伊織「チク痛」 (82)
伊織「―――ったく、やってらんないわよ!」ドカッ
P「お、おい、椅子に当たるなよ……」
伊織「どうしてこの伊織ちゃんが、若手芸人の靴下を臭わないといけないワケ!?」ギシッ
P「そうプリプリ怒るなってば。いつも言ってるだろ、しご―――」
伊織「仕事に大きいも小さいも無い、でしょ?」
P「理解してるなら、受け入れればいいじゃないか」
伊織「私はプライドを持ってこの仕事、アイドルをやってるの!」
P「だから、そのプライドをだな……」
伊織「そんなの、捻じ曲げても品位を下げるだけ!」
P「誰も曲げろなんて言ってないだろ。折り合いをつけろって意味で……」
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伊織「そんなのでトップアイドルになっても誰にも誇れやしないわ」
P「それはそうだけど……」
伊織「そりゃあ、アンタは良いわよ。見てるだけなんだから。フンっ」ツーン
P「こらっ! そういう言い方は無いんじゃないか?」
伊織「何よ!? アンタも嗅いでみる? ホントに臭かったんだから……」
P「い、伊織の靴下を、か……?」ゴクリ
伊織「私の靴下なワケないでしょっ!!」
P「じゃあ、伊織のどこを嗅げば?」
伊織「しゃあらぁっぷ! それ以上言うとさっきの芸人の靴下をアンタの口に突っ込んでやるんだから!」
P「まあ、まあ、そう怒るなよ」
伊織「誰のせいよ!」
P「ゴールデン枠の放送だと聞いて、内容もろくに確かめもせずに、引き受けた俺のせいだよ」
伊織「わ、分かってるんじゃない」
P「ついに、伊織の可愛い姿が茶の間に流れると思ったら嬉しくてさ……」
伊織「えっ、あ、うん……」
P「これで伊織がトップアイドルに一歩近づく、そう思って完全に舞い上がってた……」
伊織「その……アンタに任せっきりだった私にも非が少し……。毛の先くらいはあるんだし、勝手に落ち込んでんじゃないわよ」
P「ごめんな……、ごめんなぁ……。ダメプロデューサーで……」
伊織「ちょ、ちょ、ちょっと!?」アタフタ
P「俺、この仕事向いて無いかもしれないな……」ズーン
伊織「ああもう! いい? アンタがこの仕事に向いてようが向いてまいが、関係無いの!」
P「…………」
伊織「私の夢を叶えられるのは私だけ! だからアンタは私について来たら良いのっ!」
P「伊織……」
伊織「私たちは仕事のパートナーよね?」
P「うん」
伊織「だから、一蓮托生! 喜びも苦しみも折半でいいと思わない?」
P「……責任は?」
伊織「もちろん折半よ! だからこれは私の責任でもあるわ!」
P「そうだな……! 俺も悪いし、伊織も悪い! これで解決だな!」
伊織「ええ! ……って、あれ?」
P「いやー、すっきりした!」
伊織「ちょ、ちょっと……?」
P「これでお互い何のしがらみもなく、また明日から仲良く仕事出来るなっ!」
伊織「アンタ……私を謀ったわね!?」
P「はは、何をおっしゃる。恐れ多い」
伊織「なんか、その満面の笑みが超ムカつくんだけど」イラッ
早速嫌な予感しかしない
続けてくれ
P「まあまあ、嫌なことは忘れて、オレンジジュースでもどうぞ」ソッ
伊織「ハァっ……。今まで怒ってたのが急にアホらしくなってきたわ」
P「ささ、冷えてるうちにどうぞ」ズズイ
伊織「ふんっ。まったく、覚えておきなさ―――」スッ
伊織「―――っツ……!」ズキッ
P「ど、どうした!?」
伊織「……わかんない。腕を伸ばしたら急に腰辺りが痛んで……」ズキズキ
P「大丈夫か!? この辺か!?」サスサス
伊織「う、うん……そのへん―――んんんっ!!?//////」カーッ
P「ん? どうした?」サスサス
伊織「何、レディーの身体に気安く触ってんのよ! この変態っ!」ドンッ
P「いてっ!?」ドテッ
伊織「あっ……!」
P「なにも突き飛ばすことないだろ……。イテテ……」サスサス
伊織「あ、アンタが触るからでしょ!」
P「たかが、腰じゃないか……」
伊織「たかがとか言うな! 私の腰は、いずれはトップアイドルの腰なんだからっ!?」
P「じゃあ、この温もりを忘れないようにこれから先、手は洗わないでおこう」
伊織「温もりとか言わないでちょうだいっ! なんかゾワゾワするっ!」
P「ははは、まあ、それは冗談としても。腰、大丈夫か?」
伊織「ええ、多分……?」サスサス
P「いわゆる、成長痛かもな?」
伊織「……せいちょーつー?」
P「あれ? 伊織は成長痛になったことは無いのか?」
伊織「んー……? どうかしら?」
P「成長期になると筋肉が引っ張られて、成長軟骨の部分に痛みが生じることがあるんだ」
伊織「へぇ……? アンタもなったの?」
P「もちろん、なったよ。チク痛」
伊織「チクツー……?」
P「そう。乳首が痛くなるから略してチク痛」
伊織「へぇ、乳首が……って、女の子になんてこと言わせてんのよ! このド変態!!」
