機械人「早起きしすぎました」 魔法使い「おはよーさん」(23)

ガチンッ ガチンッ

魔法使い「っち、割れないわね・・・」

魔法使い「仕方がないか。それじゃあ最終手段」

魔法使い「ふんふん~っと」カキカキ

魔法使い「よし、離れてー・・・」

サッ

魔法使い「ここなら大丈夫よね・・・」

魔法使い「発破」

バッキャアアアアァァァ!

アアァァァ・・・

魔法使い(30歳童貞)「そもさん!」

機械人(ashimo)「説破ァッ!」

ポッカリ

魔法使い「・・・よかった。加減はバッチリだったみたいね」

機械人「・・・」スヤスヤ

魔法使い「・・・」スッ

チョンッ

機械人「・・・」ピクッ

魔法使い「・・・お?」

チョンチョンッ

機械人「・・・」パチッ

魔法使い「あらら、気がついたのね」

機械人「・・・」ジーッ

魔法使い「? 寝ぼけているの?」

魔法使い「まぁ起きちゃったのは仕方ないか」

魔法使い「私が起こしちゃうようなことしたのがいけないんだし」

機械人「・・・」ジーッ

魔法使い「そら、寝ぼけてないでそこから出てきなさいな」

機械人「・・・」ジーッ

魔法使い「ほら、早く」

機械人「・・・」ジーッ

魔法使い「・・・立てないのかしら?」

魔法使い「よっと」ガシッ

魔法使い「ん・・・んん・・・!!」グググ

魔法使い「おっもぉー・・・!!」グググ

機械人「・・・」ジーッ

魔法使い「ハァ・・・ハァ・・・なんなのよもう・・・」グッタリ

機械人「・・・」キョロキョロ

機械人「・・・」ジーッ

魔法使い「・・・何かしら?」

機械人「・・・あの」

機械人「そこの土の塊・・・ボクに採ってください」

魔法使い「これかしら?はい、どうぞ」

機械人「・・・」ジーッ

パクッ

魔法使い「!?」

機械人「ジャリッ・・・ジャリッ・・・」モガモガ

コクン

魔法使い「土を食べた・・・」

機械人「!」

機械人「・・・起きるのが早すぎました」

魔法使い「ん?」

機械人「ボクはまだ長い間眠ってなければならないので」スタ

魔法使い「ちょっと待ちなさい」

機械人「・・・」スタスタ

魔法使い「待ちなさいってば!」

機械人「 」

魔法使い「よし、ようやく話聞いてくれたようね」

機械人「・・・壊れています」

魔法使い「ん?」

機械人「ボクの休眠メカが壊れてます」

魔法使い「ああ、それは私が割れないから爆破しちゃったわよ」

機械人「爆破、ですか・・・」

魔法使い「どれだけ叩いても割れなかったし、しょうがないのよ」

機械人「・・・」ストン

魔法使い「まーそれはともかく、ついてきt・・・」

機械人「・・・」ポケーッ

魔法使い「そこ、体育座りして放心してないで私の話を聞く」

機械人「・・・ボクの家が無くなってしまいました」

魔法使い「家?それ?」

機械人「あなたのせいです」ピッ

魔法使い「・・・まぁそれがそうだったのなら、そうに違いないわね」

機械人「この家は、ボクの仲間しか開けることができないんです」

魔法使い「私開けれちゃったけど」

機械人「無理矢理開けること無しにです」

魔法使い「・・・あっそう」

機械人「だから、ボクは早起きしすぎた事になります」

機械人「あなたのせいです」ピッ

魔法使い「そうね」

