

花陽「ありがとう」

花陽「嬉しくて嬉しくて幸せすぎると　　泣けちゃうのごめんね～♪」

～♪

　　～♪

にこ「花陽・・・」

花陽「あの時は謝るしかできなかったけど本当はこう言いたかったんだ」

花陽「にこちゃん、私の夢の為にありがとう」

花陽「にこちゃんのおかげで夢が叶ったよ」


にこ「・・・全然だめよ、まだまだよ」

にこ「忘れたの・・アイドルは笑顔じゃなきゃダメなの」

にこ「だから、泣いてるようじゃまだまだよ」

花陽「グスッ、そう、だね。まだまだだね」

にこ「ｸﾞｯ　そう、よ。まだまだなんだからね」

希「にこ先輩」

にこ「東條・・」

希「にこ先輩、うちらのメンバーになってくれませんか」

にこ「私は花陽みたいに歌は上手くないわよ」

ことり「歌の上手さじゃなくてにこ先輩のアイドルへの思いを分けてほしいんです」

希「うちらに力を貸してください。Fortuneの８人目として」

にこ「８人目？でもアンタ達のメンバーは・・」


希「１！」

ことり「２!」　

真姫「３！」　

絵里「４！」

凛「５！」　　

海未「６！」


花陽「７！」


にこ「！？・・ふふ」

にこ「８！！」

希「これがFortuneの全メンバーですけど問題ありますか？」

にこ「言っておくけどアイドルの道は厳しいわよ」

海未「覚悟はできています」

にこ「そう、じゃあ行くわよ」

ことり「行くってどこに？」

にこ「決まってるでしょ。練習よ！」

にこ「アンタたちを最高のアイドルにしてあげるわ！」

にこ「それと花陽もちゃんと元の体力に戻しなさいよね！」

花陽「うん！！」

真姫「騒がしくなりそうね」

凛「けど何だかワクワクするにゃあ」

絵里「負けてられないわね」

にこ「ほら！早くついてきなさい」

にこ「にこのスペシャル特訓を始めるんだから♪」

～中学校～

亜里沙「フン♪フフン♪」

ﾄﾝﾄﾝ

亜里沙「？あっ！おはよう雪穂！！」

雪穂「おはよ。また見てるの？」

亜里沙「うん！亜里沙、Fortuneのことが大好きだもん」

雪穂「確かお姉さんがいるんだっけ？」

亜里沙「そうなの！でも亜里沙はやっぱり真姫さんが一番なんだ」

亜里沙「まるでキラキラ輝くお星さまみたいだから！ねえ雪穂は？」

雪穂「・・・太陽かな」

亜里沙「太陽？」

雪穂「もうずっと見てないからさ。心の底まで照らしてくれる太陽を」

亜里沙「雪穂、何の話？」

雪穂「何でもないよ。ところで今日の宿題やった？」

亜里沙「あっ！分からないところがあったんだ。ねえ教えてくれる？」

雪穂「いいよ。どこどこ」

━━━太陽が見えない

━━━ずっと雨が降っているから

━━━声が届かない

━━━あなたの心はずっとふさがっているから

面白いな

なわとびで泣いてもうた…
乙です

面白いです

穂乃果と雪穂に一体何があったのか

8-1.

