提督「初日の出見に行くぞ」漣「はあ?」 (41)


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提督「岩川ってどこじゃ?」漣「はい?」
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2015年1月1日 午前4時

岩川基地 4階 提督の私室

提督「漣よ」

漣 「…………むにゃむにゃ、ん、あれ? 漣寝ちゃってました?」

提督「初日の出、見に行くぞ」

漣 「はい?」

提督「初日の出」

漣 「いきなりなんですかー」


提督「なんかそんな気分なんじゃ。付き合え」

漣 「まあいいですけど……」

提督「おし、んじゃ用意せえ。すぐに出るぞ」

漣 「え? まだ夜明けには早くないです?」

提督「ええからええから」

漣 「外寒いですって」

提督「じゃけえ暖かくしてこい。急げ」

漣 「はあ。なんか慌ててません?」

提督「そりゃ慌てるわ。どいつもこいつもさっそく酔っとってどうもならん。妙高は足柄にくどくど説教始めたし、龍驤は千歳と千代田に絡んじょるし、矢矧は号泣、陸奥は爆発よ」

漣 「地獄絵図だー」



提督「ほんで極めつけには誰か知らんがどさくさに紛れて霧島の眼鏡盗んで霧島がぶち切れ、大乱闘の大騒ぎよ」
メガネキラーン

漣 「犯人ここだー!?」


提督「え、なに? 急に叫んでどうした」

漣 「眼鏡! 眼鏡! ご主人様かけてる!」

提督「…………はっ!? いつのまに……確かに『あの眼鏡なんかエロいの』とは常々思っちょったが」

漣 「変態だー!」

提督「健全な男ならみんなそう思うわ」

漣 「ていうかご主人様もかなり飲んでるじゃないですか! なんかいつもよりまともだなと思いましたよ!」

提督「変態呼ばわりされたのにいつもよりまともってもうこれわかんねえな」


漣 「とりあえず眼鏡返してきてくださいヨ」

提督「そうじゃの。あ、それより初日の出じゃ初日の出」

漣 「えーまだ行く気?」

提督「行くし。全然行くし」

漣 「これはどこかのコンビニでおでん買ってくれないと割に合いませんな」

提督「案外安いなワレ……」

漣 「なら眼鏡返してから準備して正面入口で落ちあいましょう」

提督「静かに出て来いよ。あんま騒ぐと他の連中も行くち言いだすけえ」

漣 「別にいいじゃないですか。皆で行きましょうヨ」

提督「年少組は寝ちょるし、年長組は酔っ払いになっちょる」

漣 「そうでした……ってご主人様」

提督「なんじゃ」

漣 「ご主人様酔ってますけどどうやって初日の出見に行くつもりなんですか?」

提督「車…………じゃけど、そうじゃった。飲んどるわワシ…………ならまた歩いていくぞ」

漣 「この時期の日の出は7時くらいですけど海まで3時間でいけますか?」

提督「しゃーない。なら…………走る」


……

……

……

約2時間後 志布志湾

漣 「ふー、なんとか日の出に間に合いましたねご主人様♪」


提督「げほっ、うおえ…………ごほっ、うぇっぷ……」


漣 「リバースしてる!?」


提督「うえぇ……いい歳こいて酔ったまま走るもんやないの…………げえ」

漣 「キモイんでよそでやってくださいヨ」

提督「なんでワシこんなことしとるんじゃろ。酔い覚めたわ……」

漣 「この残念感…………確かに素に戻ってきましたね」

提督「もう初日の出とかどうでもよくなってきた……見てなんかええ事あるんかよ。帰って寝たいわ」

漣 「おいコラ」


提督「なけなしの金でタクシー呼ぶか」

漣 「ここまで来たんならせっかくだし日の出見て行きましょうよ! あと30分くらいですよ!」

提督「いい。もうその30分待つのがダルい。寒い」

漣 「そこは缶コーヒーとか買ってきて雑談しながら待つんですよ! 王道でしょ!」

提督「今口に味のあるもん入れたらまたリバース待ったなしじゃ」

漣 「この人は…………新年なのに全く成長していない」

提督「うわっ、ケータイ忘れて来とるわ。タクシー呼べんし」

