このSSは、バーローをモチーフにしたアイマス長編SSです
前作 貴音「戯れはここまでにいたしましょう。盗人殿」 の続きとなっています。
前作を読んでおくと、キャラの雰囲気や設定などわかるかも?しれません。
また前々作のキャラが一部でてきます。ただし名称が無いので、気にしなくてもイイレベルです
細かいことは気にせず、原作を思い出しながら読むといいと……勝手に思ってます。
けど、モチーフなので、改変してる部分もあります。そういうのが嫌な方はご遠慮ください。
そしてこの作中に、真美に暴言をはいてる人がいるので、真美ファンの人、申し訳ない。
真美、かわいいよ!真美!
真美に対しての暴言が嫌だ!という人は、ご遠慮ください。
またキャラがこんなんじゃねーよ!っていう部分もあります。そういうのも嫌な方はご遠慮ください。
今回はキャラがいっぱいいます。名前間違いとかあったらごめんなさい
文章が稚拙なため、わかりにくい表現やイメージしがたい場面がよくあります。ごめんなさい
なんだか、謝罪ばっかしそうです……
最後の方に安価入れる予定です。よろしければ協力お願いします
長くなりましたが、投下していきます。では失礼
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369495694
——2011/04/22 8:30 765プロ事務所内
高木「皆、楽しんできてくれ」
春香「プロデューサーさん、遊園地ですよ!遊園地!」ニコニコ
亜美「はるるん、嬉しそうだね〜」ニコニコ
真美「そういう亜美だって、顔が笑ってるYO→」
やよい「えへへー、みんなで遊園地楽しみです!」
伊織「にひひ!どんなものかお手並み拝見ね!」
真「名物のハイパードラゴンが超人気って雑誌に書いてあったよね」
雪歩「ジェットコースターですか……ちょっと怖いですぅ」
響「大丈夫だぞ、雪歩。あんなの全然怖くないさー」
あずさ「私でも楽しめるかしら〜」
律子「お化け屋敷とか、観覧車もあるみたいですよ」
貴音「遊園地内限定の横浜さんまぁめん……これは是が非でも食べなくては」ジュル
美希「ハニーと遊園地……あはっ☆」
千早「みんな楽しみだったみたいですね、プロデューサー」ニコニコ
P「そういう千早も顔が笑ってるぞ」
千早「え!?いえ、その///」
P「まぁ久々の全員揃っての仕事だし、今日は遊園地で遊び放題だもんな」
P「よし。みんな、準備できたか?そろそろ行くぞー」
「「「「「はーい(なのー)」」」」」
——Pの車内(春香・千早・美希・貴音・雪歩・響)
美希「Zzz……」
P「助手席に座った瞬間眠ったよ。この娘」
春香「美希もきっと楽しみで眠れなかったんですよ!」
千早「昨日、春香もすぐに寝付けなかったわよね」
春香「えへへ、私も楽しみで……」
響「春香、昨日千早の家に泊まったのか?」
春香「うん!自分の家からじゃ間に合わないからね!」
千早「雑誌まで買ってきてこれは絶対乗ろうね!ってプランを考えてたわ」
雪歩「やっぱりジェットコースターが一番人気なんですよね……」
春香「それが一番有名だけど、他にも色々とあるみたいだよ」
貴音「園内限定の食べ物。ぽっぷこーん。ほっとどっぐにあいすくりぃむ……楽しみです」
P「貴音」
貴音「何でしょう?」
P「貴音は皆と同じ量のみ食べるのを許す」
貴音「そんな!?あなた様の非道!!」
P「明日はライブという事も考えてくれ……」
——律子の車内(伊織・やよい・真・亜美・真美・あずさ)
あずさ「横浜も久々ね〜」
真「そういえば、前にも横浜に行きましたよね。ウエディングドレスの撮影で」
あずさ「あの時は大変だったわね〜石油王さんの花嫁さんと間違われちゃって〜」
律子「でも、その雑誌、すごい好評でしたよね。おっと」キキッ
伊織「ちょっと律子、ちゃんと運転しなさいよね!」
律子「ごめんごめん」
亜美「やや!真美刑事、とんでもない情報が来ましたぜ」
真美「どうした?真美刑事」
亜美「どうやらワンダーランドの前にあるホテルが……もうすぐ宿泊客10万人突破で、ぴったち10万人目になると……」
真美「なると〜……?」
亜美「豪華賞品がもらえるんだってさ→!」
真美「なんと!ちょうどぴったち10万人目だったら、豪華賞品プレゼントとは……中々やりおるのぅ、亜美刑事」
亜美「んっふっふ〜、もしかしたら普段から頑張ってるやよいっちに当たったりするかもよ〜」
やよい「はわわ!?そんなことないよ〜」
伊織「やよいはいつも頑張ってるもの。そのぐらい貰えて当然よ」
やよい「もう伊織ちゃんまで〜」
真「そういえば小鳥さん、今朝事務所にいなかったですね」
あずさ「小鳥さん、今日はみんなが同じ仕事だからオフにしたみたいですよ〜」
律子(そういえば今日小鳥さんオフだったなぁ。昨日やたら頑張ってたように見えたけど)
——アミューズメントパーク【ワンダーランド】の手前にあるホテル【ブルーキャッスル】入り口 午前9時20分
従業員「765プロの方々ですね。ようこそ、ワンダーランドへ」
P「今日はよろしくお願いします」
従業員「お車を駐車場にいれておきますので、キーを」
P「あ、はい。律子」
律子「はい。2台分お願いします」チャラ
従業員「ではご案内いたします。アイドルの皆様もついてきてください」
「「「「「はーい」」」」」
貴音「おや、これは……?」チラッ
亜美「お姫ちん早くー」
貴音「はい、今参ります」
——ホテル【ブルーキャッスル】内スイートルーム
従業員「どうぞ」
真美亜美やよ「「「うわー!」」」
やよい「広いお部屋ですー!」
真美「見てみて亜美!ワンダーランドが一望できるよ!」
亜美「スゲ→!」
従業員「あ、申し訳ありません。椅子に座ってお待ちください」
真美亜美「「え→」」
P「ほら、後でたくさん遊べるだろ」
真美亜美「「ふぁ〜い」」
従業員「では少々お待ちください」
ワクワクスルネ ソウネ アフゥ タノシミダゾー メリーゴーランドモアルカナァ
ア、キッサテンモアルンデスネ ヒロイカラマヨッチャウワ~ マイゴホウソウダケハヤメテクダサイネ
ラァメン… ヤッパサイショハジェットコースターッショー トーゼンッショー
伊織「…………」
やよい「どうしたの?伊織ちゃん」
伊織「あ、やよい。いえこのホテル、外装も内装も豪華だけどこの椅子……」
やよい「椅子がどうかした?」
伊織「この部屋にあってない気がするのよね……なんでかしら?」
やよい「うーん……そうかなぁ、私にはわかんないや」
律子「確かにそうね。ちょっとあってない気がするわ」
やよい「お金が足りなかったのかなーって」
伊織「こういうところに普通は気を使うものでしょ」
律子「そうね。こんな豪華なホテルなのに」
貴音(なぜなのでしょうね……)
???「お待たせして申し訳ありません」カラカラカラ
P「あ、はじめまして。私、765プロのプロデューサーです。今回のライブの件ではお世話になります」
安田「はじめまして。私は依頼人の秘書を務めています【安田】と申します」
安田「こちらの準備のため、少々時間がかかっていました。どうぞ」カラカラカラ
全員「?」
春香「これはなんですか?」
安田「これはワンダーランドのフリーパスIDです」
響「おぉ!なんかかっこいいぞ!」
真「腕時計みたいでオシャレだね!」
安田「プロデューサーさんが打ち合わせをしている間、アイドルの皆さんには園内の見学としてたっぷり遊んでいただこうと思いまして」
P「わざわざすみません。ところで依頼人の秘書ってことは、この遊園地のオーナーの秘書とは違うんですか?」
安田「えぇ、この企画自体はオーナーにも許可を得ていますが、発案自体はオーナーの友人でしてね。私はその友人の秘書なんです」
安田「このスイートルームも年間契約で借りていまして」
P「はぁ、すごいですね」
安田「では皆さん、しっかりと腕につけてくださいね。落としたりして壊したり、無くしてしまうと再発行はできませんからね」
全員「はーい」カチッ
千早「…………フゥ」カチッ
安田「さぁプロデューサーさんもどうぞ」
P「あぁいえ私は遊園地には行かないので……」
美希「えー!?」
真美「ちょっと兄ちゃん!?」
亜美「どういうこと!?」
P「いや俺はだな……」
安田「まぁまぁ固いこと言わずに、仕事が早く終われば皆さんと一緒に遊べますから」
美希「そうなの!」
春香「プロデューサーさんだけ仲間はずれになんてさせません!」
あずさ「私が迷子になったらどうするんですか〜?」
律子「プロデューサー殿も現場は見ておくべきです!見ないほうがおかしいです!」
律子(私だけじゃ心細いし……)
P「わ、わかったから……ただし仕事が終わってからだぞ」カチッ
安田「このIDは今日一日、ワンダーランドの閉園時間、夜の10時まで有効です」
安田「食事も飲み物もすべて無料なので、思う存分お楽しみください」
亜美「やった→!」
真美「遊び放題だ→!」
雪歩「ありがとうございますぅ。真ちゃん、貴音さん、行きましょう!」
真「そうだね!」
貴音「参りましょうか」
ポンッ
貴音「?」
安田「あなたはここで残っていてください」
雪歩「え?どうして……」
安田「申し訳ありません」
やよい「貴音さん、どうかしたんですかー?」
伊織「何かしたの?」
真美「お姫ちん、一緒にお化け屋敷入ろうっていったじゃん→!」
亜美「あ、もしかして10万人目のお客様に当選したとか!?」
響「えぇ!?すごいぞ、貴音!」
安田「……まぁそのようなものです」
貴音「…………」
律子「よかったじゃない、貴音」
美希「ラッキーなの☆」
春香「じゃ私たちで先に行って並んでおこうよ!ハイパードラゴンは二時間待ちが普通みたいだし!」
真「そのほうが効率良さそうだね。行こっ、雪歩」
雪歩「え、あぁ、待ってよぅ。じゃ貴音さん、また後で」
千早「萩原さん、行きましょう」
やよい「10万人目って何もらえるだろー?」
真美「もやしではないよね→」
やよい「もぉー真美。怒るよー」
真美「ジョーダンだよ→」アハハ
P「いやーラッキーだったな、貴音。10万人目ってなったら中々いいサービスとか受けられそうだな……?」
貴音「…………」
バタン カチ
P「?どうして鍵を……」
安田「邪魔をされたくないので……」
貴音「10万人目のお客は私ではございません。くす玉の紙吹雪が入り口付近に落ちていましたので」
P「え。そうなのか?」
安田「えぇ、10万人目のお客様は一時間ほど前に来られたお客様です」
P「じゃあなんで貴音をここに……」
安田「依頼人がそのようにと……」 ピッ
シャアア! シャアア!(カーテンの閉まる音)
貴音「!」
貴音(いったいなにを……)
P「ちょ、ちょっとどういうことですか!?いったいこれは……!?」
プツンッ
依頼人『来ていただいてありがとう。私が依頼人です』
依頼人『事情があって、顔を公にできない無礼をお許し願いたい』
依頼人『今日こちらにお呼びしたのは、ある事件を解決していただきたいからなのです』
P「事件を解決?じゃ打ち合わせなどは……」
安田「それは園内にいる担当スタッフがすべて把握しています。おそらく秋月プロデューサーだけでじゅうぶんでしょう。あとで連絡をお願いします」
P「じゃあその事件というのはライブに関わることなんですか?」
依頼人『いいえ。今回の企画には関係ありません』
P「ちょ、ちょっと待って下さい」
P「そういうのは警察や探偵の仕事であって、私たちのような裏方や、ましてアイドルに頼むようなことじゃない気がしますが……」
依頼人『えぇ、通常ならそうでしょう。ですが私はそういう組織を信頼していなくてですね……』
依頼人『それに知っていますよ。2月に起きたゲーム発表会での事件、先月のマーズ撃退、そして飛行機内での殺人事件を解決したことを』
依頼人『すばらしい活躍です』
貴音(げぇむ発表会の事件は、警察が事件を解決したということになったはず……プロデューサーが解決したのを知っているということは、こちらの情報は筒抜けということですか……)
P「……そうですか」
P(この調子だとおそらく何を言っても無駄か……)
P(ドッキリかなんかだろうか。しかしドッキリにしては情報が正確すぎる……)
P(とりあえず話を進めてみるか)
P「では、その事件というのは?」
依頼人『その事件もあなた達が見つけるのです』
P「え?」
依頼人『これからいくつかヒントを出します』
依頼人『それを元に推理し、事件を解決してください』
P「……これはいわゆるライブ前の余興みたいなもの。ということなんでしょうか?」
依頼人『いいえ。真剣な依頼です』
依頼人『そうですね。これを見てもらえれば理解できると思います』ピッ
ゲスP『おい、なんでこんなところに閉じ込めるんだ!?』
P「あいつは……」
貴音「ご存知なのですか?」
P「あぁ、他の収録現場で何回か話したことがある。一応アイドルのプロデューサーだ」
P「金の為ならなんでもするというのが信条らしい」
ゲスP『報告書はもう渡したはずだ!早くここから出せ!』
依頼人『ゲスプロデューサーくん。君は事件を解決できなかった』
ゲスP『なんだと!?』
依頼人『無能なプロデューサーに渡す仕事も金もない。つまり居る必要もない』カチッ
貴音「あれは……私たちと同じ「あいでぃー」ですね……」
P「あぁ……」
ピッ
ゲスP『おい、なんだ!?時計がカウントダウンを始めたぞ!?』ピッ ピッ
依頼人『大丈夫、痛くはない。一瞬で終わる』
ゲスP『くそっ、はずれねぇ!ま、まさかこいつは!!?』ピッ ピッ
依頼人『さようなら。無能くん』
ゲスP『お、おい待て。くそっ!はずれねぇぞ!』ピッ ピッ
P「おい……」
貴音「もしや、あれには……」
ゲスP『うぅ、うっ!くううう!!!』ピッ ピッ ピッ
ピッ ピッ ピッ
バァーン! ザァァァァァァ…………
P貴音「「!!」」
ピッ
依頼人『コンポジション4。つまりプラスチック爆弾が組み込まれていたのです』
依頼人『彼が腕につけていたワンダーランドのIDにね……』
P「……ふざけてるんですか?」
依頼人『いいえ。言ったでしょう?「真剣」な依頼だと』
依頼人『あなた達に与えられた時間は今夜10時まで。それまでにある事件の真相を掴んでください』
依頼人『もし時間までに解決できなければ……』
依頼人『あなた達のIDも爆発して、彼のあとを追うことになるでしょう』
貴音「!!」
P「なに!?」
P「くそっ、なんとかして取らないと!」ガシッ ギギギ…
依頼人『止めたほうがいい。ちょっとやそっとのことではそのIDは外れないし、仮にこちらが解除しないで、無理やり外すとすぐさま爆発しますよ』
P「くそ……」
貴音「はっ、響……!」
P「そうだ!皆がつけたIDには!?」
依頼人『アイドルの皆さんがつけたIDもあなた達のとほぼ同じです』
P「なんだって!?」
貴音(ほぼ?)