pipipi

pipipi


穂乃果「うーん・・３時か・・起きなきゃ・・」



～穂むら・厨房～


穂乃果「ふぁ～あ・・・おはよう・・」

ほのママ「おはよう。ねえ穂乃果、無理に起きてこなくてもいいのよ」

穂乃果「無理なんか・・・してない・・よ・・ふぁ～あ」

ほのママ「欠伸してるじゃない・・」

ほのママ「はあ～。手伝ってくれるのはうれしいけど、あなたは受験生なのよ」

ほのママ「体調崩しちゃ大変だし、それにお父さんと二人でも十分仕込みはできるからね」

ほのパパ「・・」ｺｸｺｸ

穂乃果「だって、穂むらの味と伝統を覚えなきゃだめだってお父さんが言ってたもん」

ほのママ「・・・あなた」ﾁﾗｯ

ほのパパ「！？」ｲｿｲｿ　ｺﾞｿｺﾞｿ

ほのママ「まったく。確かにお母さんもその努力はうれしいわ」

ほのママ「けど、学校で勉強するほうが大切だから仕込みは毎日手伝わなくてもいいわよ」

穂乃果「はーい。でも店番は必要でしょ。放課後なら時間を気にしなくていいし」

ほのママ「そうね。どちらかというとそっちの方の手伝いが欲しいかしらね」

ほのママ「でも穂乃果ばっかりにさせるのも悪いから、偶には雪穂にも手伝ってもらえば・・」

穂乃果「それはダメ！！」

ほのママ「ほ、穂乃果？」

穂乃果「穂乃果がやるって決めたことだから全部やるよ」

穂乃果「それに雪穂には音ノ木坂に入ってもらいたいからちゃんと勉強の時間をあげないとでしょ」

ほのママ「それは穂乃果も何じゃ・・」

穂乃果「私は大丈夫！さてと、目も覚めたし仕込み手伝うね」

穂乃果「ええと、こっちがお饅頭用で、こっちが・・・」


ほのママ「穂乃果・・」

ほのパパ「・・」ｸﾋﾞﾌﾘﾌﾘ

ほのママ「やっぱり、引きずってるのねあの子」

ほのママ「それに・・雪穂も」



雪穂「・・・・」ｼﾞｰ

雪穂「・・・・お姉ちゃんのばか」

～屋上～

にこ「これが今までの練習メニューなわけね」

希「はい。ダンスや運動経験のある絵里ちゃんや海未ちゃん、あと音楽に詳しい真姫ちゃんの意見を合わせたんですけど」

にこ「悪くないわ。体調管理もきちんと考えられてる」

にこ「でも、言っちゃ悪いけどアスリート用とも取れるわね」

ことり「アスリートですか？」

にこ「そうよ。確かに体力づくりは重要よ。でもアイドルなんだからそれを意識した練習も必要なの」

海未「ではどのような練習が必要なのですか？」

にこ「アイドルの世界はいわば戦国の世と同じと言われてるわ。その中で勝ち続ける方法はただ一つ・・」

希「その方法って・・」

にこ「キャラ作りよ！」

凛「キャラ？どういう意味ですか？」

にこ「今からにこが昔使ってたのを見せてあげるわ」ｸﾙ

にこ「すぅ～・・はぁ～・・」ﾊﾞｯ!


にこ「にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこにー♪笑顔届ける矢澤にこにこー♪にこにーって覚えてラブにこー♪」


