美希「潜む真実に非情なる忘却を」 (18)


美希「久しぶりだね、春香」

春香『んーそうだね。美希もみんなも忙しくて会えないもんね』

美希「えへへっ、大人気アイドルだからトーゼンなのっ!」

春香『大人気?』

美希「むっ……そこまでじゃないとは言わせないの!」

春香『アハハっ違うよ美希』

美希「じゃぁなに?」

春香『美希のことだから超人気とか、宇宙一とか言うかと思っただけ』

美希「怪物相手に歌うのはまだ無理だから宇宙一じゃないし、超人気は春香だから」

春香『なぁにそれ、謙遜しちゃって……嫌味? 呪うよ?』

美希「春香が言うとリアリティがありすぎて怖いの」

春香『そーぉ? 一応閣下の異名を持っていたから当然かな?』

美希「そーなの」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419148222


春香『そういえば……最近やよいはどう? 元気?』

美希「やよいに会えてないの?」

春香『ぜーんぜん。さっき言った通り』

美希「そっか……ここはガツンと……」

春香『あははっ、ほら。みんな忙しいし』

美希「美希だって忙しくてもこーして話してるのにっ」

春香『美希は時間があれば寝てるだけでしょ』

美希「最近はそーでもないの」

春香『へぇ……なにしてるの?』

美希「クッキー作ったり、お菓子作ったり……女子力を身につけてるの」

春香『なるほどねー……私の教えたコツは掴めた?』

美希「んー……あと少し。春香の字が綺麗なら……」

春香『十分綺麗なはずだよ!?』

美希「………………」

春香『…………ほ、本当に汚かった?』

美希「じょーだんなの」

春香『もうっ! 呪うよ!』

美希「それはヤ!」

春香『えへへっ、じょーだんなの』

美希「ぐぬぬっ」


春香『それで? やよいは?』

美希「元気だよ。すっごく元気赤いリボンがトレードマークなの」

春香『そっかぁ……』

美希「はるかさんのキャラは頂きです! って」

春香『な、なんだってーっ!?』

美希「真実なの」

春香『くっ……こうなったら私がやよいのキャラを貰っちゃおうかなーって!』

美希「………………」

春香『………………』

美希「………………」

春香『……なんかごめん』

美希「あんまり変わらないかなーって」

春香『うん。なんとなくそんな気はしてた』


美希「でも、春香には春香のやよいにはやよいの良さがあるの」

美希「だからどう頑張ってもそれは真似でしかない」

美希「確かに似てるけど……でも、やっぱりやよいはやよいで春香は春香なの」

春香『急に真面目になられても反応に困っちゃうんだけど……』

美希「ミキはいっつも真面目なんだけど」

春香『ほぉう? 事務所のソファで居眠りの常習犯が何を言うかと思えば』

美希「それは疲れてるから仕方がないの!」

春香『疲れてる……ねぇ?』

美希「にやにやしないで」

春香『だってレッスンサボったのに居眠りしてたし……』

美希「陽の光には勝てなかったの」

春香『言い訳だね』

美希「言い訳なの」


春香『全くもう……美希はかわらないなぁ』

美希「だからそれは前の話で今はちゃんと」

春香『知ってる知ってる。美希がいっつも頑張ってること、私知ってるよ』

美希「……………………」

春香『…………美希?』

美希「そーいうのを笑顔で言うから、春香は嫌われるの」

春香『好かれない!?』

美希「あざとい」

春香『そんなつもりないってば』

美希「どーだか」

春香『ぐぬぬっ』

美希「あざとくなくなったら春香はただのリボンなの」

春香『……ただのおにぎりのくせにッ!』

美希「食べられるだけおにぎりの方が……」

春香『ハイハイ、この話は終わりーっ!』


美希「そういえば、この前でk……伊織が駅前の美味しいデザートを買ってきてくれたの」

春香『この前言ってた新しくできたやつ? どうだった?』

美希「中々に中々だったの」

春香『つまり?』

美希「ホイップクリームが少し弱い感じがしたの。それでも美味しいけど、他のと合わせた時に消えちゃうというか……」

春香『んー……美希は甘甘が好きなんだね』

美希「そーいうわけじゃないの。ただ、消えるのはあれかなって思っただけ」

春香『でも、クリームがほのかな甘さ、冷たさだからこそアイスの冷たさや甘さが引き立つわけでして』

春香『必ずしも甘ければいいってわけじゃぁないんだよ』

美希「ドヤ顔してるのが見え見えなの」

春香『むふっ』

美希「イラッ」

春香『あははっ、でもクリームの食感とかって意外と口に残るでしょ?』

美希「……うん」

春香『だから……別に消えたりはしてないよ。ちゃんと残ってる』


美希「……今度また食べてみる」

春香『伊織に買ってきて貰うの間違いじゃ……』

美希「ないの。今度自分で買ってくるの……ちゃんと2つ」

春香『えへへっ、ありがと』

美希「だれも春香の分とは言ってないの」

春香『……まぁそこまでは望まないよ』

美希「望んだって別に良いの……クッキーたくさん作ってくれたし」

春香『じゃぁ……望んじゃおっかなー』

美希「叶えるとは言ってないけど」

春香『もーっ! みーきーっ!』

美希「あははっ、じょーだんなの」

「あのー」

美希「……?」

「あの、もしかして星井――」

