杏「杏の事務所は」 (64)
前作;モバP「俺の事務所は」
モバP「俺の事務所は」 - SSまとめ速報
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小さな事務所のぐだぐだな日常
一応続編ですが、前の読んでなくても多分読めます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417438566
ジリリリリリリ
杏(杏の一日はまず……朝起きることから……むにゃ……はじまる……)
杏(だいたい昨日夜更かしするせいで……まだ眠いから……目覚ましをちゃんとかけてて……目覚ましを……)
バンッ
杏(……)
杏(そんで……また寝る……)
杏(……すやー)
杏(……)
ピンポーン
杏(……ん)
杏(目覚まし止めて……しばらくしたらチャイム鳴って……でも……)
杏(杏は……出ない……出たくない……)
杏(けど、チャイム何回もうるさいから……しょうがなく……)
杏(……)
杏(……?)
杏(あれ……もう鳴らない……?)
杏(……)
杏(じゃあ、いいや……)
杏(……すやぁー)
…………
……
…
杏(……あ)
杏(一瞬本当に二度寝してた……今は……)
杏(……あれ、なにこれ完全に遅刻じゃんか)
杏(なんでプロデューサー……)
ピンポーン
杏「!」
杏「……」
杏「よいしょ……」
杏「玄関……っと、やば、ゲーム踏みそうに……」
杏「……」
杏「んー、まずいかなぁ」
杏「よっ……と」ガチャ
杏「おはよープロデューサー……あ、あれだ、杏やっぱ怒られ……る……?」
きらり「にょわー! 杏ちゃんおっすおっす!」
杏「……きらり?」
流石、杏ちゃん
アイドルなのに俺と(ほとんど)同じ生活を送ってやがる
杏「え、なんできらりが?」
きらり「えっとねぇー……Pちゃん今日は朝から忙しいらしくて、一人で事務所来たんだって!」
杏「あー……そうなんだ」
きらり「でも、杏ちゃん事務所に全然来ないし、Pちゃんが迎えに行こうとしてたから……」
きらり「代わりにきらりが迎えに行ってくるって立候補したんだー」
杏「それじゃチャイムが連打されなかったのは……」
きらり「うぇへへへ、チャイム何回も押すのダメダメー、だもん!」
きらり「でもねー……杏ちゃん出てくれなくて……きらり、どうしようかなー、むむーってなってたにぃ……」
杏「ご、ごめんごめん! ……と、とりあえず部屋入って!」
きらり「おじゃましまー、杏ちゃんのお家おひさー☆」
杏「適当に座っといてね」
きらり「了解だにぃ!」
杏「それじゃ杏はまず服着替えないと……んしょ」
きらり「……」
ゴチャア
きらり「……」
杏「んー、面倒くさいからTシャツでいいかな」
きらり「……」ウロウロ
杏「ヘアゴムってどこにやったっけ……」
きらり「……」ウロウロ
杏「……」
きらり「……」ウロウロ
杏「あの……きらり?」
きらり「す、座るとこ……き、きらりどうしたらいいかなー……?」
杏「……ベッドの上でいいから」
きらり「にょわ……いいの?」
杏「いいって、別に気にしないよ、なんなら寝転んどきなよ」
きらり「それなら……わーい! 杏ちゃんのベッドだー!」ボフン
きらり「……うぇへへ」
杏「ん?」
きらり「杏ちゃんの匂いがすゆー、くんかくんかー」
杏「そりゃ杏のベッドだし……や、やめてよ、なんかダメだってそれ」
きらり「んー……でもやっぱり杏ちゃん本人がいいなー……えいっ☆」
杏「わっ、な、何するんだ!」
きらり「杏ちゃん柔らかいにぃ」ギュー
杏「……はぁ」
杏「……」チラッ
杏(これじゃもっと遅刻するなぁ)
きらり「はぴはぴ……☆」
杏「……」
杏(……ま、いいか)
…………
……
…
きらり「でねー、Pちゃんがね、きらりを抱っこしてくれようと頑張って……」テクテク
杏「きらりを抱っこ……」
きらり「もー! きらり恥ずかしくてお返しにPちゃんはぐはぐしちゃったー!」
杏(……だからあの日、プロデューサーあんなに湿布くさかったのか)
きらり「それでね、それで……」
杏「あー、きらりもう話おしまいにしとこ、事務所着いたし」
きらり「……もっと話したいこと沢山あるのになー」