依頼人『彼女らのIDには一つ機能が追加されていましてね』
依頼人『これはワンダーランドの見取り図です。実はワンダーランドを縁取るようにいくつかセンサーがありましてね』
依頼人『彼女らのIDがワンダーランドに入ると、センサーが感知して起爆装置がオンとなり、ワンダーランドを出ようと再びセンサーを通ると同時に……爆発する』
依頼人『彼女らをいちいち追跡するのも面倒なのでこうさせてもらった』
貴音「!!」タッ タタタッ!! バシッ
——ベランダ
貴音(皆は……!)キョロキョロ
貴音(! まだ入ってない!)
貴音(ともかく連絡を!)ケータイトリダシ
貴音(千早が一番新しい履歴……) prrrrr prrrrr
貴音(どうか気づいてください……) prrrrr prrrrr
ガチャ
貴音(!)
——ワンダーランド 入場ゲート付近
千早「はい、如月です」
貴音『もし!千早ですか!?』
千早「四条さん?どうかしました?」
貴音『千早!遊園—に——てはな——せん!』
千早「えっと?ごめんなさい、四条さん。よく聞こえないわ」テクテク ピッ
千早「あ、ここなら電波がいいわ」
貴音『遊園地に入ってはなりません!』
千早「え?でも……」
千早「もう、入っちゃったわよ」
貴音『!』
——ワンダーランド 入場確認中
ピッ
従業員「あ、V.I.P.なのですね」
春香「え?」
従業員「そのIDは特別な方にしかお出ししていませんから」
春香「そうなんですか」
従業員「ゆっくり楽しんでください」
春香「はい!ありがとうございます!」
——ホテル【ブルーキャッスル】内スイートルーム
千早『もしかして何かトラブルが?』
貴音「……また連絡いたします」ピッ
貴音「…………」テクテク
P「みんなは……」
貴音「…………」フリフリ
P「くっ……」
依頼人『今夜10時までに事件を解決し、真相を暴いてくれれば、総力を上げて彼女たちのライブに協力いたしましょう』
依頼人『しかし時間内に解決できなければ、そのIDを爆発させます』
P「安田さん。あの男のところに連れて行ってもらえませんか。今すぐに!」
安田「無理です。私も居場所は知らないのですよ」
P「なんだって!?」
依頼人『プロデューサーくん。あなたちの動きはすべてモニターによって監視されています』
依頼人『そのIDにGPSが搭載されていますから、警察に駆け込んだって無駄ですよ』
P「IDを爆破するってことですか……!」
依頼人『長話は時間の無駄です。第一のヒントだ』
依頼人『一度しか言わないからよく聞いてくれ』
貴音「…………」スッ
依頼人『【TAKA 3−8】だ』
貴音「…………」ササッ
P「どういう意味だ!もう一度言ってくれ!」
依頼人『一度しか言わないと伝えたはずだ』
ポーン ポーン ポーン
依頼人『タイムリミットは12時間後の夜10時』
依頼人『さぁ謎を解決してもらおうか。私のため。そしてアイドルたちのために』プツン
安田「プロデューサーさん。どうぞ、これを」スッ
P「これは?」
安田「依頼人とのホットラインです。と言っても、あなた達から依頼人に電話することはできません。依頼人からの指示を受けるだけです」
安田「事件を解決できたなら、この電話に登録されている私の番号に電話をしてから、こちらにお戻りください。じっくりその真相をお聞きしましょう」
P「くぅ……ふん!」バシッ
貴音「急ぎましょう!あなた様!」
——横浜市街 Pの車内(一時停止中)
Pside
prrrrr prrrrr
律子『はい。どうしました?プロデューサー殿』
P「あぁ、律子。実は大変なことになってな。落ち着いて聞いてくれ。あ、あと皆に聞こえないように頼む」
律子『?』
——P説明中
律子『えぇぇぇ!!??』
P「だから園内からは絶対に出ないでくれ。特にあずささんからは目を離さないように!」
律子『迷子になって、園外に出る恐れもありますからね……わかりました』
P「それと「ハイパードラゴン」にも乗せちゃダメだ。あれは一部が園外に出るから装置が起動してしまう」
P「あとこの事は千早にも伝えてある。だから二人で協力してみんなを守ってくれないか」
律子『……皆に余計な心配をさせたくないってことですか?』
P「ライブ前、というのもあるが、俺がみんなを不安にさせちゃダメだろ?プロデューサーとして」
P「千早には貴音がさっき連絡をしてしまったから、事情を説明するしかないが……」
律子『はぁ……わかりました。こっちのことは任せて、プロデューサー殿はちゃんと仕事を終わらせて帰ってきてくださいね!』
P「あぁ、約束するよ。じゃステージとかも含めてよろしく頼む」ピッ
貴音side
prrrrr prrrrr
千早『はい、如月です』
貴音「千早、私です。四条貴音です」
千早『あ、四条さん。さっき慌ててたみたいだったけど、何かあったんですか?』
貴音「千早。今、皆は近くにいますか?」
千早『えぇ、近くにいるわよ』
貴音「では、皆に聞こえぬように少し離れてもらえませんか?」
貴音「大変なことが起きたのです」
千早『……?』
——貴音説明中
千早『そんな……!?』
貴音「事実です。どっきりでもない本当のことなのです」
千早『じゃあ四条さんとプロデューサーが、その事件を解決しないとみんなが……』
貴音「……えぇ。ですがそれは絶対に起きてはならぬことです」
貴音「なので千早。あなたには皆を園内から出さないように見張っていてほしいのです」
千早『でも、私一人じゃ……』
貴音「律子嬢にも頼んであります」
千早『律子にも話したのね』
貴音「えぇ、打ち合わせの件もあったみたいで」
貴音「律子嬢ならばうまく配慮してくれるでしょう」
千早『それもそうね』
貴音「あとですね……「はいぱぁどらごん」に乗ってはなりません」
貴音「あれは一部が海上に出るため、「あいでぃー」が爆発してしまいます」
千早『わかったわ』
貴音「皆には悟られぬようお願いいたします。いたずらに不安を煽ってしまうと、明日に影響がでるかもしれません」
千早『えぇ……そのほうがいいわね』 チハヤチャーン>
千早『……そろそろみんなのところに戻らなきゃ』
貴音「では千早。皆のことを頼みます」
千早『四条さんも頑張って』ピッ
貴音「はい」ピッ
貴音(必ず皆を助けてみせます)
——横浜市街 P車内
P「さて、ヒントの解読だが……【TAKA 3−8】だったか?」
貴音「えぇ、この3−8……番地としても読めますね」
P「じゃTAKAは町名か?」
貴音「はい。それに3−8は−5。繋げれば3−8−5となります」
P「なるほど」
貴音「あなた様。地図はありますか?」
P「あぁ、そこに入ってる。あずささんが迷ったときに使うから」
貴音「横浜は……」ペラ ペラ
貴音「ありました。高島町ですね」
P「高島町3丁目ってことか」
——高島町
P「さて高島町についたが……3丁目はどこだ?」
P「一度カーナビで調べるか……」ピッ ピッ
カーナビ『住所が存在しません』
P「え?」
貴音「どういうことでしょうか……?」
貴音「考え方は間違ってないと思うのですが……」
P「いや待て。確かここらへんは再開発が進んでいたはずだ」
P「だからこの辺の人なら、わかるかもしれない」
——歩道
警官「高島町3丁目?」
P「はい。この辺りは再開発が進んでるんで、町名が変わってたりとか……」
警官「あぁ、みなとみらいになったからねぇ。この辺。地図はあるかい?」
貴音「はい」スッ
警官「だいたいこの辺だよ。印つけとくから」
P貴音「「ありがとうございます」」
——旧高島町3−8−5付近 午前11時25分
P「ここか」キィッ
貴音「古い「ほてる」ですね」
P「とりあえず入ってみるか」
——ホテル内
P「暗いな……何か出そうな雰囲気だ」
貴音「あなた様。そのような話はやめてください」
P「前回は平気だったじゃないか」
貴音「「切り裂きじゃっく」は元々実在人物であって、こういう類のものはですね……」
キィッ……
貴音「ひゃっ!?」
P「ん?」
浮浪者「ここに住むのは無理だぜ。来週には取り壊されるからな」テクテク
P「え?」
浮浪者「あんたも大変だな。そんなべっぴんさん連れてるのに」
貴音「生きてる人間ではないですか!」ヒソヒソ
P「ビビりすぎだよ」ヒソヒソ
浮浪者「ん?どうかしたか?」
P「あぁいえなにも!ところで何かここらで変わったことありませんでしたか?」
貴音「なんでもいいんですが」
浮浪者「んー……そうだなぁ」
浮浪者「あ、そういや真っ黒なデッケー鳥が飛んでたことがあったかな」
P「デカイ鳥?」
貴音「鳥……」
浮浪者「太陽の前をビューっとな」
貴音「それはいつのことでしたか?」
浮浪者「俺の誕生日の8月4日さ。その日は朝から変な車は停まってるわ。不動産屋が来て、そこの地下室を閉めちゃうわで」
貴音「変な車とは?」
浮浪者「ここにはめったに車は入ってこないからな」
浮浪者「朝、出かけるときそこにまだ真新しい車があったんだけどよ」
浮浪者「夕方戻ってみるとボロイ中古車に変わってたんだ」
浮浪者「その車も夜にはパーツ取られて骨組みになっちまったけどな」
貴音「地下室を閉めたとは?」
浮浪者「地下室は機関室だからな。機械売って金にしようってことだったんだろ」テクテク
貴音「それは何時頃でしょう」
浮浪者「夕方だ」テクテク
P「…………ふむ」
貴音「とりあえずこの辺りを探ってみましょう」
——探索中 P:客室周辺
P(この辺りに変わったものは無いな……)
P(さっきの浮浪者が住んでたとこ見るのもちょっとなぁ……)
——探索中 貴音:地下室付近
貴音(やはり怪しいのはこの地下室……)
貴音(ですが鍵を何とかせねばなりません)
貴音(何か……)キョロキョロ
貴音(!)
貴音(通風口、ですか……)
貴音(頑張れば通れるかもしれません)
貴音(まず台座になるものを……)
——探索中 P:客室周辺
ガシャン!!
P「!?」
P「今、地下室のほうから音が……」
P「行ってみよう!」
——探索中 貴音:地下室付近
貴音「とぅっ!」
貴音(少し苦しいですが……はっ!)ストン
貴音「ふぅ。なんとか抜け出せました」
貴音「では鍵を開けて……」
タカネー! ダイジョウブカー!?