P「し、し、し、しまったぁあああ!? 今の録音しときゃ良かったぁあああああああ!!」
伊織「本気で悔しがらないでっ!」
P「そ、そうだ! もう一回! アンコール! アンコール!」
伊織「黙れ! 撲殺されたいの!? THE変態っ!!」
P「凶器は伊織の靴下に砂を詰めたものでした」
伊織「靴下はもう良いから! それで……、その……」モジモジ
P「ん?」
伊織「ち……」
P「ち……?」
伊織「ち、」
P「ち。」
伊織「ち、ち、ち、チク痛って私も……なるの?」
P「待って。今ボイスレコーダーをセットするから」イソイソ
伊織「何度も言うわけないでしょーが! この変態大人!」ドカッ
P「腰がっ!!?」ドテッ
――――――
――――
――
P「―――という出来事が昨日、あったんだけども」
律子「そりゃあ、仕事の内容を確認しないプロデューサーが悪いですよ」
P「いや、重要なのは前半部分のことじゃなくて」
千早「女の子の腰をさするだなんて……」
P「いや、まあ、それは俺も反省してる次第です……じゃなくてね?」
真「だいたい、導入が無駄に長いですよね」
P「クゥーッ、辛辣ゥッ! じゃなくてですね」
春香「そもそも、そういう仕事なら私のほうが向いてると思いません?」
P「それはそれで問題発言だぞ、春香」
雪歩「穴掘って埋まってますぅ……」
P「いや、なんで突然穴掘るの!?」
小鳥「それで、『みんなはチク痛の経験があるかどうか』ってことですよね?」
P「流石、音無さん話が早い! さすなしさん!」
小鳥「まあ、こういう流れには慣れてますから」
千早「普通にセクハラですけどね?」
P「いや、セクハラとかじゃなくて、保健体育的な……むしろ医学的な、な?」
律子「な? ……って言われてもセクハラドクハラのウラウラで跳満ですよ?」
P「いや、無関係なドクターまで巻き込まないであげてください」
春香「そういえば昔、胸が痛くなったことがあったっけ……懐かしいなぁ、えへへ」
P「初恋のトキメキみたいな感じで言わないでくれ」
真「待ってください!」
P「どうしたんだ、真?」
真「どうして伊織にだけ、ご褒美のジュースを用意してるんですか!?」
P「今、それ重要か!?」
千早「確かに、私たちにもあって然るべきだわ?」
P「……検討しておきます。あとそっち側でボケるのやめてね?」
雪歩「えへへ、お茶どうぞ」ソッ
P「ああ、ありがとう。だけどこのタイミングは違うかなーって」
小鳥「みんな、一旦落ち着いて! このままじゃ埒が明かないわっ!!!」
P「頼りになるなぁ、音無さんは。たよなしさんだなぁ」
律子「チク痛、ねぇ……」
千早「まあ、胸は痛くなりますよね。胸は」
P「今、すごく強調したな?」
真「まあ、痛くなるよね。胸は」
P「こっちもか」
雪歩「お茶どうぞ」スッ
P「いやそんな、わんこ蕎麦みたいなペースで持ってこられても」
春香「まあ、成長痛は個人差ありますし、まったく無いって人も居ますよね?」
P「だからそれも含めて参考にしたくて取り合えず、暇そうな高校生組+大人を集めたわけだ」
雪歩「私たちが今、こうして暇を持て余してるのはプロデューサーが怠慢なせいですけどね? ふふっ」
P「……いやあ、雪歩が入れてくれたお茶、マジ美味いわ。何杯でもイケる!」ズズズ
律子「まあ、私は割と乳房が痛かったですね」
P「恥じらいが無いと、男性を司る部分がピクリとも反応しないんだな、って思いました」
雪歩「私も結構、その……胸は痛かったかもしれません」
P「ふむ。女性の場合は胸の大きさにもよるのかな?」
小鳥「―――っ!」ピクッ
千早「っ! あー、本当に痛かったわー」
真「あの時は痛かったなー! 大胸筋が!」
P「二人には、あとで千円ずつあげるから精のつくものでも食べてきなさい」
千早「くっ……」
真「へへっ、やーりぃっ! やーりぃ……」
小鳥「わ、わ、わ、私もこう見えて結構あるんですよ!?」
P「成長痛にこう見えても何も無いかと思うんですけど」
小鳥「ほ、ほらっ! 見てください!」ムギュッ
P「見ても分からないですよ!?」
春香「ムッ……! あ痛っ!」
P「どうした春香!?」ガタッ
春香「私もチク痛が……どうやら遅れてきた成長期ですね!」
P「嘘つけっ!」
小鳥「ああんっ! 私もチク痛があ~んっ!」クネクネ
P「あーもう、うっせぇな! 2X歳は引っ込んでろっ!」
小鳥「ひどっ!」
律子「プロデューサー、私は頭痛が」
P「奇遇だな、俺もだ」
雪歩「プロデューサー、お茶ですぅ」ソッ
P「ああ、うめぇなちくしょうめ」グイッ
真「チク痛のおかげでアイドルになれました!」
P「おかげとかねぇよ!」
春香「進研ゼミのおかげで難関高校に入学できました!」
P「もはやチク痛と関係ねぇ!」
千早「そもそも成長痛とかありませんでしたけど?」
P「ここでまさかのカミングアウト! ああ、もうっ! 前半戦終了! 選手交代っ!」
――――――
――――
――
