八幡「雪ノ下とドライブ」 (85)
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「(静寂が辛い・・・)」
八幡「(聞こえるのは、雨の音と車のエンジン音・・・)」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
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八幡「・・・雪ノ下、頼むから何か喋ってくれ」
雪ノ下「あら、急にどうしたのかしら?」
八幡「折角のドライブなんだ、少しくらい会話を・・・」
雪ノ下「引きこもり谷君の声を聞くと、私の蝸牛が破壊されてしまうわ」
八幡「俺は一体何者なんだ?」
雪ノ下「人間でないことは確かね」
八幡「おい」
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・雪ノ下、お前は寡黙を愛しているか?」
雪ノ下「急になに? 嫌いではないけれど」
八幡「そうか・・・」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・そういえば、この間な」
雪ノ下「・・・?」
八幡「由比ヶ浜に会ったんだよ」
雪ノ下「そう・・・どこでかしら?」
八幡「駅前のサイゼだ」
雪ノ下「比企谷君、貴方本当にサイゼリアが好きなのね」
八幡「当たり前だ」
八幡「それで、店内で由比ヶ浜を見つけたは良かったんだが」
八幡「俺が声をかけても、ガン無視でな・・・」
八幡「結局、会計を済ましてそそくさと外へ行ってしまったんだ」
雪ノ下「自業自得ね。きっと比企谷君が近寄っただけで、由比ヶ浜さんは気分を悪くしたのだわ」
八幡「俺はテロなのか? ん?」
雪ノ下「・・・何か原因があるはずよ。胸に手を当てて、しっかりと考えてみてはどうかしら?」
八幡「・・・・・・」
八幡「・・・わかんねーよ」
雪ノ下「そう・・・」
八幡「雪ノ下、お前もわかっているだろう?」
八幡「由比ヶ浜とは、卒業式の後で返事をしたって」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「由比ヶ浜を泣かせてしまったのは事実だが」
八幡「今でも連絡を取り合っているだろーが」
八幡「何も問題はないはずだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「・・・ねぇ、比企谷君」
八幡「あ?」
雪ノ下「どうして、貴方は私を選んだのかしら?」
八幡「今更何を言っているんだ?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・2人で決めたことだろ」
雪ノ下「えぇ、そうね・・・」
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「・・・比企谷君」
八幡「ん?」
雪ノ下「私も・・・この前由比ヶ浜さんに連絡をしたの」
八幡「・・・・・・」
見てますわ
雪ノ下「この前と言っても、随分前から連絡はしていたのだけれど」
雪ノ下「最近になって・・・全く・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「そうか・・・雪ノ下もか」
八幡「珍しいな、お前ら仲が良いのに」
八幡「喧嘩でもしたのか?」
雪ノ下「・・・いいえ」
八幡「・・・そうか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・雨、だんだん激しくなってきたな」
雪ノ下「えぇ、そうね・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「雪ノ下、お前少し顔色が悪いぞ?」
八幡「大丈夫か?」
雪ノ下「私は大丈夫よ」
雪ノ下「気にしないで」
八幡「・・・おぅ」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「・・・俺達、高校を卒業してもう3年が経ったんだな」
雪ノ下「急にどうしたのかしら?」
八幡「急にふと思いついたんだ」
八幡「最近、よく高校時代のことを考えているんだ」
八幡「俺の下ことは、正しかったのか・・・とか」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「奇遇ね、私もだわ」
八幡「そうか」
雪ノ下「比企谷君と一緒だなんて、虫唾が走るにも程があるわ」
八幡「お前は比企谷家に何か恨みでもあるのか?」
雪ノ下「貴女単体の問題よ」
八幡「せめて個人と言え。人ですらないのか、俺は」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「貴女単体の問題よ」 ×
雪ノ下「貴方単体の問題よ」 〇
八幡「・・・高校時代どころか、よくそれよりも昔のことも考えるんだ」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「どれも碌(ろく)なことはなかったが」
八幡「それでも、楽しかったな」
雪ノ下「そう・・・良かったわね」
雪ノ下「やっぱり私達、似た者同士なのね」
