妹「人が怖い」姉「いじめられたの?」 (32)

妹「そうじゃないけど……」

姉「なら、どうしてそういうこと言うのかな?」

妹「だって、何を考えてるかわからないし」

姉「だから、どうしてそういう風な事を言うの?」

妹「えっと」

姉「やっぱり、何かあったんじゃないの?」

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               (   __//. ヽ,, ,)
                丶1    八.  !/
                 ζ,    八.  j
                  i    丿 、 j
                  |     八   |       
                  | !    i 、 |
                 | i し " i   '|
                |ノ (   i    i|
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                  │     i   ∥     
                |      !   ||
                |    │    |

妹「別に……」

姉「?」

妹「ただ思っている事をいったまで……」

妹「ずっとまえから」

姉「そう」

妹「お姉ちゃんは怖くないの?」

姉「何が?」

妹「人が」

姉「怖くないよ?」

妹「どうして?」

姉「怖がってたら友達もできないし」

妹「友達って怖くない?」

妹「毎日、仲の良いように振る舞ってても心の中じゃ何を考えてるかわからないんだよ?」

姉「信頼してるし」

妹「それでもだよ。実際に心を覗けるわけじゃないんだから」

姉「だから、信頼するしかないじゃない?」

妹「でもでも!心のなかでは悪口とかいっぱい言われてるかもしれないんだよ?」

姉「でも、確かめられないでしょ?」

妹「そうだけど……」

姉「それじゃぁ、妹ちゃんは私を信用してないのかな?」

妹「それは……」

姉「心の中で悪口を言ってるんじゃないかって疑ってるのかな?」

妹「……」

妹「お姉ちゃんはお姉ちゃんだから……」

妹「私の悪口、言わないと思う……」

姉「それは本心?」

妹「……」

姉「ね?」

妹「え?」

姉「こういうこと考えても結局、きりがないのよ♪」

姉「本心なんて、本人以外に確認の仕様がないでしょう?」

妹「……うん」

姉「だから、この話はこれで終わり♪」



自室

妹「怖い……」

妹「お姉ちゃんもみんな……」

妹「嘘ついてるかもしれないし」

妹「確信のもてるなにかがほしい……」

妹「心を覗ける友達がほしいな」

妹「だったら、こんな思いしなくてすむ」

数日後

妹「初めまして」

ぬいぐるみ「」

妹「あなたは私の唯一の友達です」

ぬいぐるみ「」

妹「私には一切嘘をつかない正直な友達です」

妹「ふふっ♪」

妹「人だから真偽をたしかめなくちゃならない」

妹「心を持つから」

妹「だけど、心を持たないあなたなら」

妹「きっと、最高のともだちになれるよね?」

姉「あら、可愛いぬいぐるみ」

妹「……」

姉「買ったの?」

妹「……そう」

姉「へ~。いいじゃない」ニコッ

妹「この子は私の友達なんだよ」

姉「そうなんだ♪いつも、妹がお世話になってます」ペコリッ

妹「……」

自室

ぬいぐるみ「」

妹「お姉ちゃんは私のお姉ちゃんです」

ぬいぐるみ「」

妹「だけど、心があります。だから、信用できません」

ぬいぐるみ「」

妹「お姉ちゃんには気をつけてね?」

これは殺人鬼になりかねん

学校

先生「はい、じゃぁノートに丁寧に写してください」

妹(いくら漢字や言葉を学んでも……)

先生「ここに書いてるのは来週のぷちテストに出ますよ。みんなちゃんと覚えてきてね」

妹(本心が伝わらないなら……何の意味があるの?)

妹(心を直接伝えることのできないツールなんて……人を疑心暗鬼にするだけだ!!)



自室

妹「それでねぇ、今日はこの漢字とねぇこれを覚えたんだよ?」

ぬいぐるみ「」

妹「私はね。あなたのその表情、きらいじゃないのよ?」

妹「人は表情が多いから」

妹「あなた見たいにずっと笑顔でいられないの」

妹「それに、嬉しくなくても笑顔でいなきゃいけないときだってあるし」

妹「怖い表情だってしなくちゃいけない時もある」

妹「だけど、あなたはずっと笑顔。楽しくても悲しくても」

妹「だって心がないんだもん♪」

姉「ケーキたべる~?」ガチャッ

妹「……うん」

姉「あら?ぬいぐるみさんと遊んでたの?」

妹「……うん」

妹(13歳)
姉(17歳)

数日後

学校

先生「は~い、授業はじめま~す」

妹(学校は嫌い。人が多く集まる場所は嫌い。)

妹(みんな仮面を付けて振舞っているように見えるから)

妹(友達の輪から外されないようにみんな仮面を付けて自分を殺してる)

妹(誰も本当の自分を見せないでいる。可哀想に)

妹(だけど、私は違う。私には心のない友達がいる。仮面をする必要もない)

妹「~♪」

自室



妹「ね?みんな可哀想でしょ?」

ぬいぐるみ「」

妹「人はみんな可愛そうなまま生きていくんだよ?」

妹「孤独から逃れることはできないの」

妹「他人の心を除くことは決してできないから」

妹「だけど、私とあなたは違うよね♪」

ぬいぐるみ「」



ぬいぐるみ「そうかな?」

妹「みんな君と同じ人形さんになったよ♪」

ぬいぐるみ「やったねたえちゃん!仲間がふえるよ!」

妹「……え?」

ぬいぐるみ「きみはずるいよ」

妹「ど、どうして」アセアセ

ぬいぐるみ「だって、君は心があるじゃないか」

妹「でも!私は他の人みたいに自分を殺してなんかないよ?本心であなたと向き合ってる!」

ぬいぐるみ「それも嘘かもしれない」

妹「!!」アセアセ

ぬいぐるみ「君の本心を僕は覗けないから」

ぬいぐるみ「心がある君を信用できないよ」

妹「うっ……」アセアセ

妹「どうして!!!!」

妹「私を信用してよ!!」

ぬいぐるみ「」

キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!

ぬいぐるみがQBで脳内再生される

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