P「ということで勉強も兼ねて美希と伊織以外の中学生組と……」
あずさ「あらあら、まあまあ」
P「指導役として765プロきっての健全なお色気枠、あずささんをお呼びしました」
あずさ「うふふ、上手く出来るか分かりませんけど、よろしくお願いします~」
やよい「わ~」パチパチ
亜美「ところで、にいちゃん?」
P「あ、はい」
真美「さっきのはるるんたちの会話を余すことなく聞かされた真美たちの気持ち分かる?」
P「まあ、ああいう流れがあったということ踏まえて貰ってだね?」
亜美「うん」
P「チミィたちにはスムーズな進行を心がけて貰えたらな、と」
やよい「がっ、がんばりますっ!」フンス
真美「やよいっち、がんばっちゃダメっしょ?」
やよい「ええ? どうして?」
亜美「セクハラを受け入れろってことじゃん!?」
やよい「……? だって今日集まったのって勉強でしょ?」キョトン
真美「ウッ……!」
亜美「やよいっちが放つイノセントな輝きが……!」
真美「まっ、眩しい~……っ!」
亜美「亜美たちの汚れが……!」グググ
真美「浄化されていく~~~っ! グハッ」バタッ
P「お前たちは悪魔か何かか」
亜美「小悪魔キュートなアイドルだかんね?」
P「そういう売り出し方は去年までランドセル背負ってたお前たちにはまだ早い」
真美「じゃあ、いつからならイイのさ?」
P「取り合えず、成長期が終わってから、かな?」
亜美「えー? 亜美たち、まだ身長伸びるのー?」
P「まあ、その可能性は高いな」
亜美「と、いうことは将来、にいちゃんを見下ろせる可能性もあるんだね?」
真美(これ以上伸びてほしくないんだけどな~……)
P「おい、俺を見下ろすって、身長二メートルを超えるつもりか?」
亜美「我々はまだあと二回の成長期を残している……この意味がわかるな?」
真美「え!? そなの!?」
P「そんな、わけないだろ。まあ、亜美と真美は発育が良いから190cm超えはあるかもな?」
やよい「すごい! ばばしょうへいみたいです!」
P「ば、ばば……?」
真美「ばばしょーへー?」
あずさ「え~っと、ジャイアント馬場さんの本名ですね」
P「ああ……あーっ! 馬場さんか!」
亜美「ジャイアント誰?」
P「馬場な。まあ、亜美たちが知らないのも無理はないか」
あずさ「丁度、亜美ちゃんたちが生まれたくらいにお亡くなりになられてますからねぇ」
真美「なにしてた人? お笑い芸人?」
P「えーっと」
あずさ「身長209cm、プロ野球選手からプロレスラーに転身した偉人よ」
亜美「すごっ! でかっ!」
P「…………」
あずさ「でしたよね? プロデューサーさん?」
P「あ、はい、そうなんですかね?」
真美「どこの野球チームだったの?」
あずさ「うふふ、それがね? 読売ジャイアンツなの」
真美「ジャイアンツ! 巨人! ピッタリじゃん!?」
あずさ「でしょう? ふふっ♪」
亜美「巨人の星だっ!」
P「あの、もしかしてあずささんって」
あずさ「でしたよね? プロデューサーさん」
P「あ、えっと、はい、ですかねー?」
あずさ「まあ、すぐにプロレスラーに転向したんだけど」
真美「逆ドカベンだ!」
P「あずささんってプロレスが」
あずさ「でしたよね? プロデューサーさん」
P「あー、いやどうだったかなー?」
P(一体、あずささんはプロレスが好きなのか馬場が好きなのかどっちなんだ?)
P(だいたい、あずささんが生まれた頃、すでに馬場は現役引退してたはずだし……?)
P(……ま、いっか)
P「それにしても、ジャイアント馬場なんてよく知ってたな、やよい」
やよい「えへへ、お父さんがプロレス大好きで色々教えてくれました!」
P「おお、そうだったのか」
やよい「だから家でもよく弟たちとプロレスごっこするんです!」
P「ありがとう、やよい」
やよい「はわわっ!? とつぜんどうしたんですかプロデューサー!?」
P「なんと言うか、荒んだ心が浄化されていく。春香たちにも聞かせたかった」
やよい「???」
あすさ「やよいちゃんの家は兄弟みんな本当に仲良しさんで楽しそうね~?」
やよい「はい! 茶の間がリングで、畳がマットです!」
P「ははは、もしかしてやよいにも必殺技とかあるのか? なんて―――」
やよい「パロスペシャルです」
P「えっ」
やよい「私のフィニッシュホールドはパロスペシャルです」
P「フィニ……えっと、それ、弟たちにするの?」
やよい「逃がしません」
P「えっ」
やよい「ぎっちぎちです」
P「えっ、えっ」
やよい「相手が泣いてからが本当の勝負です」
P「えっ、えっ、えっ」
あずさ「とっても楽しそうね~?」ニコニコ
やよい「はい!」
P「えっ」
あずさ「今度私も混ぜてもらおうかしら~?」ニコニコ
やよい「うっうー! それってとーっても楽しめそうかもっ♪」ガルーン
P(どうして俺は今、タイトルマッチの会見の場で闘志をむき出しにして向かい合うレスラーを見てるかのような目の錯覚を起こしているんだろう?)