八幡「・・・急にどうしたんだ?」
雪ノ下「いえ・・・そう思ったの」
八幡「・・・・・・」
なんか最後に車内で練炭コースが思い浮かんだ
雪ノ下「比企谷君は、今までで楽しかった時期はいつかしら?」
八幡「・・・また唐突に」
八幡「雪ノ下、どうしたんだ? さっきからなんか様子がおかしいぞ?」
雪ノ下「貴方に言われたくはないわ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「いいから、答えて」
八幡「・・・高校時代だよ」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「正直、小・中は思い出したくない」
八幡「高校も、辛いことが多かったが」
八幡「中々興味深いこともあった」
雪ノ下「社会不適合者の貴方にとっては、当然の仕打ちだと思うのだけれど」
八幡「雪ノ下、泣くぞ? 小町の胸に顔埋めるぞ?」
雪ノ下「近寄らないでちょうだい。シフトを捥(も)ぐわよ?」
八幡「やめてください、それがないとシフトチェンジできません」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・まぁ」
雪ノ下「?」
八幡「高校は・・・雪ノ下と、由比ヶ浜がいたから」
八幡「楽しかったのかもな」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・貴方、本当に比企谷君?」
雪ノ下「貴方も、そんなことを言うようになったのね」
八幡「おかしいか?」
雪ノ下「えぇ・・・正直、違和感しかないわ」
八幡「・・・そうか」
八幡「お前みたいな人間に会ったのは、初めてだったんだ」
八幡「少しは興味も湧いた」
八幡「実際に、奉仕部で過ごした時間は、楽しかった」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「また・・・あの頃に」
八幡「戻りたいな」
雪ノ下「えぇ・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「由比ヶ浜がバカみたいな声だして」
八幡「お前は紅茶を淹れて」
八幡「先生が俺を叱って」
八幡「戸塚が可愛くて」
八幡「そんな、毎日」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「また暗くなってきたな」
八幡「ライトの向き・・・真っ直ぐにするか」パチ
雪ノ下「対向車の運転手にとっては、顰蹙(ひんしゅく)だと思うのだけれど」
八幡「誰もいねーよ」
八幡「それにしても、この道走っているの俺達だけなんだな」
雪ノ下「そうね・・・ちょっと不気味かも」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「ライト、壊れたか・・・?」
八幡「車検には出したんだが・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「前がよく見えん」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
これもう死んでるパターンだろ
八幡「雨、止まねーな」
雪ノ下「そうね」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「雪ノ下、やっぱりお前顔色悪いぞ」
八幡「それも、さっきよりも」
雪ノ下「・・・そんなことはないわ」
八幡「一旦車を止めるぞ。具合悪いか?」
雪ノ下「具合は悪くないわ。それよりも」
雪ノ下「車は止めないで良いわ。そのまま走って」
八幡「そうか?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・わかった」
八幡「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」ペラ
八幡「・・・ダッシュボード開けて」
八幡「何を見ているんだ?」
雪ノ下「自動車教習所の教科書よ」
八幡「どうしてまた・・・」
雪ノ下「・・・なんとなく」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「こんな雨の日は」
雪ノ下「ハイドロプレーニング現象に注意って」
雪ノ下「この本に書かれているわ」
八幡「おい、いますぐそいつを仕舞え」
八幡「演技が悪いぞ」
雪ノ下「運転席側のエアーバッグだけ、作動しないように」
雪ノ下「細工しておいたわ」
八幡「おい」
雪ノ下「姉さんが」
八幡「・・・・・・」
八幡「冗談は止めろよ」
雪ノ下「ゴメンなさい」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・そういやさ」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「俺達、なんでドライブなんてしているんだっけ?」
雪ノ下「・・・さぁ」
八幡「そもそも、どこに向かっているんだ? 俺達」
雪ノ下「・・・不覚にも、私も忘れてしまったわ」
八幡「・・・そうか」