にこ「どう？分かったかしら」

ことり「どうって・・ねえ？」

希「うん・・・」

凛「ちょっと寒くないかにゃあ」

にこ「なにが寒いですって！！」

凛「いや、その・・そう！今日はちょっと寒くないかなって。ね！」

にこ「今明らかににこのほうを見て言ってたでしょうがっ！！」

凛「にゃにゃにゃ！？う、海未ちゃん助け・・」


海未「なるほどキャラ作りとは決め台詞のようなものですか」

海未「つまり自らの真名のみならず依代の名を神言の如く告げていく・・」


凛「また中二モードになってるにゃあ！！」

にこ「凛、ちょうどいい機会だからアンタにはアイドルとしての心意気をたっぷり教えてあげるわ」

凛「え、遠慮しまーす・・ダッシュにゃ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

にこ「こらー！待ちなさーい！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


希「いやぁ、随分賑やかになったもんやね」

ことり「騒がしくして怒られないといいけど」

<ｶﾞﾁｬ


真姫「ちょっと、何騒いでるのよ」

絵里「階段まで声が届いてましたけど」

希「んー・・いつものことやん」

真姫「またあの二人が騒いでたのね。まあ想像はついてたけど」

ことり「仲良しなのはいいんだけど、元気がありすぎるんだよね」

真姫「要するにバカコンビなのよね。しかも精神年齢が同じくらいの」

絵里「ふふ。確かにそうですね」

にこ「ちょっと今聞き捨てならないことを言われた気がしたんだけど」

真姫「気のせいですよ」

にこ「ホントにー？」

真姫「ええ、気にしないでください。せ・ん・ぱ・い」

にこ「その言い方はバカにしてる言い方でしょうが！！」

希「まあまあ、２人とも落ち着いて」

ことり「花陽先輩がまだだけど先に柔軟始めようよ。ね？」

にこ「・・・分かったわよ」

絵里「あの、その前に見てほしいものがあるんですけど」

希「おお！ランクが上がってるやん」

凛「すごいにゃあ！凛たち人気者だね」

海未「ええ。にこ先輩と花陽先輩の加入で注目度が上がったみたいですね」

にこ「まあ当然ね。このにこが目を付けた花陽がいるんだもの。人気が上がるのも当然よ」

ことり「ははは・・。でもランクなら今見なくてもいいんじゃないかな」

希「確かに。練習の後でも良かったんやないん？」

絵里「いえ、実はこれだけじゃないんです。でも私たちじゃよく分からなくて」

真姫「にこ先輩に見てもらいたいんです」

にこ「にこに？アイドルの情報とかなの？」

絵里「アイドルの情報というか・・それに関係するものというか」

にこ「もう、はっきり言いなさいよ」

真姫「そうね。じゃあ聞きますけど、『ラブライブ！』って何ですか？」

にこ「ららららら、ラブライブ！？」

凛「ラブライブってなんだろ？」

海未「名前から考えるにライブのことでしょうか」

にこ「あ、アンタたちどこで聞いたのよ！？」

絵里「スクールアイドルのホームページに書いてあったんです。えっと・・あっ、ここです」

希「何々・・『第一回ラブライブ！開催決定！！』ってことは何かのお祭りみたいなもんかな？」

にこ「お祭りなんかじゃないわ！いえ、お祭りかもしれないわね」

真姫「・・どっちなのよ」

ことり「にこ先輩は知ってるんですか？」

にこ「はあ！？当然でしょ。ていうかアンタたちが知らないことにビックリよ」