漣 「ほら、それはもう初日の出見てけっていう神様のお告げなんですヨ。観念しましょ」

提督「ちっ、しゃあねえ」

漣 「舌打ちされた!? どっちかというと漣の方が迷惑してるのに!?」


提督「…………お、そういや、ここじゃったの」

漣 「なにが?」

提督「ほれ、最初の出撃ん時よ。基地から歩いてここまで来たじゃろ」

漣 「ああ、そうでしたね。あれから8ヶ月くらいですか……」

提督「覚えちょるか? 駆逐イ級でもおらんかとそこら探しちょったらどえらいのがおって……」

漣 「そうそう、こうしてふと海を見たらイベントボスがいて……」




港湾棲姫「…………」



提督・漣(( あ、またなんかいる…… ))


港湾棲姫「…………」



提督「……よし、行け漣」

漣 「いやいやいやいや、嫌ですって。無理ですって」

提督「あん時より数段強なったじゃろ。今度こそ女見せちゃれ」

漣 「確かに強くなったけどさすがにタイマンはないです。増援呼びましょ。ていうかなんでまたいるのあいつ」

提督「おそらく奴も初日の出目当てじゃろう。今年こそ運命の人と巡り合えますように、的な」

漣 「深海棲艦に運命の人って……」


提督「とりあえずあん時の借りを返すぞ。幸い今は夜。気付かれる前にカットイン仕掛ければ何とかなるかもしれん」

漣 「ええー!? 嫌ですよー。元旦初日から戦闘とかー」

提督「アホ、むしろここで借りを返してすっきりした気持ちで初日の出見るべきじゃろ。これはチャンスじゃ」

漣 「もし失敗したらお気に入りの服が破けちゃうじゃないですかー」

提督「女の子か!」

漣 「女の子ですけど!?」


提督「服くらいまた買っちゃる。ちゅうかここで活躍見せればもしかしたら……」

漣 「もしかしたら?」

提督「貴様の改二も実装されるかもしれん」

漣 「!?」

提督「イベントボスを単艦撃破とかこれ以上ない武勲じゃ。本営に報告すりゃ漣の評価も変わるじゃろ」

漣 「た、確かに……」

提督「アニメにも出られるかもしれん。ちゅうわけで行け」

漣 「わかりました。でも1つだけ条件があります」

提督「なんじゃ」

漣 「またご主人様も協力してください。漣だけ命張るなんてフェアじゃないです」

提督「ま、言いだしっぺじゃしの」

漣 「じゃあ漣の砲撃が必中する位置まであれをおびき寄せてください。仕留めますから」

提督「囮かよ」



我、夜戦に突入す!


港湾棲姫「…………」

提督「よお、ひさしぶりじゃのぉお姫さんよ」

港湾棲姫「!」ウゲッ

提督「なにそのめっちゃ嫌そうな顔。貴様らにも感情とかあんの?」

港湾棲姫「…………」シンネンソウソウマジナイワー

提督「まあええ、とりあえずちょっとワシについて来――」


ドゴオン!

戦闘終了!


提督(小破)「…………なんでよ?」

漣 「なんかとりあえず攻撃しとくか、みたいな感じでしたね」

提督「そんな軽いノリで殺されかけたんかワシ? ゴキブリ扱い?」

漣 「死体に黒い円で規制入れられるようなことにならなくてよかったですね」

提督「その件にはもう触れてやんなや」


漣 「にしても困りましたね。どうやらかなり警戒してるみたいです」

提督「ま、以前殺り合った仲じゃしな。漣が隠れちょるのも勘づいちょるかもの」

漣 「いえ、警戒してるのはセクハラをですって」

提督「そっちかよ」

漣 「見ず知らずのおっさんにスカート穿いてないだのノーブラだの色々言われればトラウマにもなりますヨ」

提督「おっさんじゃねーし。まだ27じゃし」


漣 「とにかくもう1回行ってきてください。駆逐艦の主砲じゃこの距離は確実に倒せないです」

提督「貴様が近づけよ。夜戦開始じゃし先手とってドカンで終了じゃろ」

漣 「はあ、これだからゲームと現実の区別がついてない世代は……」

提督「このガキ…………わかった。そこまで言うんならゴッ○エンペラー×3の2連戦に地獄見た世代の底力見せたるわ」

漣 「なにその世代……」



我、夜戦に突入す!


