男
「セ、セミが喋った!?」
セミ
「なんだよ、セミが喋ったら悪いのかよ」
男
「悪いわ!お前は生物学上喋っちゃいけないことになってんの!」
セミ
「そんなもんお前ら人間が勝手に決めたんだろーが。知らんわそんなこと」
男
(こいつ・・・めちゃくちゃだ・・・)
セミ
「いきなりだけどさ、お前何してんの?」
男
「えっ・・・」
セミ
「お前もう今年で24だろ?仕事にも就かず何してるわけ?」
男
「う、うるせーな!お前には関係ないだろ!」
男
「俺は今自分が本当にやりたいことを探してんだよ」
セミ
「ケッ、どうだか・・・・・。」
セミ
「お前は良いな、気楽に生きることができて」
セミ
「俺はそうはいかねー。鳴いて鳴いて鳴きまくってメスと交尾しなきゃいけねーんだ。」
セミ
「しかもタイムリミットは1週間と来た。グズグズなんかしてられねぇ。」
男
「なら俺に構わず鳴いてりゃ良いだろ・・・・・。」
セミ
「鳴きながら喋ってるから問題ない」
男
「器用だなお前!」
男
「でもお前さ、偉そうに言ってるけど結局鳴くだけだろ?」
セミ
「あ゛?」
男
「そんなに偉そうに語る資格無いだろ。そもそもお前虫だし・・・」
セミ
「おい」
男
「?」
セミ
「1週間だ。1週間で女とヤれるか?」
男
「ド直球で言うのやめてくれ・・・・」
セミ
「『うほっ、いい女・・・』
↓
『やらないか』
↓
『アーーーッ!』
この流れを1週間だ。」
セミ
「お前できる?」
男
「うっ・・・・」
セミ
「だろ?」
昨日あみ戸に何度もぶつかってうるさいからセミ殺しちゃったんだよなぁ…
男
「ふーん・・・セミも大変なんだな」
セミ
「セミなめんなお前」
男
「・・・・・なぁ、一つ聞いていいか?」
セミ
「言ってみな、兄弟」
男
「セミと兄弟になるくらいなら死んだほうがマシだ。」
男
「いや、単刀直入に言うけどさ・・・
お前、鳴き声おかしくね?」
セミ
「は?耳にゴキブリでも詰まってんのか?お前」
男
「気持ちの悪いこと言うな・・・・」
男
「だってお前の鳴き声他のセミとぜんぜん違うぞ?おかしいって。」
セミ
「失礼なやつだな。おかしくねーって。」
男
「じゃあ鳴いてみろよ」
セミ
「わかったよ。
ざわ・・・ざわ・・・・」
セミ
「うおっ!なんかざわざわ言ってる!」
男
「おかしいだろ!他のセミがジリジリ鳴いてる中でなんでお前だけ博才働かせてんだよ!」
セミ
「幼虫のころにカイジを読みすぎたかな」
男
「読んでたの!?」
いいなこれ
男
「ん、もうこんな時間か。俺帰るわ。」
セミ
「なんだ、ニートのくせになんか用事でもあんのか?」
男
「ああ。ちょっと・・・・な。」
セミ
(・・・・・?)
男
「明日もここで鳴くのか?」
セミ
「そのつもりだ」
男
「ふーん。じゃあな。」
セミ
「おー。」
セミ
「ざわ・・・ざわ・・・」
男
「鳴き声間違えてんぞ!」
実に良い
こんな感じでだらだら書く
だらだらと読み続けてくれれば嬉しい
男
「おーい、いるかー」
セミ
「なんだ、また来たのかお前」
男
「いいじゃねえか。暇なんだし」
セミ
「ハローワーク行けよ腐れニート」
男
「おい馬鹿やめろ」
セミ
「ざわ・・・ざわ・・・・」
男
「だから鳴き声間違ってるって」
セミ
「おお・・・すまん。」
男
「・・・・で、調子はどうなの?
可愛いメスとかいた?」
セミ
「いたにはいたけど・・・・好みではなかったかな。
向こうも俺に興味なさげだったし」
男
「へー・・・・どんな子だったんだよ。」
セミ
「お前に分かるように言えばハルヒっぽかったかな」
男
「お前すげえわがままだな」
うちの小さな木にも朝からずっと小さなきれいなセミがとまってるんだけど鳴かないんだよなー
話したりざわざわ言ってほしいわ
セミ
「いや、違うんだ!誤解だ兄弟!」
男
「だから兄弟じゃないって・・・・」
セミ
「俺はキレイ系の娘が好きなんだ。可愛い系の子は眼中に無くてだな・・・・
あとおっぱい」
男
「中学生かよお前。それにセミにおっぱいもクソもあるか。」
セミ
「『この豚がっ!』って言われてみたい」
男
「セミだろお前」
>>17メスじゃね?