貴音「あなた様。私は平気です」ガチャ
P「そこにいたのか。よく通ったな……」
貴音「ふふっ。では中を調べてみましょう」
——探索中 地下室内
P「ロッカーや戸棚……荷物置場みたいなとこだな」
貴音「…………」ガチャ ガチャ ガチャ ガラッ
貴音「!」
貴音「あなた様!これを!」ガサッ
P「ん?これは……!」
P「目出し帽に手袋。それにガバメントじゃないか!」
P「あとこれは、領収書……日付は8月4日」
貴音「そういえば先程話しておられた車が入れ替わった日付も8月4日……」
P「あぁ、そうだな……ってことは!」
P「そうか、ここで逃走車を乗り換えたんだ。この目出し帽とガバメントで何かを起こしたやつが!」
貴音「そのようですね」
——ホテル入り口付近
P「となると、次は8月4日に何があったのかを調べる必要があるな……」
貴音「む……」
貴音「あなた様。外に誰かいるようです」
P「外に?どれどれ」チラッ
男たち「「…………」」ヒソヒソ ヒソヒソ
P「こんなところに、あんな大勢でなんの用だ?」
男たち「「…………」」カチャ カチャ
貴音「あれは……」
P「拳銃……!?」
貴音「一般の方々ではなさそうですね」
P「もしかしてこのバッグを取り返しに来たのか?」
貴音「その可能性はありますね」
P「くそっ、なんとか車までいければ逃げられそうだが……」
貴音「……私が囮になりましょう」
P「待て、貴音はアイドルだ。怪我でもしたら今後に影響が……」
貴音「今を生き延びねば、明日など来ません」
貴音「それに奴らも、女性にいきなり発砲はしないでしょう」
P「しかしだな……」
貴音「時間もありません。行きます!」バッ! タタタ!!
P「あ、おい!……あぁもう!」
男たち「「!」」
男A「誰か出てきたぞ!」
男B「待ちなさい!」タタタッ
貴音(全員こっちに来てますね)
男C「こら、待て!……ん?」 ブロロロ…
男D「うわ!車が!止まりなさい!!」
P(免停になりませんように!)キキー!
P「貴音!乗れ!」
P「って。うわ、わわわわ!」ドサッ (急いでたのでシートベルトしてないから転落)
P「やっぱ映画みたいに出来ないか……」
男A「逮捕する!」
P「逮捕!?」
貴音「警察!?」
ブワァ……
貴音「……おや?突然影が……?」
浮浪者「あん時と同じデッケー鳥だ……」
P「え?」
貴音「あ奴は!」
貴音「黒き翼で、宝物をさらう……そう、怪盗「まぁず」!」
P警察「「「マーズ!!」」」
マーズ『…………』ピュー
警察A「警部!マーズを視認しました!現在、三笠ビル屋上、悪魔像の上です!」
マーズ『…………』ニヤリ
——三笠ビル 社長室
笹岡警部「よしわかった」ピッ
警部「三笠社長。マーズが現れました」
三笠「わかりました。では展示室に行ってみましょう」
三笠「まぁ、今回の防犯システムはさすがのマーズでも破れはしないでしょう」
——三笠ビル 展示室
テクテク テクテク
警部「マーズ!」
マーズ『…………』スー (外を飛んでるだけ)
警部「くっそぉ……笹岡だ、マーズは三笠ビルからランドマークタワー方面に逃走」
警部「繰り返す、マーズはランドマークタワー方面に逃走だ。至急手配しろ!」ピッ
三笠「どうやら警察の張り込みも無駄だったようですね」
三笠「防犯システムさまさまだ」
警部「……ちっ」ピピピ
警部「ん?どうした?」
警察A『笹岡警部!マーズの仲間らしき男と女確保。署に連行中です』
警部「よしわかった。俺もすぐ戻る!」
——パトカー内
P「だから!俺たちはマーズの仲間なんかじゃありません!」
P「彼女を見たことあるでしょう!?アイドルの四条貴音ですよ!?」
貴音(マズイですね……このままだと)
——回想
依頼人『プロデューサーくん。あなたちの動きはすべてモニターによって監視されています』
依頼人『そのIDにGPSが搭載されていますから、警察に駆け込んだって無駄ですよ』
——パトカー内
貴音(どうすれば……)
——依頼人の部屋
ナビ『IDNO.2。IDNO.3。神奈川県警察本部に接近中です』
依頼人「ふ……」
——ワンダーランド内 ハイパードラゴン待機列
ワァァァァァァ!!!! キャァァァァァ!!! ウォォォォォ!!!!
春香「ジェットコースターですよ!ジェットコースター!」
響「あの叫び声聞くとワクワクするぞー!」
亜美「でもでも→亜美、並ぶの飽きてきちゃった→」
真美「だよね→退屈だよ→」
律子「あんたたちが最初はやっぱりみんなで乗りたい!って言ったんじゃない」
あずさ「ま〜ま〜、律子さん。舞台確認も打ち合わせも終わったことですし、ゆっくり楽しみましょう?」
伊織「それにしたって、いつまで待たせる気なのよ!」
やよい「えーっと、1メートレゥに3人いるとして」
やよい「この列はだいたい150メートレゥで、450人として」
やよい「ジェットコースターに乗れるのは22人だから、450を割っておよそ20回」
やよい「一回の乗り降りには入れ替えの時間も含めて、10分としてー」
やよい「だいたい200分。3時間半くらいかなーって」
千早「高槻さんはかしこいわね」
やよい「えへへー///」
雪歩「3時間半ですかぁ。だいぶ待ちますね……」
真「まぁ一番人気だから仕方ないね」
美希「なんで、ファストパス制度にしなかったんだろうね……あふぅ」
——神奈川県警察本部 午後12時17分
貴音(少しお腹がすいてきました……)
貴音(「ぷろでゅーさー」はかつ丼を頂いているのでしょうか……)グゥ
???「ウィ、ここか?あの雑魚プロデューサーがいるのは?」
貴音「!?」
貴音「なぜあなたがここに!」
貴音「黒井社長!」
黒井「おっと、警戒するなよ。貴音ちゃん」
黒井「私は奴から電話をもらってな。高木に知られると色々困るからと泣きつかれた」
黒井「まぁ一応奴には助けられたという借りもあるからな」
黒井「トランセル事件の際、奴に協力した警察官を呼んできた」
警察官1「どうも。あの時はプロデューサーさんにお世話になりました……」
黒井「これなら、奴が白だと証拠になるだろう。ハーハッハッハ」
貴音「……一応、礼は言っておきます。黒井社長」
黒井「ふん!私は借りを返しただけだ!それに奴がこんなくだらんことで、いなくなったら我が961プロにとってもつまらんからな」
黒井「では私は失礼する」スタスタ
大森警部「マーズの共犯者を逮捕したんだって?」
貴音「おや、あなたは……」
大森「ん、あんたはアイドルの……」
貴音「四条貴音です」
大森「あぁ、先月の劇場でマーズを追い詰めたあんたか……」
大森「そんなあんたがなんでここにいる?」
貴音「実は私のぷろでゅーさーが誤認逮捕されてしまい……」
大森「誤認逮捕?じゃマーズの共犯者ってのは……」
——取調室前
P『だから私はただのプロデューサーです!ちょっと用事があって、あそこにいただけですよ!!』
警察A『その用事がマーズに頼まれたってんなら、共犯者ってことになるんだよ!』
警察官1「大森警部殿。なんであのビルに神奈川県警が貼りこんでいたんですか?」
大森「ん。予告状が届いたんだよ。マーズから」
大森「あのビルは三笠商事の本社でな。社長の三笠が趣味で集めた宝石を最上階の展示室に飾ってんだよ」
大森「前回と違って、今回は何も盗られなかったみたいだ」
警察官1「前にもあったんですか?」
大森「あぁ。去年の8月4日にでっけぇダイヤを盗まれたんだよ」
大森「それで、館内の防犯システムをグレードアップしたから、この結果に三笠社長はホクホクだろうよ」
貴音(8月4日……)
警察官1「しかし、ここは1課のようですが……窃盗の類は2課のはずでは?」
大森「あぁ、最近になってまたマーズが出始めただろ?そしたら、マーズの命を狙う妙な輩がでてきてな。その巻き添えで怪我人が出てきてるから1課も協力してるんだそうだ」
警察官1「マーズが命を……」
貴音(やつを狙う理由……)
prrrrr prrrrr
貴音「!?」
大森・警察官1「「ん?」」
貴音「……失礼。電話です。席を外します」テクテク
——廊下
prrrrr prrrrr
貴音「はい。もしもし」ピッ テクテク テクテク
依頼人『やぁ、四条さん。成果はどうかな?』
貴音「順調です」
——個室トイレ内
依頼人『順調?』
依頼人『解決できずに警察に駆け込んだのではないのかい?』
貴音「いえ、これはホテルで張り込み中にぷろでゅーさーが誤認逮捕されてしまい……」
依頼人『ふっ、正直だな。君は』
貴音(!)
貴音(もしや知っていたのでしょうか。あそこに警察がいることを)
依頼人『まぁいい。で、ホテルに何があった?』
貴音「犯罪に使われたと考えられる目出し帽と拳銃がありました」
依頼人『いいぞ。四条さん。では第二のヒントだ』
依頼人『【夜のカフェテラス】に行ってくれ』
貴音(夜のかふぇてらす?)
依頼人『それがどこかわかるだろう?』
貴音「事件は私が必ず解決いたします!ですから皆の「あいでぃー」を外してください!」
依頼人『…………』
貴音「聞こえていますか?「あいでぃー」を……」
依頼人『大切な人を……』
貴音「え?」
依頼人『大切な人をなくすことがどんなにつらいか……』
依頼人『そうならないように頑張ってくれ。四条さん』ピッ
貴音「切れましたか……」
貴音(早く次のところへ向かわねば……)
——ワンダーランド ハイパードラゴン待機列
真美「はぁ……全然進まないYO→!」
真「ちょっとお腹もすいてきちゃったね……」
春香「そういえばお昼食べてないねー」
律子「じゃ私が並んでるから、みんなお昼食べてきていいわよ」
やよい「でも律子さんもお腹すいてるんじゃないですかー?」
律子「私は平気よ」
雪歩「そしたら私も残りますぅ」
真「雪歩だけじゃちょっと不安かな。ボクも残るよ!」
響「そしたら自分も残るぞー!」
律子「はいはい。そんなこと言ってたらキリがないでしょ」
律子「並ぶくらいなら私一人でもじゅうぶんだから。皆でいってらっしゃい」
あずさ「じゃお言葉に甘えちゃおうかしら〜」
伊織「じゃなんか買ってきてあげるわ。何がいい?」
律子「なんでもいいわよ。あ、冷たい飲み物のほうがいいわね」
亜美「了解であります!じゃ行ってくるであります!」タタタッ
真美「あ、待ってよ!亜美→」
春香「じゃすみません。律子さん、行ってきますね」
律子「はーい。あ、千早」
千早「?」
律子「目の届く範囲でいいから、皆の監視とあずささん。頼むわね」ボソボソ
千早「えぇ、わかってるわ」ボソボソ
ナニタベル? ポップコーンハ、ハズセナイッショー ホントニタダデイイノカナ? イイノヨ。V.I.P.ダモノ
律子(さて、皆いったわね……)
律子「あ、おさきにどうぞ」スタスタ
客「あ。ありがとうございます」
律子(さて……これでどれくらい持つかしら)
——横浜港大さん橋 午後1時28分
貴音(さて、早く【夜のかふぇてらす】に向かわねば……)
貴音(ですがたくしぃ乗り場はどこに……?)
???(ん?あれは……)
???「やぁどうしたんだい。エンジェルちゃん?」
貴音「あなたは……伊集院北斗」
北斗「チャオ☆」
貴音「なぜここに?」
北斗「今日はオフでね。暇つぶしさ☆」
貴音「そうですか。では私は急いでいますので、これで……」
北斗「……事情は社長から聞いてるよ」
貴音「……そうですか。ならば尚の事、私は急がねばなりません」
北斗「そっか。でもエンジェルちゃんには先々月の借りもあるからね☆」
北斗「だから俺が、他のエンジェルちゃんたちを見守ることもできる」
北斗「翔太も呼んで協力することも可能さ☆」
貴音(確かに……あの大人数で、千早と律子嬢だけに任せるのはいささか不安……)
貴音(ですが……)
貴音「その言葉……信じてよろしいのですか?」キッ
北斗「あぁ、君のプロデューサーの命も懸かってるしね☆」
北斗「こんなことでエンジェルちゃんたちを失いたくない」キリッ
貴音「…………」
貴音「……わかりました。よろしくお願いいたします」ペコリ
北斗「オッケー、じゃタクシーで向かうとしよう☆」
北斗「ところで【夜のカフェテラス】は解読できてるのかい?」テクテク
貴音「えぇ。【夜のかふぇてらす】とは、「ふぃんせんと・ふぁん・ごっほ」が1888年に描いた、淡い「がす灯」に照らされた「かふぇてらす」の奥から「馬車」が向かってきている風景画なのです」テクテク
北斗「へぇ☆」
貴音「「がす灯」と「馬車」とくれば、場所は日本で最初に「がす灯」がつけられた……」
貴音「「馬車道」で間違いないでしょう」
北斗「ヒュー☆」
——ワンダーランド ハイパードラゴン待機列付近
千早「…………」
千早(なんとか前に進まないようにしてるけど、このままじゃ時間の問題ね……)
春香「ち・は・や・ちゃーん!」
美希「千早さーん」
千早「あ、春香に美希」
春香「クッキー売ってたから買ってきたよ。さ、列にもどろ!」
千早「えぇ、戻りましょう」
美希「春香はクッキーとかお菓子ばっかり買ってたの」
春香「あはは……ちょっと味が気になっちゃって……」
千早「美希は何も買ってないの?」
美希「ここ、おにぎり売ってなかったの……(´・ω・)」
千早「遊園地におにぎりってのも、なんか変ね……」
美希「だから春香が買ってきたお菓子で我慢するの」
春香「これは皆の分もあるからね!?」
——ワンダーランド ハイパードラゴン待機列
春香「戻りましたー」
律子「お帰り」
美希「やっぱり全然進んでないの」
春香「読みが外れちゃったね」
亜美「じゃ次!交代ね→」
亜美「竜宮小町の4人で行こ→!」
???「あ、やっと見つけた」
???「みんなー!」
響「ん?なんか聞いたことある声がするぞ……」
真「この声って……」
全員「「「小鳥!?」小鳥さん!?」」(ピヨ子!?)((ピヨちゃん!?))
