???「うぐっ……あれ?」
女商人「ちょっとあなた、大丈夫?」
???「……あなたは?」
女商人「私は女商人。旅商人よ。あなたは?」
???「……分からない。ただ、名前だけ。俺は……騎士。そう、騎士だ!」
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女商人「ふーん。なんだってこんなところで倒れてたんだい」
騎士「さあ……分からないんです。ここに至るまでの記憶が無くて」
女商人「……ほお。記憶喪失ってやつかい」
騎士「多分、そうです」
女商人「でも、ここはもうロギーの奴らのテリトリーの近くだよ? そんなとこで傷一つ付かずに記憶だけ失うなんて不思議なこともあるもんだ」
騎士「! ロギーがすぐそこに!?」
女商人「テリトリーが、ね。もしロギーがうろついてりゃ、私もあなたを助けになんか来れないさ」
騎士「それもそうですね。ロギーは、本当に危険な奴らですから……」
女商人「ロギーにそこまで憎しみなり何なりを持ってたってことは、あなたはもしかしたら前線で戦う兵士だったのかもね」
騎士「うーん……かも、しれませんね。分かんないですけど」
女商人「そうだ! とりあえずはさ、私の旅について来ないかい?」
騎士「えっ、あなたの?」
女商人「残念だけど、ココから国までは結構遠くてね。走れる馬でもかなり日がかかる。それに、ロギーの近くで傭兵代をケチったのを後悔しててさ。私もそれなりには戦えるけど、数が来たら困るところだったんだ。……で、どうだい?」
騎士「……分かりました。迷惑でなければ、ご一緒します」
女商人「よし来た!」
〜in 馬車〜
ガタンガタン……
騎士「そう言えば、女商人さんはどんなものを売ってるんですか?」
女商人「そうだねえ……大体は町ごとの郷土品だったり、武器防具だね。薬草類は基本的なものだけ」
騎士「へぇ……」
女商人「ところで、さっきから気になってたんだけど、あなたのベルト、随分とたいそうな装飾よね。もしかして、それを狙われて襲われたんじゃないかしら?」
騎士「うーん、どうなんでしょう。俺にもこのベルトはよくわかんないんですよね。でもあなたの言う通りに襲われたのなら、俺がベルトもつけたまま一人で倒れてるなんておかしいでしょ?」
女商人「それもそうね」
騎士「結局、思い出せたのは名前だけです」
女商人「ま、次の街につきゃなんか分かるさ!」
騎士「……ですよね!」
〜王国首都・ターキーの研究会議室〜
「では、各自報告!」
「はっ! 調査の結果、ロギーは非常に我々人間と近い種族であることが判明しました!」
「どういうことだ!?」
「はっ! 血液検査の結果によると、血液成分の割合がかなりに通っていたとの報告を受けております」
「ふむむむ……次!」
「はっ! 魔族の進行は現在、西端のザッキューの街で食い止められているとのことです」
「西の勇者は?」
「二日前に出陣しました!」
「半径50キロまでの街の勇者たちを総動員だ! ロギーなどのイレギュラーも出てきた今、魔族に少しの遅れをとってはならん!」
「はっ!」
期待
騎士「女商人さんは、剣の腕前はどれほど?」
女商人「私? 私は剣じゃ無いよ。私が使うのは薙刀だね」
騎士「へぇ……今時珍しい気がしますが」
女商人「だろうねぇ。ま、私にはこれが一番使いやすかっただけさ。魔法はからっきしだしね」
騎士(魔法……)
女商人「それにしたってロギーってのは一体どういった奴らなんだろうね?」
騎士「と言いますと?」
女商人「聞けば、魔族とは一切の関わりが無いらしいよ。所謂第三勢力ってやつだね」
騎士「第三勢力、ですか。……あんまり覚えてませんが」
女商人「そうなのかい。なら聞きなよ。奴らは、人間に似た、とってもよく似た姿をしてるらしい。そんで、戦う時に、魔物のような姿になって襲いかかるらしいさ」
騎士「へぇ……不思議な話ですね。変身ですか。一種の獣人族みたいなものかもしれませんね」
女商人「ああ、確かにそうだね」
期待
ほ
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