幼馴染「…男のこと好きかなー」(69)
幼「あぅー」
幼「でもなぁ、でもなぁ、自分でもよくわかってないんだよなー」
幼「一緒にいるとドキドキする……なんてこともないしー」
幼「でも、となりに居るだけで落ち着くし楽しーんだよなー」
幼「これってやっぱ好きってことなのかなー」
幼「…だめだぁ、暑過ぎて体に力はいんないー」
幼「考えもまとまんないー」
幼「ちゅーしてみればわかるかなー」
幼「あー、でもそんな気力もないやー」
幼「あーやっぱだめだー」
幼「暑くって…何にも考えられないなー」
幼「こんな時はクーラー付けるべきだよねー」
幼「リモコンどこだっけー」
幼「…んー」
幼「あ、あったあった」
幼「さっそくスイッチ、オン!」
ピッ
幼「…」
幼「あれ?」
ピッ
幼「…」
幼「まさか…壊れてるのかなー?」
ピッ
幼「よりにもよって…」
幼「まさかこんな猛暑日にクーラーが壊れているとはー」
幼「大誤算!まさに大誤算!圧倒的大誤算!」
幼「あー、こうなったらベッドの上にいるよりー」
幼「床の方が気持ちいいかなー」
幼「思い切って床に落ちてみようかなー」
幼「歩くのだるいー」
幼「ベッドはふかふかで、良い匂いだけど…」
幼「今は暑さの方が問題だなー」
幼「汗かいちゃうし…」
幼「…」
幼「思い切ってー」
幼「だー」
ドサッ
ゴロン
幼「ひゃー!フローリングの床、冷たいー」
幼「気持ちいいなー、これ」
幼「もう動く気力が完全になくなっちゃうねーこれはー」
幼「あー、でも喉が渇いたなぁー」
幼「あ、机の上に水のペットボトルがあるなー」
幼「水分は補給しないとなー」
幼「むー、手…届かないかー」
幼「しまったなー…床に落ちる前に、取るべきだったー」
幼「でも熱中症で倒れちゃったりしたら、大変だから」
幼「…今、床に倒れてるのとは別の意味で、倒れたら大変だから」
幼「頑張って立ち上がって、ペットボトルを取ろうっと」
幼「あー、よっこらシャーっと!」
幼「飲みかけのペットボトルゲッチュー!」
幼「ちゅーしたらわかるかもしれないからゲッチュー!」
幼「…」
幼「…むなしい」
幼「お水飲もう…」
幼「普段はコップに入れて飲むけど…」
幼「コップ取りに行くのも面倒なんでー」
幼「そのまま飲んじゃおーっと」
幼「行儀悪いけど仕方ないよね」
ゴクッゴクッ
幼「ぷはー。美味しいなぁー」
幼「ぬるいけど、それは仕方ない。まったくもって仕方ない」
バタン
ゴロン
幼「それにしてもなー」
幼「私って、男の事好きなのかなー」
幼「小さい頃から一緒に居るけど」
幼「異性として意識したことないんだよなー」
幼「家族みたいなもんだからなー」
幼「んー…そういえば、小4の時にー」
幼「一緒にお風呂入るの止めにした時にー」
幼「意識した事になるのかなー」
幼「でもそれ以降も普通にマブダチだしなー」
幼「別に男の裸みても何とも思わないしー」
幼「男に下着姿見られてもなー」
幼「別に恥ずかしくないと思うんだよなー」
幼「…まぁ、見られた事無いけど」
幼「んー、やっぱり恋愛対象としては見られないのかなー」
幼「はふぅ…ほんとはこんな事考えるのもダルいんだけど」
幼「…」
幼「最近私の周りはカップルだらけ…」
幼「これで良いのか、17歳!」
幼「…と思うんだけど」
幼「この暑さの前には…もう…」
幼「…」
幼「ちょっと昼寝しようかなー」
幼「…」
幼「まぁでも暑くて眠れないかー」
幼「…やっぱりもうちょっと、男との関係について考えてみるかー」
幼「だいたい、男は私の事どう思ってるのかなー」
幼「そう言えば、好きとかって言われた事…ないよなー」
幼「まぁ、私も言った事ないけど」
幼「小さい頃、言われたかもだけど」
幼「そんなの覚えてないしなー」
幼「別に将来を約束しあった訳でもないしー」
幼「…多分」
幼「んぅ?…私、何で男とマブダチなんだっけ?」
幼「うーん。考えがまとまらないなぁ…」
幼「これは間違いなく暑さのせいだー」
幼「今年の夏は特別暑い気がする…」
幼「地球温暖化はんたーい!」