小鳥「ふふ、みんな驚いてるわね。頑張って昨日までに仕事終わらせた甲斐があったピヨ!」
やよい「小鳥さん。今日オフじゃなかったんですか?」
小鳥「えぇ。今日はお休みよ」
伊織「じゃなんでこんなとこにいるのよ?」
真美「まさか彼氏とのデ→ト!?」
あずさ「あらあら〜、小鳥さん。どういうことですか~?」
小鳥「ち、違いますよ!あずささん!」
小鳥「実は社長のコネで、ここのV.I.P.IDをもらって遊びにきたのよ」
小鳥「プロデューサーさんと律子さんだけでみんなを見守るのも大変だと思って……」
春香「本音は?」
小鳥「あそこのホテルで10万人目のパーティーがあって、その前にケーキバイキングやってるけど、一人じゃ入りづらかったから、皆のうち誰かを連れてこうと思ったわ」キリッ
雪歩「本音が駄々漏れですぅ」
小鳥「はっ!?」
律子「そういうことですか」
小鳥「あと実はID落としちゃって……」
律子「何やってるんですか……」ハァ
小鳥「ま、まぁそのIDあれば出入り自由ですし!」
小鳥「ここで並んでてもつまらないでしょ?誰か一緒にいかない?」
千早律子((……!))
春香「はーい!私行きます!」
あずさ「私も行こうかしら〜」
美希「いちごババロアある!?あるなら行くの!」
亜美「真美、どうする?」
真美「ん→、それならここで交代しながら待ってるほうがいいかな」
亜美「だよねー。ここ、全部無料だし!」
やよい「私もここに残ります。長介たちに悪いし……」
伊織「さっきお昼食べたから、それでじゅうぶんよ」
響「自分は……ちょっと行ってみたいぞー」
真「僕はいいかな。ちょっと身体動かしたいけど」
雪歩「お昼食べましたし、明日のこともあるので止めておきますぅ」
千早「私も遠慮しておきます」
律子「私も。もしかしたらプロデューサー殿が戻ってくるかもしれないし」
小鳥「じゃ行くのは春香ちゃん、あずささん、美希ちゃん、響ちゃんの4人ね」
小鳥「それじゃ行きましょー!」
千早(…………)
——馬車道
貴音(さて……ここにいったい何があるんでしょう……)キョロ キョロ
貴音(……!)
貴音(誰かの気配……!)
???「あの……」
貴音「!」サッ
貴音「おや……?あなたは……」
貴音「秋月涼ではありませんか」
涼「こんにちは、貴音さん。先月はどうも」ペコ
貴音「いえ、こちらこそ助かりました。ところでなぜここに?」
涼「実はですね……」
涼「!」
涼「貴音さん、その時計!」
貴音「時計?いえこれは……」
涼「…………」スッ
貴音「!」
涼「僕も同じのを持ってるんです」
貴音「ではあなたも」
涼「はい。愛ちゃんと絵理ちゃんを人質に取られてしまいました」
涼「まぁお二人は何も知らず、遊んでますけど」ハハ
——ワンダーランド内
『お掛けになった番号は電波が届かないとこにあるか、電源が切らr』
愛「もー!涼さん遅いです!!」
愛「せっかく久々に三人で遊べるのに、いないってどういうことですかー!!」
絵理「愛ちゃん、静かに。正体バレちゃう?」
愛「でも、おかしいですよ!涼さんだけに別の仕事入るなんて!」
絵理「確かに。けど仕方ない?」
愛「はー……せっかくの遊園地なのにもったいないです!」
美希「小鳥ー、まだなのー?」
春香「あれ?そこにいるのは……」
あずさ「愛ちゃんと絵理ちゃん?」
響「久しぶりだぞー!どうしたんだー?」
小鳥「こんにちは」
愛「あ、765プロの皆さん!こんにちは!!」
絵理「こんにちは」
愛「今日はオフで、涼さんと絵理ちゃんとで遊びに来たんですよ!」
絵理「でも涼さん仕事入って、いないんです」
小鳥「そうなの……あ、これからケーキバイキングに行くんだけど、お二人もどう?」
愛「え!?ケーキですか!?行きたいです!!」
絵理「私も行きたい?」
小鳥「じゃ行きましょう。大勢のほうが楽しいわ」
愛「ありがとうございます!」
絵理「ありがとうございます」
千早(…………)(皆にはトイレとごまかし、物陰からひっそりと尾行中)
律子(…………)(千早と同じく尾行中)
——馬車道 午後2時25分
涼「そうですか、765プロの皆さんが人質に……」
貴音「えぇ。ぷろでゅーさー殿と私は事件の調査しておりますが、他の皆はあの遊園地に」
貴音「それに依頼人は私たちのことをかなり知ってる模様」
貴音「おそらく涼殿が呼ばれたのは、先月「まぁず」を捕まえる際、私に協力したことが知られてるのでしょう」
貴音「申し訳ございません」ペコリ
涼「あ、頭を上げてください、貴音さん!あれは律子姉ちゃんに頼まれたからだし、僕も嫌じゃなかったというか、ええとですね……」
ブロロロロロ
貴音「?」
涼「?」
ブロロロロ…………
涼「あれは現金輸送車ですね」
貴音「!」
貴音「涼殿、あれを追いましょう!」タッ タタタ
涼「え!?た、貴音さん!?」シュタ タタタ
涼「いったいどうしたんですか!?」タタタ
貴音「目出し帽、拳銃に逃走用車両。と来れば……」タタタ
涼「……!現金輸送車襲撃ってことですか!?」タタタ
貴音「えぇ、間違いないでしょう」タタタ
ピー ピー バックシマス
涼「つまり依頼人が出した馬車道のヒントっていうのが」
貴音「これなのでしょう」
貴音「となれば……あの方なら見ていそうですね」
貴音「失礼、ご婦人。少しお尋ねしたいことがあるのですが」
占い師「どうしたんだい?お嬢ちゃん」
貴音「あの現金輸送車、以前襲撃されたなどの覚えはございませんか?」
占い師「えぇ、覚えてるわよ。確か去年の8月4日じゃなかったかしら」
涼「ここでお店を営業してるんでしたら、警察にも聞かれましたよね?」
涼「僕達にも詳しく教えてもらえませんか?」
占い師「え。えぇ、いいわよ」
占い師「ちょうど今頃の時間だったと思うわ」
——回想
犯人「動くなよ。じっとしてろ」
警備員「ちぃっ!」バッ
犯人「あん?」バン!!
占い師「あぁ!!」
キー ブロロロ……
占い師「…………」
——現在
占い師「ほんの一瞬に感じたわ。夢か現実かわからないくらい……」
涼「手際が良かったってことですか」
貴音「ありがとうございます。参考になりました。では失礼」
占い師「あ、ちょっと待って!」
貴音涼「「?」」
占い師「うーん……むむむ……」ジー
占い師「お嬢さんたち。今日はあなた達の人生の中で最悪の運勢だわ」
貴音涼「「え?」」
占い師「家に帰って寝てるのが一番いいよ!」
貴音「……そうですか」フフッ
貴音「では人生で最良の日に変えてから、眠るといたしましょう」
涼「どうもありがとうございました」ペコリ
貴音「おや、あの車。こっちに来るようですね」
涼「え?」
キキッ
P「おー、やっと見つけたよ」
貴音「あなた様。ご無事だったのですね」
P「やっと納得してくれたよ。黒井社長に礼言っとかないとな」
P「って、なんで涼くんがここに?」
涼「僕もあなた達と同じ理由です」スッ
P「!」
P「そうか……あ、貴音。依頼人からの携帯電話を返してくれ」
貴音「そういえばお借りしたままでしたね」
P「サンキュ」
警察官1「……で、プロデューサー殿。そろそろ理由を聞かせてくれませんか?」
警察官1「なんであんなとこにいたか」
警部「あんたがマーズの仲間じゃないことはわかった。ただなんか調べてるんなら、警察が協力したっていいはずだ」
警部「もしかしたらマーズを狙ってる星の情報がわかるかもしれん」
P「えーっとですね……それは……」
prrrrr prrrrr
P「おっと失礼」ピッ
P「はい、765プロのプロデューサーです」
依頼人『今度はプロデューサーくんか』
P「?」
依頼人『まぁいい。今、馬車道ですね?』
P「えぇ、そうですが」ボソボソ
依頼人『ダメだなぁ?警察の人と仲良くなんてしちゃあ……』
P「っ!?」
P「どっからか監視してるのか!?」ボソボソ
貴音(どこかにかめらが……)キョロキョロ
貴音(!)
貴音(あれですか!)
依頼人『約束を破る気ですか、プロデューサーくん?』
P「違う!これは不可抗力だ!」ボソボソ
警察官1「プロデューサー殿。いったい誰と話しているんですか?」
人形『バーカ!バーカ!無能な警察は消えろ!』
全員「!?」
警部「んだとっ!?」テクテク
人形『バーカ!バーカ!無能な警察は消えろ!』
子ども「キャハハハ!お人形さんが喋ってるー!」
人形『バーカ!バーカ!無能な警察は消えろ!』
警部「くそっ!なんだ、あの人形!」テクテク
涼「あれって、もしかして……まずいです!」
貴音「その人形から離れなさい!爆発します!」
警部「何っ!?」
人形『爆発10秒前。9、8、7……』
子ども「あはははは」ケラケラ
警部「!」
人形『6、5、4……』
子ども「あはははは」ケラケラ
警部「くっそ!」タッ!!
人形『3、2、1』
警部「間に合えっ!!」バッ!
人形『0!』
ズドーーン!!
P「うわ!」
涼「くぅ!」
貴音「っ!」
警部「………………」パッ パタッ
子ども「……おかーさん!」タタタッ
警察官1「警部殿!」タタタ!!
涼「救急車!」ピポパ
P「あんたって人は……!」
依頼人『次はアイドルの皆さんがこうなりますよ?』
——ワンダーランド内
春香「う〜ん?」
小鳥「どうしたの?春香ちゃん」
春香「さっきからこのID、点滅し始めたんですよ」
あずさ「私のもだわ」
春香「小鳥さんのはさっきこうなりました?」
小鳥「いいえ?点滅も何も無かったわ」
響「係員の人に聞けばわかるんじゃないか?」
美希「もー、早く行こうよー」
律子「千早。ちょっと耳貸して」ボソボソ
千早「何?」ボソボソ
律子「ゲートから出させないための作戦を思いついたわ。協力してちょうだい」ボソボソ
千早「わかったわ」ボソボソ
——馬車道
ピーポーピーポー…
P「……はぁ、警察ってのは所詮この程度ですか」
P「あの程度の爆発、俳優さんならじゅうぶんかわせますよ」
貴音(……?)
