凰蓮「2人で1人の」京水「仮面ライダー?」 (52)

誰も立てないので立ててしまった、反省はしている、だが私は謝らない!

亜樹子「何よこのss……私聞いてない!」

照井「お、俺に質問するなぁ!」

鳴滝「Wの世界まで破壊されてしまった……おのれディケイドオオオ!!」

士「俺に聞くな!」

草加「こんなスレが立ったのも全て乾巧ってやつの仕業なんだ」

亜、照、鳴、士「なんだって!?それは本当かい!?」

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ほう

ン~ン~ン~(例のBGM)

ここは人々を優しく包み込み、そして背中を押してくれる爽やかな風の吹く町、風都。

そんな町中に、1件の探偵事務所が建っていた。

凰蓮「んー今日も完璧な仕上がりね。ブラボー!」

ムキムキの二の腕を晒した袖のない上着に、金のネックレス、頭にはターバンのようなものを巻いた青年、凰蓮・ピエール・アルフォンゾは、目の前に完成したケーキを満足気に見つめている。

京水「はぁーどこかにイケメンいないかしら」

そんな凰蓮の様子とは対照的に、机に腰掛け溜め息を吐くのは、全身を黒の戦闘服で包んだ強面の青年、泉京水だ。

おのれ、ディケイド!

凰蓮「あら、なんだか浮かない顔じゃないの」

京水「そりゃそうよ、なんたってここ最近事件も起きずに平和そのもの、退屈でしょうがないのよ」

凰蓮「ふふ、それがベストテンションよ。まぁ、確かに肉体派のあなたは物足りないかもね」

Wは皆さんご存じの通り、2人で1人の仮面ライダー。京水は主に外を回り、凰蓮は事務所で京水のバックアップを行うのだ。

凰蓮「私はWの知識を担うもの、戦闘は怖いわ」

念のためもう一度言うが、凰蓮はあまり肉弾戦を好まないのだ。

???「あのー、すみません」

そんな2人の元に、久しぶりの依頼人が現れた。

凰蓮「あら、いらっしゃい」

京水「誰、イケメン!?」

真理「えっと、ここに来ればどんな依頼を引き受けてくれるって聞いて……」

顔を出したのは、555のヒロイン真理であった。次の瞬間、京水は凄まじい速さで真理の顔面2センチくらいの距離まで肉薄した。

真理「ひっ!?」

驚く真理を尻目にまじまじと見つめる京水。

京水「……美肌ね」

凰蓮「どうやら、あなたは悪いやつではない、相棒はそう言ってるわ」

京水「私、女には厳しいの」

真理「は、はぁ……」

席に着いた真理は、さっそく依頼内容を話し出した。

真理「それで、依頼なんですけど」モグモグ

凰蓮の出したケーキの美味しさに、真理は口を動かすばかりで中々話し出そうとしない。

結局ケーキが全部なくなってから、真理は悩みを語り出した。

凰蓮「なるほど、つまりその草加……とかいう奴の様子がここ最近変なのね?」

真理「はい、まぁ変だというか、まるで別人になっちゃったみたいで……」

京水「それで、その草加とかいう奴はイケメンなの?」

真理「へっ? ま、まぁ昔からモテモテではありますね」

京水「なるほど、それで強さは?」

真理「そりゃあ仮面ライダーですもん、すっごく強いです!」

京水「イケメンで強いのね、嫌いじゃないわ!」

凰蓮「あなたそれ言いたいだけでしょう」

真理「あ、あのう、それで依頼の方は」

恐る恐る尋ねる真理に、京水と凰蓮はグッドサインを見せた。

京水「そんなの引き受けるに決まってるわ。か弱いレディの気持ちはよく分かるもの」

凰蓮「私達に任せなさい、なんたって私達は」

京水「2人で1人の」

凰蓮「探偵よ!」

♪~(オープニング)

