ついぞ数ヶ月前、日本渋谷に隕石が落ち世界を震撼させた
震撼させたものは隕石、ではない
「どこだ!探しだせ!!」
学者は隕石から未知のウイルスが流れ出たのではないかと唱えた。しかしウイルス自体は見つからなかった
「あっちだ、路地に入って行ったぞ」
それでも隕石が落ちてから世界は変わった。"何か"が人間のDNAを変え、特殊能力をもった"異能力者"が始めは渋谷を、そして東京、日本、とやがて世界中に現れた
「二手に分かれろ!」
異能力者同士での諍いが世界中で起こり、それに対して政府が下した決断は
能力者同士での殺害は罪に問わないというとんでもないものだった
「絶対に逃がすな!必ず捕まえるんだ!!」
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第一話
「最強最悪、最凶の災厄」
―――――
―――
―
女「だからね、そろそろ君はイエスマンを卒業するべきだよ」
男「うるさい、人の頼みを聞くことの何が悪いんだ。いいじゃないかヒーロー気質」
女「…じゃあボクの彼氏になってくれ」
男「いいぞ」
女「…」
男「…」
女「おいおいおいおいおい!そこがダメだって言っているんだよ!」
男「えっ、何が!?」
女「このバカ!少しは迷え!いつかとんでもないことに巻き込まれ…」
「まてごらぁ!」
「逃げられると思ってんのかおんどりゃああ!!!」
学校での帰り道、路地裏にふと目をやると幼女を追いかけるヤクザ風の男たちをちらりと見た
男「…イエスマン否定?」
女「これはヒーロー気質の出番だね。いけ、ヒーローイエスマン」
男「そんなだっさい名前のヒーロー助けられるほうから願い下げだよ」
路地裏を駆け抜け、先回りをする
男「…3…2…1」
女「GO」
期を待って隠れ、幼女が通り過ぎたところで二人が角から飛び出る
男「来い」
幼女「えっ、あっ」
幼女の手を引いて走る
「なぁっ、待て!」
女「縫いとめられてろ!」
「があっ」
幼女を追いかけていたヤクザ風の男たちの足の甲を鋭い痛みが無数に貫き、地面から離れなくなる
面白そう
期待
幼女「…お兄ちゃん達、誰…?」
数分走ったところでようやく状況が飲み込めたのか幼女が尋ねてくる
男「自己紹介は省くが味方だ。ところであいつらは悪い奴らか?」
幼女「」コクリ
男「OK、女」
女「ん、敵いるよ」
男「しつこい奴だ」
幼女「…ごめんなさい」
男「え?」
女「敵、すぐ後ろに」
男「逃げ切れねえか。倒すしかないか」
言いつつ振り返る
「倒すしかない?いや、その子をおいて全て忘れて帰れば無駄な戦いは避けられる」
先ほどの雑魚とは雰囲気が違う。これが殺気だろうかと思う
女&男「断る」
女「ふふ、どうした?イエスマン」
男「この状況でイエスなんて言えるか」
敵「いいだろう、忠告はした。それでもと言うなら細切れにしてやる」
敵&女『能力!』
女「《ファンシーニードル(可愛らしい裁縫針)》」
細長い無数の針が敵に四方八方から襲い掛かる
しかしそれらは一瞬で叩き落された
女「うわ、えげつな」
敵「《大剣スクランブル》言っただろう、細切れにすると」
空中にこれまた無数の剣が現れる
女「無理無理、ボクのか弱く可愛い能力じゃ勝てない。後衛に回る」
男「最初からそうしてろ」
敵「準備は出来たか」
男「待っててくれてありがとよ。今相手してやらあ」
男「闘神の片鱗、見せてやるよ」
男「《阿修羅の六つ腕》」
敵「避けられるか」
四方八方から男に向かって剣が飛んでくる
男「無理だな、叩き落すぜ」
敵「なっ、馬鹿にしているのか!」
男が出したもの、ティッシュを丸めたものをみて激昂する敵
男「そうかな?」
バキバキバキ
投げたそれが剣を全て打ち落としたのだ
男「何も武器らしいもんを持ってなくてな」
ノートを丸めて右手で構える男
男「いくぜ」
敵に一気に詰め寄り、振りかぶる
敵「《大剣スクランブル》」
男「《阿修羅の六つ腕》」
敵の両刀、そして後ろから男に向かって剣が襲ってくる
しかし一歩早く男が敵に腹に丸めたノートが突き刺さる
女「《ファンシーニードル(可愛らしい裁縫針)》」
倒れた敵を地面に縫いとめる
男「じゃあな、雑魚」
女「20分ぐらいしたら多分取れるから」
敵「…何故俺があんなのに負けたんだ。全然負ける要素など…」
地面に倒れて動けないまま呻く。おかしい。おかしい。そう思えば思うほど何故負けたかが理解できない
???「にゃははは」
可愛らしい少女の声がした、しかし声はせど影しかない
???「きみにはかませ犬になってもらう必要があったんだにぇ。負けてもらう必要があったんだにゃあ」
甘えるような声で変なことを言う
敵「お前は、何なんだ」
???「すぐ会えるに」
―――――
―――
―
男の家
男「さて、ここまで来れば大丈夫だよ。どうして追われてたんだ?」
幼女「…私が最強の能力者だから」
男「…は?」
女「ぷっ…あはははははは、さいきょ、最強だって…あははは」
理解できない男と笑い転げる女、その間幼女は無表情のままだ
幼女「私の能力は一度発動すると世界を一瞬で破壊する能力なの」
幼女「あの人たちはどうやって知ったか分からないけどそれが目的だと思う」
男「…家は?家族は?」
幼女「燃えた。死んだ」
男「じゃあこの家に住むといい。俺たちが守ってやる」
幼女「信じるの?」
女「研究所で調べれば分かることだしね、男がそう言うのも分かってたし」
男「明日行くか」
_____
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その場所は巨大な部屋、人々が重々しい雰囲気で円卓を囲んでいた
「子供一人捕まえられないのか」
「しかも能力を使えない子だ。どこに逃がす要素があるのだね」
「まったく、これだからあなたがたの組織は」
「なら君らの組織なら出来るとでも言うのかね!」
「挑発には乗りませんよ、今はあなた方の罪を言及しているところだ」
「にゃははははは」
重々しい雰囲気をぶちこわす少女に笑い声が響く
「貴様は絶対に成功すると言ったな」
???「しーらないにゃぁ」
「貴様…ふざけるな!貴様に言われた通りにしたが結局捕まらず、あの三人も行方知れずだ!」バン!