警察官1「……プロデューサー殿。それは聞き捨てならないです」
警察官1「警察を侮辱してるんですか!?」ガシッ
P「うぇ!」
警察官1「元々あなたのせいでこうなったんじゃないんですか!?」
P「やめてください!そんな証拠どこにもないでしょう!?」パシッ
警察官1「?」
P「やっぱり警察には関わるもんじゃないですね。ろくなことがない」
P「貴音。涼くん。行こう」テクテク
貴音涼「「はい……」」
警察官1「…………」
地元警官「行っちゃいましたけど、いいんですか?」
警察官1「あぁ、大丈夫。この辺は任せます」テクテク
警察官1(言い争ってるときに何やら紙を渡された)
警察官1(どれどれ……)
——手紙
P『家の事務所のアイドル達が人質に。外に出ると爆発するIDが手首に…』
P『極秘にアイドルたちの保護を頼みます プロデューサー』
警察官1(なるほど……そういうことでしたか……)
prrrrr prrrrr ピッ
警察官1「あぁもしもし。今日暇?ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど……」
P「春香たちは警察の方に頼んでみた。たぶん平気だろう」
涼「それが吉とでるか、凶とでるかは、僕達の頭脳によるってわけですね」
P「あぁ、そうだな。ところでそっちは何か情報は得られたのか?」
涼「はい。去年の8月4日、この馬車道で現金輸送車強盗事件があったみたいです」
貴音「それと同じ日に、「まぁず」が三笠商事から「だいや」を盗んだようです」
P「……なるほど」
P「よしわかった。ここからは別行動にしよう」
貴音「別行動?」
P「本当なら一緒について行きたいとこだが、俺は別のルートで調べてみる」
P「手分けして探したほうが、早くわかるかもしれない」
P「それに俺も動きやすい」
貴音「わかりました。そのほうが良さそうですね」
P「まぁ、危険なことはするなよ?」
貴音「それはあなた様も同じですよ?」
P「あぁ、約束する。じゃまた後で合流しよう」タッタッタッ
貴音「…………」
涼「どうかしましたか?貴音さん」
貴音「……おそらく馬車道の「ひんと」はこれで終わりでしょう」
貴音「これだけで何を解けばよいのか……」
涼「あぁ、そのことですか」
涼「実はまだ解決できてないヒントがあるんですよ」
貴音「え?」
涼「僕に出されたヒントは2つ」
涼「【夜のカフェテラス】と【You CRY】」
貴音「ゆーくらい……」
涼「直訳すると「お前は泣く」って意味ですね」
貴音「何か心当たりがあるのですか?」
涼「はい。馬車道のヒントを考えてる間、【You CRY】も考えてたんです」
涼「【You CRY】はバラすと【Y・O・U・C・R・Y】になりますね」
貴音「えぇ」
涼「【夜のカフェテラス】も地名の由来だったんで、地図を眺めてたんです」
涼「そしたら【横浜海洋大学】を見つけて、これを英訳すると」
涼「【Yokohama Ocean University】、頭文字で【Y・O・U】です」
貴音「となると残りは【しー・あーる・わい】のほうですか……」
涼「はい、それは僕もわかりませんでした」
貴音「では行ってみましょうか。【横浜海洋大学】とやらに」
涼「はい!そうしましょう!」
???「…………」ヒッソリ
——ワンダーランド内
列図
ゲートライン
| 係員
小鳥 | 春香 あずさ 美希 響 愛 絵理
小鳥「さぁ、行きましょ♪」
春香「あの、すいません」
係員「はい?」
春香「あのこれ、なんか点滅してるんですけど、わかりますか?」
係員「さぁ?私も初めて見ますね「春香ーーー!!!」」
春香「え!?」
美希「律子……さん!?」
響「どうしたんだー!そんなに慌てて!」
律子「ち、千早が倒れたのよ……」ハァハァ
全員「!?」
美希「千早さんが!?」
律子「だからみんな一緒に来て……あ!愛ちゃんや絵理ちゃんも一緒に!」
愛「え?あ、はい!わかりましたー!」
絵理「……?まぁいいか」
律子「じゃ行きましょう!あずささんは私と手をつないで!」ガシッ!!
あずさ「り、律子さん。そんな強く握らなくても大丈夫ですよ〜?」
律子「みんないるわね。急ぎましょう!」
小鳥「…………あれ、私は……」
春香「あ、小鳥さん。ゲート出ちゃってるから、再入場に時間が……」
律子「仕方ないわ。小鳥さんは今日元々オフだし、ケーキバイキングに行ってきてください」
小鳥「そ、そんなぁ〜」
律子「あとで連絡しますから!では失礼します!」
小鳥「私の扱い〜」
——ワンダーランド内 医務室
春香「千早ちゃん!」
美希「千早さん!大丈夫なの!?」
真美「あ、はるるん、ミキミキ、ひびきん、あずさお姉ちゃんに律っちゃん」
真美「あれ、愛ぴょんに絵理おねーちゃんも一緒?どして?」
響「なんか流れで一緒に来たぞ」
あずさ「それよりも千早ちゃんの容態は?」
医者「どうやら軽い熱中症だと思います」
千早「ごめんなさい。せっかくの遊園地なのに……」
春香「気にしないで、千早ちゃん」
伊織「そうよ!それに明日はライブでしょ!あんたが倒れたらファンのみんなが悲しむじゃない!」
亜美「きっと昨日はるるんが寝かせてくれなかったからだね……」ジトッ
春香「そ、そんなことないとおもうなぁ……」のヮの;
真「まったく……まぁ無事だったから良かったけどさ」
雪歩「びっくりしましたぁ。お手洗いに行くって聞いてたので、律子さんから電話をもらったときは」
絵理「思ったより元気そうで安心?」
愛「えーっと、あたしたちはここにいていいんですか?」
千早「できれば……皆と一緒がいいわ……///」
やよい「わかります!風邪ひいちゃったときも、なんだかいつもより寂しいですもんね!」
伊織「そうね……じゃしばらくここにいましょ。さっきから並んでばっかで私も疲れちゃったわ」
律子「えぇ、そのほうがいいわね。明日のことも考えて」
医者「しばらく休んでれば回復すると思います。皆さんも一緒にいてあげてください」
全員「はい!」
千早「ありがとう……///」
春香「いいよ。ゆっくり休んでて」
千早(こういう状況ってあまり経験したことないから、少し恥ずかしいわね……///)
千早(……みんな、ごめんなさい。騙すことになってしまって……)
千早(四条さん、プロデューサー。早く戻ってきて……)
——横浜海洋大学
涼「CRY……CRY……授業とかの名前ではなさそうですね」
貴音「では部活動でしょうか。となると少々厄介ですね……」
???「横浜犯罪研究部」
貴音「おや?」
涼「あ、あなたは……!」
???「Climb Research of Yokohama」
???「俺はこの部が一番近いと思うぜ?」
涼「あなたは……」
貴音涼「「天ヶ瀬冬馬」さん!」
冬馬「よう、四条に秋月……涼だっけか?」
貴音「あなたがなぜここに?」
冬馬「お前らと同じ理由さ」スッ
涼「天ヶ瀬さんも!?」
冬馬「冬馬でいい」
貴音「ですが、伊集院北斗には先程会いましたし、確か御手洗翔太も休みと聞いていますが……」
冬馬「あぁ、ウチのマネージャーが人質に取られてな」
冬馬「まぁ細かい話はいい。さっさと行こうぜ」
——横浜犯罪研究会 部室
コンッ コンッ
貴音「もし、誰かいませんか?」
涼「反応がありませんね……」
冬馬「鍵は……」
ガチャ キィ
冬馬「かかってないみたいだな。入ろうぜ」
パチッ
涼「すごい資料の数ですねー」
貴音「…………」キョロ キョロ
涼「あ、こっちには写真が」
冬馬「部員のスナップ写真みたいだな。撮っとこうぜ」
涼「そうですね」ガサゴソ
prrrrr prrrrr
貴音「!……依頼人からですか」
涼「はい」ピッ
依頼人『想像以上だよ。秋月涼くん』
依頼人『まさか【You Cry】でそこまでたどり着けるとは……驚いたよ』
涼「あのですね。事件を解決してほしいなら、もっとヒントを簡単にしてもらえませんか」
涼「僕たちはゲームの駒じゃないんです!」
依頼人『ふふっ、そう簡単に解決されては私が面白く無い』
依頼人『それに試しているんだよ』
依頼人『君たちがただの偶像で操り人形ではないということ。私の事件を解く資格があるか』
涼「どういうことですか!」
依頼人『ここから先はノーヒントだ。期待してるよ、アイドル諸君』プツッ ツー ツー ツー
涼「あ、ちょっと!」
涼「切られました……」
貴音「のーひんとですか……」
涼「どうすればいいんでしょう」
——横浜海洋大学 校門前
???「……………………」ピピピッ ピッ ピピッ ピッ
メール本文『ターゲットは横浜海洋大。始末して』ピッ
???「……ふっ」 ソウシンチュウ! カンリョウシマシタ!
——横浜犯罪研究会 部室
部員A「あれ?君たち何か用かい?」
涼「あ、いえ。僕達は……」
部員B「あれ……?あなたたちって、もしかしてアイドルの……」
涼「え!?いやその……」
貴音「私たちは「あいどる」のモノマネしている、ただの学生です」
貴音「いわゆる「こすぷれ」というものでしょうか」
涼(!?)
部員A「へ、へぇー。それにしてはよく似てるなぁ……」
涼「貴音さん。それ誰に聞いた言い訳なの?」ボソボソ
貴音「もし変装してないときに、バレそうになったらこう言えば誤魔化せると小鳥嬢からきいたのですが……」ボソボソ
貴音「何かおかしかったでしょうか?」ボソボソ
涼「色々とおかしいよ!?」ボソボソ
部員B「で、そのコスプレ学生さんがなんの用?」
冬馬「あぁ、来年この大学を受験しようと考えていて。今日は見学に来たんだ」
部員B「あぁそうだったの。でもウチの大学に被服サークルなんてあったかしら……?」
部員A「まぁここに来てるってことは、犯罪学にも興味があるのかもしれないじゃん」
部員A「入学したらぜひここの部も検討してみてくれ」
涼「は、はい!」
貴音「ところでお聞きしたいのですが、あの額縁の写真はいったい……?」
部員B「あぁそれは歴代の部長の写真でね。左側が初代部長よ」
貴音「では、なぜ三代目の部長殿の写真が無いのでしょうか?」
部員AB「「え?」」
貴音「よく見てください。一番右の額縁があった場所には止め金具がありますし、三番目の写真より後ろの写真から、少しづつ日焼けしてない壁が見えます」
貴音「あれは何らかの理由で三代目の写真を外し、横にずらしたということですよね」
部員AB「「…………」」
部員A「除名処分されたんだよ。三代目の佐藤さんは」
冬馬「佐藤?それは佐藤健ってやつか?」
部員A「いや?「佐藤 孝」って名前だよ。知ってるのかい?」
冬馬「なんかで聞いたんだよなー。あ、こいつだっけ」写真指差し
部員B「違うわ。この人よ」冬馬が指した隣の人物指差し
冬馬「あれ?スマン。勘違いだったみたいだ」
——大学構内
涼「「佐藤 孝」さんね……」
冬馬「まぁおっさんに連絡すればコネで、情報わかるだろ。ちょっと電話してくる」
貴音「では連絡を待ちましょうk……」グウゥゥゥゥゥ……
貴音「そういえば、昼のお弁当を食べてから何も食していませんね……///」
涼「では学食に行きましょうか。冬馬さんの電話が終わったら」
貴音「学食……そこにはらぁめんはあるのでしょうか!」
涼「え?たぶんあると思いますよ」
貴音「では「さんまぁめん」は!?」
涼「え、えっとメニューにあれば、あるんじゃないですか?」
貴音「ではすぐに参りましょう!」タッ!
涼「あ、待ってください!貴音さーん!」
冬馬「何やってんだ……」
——ワンダーランド 医務室
千早(この状態もかなりきついわね……)
北斗「さて、次はどこ行く?翔太?」テクテク
翔太「まったく、今日はせっかくのオフだったのにさー。なんで北斗と遊園地に来なきゃいけないんだよー」テクテク
春香「あれ?ジュピターの北斗さんに翔太さん?」
真「ホントだ。なんでここに?」
春香「うーん。私ちょっと話しかけてくる!前に少しお世話になったし!」
響「春香一人じゃ危ないぞ。自分も行くぞ!」
春香「じゃ一緒に行こ!」
タッタッタッ……
千早(ホッ……確かあの二人は協力者だって四条さんからのメールに書いてあったわね)
亜美「じゃ亜美、ちょっとハイパードラゴンに乗ってくる→」
真美「あ→亜美ずるい→。真美も行くから!」
亜美真美「「じゃレッツゴ→!」」
千早(!!)
千早「ダメ!行っちゃ!!」
医者「まだ安静にしてないとダメよ!」
千早「律子!水瀬さん!高槻さん!二人を止めて!」
律子「えぇ!」タッ!
やよい「わっかりましたー!」タッ!
伊織「え、ちょっとやよい!……あぁもうしかたないわね!」タッ!
——ワンダーランド 園内
北斗「おや、あれは……チャオ☆エンジェルちゃんたち☆」
翔太「やぁおねーさんたち!久しぶり!」
春香「何やってるんですか。二人でこんなところに……」
響「もしかしてまた自分たちの邪魔する気か!?」
北斗「そんなことはしないよ☆」
翔太「今日はオフだったけど、北斗に呼ばれてここに来たんだよ」
春香響「「え……」」
北斗「フフッ☆」
響「ん?あれ、亜美と真美じゃないか?」
春香「ホントだ、やよいに伊織、律子さんまで……」
翔太「北斗くん。あの手に付いてるのが……」ボソッ
北斗「そう。例の物さ」ボソッ
——ワンダーランド ハイパードラゴン前
亜美「え→!そんな→!」
真美「神は我らを見放したのか……」ガクッ
看板『ハイパードラゴンは機械の点検中につき、運転を中止しています。まことにご迷惑をおかけします。ワンダーランド』
伊織「抜け駆けしようとした罰ね」
やよい「ほら!医務室に戻ろー!」
律子「はぁ……よかったわ」
従業員「まことに申し訳ございません!安全確認のため、見合わせをしています!ただいま整理券をお配りしますので——」
警察官1(よし……これで大丈夫だ)
客「はぁ仕方ないわね……」
タッタッタッ……
窃盗犯「…………」タッタッタ
客「え?」
バシッ
客「きゃあ!ドロボー!」
アイドル達「え?」
真美「うわっ!」ボトッ
バシャ!