幼「私たち人類は、もっと地球に優しくするべきだー!」
幼「だからクーラーなんか使わない方がいいんだー!」
幼「だー!」
幼「だー…」
幼「…」
幼「だーーーーーー!」
幼「やっぱり地球に厳しくてもいいから!」
幼「クーラーガンガン効いた部屋で眠りたい!」
幼「修理屋さん、早く修理に来いこいー!」
幼「って、呼んでないから、来る訳ないけどなー!」
幼「…」
幼「…はぁ…叫んで余計な体力を使っちゃった…」
幼「体力は温存しておかないと…」
幼「あー、でもやっぱ何も考えられないー」
ゴロゴロ
幼「あ、こっち側の床冷たいー」
幼「ひゃー!こんなの発見するなんて、天才か!ワタクシ!」
幼「!」
幼「…」
幼「…むなしい」
幼「…ところで私は男の事が好きなのかなー?」
幼「いつでも一緒に居て、いろんな所行って」
幼「一緒に笑って、時には喧嘩して…」
幼「幼友ちゃんいわく『夫婦』って感じらしいけど…」
幼「私としてはやっぱり、夫婦の前の段階…」
幼「カップルに憧れる訳ですよ!」
幼「とは言え、男とそう言う関係にある訳じゃないしなー」
幼「…」
幼「そ、そういえばこの前、イケメン先輩に告白されたけど…」
幼「…」
幼「まぁ、全然接点のない人だからお断りしたけど」
幼「確かに顔はかっこよかったんだけどなー」
幼「先輩が卒業した後も、お付き合いし続ける自信とか、ないなー」
幼「私に恋人が出来たら…」
幼「やっぱりずっと側に居て欲しいしなー」
幼「今は男と一緒に遊んでる方が断然楽しいもんなー」
幼「だいたい男女のお付き合いとか、良くわかんないなー」
幼「もー、まず境界線がわかんないよー」
幼「どこまでが友達で、どこからが恋人なんだろうなー」
幼「それに恋人になったからって、何をするんだろうなー」
幼「…」
幼「んー、高校生なんだから…」
幼「映画とか?」
幼「遊園地とか?」
幼「水族館とか?」
幼「プラネタリウムとか?」
幼「動物園とか!」
幼「動物園行きたい!」
幼「パンダが見たい!」
幼「そういえば私のこの状況、たれパンダみたいかなー」
幼「動物園、行きたいけど…暑いから外に出たくない…」
幼「もっと涼しくなったら行こう!」
幼「…て言うか、さっきのは全部男と遊びに行く所だなー」
幼「後は…ボーリングとかカラオケとか…」
幼「あ!カラオケ行きたい!」
幼「最近行ってないなー」
幼「よし!今度の土曜日はカラオケに行こう!」
幼「久々に叫びたい!」
幼「…」
幼「消してぇーーーーーー!」
幼「リライトしてぇーーーーーー!」
幼「…」
幼「…あぁ、また余計な体力を消費しちゃった」
幼「…男は今何してるのかなー」
幼「ちょっと電話で聞いてみようかな?」
ゴソゴソ
幼「携帯…良かった、ちゃんとポケットに入ってた」
幼「電話してみよう」
ピッ
幼「3コールで取らなかったら切ろうっと」
プルルルル、プルルルル、プルルルル
ピッ
幼「…やっぱ忙しいのかなー」
幼「あぁー、ダレてるなぁ…」
幼「早く夜になんないかなー」
幼「…そういえば、ちょっとおなか空いてきたな」
幼「ケーキ!ケーキ食べたいなー」
幼「でも駅前まで行くの面倒だー…」
幼「!」
幼「…」
幼「はぁ…これはケーキを諦めざるを得ない…」
幼「この暑さには誰も勝てないねー」
幼「四季の中で夏が一番強いと思う」
幼「無敵のチャンピオンだと思う」
幼「…暑さに勝つって何だろう?」
幼「打ち克つって事かなー?」
幼「…」
幼「あー、もう思考が停止する…」
幼「夏!滅べ!」
幼「…」
幼「あ、でも夏がなかったら…」
幼「海水浴や」
幼「縁側でスイカの種飛ばしや」
幼「線香花火とか出来なく…」
幼「いや待てよ?冬でも花火は出来るかー」
幼「ならやっぱ夏いらないかー」
幼「でも夏が無ければ、秋のありがたさがわかんないか…」
幼「秋は良いよねー」
幼「風も涼しくて、灰色の冬が来る前の…」
幼「前のー…えー何ていうかー」
幼「…」
幼「…前フリ?」
幼「違うかー」
幼「やっぱ考えまとまんないなー」
幼「…」
幼「わからん!」
幼「この暑さ、意味わからん!」