???「それはニャルを敵に回したいと?」
「っ…」
ニャルと名乗った少女の言葉に黙るその場の面々、額に汗を浮かべ恐怖を顕にするものまでいた
ニャル「にひひ、次の命令を下すにぇ。絶対に成功して欲しいにゃ」
次回予告
研究所での診断結果は
男「…マジですか」
更に恐ろしい真実を語っていた
男「女!逃げるぞ」
異常が日常を蝕みゆく中で
ニャル「手を貸すにゃあ」
魔女が影を伸ばしてゆく
次回第2話
「シュレディンガーの招き猫」
「王道厨二を貫く」をテーマに、趣味を叩きつけるSSです。次回の更新は同じく土曜の夜です
早くはなるかもしれません
《ファンシーニードル(可愛らしい裁縫針)》
無数の針を操る能力
細さは鋭い痛みを感じる程度、長さは自在
針には二種類あり、物理的なもの、痛みだけを感じさせる物理的には存在しないもののがある
某奇妙な冒険のスタンド風なイメージがあれば目口が縫われた全身から針が突き出ているくまのぬいぐるみ
《阿修羅の六つ腕》
触れたものを武器として使うことが出来る能力、それはどんなに攻撃力が無い物でもである
しかし攻撃力は一律ではない
「六つ腕」の読みは「むつうで」ではなく「むつわん」である
夜・男の夢にて
「ニャハハハハ!」
高い声を上げてそれは現れた。銀髪のアホ毛つきの猫耳少女
男「何だお前は?」
ニャル「ニャルは能力で君の夢の中に語りかけているにぃ」
ニャル「質問は不要だにぇ。協力してやる、君にこれから降りかかる不幸、いやもう足を突っ込んでいるにゃ?」
男「幼女のことか」
ニャル「イエス、にゃ」
ニャル「ニャルの能力を君の家にかけてやるにぇ。学校にいなくてはならない間だけは100%あの人間は安全にぃ、ただし部活の時間は例外にゃ」
第2話
「シュレディンガーの招き猫」
ダメだ…今日はここまで、来週の日曜の夜書く
なんやこれ
乙
待ってる
目覚める。あれが夢であり夢でなかったことは自分の感覚が告げていた。きっとあの子の能力には信じさせる効果も入っているのだろう、そう思った
幼女「…おはよう」
男「おお、おはよう」
幼女「…何したの?」
男「え?」
幼女「…能力を感じる。家全体に…邪悪な力」
男「邪悪?守るはずの能力だけど」
幼女「…」
邪悪な何かに護られている?あの猫耳少女が…邪悪?
男は疑問と疑念、どちらを持てばいいか分からなかった
登校路
女「やっ」
男「おう」
女「あのこはどうしたの?」
男「かくかくしかじか」
女「…それ、信用できるの?」
男「ああ」
女「君の信用できる発言ほど信用できないものもないかな」
男「じゃあ聞くなよ悲しくなるだろ」
学校
友「よう男」
男「よう」
友「なあ、今日のテストと体育の200メートル走勝負な」
男「望むところだ。大差つけてやるよ」
友「そう簡単に行くかな」
放課後、研究所
研究者「あの子の能力を調べましたが…」
男「はい」
研究者「おそろしい異能力です。発動した瞬間世界を滅ぼす能力。しかしそれだけではありません」
男「え?」
研究者「彼女が能力によって死んだ時、もしくは激しい負の感情を抱いても発動します」
男「…」
研究者「男さん、一つ提案があります」
男「…なんでしょうか」
研究者「あの子を我々に預けてもらえませんか?」
男「殺すのですか」
研究者「いえ、能力を消す方法の研究を」
男「殺すんですね」
研究者「…決して痛みも苦しみもなく死なさせてあげることを約束します」
男「帰ります」
そう言い帰ろうとすると
研究者「あなたは今世界の、いえこの宇宙の命運を握っているということを肝に銘じておいてください」
男「…」
待合室
幼女「全部知った?」
寂しげな表情を湛えて待っていた幼女
男「…お前は、ずっとこれを自分一人で抱えていたのか」
幼女「」コクリ
男「…これからは、俺と女がお前を守ってやるよ」
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帰り道
「お前らか」
男「敵か」
「ああそうさ。目的はその子だからな、邪魔なお前は死ね」
男「今日の俺はきちんと戦う準備してるからな。そう簡単には死なねえよ」
「能力、"オンリーガード"」
男「能力、"阿修羅の六腕"」
傘を能力で武器にして突撃する
が
男「!?」
「どうした?」
貫けない。それどころか直前で止まっている
ダメだ、戦闘シーンはノリに乗っているときじゃないと書けないな。またそういう気分になった時に書きに来る
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