窃盗犯「っ…………」タッタッタッ!!
やよい「ドロボー!ドロボーですー!」
響「何!?」タッ!
春香「ドロボー!?」タッ!
翔太「あ、ちょっとおねーさんたち!」タッ!
北斗「エンジェルちゃんたち待って☆」タッ!
雪歩「春香ちゃんたちどこまで行ったんだろう?」
真「こっちのほうに来たと思ったんだけどなぁ」
雪歩「千早ちゃんのとこ早く戻らなきゃ……」
真「でもあずささんや愛、絵理もいるし、しばらくは平気じゃないかな」
美希「美希もそう思うの。あの人数だときっと眠り辛いの」
真「さっきまで美希は平気で寝てたじゃないか」
美希「あはっ☆美希はダイジョーブなの!」
雪歩「とりあえずみんなを探したほうがいいと思いますぅ」
——横浜海洋大学 学食
貴音「ふむ……やはり二十郎には及びませんが、そこそこの味ですね」ズルルルル
涼「で、冬馬さん。何かわかりました?」 ズルズル ズルズル
冬馬「あぁ、佐藤は去年の8月4日、馬車道で起きた現金輸送車強盗事件の犯人として指名手配されてるらしい」 オカワリクダサイ
涼「だから、部室から写真を外されたんですね」 ズルルルル ズルルルル
冬馬「それとだ」 オカワリヲ
冬馬「佐藤は大学を卒業後、投資顧問会社を経営していたみたいだが、その会社「ファーウェストオフィス」でも殺人事件が起きたそうだ」 ツギハメンカタアブラマシマシデ
涼「え!?」 エ?ムリデスカ? ソウデスカ…
冬馬「なんか怪しいな」
貴音「ではその会社に行ってみましょうか……」ドヨーン
涼「貴音さん。どうかしたんですか……?」
貴音「いえ、なんでもありません」ドヨーン
——横浜海洋大学 校門前
ブロロロロ……
怪しい男1「…………」チラッ
怪しい男2「…………」コクッ
——中華街
P「さて、あらかた事件の中身はわかった……」
P「あとは関連事項だな」
P(貴音たちも無事だといいんだが……)
P(けど……俺だけでなんとかできるだろうか……)
P(ダメだ!)
P(俺が弱気になっちゃ、あいつらが大変なことになるんだ)
P(プロデューサーとして、あいつらの仲間として……)
P(みんなの命は俺が守る!)
P「よしっ!次の場所は……」
——ファーウェストオフィス前 午後6時30分
『関係者以外の立ち入りを禁ずる』
涼「立ち入り禁止ですね」
貴音「ですがここ以外に行くべきところはありません」
冬馬「さっさと入ろうぜ」
——ファーウェストオフィス内
冬馬「おっさんの情報によるとだな」テクテク
冬馬「殺害されたのは「東尾 正」。ファーウェストオフィスの営業部長だ。ライフルで狙撃されたらしい」テクテク
冬馬「社長の佐藤とは大学時代の同級生だ」テクテク
貴音涼「「え?」」テクテク
貴音「ということは」テクテク
涼「東尾さんも犯罪研究会にいたってことですか?」テクテク
冬馬「そういうことだな。これを見ろよ」ピッ ピピッ
涼「あれ、それ僕のケータイ……いつの間に?」
冬馬「細かいことは気にすんな。ほらこれ」スッ
冬馬「この写真の中央にいるのが当時部長の「佐藤 孝」、その右隣りが殺害された東尾だ」
貴音「では、「佐藤 孝」の左隣りの女性は?」
冬馬「あぁ、そいつは「橋本 玲子」。このオフィスに勤めてたらしいが、去年の9月14日に自殺したみたいだ」
貴音「ふむ……」
涼「自殺ですか……」
冬馬「どうやら警察から任意で事情聴取受けてた期間に自殺したらしい」
涼「それって、東尾さんが射殺された事件についてのことだよね……」
冬馬「かなりキツく取り調べをしてたみたいだぜ」
貴音「…………」
——ファーウェストオフィス 殺害現場
冬馬「ここが東尾が狙撃された現場だ」
貴音「埃は被っていますが、現場状態は当時のままみたいですね」
冬馬「その時は窓もブラインドも開いてたらしいぜ」シャアアアアアア
貴音「なるほど……」
冬馬「向こうにデカイビルが見えるだろ?犯人はあそこのトイレから射撃したらしい」
冬馬「使用した銃はチャーターアームスAR7。スコープ、そしてサイレンサー付きだ」
冬馬「そのトイレに8発分の薬莢が落ちてたんだってよ」
冬馬「犯人は装弾である8発の薬莢を撃ち尽くし、その中の1発が命中。んで即死だ」
冬馬「んでその後、東尾の机の中から、佐藤が作った現金輸送車強盗事件の計画書が出てきて、まだ生きてる佐藤が指名手配されたってわけさ」
涼「じゃあどうして「橋本 玲子」さんが取り調べを?」
冬馬「さぁ?そこまではわかんねぇよ」
貴音「涼殿。見てください」
貴音「後頭部を撃たれたという割には、出血が少ないように思えます」
涼「言われてみれば……でもこっちの椅子があった付近には大きい血の跡がありますよ」
貴音「どういういことでしょう?」
貴音「……?」
貴音「椅子についた血痕が下に向かってまっすぐ垂れている……」
涼「あと椅子のキャスターが一個はずれてますね」
貴音「なるほど。そういうことでしたか」
涼「僕にもなんとなくわかりました」
prrrrr prrrrr
ピッ
涼「はい。秋月です」
依頼人『次のステップに進んだようだね。秋月くん』
涼「えぇ、なんとか」
依頼人『解決して欲しい事件がわかったかな』
涼「「東尾 正」さんの射殺事件ですね」
依頼人『あぁ……』
涼「……もしやあなたの正体は……」
プツッ
涼「切れちゃいました……」
バリーーーン!!!
全員「!!?」
涼「今、下の方でガラスが割れた音が!」
貴音「それに「ばいく」の音もします。……おそらく2台ですね」
冬馬「いい展開じゃねぇのは確かだな。逃げるぞ!」
——ファーウェストオフィス 廊下
タッタッタッタッ!
ブロロロロ!!
涼「いったいなんなんです!この人たち!」タタタ!!
冬馬「さぁな!ゲームを面白くする駒ってとこじゃねぇか!?依頼人が言ってた!!」タタタ!!
涼「そんなの要らないですー!」タタタ!!
貴音「このままでは追いつかれます!二手に別れましょう!」タタタ!!
貴音「私は次の部屋に入ります!お二人はそのまままっすぐに!」
涼「わかりました!」
冬馬「おう!」
——ファーウェストオフィス 室内 (貴音)
貴音「はっ!」ドサッ!
貴音(鉄棒がちょうどよくおいてありますね)
貴音(このまま壁際へ!)タッ
怪しい男1「…………」ブロロロロ……
貴音「さぁどこからでも来なさい。お相手いたしましょう」
怪しい男1「…………」キュルル!! ブロロロロ!!
貴音「はぁ!!」ヨコカイヒ
貴音「てやぁああああ!!!」オオキクフリカブッテ
バシーーーン!!
怪しい男1「!」ブルルル
貴音「体当たり程度では、私を倒すのは無理です」
怪しい男1「…………」カチャ
貴音「拳銃!?」
怪しい男1「…………」パンッ! パンッ!
貴音「くぅ……」カキーン! ダン!ダン!
貴音(早く柱の影に!)
貴音(まずいですね……)
貴音(ここは……三十六計逃げるが勝ちですね)
怪しい男1「…………」ブロロロロ…
貴音(隙を突いて……)
貴音「ハッ!」タッ!
怪しい男1「!」バン! バン!
貴音「…………」タタタタタッ!!
怪しい男1「…………」ブロロロ!!
ブロロロロ…………
ガチャ
貴音「なんとか撒けたようですね……」
貴音「涼殿たちは無事でしょうか……」
——ファーウェストオフィス 廊下
ブロロロロ!!
涼「ハッ!ハッ!」タタタッ!
冬馬「おい、そこの部屋に入るぞ!」タタタッ!
涼「はい!」タタタッ!
バッ!
涼(ここは……倉庫!)
涼「冬馬さん!横に逃げて、箱を内側に!」
冬馬「わかった!」
怪しい男2「…………」キョロキョロ
グラッ
怪しい男2「!?」
涼「行っけぇ!!!」
ドーーン!! カラン カラン……
涼「ふぅ……」
冬馬「おいおい、せっかくの服が黄色いペンキまみれだぜ……」
涼「す、すいません……」
冬馬「まぁいい。早く逃げるぞ」
ブロロロロ……
冬馬涼「「!?」」
冬馬「走れ!」
涼「はい!」
——ファーウェストオフィス 入り口付近
涼(なんとかここまで逃げてきたけど、冬馬さんともはぐれちゃったし、まだ追ってくるよー!)
涼「あ、あれは自転車!?」
涼「ロックは……かかってない!」
涼「すみません!お借りします!!」ガチャ
ブロロロロ……
怪しい男1「…………」ブロロロ
怪しい男2「…………」ブロロロ
涼「ぎゃおおおん!二人に増えてるー!」カシャカシャ
怪しい男1「…………」ブロロロ ピッ
怪しい男2「…………」ブロロロ コクッ
涼(あれ一人消えた!?)
涼(とにかくにげなきゃ!)
——別の道
怪しい男1「…………」ブロロロ
バッ
怪しい男1「?」ブロロロ
ドン!
怪しい男1「!!!」ドンガラガッシャーン!!
——港近く
怪しい男2「…………」ブロロロ
涼「はぁ!はぁ!」
涼(まずい……追いつかれる……)
怪しい男2「…………」カチャ
ズドドドド!!
涼「ひゃ!?」
涼(銃撃ってきた!?)
涼「もうこうなったら……」
涼「ぎゃおおおん!!」パッ
ボチャーーン!!!
怪しい男2「!?」
怪しい男2「…………」キキッ
怪しい男2「…………」キョロキョロ
怪しい男2「…………」コクッ ブロロロ…
——ワンダーランド内 午後7時32分 春香・響
パレード最中
ワーワー キャーキャー
響「野球帽にジャンパー来てるやつだったよな」
春香「うん。でももう脱いでるかも……ん?」
響「どうかしたのか?」
春香「あの人、ちょっと怪しくない?」
響「あの黄色いシャツの人か?」
春香「うん、髪の毛が二段に跳ねてる」
響「帽子被ってた証拠ってことだな……」
春香「たぶんジャンパーとかと一緒に処分したのかな。追いかけよう」
響「わかったぞー」
——ワンダーランド内 亜美・真美・やよい・伊織・律子
やよい「コーラが足にかかったんだよねー?」
真美「そのと→り。証拠とちて、わざとかけてやったぜぇ」
亜美「真美刑事、さすがですねぇ」
伊織「何言ってんのよ」
律子「実際はかわすときに、たまたまかかっただけでしょ。ちゃんと見てるんだから」
真美「ちぃ!鬼軍曹め!」
亜美「ん。あれ?あの人……」
亜美「みんな、あの人の足にコーラっぽいあとが!」
全員「え?」
律子「……っておばさんじゃないの。犯人は男よ」
亜美「テヘペロ」
伊織「ごまかしてんじゃないわよ!まったく!」
やよい「あ!あの人ー!靴が汚れてます!」
伊織「え?……ホントだわ。左足のスニーカーにコーラっぽい染みがあるわね」
律子「なんか挙動不審だし、怪しいわね……尾行しましょう」
亜美真美「「ラジャー!」」
——ワンダーランド内 千早・あずさ・愛・絵理
千早「みんなどこに行ったのかしら……」
あずさ「まぁまぁ千早ちゃん。探してればきっと見つかるわ〜」
愛「あたしもよく迷子になりましたけど、ママがすぐに見つけてくれました!」
絵理「いざとなれば園内放送?」
千早「それはパニックになるおそれがあるわ……」
< ドロボー!
千早「!」
千早「あっちね。行きましょう!」
——ワンダーランド 出入り口付近
窃盗犯「くそっ!」タッタッタッ!!
窃盗犯「どけ!」バッ!