P「……と、とりあえず話が脱線したから一旦戻そっか」フイッ
亜美(現実から目を背けたね、にいちゃん……)
真美(まあ多分、にいちゃんの目には二人が虎にでも見えたんじゃない?)
亜美(Pよ……虎だ! 虎になるのだ!)
真美(頭の形がPだからマスク被れないし無理っしょ)
ζ*'ヮ')ζ<きらめきらりー いちどりせっとー
P「はい、と言うわけで決していかがわしい気持ちとかは一切なく、みんなのチク痛体験談を、だな?」
真美「そんなの恥ずかしくて言えるわけないじゃん!」
あずさ「うふふ」ニコニコ
亜美「真美たちは思春期真っ盛りの中学生。この意味が分かるよね?」
P「だから、やましい気持ちは無いんだってば! もう俺は純粋にチク痛のアリ無しを聞きたいの!」
真美「だいたいさっきから普通にチク……痛とか言ってるけど、完全にセクハラでスリーアウトチェンジだかんね?」
P「じゃあ言い方を変えよう。そうだな、ぽっち痛でどうだ?」
真美「なんか余計に……その。……えっちくない?」
P「そう思う真美の方がエッチだし。なんか妄想しちゃってるんじゃないの~? や~らし~」
真美「っ!?////// にいちゃんのおばかっ! もう、知んない!」プイッ
あずさ「あらあら、まあまあ、うふふ♪」
亜美「そこ、いちゃこらするならみんなが居ないときにやってもらえませんかね?」
真美「と、とにかく! 真美は、ち……チク痛とかぽっち痛とか言わないかんね!?」
P「えー……じゃあ、乳頭先端過敏痛覚障害(仮)にしよう」
やよい「にゅーとーせんた……ううぅ。むずかしすぎるかなーって……」
P「じゃあ、オッペイン」
亜美「なにそれ」
P「おっぱい+痛みを英語にしたペイン」
真美「おっぱいから離れてよ!?」
P「ん? なんだって?」カチッ
真美「おっぱいから離れてよ!」
P「ふむ……」ゴトッ
真美「……?」
やよい「プロデューサー、その機械なんですか?」
P「これ? ボイスレコーダー」カチッ
レコーダー《おっぱいから離れてよ!》
真美「ちょ、ちょ、ちょ……//////」カーッ
あずさ「あの~、もう一回聞いてみても良いですか?」
真美「どして!?」
P「どうぞどうぞ」
あずさ「それじゃあ、失礼して……」カチッ
レコーダー《おっぱいから離れてよ!》
真美「わああああっ、ヒドいよ、あずさお姉ちゃん」ユサユサ
あずさ「うふふ、あまりにも綺麗に録れてたものだからつい~」
真美「んもうっ! にいちゃんのバカっ! なに録音してんのさっ!?」
P「ん? 真美の声だけど?」カチッ
レコーダー《おっぱいから離れてよ!》
真美「あぁぁぁあああぁあ~っ!!!?」
亜美「んっふっふ~♪」カチッ
レコーダー《おっぱいから離れてよ!》
真美「わぁああああああああああ!!!!!!!」
亜美「ぽちっとな」カチカチカチカチ
レコーダー《おっぱ、おっぱ、おっぱ、おっぱいから離れてよ!》
真美「ぐぅっ……こっ、こんなものこうしてやるっ!」ガシッ
P「あ、こらっ! 俺のレコーダーをどうするつもりだ!」
真美「窓から庶民シュートっ!」ガラッ
亜美「左手は添えるだけっ!」
P「俺のレコーダーがぁあああああああっ!?」
やよい「リングアウトしちゃいました」
あずさ「あらあら~」
――――――
――――
――
P「ということで……、君たちの出番です。まさかのロスタイムです」
貴音「ほう」
美希「ふーん?」ジトー
響「セクハラプロデューサー」ジトッ
P「いや、俺としてはチク痛のことを聞きたかっただけなんだが余りにもその、な?」
美希「ん~。ミキ的にはさっさと高い塀の向こう側へ行けば良いって思うな」
P「いや、それより俺と一緒にチク痛の向こう側へ行かないか?」
美希「一人で行けば?」
P「ははは、こやつめ」
美希「……それで?」ジロッ
P「あ、はい、それで、ですね……」
美希「正座」ピシッ
P「ウッス」サッ
美希「…………」
P「ほ、ほら、響も正座しろっ」グイッ
響「なんで自分もなのさぁ!? 自分関係無いぞ!?」
P「いいから早く!!」
響「ううぅ……。なんで自分まで……」ボソボソ
美希「で?」
P「えっと、こちらとしましては、まだ中学生も多い事務所ですので、今後の参考という意味でもチク痛のことを話して頂けたらな~、と思いまして」
美希「だいたい、成長痛って寝たら治るんだよね?」
P「ええまあ、だいたいは」
美希「じゃあ、ミキ、ずっと寝てたから成長痛なんか無かった」
P「まさに、寝る子は育つ、ですね」
美希「そんなにずっとずっと寝てないし」
P「ああ、これは失礼しました。……と、言うことはチク痛も無かった、と?」
美希「それ聞いちゃう?」