WのOPで翔ちゃんを京水、フィリップを凰蓮さんに置き換えて脳内再生してください。

格好は各自の想像力にお任せします。

ガジェット「ディケイドォー! ディケイドォー!」

京水「むむっ、ガジェットに反応あり。どうやらターゲットが近いわ」

空を飛んでいたナルタキ型ガジェットからの通信を受け、京水が持っていた携帯を見ると、赤い点のような物がモニターに写し出されていた。

真理「ハイテクですねー」

凰蓮「当たり前よ、この凰蓮はケーキからガジェットまで、何でもござれなんだから!」

ドンと胸を叩いた凰蓮の背中には、AKー74が。
その姿は歩くトリガードーパントとでも言ったところだろうか。

3人がしばらく歩くと、そこには何やら花屋で買い物をしている様子の草加の姿があった。







京水「あら、イケメン!」

真理「あれが草加君です」

凰蓮「んーイケメンだけど麗しのメロンの君程の優雅さが足りないわねぇ」

京水「何言ってるのよ、克己ちゃんみたいに爽やかさの中にワイルドさもあっていいじゃない!」

真理「あの、草加君行っちゃいましたよ」

京水凰蓮「あっ!」

慌てて後を追うと、草加はちょうどクリーニング屋の前で乾巧に会うところであった。

草加「やぁ乾君今日も爽やかな天気だね! これ、さっき素敵な花があったんで買ってみたんだ、良かったら」

乾「えっ? いやぁ、いいよ、なんか気持ち悪いし」

草加「あっ、待ってくれ!」

追いすがる草加を振りほどくように、乾はバイクに跨がるとその場を走り去った。

真理「ね、なんか変でしょう?」

電柱の影から様子を見ていた3人であったが、真理が2人を振り返り同意を求める。

京水「ええ……」

凰蓮「許せないわ……」

真理「へっ?」

京水「何よあの乾ってやつ! せっかくの乙女の心意気を踏みにじるなんて!」

凰蓮「マイゴッド! きっと草加君は傷付いてるわ。こうしちゃいられない、励ましましょう!」

真理「ちょっあんた達……ちょっとおー!」

真理の力で大男2人を止められるわけもなく、京水と凰蓮は草加に駆け寄った。

草加「……ん、何かな、君達は」

涙を拭う仕草をしてこちらを振り返った草加の右肩を、京水がポンッと叩く。

京水「我慢しなくていい、好きなだけ泣きなさい」

凰蓮「あんなひどい奴の事なんて忘れて、きっともっと素敵な人がたくさんいるわ」

左肩を叩きながら話す凰蓮の言葉に、草加の太めの眉がピクリと動く。

草加「……今、何て言った?」

京水「へ?」

凰蓮「だ、だからあんなひどい奴の……どああっ!」

突然カイザフォンから光線を放った草加から、京水と凰蓮が慌てて離れる。

京水「何するのよアンタ! 危ないでしょうが!」

凰蓮「[ピーーー]気!?」

草加「うるさい奴等だな……邪魔なんだよ」

草加はそう言うとカイザフォンのボタンを押す。

コンプリート

カイザに変身を終えた草加は、首もとを正すように捻ると、カイザブレイガンを構えた。

草加「巧のことを好きにならない奴は全部!」

草加が襲いかかってきた!

烏丸所長「すまない、ピーの所は殺す気!? と言っている。伏せ字になったのは私の責任だ。だが私は謝らない」

ショチョー!!

凰蓮「仕方ないわね! 京水、変身よ!」

AKをぶっ放してカイザを牽制しながら、凰蓮が呼び掛けると、京水は頷いて凰蓮と背中合わせに立った。

すると、それぞれの腰にドライバーが出現する。

ルナ! ドリアーン!

京水凰蓮「変身!」

ルナ! ドリアーン!

半分はルナ、半分はドリアンの仮面ライダーW、ここに参上!

