男「あれからもう2年か…」(22)

その頃の俺は見事なまでのクズだった
正確にいえば、その頃からついこの間にかけてなんだが…

厨二病だとか、若気の至りだとか
いろんな言い方があるが、とにかく俺はクズだった

何がどうクズか説明しろって?
安心してくれ、ゆっくり最初っから話してやるからさ
そろそろ寒くなってきたし、まったりほうじ茶でも飲みながら聞いてくれ

そうだなぁ、結論から言ってしまえば
俺は好きな人の不幸を願い、喜ぶような人間だった
って感じかな

な?最低なクズだろ?

詳しく話すと、あいつとの出会いから話さなきゃならないかな…

・・・
・・

男「あー…暇だな」

男「…」

男「ゲームは没収中だし…テレビはつまらんし…」

男「…寝るか」

俺は中二の頃、不登校だった
不登校とはいったものの、別にイジメられたとか、不良になったとかそういうんじゃない
ただ漠然と、なんとなく行きたくなかっただけだ

ピーンポーン

男「んぁ?」

男「今何時だ…?」

男「…ああ、もう18時か…なるほど」

ピーンポーン

男「はいはい」

友「うっす」

男「うっす」

で、学校を一度でも休んだ奴はきっと知ってると思うんだが、その日の授業内容なり、明日の持ち物なりを書いた連絡紙がプリントなんかと一緒にうちに届くよな?
あと、友達の一言メッセージみたいなのとかついてるやつ
知ってるかな?

まあ、不登校ライフの最初のうちはそれが届いてた
まあ、そこは特になんもなかったから省くけど、やっぱり毎日来ない奴に書いてもムダってんでだんだん届かなくなってくるもんだ

それでもまあ、たまに1~2回届いたりして、それなりに皆のメッセージ読んで楽しんでた訳よ

男「今日は…フフッあいつらしいや」

~後日~

男「今日は先生からも書いてあるな」

男「…ん?

男「女って…?」

そこで、たまにくる連絡紙にいつも名前がある奴を見つける
″女″その名前は時にはニックネーム、時にはフルネームで書いてあったりしたが、女の子らしい字で
「はやくおいで!」なり「顔をみせなさい!」なんてことを書いてくれてたんだ

男「誰だこれ?」

ここで一つ、俺は疑問に思う
実は俺、この子知らない
本当顔も何も知らない
名前だけはなんとなく聞いたことあるな程度だった
なぜその子が毎回メッセージを書いてくれるのか、凄く凄く不思議だったのよ

まあ、不思議に思いつつも俺は不登校ライフを満喫し、満足したので2年生3学期から学校に通い始めた
…まあ、それでも週の2日は休んでたけどな

男「おはよー」

友「お前はいっつも土日月と3連休だな」

男「俺は自由人なの」

友「あっそ」

とはいえ、なんとか通い始めたことは事実でありまして、そうなると疑問を解決したくなるのが普通ってもんだ

俺は真っ先に″女″を探した
おんなじクラスだし苦労はしなかった
寧ろ、向こうから声をかけてきてくれた
確か、第一声が

「よっ!」

だった気がする
うん、多分

その後も、普通に話しかけてくれて、人見知りとかあまりしない俺は、どんどん仲良くなって行った

…実はこっからしばらくイベントは無いので割愛

・・・
・・


男「3年かぁ…」

友「どしたの」

男「いや、あんまり休んだらダメかなと」

友「お前は休む前提の考えを変えた方がいいと思うぞ」

年度が変わり、俺は3年生になっていた
俺は相変わらず毎週月曜日は休んでたが、それ以外の問題も特になく、普通に通っていた

クラスに入って、ひとしきりメンツを確認
知ってるやつの方が多く、安心したのを覚えてる
そんな中に、女はいた
この頃からかな
学校に居る間に女を意識し始めたのは

男「おっすー」

女「あ、男じゃん」

男「今年もよろしくな」

女「うん!よろしくね」

女と他愛もない挨拶を交わし、席につく
そこからはあんまり覚えてないが、ネズミーランド行ってお土産買ってきてあげたり、誕生日にネックレス貰ったり、メアド交換して、一緒に遊んだりしてた
地域のお祭りなんかで会ったら、一緒に過ごすのは普通だった
夜遅くなると、家に送ったりもした
大雨の中のカラオケの帰り、未だに透けてたブラジャーを忘れられない

青だった…控えめな…水色に近い…
そ、そんなことはどうでもいいんだ、うん

2人っきりでなんか良いムードになったけど、突然通ってゆく友達のおかげ様々でムードぶち壊れたりもした

そうやって過ごすうち、俺と女が付き合ってるって噂が流れ始めた
まぁ、だいたいそこまで一緒にいたらそうなるよな

友「なぁ、お前と女って付き合ってんの?」

男「んなわけないじゃんよ」

友「マジで?」

男「まーじーでー」

2人とも全否定だったからわりとすぐに収集はついたけど…
そっからだったかな
俺が異性として、女を意識するようになってしまった

女「おはよー」ポンッ

男「!…お、おう!」ドキッ

女「どしたー?」

男「いや、なんでも…」

女「なんかあったらいいなさいよーっ」

女「友達なんだからねっ!」

男「…ああ」

そこからは、モヤモヤして苦しい時間だった
あいつは俺のこと、凄く良い友達だと言ってくれる

でも、そうやって微笑みかけられる度に、心がギュッと締め付けられるのを感じてた
あいつにとって俺は友達なんだなと…

しばらく経ってから
ノリで、付き合っちゃおうかと言った時…あいつは、真剣な顔で
「友達…だよ」
そう言った
そこからは全くと言っていいほど覚えていない
軽い気持ちでスキップしてたら、いきなり銃で撃たれた感じ
いきなり何もなくなる感じ

それが嫌で、嫌で嫌で仕方なかったから
俺は無理やり笑った

冗談という事にした

自分の心に、蓋をした

友達としてでしか、隣に居られないのを知った

なんだかんだで高校生になった
その間に、女は彼氏を2人作った
どちらも2ヶ月といかないうちに破局してたけどな

俺?
皆までいうなよ、分かるだろ

高校生になり、会うこともなくなった
その頃、一応俺にも彼女ができた

でも、俺は忘れられなかった
だから、連絡は取り続けた

心の中で、自分に、彼女にこの行為は友達なら当然だ
と嘘をつきながら…

メール
男「元気?」

女「げんきだよ」

男「テストとかどうよ」

女「ぼちぼちかなぁ」

男「ぼちぼちって…」

女「そういえばこの間ね…」

女はよくモテた
俺が知ってるだけで8回は告白されて、6回は付き合ってる
本人談だから真偽はわからんが…
そして何より、悪い男を引くのが上手かった
評判悪い奴ばかり引き当ててくるから、見る目がないってことだと思う

それでも、一般で言うビッチだとは思わなかった
むしろ、沢山破局する女を見て沢山傷つく女を見て
「あいつを幸せにできるのは俺だけだ」
そう確信してしまった
恋は盲目ってね、片思いだけど

気付けば、俺は女が付き合う度に別れることを望んでいた
彼氏について相談されたら、それとなく別れる事を促した

そして、まんまと別れた時に
傷ついた女にすり寄って励ましていた
すべては、俺のエゴで
本当に心配してた訳じゃない
一秒でも、女のそばにいたかったた為の言い訳だった

まあ、あらすじとしてはこんな感じですわ
そんでもって今に至るって感じ?
あ、ついでにいうと俺はとっくに彼女と別れてました

で、その後どうなったかって?
察してくれよ
俺がなぜ、全て過去形なのか
何故自身がクズだと気付いたのか

…告白したんだよ
面と向かって真剣に
彼氏の居る女に向かって

その時言われた

「今の彼が大好きです」
「今が幸せです」

なんの悪気もない、眩しいくらいの笑顔で女は言った
俺は強がって

「だよねーwww」

なんて言ったけど
そのあと、夜中の3時
アスファルトの上で跪いて号泣したよ
機から見たら立派な不審者ですね

別に振られて悲しかった訳じゃない

今まで自分のしてきた行い
今までの自分の考え
今までの自分の…
それが情けなくて、悔しくて、腹立たしくて、俺は泣いた

今は、スッキリしてる
というか、考えないようにしてる
アドレスも、メール履歴も、電話番号も消した
そんだけのことがあっても、そんだけのことしても

俺はまだ女が好きだとおもうから
この気持ちが、爆発しないように
俺の悲しみを、激情を彼女にぶつけてしまわないように
そっと、彼女に触れないよう生きて行くことを決めて生きてる

そんな現在進行形なお話し

ごめんな、こんなオチのない話で
でも、実際ってのはこんなもんだと思うんだ
オチもなければ面白みもない
たまにはこんな話もいいだろ?ゲテモノって奴だ
ホラ、猿の脳みそとかゴキブリとかサソリとかさ

あんたは物好きだよ
俺だったらこんな話、途中で聴くの辞めてる
ありがとな、最後まで俺につきあってくれて

ふふっ…話してたら目からなんか垂れてきたよ
こんなツラ見せたくねぇ
悪いが今日はここまでだ
また、いつかまた会おう
そん時はよろしく

…いけね、まだ厨二病なおってねーや

じゃあな

きも…

いやぁはは
読みやすいssってのを考えながら書いてるとストレス溜まっちゃって
気分を害したのなら申し訳ない
つーか読まなきゃいいのにww

読んでないよ
読んでないけどキモさが滲み出てるもの

>>20
キモ
>>1
おもしろいよみてる

>>21
こんな物をおもしろいと言ってくださりありがとうござます

一応、本編は終わりのつもりです
後で少しだけ書こうかなぁっておもってます

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