希「そんなに有名なんですか？」

にこ「しょうがないわねぇ。今から教えてあげるからちゃんと聞きなさいよ」

にこ「『ラブライブ！』っていうのは随分前から噂されてたスクールアイドルの頂点を決める大会のことよ」

にこ「このスクールアイドルランキングに登録しているグループによるアイドル戦争といっても過言ではないわ」

海未「頂点を決める・・。つまり高校野球の甲子園と同じようなものでしょうか？」

にこ「そう考えてもらってもいいわ。とにかくスクールアイドルである以上誰もが憧れる夢の舞台なのよ」

凛「そんな大会が開かれるんだ。スゴイにゃ！」

絵里「第一回ということは出場することはすごい名誉なことね」

にこ「当然よ！大会は何時かしらね・・・花陽も見たがるからチケットは最低二枚は必要ね・・あとグッズも・・」

希「大会に出れば名誉なこと・・つまり」

真姫「希？どうしたの？」

希「ねえ、うちらも出てみない？ラブライブに」

にこ「なななななな、何言ってんのよ！？本気なの！？」

希「本気ですよ。やってみてもええんと違いますか」

ことり「けど、ことりたちが出場できるのかな？」

絵里「そうですね。難しいかもしれないですね」

希「確かに難しいかもしれへんね。けどこれは何か運命的なもんやと思うんよ」

海未「運命ですか？」

希「そう。うちらがスクールアイドルを始めた時に開催が決定になった」

希「誰にも支持されてなかったうちらがここまで来れた」

真姫「こっそり支持したり、勝手にＰＶを上げてた人もいたけどね」

凛「いや///ちょっと恥ずかしくて」

にこ「悪かったわね」

希「ｸｽｯ とにかく今回のことはチャンスやと思うんよ。うちらがもっと上を目指せる」

希「”Fortune”、運命っていうグループ名としてはやってみるべきやと思うんよ」

希「それに大会に出れば学校のことを知ってもらえて廃校も阻止できるかもしれへんしね」

ことり「そっか！大会に出ればことりたちだけじゃなくて学校の名前も知ってもらえるんだね」

海未「加えて良い成果を残せばもっと効果があるかもしれませんね」

希「カードもそう言ってるし、どうですか？」

にこ「確かに、悪くないわね」

真姫「私は賛成。目標があったほうが練習もはかどるしね」

絵里「私も賛成です」

凛「凛も賛成！みんなの前で歌ったり踊ったりできたらきっと楽しいと思うもん」

希「じゃあラブライブ出場を目指して頑張ろ―！！」

６人「おー！！」

～理事長室前～

凛「なんでここに来たんですか？」

希「公式な大会みたいやからね。学校の許可が必要なんよ」

海未「そうですね。学校を代表するわけですもんね」

絵里「けど認めてくださるかしら？」

真姫「ちゃんと理由を言えば説得はできると思うわ」

凛「いざとなったらことり先輩がお願いすれば大丈夫かもしれないよね」

ことり「うーんと、それは難しいかも」

にこ「とにかくやるだけやってみましょう」

にこ「あと生徒会の許可もいるんだけど、花陽もここにいるみたいだからまとめてもらいましょ」

希「というわけで・・」ｺﾝｺ･･



花陽「ほ、ほんとなんですか！？」



希「え！？な、なんやろ」ｿｰ

真姫「まったく何なのよ」ｿｰ

にこ「にこにも見せなさいよ」ｿｰ


理事長「言った通りです」

理事長「音ノ木坂学院は来年度からの生徒募集を取り止め廃校とします」

真姫「嘘でしょ・・」

にこ「そ、そんな」

希「・・・・」


<ﾊﾞﾝ!!