京水凰蓮「さぁ、乙女の恋を叶えろ!!」

ちなみに見た目は基本Wをモチーフに、半分はWルナ、半分はブラーボです。

イメージしにくくて申し訳ない。

語幹がヤバいなwwwwww

草加「気持ちが悪い奴等だなぁ!」

京水「あら、強さはお墨付きよ!」

カイザはカイザブレイガンを袈裟斬りに斬りつけるが、京水は柔軟な動きとルナの伸縮性で次々に攻撃をかわしていく。

京水「く~ね~くね~くねくね~」

草加「くっ、なんだこのオカマは!」

京水「ぬ~る~ぬる~ぬるぬる~」

若干気持ちの悪いその動きに翻弄されている隙に、反対側の凰蓮はドリノコをカイザの腹部に叩き込む。

草加「ぐはぁっ!」

吹き飛ばされながらも体勢を立て直し、草加はカイザブレイガンの引き、腰のカイザフォンを押した。

エクシードチャージ

カイザブレイガンの銃口に集結していくフォトンブラッドに2人は直ぐさま反応した。

アクセルはドーナツ屋だな。
俺の占いは当たる。

真理「お、重いー!」

ちなみに言い忘れていたが変身している間、凰蓮の意識は京水のカラダ♂の中に!

フィリップくん同様、か弱い体が弱点になるので近くの人に運んでもらう必要があるのだ!

真理「動かせないんですけどこの筋肉男!」

なんて危険な組み合わせなんだ。期待。

京水「あいつ、必殺技を出す気だわ!」

凰蓮「任せて!」

凰蓮は駆け出すと、ドリアンメモリを腰のスロットルに差し込み、力強く叩いた。

ドリアン! マキシマムドライブ!

凰蓮「そのバッテン印をひんむいて、丸裸にしてやるわー!」

ドリアンオーレ!!

草加「近寄るなこの変態がぁー!!」

カイザブレイガンから放たれた光線を弾きながら、ドリアン状の球体がカイザ目掛けて一直線に放たれる。

真理「あっ!!」

弾かれたカイザブレイガンの光線は気絶した凰蓮に直撃したが今はノープロブレムなのだ!

草加「なっ、ぐああああ!」

変身の解けた草加の体から、1つのメモリが弾き飛ばされる。

京水「これって……まさか、T2メモリ?」

凰蓮「どうやらそうみたいね」

ラブ!

パリン

Wの手のひらに乗ったメモリは最後の一声を発すると、粉々に砕け散った。

凰蓮「生き残っていたT2メモリーが草加君に取りついていた……というわけね」

ラブのメモリの効果は、使用して初めて目にした人に恋をしてしまうというはた迷惑なものなのだ!

京水「ふぅ、何はともあれどうやら事件解決みたいね」

変身を解くW。凰蓮もパチリと目を覚ますと、カイザブレイガンの光線に拘束されながらも京水の方に歩み寄る。

草加「う、ううーん……」

すると、気絶していた草加も目を覚まし起き上がった。

草加「な、なんだ、何だか物凄く嫌な悪夢を見ていた気がする」

京水「安心なさい、それはメモリが見せていた悪夢」

凰蓮「とにもかくにも、事件は解決よ。メルシー」

草加「真理、この胡散臭いオッサン達は誰だ?」

真理「さ、さぁ」

そんな4人の元にバイクに乗った乾が引き返してきた。

乾「おーい、草加ー」

草加「お前は……何か用かな」

乾「いやぁ、さっきお前がくれようとした花をやっぱ、貰おうかなって。気持ちは受け取れねぇけどせめて形だけでもな」

そう言って手を差し出した乾を、草加は右ストレートで殴った。

乾「痛ってえなぁ! 何しやがる!」

草加「僕が君に花を? 気持ちの悪い夢を見ているようだから、目を覚ましてあげようと思ってね」

真理「ちょ、ちょっと2人ともやめてよ! 誰か助けてー!!」

乾「ドカドカ」
草加「バキバキ」

そんな微笑ましい青春の一幕を、2人の探偵は微笑ましげに眺めるのであった。

京水「うんうん、やっぱり熱い友情ってのはいいわね」

凰蓮「涙と汗のパジェント、うーん、これってとってもマーベラス!」

真理「2人とも見てないで止めてぇ!」

京水「安心なさい、邪魔はしないわ」

凰蓮「なんたって私達は」

京水「2人で」

凰蓮「1人の」

京水凰蓮「探偵よ!!」

こうして555の世界は救われた!

