不良「でさー、担任のズラが落ちててさ」
取り巻き「マジで!」ギャハハ
不良(まだ、オチてねえよ)
取り巻き「あ、そういえばさー」
キーンコーンカーンコーン
担任「HRだ! 早く席につけ!」ガラッ
取り巻き「チッ 糞担任死ね」
担任「取り巻き。お前覚えとけよ。…女、隣りのヲタク君を起こしてやりなさい」
女「ほら、早く起きなよ」ユサユサ
ヲタク「・・・?」
女「授業始まるよ」
男「えっ。あ、う、うん。ヘヘ」
不良「・・・」
取り巻き「どうしたの?」
不良「アイツいっつも寝てるな」
取り巻き「あ、ヲタクか?」
取り巻き2「ヲタク君がどうしたの?」
取り巻き「ネクラのアイツだよ」
取り巻き2「あー、女ちゃんの隣…キモいやつか」
取り巻き「ブハハハwwwwww声でけよwwwww」
不良(聞いてねえよ)ヘラヘラ
ヲタク「・・・」
不良(いやいや、何か言い返せよ)
担任「お前らうるさいぞ!」
不良(…退屈だな)
放課後。
不良「やっと授業終わったな」
取り巻き「三学期だから簡単には休めないからな。担任に頭を下げないといけないから腹が立つ」
不良「でも高卒はやべえだろ」
取り巻き「確かにな」アハハ
不良「・・・」
取り巻き「どうしたんだ?」
不良「お前担任に呼ばれてなかった? 早く言ってこいよ」
取り巻き「あっ…」
不良「待ってるから、早く行けよ」
取り巻き「サンキュー!」
不良「・・・」
不良(そう言えば、ヲタク残っていたな)
不良「教室行くか」
不良(扉の前に立たれると、邪魔で仕方ないな)
不良「人影がある」ガラガラ
ヲタク「・・・あれ、あれ? あれれ?」
不良「・・・何してんの」
ヲタク「えっ え、あっ… ふ、不良くん財布が」
不良「財布、なくしたのか」
ヲタク「…うん。アニメイトで販売されている商品があるんだ。人気過ぎて予約しないと取れないらしい。まあ、予約してるけどね。でも、今日が期限の日だからお金を払わないといけないんだ。早く見つけないと」ブツブツ
不良「う、うん。困ってんなら手伝おうか?」
ヲタク「え、僕なんかの財布を… いいの?」
不良「別に、いいよ」
ヲタク「でも、僕の手伝いなんてしてたら、嫌われるんじゃ」
不良「は?」
ヲタク「な、なんでもないで、何でもないです!」
不良(まあ、人待ちだからな)
ガサゴソ
不良「…何処で無くしたんだよ」
ヲタク「駐輪場に行ったら気付いて、いつもは外ポケットに…あっ」
不良「『あ?』」
ヲタク「内ポケットにあった」
不良「なんだよそれー!!」
ヲタク「ご、ごめん…」
不良「ハァ…。すぐ謝んなよ、帰るわ」
ヲタク「う、うん」
不良「それじゃ」ガラッ
取り巻き「不良。待った?」
不良「待ってねえよ。早く行こうぜ」
取り巻き「そう言えば、友達がさ。アレやってるらしいんだよ」
不良「アレって…オタク狩り?」
取り巻き「バレなかったら、良いんだよ」
不良「程々にしろよ」
取り巻き「キモい癖に金持ってんだよ」
不良「はいはい」
ヲタク(フフッ 手に入れたぞ…。この日をどれだけ待っていたか)
??「や、やめてください」
「オラァ 金出せ!」「ほら、このキモイ人形壊しますよー」バキッ 「もう壊してんじゃん」
ヲタク「…ッ!」ゾクッ
ヲタク(早く逃げないと…)
不良『…どこでなくしたんだよ』
ヲタク「不良くんも混ざったりするのかな」
不良『なんだよそれー!』
ヲタク「いやいや。ぼっちだからって不良君はない」
ヲタク「第一嫌われてそうなのに」
ヲタク「…期待しすぎるのはダメだよ」
ーーー
ーー
ー
不良「暇だぜ」
取り巻き「確かに。なんかやる気が起きねえよな。体育早く終われ」
不良「・・・」ジロッ
ヲタク「あ、ああ…」オロオロ
ぼっち「ハァ…」
取り巻き「何見てんの?」
不良「何も見てねえよ」
取り巻き「? ああ、そうそう…ヲタク狩りの事なんだけどさ。お前も来ない?」
不良「えっ…」
ヲタク「!」
不良「・・・」チラッ
ヲタク「!!」ビクッ
不良「んー、辞めとく」
取り巻き「えー!? マック食い放題だぜ?!」
ヲタク「・・・」
不良「昼飯かあ」
取り巻き「不良!一緒食べようぜ!」
ヲタク「・・・」ガタッ スタスタ
不良「腹痛い。先食べてて」
取り巻き「え、お、おう」
取り巻き「・・・最近付き合い悪いなあ」
取り巻き「お前も、そう思うよな!」
ぼっち「知らないよ」
ぼっちwwww
取り巻きいい奴じゃねーかw
不良「あっ、いたいた。トイレで何してんの?」
ヲタク「あ、不良君。何もしてないよ。お腹痛いなって思っただけ」