希「今の話、本当なんですか！？」

花陽「希ちゃん！？それにみんなも」

理事長「聞いてたのね。ええ本当よ、ただし・・」

真姫「いきなりすぎます！まだ何とかできるかもしれないのに」

ことり「そうだよ！ことりたちももっと頑張るからもう少し待ってほしいよ！」

理事長「あなたたち、ちょっと待って」

にこ「待ってほしいのはこっちです！生徒会にも話を通すべきじゃなかったんですか！？」

花陽「み、みんな落ち着いて」

希「うちらも廃校を阻止できるかもしれない方法を見つけたかもしれないんです」

希「だからもう少し待ってください！！」

理事長「ちょ、ちょっと落ち着きなさい。別に今すぐに廃校になるわけじゃないのよ」

希「へ？」

希「オープンキャンパス？」

理事長「ええ。中学生とその保護者に学校のことを知ってもらう場を設けるの」

理事長「その結果によっては廃校になるかもしれないってことなの」

花陽「生徒会もそのお手伝いをしなきゃいけなくて。だから理事長先生とお話してたんだ」

にこ「もう、ビックリさせないでよね」

理事長「ごめんなさいね。ところで廃校を阻止できるかもしれない方法って何かしら？」

希「あっ、実はこんな大会があるんですけど」

理事長「ラブライブ？スクールアイドルの全国大会ね」

花陽（ら、ラブライブ！？ウソ！？ホントに！？）

真姫「出場できれば学校の名前を知ってもらえるかもしれないんです」

ことり「上手くいけば廃校を阻止できるかもしれないって考えたの」

希「うちらは本気で取り組みます。だから出場の許可をいただきたいんです」

のぞことまき「「「お願いします！！」」」

理事長「そうね・・確かに効果的だと思うわ」

希「それじゃあ」

理事長「けど実績もない部を急に大会に出す許可を出すのは他の部のことを考えると難しいわね」

にこ「じゃあ実績を作れば認めてくれますか」

ことり「にこ先輩？」

理事長「何か方法があるのかしら」

にこ「一つだけあります。ね、花陽？」

花陽「え！？・・・！！ そっかオープンキャンパス！」

にこ「オープンキャンパスでライブをさせてください。その結果で判断をお願いします」

理事長「・・・・分かりました。もしそのライブが好評なら大会の出場を許可します」

にこぱな「「ありがとうございます！」」

～部室～

ことり「にこ先輩、すごくかっこよかったね」

希「うんうん。さすが三年生ってかんじやったね」

にこ「これくらい当然でしょ」

真姫「ま、まあ、悪くはなかったわね」

にこ「もうそんなに照れなくてもいいのよ♪にこにーかっこよかった！っていっても良いニコよ♪」

真姫「言わないわよ！！//」



花陽「うわー//ひゃあー//」



海未「花陽先輩は大丈夫なんでしょうか？」

凛「帰ってきてからずっとあの調子だよね」

絵里「やっぱりアイドル好きとしてはたまらないのよ」


花陽「みなさん、絶対にオープンキャンパスでのライブ成功させてラブライブに出場しましょう！！」

花陽「もし出られればあのアイドルにも会えるし・・・あー、楽しみすぎるよぉ」

希「そういうわけでまずはオープンキャンパスで最高のパフォーマンスを見せるために頑張っていこ」

絵里「分かりました。曲は新しく作って方がいいんじゃないでしょうか」

真姫「そうね、その方が本気なのは伝わりやすいかも。海未はそれで大丈夫？」

海未「はい。何とかやってみます」

凛「凛も手伝うから頑張ろうね」

にこ「ライブは外でやることに決まったのよね。やっぱり明るい曲がいいと思うわ」

希「衣装もそんな感じかな」

ことり「うん。メンバーも増えたから作り甲斐があるな」


花陽「あああああああああああああああああああ！！！！！」


にこ「ちょっと、いきなりどうしたのよ」

花陽「た、大変です。このままじゃラブライブに出場できません」

７人「ええええええ！？」

真姫「どういうことですか！？」

花陽「ルールによると大会の参加資格はランキング２０位以内のグループだけって書いてあって」

花陽「今の私たちは３０位だからランクを上げない限り参加できないんです」

希「つまりあと１０位も上げなきゃいけないってことですか？」

絵里「１０位も・・・厳しいですね」

にこ「ここから大会は始まってるってことね」

海未「そうなるとオープンキャンパスでかなりアピ－ルしなければなりませんね」

ことり「なにかあるかな。すごいアピールの方法とか」

真姫「そんな方法あるわけないでしょ」


凛「えっとね。いろんな魅力を上手にまとめれば百にも千にもなる。だったかな」

にこ「へえ、凛にしてはいいこと言うじゃない。まさしくその通りよ」

凛「えへへ///前に教えてもらったんです」

絵里「凛の周りにアイドルに詳しい方がいらっしゃるの？」

凛「うん！アンお姉ちゃん！！スクールアイドルやってるんだ」

希「スクールアイドルなんやね。このページに載ってるん？」

凛「この人だよ！！」

海未「優木あんじゅさん。なるほど、だから”アンお姉ちゃん”なんですね」

にこぱな「ゆ、優木あんじゅうううううう！？」

真姫「キャッ！？いきなりどうしたんですか？」

にこ「凛！！ホントにこの人なのね！？ホントにこの優木あんじゅなのよね！？」

花陽「凛ちゃん！正直に言って！！」

凛「えっと、本当です」

花陽「に、に、にこちゃん、ど、ど、どうすればいいの？」

にこ「お、お、落ち着きなさい花陽。冷静になれば大丈夫よ」

希「その名前どこかで聞いたような・・」

絵里「海未、その人が所属してるグループはなんていうの？」

海未「えっと、A-RISEですね・・・・A-RISE！？」

希「そうや、思い出した。ＵＴＸ学院のスクールアイドルやん！！」

ことり「しかも全国でナンバーワンの」

真姫「凛、あなたとんでもない人と知り合いなのね」

凛「やっぱりアンお姉ちゃんってすごいんだにゃ！！」

絵里「あまり驚かないのね」

希「身内すぎるからやない？それが当然て思ってるんと違うかな？」

絵里「ハラショー・・」


花陽「ねえ凛ちゃん！！サインとかもらっても来てくれないかな！？」

にこ「待ちなさい花陽、相手はこれからはライバルになるのよ。ファン精神は控えなさい」

花陽「！！ そうだね・・・うん！気持ちを切り替えなきゃ」

にこ「分かればいいのよ・・・・・ねえ凛？写真とかくれない？プライベートのとかさ」

花陽「にこちゃん！？ファン精神を控えるのは！？」

にこ「ごめんなさい・・・・抑え切れるわけないでしょ！！」

花陽「にこちゃん・・・そうだよね！！」

凛「うーんとね・・写真は無理だと思うけどサインなら大丈夫だと思います」

にこぱな「いやっほーーーーーーーーーー！！！！」


真姫「・・・・・あれどうするの？」

希「・・・スピリチュアルやね」