ありがとう仮面ライダーW!!

そしてまだ見ぬ戦いが、2人を待っているのだ!!!

仮面ライダーWが好きで、京水さんと凰蓮さんが大好きなので思わず勢いで書いてしまいました。

遅い時間まで付き合っていただいた方々、本当にありがとうございました。

またまとまった時間があれば次回作も書いていきたいと思っています。

それでは最後に次回予告をどうぞ。

はんぐり~の店長が二号ライダーというか美少女仮面になるんですね分かります

次回の、仮面ライダーWは!

京水「克己ちゃんがドライブのOPを!?」

凰蓮「あら、中々パンチの効いたいい声じゃない」

克己「never? 何だそれは、俺はそれよりもこのバンドで世界を取る!」

ヒート「やっぱり私には、このギターが一番」

トリガー「ベーススタート……」

メタル「見つけたぜぇ、俺のドラムゥゥ!!」

E声で唄おう/明日を掴む拳

これで決まりだ!

この組み合わせはヤバい










ヤバい


俺の知っているダブルとは何かが違う

けど面白い…!

これまでの、仮面ライダーWは……!

♪~(ディケイドのアバンで流れるあのBGM)

鳴滝「Wの世界も破壊されてしまった……おのれディケイドオオオ!」

京水「美肌ね」

草加「邪魔なんだよ、巧を好きにならない奴は全部!」

真理「動かないんですけどこの筋肉男!」

凰蓮「そのバッテン印をひんむいて、丸裸にしてやるわー!」

士「この2人は互いを支え合い、助け合い、共に乗り越えていく! 何度倒れても……知ってるか、世間じゃそれを、相棒っていうらしいぜ」

鳴滝「お前は一体何なんだ!」

士「通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!」

~♪

というわけで誰得スレ第2話です。よろしくお願いします。

第2話 E声で唄おう/明日を掴む拳

凰蓮「んー、やっぱりショートケーキには真紅のイチゴがお似合いね!」

ここは爽やかな風吹き抜ける、風都の探偵事務所。今日も、凰蓮・ピエール・アルフォンゾは鼻歌交じりに野太い腕で包丁を握り、ケーキ作りのために正確にイチゴを切り分けていた。