不良「…トイレで弁当って都市伝説じゃないんだ」
ヲタク「!」ビクッ
ヲタク「あ、ぼ、僕やることあるから!」タッタッタッ
不良「お腹痛いんじゃないのかー?」
ヲタク「あ、あはは」
不良「おーい」
ヲタク「ハッハッ」ダッダッダッ
ヲタク「・・・」
ヲタク「ここまで来れば…」
不良「何で逃げんだよ」ニョキッ
ヲタク「うわああああ」
不良「あーあ、弁当箱が…」
不良「まあいいや。一緒食おうぜ」
不良「えっと、何て呼んだらいいんだっけ」
ヲタク「ヲタクで構わないよ…」
不良「ヲタク君か。ヲタクが見てるのは何?」
ヲタク「え、いや… 何でも、何でもないんだ」ササッ
不良「見せろって」グイッ
不良「『ニコニコ動画』?」
不良「あ、すまん」
ヲタク「いや、いいよ」アハハ
ヲタク•不良「「・・・ ・・・」」
不良「・・・」
ヲタク「…何か、嬉しいなあ」
不良「え? 」
ヲタク「いや… 話とかした事無いから」
不良「友達と話せよ」
ヲタク「と、友達。いないんだ」
不良「可哀相な奴だな」
ヲタク「よ、良く言われるよ。もっと行動すれば良かったとか考えてズルズル来ちゃった」
不良「あーでも、ズルズル来るのは分かる気がするな。期末とか『勉強しなきゃ』とか思うけど、絶対しねえ」
ヲタク「それはしなきゃ」アハハ
不良「だよな」アハハ
キーンコーンカーンコーン
ヲタク「あ、チャイム鳴った」
不良「いやー、いろんな話を聞けたぜ」
ヲタク「ご、ごめん。一杯話しちゃって」
不良「良いんだって。最近退屈してたんだよ。良い刺激になった。また来るぜ、ヲタク」
ヲタク「うん! 待ってるーー」
取り巻き『お前もオタク狩りやらない?』
ヲタク「ーーよ…」
不良「おう。先言っとくわ」
ヲタク(不良君も、あんな卑劣なことするのかな)
ヲタク(そうだ。不良君も仲間だったんだ…)
ヲタク(で、でも。『してる』とは限らないし、きっとそうだ)
ヲタク「大丈夫 大丈夫」
ヲタク「…待って」
不良「?」
ヲタク「変なこと聞いていい?」
不良「時間ねえから早くな」
ヲタク「え、あっ。うん、その…」
不良「・・・」
ヲタク「えっと…何が言いたいか…というと…うん」
不良「ヲタクさあ。女々しいんだよ」
不良「ちゃんと言いたいことがあるなら、声を張り上げればいいじゃねえかよ!ウジウジすんな。それが惨めに見せてんじゃねえの。だから根暗って言われんだ。で、何?」
ヲタク「…分かった。さっき、取り巻き君の話立ち聞きしたんだけど、ヲタク狩りって何なの?」
ヲタク「取り巻き君との会話を聞いちゃって…、その何をどうするって訳じゃないけどやっぱり気になるって言うか」
不良「…俺はやってねえよ」
ヲタク「そ、そうなんだ。だよね、良かった。心配した」
不良「でも、あの辺に近付かない方がいい」
不良「危険だからな。昨日もあったらしい」
ヲタク「え、で、でも…」
不良「あー、ヲタク。お前友達いないんだよな」
不良「携帯貸せ」
ヲタク「え、あ、ちょ」
不良「はい、ライン登録した」フリフリ
ヲタク「え? え?」
不良「俺が友達になるよ。だから、その話題には触れるな」
ヲタク「あ、ありがとう」
数日後。
ヲタク(あれから、不良くんとは友達になった)
不良「うーっす」
取り巻き「あー、おはよー」
不良「あ、おはよ」
ヲタク(…でも人前がある所では会話を避けている)
不良「・・・」
ヲタク(彼に迷惑がかかるし、僕も弄られたくない)
ヲタク(決まっている事なんだ、急に根暗が表舞台に立つといじられる。決定事項なんだ)
不良「…なあ、ヲタク」
取り巻き「不良はヲタクに絡むねー」
ぼっち「・・・」
不良「ヲタク!」
ヲタク「は、はい!」
不良「おはよー!」
ヲタク「お、おはよう」
ヲタク(多分、言っても通じないんだろうな)
不良「なー、ヲタク一緒食おうぜ」
ヲタク「ご、ごめん。用事あるから」タタッ
不良「なんだよ。付き合い悪いな」
女「…不良君。少し強引すぎじゃない?」
不良「え? 何が強引なんだよ」
女「相手の気持ちも考えたら?」
不良「…優等生は言う事が違うな」
不良(相手の気持ち…か)
ヲタク「放課後になった」
不良「取り巻き、帰ろうぜ」
ヲタク(今日は煩くないか。良かった …良かったって何だよ)
ヲタク(…帰ろ)
不良「・・・」
あれだな
気持ちのすれ違いみたいな
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まだ?