ほたる「――このお店で一番安い駄菓子は何かしら」 キメポーズ
ココノツ「いらっしゃい、ほたるさん」
サヤ「あ、アタシ知ってるよ! 五円チョコだよね」
ほたる「うふふ。かわいいわね、サヤ師」 ニマー
サヤ「えっ。違うの?」
ココノツ「ちょっとした引っ掛けだね。正解は『ごえんがあるよ』かな」
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駄菓子屋って最近見かけないな
支援私怨
ほたる「そう! 昭和五十四年の発売以来、ずっと五円硬貨一枚で買えて」
ほたる「五円チョコの愛称で親しまれている日本で最も安価な(多分)チョコレート」
ほたる「その名も『ごえんがあるよ』よ!!」
サヤ「へー。ずっと間違えて呼んでたよ」
ほたる「ココノツ君は惑わされなかったわね。流石はシカダ駄菓子の後継者」
ココノツ「継ぎませんって」
ココノツ「あー、でも時期が悪いかな。あの商品は夏場は売ってないんですよ」
サヤ「そうなの? 溶けちゃうせい?」
ココノツ「多分ね。仕入れのことはよくわからないけど、うちに残ってた在庫もほら」
ココノツ「……この間、エアコンが壊れちゃった時に……」
サヤ「げ、元気出しなよココナツ!」
ほたる「その点は大丈夫よ!!」
ほたる「ヨウさんが自分用を冷蔵庫に隠してるから、お店に出していいって」
ココノツ「またかよ!! 何やってんだよ父さん!!」
サヤ「まあまあ。それならアタシも食べたいかなー」
ほたる「私はもう待ち切れないわ! いますぐに! ハリー!!」
ココノツ「はい……」
サヤ「(テンション高いなぁ)」
だがしかし好きだわ
きたい
サヤ「でもさ、昭和五十何年だっけ? その頃から値段が変わらないってすごいね」
ほたる「いまと昔じゃお金の価値も違うわよ。明治時代の選挙権は十五円の税金を――」
ココノツ「遡り過ぎだよ!! チョコどうぞ!」
ほたる「来たわね……!! はい、お代」
サヤ「思ったより冷えてるねー」
ココノツ「冷凍庫の方に入ってた……。親父……」
ほたる「たまには冷たいチョコもいいわね。パリッとした食感がまた……!!」 パリパリ
サヤ「そういえばさ。今度、消費税が上がるらしいじゃん?」
ココノツ「うん。八%だったよね」
サヤ「このチョコの値段って上がらないのかな」
ココノツ「えっと、五.四円だから、四捨五入でギリギリ大丈夫……だと思う」
ほたる「安くて美味しい五円チョコはこれからも愛されていくんだわ……!!」 パリパリ
サヤ「あれ? この紙、何か書いてる」
ココノツ「本当だ」
ほたる「『ごえんがあるよ』のパッケージには、二十七種類のトリビアが載ってるのよ」
ほたる「食べて楽しみながら知識も得られる! これも駄菓子の醍醐味ね!!」 フンス
ココノツ「あはは、確かに。内容はどんなの?」
サヤ「五円玉四枚で良いご縁――。駄洒落ネタっぽいねー」 ペラッ
まず実生活で役に立たないうんちくSS
好き
もっと俺達を無駄な知識で染め上げてくれ
ほたる「私は……。試合の前に納豆を食べると粘り勝ち――?」 ペラッ
サヤ「試合って?」
ココノツ「(ほたるさんはいつも何かと戦ってる気がする)」
ほたる「……うまい棒の納豆味でもいいのかしら……」 ブツブツ
サヤ「ココナツも食べてみなよ。トリビア教えて!」
ココノツ「う、うん」
トウ「ココナツー、妹がこっち来てねぇ?」 ガラッ
サヤ「あ、やば! そろそろ店番に戻らないと」
トウ「やっぱりここに居たか。俺は先に戻ってるぞー」
ココノツ「あ、豆くん。チョコあげるよ。ケン玉のお礼」
トウ「いいのか? あれから金欠でさ」
トウ「黄色い財布を持っていると、金運が上向く――?」 ペラッ
ほたる「それじゃお開きね。私ももう帰るわ」
ココノツ「あ、はい。ほたるさんもまた今度」
ほたる「ふふ、そうね。次はココノツ君が引いたトリビアを聞かせてもらうわ」
ココノツ「……」
ココノツ「(五円玉五枚で二重にご縁――かぁ)」 ペラッ
次の日から、豆くんの財布が黄色くなった。
おわり
お前最高
この前ジュエルリング書いた人?
だがしかし面白いよな
>>15
はい、それ俺です。
レスありがとうございます。
とても嬉しいですが、反応は今回だけで控えさせていただきます。
だがしかし、すごい好きです!
サンデー漫画のSSとか希少種もいいところだ。おつおつ
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