京水「はあ、どこかにバンドのボーカルの似合うイケメンいないかしら」

対して、彼の相棒、泉京水は窓辺に腰掛けて夢うつつに窓の外を眺めていた。

凰蓮「あら、どうしたのかしらため息なんかついちゃって」

京水「あの草加とかいう子の事件を解決して以来、猫の捜索とかそんなつまらない依頼ばかりですもの」

凰蓮「そうねえ、でも、例えば突然テロリストがこの街を占拠したりとか、そんなサプライズは映画の中だけのものよ」

京水「はあ、それもそうよね」

???「あのー、すみません」

凰蓮「あら、噂をすれば事件ね」

京水「誰、イケメン!?」

霧子「依頼をお持ちしたんですが……」

現れたのは、本日の被害しゃ……もとい、仮面ライダードライブのヒロイン、詩島霧子であった。

霧子「え、ちょっ!」

京水は窓辺から3歩で入口の霧子まで近付くと、その細い脚とヒップをがっしりと掴んだ。

京水「……美脚ね」

凰蓮「相棒は、中々鍛えられた良い身体してるじゃない、と褒めているわ」

京水「私、女には厳しいの」

霧子「今度変なことしたら、霧子キックを喰らわせます」

凰蓮「さて、今日の依頼は何かしら?」

霧子「はい」ムグムグ

霧子も、やはり凰蓮の出したケーキの美味しさに舌鼓を打つあまり、中々本題に入ることができずにいた。あっという間にお皿の上のケーキを平らげると、ようやく口を開く。

京水「なるほど、今度放送開始の、あなたの出演する番組の主題歌を歌うアーティストを探しているのね」

霧子「ええ。何でもスピーディかつワイルドな歌声で、それでいてテクニカルな技量で観客をデッドヒートさせられる人物を探しているみたいなんです」

凰蓮「えらくアバウトな要求ねえ」

霧子「ええ、私も何とかその要求に見合うアーティストを探してみました。今のところ候補はこの3人です」

そう言って、霧子は懐から3枚の写真を取り出すと、テーブルに広げて見せた。

京水「あら、どれもイケメン揃いね」

凰蓮「この人なんかいいんじゃない」

凰蓮は1枚の写真を取り出す。

霧子「その人はガクトというアーティストです」

京水「あら、このすきっ歯の男の子も可愛くてなかなか……ああーーーーっっ!!!!」

ゴールデンなボンバーしているアーティストの隣にある1枚の写真を目にして突然野太い声で叫んだ京水に、2人はビクリと驚いて顔を上げた。

凰蓮「オウ! どうしたのよ京水!」

京水「こ、こ、ここここ、これって……」

霧子凰蓮「?」

京水「克己ちゃん!?!?」

京水「というわけでここがそのforever(フォーエバー)とかいうバンドの控室なのね」

霧子「ええ、何でも今若者を中心に幅広い層の支持を得る人気ロックバンドらしいです」

京水「何よフォーエバーって……克己ちゃん、私達neverの誇りを忘れちゃったの!?」

凰蓮(落ち着きなさい、京水。まず今日は相手の情報収集が先よ)

ムッキーと地団太を踏む京水の脳内に語り掛けるのは、彼の相棒の凰蓮である。ドライバーを装着した状態なら、凰蓮は事務所でケーキを作りながらでも京水とコンタクトが取れるのだ。

京水「それもそうね、よし、いくわよ霧子!」

霧子「はい」

ガチャリ

京水「お邪魔するわy ズンズンズンズン ギュイーン ドコドコドコ

霧子「わっ」

京水「な、なによこれうるさいわねえ」

楽屋の中には、それぞれ配置について練習を行うneverのメンバーが!(除 京水)

克己「さぁ、ライブを楽しみなぁ!」

京水「ちょっとどうしちゃったのよみんな! あんたも、何やってんのレイカ!」

レイカ「やっぱり私には、この熱いギターが一番……」

京水「賢、あんたも!」

賢「ベーススタート……!」

京水「剛三まで!」

剛三「やっと見つけたぜぇ……俺のドラムゥゥ!」

neverのメンバーは京水の声など聞こえないかのように演奏に打ち込んでいる。

霧子「と、とにかく一度外に出ましょう」

京水「あっ、ちょっと待っ……みんなぁぁ!」

半ばひきずられるように楽屋から出た京水は、がっくりと膝を着いた。

京水「みんなどうしちゃったのよ、私達は……neverはこんなんじゃ……」

凰蓮(バッカモーーン!!)

京水「ハッ」

落ち込む京水の脳内に、凰蓮の喝が響き渡る。

ン~ン~ン~♪(いつものBGM)

凰蓮(あんたが落ち込んでたら、誰がみんなを元に戻すの! きっと何か原因がある、それを探すのよ)

京水「相棒」

凰蓮(まったく……フウッ 一人で抱え込まないの。何たって私達は)