P「あっ、え~っと、今じゃない! 今じゃないですよね。もう少し場が温まって美希さんが話したくなったらで結構ですので、はい」
響「なんで美希にだけそういう態度なの。ズルくない?」
P(だって今んとこ美希の語尾に“なの”が付いてないんだぞ!?)ヒソヒソ
響(それがなんなの!?)ヒソヒソ
P(星井さんは大変ご立腹でおられる……!)ヒソヒソ
響(それって、プロデューサーのせいでしょ……)ヒソヒソ
P「じゃあ、響は? チク痛」
響「なんか聞き方が雑じゃない!?」
P「もう、俺も疲れてるんだ」
響「じゃあ、もう聞かなくても良いよね!?」
P「まあ、こうなったら一応全員に聞いとこうかなーって」
響「一応とか言うなぁ! 聞くならちゃんと聞いて欲しいぞっ!?」
P「チク痛の有無を細部まで漏らさず聞いて欲しい、と?」
響「そこまでは言ってない! それだと自分がなんか変態みたいじゃないか!」
P「変態っ!」
響「うぎゃぁああああ!? やめてよ!」
P「で、どうなの?」
響「自分はその……、先っぽだけが痛い、とかは特に無かったけど……////」
P「けど……?」
響「……え? それだけ、だけど?」
P「思わせぶりな発言やめて。なにそれ、プランC?」
響「そんなの無いから! だいたいプロデューサーが有り無しを聞きたかったんでしょ!?」
P「じゃあ、有無だけ言えば良いでしょ!」
響「じ、自分だって……成長期のときは胸、痛かったんだぞっ……」
P「あ、今の恥らってる感じ良いね。どういう感じに痛かった?」
響「恥ら……っ!? えっと、どういう感じって、運動した後とかに」
P「はい」
響「こう、グッと胸を掴まれてるような感じで」ムニッ
P「ひびきさんのエッチ!!!!」
響「うがっ、なんなのさもう!? プロデューサーが聞いたからでしょ!?」
P「人のせいにしちゃいけません」
響「プロデューサーが諸悪の根源で全ての元凶じゃないかっ!」
P「それじゃあ、貴音さんはどうでしたかね? へへっ」クルッ
貴音「お待ちしておりました」
響「無視するなぁあああ!?」
P「黙らっしゃい!」ピシャン
響「ええぇ……」
P「で、どうでした?」
貴音「そうですね……私はそういうものとはあまり無縁だったやもしれませんね」
P「そういうもの、とは?」
貴音「はて? 成長痛のことでは?」
P「あ、はい。いや、そうなんです。そうなんですが……!」
貴音「?」
P「ただ、こちらとしましてもこの場合はチク痛と言って頂けると、折に合うのではないかと」
貴音「まぁっ……! これは、大変失礼いたしました」
響「いや、絶対言わなくていいぞ?」
貴音「そもそも、ちくつーとは具体的にどのようなものなのでしょう?」
響「普通に言ったぁああああ!!?」ガビーン
P「響、ちょっと今大事な話ししてるから黙ってて」
響「なに、この自分への冷遇っぷり……」グスッ
P「チク痛とは、成長と共に乳首が痛くなる症状です」
響「まんま、言葉の通りだけど」
貴音「なるほど……」
響「まず、今更だけどそれってアイドルに聞くことじゃないと思うぞ……」ボソボソ
貴音「そうなると、ある意味私も、ちくつーに悩まされ続けているのやもしれません」
P「詳しくお話いただけますか?」
貴音「あれはまだ私が幼き頃の話―――」
貴音『―――私が庭を散策していると、妹が池のほとりでうずくまっていたのです』
響『庭に池があるのか……』
P『まあ、昔からの家ならあるだろうな?』
響『へぇ~。というかモノローグっぽいのに普通に会話しちゃうんだな?』
貴音『私はすぐさま妹に駆け寄り、声をかけました』
響『ふんふん』
貴音『私が声をかけた刹那、妹は少しだけ肩を震わせ、まるで何かを隠すように私に背中を向けたのです』
貴音『私は妹に再び声をかけました。大丈夫ですか? ……と』
貴音『すると妹の代わりに返事をしたのは可愛い鳴き声でした』
響『うん?』
貴音『なんと、振り返った妹は子猫を抱き抱えていたではありませんか』
響『ん? んん?』
貴音『私は咄嗟に、大人にバレてしまっては、きっと子猫を外に捨てられると思いました』
貴音『妹も恐らく、私と同じように考えを巡らせたのでしょう』
貴音『だから、私が声をかけたとき、妹は驚いたのだと思います』
響『あ、あのさ、貴音……?』
P『まあ、待て。ここは様子を見よう』
貴音『私は妹を子猫と共に抱き寄せ、小さな声で言いました』
貴音『ふたりでこの子猫のお世話をいたしましょう、と』
貴音『妹は涙をぽとりと溢し、頷きました。それから私と妹と子猫の暮らしが始まったのです』
貴音『さしあたっての問題は糧……。子猫のごはんでした』
貴音『まだ幼かった私たちは、至極当然のように思ったのです』
貴音『子猫の糧とは母のお乳であると……!』
響『まあ、栄養もあるし何より移行抗体っていう病気に対する免疫を一緒に摂取できるからな』
P『つまり、母猫が子猫におっぱいをあげた分だけ病気になりにくいってわけか』
響『でもそれは母猫が子供を出産してから10日間くらいまでしか分泌されないんだ』
P『そんな……。それじゃあもしかして……』
響『まあ、母猫の殆どは子供の目が開くまではしっかりおっぱいをあげるから大丈夫さ~』
P『おお、良かった』
貴音「コホン、続けてよろしいですか?」
P「お願いします」
貴音『私たちは、一心不乱に親猫を探しました。庭の隅々、縁の下と……』
貴音『しかし親猫はおろか猫すら見つからず、私たちは捜索の手を屋敷の外へと広げました』
貴音『向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに』
響『なんで山崎まさよし?』
貴音『……結局、母猫は見つからず。しかし、私たちには責任がありました』
貴音『自分たちだけで子猫を育ててみせるという意地にも似た責任が……!』
貴音『そしてひとつの結論に達したのです』
貴音『もう、こうなったら自分たちがお乳を出すしかない、と……!』
響『……いや、その理屈はおかしい』
貴音『最初は姉である私がお乳を絞り出そうとしましたが、妹が私の動きを制しました』
貴音『子猫を見つけたのは自分だ、と。だから、自分が責任を負う、とも』
P『いい話だな……』
貴音『私はそのとき、妹の強さに心を打たれました』
貴音『しかし、思い返せばそれこそが過ちだったのです……』
貴音『妹は、まだ未発達だった自分の胸を絞りました。それはもう血が滲むほどに……』
貴音『私はそれを歯を食いしばりながら、ただ見ていました』
貴音『視界の端には妹を不思議そうに見上げる子猫……』
貴音『妹はベソをかきながら何度も何度も出るはずのないお乳を絞り出そうとしていました』
響『…………』ゴクリッ
貴音『お姉さま。ああ、お姉さま……。』
貴音『出ない……。出ないのです……。お乳が……!』
貴音『そんな妹の悲痛な叫びが、未だに私の耳にこびりついて離れないのです―――』
貴音「―――その日以降、妹はお乳を出すことに執着してしまいました」
シーン……
貴音「来る日も来る日も。出るはずのないお乳を絞り続けたのです……」
響「…………」
貴音「子猫は次第に衰弱し、妹はそれでも……ウッ」フラッ
響「もういい! もう話さなくていいぞっ……!」ウルッ
貴音「最後まで、聞いていただけますか、響?」
響「どうして……!?」ポロポロ
貴音「これは私の罪。ぎるてぃなのです……」スーッ
P「響……。最後まで聞いてあげよう」
響「プロデューサーまで……。もう貴音は頑張ったぞっ! もうこれ以上……!」
貴音「この罪は簡単には雪(そそ)げぬやもしれません」
響「たかねぇ……。ぐすっ……」
貴音「それでも私はこの罪と向かい合わなければならないのです」
貴音「もし、この罪を贖(あがな)えるなら、どんな罰でも受けると心に決めました」
貴音「それは、響の顔を見た、今この瞬間なのです」
貴音「そしてもし、罪の全てを空に放てたなら……」
貴音「私にとびっきりの笑顔を向けてくれませんか……? 響―――!」
響「……うんっ!! わかったぞっ!」
P(チク痛があったかどうかを聞きたかっただけなんだけどなー……)
――――――
――――
――
P「―――ということがあったんだが……」
伊織「アンタ、それを私に話してどう反応して欲しいワケ?」
P「いや、俺も困惑してて……」
伊織「それで子猫はどうなったの?」
P「結局、騒ぎを聞きつけて来た大人にバレて、すぐに動物病院で処置を受けたら元気になったらしい」
伊織「そのまま飼うことになったの?」
P「いや、それがな……」
伊織「まさか、死んじゃったの……?」
P「いや、貴音の妹が……」
伊織「妹がどうしたのよ」
P「子猫を見ると発作的にお乳を絞ろうとするようになってしまったらしい」
伊織「…………」
P「…………」
伊織「それでチク痛……」
P「そのまま猫を置いとくわけにもいかず、他所の家に引き取ってもらったんだとさ」
伊織「痛ましいわね……」
P「もう、チク痛を超越した献身的で純粋な何かにまで昇華された感がある」
伊織「そう言えば貴音が話してる間、美希は会話に参加してなかったみたいだけど?」
P「ふて寝してたら本寝モードに入ってそのまま」
伊織「ああ、なるほど」チラッ
美希「Zzz……Zzzz……」
伊織「それで結局その、ち……じゃなくて、乳頭先端過敏痛覚障害(仮)のことは全然聞けてないんじゃないの?」