幼「うー、やっぱり汗かいてきちゃったなー」
幼「tシャツだけでも着替えようかなー」
幼「でも着替えてもすぐ汗かくしなー」
幼「…私、ちょっと臭うかな?」
スンスン
幼「まぁいいか…」
幼「…」
幼「あーあー、暇だなー」
幼「暇な上に、暑いなー」
幼「…」
幼「あー、そっか」
幼「暇だから、男について考えてたんだった」
幼「えへへ。あきれるくらい脱線しちゃったー」
幼「男の事好きかどうかなんて…」
幼「考えても全然わかんないやー」
幼「わかんない事あれこれ考えても…」
幼「答えなんて出る訳ないよねー」
幼「それもこれもちゅーしてみたらわかるかなー」
幼「男とちゅー…かぁ」
幼「想像出来ないなー」
幼「んー」
幼「思い切って、ちゅーしてみようかな…」
幼「そしたら何かわかるかもしれないしー」
幼「でも男が嫌がるかもしれないしなー」
幼「動く気力もない…」
幼「男の方から、ちゅーしてこないかなー」
幼「!」
幼「…」
幼「…ま、それはないかー」
幼「それに今の関係が一番楽だしなぁー」
幼「あ、でももし、真剣な男女交際に発展したら…」
幼「この気持ちも変わるかもしれないなー」
幼「関係がこじれて、疎遠になっちゃうのは絶対嫌だけど」
幼「このままずっとって訳にはいかないかなー」
幼「大学まで一緒に行くのか」
幼「道が別れちゃうのか…」
幼「どっちにしても、結論は出さないとねー」
幼「いや、結論出す必要あるかな?」
幼「…」
幼「ちゅーしたら急に開花する情緒…とか?」
幼「…ないかなー」
幼「…どうなんだろう」
幼「以上の事を踏まえて…」
スタスタ
幼「…ねぇねぇ、どう思う?どう思う?」
グイッ
幼「私って…」
幼「男の事好きかなー?」
男「幼!そう言う事はっ!自分の部屋でっ!自分で考えろっ!」
おわり
だけど、ちょっとだけ続く
・
・
・
カラカラカラ
スタッ
カラカラピシャッ
トテトテ
バフッ
男(また今日も、幼が勝手に部屋に入って来た…)
男(窓から…)
男(まぁいつもの事だから別に良いけど…)
男(…俺のベッドでゴロゴロしないで欲しい)
男(幼の匂いがベッドに移って、夜、悶々とするから…)
男(…)
男(は?今、何て言った?)
男(俺の事、好きかなーって言った?)
男(マジで?)
男(…俺は幼の事、大好きですけど)
男(一緒に居るとドキっとする事、しょっちゅうだけどなー)
男(…)
男(聞こえるように言うなよ…)
男(自分でもわかってないのか…)
男(ちゅーしたらわかるかもって…)
男(幼とキス…幼とキス…うぁー)
男(いかんいかん!俺は終わっていない課題を…)
男(今日中に片付けなければならないのだ!)
男(今日は幼にかまってる場合じゃないぞ!)
男(明日提出しないと、地獄の補習がっ!)
男(…)
男(…クーラーは壊れてるんだよなー)
男(何度押しても無駄なんだよなー)
男(お?諦めたか?)
男(!)
男(幼が床に転がり落ちた!)
男(床でゴロゴロしてる幼、超可愛い…)
男(って、いやいや。今日は駄目だ!)
男(心を鬼にして、課題を…)
男(ん?喉が渇いたって?)
男(お?立ち上がった)
男(あ、俺のペットボトル…)
男(飲むのか?飲んじまうのか?)
男(いや、お行儀とかの問題じゃなくて…)
男(飲んだ…これ、間接キスだろ!)
男(超ドキドキする…けど…)
男(幼は…何か平気そうだな…)
男(また床に転がった…可愛い…)
男(…)
男(やっぱり俺の事、異性としては見てくれてないのか…)
男(小4の頃って言ったら、アレの時期だよな…)
男(…まぁ、マブダチっちゃあマブダチだよな)
男(…裸、ねぇ)
男(俺は幼の下着姿なんて見たら、襲っちまう自信があるけどね!)
男(…)
男(え?寝るのか?ここで?こんな暑い部屋の中で?)
男(あ、寝ないのか)
男(…)
男(まぁ、確かに好きって言った事ない…かな?)
男(嫌いなら一緒には遊んだりしないと思うけどな)
男(好きの反対は嫌いじゃなくて、無関心だって誰かが言ってた)
男(…少しは脈あるんですかね?)