京水「二人で一人の探偵……そうよね?フフッ」

凰蓮「ウェルダン、その通りよ」

霧子「あのー、一人で何をぶつぶつ話してるんですか?」

凰蓮「さて、キーワードをいただこうかしら」

事務所に引き返した2人は、目の前でボウルをかき混ぜる凰蓮の姿を見ていた。

凰蓮は困難な事件に直面したとき、このようにしてボウルをかき混ぜながらキーワードを当てはめ、1つの答えを導き出すのである。

京水「まず1つ目は、そうね、never」

凰蓮「メルシー、次は」

京水「ロックバンド」

凰蓮「なるほど、だいぶ絞れてきたわ。あと1つ欲しいところね」

京水「うーん、あと1つ……浮かばないわねぇ」

その様子に、霧子がスッと手をあげる。

霧子「あのー、私からもいいでしょうか」

京水「あら。何かしら」

霧子「今回の事件、少し心当たりがありまして」

凰蓮「物は試しね、いいわ、どんどんちょうだい」

霧子「はい、じゃあ」

霧子「ロイミュード」

凰蓮「!!!!」

その言葉を聞いた瞬間、凰蓮は凄まじい早さでクリームを泡立てると、それをそのまま皿の上にぶちまけた。

凰蓮「キターー!!」

2人が皿を覗き込むと、そこにはクリームで「ミュージシャン」と書かれていた。

京水「こ、これってまさか……」

凰蓮「この事件、どうやら複雑に絡まり合っているみたいねぇ」

凰蓮は、ゆっくりと口を開き、事件の概要を説明し始めた。

克己「ふぅ、一休みといくか」

楽屋から克己が出てくるのを見計らい、3人は行く手を塞ぐように立ちはだかった。

克己「……何だ京水、それにその2人は」

京水「あら、偽物に名前を呼ばれる筋合いはないわねぇ!」

克己「何?」

凰蓮「そろそろ正体を表しなさい、ロイミュード!」

克己「フン、気付いていたか」

次の瞬間、克己の姿はロイミュードへと変わっていた。

霧子「やっぱりロイミュード絡みでしたね」

京水「あんたは克己ちゃんをコピーして、never乗っ取りを図った……克己ちゃんがいない間に、随分なことしてくれたじゃないの!」

ロイミュ「ふん、他のメンバーは隙を見て簡単に洗脳できた、あとはお前だけだったものを!」

京水「許せない……」

凰蓮「いくわよ、京水!」

ルナ! ドリアーン!

京水凰蓮「変身!」

ルナ! ドリアーン!

仮面ライダーW ここに参上!

ロイミュ「ふん、ここで始末してやる!」

ロイミュードはそう言うと、懐から1つのメモリを取り出した!

ミュージシャン!

ミュージシャンメモリーを使ったロイミュードは、ギター型の武器を構えWに斬りかかる!

ちなみにミュージシャンメモリーは音によって人を洗脳できるのだ!

凰蓮「アン、ドゥ、トロワ!」

凰蓮はドリノコで次々に迫り来る武器を捌いていく。

ロイミュ「くっ、なかなか骨のあるオカマじゃないか!」

京水「いちいち克己ちゃんのイケメンボイスで話さないで!」

返しの一撃を放った京水に、ロイミュードは堪らず後ずさる。

京水「食らいなさーいー!」

Wはルナの力で腕を伸ばすと、ロイミュードに続けざまに波状攻撃を喰らわせた。

ロイミュ「ぐはぁっ!」

吹き飛ばされるロイミュードを見据えながら、Wは勢いよく駆け出す。

京水「終わりよ、偽克己ちゃん!」

ルナ! マキシマムドライブ!

腰のスロットルにルナメモリを差し込んだWがマキシマムを発動した、その時。

克己「ま、待ってくれ!」

京水「!!」

克己へと姿を変えたロイミュードに、京水は思わず手を止めてしまった。

凰蓮「シット! どうしたのよ京水!」

京水「だ、だって偽物とはいえ克己ちゃんを殴るだなんて……」

ロイミュ「今だ!」

ギュインギュイーン!!

京水凰蓮「ああっ!」

一瞬の隙を突いて元の姿に戻ったロイミュードは、ミュージシャンのメモリの力で音波を掻き鳴らす。

そのプレッシャーに、Wは思わず耳を押さえてうずくまる。

京水「このままじゃ……!」

まさに絶体絶命のピンチ……しかし、その時!

ロイミュ「ぐはあっ!!」

突如として飛来したナイフがロイミュードを弾き飛ばした。

ロイミュ「くっ……なっ!」

振り返ったロイミュードの視線の先にいたのは!

克己「何をしている京水」

京水「か、克己ちゃん!!」

克己「フン、まぁ大方のことは分からんが、貴様、好き勝手にやってくれたな」

克己はナイフを拾うと、ニヤリと笑いロイミュードを見据える。

ロイミュ「ま、まさかオリジナル……! 帰国していたのか」

克己「neverの奴等と連絡が途絶えたからな、戦地から引き返してきたのさ」

克己は懐からエターナルメモリを取り出し、スイッチを押した。

エターナル!