従業員「うわっ!」ドテッ
真美「待て→!」
亜美「逃がさないぜ→!」
やよい「すいません!箒お借りします!伊織ちゃん!」パシッ
伊織「ありがと、やよい」
伊織「これでもくらいなさい!」ピュー (箒を投げた)
窃盗犯「うお!?」 アシニカラマリ ドンガラシャン
律子「やったわ!」
窃盗犯「ちぃ……ん?」
響「もう逃げられないぞ!」
窃盗犯「女が粋がってるんじゃねぇ!」バッ!
響「ふん!」サッ
響「とりゃあー!」バコッ
窃盗犯「ぐぅ!?」
窃盗犯「……ちぃ」
窃盗犯「ん?」
春香「?」
窃盗犯「おらぁあああ!」
春香「え?え!?」
春香「わわっ!」ドンガラガッシャーン
窃盗犯「ちょ……!みぞおちに頭突き……!?」
窃盗犯「いてて……ん?」
真美「え?キャアア!」
伊織「真美!?」
亜美「真美!やばいよ!?いおりん!」
やよい「真美ー!」
窃盗犯「動くな!動いたら、このガキがどうなるかわからねぇぞ!」ナイフモチ
真美「やめろ→!離せ→!!」
——依頼人の部屋
『メインゲートにNO.7が近づいています』
依頼人「誰だ」
『NO.7。双海真美』
依頼人「そうか」
——ワンダーランド 入り口付近
窃盗犯「近寄るなよ……近寄ると、ガキの命はねぇぞ……」
真美「ふぇぇ……律っちゃん……」ピッピッピッ
警察官1「その子を離しなさい!私が人質になる!」
窃盗犯「ざけんな!おっさん!」
律子「私が人質になるわ!だから真美を離して!」
春香「いや私がなる!私のせいで、真美が……!」
警察官1「君たちはダメだ!アイドルなんだろ!?」
窃盗犯「グダグダいってんじゃねぇ!」
窃盗犯「ん?こいつ……よく見たらアイドルの双海真美に似てんなぁ……」
真美「本物だもん!……あ……」
窃盗犯「本物?まぁいい。都合がいいな」
窃盗犯「俺としては双海亜美のほうが好きなんだがな……」
真美「え?」
窃盗犯「なんか真美のほうは、思春期っぽくて、大人ぶってませてやがる」
窃盗犯「その点、亜美のほうが純粋に子どもっぽくて、まだ可愛げがあるぜ」
真美「…………」
窃盗犯「双子でも差がありすぎだな!」
真美「そ……んな……」
伊織「あんた!あんまりふざけたこと言ってんじゃないわよ!!」
律子「真美!そんなやつの言うことなんて信じちゃダメよ!」
窃盗犯「うるせぇ!たぶん大切なアイドルの顔、キズモノにすんぞ!」
窃盗犯「返してほしけりゃ金用意しな!今すぐできないなら、俺がゲートから出るまで動くな!」
亜美やよい「「真美!」」
アイドル達「くぅ……」
千早(ダメ……!このまま外に出たら真美の命が……!)
窃盗犯「くっくっく……」スタ スタ
ピッ ピピッ ピピピピッ
窃盗犯「?」
小鳥「ちょっと!ここは入り口です!出口は隣ですよ!」
窃盗犯「いいからどけ!」
小鳥「怒鳴ってもダメです!」ドンッ
窃盗犯「うわ!」
真美「!」
真美「今だ!」タタタッ!
小鳥「まったくいい大人がルールくらい守るピヨ!」
小鳥「ふん!」
警察官1「確保だ!」タタタッ!
小鳥「ピヨ!?」
小鳥「えっ!?えっ!!?」
窃盗犯「どけぇ!」
ウワー キャー ニゲロー
警察官1「くそっ!」タッタッタッ!!
???「うわっ!?」
窃盗犯「ははっ!人質の代わりならいくらでもいるぜ!」ガシッ
警察官1「くぅ……」
春香「あれ?」
あずさ「あら?」
伊織「あれは……」
窃盗犯「近づくなよ!近づくとこのなんちゃってお姫様を!」
亜美「どーするの?」
窃盗犯「え?どーするって……」
???「どうするか……」
真「教えてください」キリッ
窃盗犯「え?」
真「ハァ!」
窃盗犯「ぐはっ!?」
真「この隙に!」
真「とりゃああああああ!!!!」(一本背負い)
窃盗犯「ぐはぁ!!」
美希「すいませーん。ちょっと通してなのー」
雪歩「真ちゃーん!やっぱりこっちのほうが似合うよぉ!」
美希「ってあれ?みんな、なんでここにいるの?」
雪歩「散々探しましたよぉ!」
律子「いやその……後で言うわ……」
やよい「真さんすごいですー!」
真「あはは……びっくりしたよ」
春香「で、真、その格好……」
真「え?いやせっかく遊園地なんだし、こういう格好もいいかなーと」
美希「似合わないの」
雪歩「ダメダメですぅ」
真「えぇ!?そんなぁ!?」
千早(なんとか助かったわ……四条さん、早く……)
——Pの車の中
リョウドノ……リョウドノ……リョウドノ!
涼「え!あ!はい!」
貴音「よかった。気が付きましたか……」
涼「え?ここは……?」
貴音「私のぷろでゅーさーの車の中です」
涼「あ、そうです……アイタタ!」
P「下手に動かさないほうがいい。一応冷やしてはいるが、打撲か捻挫。最悪でヒビが入ってるかもしれない」
涼「そうですか……」
涼「貴音さん。あなたが助けてくれたんですか?」
貴音「いいえ。天ヶ瀬冬馬が助けたらしいのです」
貴音「天ヶ瀬冬馬がぷろでゅーさー殿を呼び、ぷろでゅーさーが私を呼んだのですよ」
涼「冬馬さんが……」
貴音「えぇ、彼は調べることがあると言って、私が行く前にどこかへいったようですが……」
涼「……はっ!今何時ですか!?」
貴音「2時間経って午後8時半です」
涼「あと1時間半ですか……」
貴音「一応この車は「ぶるぅきゃっする」に向かっております」
涼「わかったんですか!?犯人が!」
貴音「……いいえ。向かってるだけです」
貴音「待ってるだけでは、時間の無駄になりますから……」
涼「そう……ですか……」
P「貴音。涼くんも起きたことだし、情報をまとめよう」
貴音「はい。私達は……」
——貴音説明中
P「そうか。じゃ補足みたいになるが、俺の情報はこうだ」
P「東尾氏の射殺事件の日の夜、一台の車が埠頭のコンテナヤードにて横転する事故が起きて、大破したんだ」
P「運転していたのは「佐藤 孝」」
P「生きていたのが奇跡と言われるくらい、一ヶ月間、集中治療室にいたんだ」
P「事故を起こした車は警察の調べで、油圧計のパイプに細工がしてあったそうだ」
P「オマケにトランクからサイレンサー付きのライフルが出てきた」
P「指紋は拭き取られてたが、東尾氏殺害の凶器だとわかったんだ」
貴音「では「佐藤 孝」は逮捕されたのですか?」
P「いや……事故から2ヶ月後、やっと面会許可が下り、警察が行ったところ」
P「病室はもぬけの殻だったそうだ」
P「そして行方不明となり、指名手配されたということだ」
貴音「なるほど……」
P「そして指名手配中に強盗事件の方でも容疑がかかったみたいだよ」
涼「じゃあやっぱり佐藤さんが犯人なんですか?」
P「佐藤氏が射ったのは間違いない。現場のトイレに佐藤氏の足あともあったし、衣服からも硝煙反応が出た」
P「薬莢の数も、ライフルに装填できる総数ちょうどだった。ライフルマークもすべて一致している。だが……」
P「スコープからマスカラが検出された」
P「そのマスカラは貴重なものらしくてな。佐藤氏周辺でそれを使っていた人物を探したところ……」
P「「橋本 玲子」の名が挙がった」
貴音「確かその方は自殺したはずですが……」
P「あぁ。しかし東尾氏と佐藤氏とはかなり仲が良かったらしくてな」
P「大学卒業後は佐藤氏と東尾氏と同じ会社に入り、秘書室長をしていたらしい」
貴音「現金輸送車事件の犯人は「佐藤 孝」と「東尾 正」で間違いないでしょう」
貴音「しかし「佐藤 孝」が「東尾 正」を殺害する理由はあるかもしれませんが、「橋本 玲子」にはその理由がないのでは?」
P「どうやら同僚の話によると、橋本氏は東尾氏に強く言い寄られてたみたいでな」
P「警察はスコープのマスカラとアリバイの不明確なところから、攻めてったみたいだが……まったく口を割らなかったらしい」
P「そして、9月14日に自殺……」
P「遺体は見つからなかったが、海流の荒いとこだし、まず生きてないと警察が判断したらしい」
P「そしてその20日後、佐藤氏が逃走。結局、東尾氏殺害の容疑者二人が消えて、加害者負傷でほぼ終了」
P「佐藤氏がいなくなった会社は倒産。そしてそれを買い取ったのが、三笠商事の三笠社長というわけだ」
貴音「「まぁず」が侵入したあの三笠びるに繋がるのですね」
P「そういうことだ。社長の三笠氏は佐藤氏たちの4つ上。しかもかなり可愛がってたようだ」
P「あとそうだな。現金輸送車強盗事件とマーズの窃盗事件は同じ日ってのはわかってるよな?」
貴音「えぇ」
P「それで、その逃走車とマーズの逃走経路が一部ぶつかるところがあってな。銃撃戦が起きたんだとさ」
涼「銃撃戦?」
P「まぁマーズは銃を使わないから、一方的な射撃なんだろう」
貴音「「まぁず」を撃った理由は顔を見られたから。ですね」
P「そうだろうな。それでな、その現場で見つかったそうだ。ガバメントとチャーターアームスの薬莢がな」
貴音「え?」
P「そして最近になって現れたマーズが狙われるようになった……と考えてる」
涼「けど、それじゃまだ東尾さんを撃った犯人の決め手にはなりませんね……」
P「そしてもうひとつ、重要な証人から話を聞けた」
P「東尾氏が撃たれた日、問題のトイレからカランカランと金属音がした後、ゴルフバッグを抱えた佐藤氏がトイレから出てきたとのを見たという清掃員がいたんだ」
貴音涼「「!」」
貴音「おそらく金属音は薬莢がトイレに落ちる音」
涼「そしてゴルフバッグの中身はチャーターアームスAR7ですね」
貴音「これで決まりですね」
P「よし!ホテルに急ぐぞ!」
——三笠ビル 展示室
カシッ
ピーーー…ピ。
ゴロン
マーズ「よっと……」シュタッ
パチッ
マーズ「ん?」
三笠「来ると思ってたよ、怪盗マーズ」
三笠「昼間の内に仕掛けをして、やっとここに入れたみたいだな。君には宝石は取らせんよ」
マーズ「ふっ。俺は予告状無しには宝石は取らねぇんだよ」
三笠「なに?」
マーズ「今夜はあんたにお別れを言いにきたんだ。せっかく活動再開したのに、もう命を狙われたくないからな」
三笠「っ……さすが怪盗マーズ。見抜いていたか」
マーズ「あぁ、薄々な。けどわかんなかった」
マーズ「ダイヤは返したのに、しつこく命を狙ってくる理由がな」
マーズ「そしたら今日やっとわかったぜ。あんたがすげー後輩思いだってことがな」
三笠「可愛い後輩たちのゲームを目撃した君がいけないんだ」
マーズ「警備員一人殺害しといて、ゲーム?笑わせるぜ」
三笠「ゲームにアクシデントはつきものだ。君に見られたのもな」
マーズ「…………」
三笠「可愛い後輩に相談されれば、なんとかしたくなるだろ?」
マーズ「…………」チラッ
マーズ「なるほど…………」ボソッ
マーズ「ん?」
怪しい男1&2「「へっへっへっへ」」
マーズ「…………ふん」スゥー
三笠「な、なんのおまじないだ?」
マーズ「俺が何も準備せずノコノコやってきたと、本気で思ってんのか?」
三笠「く……やれ!キッドを撃て!」
パチッ!
パリーン!パリーン!
シュウウウウウウ……
怪しい男1&2「ぐほっげほっ……」バタッ
三笠「げほ、なんだこの煙は……」
マーズ「安心しな。ただの催眠ガスだ」(ガスマスク着用済)
マーズ「知ってるか?俺は去年の8月4日に来たあとも、何回もここには来てるんだよ」
三笠「くぅげほっげほっ!」
マーズ「そして今日、白昼堂々この仕掛けを天井に付けに来たのは」テクテク
マーズ「今夜俺がここにくることをわからせて」カチッ
マーズ「あんたとあんたが雇ったスナイパーをおびき寄せるため」テクテク
三笠「馬鹿なっ!」
マーズ「言い訳なら俺が呼んどいた警察にでもしてくれ」
ウーーー ウーーー
マーズ「このカーテンの後ろで寝てる可愛い後輩と一緒にな!」ガラッ!
マーズ「ってあれ?いねぇ。後輩のほうがクールなんだな」
マーズ「まぁ、そこの二人が色々喋ってくれるだろ」
マーズ「この盗品だたけの展示室のこともな!」
三笠「!!」
マーズ「…………ふっ」バババババババババババ!!!!!