機械人「これでは修復はほぼ不可能です」

機械人「ボクは宿無しです」

機械人「・・・」

機械人「・・・」ポケーッ

魔法使い「・・・」

魔法使い「・・・呆けてないでついて来なさい」

機械人「いやです」

機械人「先程採取したあなたのデータを鑑みるに」

機械人「あなたはすこぶる怪しい、です」ピッ

魔法使い「一々指差さないでほしいのだけど」

魔法使い「私のどのへんが怪しいのかしら?」

機械人「様相、出で立ち、立ち振る舞い、よくわからないエネルギー、等です」

魔法使い「・・・なに、その見た目重視な評価」

魔法使い「もう・・・怪しいでいいなら怪しいでいいからついて来なさいってば」

機械人「いわゆる変態という人種なのでしょうか」

魔法使い「その中性的なツラぶっ飛ばすわよ」

~移動中~

機械人「この変態、は、ボクに宿を提供してくれるらしい」

魔法使い「・・・」

機械人「なので、家がないボクは不本意ながら従わざるを得ませんでした」

機械人「これはもう、変態的な行為を行われる事も辞さないという覚悟の上です」

魔法使い「・・・」

機械人「幸いな事に、変態はまだ事を起こしませんが」

機械人「万が一が起きた場合、ボクにはあらゆる自己防衛のプログラムがあります」

機械人「変態の撃退プログラムは持ち合わせてませんが、別のプログラムを応用すれば・・・」

魔法使い「・・・ねえ、それ独り言なの?」

機械人「はい。あなたへの忠告の意味を含んだ独り言です」

魔法使い「そう、じゃあ私の事魔法使いって呼んでくれないかしら」

機械人「記憶しておきます」

>>2のせいで不憫なおっさんとashimoの滑稽なやりとりにしか見えんwww

魔法使い「私ってそんなに信用できないかしら」

機械人「家を壊しました」ピッ

魔法使い「・・・まぁね」

機械人「一応、破壊されない限りボクは生き続ける事ができます」

機械人「別段何かを取り込まなければいけないわけでもありません」

機械人「自己修復もできますし、このように・・・」

パシャ・・・シュルルル・・・

機械人「液体金属を応用して、体の一部を武器に変形したり、姿を変えることも可能です」

機械人「よってあなたに勝ち目は一分一厘足りともありません」ピッ

魔法使い「へぇ~・・・」カキカキ

機械人「・・・?」

魔法使い「あ、続けていいわよ」

機械人「いやです」

魔法使い「なんでかしら?」

機械人「いやになりました」

>>11
そこをなんとか(懇願)

<魔法使い宅>

機械人「ここがボクの宿ですか」

魔法使い「部屋一つ空けてあるから、案内してあげるわ」

機械人「?」

機械人「なぜそんなに準備がいいのですか?」

魔法使い「国の御達示だからね」

機械人「国の御達示」

機械人「つまり、ボクをここに連れて来るために家を壊したんですか」

魔法使い「あれが家だとは思わなかったけど、まぁそういうことね」

魔法使い「けど、これ以上別段何かやるってわけでもないから、好きに振る舞ってくれて構わないわ」

ガチャ

魔法使い「はい、ここ」

機械人「・・・」

魔法使い「仕事の時以外はなるべく来てあげるから、おとなしくしててちょーだいね」

天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!