セミ
「いきなりだけどさー。お前夢とかある?」
男
「・・・・・・・・え」
セミ
「夢だよ。ゆ・め。てめーみたいなゴミクズにも夢くらいあるだろ」
男
「・・・・・・。」
セミ
「どうした。暗い顔すんなって。
そんなに実現しがたい夢なのか?」
男
「・・・・・・帰るわ、俺」
セミ
「えっ!?おい!まだ10分も経って・・・・・」
セミ
「・・・・行っちまった。」
セミ
「何よぉ・・・・帰る理由ぐらい言ってくれたって良いじゃない・・・・。」
セミ
「もうこうなったら理由聞くまでついていってやるんだからねっ/////」
セミ
「・・・・1人で何言ってんだ、俺。」
ブゥゥゥゥゥゥン・・・・
セミ
「おー。いたいた。羽があるってイイネー!」
セミ
「・・・・?病院?あいつなんであんなとこ入っていくんだ?」
セミ
「風邪・・・・ではないか。咳一つしてなかったし。」
セミ
「お見舞い・・・・か?」
乙!
セミがずっと動かないからそっと捕まえて近くの雑木林に放してきた
運命のセミが見つかることを祈る
続きはよ
夏がおわっちまう
夏も終わりか・・・
だがまだセミ鳴いてるからセーフだよな
男
「女・・・調子はどうだ・・・?」
女
「・・・・・・・・・あはは・・・・また来たの?いい加減仕事探しなさいよ・・・・・・」
男
「ははは・・・痛いところ突いてくるな」
男
「で、どうなの調子」
女
「バカね。私がこの程度でくたばるような女じゃないって知ってるでしょ?」
男
「・・・・そうだよな。愚問だったわ」
女
「・・・・・・・うっ・・・・」
ゲホッ!ゲホッ!
男
「!?おい!」
女
「うっ・・・・だ・・だいじょぶよ・・・・」
男
「大丈夫じゃねえだろ!先生!女が・・・・・」
セミ
「・・・・・・・・。」
カサッ
ブゥーーーーン・・・・・・
セミ
(けっ・・・・ニートのくせにかっこつけやがって・・・・・・・・)
セミ
「・・・・・・・来たのか。」
男
「あぁ。最近は暇だからよ。」
セミ
「行ってやらなくていいのかよ」
男
「っ!?
・・・・はは。何のはなs
セミ
「もうあの子、長くねえんだろ」
男
「・・・・・・ッ!!」
セミ
「しっかり説明してくれよ。つらいかもしれねえけどさ。」
セミ
「俺だって少しは
男
「長くねえだと・・・・・・・・」
セミ
「・・・・。」
男
「長くないなんて言うんじゃねえよ!」
男
「ああそうさ。あいつは病気に犯されて、もう宣告された余命もすぐそこまで迫ってんだ。」
男
「でもあいつ生きてんだよ!
一生懸命さ、自分でも半分くらい無理だとわかってるんだろうにがんばって薬飲んで、
副作用で苦しんで、それでも『大丈夫、平気だ』って俺に笑うんだ。」
男
「だからそんなとどめを刺すようなこと言うんじゃねえよ・・・・・・・」
セミ
「・・・・彼女かなんかか?」
男
「・・・・そんなじゃねえよ。ただの幼馴染だ」
セミ
「あの子の余命いつなの」
男
「ッ・・・お前・・・・・ッ!」
セミ
「頼む・・・・教えてくれ」
男
「・・・・・・・・・
3日後だ」
乙
セミ少なくなったな…
セミ
「3日・・・?もう意識がない人間とかならともかく、他人と話ができるような状態の人間があと3日で死ぬって無理がないか・・・・?」
男
「俺も信じられないんだが・・・・・なんでも今あいつの中には大量に「爆弾」があって・・・・
それが爆発するのが3日後らしいんだ・・・・」
セミ
「ますます夢みたいな話だな」
男
「・・・・・・夢だったら良いんだけどな」
セミ
「・・・・・・お前どうすんの」
男
「え・・・・?」
セミ
「それが本当ならあの子の寿命はあと3日しかないんだろ。
それまでどうすんのって話だよ」
男
「どうって・・・・・どうしようもねえだろ」
セミ
「そうじゃねえ。あと3日を彼女とどう過ごすかって聞いてんだ」
男
「・・・・・・・俺に何かできるかな」
セミ
「・・・・・・・・・そばに居てやるだけで良いんじゃねえの」
セミ
「最期を好きな人と一緒にすごせるってのは幸せだと思うぞ」
男
「・・・・・・・・小説かなんかの読みすぎだぞ、お前」
セミ
「るっせーな、ほっとけ」
男
「・・・・・・・でも、そうすることにするよ」
セミ
「・・・・・・そうか」
男
「・・・・・・・ありがとうな」
セミ
「樹液1リットルでいいわ」
男
「・・・・はいはい。」
セミ
「おい、もう少しマシな反応できねーのかよ・・・・俺様の最後のジョークだぞ」
男
「・・・・・・・え?」
男
「最後・・・・・・?」
セミ
「お前は今から3日彼女のそばにいるんだろ?今日から3日経ったら俺が生まれてから6日目だからな。
それからいろいろごちゃごちゃするだろうし、お前の用が全部済むころには俺もあの世行きだ。」
男
「・・・・・・そうか」
セミ
「うん」
男
「・・・・・・世話になった」
セミ
「全くだ」
セミ…
大合唱してたみんみんが今朝は一人もいなかったよ…
もうセミの声を聞かなくなって久しいな
セミがいなくなって、今は鈴虫が鳴いてるんだよな
こっちはコオロギかな…
こうなったらコオロギに生まれ変わって続けてくれ
セミぃ…
1週間前くらいに道端にアブラゼミが居た。
ご臨終だったのかもしれないけど、長生きしたのかな。
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