美希「今はプライベートかつ電話中なの」

「電話……」

美希「サインも握手もプロデューサーの許可を貰って欲しいの」

「は、はぁ……」


美希「………おとなしく帰ってくれたの」

春香『別にしてあげたって良かったのに』

美希「美希は春香とは違うの」

春香『そうだね』

美希「……………………」

春香『…………………』

美希「……あっ、そういえばこのまえプロデューサーが春香のためにプレゼント買ってたの」

春香『えっ?』

美希「サプライズするんだーって」

春香『なんで言うの!?』

美希「聞かなかったふり、聞かなかったふり」

春香『無茶ぶり!』

美希「じゃぁ……独り言を盗み聞きした春香が悪いってことで」

春香『納得できるかッ!』


美希「春香は注文が多いの」

春香『いやだって――』

美希「お店だったらお[ピザ]一直線なの」

春香『大食いじゃないよっ!』

美希「……伊織よりキレがないの」

春香『試されてるっ!?』

美希「気づいたときには試合終了なの」

春香『誰との!?』

美希「………………」

春香『………………』

美希「直接会って話してれば伊織より上かもしれないの」

春香『はいはい、会いに来たらダメだからね? 仕事サボって』

美希「……バレた」

春香『一つ穴を開けたらみんなが困るんだから絶対ダメだからね?』

美希「言われなくても分かってるの」

>>9訂正


美希「春香は注文が多いの」

春香『いやだって――』

美希「お店だったらおデブ一直線なの」

春香『大食いじゃないよっ!』

美希「……伊織よりキレがないの」

春香『試されてるっ!?』

美希「気づいたときには試合終了なの」

春香『誰との!?』

美希「………………」

春香『………………』

美希「直接会って話してれば伊織より上かもしれないの」

春香『はいはい、会いに来たらダメだからね? 仕事サボって』

美希「……バレた」

春香『一つ穴を開けたらみんなが困るんだから絶対ダメだからね?』

美希「言われなくても分かってるの」


春香『……ねぇ、美希』

美希「なに?」

春香『この前小鳥さんがお見合いするんだーっていって消息を絶ったんだけど』

美希「結果が結果だけに有給取ってるだけなの」

春香『まさか産――』

美希「自分以外全員が二次会に誘」

春香『もう止めて! 私が悪かった!』

美希「小鳥は例のアレさえなければ完璧なの」

春香『あはは……切っても切れないと思うよ』

美希「縁は切れ」

春香『それ以上はアウト!』

美希「この前なんて机に置いたままにして響が読んでたの」

春香『そ、それで?』

美希「うぎゃーで顔真っ赤」

春香『あーうん。なんとなく想像できた』


美希「そのあと貴音が来て、響が涙目の原因を見て」

春香『見て?』

美希「プルプルして小鳥に不潔です! って怒ってた」

春香『あちゃー……』

美希「あの小鳥は見ていられなかった」

春香『だよねぇ……』

美希「ここ最近で一番変わったのは千早さんなの」

春香『千早ちゃん?』

美希「…………………」

春香『……言うまでもないってこと?』

美希「これ言うと春香が怒りそうだから」

春香『じゃぁなんで言ったの?』

美希「どうせ、春香から聞いてくると思ったから」

春香『えへへっ、やっぱり?』


美希「なんと自炊に積極的になったの」

春香『おおっ』

美希「さらにファッションに興味を持ち出したの」

春香『なんですとっ!』

美希「……という希望」

春香『えー……』

美希「とりあえずこれから千早さんに会いに行く予定なの」

春香『美希も会ってなかったの?』

美希「千早さん、海外行ってたから」

春香『なるほど……って、怒る要素ないよね?』

美希「春香に何も言わずに留学しちゃったの」

春香『あははっ、別にそんなことで怒ったりしないよ』

春香『元々、私が薦めたことだしね』

美希「それは知らなかったの」


春香『でもそっか……それで見なかったんだね』

美希「そうなの」

春香『じゃぁこれから千早ちゃんに会えるわけだ』

美希「羨ましい?」

春香『んーん。私も会いにいくし』

美希「一緒に行く?」

春香『一緒に行く』

美希「それじゃ――」

千早「……ちょっと良いかしら」

美希「ん……あっ」

千早「頑張ってメール打って電話もしたのだけど」

美希「……えっと」

千早「事務所に携帯置きっぱなしだったわ。貴女が後で待ち合わせ場所連絡するって言ったのに」

美希「あ、あははっ……」

千早「携帯だけはしっかり持ち歩くように言われてるでしょう?」

美希「うっかりしてたの」

千早「……全く。一回事務所に帰るわよ。美希」

美希「い、いえすマム!」

春香『……なーるほど。千早ちゃんはお姉ちゃんらしくなったんだね』


終わり

乙です

あれの続きか…
一応ハッピーエンド?

>>17
あれって? 前作があんの?

> 美希「今はプライベートかつ電話中なの」
って言ってるのに
>千早「事務所に携帯置きっぱなしだったわ。貴女が後で待ち合わせ場所連絡するって言ったのに」
って言われてるから
美希はずっと幻聴と会話してる事になるしバッドエンドっつーかホラーじゃね?

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom