妹「はあ」
兄「待て、無言で帰ろうとするな」
妹「携帯でわざわざ呼び出しておいて、くだらないことを言い出す兄貴が悪い」
兄「昔はお兄ちゃん、お兄ちゃんとところ構わずついて来たのに」
兄「そう言えば、オシメも替えたことが」
妹「それ以上喋ったら兄貴がセクハラしたとお母さんに言いつけてやる」
兄「ゴメンナサイ」
妹「そもそも恋バナなんて身内でするものじゃないし」
妹「友さんとかにでも相談すればいいじゃない」
兄「お前は今の友を知らんからそんなことが言えるのだ」
兄「ここ最近あいつからのメールが途切れたことがない」
妹「まさか、ゲフンゲフン」
兄「説明不足なのは謝るから、想像するのをやめような」
兄「お前友に後輩ちゃん紹介しただろ」
妹「あー」
兄「あれ以降のろけ話を送られてくる身にもなってくれ」
妹「まあ兄貴と違って友さんイケメンだし」
兄「否定はしないが、もう少しマシな言い方があるだろう」
妹「成績優秀、スポーツは万能」
兄「うむ」
妹「誰とでも親しくなれるのに、必要以上には踏み込まない」
妹「むしろ今まで浮いた話がなかったのが驚きだよ」
兄「あいつは今時珍しいくらいの奥手だからな」
妹「兄貴とデキてるとの噂もチラホラ」
兄「そこは否定してくれ、自分の為にも」
妹「やだなー、アメリカンジョークだよ」
兄「アメリカ人に謝れ」
兄「つまり、お前にも責任があるというわけだ」
妹「なんとなく理解できた」
兄「おお、分かってくれたか」
妹「友さん取られて夜な夜な枕を濡らしていると」
兄「そのネタを蒸し返すな、話が進まん」
妹「ちぇー、その方が面白いのに」
兄「お兄ちゃんは至って正常だからね、そこ勘違いしないように」
妹「ようするに、友さんに嫉妬していると」
兄「その通りです、ハイ」
妹「長いよ、前置きが」
兄「誰のせいだ、誰の」
妹「はあ、仕方ない。恵まれない兄貴に救いの手を差し伸べてあげよう」
兄「頼んでおいてなんだが、すごく上から目線だな、オイ」
妹「ただし、学園一のキューピーさんと言われる」
兄「キューピットだろ、それじゃあマヨネーズだ」
妹「間髪をいれず突っ込まれた」
兄「それにダサい」
妹「更にダメ出しされた」
兄「あとエロい」
妹「変態」
兄「ゴメンナサイ、調子に乗りました」
頼むから改行してくれ。読みづらい
妹「言われる私に頼んでおいてタダで済むとは思わないよね」
兄「いくらだ」
妹「ぷりん3つ」
兄「安いなあ。お兄ちゃん悪い人に連れ去られないかと心配です」
妹「ただし、最高級おみたまプリンだからね」
兄「意外と高かった」
すまん、改行してみる
妹「そもそもアテがあるの」
兄「月末にバイト先の給料入るからそれで」
妹「そちらじゃなくて、彼女」
兄「いや、考えてなかった」
妹「作る以前の問題よね、まあいいけど」
妹「うーん」
兄「ううむ」
妹「ほら、幼馴染ちゃんならどう?」
兄「黒髪童顔で胸がでかくてちょっとドジっ娘な幼馴染か」
妹「何故に説明口調」
兄「それはともかく、幼馴染ねえ」
妹「何か問題でもあるの」
兄「いや、美人だし、スタイルは良いし、気配りもできる」
妹「ふむ」
兄「昔から見知った仲で気兼ねなく話せるのだが」
妹「何が不満なのか私には分かりませんが」
妹「兄貴?」
兄「愛が重い」
妹「昨今流行りのヤンデレですね」
兄「ヤンなんとかは知らんが、ここ最近は何故か余所余所しかった」
妹「ほう」
兄「それが一週間ほど前から急にお弁当を持って押しかけてきたり」
妹「ん」
兄「自分で食べられるのに食べさせようとしてきたり」
妹「んん?」
兄「そればかりか人前でやたら腕を組みたがるし」
妹「兄貴」
兄「ん、なんだよ」
妹「兄貴は彼女に対して何を求めているわけ」
兄「話の途中なのだが」
妹「いいから」
兄「え、そりゃ彼女といえば手を繋いで一緒にウインドーショッピングとか」
妹「他には」
兄「えーと、ううむ」
妹「言い淀む時点で本気で彼女作りたいと思ってるんだか」
妹「今時幼稚園の子でももう少し進んでる」
妹「類は友を呼ぶじゃないけど、兄貴のほうがよっぽど古風だよ」
妹「ハア、幼馴染ちゃん悲しむだろうな」
兄「何ブツブツと呟いているのだ」
妹「幼馴染ちゃんに告白して、兄貴は爆発すればいい。それで解決」
兄「よくわからんが、取り敢えず保留で」
妹「なら、委員長は?」
兄「いいんちょ、か」
妹「そう、メガネ、美乳、ショートカットで少しキツめの元同級生」
兄「惜しいな、既に先約済みだ」
妹「マジで」
兄「マジマジ」
妹「はー、委員長がねえ。一番恋とは無縁だと思っていたのに」
兄「それにいいんちょ、恋して変わったんだなこれが」
妹「ほう、申してみよ」
兄「何様だお前」
妹「えへへ」
兄「まず眼鏡をコンタクトに変えた」
妹「ほう」
兄「次に照れ隠しが可愛くなった」
妹「ツンデレにクラスチェンジ、だと」
兄「後、髪を伸ばし始めたようだ」
妹「ふむ、ん?」
兄「隣町の有名な美容室に向かうところを見かけたとの情報が」
妹「んん?」
兄「更に休日には今まで見かけなかったお洒落な私服を」
妹「ちょっと待て、何故そこまで知っている」
兄「いやあ」
妹「照れるな、キモチワルイ」
兄「秘密事項です」
妹「あ、警察ですか。今ストーカーが目の前にいるんですけど」
兄「待て、言うからそれだけはご容赦を」
妹「前置きも茶番も要らないから完結に答えて」
兄「はあ、いいだろう」
妹「ストーカーじゃなかったら、何なのさ」
兄「それはファンクラブ会員だからに決まっているだろ」
妹「ファンクラブなんてあるの!」
兄「しかもno.002の名誉会員だ、恐れいったか」
妹「自信満々に言うことじゃないよ」
兄「毎年発行される会報誌にはno.001が苦心して集めたピンナップ写真が」
妹「いやむしろno.001さんが気になるよ、それ」
兄「no.001の名義は友だぞ」
妹「ぶはぁ」
兄「脈絡もなくジュース吹き出すな。部屋が汚れる」
妹「けほッ、けほッ」
兄「どうした、気管にでも詰まったか」
妹「ううう、そりゃジュースぐらい吹き出すよ」
兄「ふむ?」
妹「過去の私に言ってやりたい。余計なことはするなと」
兄「心配するな。今、友は後輩ちゃんにゾッコンloveだから」
妹「そういう問題じゃ無いよ、まったく」
兄「ああ今頃は後輩ちゃんの肢体が目眩く新たな世界に」
妹「一般的な常識内で行われることを祈るわ」
悪いな、おれが先客だ
妹「最終手段、後輩ちゃんでファイナルアンサー?」
兄「お前は兄貴に略奪愛しろと申すか」
妹「二股、三股なんて気にするな。男でしょ」
兄「いや気にするって。つうか投げやりになってないか?」
妹「浮気は男の甲斐性だと」
兄「まあ、そういう意見もあるらしいが」
妹「『アタシを弄んだのね、ヒドい』」
妹「女は咄嗟に近くの花瓶を手に取り、思いっきり振り上げる」
妹「そこには見るも無残になった兄貴の死体が」
兄「それ昼ドラの展開だから」
妹「結局候補なしか」
兄「面目ない」
妹「あと身近で女の子といえば」
兄「お前ぐらいのものだな」
妹「私ですか」
兄「実は血の繋がりがないのだよ、義妹よ」
妹「なんだってー、とでも言うと思った?バカ兄貴」
兄「ノリが悪いなあ」
妹「大体義妹じゃなくて従妹だし」
兄「今明かされる衝撃の事実」
妹「むしろ知らなかったの!」
兄「まて、従妹なら日本の法律上結婚はできるよな」
妹「う」
兄「結婚しよう、従妹よ」
妹「いやいやいや、なんでそんなことに」
兄「それともこちらの方がいいか。好きだ」
妹「あ、あ、あ」
兄「付き合ってくれ」
妹「ちょっと待って、タイム、タイム」
兄「昔は大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるー、と言ってくれたのに」
妹「言ってないよ!勝手に記憶を捏造しないでよ!」
兄「いや確かこの辺に証拠のテープレコーダーが」
妹「いーやー!」
妹「という馴れ初めなんか絶対に娘には言えない」
兄「ただいまー、あー腹減った」
娘「おかえりー、パパ。あのねあのね、パパとママは―」
兄「ああ、それはだなあ」
sister√ normal end?
ちょっと無理のある締め方だな
勿論、他の子のルートも在るのだろうな?
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