P「…………それなんだけど、さ?」
伊織「……なに?」
P「これはもしかしたら俺だけの痛みだったのかもしれない。いや、そのほうが良いような気がするんだ」
P「みんなそれぞれ、違う痛みを抱え生きていく」
P「俺も伊織も、貴音も貴音の妹も。そしてやよいの兄弟たちも……」
P「そして、それを乗り越えて、人は成長していくんだと思う」
P「だから……」
P「これは俺の痛みで良い。誰とも共感出来なくても、俺が知ってれば、それで良い」
伊織「……そうね。私もそれで良いと思う」
P「まあ、共感してくれる人が居たらその痛みを分かち合えれば良いな、とは思う」
伊織「ふふっ、どっちよ」
P「そりゃあ、一人じゃ寂しいし、さ」
伊織「まあ、いつかアンタのその痛みを分かってくれる人が居たら良いわね?」
P「…………ああ」
美希「むにゃ……あ、でこちゃんだー?」ボーッ
伊織「あら、随分と遅いお目覚めね?」
美希「寝てないよ?」
伊織「いや、おもいっきり寝てたでしょーよ!?」
P「ははは」
美希「正座」
P「ウイッス」サッ
伊織「なんで美希の言うこと聞くの? 弱味でも握られてるの?」
P「いや、まだ、一回も語尾に"なの"が無いから?」
伊織「はあ? って言うか、地べたに正座して痛くないの?」
P「まあ、プロデューサーになると、こういう痛みも絶えないし、耐えないとダメなんだよ」
伊織「馬鹿みたいね?」
P「そういう業界なんだよ、この業界は」
伊織「ふーん?」
P「あの、しかし美希さん、そろそろ、あの……」ビリビリ
美希「正座」
P「ウイッス」
伊織「……じゃあ、私もたまにはアンタと同じ痛みでも味わってみようかしら?」スッ
美希「でこちゃん!?」
P「伊織!?」
伊織「パートナーだし、折半よ、折半。喜びも苦しみも、ね?」
美希「じゃあ、ミキも!」
P「いや、三人で事務所の床に正座っておかしくないですかね!?」
伊織「ふふっ」
美希「あははっ」
P「ははは」
伊織「ふふふっ―――痛っ」チクッ
P「どうした? また腰が痛むのか?」
伊織「…………っ!」
P「そ、そんなに痛むのか?」
伊織「…………今度は、腰じゃなかった」
P「どこが痛かったんだ? さすろうか?」
伊織「……内緒。さすらなくて良いわよ。さて、そろそろ帰りましょ?」
P「……? じゃあ帰る用意するから二人共、先に出といてくれー」
伊織「はぁい」
美希「でこちゃんなんだか、とーっても嬉しそうなの」
伊織「あら、そう見えるかしら? まあ、成長してる証よ、証」
美希「???」
伊織「まあ、誰かの痛みに共感出来るってのも悪くないかもね? にひひっ♪」
美希「……むぅ?」
――――――
――――
――
冬馬「―――うっわ、外さっぶ」
翔太「見て見て! 息、白いよ!」ホッ
北斗「フッ、もう冬だからな」
冬馬「へへっ、ついに俺の出番だな!」
翔太「どういうこと?」
北斗「天ヶ瀬『冬』馬だからだろ?」
翔太「あー。なんだかバカっぽい発言だね?」
冬馬「馬鹿って言ったやつが馬鹿なんだからな?」
北斗「まあ、俺はそういう冬馬の子供っぽいところ嫌いじゃないけど」
冬馬「おまっ、そういうことは、その……なんだ、外で言うんじゃねぇよ」
翔太「あはは、外じゃなかったら良いんだ?」
北斗「まあ、冬馬じゃないけど実際、ついに俺たちの出番だからね」
冬馬「ヘッ、ようやくアリーナライブまで漕ぎ着けたからな!」
翔太「ちゃんと誘ったの?」
冬馬「……はあ? 誰を?」
翔太「またまたー、とぼけちゃってー」
冬馬「だから誰を誘うんだよ!?」
北斗「765プロのエンジェルちゃんたちに決まってるじゃないか」
冬馬「はっ、はぁああ? な、な、な、何でここで天海が出てくんだよ!?」
翔太「誰も名前までは言ってないけどね?」
冬馬「ぐっ……!?」
翔太「あれー? その様子だともしかしてホントに誘ってないの?」
冬馬「誘う訳無ぇだろ!」
翔太「えー? ちゃんと向こうはチケットくれたのにー?」
冬馬「だ、だいたいアイツ等は今、超忙しいだろっ!?」
北斗「冬馬は色々考え過ぎ。ただの、お返しってことで良いじゃないか」
冬馬「お返し……。ま、まあ、お前らがどうしてもって言うなら考えなくも、ない」
翔太「素直じゃないんだからー」
北斗「ははっ、だけど俺は冬馬のそういう素直じゃないとこ―――」
冬馬「もうそれは良いから!」
翔太「ま、誘ってもホントに来たくなかったら来ないだろうし」
冬馬「ぐっ……別に来てもらわなくても良いしっ!」
北斗「重要なのは行動に移すことさ。俺たちはいつだってそうやってきたんだから」
翔太「あー。なんやかんやで僕たちも色々あったよねー」
冬馬「フンっ……すっかりお前らとも腐れ縁になっちまったぜ」
