男「ジサツブシのような話」(43)
男「唐突ですがわたくしは」
男「今から首を吊ろうと思います」
男「でもね あれれ 首つる紐がありませんでした」
男「……なんてことはなく、しっかりロープを用意してます」
男「荷造り紐を編んだ間に合わせのものですが」
男「これを天井にかければ首つり縄の完成ですね」
男「さっさと天井にかけて死んでしまいましょう」
男「ん……? あれれ……」
男「縄をかけられそうな場所がありません」orz
男「これでは首を吊ることができません……」
男「死ねませんでした」
…
………
……………
~「首つり 方法」で検索中~
男「……ふむふむ」
男「どうやら 首を吊るには天井からぶら下がる必要はないみたいです」
男「ドアノブほどの高さで十分みたいですね」
男「というわけで、早速死にましょう」
男「縄をドアノブにかけて」
男「腰を浮かせて体重をかければ」ググッ
男「脳の反射であーだこーだして気絶して、その間に楽に死ねるわけです」
男「……気絶しませんね」
男「もっと体重をかければきゅーっと死ねるでしょうか」グググッ
男「……だんだん息が苦しくなってきました」モガモガ
男「はやく気絶してしまいたいです」
男「頭がぼーっとしてきました。相変わらず息ができなくて苦しいですが、もうすぐ死ねるのでしょう」
男「やっと楽になれま……す…………ね…………」
男(……)
男「」ジタバタ ジタバタ
ブチィ
男「ゴホッ ゴホッ」
男「ゴホッ……無意識に暴れてしまったせいで、ゲフッ……ひもが切れてしまいました……」
男「頭がすごい痛いです」ズキズキ
男「そして吐き気もやばいです」ウプッ
男「オエー」ゲロゲロ
男「結局、数日間頭痛と吐き気が止まりませんでした」
男「でも病院には行けませんでした」
男「自殺未遂だと保険がおりませんし……」
男「なにより、自殺未遂したことを医者に言いたくありませんでしたから」
男「結局、今回も死ねませんでしたね」
…
………
……………
男「次こそはですねわたくしは」
男「飛び降り自殺を図ろうと思います」
男「かの有名な東尋坊で、崖からどっぽーんと入水自殺してやります」
男「では、まず東尋坊への行き方を調べなくてはいけませんね」
男「『東尋坊』で検索です」
男「ん……? ドリャーおじさん?」
~動画視聴中~
男「そんな……東尋坊で飛び込んで遊んでいる人がいるなんて……」
男「……入水しただけでは死ねないんですね」
男「確実に死ぬには、岩場に頭から突っ込む必要がある……ですか……」
男「そこまでできる根性があるなら、首つりで死ねてますよ」ハハッ
男「そもそも痛いのが嫌いだから首つりを選んだのに、どうして死ぬほど痛そうなことをしなくてはならないのでしょうか」
男「……他の方法にしましょう」
男「今回も死ねませんでしたか」ヤレヤレ
………
…
……………
男「やっぱり首つりが一番です」
男「というわけで、三度目の正直にわたくしは 首つり自殺で死のうと思います」
男「今度は荷物くくり紐を30本近く編み込んで丈夫なロープをつくりました」
男「これをドアノブにひっかければ完璧です」
男「……今度こそ死ねますね」
男「それでは、首に縄をかけましょう」
ドクン ドクン ドクン ドクン……
男「……」ハァハァ
男「首を絞めるのが怖くなったみたいです」
男「前回の失敗がトラウマになっているみたいですね」
男「恐怖で心臓がドカドカと暴れまわってます」
男「でも」
男「生きることを考えたら、もっと怖い」ググッ
男「だから死にます」首をギュー
男「頭がボーっとしてきました」
男「……これで死ねます」
男「……」
………
……
…
…
………
……………
男「……目が覚めました」
男「私は床に寝転がっています」
男「あれれ?」
男「首をしめてたはずなんですが……」
男「ドアノブを見てましょう」
男「縄だけがかかっています」
男「どうやら無意識に暴れてしまい、そのうちに縄が外れてしまったみたいですね」
男「また死ねませんでした」
男「そして頭痛と吐き気がオロロロロロロロロロロロ」
ビチャッ ビチャッ
~そして1週間経ったわけですよ~
男「今度は1週間、頭痛と吐き気に悩まされました」
男「その間、何回か首つりを試みましたが」
男「……首に縄をかけるのが怖くてダメでした」
男「死ねませんでしたね」
◆
書きだめ、投下休憩します
興味がわきましたら過去作の中で比較的マシなのどうぞ
ボッチ男「俺の高校生活」
女「ツwwwンwwwデwwwレwww」
幼馴染「好きです!」 男「うぇーい!」
◆
淡々とした感じで好き
◆
元ネタの曲(ニコニコ動画)
「ジサツブシ」 初音ミク feat.梨本うい
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16864294
◆
………
…
……………
男「やっぱり飛び込み自殺がいいですね」
男「というわけで、死んでも大丈夫そうな場所を探しましょう」
男「和歌山の三段壁ですか」
男「東尋坊のような断崖絶壁のここなら、楽に死ねますね」
男「それでは、まず三段壁への移動手段を調べましょう」
~「三段壁」で検索中~
男「え……、マジですか」
男「三段壁の付近にはサメがたくさんいるんですか……?」
男「飛び込みで気絶できなかったら、生きたまま全身をむしられて死ぬ……?」
男「い、痛いのは嫌です」ガタガタ
男「他の手段にしましょう!」
男「死ねませんでした!」
………
…
……‥……
男「三段壁のサメですけど」
男「良く考えれば、即死すれば一緒ですね」
男「崖からふらっと落ちて、頭を打ちつけて死にましょう」
男「痛いとか怖いとか言ってられません」
男「頭を打ちつけて死んでやります」
男「それでは京都駅から紀伊本線に乗っていざ白浜。です」
男「……その前に、家族に遺書でも送っておきましょうか」
男「今度こそは確実に死ねますから」
~京都駅~
男「……え? JRを使って白浜まで行くには特急の券が必要なんですか?」
男「6千円もかかる……?」
男「しかも、1日3本しか電車がなくて今日の分の電車はおしまい?」
男「そんな馬鹿な話がありますか」
男「電車がダメなら高速バスです」
男「高速バスなら安いですし問題ないでしょう」
男「え? 今日の分のバスは無いですって? あっはい」
男「死ねませんでした」orz
………
…
……………
男「よくよく考えたら、遠出して自殺するのってダメですよね」
男「悲しんでいる家族を和歌山まで行かせたくはないです」
男「死ぬのなら京都市内ですね」
男「さっそく、グーグル先生に聞いてみましょう」
男「グーグル先生、死ぬのならどこがいいですか?」
~自殺するなら国有林で首つりがおすすめですってよ奥様~
男「ありがとうございますグーグル先生」
男「って、首つり……ですか……」
男「でも。宙づりで首つるなら助かりようがないですね」
男「こ、今度は大丈夫です……、うん、きっと大丈夫です……」
男「というわけで」
男「やってきましたよ国有林」
男「ここなら心置きなく死ねますね」
男「それでは手ごろな木に縄をかけて」
男「台に乗って首を吊りましょう」
男「あれれ……台が無い……」
男「て、手ごろな岩を探さないと……」
「お い お 前 そ こ で 何 を し て い る」
男「へ?」
男「け、警察です! 逃げましょう!」
………
…
…
………
男「逃げ切った……」ゼーハー
男「……結局、今度も死ねませんでした」
男「もう、くったくたです」
………
…
……………
男「……次はどうやって死にましょうか」
男「そういえば、縄を置いていってしまいましたね」
男「……体も汗でビチョビチョですし」
男「一旦、家に帰って縄と着替えを手に入れましょう」
~自宅前~
父「お い お 前 何 を し て い る」
男「捕まりました」
……………
………
…
この人生はまるで気まぐれに
理由をつけては続くのでしょう
お見苦しいかとは思いますが
お付き合い願います
あっぱらぱーら ぱっぱ
(ジサツブシ/梨本うい より)
おわり
◆
ちなみに全部、本当の話です
他に、船岡山で死のうと思ったけど近くに小学校があるのを知って思いとどまったりとかしてます
読んでくださりありがとうございました
◆
もっとも他人が止めなければ死んでしまうような人は結局死んだ方が一番良いし、それに再び立ち上がる物を内部に蓄えているような人は、決まって失敗しますね。
蓄えている物に邪魔されて死にきれないらしいのですね。
僕思うのですが、意思の大いさは絶望の大いさに正比する、とね。
意思の無い者に絶望などあろうはずが無いじゃありませんか。生きる意思こそ絶望の源泉だと常に思っているのです。
この話は嘘のほうが面白い気がしたので
※ この話はフィクションです
一回吊ろうとしたことあるからちょっぴり共感できるきがするわ
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