杏「また幾らでも時間あるって……それじゃ入ろう」
杏「……怒られるの覚悟で」
ガチャ
きらり「にょわー、Pちゃん、ただいまー☆」
杏「プ、プロデューサー、おは……」
留美「……」ゴゴゴゴゴ
P「……」プルプル
杏「……」
杏(……事務所に着いた瞬間留美さんとプロデューサーが徒手で組み合ってた)
留美「……」ゴゴゴゴゴ
P「……ひいぃ」プルプル
きらり「……? Pちゃんと留美さん遊んでるの? ……きらりも混ざゆ!」
杏「きらり、これそんな空気じゃないから……」
杏「……いったい何してるのさあの二人」
早苗「あれはプロレスで言う手四つ、ロックアップって奴ね」
杏「あ、早苗さん、おはよー」
きらり「おはようございまー!」
早苗「うんうん、元気な挨拶だわ、おはよう二人とも」
杏「で、これなんなの?」
早苗「んー……よくわかんないけど、見てたら面白いよ?」
留美「……」
P「……」プルプル
留美「違うのよ」
P「は、はい……違います……何もかも違います俺は何も見てません……!」
留美「でも、私の机を探られた形跡があったのだから……見たんでしょう?」
P「見てません!」
留美「……」ゴゴゴゴゴ
P「……」プルプル
早苗「……面白いでしょ?」
杏「……まぁ、確かに」
杏「でも結局何があったかは…」
P「留美さんの机の中に婚姻届があって! それに留美さんの名前が書いてあった上破かれてたのは俺見てませんから!」
留美「Pさん……!?」
早苗「あ、だいたい分かったわね」
留美「違う、違うのよ……あれは私の友人がふざけてあれを持ってきたことから始まって……」
P「留美さんのために! 休みを作ります!」
留美「それで……ちょ、ちょっと名前を書いてみただけなの、ほんの気の迷いよ」
P「今まで無理させてすいませんでした! 俺反省します! 今度から留美さんのこと呼ぶ時に心の中でるーみんとは呼びません!」
留美「話を聞きなさい……!」メキメキ
P「手が……手がぁっ……き、聞きます、聞きますからやめて!」
留美「はぁ、はぁ……い、いい? さっき言ったようにあれは貰い物で……なんとなく名前を書いちゃっただけなの」
P「はい……」
留美「それで……そ、それがなんだか恥ずかしくなったから……消しゴムで消そうとしたら破けちゃって……」
留美「でも……破いた上ゴミ箱に捨てるのはなんだか縁起が悪いし……扱いに困ってとりあえず机の中に……」
P「あ、ああ、そうだったんですか」
P「自分の名前を片方書いた婚姻届を引き裂いたって考えると……俺本当に留美さんがヤバイ状態だったのかと……」
P「よかったです……」
留美「……分かってくれて私もよかったわ」
P「……あれ?」
P「でも、消しゴム使ったって言ったのに、俺が見た時留美さんの名前は消えてなかったですよね」
留美「……」
P「じゃあ留美さんは一体何を消して……いたたっ、いたいですっ! ギブ! ギブッ!」
るーみん!
早苗「もー留美ちゃん、やめてあげなって」
留美「あ……そ、そうね、Pさんが悪いわけじゃないものね……ご、ごめんなさい」
P「うう……酷い目にあった……」
きらり「にょわー……Pちゃん大丈夫かにぃ……? きらり、痛いの痛いのとんでけーしたげゆ?」
P「だ、大丈夫……というかきらり、帰ってきてたんだな、お疲れ様」
杏「……」
P「で、やっと杏も来たか、おはよう」
杏「……えーと、怒らないの?」
P「何を?」
杏「ち、遅刻したこと……」
P「……」
P(怒りたいのは山々だけど……朝せっかく早めに来た俺も殆どの時間留美さんと取っ組み合いしてたわけで……)
P「……」
杏「……」
P「……えいっ」コツン
杏「いたっ」
P「こ、これくらいで許してやる……」
杏「え……あれでいいの? なんか不気味なんだけど……」
P「……まぁあれだ、今日はきらりの仕事の見学で、お前自身が仕事ってわけじゃないからな」
杏「というかなんできらりの仕事に杏が学校休んでまで行かないと……」
P「お前のやる気を出すためだよ、きらりの仕事ぶりを見学して少しはやる気を出せ」
P「それにお前は関係なしに学校サボってるだろ……勉強の方は大丈夫か?」
杏「……」
杏「……さ、さー行こうよきらり、いやーきらりの仕事風景楽しみだなー」ガチャ
