それでは歌います、新曲「俺のトオチャン」 (5)

俺のトオチャン2000万円馬券で当てて大勝利!
その日は豪華、回らぬ寿司屋で12万!へい
アー夢叶えちゃうよー
アー買って欲しいな高級外車
ですがねトオチャン金持ち出してオンナ作って行方不明
残され僕ら貧乏人辛くツラツラ堪らない
アー家賃だけでも振り込んで
アー死んだら財産俺にくれ
トオチャン、トオチャン、トオチャン
前科アリ
トオチャン、トオチャン、トオチャン
隠し子2人
トオチャン、トオチャン、トオチャン
その後知った1億借金

オーオーオーオー
トオチャン
オーオーオーオー
トオチャン
オーオーオーオー
三人目のトオチャン

君が死んでからもう1年。
君は今も僕を見守ってくれているのかな?
君は、僕の生まれて初めて出来た彼女だった。
すごく嬉しくて、幸せだったなあ。
突然、白血病だって医者に宣告されてから、君は病室で日に日に弱っていった。
「病院ってひまねえ」って笑う君を見て、僕はいつも泣いていたんだ。
君の為に、僕の小汚いノートパソコンをあげたら、君はすごく喜んでくれたよね。
ネットをするようになった君がいつも見ていたサイト、それが「2チャンネル」だった。
ある日君はいつものように、笑いながら言った。
「ほら、見て今日も2ゲット出来たよ。」
「あまりパソコンばっかいじってると身体に障るよ」
なんて僕が注意すると、「ごめんねえ。 でもね、これ見てよ。
ほら、この3のひと、2げっとぉ!なんて言っちゃってさぁ、ふふ」
僕は黙っていた。君がすごく楽しそうで、僕は何も言えなかった。
「ほらみて、この3のひと、変な絵文字使ってくやしぃ~!だって。かわいいねえ。 ふふ。」
僕はまだ黙っていた。笑う君を見て、どうしようもなく悲しくなった。
「憶えててくれるかなあ」 君がふと言った。
「…この3のひと、私がいなくなっても、あの時変な奴に2をとられたんだよなーなんて、憶えててくれないかなあ……無理かな……憶えてて、ほしいなぁ……」

それから数ヶ月後、君は家族と僕に見守れながら息を引き取った。
君はもうこの世に居ない、なのに僕は今F5を連続でクリックしている。
君の事を、3のひとが忘れないように、いつまでも、いつまでも忘れないように。

天国にいる君と一緒に、今ここに刻み込む

        2 ゲ ッ ト

>>1
金額を1600万にしたらマンマ俺のトオチャン…

可哀想

西成物語

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