八幡「まぁ・・・こういうときがあっても、良いよな」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
最近不安になるss多いな-。
最近不安になるss多いな-。
八幡「・・・前輪がなんかおかしい」
八幡「ハンドルが変だ」
八幡「(空気圧高くし過ぎたか?)」
雪ノ下「比企谷君」
八幡「あ?」
雪ノ下「気の所為よ」
雪ノ下「そのまま走って」
八幡「・・・おぅ」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
こわ
雪ノ下「・・・比企谷君って、スポーツカーが好きなのね」
八幡「あ? あぁ・・・この車、少し年式が古いから」
八幡「安かったんだ」
八幡「維持費はかかるけどな」
雪ノ下「マニュアル、難しくない?」
八幡「そんなことはないぞ」
八幡「未だに、エンストはするがな」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「比企君、少し暑くないかしら?」
八幡「そうか? ヒーターの温度下げるぞ」カリカリ
雪ノ下「ふぅ・・・ふぅ・・・」
八幡「雪ノ下、大丈夫か?」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「・・・?」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「それにしても」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「俺達、いつまで運転しているんだろうな」
雪ノ下「・・・わからないわ」
八幡「そうか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・こんなときがあっても、悪くないわ」
八幡「あぁ・・・」
八幡「そうだな」
雪ノ下「・・・・・・」
ドキドキしてきた
雪ノ下「なんだか少し、焦げ臭いわね」
八幡「悪い、この車」
八幡「買ったときからこうなんだ」
八幡「時々こうして」
八幡「臭うときがあるんだ」
雪ノ下「そう」
雪ノ下「大丈夫なの?」
八幡「あぁ、大丈夫だろ」
雪ノ下「そう」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「・・・さっき、由比ヶ浜さんにメールを送ったのだけれど」
雪ノ下「まだ返信が来ていないわ」
八幡「由比ヶ浜も忙しいんだろ」
八幡「あいつ、そこそこ良い大学に入ったからな」
雪ノ下「えぇ・・・でも、随分前から連絡しているのに」
雪ノ下「まだ返ってきてなくて」
雪ノ下「私、何かしたのかしら・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「私、本当にどうしてなのか、わからなくて」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「気にするな」
八幡「それはお互い様だ」
八幡「俺と・・・お前の」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
どうゆうことだってばよ
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・ん?」
八幡「なんでミラー、ブッ壊れているんだ?」
八幡「気づかなかった」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「家を出たときは・・・?」
八幡「あれ?」
八幡「よく思い出せんな・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「なぁ、雪ノ下」
八幡「俺、途中車停めたっけ?」
雪ノ下「いいえ、そんなことはないわ」
雪ノ下「よく覚えていないのだけれど」
八幡「そうか・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「ドアミラー代、いくらになるんだ・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「比企谷君、ボンネットが凹んでいるわ」
八幡「ん? あぁ・・・」
八幡「まぁ、走るには問題ないだろ」
雪ノ下「そうね・・・」
八幡「どこかにぶつけたか?」
八幡「んなわけないか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・雪ノ下は」
雪ノ下「・・・?」
八幡「最近、調子はどうだ?」
雪ノ下「学生生活はすっかり安定しているわ」
八幡「そうか」
雪ノ下「貴方は変わらずに1人ぼっちなのね」
八幡「あぁ」
八幡「俺は1人だ」
八幡「友達も、恋人も」
八幡「誰もいない」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「でも、貴方には家族がいるわ」
八幡「? そうだったか?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「はは・・・そんな顔するなよ」
雪ノ下「・・・そうね」
雪ノ下「じゃあ」
雪ノ下「せめて、2人ぼっちって言ってちょうだい」
雪ノ下「私は、比企谷君の傍にいるわ」