きらり「うん! 今日はきらりがんばるにぃ……えいっえいっ、おー☆」
P「あ、待て! 話は……お、置いてくなって!」
P「あーもう……留美さん、早苗さん、急な感じで申し訳ないんですが……今から俺、あいつらの付き添いに行ってきます……すいません」
留美「え、ええ……いってらっしゃい」
早苗「頑張ってね~」
バタン
留美「……」
早苗「……」
留美「杏ちゃん、きらりちゃん、居たのね……気付かなかった……恥ずかしい姿を見せてしまったわ……」
早苗「……まぁ、気にしない気にしない」
早苗「Pくんたちも行っちゃったし、細かいことは気にせず仕事しよう仕事……あれ? そういえば今日はちひろさん……は……」
ちひろ「……」カタカタ
留美「……」
早苗「……」
ちひろ「留美さん達は」
留美「……」ビクッ
ちひろ「留美さん達は本業アイドルなのに手伝って貰ってるんですからしょうがないですけど……プロデューサーさんは……」
ちひろ「私はプロデューサーさんが留美さんとイチャイチャイチャイチャしてる時ずっと一人で……」
早苗「……」
留美「……」
早苗「……仕事、しよっか……あたし手伝うよ」
留美「……ありがとう、お願いするわ」
…………
……
…
乃々「……」テクテク
乃々(どうも、森久保乃々です)
乃々(今、学校が終わって帰る途中です)
乃々(……今日は放課後レッスンの日)
乃々(……)
乃々(行きたくないんですけど)
乃々(わ、私は一応アイドル……いや、アイドルと言う程あれじゃないですけど……放課後はレッスンがあるし、学校休んだりして仕事行くことも……)
乃々(おかげで忙しい毎日です……私なんて簡単に蒸発してしまいそうなレベルの忙しさです……)
乃々(うぅ……アイドルなんて……アイドルなんて辞めてしまい……)
乃々(……)
乃々(……たい、わけでも、ないこともないことも……けど……)
乃々(……)
乃々(……? あれ?)
こずえ「……」
乃々(こ、こずえちゃんがいます……)
乃々(道路の隅で何を……)
こずえ「……」
乃々(これ……話しかけた方がいいんですか……で、でも……)
乃々(……)
乃々(私には……むーりぃ)
乃々(ご、ごめんなさい、こっそり……こっそり通ります、自然や動物と一体化します……)コソコソ
こずえ「おんなのひと……はだかー……なんのごほん……?」
乃々「……!」
こずえ「んー……」
乃々「え……あ、その……そ、それは……! それはこずえちゃんが見てはいけないんですけど……!」
こずえ「……ふわぁー?」
こずえ「あー……ののだー……」
乃々「あ……」
こずえ「おはよー……あれ……? こんにちは……?」
乃々「こ、こ、こんにち……」
こずえ「あえたー……ののにあえたー……」ギュー
乃々「えっ、あ、あのっ、な、なんで……私……抱きつかれて……」
こずえ「こずえ……ののとねー……」
乃々「……は、はい」
こずえ「じむしょいくー……いっしょにじむしょー……」
乃々「……」
こずえ「……こないの?」
乃々「わ、私は……」
こずえ「こい……じむしょこいよー」
乃々「……あうう」
…………
……
…
乃々「……」
こずえ「のの……て、あったかいねー……」
乃々「ご、ごめんなさい……暑かったら離しますけど……」
こずえ「んーん……」
こずえ「てがつめたいひとはねー……こころがあったかいのー」
こずえ「だからね、ののはね……」
こずえ「……ののは、てもこころもあったいねー」
乃々「……」
乃々「……あう」
乃々(嬉しい……けど……)
乃々(なんだか、恥ずかしいんですけど……)
こずえ「……ついたー」
乃々「……あ、あの」
こずえ「……?」
乃々「う、上に上がる時なんですけど……エレベーターじゃなくて、階段……」
こずえ「なんでー……?」
乃々「そ、それは……」
乃々(……エレベーターに乗った時)
乃々(あんな狭い空間で、もし他人が入ってきたらって考えてしまうと……なんて……)
こずえ「……のぼらないのー?」
乃々「え……?」
乃々「……! い、いつの間にそんなとこに……! ま、待って……待って欲しいんですけど!」
カンカンカンカン
乃々「ひぃ……つ、疲れ……手……引っ張らないで欲しいんですけど……」
こずえ「こずえは……まだげんきー……」
乃々(な、なんでこずえちゃん、こんなに体力が……私の方が年上なのに……)
こずえ「ついたねー……あけるー……?」
乃々「……! え……ま、まだこころ準備が出来て…」
ガチャ
乃々「な……い……」
留美「……あら? こんにちは」
早苗「おー、乃々ちゃんとこずえちゃんだ、こんにちは」
留美「ふふ、仲良く手を繋いで出勤なんて可愛らしいわね」
乃々「……あう、その……は、はい」
こずえ「るーみん、さなえー……おはよー……」
乃々「あ……おは、おはようございます……」
留美「……もう、こんにちはの時間帯よ?」
早苗(毎回思うけど……るーみんでいいのかな)
乃々「プロデューサーさんは……?」
早苗「お仕事で出掛けてるよ? ……会いたかった?」
乃々「そ、そういうわけじゃないですけど……」
乃々(でも、いない……それなら……)
乃々(いない間に机の下に……)
乃々(……)
こずえ「……」ギュー
乃々(……こずえちゃんが手を離してくれないんですけど)
乃々「……」
こずえ「……」ギュー
乃々「……」ブンブン
こずえ「……」ギュー
乃々「……」
こずえ「……」ギュー
乃々「……あ、あの」
こずえ「なにー……?」
乃々「手を……」
こずえ「……?」
乃々「その……」
こずえ「……」
乃々「わ、私、机の下に隠れたいんです……だから……」
こずえ「こずえもいっしょにかくれるー」
乃々「そ、そんな……」
乃々「……あうう」
乃々(……どうしよう)
乃々(狭い空間で人といるのは……エレベーターでもダメなのに……)
乃々(どんなに仲良くたって……机の下なんて狭いとこで二人っきり、なんて……)
『あったかいねー』
乃々「……」
こずえ「でも……ふたりは……はいらない、かなー……?」
乃々「……」
乃々「た、多分……」
乃々「多分、大丈夫です……プロデューサーさんの机大きいですし……二人でも……」
乃々「それに、こずえちゃんなら……私も……」
こずえ「こずえなら……ちいさいから、だいじょーぶ……?」
乃々「……」
乃々「きっと、大丈夫……こずえちゃんなら大丈夫、だと……思いますけど……」
こずえ「えへー……じゃーののといっしょにかくれるー……」
留美「その、悪いんだけど……今、机の下は……」
乃々「……?」
小梅「あ……」
乃々「……え」
小梅「……」
乃々「……」
こずえ「あ、こうめだ……おはよー……」
小梅「う、うん……おはよう……」
乃々「こ、こずえちゃん……先客がいました……だめでした……」
こずえ「……だめー?」
乃々「だめです……この世は早いもの順です……私みたいにのろのろしてるのは縄張りを勝ち取れないのが自然の摂理です……」
小梅「の、乃々さん……ちが……! こ、ここ、使っていい、から……!」
乃々「譲ってもらうのは悪いんですけど……私は他のとこで……」
小梅「私は……そ、その……」
こずえ「んー……」
早苗「小梅ちゃんも丁度さっき来たけど……Pくんを驚かしたいからって机の下に隠れてたのよね」
留美「彼の机の下は人気ね……なんで説明口調なの?」
早苗「いや、なんとなく」
こずえ「さんにんではいるー?」
小梅「……こずえちゃん……そ、それは……」
乃々「無理だと思うんですけど……あうっ! お、押さないで……」
留美「……止めた方がいいんじゃないかしら」
早苗「ちょっと行ってくる」
きょうはここまでで寝ます眠い……
…………
……
…
ちひろ「……それで」
ちひろ「私が帰ってきた時に小梅ちゃんがPさんの椅子にいて、乃々ちゃんとこずえちゃんは机の下に居て……って感じに」
留美「ええ」
小梅「……」ジー
ちひろ「……で、あの……小梅ちゃんはプロデューサーさんのパソコンで何を見てるんですか?」
早苗「ホラーだってさ、さっきから食い入るように見てるよ?」
ちひろ「勝手にパソコンを使うなんて……誰が許可したかは知りませんけど、怒られてもしりませんからね」
早苗「あ、あはは……やっぱりいけなかったかな?」
小梅「……あ」
小梅「え……これ、あれ……どうしたら……」
ちひろ「……? どうしたの?」
小梅「あ、あの、これ……間違えて消しちゃって……ど、どうやって調べたか分から、なく……」
ちひろ「それなら履歴を見れば……ちょっと貸りていい?」
小梅「は、はい……」
ちひろ「えーと……あ」
ちひろ(これ、勝手に履歴を見るなんて……私もプロデューサーさんに怒られるんじゃ)
ちひろ「……」
ちひろ(ま、まぁちょっとだけですからいいですよね、うん……えいっ)
ちひろ(ええと、どれどれ……)
ホラー 映画 最新作
恐怖 動画
怪談
……
……
ドリンク 成分 違法
ニート やめさせる方法
ホラー オススメ 怖くない
女の子 プレゼント
シンデレラプロダクション 評判
ちひろ「……」
あっ
ちひろ(色々とツッコミたいけど、が、我慢……)
ちひろ「え、えーと……小梅ちゃん、この中から思い当たる言葉とか……」
小梅「……」
ちひろ「……小梅ちゃん?」
小梅「あの……これ……」
ちひろ「……?」
ホラー オススメ 怖くない
小梅「これ、Pさんの……調べたこと……で、ですよね……?」
ちひろ「う、うん」
小梅「なんで……怖くないホラーなんか……」
ちひろ「それは……」
小梅「それに……オススメだったら……私が教えるのに……」
小梅「……なのに」
ちひろ「……」
ちひろ(あのプロデューサーさんが小梅ちゃんと頑張ってホラーを見ようとした結果なんだろうけどなぁ)
ちひろ「……あのね、小梅ちゃんこれは…」
杏「ただいまー」ガチャ
P「今帰りましたー」
ちひろ「!」
小梅「……!」
留美「あら、おかえりなさい」
早苗「Pくん、杏ちゃん、お疲れ様ー」
P「ありがとうございます……ってちひろさん?」
ちひろ「あ……お、お疲れ様でした」
P「人のパソコンの前で何を……ちょ、何勝手に人の検索履歴見てるんですか!」
ちひろ「こ、これは……」
小梅「Pさんっ……!」
P「おわっ……小梅? な、なんだ……?」
小梅「こ、怖いの、私が……教えます……全米が泣いたあの作品とか……オススメ、いっぱいあります、から……!」
P「へ……?」
小梅「だ、だから、ホラー……こ、今度一緒に……見よ……?」
P「……」
P(な、なんで俺事務所に帰ってすぐこんな窮地に立たされてんの? 何が……)
杏「もー、疲れたよー」
留美「お疲れ様、きらりちゃんは?」
杏「家族でご飯なんだって、先に帰っちゃった」
P「……!」
小梅「ぴ、Pさん……!」
P(か、かくなる上は……)
P「杏っ!」
杏「ん? なに?」
P「飴一個!」
杏「……あー、なるほど、でもめんどくさいからやだ」
P「二個っ!」
杏「……二個……まぁいいや」
杏「ねー小梅」
小梅「あ、杏さん……今……は……」
杏「こっち来なよ、プロデューサーこれから仕事だし……携帯で面白い怪談サイト見つけたからさ、一緒に見ない?」
小梅「……!」
小梅「で、でも……まだ、お話……」
杏「小梅が見ないなら杏だけ先に見ちゃおっかなー」
小梅「え……」
P「……」
小梅「……」
小梅「ま、また……お話、します……ご、ごめんなさい……」
P「お、おう」
< ドンナサイト……デスカ……?
< コレコレ、ナンカニンキアルンダッテー
P「……ほっ」
ちひろ「良かったですね」
P「ええ、助かりました……まぁ問題が先送りされただけの気もしますが……」
P「それよりちひろさん、後でちょっと話がありますからね」ギロッ
ちひろ「あ、あはは……」
早苗「PくんPくん」
P「ん……早苗さん? どうしました?」
早苗「Pくんも帰ってきたことだし、あたし達もこれからレッスンあるから……今日はもう事務所から退散するけどいい?」
P「あ……了解です! すいません事務仕事手伝って貰って……!」
早苗「いいのいいの、今日はあたしも暇だったし」
留美「まとめておいたデータはいつものフォルダに入れておいたから……後はよろしくお願いするわ」
早苗「じゃ、お先に失礼するね」ガチャ
P「はい、お疲れ様でした……二人ともレッスン頑張ってください!」
バタン
P「……ふう、本当にいつも申し訳ないなぁ」
ちひろ「殆どアイドル兼事務仕事ですからね……私がもう少し頑張れればいいんですが……」
P「いやいや、普通に事務員増やせばいいだけですよ全く……うちの会社は……」
P「はぁ……でも愚痴っても仕方ないですね……仕事しご……ん?」
P(なんか机の下がいつもより窮屈そうに……?)
こずえ「……すや……すや」
乃々「……あう、あうあう」
P「……何してんのお前ら」
乃々「あの、その、私とこずえちゃんは机の下に入ってるんですけど」
P「みたら分かるけど」
乃々「つ、机の下にいたら……こずえちゃんが寝ちゃったんです……も、もりくぼ、動けないぃ……」
乃々「今日のレッスンも始まるのに……このままじゃ……」
P「とりあえず、こずえを起こすしかないだろ」
乃々「……むーりぃ」
P「はぁ、仕方ないな……俺が起こして……ん?」
P「……」ジー
乃々「え、なん、なんで……そんなに見るんですか……私、へ、変なとこでも……」
P「……いや」
こずえ「……くぅ……くぅ」
P「……」
P「……」ピポパピポ
P「……」トゥルルルル
乃々「……プロデューサー、さん?」
P「あ、ルキトレさんですか? あの、今日森久保が病気で……ええ、レッスンは……はい、はい、失礼します」
P「……ふぅ」
乃々「……あの」
P「乃々、今日は机の下でゆっくりしてていいから、こずえ起こさないように頑張れよ」
乃々「」
P「じゃあ俺はさっさと仕事片付けるかな……って、もう結構まとめ終わってる……」
ちひろ「プ、プロデューサーさん」
P「はい、どうしました?」
ちひろ「こずえちゃんが可愛くて起こせないのは分かりますが……それで乃々ちゃんのレッスンを中止するのは……」
P「あーと、あれはなんというかですね……」
P「……まぁ、いいんです、責任は俺がとりますから」
ちひろ「そうですか……?」
P「ええ、スケジュールの再調整もしたいとこだっ……」
杏「可愛くてレッスンサボっていいなら杏もサボらせろー」
P「……」
小梅「あの、杏さん……こ、怖い話……」
杏「今はそんな時じゃないよ小梅、ほら一緒に復唱して」
杏「可愛い子は甘えさせろー! 仕事をさせるなー!」
小梅「え……えっと……し、仕事を……させるなー……」
杏「可愛い子には飴をよこせー!」
小梅「あ、飴をよこせー……」
P「……はぁ」
そらそうなるわなw
杏「何ため息なんかついてるのさ、ほら、飴くれ」
P「お前は本当、可愛くない奴だよ……」
杏「失礼な、杏はこれでもアイドルだぞ」
P「お前のようなアイドルがいるかっての」
杏「アイドルにさせたのそっちの癖に」
P「あーもう、うるさい……おらっ、飴やるから静かにしてろ」ポイッ
杏「わわっ……」
杏「……くふふ、でもなんだかんだくれるんだよねー、さっすがプロデューサー」
P「はいはい……小梅も、ほら」ポイッ
小梅「あ、わ……わっ……」
P「ふう、全くあいつは……何笑ってんですかちひろさん」
ちひろ「いえ……ふふ、結局飴はあげるんですね」
P「何が……」
ちひろ「うちは本当に可愛いアイドルばかりで、プロデューサーさんも大変ですね」
P「……ちひろさんには飴あげませんから」
ちひろ「いいですよー、私は可愛い女の子じゃなくて綺麗なお姉さんですから」
P「……」
ちひろ「ふふ……」
P「……代わりに仕事あげます、ほら、これお願いします」
ちひろ「……プロデューサーさんは可愛くないです」
…………
……
…
P「……」カタカタ
ちひろ「……」カタカタ
P「……うーん」カタカタ
ちひろ「どうしました?」
P「いやあのですね、留美さんたちのおかげでもう今日の分の仕事が早くに終わっちゃって……何をしようかと」
ちひろ「え、プロデューサーさん仕事終わってたんですか?」
P「はい、そうですけど……?」
ちひろ「もう六時過ぎですよ? てっきり私はまだ仕事があるから残ってるもんだと……」
P「え、もうそんな時間です? そんなに経ってました?」
P「そんな時間ならあいつらはもう帰さないと……よいしょ」
こずえ「……くぅ……くぅ」
乃々「……すぅ……すぅ」
P「……」
P(顔見た時にちょっと思ったが……最近忙しかったし、やっぱり無理させてたんだろうな……)
乃々「……」
P(……起こすか)
P「……」ツン
乃々「ぁう……」
P「……」ツンツン
乃々「あう……あぅ……」
P「……」
乃々「……んぅ」
P(楽しい)ツンツン
乃々「あうぅ……」
乃々「ん……あ、プロデューサー……さん……?」