港湾棲姫「クルナ……」ホントモウヤメテヤー

提督「サクッと終わらすつもりじゃったが、悪いがもう容赦はせん」

港湾棲姫「…………」ナニスルキコノヒトー


提督「その服の横から手ぇ突っ込んで! なんやかんや揉みしだいt――」


ドゴオン!

戦闘終了!


提督(中破)「ダメじゃった」

漣 「ようやく調子が出てきたみたいですね。もっかいお願いします」

提督「ドライな反応! ちゅうかあんな、動く気配がないんじゃけど。あのポジでどうしても初日の出見る気じゃね」

漣 「その動かない相手をおびき寄せるのがご主人様の仕事でしょ?」

提督「いや、もうマジ無理じゃって。普通に話しかけてもセクハラしても爆撃じゃろ? どないせえっちゅうじゃ」

漣 「選択肢がその2つしかないのが問題な気が……でもまあわかりました。わかりましたヨ。もうめちゃくちゃわかりました。漣が譲歩します。すればいいんですね。まったくこの交渉上手め」

提督「どこから目線よ。非常にイラッと来るんじゃけど」


漣 「逆にあそこから動かせないで注意を引きつけてくださいヨ。そしたら漣が背後から忍び寄ってで仕留めます」

提督「初めからそのプランでよかったくね?」

漣 「いや、そろそろ日が出ちゃうし暇つぶしも飽きたなーって」

提督「てめー今年も改二が来ん呪いかけるからな。アニメに出られん呪いもかける」

漣 「来るし。アニメにも出るし」

提督「とにかくこれで最後じゃからな。絶対やれよ。仕留めろよ」

漣 「ええ、漣が嘘吐いたことありました?」

提督「頻繁にあった」



我、夜戦に突入す!


港湾棲姫「…………」マジヒクワー

提督「待て! その……さっきは悪かった……」

港湾棲姫「……?」

提督「その……実はの……さっきから、いや初めて見た時からその……ワレのことばっか考えちょる」

港湾棲姫「!!?」

提督「おかしいじゃろ? 深海棲艦相手に…………じゃが、どうやらこの気持ちは本気みたいじゃ」

港湾棲姫「!? …………!?」ドウシヨ ドウシヨ

提督「建前とか常識を理由にこの気持ちを認めたくない一心でセクハラじみたちょっかいだして…………ガキみたいじゃろ? 悪かったの…………謝罪なら何度でもするけえ、どうかこの真剣な気持ちだけは受け取ってくれんか」

港湾棲姫「ク、クルナ……」テレー



提督「港湾棲姫! どうかワシ専属のマッサージおっぱいチェアになってっく――」


ドゴオン!

戦闘終了!


提督(大破)「時間は稼いだぞ……漣!」

漣 「やるよ~! ほいさっさ~!」

港湾棲姫「!?」ウシロダト!?



 我、 夜 戦 に 突 入 す !


漣 「漣もたまには真面目に、お仕事お仕事♪」

シャッ(12.7cm連装砲B型改二 ※MAX)
シャッ(12.7cm連装砲B型改二 ※MAX)
シャッ(12.7cm連装砲B型改二 ※MAX)

ドドドーンッ!!!


ズゴオオンッ!!

港湾棲姫(損害)「ナニモ……ナニモ……ワカッテイナイ……」


漣 「敵、中破相当の損害です!」

提督「おっしゃ! そのままとどめを……!?」

チュドーン!

漣「!? ご主人様!?」

提督「新手か!?! いったいどこから……」


北方棲姫「…………カエレ!」

飛行場姫「…………ミナゾコニ……シズンデ……イキナサイ……」


提督「イベントボスが……同時に……3体じゃと!?」

漣 「あー家族連れで初日の出見るためにここで動かず待ってたんでんですね~。なるほd――」

ドゴオン!