八幡「・・・おぅ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・煙でよく前が見えないな」
雪ノ下「そうね」
八幡「エンジン切るか?」
雪ノ下「いいえ、切らないでちょうだい」
雪ノ下「このまま、走って」
八幡「わかった」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「比企谷君、さっき貴方には恋人がいないと」
雪ノ下「言っていたわね?」
雪ノ下「それは、本当かしら?」
八幡「何言っているんだ、雪ノ下」
八幡「俺にいるわけないだろ」
八幡「俺は一生孤独なんだよ」
八幡「それがぼっちってもんだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「そう・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「雪ノ下、頭から血が出ているぞ」
八幡「・・・ほら、これで拭け」スッ
雪ノ下「ありがとう・・・」フキフキ
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「止まらないわ」
八幡「おいおい、大丈夫か?」
雪ノ下「そういう貴方こそ」
雪ノ下「頭から血が出ているわ」
八幡「そうだったか」
八幡「・・・ま、放っておいても大丈夫だろ」
雪ノ下「そうね」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「目が痛いな」
八幡「運転に集中できん」
八幡「雪ノ下、すまないが拭いてくれないか?」
雪ノ下「えぇ」フキフキ
八幡「・・・・・・」
八幡「あ」
八幡「タイヤ取れた」
雪ノ下「構わないわ」
雪ノ下「走って」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「頭が」
八幡「カチ割れるように」
八幡「痛いな」
雪ノ下「ええ」
八幡「車、ボロボロなのに」
八幡「なんで走っているんだろうな」
雪ノ下「さぁ」
八幡「不思議だな」
雪ノ下「えぇ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
いやいや…
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・なぁ」
雪ノ下「何かしら?」
八幡「お前の名前を教えてほしい」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「さっきから頭痛が酷くてな」
八幡「お前が誰だったか」
八幡「忘れちまったんだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「私は」
雪ノ下「雪ノ下雪乃よ」
八幡「そうか」
八幡「雪乃って言うのか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・フロントガラス、グシャグシャに割れて」
八幡「前が見えないな」
雪ノ下「えぇ」
八幡「だが、なぜだかわからんが」
八幡「どこをどう行けば良いか、わかるんだ」
雪ノ下「そうね、私もよ」
八幡「そうか・・・お揃いだな」
雪ノ下「えぇ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「なぁ、雪乃」
雪ノ下「何かしら?」
八幡「小町って、誰だ?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「この前、由比ヶ浜がその小町って女の子と」
八幡「話していたんだ」
八幡「でも、2人とも暗い顔をしていたもんで」
八幡「誰なのか気になってな」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「小町さんは、貴方の妹さんよ」
八幡「そうか・・・」
八幡「俺には可愛い妹が」
八幡「いたんだな」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「・・・比企君、私思い出したわ」
八幡「あ?」
雪ノ下「ここの道を真っ直ぐ行けば」
雪ノ下「目的地に着くわ」
八幡「そうか」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「比企谷君」
雪ノ下「貴方は覚えているかしら?」
八幡「・・・?」
雪ノ下「以前もこんな雨の夜に」
雪ノ下「2人で一緒に、ドライブをしたことがあるわよね?」
八幡「あぁ、その日は由比ヶ浜も誘って3人で行こうとしていたんだが」
八幡「由比ヶ浜は、飲み会で来られなかったんだよな」
雪ノ下「えぇ」
あっ・・・・
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「それでドライブして・・・?」
八幡「あれ? 帰りは・・・」
雪ノ下「それは私も覚えていないわ」
八幡「そうだな、俺もだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「比企谷君、あそこをよく見て」
八幡「・・・? あぁ」