克己「変……身」

ロストドライバーのスロットルを倒すと、そこにはマントを羽織った白色の戦士、仮面ライダーエターナルの姿が!

克己「ずあっ!」

ロイミュ「ぐぅ、げほぁ!」

ロイミュードは接近してきたエターナルの徒手空拳により、あっという間に叩きのめされ地に伏せる。

ロイミュ「くっ、何故だ、何故奴には音波が効かない!」

ギターを掻き鳴らすロイミュードだが、エターナルはマントで体を庇いながら、続けざまに3発パンチを叩き込む。

ロイミュ「ぐはあっ!!」

吹き飛ばされ壁面に叩き付けられたロイミュードの眼前で、エターナルはエターナルエッヂを回転させるとスロットルにメモリを差し込んだ。

エターナル!

克己「終わりだ」

ロイミュ「ま、まて! 俺はお前の記憶をコピーした、いわばこの姿はお前の分身!」

克己「だからどうした?」

ロイミュ「お前、本当は歌を歌いたいんだろう!? 分かるぞ、記憶の奥底には、本当は音楽で人を喜ばせたい、そんな気持ちが眠っていることを!」

克己「……」

ロイミュードのその言葉に、克己は一瞬動きを止める。

ロイミュ「しめた!」

しかし、すぐさま繰り出されたエターナルの回し蹴りに、ロイミュードは再び地に伏す。

ロイミュ「がはっ! な、なんで……」

克己「そんなもん俺の過去の記憶だ。俺にはそんなもん、もう必要ないんだよ」

エターナル! マキシマムドライブ!

ロイミュ「あ、あ……」

よろよろと起き上がるロイミュードに向かい、エターナルは助走をつけ跳び上がると、そのまま胴体へと回転蹴りを喰らわせた。

克己「ずああぁっ!」

反動で吹き飛ぶロイミュードに背を向け、克己はサムズダウンを見せた。

克己「さぁ、地獄を楽しみなぁ!」

ロイミュ「ぐはぁぁぁ!!」

爆発四散したロイミュードから、1つの数字が飛び出すと、それはいずこかへと飛び去っていった。

京水「克己ちゃん……」

克己「……」

凰蓮「トレビアーン! まさに優雅かつ豪胆な戦いだったわ」

京水「克己ちゃん、その」

克己「俺達は……未来だけ見てりゃいいんだ」

克己はそう言うと、振り返らないままいずこかへと去って行った。

霧子「なんだか、悲しそうでしたね」

京水「ええ……」

思わず霧子もしんみりしていると、京水は背中を思い切り凰蓮に叩かれる。

京水「あだっ! 何するのよ!」

凰蓮「あら、いつもは元気なおじさんのあなたがそんなに落ち込むなんてらしくないから元気付けようと思ってね」

京水「何ですってぇ! レディに向かって!」

京水「……フッ、でも、嫌いじゃないわ」

凰蓮「ウフッ」

京水「ウフフ」

霧子「これが相棒……なんだか、素敵です」

京水「ほら凰蓮、ドライブ始まるわよ!」

凰蓮「ウィームッシュ! 今行くわ!」

日曜日の朝8時、事務所のテレビの前で2人は新番組の開始を心待にしていた。

凰蓮「結局霧子は誰にOPをオファーしたのかしら」

京水「しーっ、始まるわ」

♪~(セカイジュウガドゥラ~イヴ♪)

京水「えっ!?」

凰蓮「これって……」

~とある部署のデスク~

霧子「2人とも今ごろ見てる頃かな、毎日オファーした甲斐がありました」フフッ

???「おーい、霧子行くぞー!」

霧子「はーい!」


こうしてまた1つの事件が解決した!

ありがとう仮面ライダーW!!

そしてまだ見ぬ事件が2人を待っているのだ!!!

乙ー

ネット版みたいなノリだな
支援

青・・・年???

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