P「あ」
乃々「……」
乃々「ななななんで、なんで私、起きたらプロデューサーさんにほっぺ……ほっぺなんですけど……ほっぺ……」
P「ちょ、ちょい落ち着け! ほっぺつついてただけだろ!?」
乃々「だ、だけ……もりくぼにとっては青天の霹靂……雷が轟くんですけど……」
P「雷って……」
こずえ「ふわぁー……?」
乃々「!」
こずえ「あ、ぷろでゅーさーだー……」
P「お、おう、おはようこずえ」
こずえ「……んー」ダキッ
P「おわっ」
乃々「あ……」
こずえ「えへー……」ギュー
乃々「……」
P「な、なんなんだ……? ちょ、おい乃々? なに睨んでるんだ?」
乃々「そうやって、私は何もかも奪われちゃうんですけど……これからもきっと……」
P「なんで急に落ち込んで……」
こずえ「ののもするー……?」ギュー
乃々「えっ、す、するって……え……」
P「い、いいから離れろこずえ……もう遅いからお前らは帰って……」
バカッ
P「うごっ!」
杏「お、当たった」
小梅「あ、杏さん……危ない……です……」
こずえ「……うごー?」
P「何するんだお前! クッション投げんな!」
杏「大丈夫大丈夫、ちゃんとこずえに当たらないよう近付いて投げたし」
P「そういう問題じゃねえっつの!」
杏「ほら、イチャイチャしてないで帰ろうよ……仕事終わったんでしょ?」
P「い、いや、終わりはしたけど……まだ帰るのは……」
ちひろ「いいですよ、私もそろそろ終わりそうなので、ついでに今日の後片付けは私がやります……プロデューサーさんは皆を送ってあげて下さい」
P「……」
杏「ね?」
…………
……
…
ブオオオオオ
乃々「こ、こずえちゃん……やめ、やめて欲しいんですけど」
こずえ「んー……」
乃々「髪……伸ばさないで……」
こずえ「どりるー……ほるのー……?」
乃々「掘らないですけど……」
小梅「でも……の、乃々さんの髪、不思議……可愛い……」
杏「そうだよね、これどうなってんの? 地毛?」
乃々「えっと、その……」
P「お、おいお前ら、あんま車ん中で騒ぐなよ、危ないから」
杏「えー」
P「お前に至ってはちゃんとシートベルトしろ!」
杏「でもこれ斜めがけのとこ顔に当たるし……」
P「事故が起きない保証は無いんだぞ、いいからつけろ」
杏「……ぶー」
小梅「杏さん……つ、つけないと、事故で……死んじゃって……」
小梅「私しか……見えなくなっちゃう……」
杏「……多分そういう問題じゃないんじゃないかな」
P「えーと、乃々の家はここら辺だったよな」
乃々「は、はい……」
P「こっからどうだっけ?」
乃々「あ、あの、近いからもうここで降ろしてもらって大丈夫ですけど」
P「いや、せっかくだから家の前まで連れてくよ」
乃々「でも……」
P「いいからいいから……で、どう行けばいい?」
乃々「……つ、次を右、です」
P「次を右……」
乃々「そしたら、次の角をひ……」
こずえ「みぎー」
P「えっ?」
乃々「えっ……」
P「ど、どっちだ?」
乃々「ひ、ひだ……」
こずえ「うえー」
杏「したー」
小梅「う、うしろ……」
P「ちょ……お前らふざけるなって!」
P「……やっと着いた」
乃々「ご、ごめんなさい……」
P「いやお前が謝ることないよ……それじゃ、今日はお疲れ様」
乃々「あ、あの……」
P「ん?」
乃々「あり……ありが……」
P「……」
乃々「……とう……ご、ござ……」
P「あー、ちょっと待ってろ」
乃々「え……」
P「ええと……あった」
P「……ほら、飴だ、受け取れ」
乃々「……?」
乃々「い、意味が分から……」
P「いいから、ほら」
乃々「……」
P「……それじゃ、また明日な」
バタン
乃々「あ……」
ブオオオオオ
乃々「……」
乃々「……お礼、言わせてくれないなんて……酷いんですけど」
こずえ「ひどいー……?」
乃々「えっ」
…………
……
…
ブオオオオオ
P「……あれっ!?」
小梅「わっ……!」
杏「……急にどうしたのさ?」
P「待ておい、こずえ車の中いなくないか、どこ行った!?」
杏「あれ、本当だ……そういやさっき乃々と一緒に降りてなかったっけ?」
プルルルルル
P「!」