雪ノ下「目をそらしてはダメ」
雪ノ下「そう、あそこよ」
雪ノ下「あそこの電柱よ」
雪ノ下「真っ直ぐ走って」
八幡「おぅ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「あそこはね、比企谷君」
雪ノ下「私と比企谷君が、死んだ場所なの」
八幡「」
キキィーーーーーッ!!! グシャァッ・・・・・・!!! カランカラン・・・
八幡「・・・・・・」
八幡「そうか・・・そうだったな」
八幡「あのとき、俺は」
八幡「雨が降っているのに、少しスピードを出していて」
八幡「夜だから、あまり前も見えなくて」
八幡「気が付いたら、目の前に電柱があって」
八幡「咄嗟にハンドルを切ったが」
八幡「間に合わなくて」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・エンジンルームから、火が出てきたな」
雪ノ下「そうね」
八幡「俺達、一体今まで何をしていたんだろうな」
雪ノ下「さぁ」
八幡「・・・お前は逃げないのか?」
雪ノ下「私は」
雪ノ下「比企谷君と一緒にいるわ」ギュ
八幡「・・・・・・」
八幡「熱いな」
雪ノ下「そうね」
八幡「体もよく動かないし」
八幡「目も見えなくなった」
八幡「お前はどこにいるんだ? 雪乃」
雪ノ下「私はここにいるわ」
雪ノ下「貴方を抱きしめている」
八幡「そうか」ギュ
八雪いちゃらぶを期待して開いたらまさかの鬱展開だったでござる…
嫌いじゃないけどさ
八幡「ゴメンな、俺の所為で」
雪ノ下「私は恨んでなんかいないわ」
雪ノ下「貴方とずっと一緒にいられたんだもの」
八幡「・・・これからも」
八幡「一緒にいられるか?」
雪ノ下「もちろんよ」
八幡「・・・・・・」
>>63
ゴメンよ・・・生理前でムラムラしているんだ
>>65
俺がその生理とめてやるから続きをお願いします
もうエタるSSを見るのは勘弁なんやぁ…
八幡「・・・お前、顔が真っ赤だぞ」
雪ノ下「貴方こそ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・フッ」
雪ノ下「フフ・・・」
八幡「雪ノ下・・・好きだ」
雪ノ下「私もよ、比企君・・・」
八幡「ん・・・」チュ
雪ノ下「んん・・・」
八幡「もう、俺達の足も燃えているな」
雪ノ下「えぇ、とても熱いわ」
雪ノ下「でもこのまま一緒に燃えつきましょう?」
雪ノ下「もう、私達には帰る場所が見つかったわ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「だから、一緒に逝きましょう?」
雪ノ下「八幡」
八幡「あぁ・・・・・・」
ゴォーーーーーーーッ!!! パチパチ・・・・・・ ボガン!! ボガン!!
由比ヶ浜「・・・・・・」
由比ヶ浜「ヒッキー・・・ゆきのん・・・」
由比ヶ浜「・・・う・・・うぅ」グス
由比ヶ浜「もう一度・・・えぐっ・・・・・・2人に・・・」ポロポロ
由比ヶ浜「会いたい・・・・・・」
――― 終 ―――
うっ! ふぅ・・・
八雪でツッコミながら仮面ライダードライブ見るssと思って開いたのに・・・
大好物です
今日はパイナップルの絞り汁のニオイがするな・・・
あと、これは参考程度にどうぞ。
「アメリカ国内での死亡事故率の高い車種(事故件数、1年間の統計)」
1位 : シボレー・ブレイザー 232件
2位 : アキュラ・RSX(ホンダ・インテグラの北米仕様) 202件
3位 : 日産・フェアレディーZ(350Z / Z33) 193件
4位 : 起亜・スペクトラ(기아 스펙트라) 191件
5位 : ポンティアック・サンファイア 179件
6位 : 起亜・リオ(기아 리오) 175件
7位 : シボレー・キャバリエ 2ドア 171件
8位 : 三菱・エクリプス 169件
9位 : ダッジ・ネオン 161件
10位 : ポンティアック・グランダム 160件
11位 : シボレー・キャバリエ 4ドア 150件
11位 : フォード・マスタング 150件
11位 : フォード・レンジャー 150件
12位 : マツダ・Bシリーズ(プロシードの北米仕様) 147件
13位 : 三菱・エクリプス コンバーティブル 146件
13位 : 三菱・モンテロ(パジェロの北米仕様) 146件
乙でした
乙乙
事故らずにドライブしているバージョンも書いてもいいのよ
なんとか意識不明ですんでるかと思ったが、現実は非情だった。
乙、こういうSS好きだ
死んでもなお愛し合う二人…
所でこの二人は幽霊(?)になりずっと、普通の人には見えない車に乗って、同じ事を繰り返してるの?
俺ガイルでは珍しいな乙
嫌いじゃないんだよなぁ
泣いた
ホラー?いや悪霊系?じゃなくてよかった
たまにはシリアスも悪くない、乙
乙
暗い雰囲気が良かったです
乙
ガハマさんかわいそう
自分の運転で最愛の人を死なせるとか自己嫌悪で自縛霊化待ったなしだったんだろうな、八幡
おつ
たまにはこういうの見るのも良いよね
なんか感動する
これは死んだことに気付けない八幡を雪乃が迎えに来たってことじゃないのか?
だとしたら雪乃一途で可愛い
このSSまとめへのコメント
はいクソssでした
怖かったけど最後は泣けた
良作だった
神作だった
良かった