北斗「どんな縁でも縁は縁。ずっと繋がったままでいたいね」
翔太「ふふっ、そうだね」
冬馬「北斗はいちいちクセぇんだよ、ったく」
翔太「ははは―――痛っ!?」
冬馬「どうした?」
翔太「いやー、最近体のあちこちが痛くてねー? どうしてだろ?」
冬馬「は? 大丈夫か? 病院行って検査受けたほうが良いんじゃねーのか?」
翔太「あはは、そんな大げさなー……」
冬馬「馬鹿お前、病気を甘く見んな! 大事な時期だしもし何かあったら……」
翔太「大丈夫! いつも寝て起きたら治ってるし」
北斗「寝て起きたら……? それって、成長痛じゃないか?」
翔太「あー、そう言えば少し背が高くなったような感じする! へー、成長痛かー」
冬馬「ああ、チク痛か」
翔太「なにそれ?」
冬馬「ああ? 成長痛って言ったら普通チク痛だろ?」
翔太「ふーん……?」
冬馬「俺も昔はよく乳首が痛くなったわ」
翔太「チク……冬馬君、なに言ってるの?」
冬馬「は? 乳首痛くなるだろ?」
翔太「そんなトコ痛くなるわけないじゃん」
冬馬「はぁ!? なるだろ!?」
翔太「ならないよ!」
冬馬「おい、北斗。なるよな? チク痛」
北斗「ならない」
冬馬「いやいやいやいや、ぜってぇなるしっ!?」
北斗「だから、ならないって」
翔太「ほらー、やっぱり冬馬君だけなんじゃない?」ジトー
冬馬「ぐっ……ははぁん、分かったぞ! さては恥ずかしがって隠してるんだろ、北斗!」
北斗「ならないって言ってるだろ! いい加減にしろっ! だいたい乳首が痛くなるってなんだよ!」
冬馬「っ……。ちっ……」
翔太「北斗君……?」
北斗「…………」
冬馬「ハッ、俺だって別にチク痛なんてどうだっていいし!」
翔太「ああ、もうっ。どーしてそうすぐピリピリするかなー?」
冬馬「北斗が嘘吐くからだろ」
北斗「俺は嘘なんて吐いてない」
翔太「ほーらー、ちゃんと仲直りしてよ」
冬馬「北斗が俺に謝ったら許してやるよ」
翔太「また冬馬君はそういう言い方するー……」
北斗「チク痛とかバカバカしい……」
冬馬「あ? お前チク痛馬鹿にすんじゃねぇよ」
翔太「もーっ! さっき冬馬君も自分で大事な時期って言ってたでしょ? 仲良くしようよ!」
冬馬「フンっ……」フイッ
北斗「…………」
<ニャーオ……
翔太「ん? 猫……? あっ、見て見て二人共! 子猫だよっ! うわあ、可愛いねー♪」
北斗「猫……?」
冬馬「ちっせぇな。寒くねぇのか、お前?」
子猫「んにゃー」
翔太「野良猫かなー? 寒いのに、かわいそうだねー……」
子猫「ニャーオ! ニャーオ!」
冬馬「なんだ? 何か訴えだしたぞ!?」
翔太「お腹が空いてるのかな?」
北斗「…………」プルプル
冬馬「北斗、どうした……?」
北斗「…………お 乳 ッ ッ !!」ガバッ
翔太「北斗君!? どうして服脱いだの!?」
北斗「お乳っ! お乳っ!!」ギュゥッ
冬馬「な、何で自分の乳首摘んでるんだよ!?」
翔太「とっ、止めないと、なんだかヤバげだよ!?」
北斗「子猫に……! お乳を……! あげなくちゃ……! はぁはぁ……お乳を!」ギュギュッ
冬馬「いや、お前は男なんだから出るわけねぇだろ!?」ガシッ
北斗「お乳を……! お乳をぉおおおおおおおおお……!」ジタバタ
冬馬「良いから落ち着けって!うわ、お前、乳首から血が!?」グググッ
翔太「あわわ、きゅ、救急車を……!」ワタワタ
北斗「お乳っ! お乳を子猫にぃいいいいいいいいい!!」バタバタ
冬馬「ぐっ!? すげぇ力だっ!」ググググッ
翔太「冬馬君ガンバって! あ、も、もしもし!? 救急車を、友達が急に、えーっと、助けてください!」
冬馬「落ち着け、翔太! 北斗もしっかりしろってば!」グググッ
北斗「お乳ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい……ウッ!?」フッ
冬馬「北斗……? 北斗ぉおおおおおおおおおお!!?」
翔太「誰かああああ! 誰か助けてくださぁあああああああああああああい……!!」
おわり。
みんな、チク痛あったよね?
乙
乳首はないわぁ
乙。
やよいとあずささんがマイクパフォーマンスでベビーフェイスを煽り倒すスピンオフください
乙
俺なったわ…
肩が痛かったと思ったがそれが肩凝りだとなかなか気付かなかったな…成長痛なんてなかったかな…
こうなんか乳首がトゥルトゥルになるやつな
いおりんのトゥルトゥル乳首カメラに収めてー
乙~
めちゃくちゃ痛かったわ
しこりができてて、針に刺されるような痛み
おつー
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