P「俺の携帯だ……! ちょっと杏見てみてくれ」
杏「待ってよ……うん、乃々からだ……出るよ?」
P「頼む」
杏「ええと……もしもしPですけど……うん、Pだけど……いや杏だよ、ごめん」
杏「なんで杏がって……そりゃプロデューサーと杏がそういう関係だからだよ……いやだから嘘だって、ごめんごめん、そんな訳ないって……あーもうゴメン、変なこと言わないからさ」
杏「それで……はぁ、こずえが……うん、うん……」
杏「……え、何それ、本当に? 凄いねこずえ……ああ、代わらなくても……というか代わる必要……」
P「おい、出来たら早く……」
杏「あーちょっとプロデューサー焦ってるからもう切るね……うん、じゃあねー」ピッ
P「……どうだった?」
杏「こずえ、乃々と一緒に降りてたって」
P「そうか……とりあえず安心した」
杏「そんでなんか今日は乃々の家に泊まることになったっぽい」
P「……」
小梅「お、お泊り……楽しそう」
P(あいつも色々大変だな……)
杏「じゃあ次は小梅の家だね」
小梅「お、お願い……します……」
P「おう、お願いされた」
小梅「……」
小梅「あの……」
杏「ん?」
小梅「Pさんと杏さんって……家……ち、近いん……だよね……?」
杏「まぁ、そうだけど」
P「それがどうかしたか?」
小梅「ふ、二人でお泊り、とか……」
杏「んー……泊まったことは流石にないかな」
小梅「そう……なんだ……」
杏「……」
小梅「……」
杏「……ねープロデューサー、今日杏達もプロデューサーの家でお泊り会しない?」
小梅「!」
P「……は?」
杏「ということで今からコンビニにお菓子買いに行こうよ、あとジュースも」
P「お、おい何を……!」
杏「あ、小梅は親に連絡とってみなよ、今日プロデューサーの家に泊まるーって」
小梅「う、うん……」ポチポチ
P「待て! 勝手に話を進めていくな!」
小梅「……あ、は、早い……すぐ連絡帰ってきた……」
杏「なんて?」
P「だいたいそんなの許可が出るわけ……」
小梅「Pさんなら……いいって……」
P「」
P「急になんなんだもう……意味わからん……」
杏「こういうのは考えたら負け負け、とにかく、今日はプロデューサーの家で皆でダラダラしようよ」
P「あのな……」
小梅「……だめ、ですか?」
小梅「お、お泊り……したい……」
P「ダメだ」
小梅「……」
P「……」
P「……あー」
P「まぁ、でも……」
P「遅くならないまでなら俺ん家でダラダラしてもいい……かも、しれん」
小梅「……!」
P「はぁ……けど、代わりに今日小梅は杏の家に泊めさせてもらえよ? 俺の家には泊められないからな」
杏「えー、いいじゃん、そのままプロデューサーの家に泊まれば」
P「無茶言うな」
杏「杏の家片付けるのめんどくさいし……ね、プロデューサー……おねがいっ」
P「だーめ、こればかりは譲らない、というかどうせ片付ける気ないだろお前……」
小梅「ぴ、Pさん……」
P「ん?」
小梅「あ、ありがとう……ございます……」
P「まぁ……たまにはな」
小梅「そ、それで、あの……」
P「ん?」
小梅「か、帰り、ビデオ借りに……いきませんか……?」
P「ああ、いいなそれ、皆で映画でも見るか」
小梅「私……オススメの……あ、あります……」
P「はは、小梅オススメの映画か……どんな……」
P「……」
P「」
小梅「……えへへ」
P「……」
P「なぁ杏、飴……」
杏「……小梅凄い嬉しそうだし、これはちょっと無理かな」
P「……」
杏「プロデューサーが一人で寝られないんなら、やっぱり杏達が泊まってあげてもいいよ?」
P「それは……」
小梅「Pさん……す、すっごく面白い、から……」
小梅「楽しみにしといて……ね……?」
P「……」
P「……おう」
おわり
ロリコンじゃないです、でもちっちゃいのは凄い
読んでくれてありがとうございました
駄文失礼しましたー
ほのぼのしてて面白かった
乙
うん、流石は杏。俺の嫁。
乙
また書いてくれ
こいつらのほのぼの感やばない?カレーハンバーグよりつえーわ
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