男(転がりながら、温暖化について叫んでる幼、超可愛い)
男(まぁ、エアコンの修理、夕方には来るんだけどな)
男(転がりながら、自画自賛する幼、超可愛い…)
男(…)
男(あ、今、目が合ったな…)
男(それでも独白を続けるのか、幼…)
男(確かに幼友や友からは『夫婦かよ!』って言われる事多いけど)
男(それってあんまり褒め言葉じゃあないんだよなぁ)
男(あ、一応幼もカップルには興味あるのか)
男(…)
男(何だと!?イケメン先輩に告白された?)
男(初耳だ…何だろう、胸がモヤモヤするぞ?)
男(モヤモヤする!俺は今、嫉妬している!)
男(…あ、付き合ったりはしてないのか)
男(ふぅ…心底ホッとした…)
男(…俺も幼と一緒に遊んでる時が一番楽しいよ)
男(まぁ確かに…高校生だから、大したところ行けないけどさ)
男(…)
男(…動物園に行きたいのか)
男(じゃ、今度の土曜にでも…)
男(…正直、たれぱんだより可愛いと思う)
男(…)
男(え?カラオケ?まぁ、呼ばれれば付き合うけど…)
男(…床の上でアジカン熱唱する幼、可愛い)
男(…え?俺の携帯に電話する気か?)
男(…出ねーぞ。話したいなら、声かけてくれればいいじゃん!)
男(それに今日の俺は課題で大忙しなんだから!)
男(…)
男(…本当に3回で切った)
男(今、取ろうとしたのに…)
男(また目が合った…)
男(ケーキ食べに行こうって事なんだろうけど…)
男(今日は駄目だ!俺には課題が…)
男(うぉっ!?急に夏、滅べ!とか。びっくりしたぁ)
男(…)
男(そうそう。夏じゃないと楽しめない事、一杯あるよな)
男(夏祭りとか!去年の夏祭りでの幼の浴衣姿…可愛かったなぁ)
男(…四季それぞれに良さがあるよなぁ)
男(俺は割と夏好きだけどな)
男(え?着替える!?ここで?)
男(あぁ…なんだ、着替えないのね)
男(ちょっとガッカリしている俺が居る…)
男(…別に匂わないけど)
男(…)
男(なんかさっきからちゅーするって事にこだわってるなぁ)
男(そんなにキスしたいんだろうか?)
男(…幼って俺の事好きなのかなー)
男(…)
男(え?俺から?キスするの?)
男(いやいやいやいや!)
男(別に付き合ってもいないのに、俺からキスとか無理でしょ!)
男(!)
男(また目が合った…)
男(…しませんよ、キスなんて)
男(課題課題!今は課題頑張らないと!)
男(俺だって今の関係は楽で気に入ってるさ)
男(でもいつかは結論出さないとなー)
男(俺は幼の事、異性として好きだけど…)
男(幼が俺の事、そう言う目で見られないって言うなら…)
男(俺は身を…引けるのか?)
男(…自分の気持ちも伝えずに?)
男(そんなの嫌だなぁ)
男(ずっと幼と一緒に居たいな…)
男(…)
男(両手で顔掴まれた…)
男(…)
男(…それを俺に聞くのかよっ!)
男(あー!もう!結局、課題なんて手につかねーよっ!)
男「幼!そう言う事はっ!自分の部屋でっ!自分で考えろっ!」
男「…あと、俺は幼の事が、異性として大好きだっ!」
幼「ありがと、男。私も男の事、異性として、大好きだよ!」
幼「ちゅーしたくなるくらい!」
チュッ
おわり
これで終わりです
読んでくれる人がいたら嬉しいです
次スレは
男「この手を、離さないぞ」幼馴染「う、うん」
ってタイトルでスレ立てたいと思います
では。
おつー
乙
床でゴロゴロする幼馴染み可愛い
小動物的な意味で
>>1のみスレに捨ててった俺のネタが使われててビビッた
なんか嬉しいような恥ずかしいような……
とにかく乙
読んでくれた人、どうもありがとうございます
そして>>55さん、ネタをどうもありがとうございました!
乙
おつ
おつ
ハムスたれぱんだ幼馴染か
乙
乙乙
酉付けてんじゃねぇよ
作者気取りかよ
キモイよ
>>62
(笑)
>>62
この>>1は、要望があったから酉つけてるんだぜ?
後、このss書いたのは間違いなく>>1なんだから
酉とか関係なく、作者は作者だろ
あ、作家気取りって言いたかったんですか?
だとしたらすいません
ニホンゴマチガッテマスヨ(笑)
>>62
vip行ってどーぞ
>>62
(^∇^)
おつかれよし、面白かたよ
>>62
ngにしたいから酉付けろって言われて酉付けてるはず
酉つけなかったら煙たがられるが酉つけても叩かれる
散々な>>1ぺろぺろ
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