提督「漣ー!? さっそくやられんなー!」


港湾棲姫(損害)「…………」

北方棲姫「…………」

飛行場姫「…………」


提督「…………ふっ、こんなもん……勝てっこねえ」


ドオン!

戦闘終了!


……

……

……


漣(大破)「…………はっ!」

提督(大破:HP1)「目が覚めたか漣」

漣 「ご主人……様? ……なんか漣、イベントボスが3体出てきてご主人様がミス○ルアイズの人みたいなこと言いながら死ぬ夢を見てました」

提督「夢じゃねえ…………って待て、ワシ死んでねえし」

漣 「そういえば月の海でご主人様に会ったような……」

提督「そろそろロ○・ホ○イズンから離れえよ」


漣 「また……負けちゃいましたね」

提督「まあありゃ無理ゲーじゃ。むしろ1体損害まで追い込んだんじゃ。駆逐艦にしては上出来じゃろ」

漣 「基地のみんながいれば勝ってましたよね?」

提督「かもの」

漣 「それで……港湾棲姫達はどうしました?」

提督「今回もワシが気が付いた時にはすでに消えちょった。別に初日の出が見たかったわけじゃなかったみたいじゃの」

漣 「まあ海に住んでればどこからでも見えますからね……」


提督「おっとそうじゃ、これ飲め。ぬくいぞ」

漣 「またテキーラですか……?」

提督「アホか。甘酒じゃ。そこの神社で配っちょった」

漣 「ごくり…………ウマー!」

提督「じゃろ?」

漣 「暖か~い。あ……」

提督「どうした?」

漣 「ご主人様、来ましたヨ。初日の出!」


キラキラ

提督「…………」

漣 「…………」

提督「…………綺麗じゃの」

漣 「……そうですね。来てよかったです」

提督「じゃの……」

漣 「すっごいくたくたですし、服はボロボロですけど……」

提督「言うな……ワシはそれに加えて頭痛え……二日酔いじゃ」


漣 「去年は色んな事がりましたね……。ご主人様と出会ったり、岩川に左遷されたり……」

提督「木曾が爆発したり、比叡のカレー食って全員昏倒したり、飛鷹に賭けで財産全額すられたり……」

漣 「MI作戦にAL作戦、渾作戦も……大変でしたー」

提督「毎日お祭り騒ぎじゃもんな……」

漣 「でもずっと忘れられない思い出になりそうです」

提督「…………ま、そうじゃな。まったくそうじゃ」



漣 「あけましておめでとうございます、ご主人様♪」

提督「おめっとさん漣。今年もよろしく頼む」


提督「さて、せっかくじゃし初詣にでも行って帰るか」

漣 「あ、漣も行きたい! 改二実装とアニメ出演をお願いします! ご主人様はなにをお願いするんですか?」

提督「ワシか? ワシはそうじゃの…………ん?」

漣 「どうしました? ご主人様?」

提督「ポケットに割れた眼鏡があったんじゃが…………ワレぇなんか知っちょるか?」

漣 「…………」




漣 「ご主人様のお願いは今日基地に帰っても生きていられますように、ですね」

提督「え」




今回も短めですが、これで終了です。
読んでくれた方(いますか?)ありがとうございました!


このSSは「岩川基地より」のタイトルでpixivで連載しています。
もし、面白いと思って頂けたのならこちらの方も覗いてみてください!

おつ!

>>36
おつありです!
読んでくれた方いらっしゃったんですね! ありがとうございます!

新年早々良いものを読ませていただきました、ログホラネタには思わずww
pixivの方も拝見させていただきます。

>>38
ありがとうございます!
正月休みの暇つぶしにでもなれば幸いです!

あ、ID変わってるけど作者です。
また暇な時にスレ立てるのでその時はどうぞよろしくお願いします。
それではまた。

提督ジジイだと思ってた

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月01日 (木) 02:57:16   ID: sMLT7nU_

あけましておめでとうございます!
乙です

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