バタム

機械人「・・・」

機械人「おとなしくしてて、ですか・・・」

機械人「これでは事実上監禁されたのと同じです」

機械人「ボクは自由を奪われてしまいました」

機械人「・・・」

機械人「・・・部屋は、普通のようです」

機械人「机、椅子が一対、窓際に寝台が一つ」

機械人「窓に格子は無いようです」

機械人「また、入ってきたドアに鍵はありません」

機械人「・・・変た・・・魔法使いさんは監禁する気があるのでしょうか」

機械人「別段あの方の言い付けを守る義理はありませんが・・・」スタスタ

ギシッ

機械人「他にボクには当てがありませんから、おとなしくなるほかありません」

機械人「・・・」

機械人「・・・ボクはおとなしく待つばかりです」

機械人「でも、おそらくこの世界に、ボクの仲間は居ないのでしょう」

機械人「早起きして解りましたが、既に眠り始めて数百年たっています」

機械人「あとどれだけ眠っていたら、仲間は現れたのでしょうか・・・」

機械人「・・・」

機械人「・・・」ポタッ

機械人「・・・」ポタッポタッ

~数時間後~

魔法使い「はぁ・・・しんど」

魔法使い「王都がだいぶピリピリしてきてるわね・・・」

魔法使い「だからって私ぐらい頻繁に来る人もいないでしょうに」

魔法使い「顔パスでいいでしょうが顔パスで・・・ったく」

コンコン

魔法使い「私よ。入るわよ」

ガチャ

魔法使い「・・・ん?」

魔法使い「いない・・・出てっちゃったのね」

魔法使い「これじゃあ怒られちゃうか・・・ちょっと憂鬱」

キラッ

魔法使い「あら?」

機械人達「「・・・」」ポケーッ

魔法使い「うわ!?」

魔法使い「なんで増えてるのよ!」

機械人「・・・暇だったのです」

魔法使い「あら、そこまで気がつかなかったわ」

魔法使い「うわぁ・・・だいぶ小さいけどそっくりね・・・」

魔法使い「液体金属な体質の応用なのよね、これも」

機械人「返してください」

魔法使い「ああ、はいはい」

機械人「切り離すと、自己修復しない分、風化してしまうのです」

魔法使い「じゃあ切り離さない方がいいと思うんだけど」

機械人「暇だったのです」

魔法使い「・・・どうもすみませんでした」

パシャッ パシャパシャッ シュルルル・・・

機械人「・・・」

魔法使い「うわ・・・あなた別の生き物みたい」

機械人「別の生き物です」

魔法使い「見た目は大体他人と変わらないのに・・・」

機械人「見た目は変幻自在です」

魔法使い「羨ましいわ、それ」

魔法使い「・・・それで、何か置いて欲しいものある?」

魔法使い「割と高価な物でも大丈夫よ」

機械人「・・・判断しかねるのです」

魔法使い「ん?」

機械人「ボクはこの時代のモノを知りません」

魔法使い「あら、そう?」

魔法使い「ホントはいろいろ見てほしいとこなんだけど」

魔法使い「あなた目立つからね・・・」

機械人「ボクが目立つのですか?」

魔法使い「あなた、割と有名人だから・・・」

機械人「ボクはこの世界でまだ何も成しえていません」

魔法使い「いや、別にあなたのせいじゃあないのよ」

機械人「では誰のせいなのでしょう」

魔法使い「そうね・・・あなた、本は読める?」

機械人「馬鹿にしているのでしょうか」

魔法使い「・・・言葉が違ったらって思ったけど、喋れてるし心配無いか」

魔法使い「じゃあついて来なさい」

機械人「ご案内中失礼しますが」

魔法使い「なに?」

機械人「ボクが有名人な理由をまだ聞いてません」

機械人「このままでは迷宮入りです。ままなりません」

魔法使い「んー・・・そうねぇ」

魔法使い「私の知り合い数人ってとこかしら?」

機械人「それでは駆け出しのアイドルの方が知名度は上かと思われます」

機械人「有名人という言葉を過信しすぎです」ピッ

魔法使い「ご不満?」

機械人「そういうわけではありません。濡れ衣というものです」

魔法使い「不満なら怒ってくれてもいいのよ?私としてはその方が嬉しいし」

機械人「なにやらアブノーマルな香りのする発言です」

ガチャッ

魔法使い「はい、ここよ」

機械人「なにやら雑然とした部屋です。本にまみれています」

機械人「書棚が意味を成していない点を鑑みると、やはりまみれるという表現が相応しいです」

魔法使い「・・・片付ける暇がないのよ」

魔法使い「適当に見繕っちゃって。待っといたげるから」

機械人「・・・」

魔法使い「チラッと見て興味を感じたものでもいいから」

機械人「・・・」

魔法使い「あのね・・・私見てないで本を見なさいよ」

機械人「あなたは人の話を聞いていたのですか」ピッ

魔法使い「ん?」

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