——三笠ビル 入り口
大森警部「マーズだ!マーズが現れたぞ!最上階だ!」
——三笠ビル 展示室
三笠「うわああああ!!!!」カシャンカシャンカシャンカシャンカシャンカシャンカシャン!!!!
マーズ「…………終わりか」ポイッ
マーズ「あんたのゲームもこれでゴールだな」
マーズ「それも最悪の……オウンゴールだな!」
三笠「くぅ……」 アケロ!ケイサツダ!
——ブルーキャッスル入り口 午後9時20分
P「俺はワンダーランド内の皆のとこに行く」
P「二人に任せる形になってしまうがいいか?」
涼「大丈夫です!愛ちゃんたちのこと頼みます!」
貴音「問題ありません。早く皆を安心させてきてください」
P「じゃ頼んだぞ」ブロロロ……
貴音「では参りましょう」
——ブルーキャッスル スイートルーム
安田「お待ちしておりました。四条さん。秋月さん」
安田「では依頼人を呼びましょう」
貴音「その前に一つ頼みごとがあります」
安田「なんでしょう?」
貴音「依頼人に直接会わせてはくれませんか?」
安田「それは無理です。私だってどこにいるかはしりません」
涼「さっき電話したとき、同じノイズが聞こえました。ここにいるんですよね?」
安田「さぁ?」
貴音「仕方ありません。少し眠っててもらいます」サッ トンッ!
安田「え……う……」バタッ
涼(手刀で一発で気絶……貴音さんってホントに何者?)
貴音「ふふっ、とっぷしーくれっとです」
涼「え!?今声出てました?」
貴音「そんなことより、早く依頼人を探しましょう」
涼「え、あ、はい」
涼「このリモコン怪しいですよね」ピッ ピッ ピッ
ガタッ グイィィィン
涼「ん?」
貴音「隠し部屋ですか」
涼「急ぎましょう!」
貴音「念のため、武器と盾を持って行きましょう」
——依頼人室 午後9時32分
依頼人「……ようこそ。四条貴音さん。秋月涼くん」
涼「こんばんは。ファーウェストオフィス社長……」
貴音「「佐藤 孝」殿!」
佐藤「さすがだ……君たちを組ませたのは正解だったみたいだ」
涼「やっぱりそうでしたか……」
佐藤「こんな格好で失礼。身体が不自由なものでね」
貴音「埠頭の事故が原因ですね」
佐藤「あぁ、身体が元通りにならないとわかったからここに入った」
佐藤「裏の資産を知り合いに頼んで投資していたからね」
佐藤「ワンダーランドもそのひとつさ」
貴音「三笠社長ですね」
佐藤「素晴らしい。そこまでわかってたのか」
涼「報告していいですか?時間がありません」
佐藤「あぁ、真実を、教えてくれ」
佐藤「私はもう長くない。だから真実を見つける探偵役が必要だった」
佐藤「頭脳だけではない。タフな本物をね……」
佐藤「さぁ言ってくれ。君たちが掴んだ真実を!」
涼「8月4日、ファーウェストオフィスにいた東尾さんを」
貴音「向かいのビルのトイレから射殺した犯人は」
貴音涼「「橋本 玲子」!!」
佐藤「はっ!?」
貴音「「橋本 玲子」は東尾殿殺害の罪をあなたに被せて」
涼「事故に見せかけ、あなたも殺害しようとしたのです」
佐藤「嘘だっ!私がトイレから東尾を撃ったんだ!」
佐藤「お前たちも警察と一緒なのか!?無能なのか!?うぐ……」
貴音「確かにあなたはトイレから射撃しました」
涼「橋本さんが撃ったあとで」
佐藤「!?」
貴音「外れていたんです。あなたが撃った7発の弾丸は」
佐藤「7発?あのライフルに装填できるのは8発のはず……」
涼「トイレに散らばってた薬莢も拾わなかったほど、慌てていたあなたに撃った数なんてわからないでしょう」
貴音「その時、東尾殿は既に殺害されていたんです」
佐藤「そんな馬鹿なっ!私は見たんだ!私が撃った弾で東尾が崩れ去ったのをっ!!」
涼「あれはあなたが撃った弾が偶然、椅子のキャスターを撃ちぬいただけです」
佐藤「だったら私の撃った弾が偶然、東尾に当たったとも言えないか!?」
涼「7発も乱射されて逃げない人間なんていません」
佐藤「じゃあ最初の一発が偶然あたって……!」
貴音「東尾殿が亡くなったときに座っていた椅子の背もたれには、血が垂直に流れ、固まっていました」
貴音「だからわかったのです」
貴音「東尾殿の頭を一発で撃ちぬいた狙撃手がいることと」
涼「足元に血が固まったあと、乱射した素人の犯人がいるということがわかったんです」
涼「それだけでは、まだどっちがスナイパーかわからなかったけど、貴音さんのプロデューサーさんが見つけた証人の言葉を聞いてわかりました」
涼「トイレから数回の金属音がしたことと、トイレからあなたがゴルフバッグを持って出て行ったという証言です」
貴音「金属音は薬莢が床に落ちる音、それが数回したということは乱射したのはあなたのほう」
涼「つまり東尾さんを一発の銃弾で殺害したのは橋本さんで、乱射して転がしたのはあなただったということです」
貴音「「ごるふばっく」の中身は「ちゃーたーあーむすえーあーるせぶん」。それをあなたは犯行前、「橋本 玲子」から手渡されているはずです。違いますか?」
佐藤「た、確かにそうだが……それでなんで玲子が撃ったと」
涼「ライフルのスコープのところに残ってたんです。橋本さんが使う貴重なマスカラが」
佐藤「そ、そんな……馬鹿な……」
貴音「「橋本 玲子」から「ばっく」」を受け取り、トイレで弾を撃ち尽くしたあなたは、車ごと処分しようと埠頭に向かいました」
涼「おそらくあなたの車に細工をしたのも橋本さんのしわざでしょう」
貴音「動機はおそらく、現金輸送車で強奪した金の独り占め」
涼「乗ってたんですよね?強盗した車の中に橋本さんが」
貴音「そして逃走中に「まぁず」に遭遇し、顔を見られたあなた方は「まぁず」の口封じをしようとし、逆に曲がりくねった道に誘われ、あせって発砲した」
貴音「その裏道に残ってたそうです。「がばめんと」と「らいふる」の薬莢が」
涼「どんなに運転がうまくても、曲がりくねった道で片手で運転しながら、拳銃を撃つなんて不可能です」
佐藤「…………」
貴音「つまり、あなた以外に二人。「らいふる」と「がばめんと」を持っていた人物。「橋本 玲子」と「東尾 正」が乗っていたということです!」
涼「この証拠のほとんどが警察から情報でした。貴音さんのプロデューサーさんが見つけた証人も、警察だったらもっと早く見つけられたでしょう」
涼「だから橋本さんに早い段階で目をつけていたんだと思います」
貴音「そう……この事件には最初から不必要だったんです」
貴音「名刑事も……名探偵も……」
涼「これで謎は解けました」
貴音「皆の「あいでぃー」を外してください」
佐藤「嘘だ……うそだ……玲子がそんな……嘘だぁ!!」
「嘘じゃないわ」
貴音涼「「!!」」
橋本「ふふっ」
貴音「やはり生きていましたか「橋本 玲子」!」
佐藤「玲子!?玲子か!?」
橋本「あなたじゃ頼りなかったのよ。あたしのパートナーとして」
橋本「それに東尾くんもね。彼は暴力だけ……長く居ると、あたしのほうが危ないわ」
橋本「佐藤くんは気が小さすぎるわ。それに話すことと言えば、自慢話ばっかり」
橋本「面白くないのよ!」
橋本「探偵役を集めて、あたしの罪を被ってくれそうだったから、生かしておいたけど……」
橋本「それも今日で終わり!」カチャ!
橋本「三笠さんが管理しているあなたの財産、あたしが使えるようにしてもらったから」
佐藤「三笠さんは……」
橋本「三笠さんも終わったわ。怪盗マーズにしてやられた……」
橋本「結局生き残るのは……あたしだわ!」スチャ!
貴音涼「「!」」
涼「く!」(盾を出す)
パァン! パァン!
貴音「なんとか耐えましょう。必ず隙が出るはず……」ボソボソ
涼「はい!」ボソボソ
貴音「弾切れの瞬間があるはずです……」ボソボソ
橋本「…………」パンッ! パンッ!
橋本「あら?」
涼「今だ!」
橋本「ふふっ」
貴音「!ダメです。まだ!」
パンッ
橋本「あら、よくわかったわね」
涼「うわっ!」
貴音「涼殿!」
涼「大丈夫。痛みで思ったより飛び出せなかったから、かわせました……」
橋本「ごめんねぇ。私両利きなの」
貴音「くっ……」
涼「貴音さん。僕が囮になって突撃します」ボソボソ
貴音「しかし涼殿は足が!」ボソボソ
涼「このぐらい大丈夫です。それにこのままだとジリ貧です」ボソボソ
涼「一か八かでやりましょう!」ボソボソ
貴音「……わかりました」ボソッ
橋本「作戦タイムは終了かしら?」パンッ!
涼「うおぉぉぉおお!!!」
橋本「盾を持って突進?じゃ左かしら」パンッ パンッ パンッ
貴音「残念ながらそっちは槍です!」シュ!!
橋本「え!?右から!?ぐ!!」バタッ
貴音「……ふぅ、あぶないところでした」
佐藤「玲子?玲子!!」
涼「やった!」
貴音「涼殿のおかげです」
涼「いえ、それより早く解除を!」
貴音「そうですね……外してもらえますか、佐藤殿」
佐藤「…………」
貴音「解除させてもらいます」カチッ
『ERROR』
貴音「え!?」
涼「どうしました!貴音さん!」
涼「エラー?」
貴音「あれです。流れ弾が画面に!」
涼「最後までややこしいことを……」
貴音「涼殿!頼みます!」
涼「やってみます!」カタカタカタカタ!!
涼「貴音さん。まだエラーのままですか!?」
貴音「えぇ、変わりありません」
涼「くそ……」カタカタカタカタ
涼「あぁ!やっぱり時間で設定してあります!」
——ワンダーランド内 レストラン
美希「ハニー!!!!」ダキッ!!
春香「プロデューサーさん!」
真「プロデューサー!」
雪歩「プロデューサーさん。お疲れ様ですぅ」
伊織「遅いわよ!伊織ちゃんを待たせるなんていい度胸してるわね!」
やよい「プロデューサーさん、お帰りなさいですー!」ガルーン
響「遅いぞー!」
あずさ「お帰りなさい〜」
愛「あ、こんばんは!765のプロデューサーさん!!」
絵理「こんばんは。お疲れ様です?」
千早「お疲れ様でした。プロデューサー」
P「あぁ、みんな無事みたいだな……」
P「ってあれ、亜美と真美は……?」
律子「お疲れ様です、プロデューサー殿。実はですね……」
——律子説明中
P「そうか。そんなことが……」
律子「なんとか今、亜美と私で慰めてたんですが……やはりショックが大きいみたいで……」
P「わかった。俺も行こう」
P「亜美、真美。戻ったぞ」
亜美「あ!兄ちゃん!お→そ→い→!」
亜美「ほら真美!兄ちゃん帰ってきたよ!」
真美「……兄ちゃん?」
P「あぁただいま。事情は聞いたよ」
真美「そう……真美……真美……」
P「真美。言葉に出さなくていい」ダキッ
真美「え?ちょっと兄ちゃん!///」
P「真美が気にすることなんて一つもない。でもすぐに忘れろっていうのは難しいだろう」
P「だから明日のライブで魅せつけるんだ。真美は亜美とは全然違う。双子とかそんなの関係ない。真美は真美ってのを見せてやるんだ」
真美「兄ちゃん……」
真美「うん、わかった……真美、頑張るから……」
P「よし、じゃ戻ろう!」
響「プロデューサー。ところで、貴音はどうしたんだ?」
P「あぁ貴音はちょっと別行動取っててな。あと30分くらいで戻るってさ」
響「そうなのか」
伊織「ねぇ、ところであの人。あんたの知り合い?警察の人みたいだけど」
やよい「夕飯ご馳走してくれましたー!ありがとうございますー!」
P「え?あぁ、どうも」
警察官1「いえ、大丈夫です」シクシク
北斗「チャオ☆プロデューサーさん」
翔太「どうも。765プロのプロデューサーさん」
P「あれ?なんで君等がここに」
北斗「エンジェルちゃんに頼まれましてね」
P「なるほど」
小鳥「プロデューサーさん、お疲れ様です」
P「音無さんまで?今日オフじゃありませんでした?」
千早「そこは触れないほうがいいです」
小鳥「ピヨォ……」シクシク
警察官1「プロデューサーさん。ちょっと」
P「あぁはい」
警察官1「この辺の客とレストランの従業員全員退去させました」
警察官1「あとはここにいるアイドルの皆さんと我々警察だけです」
P「わかりました。ありがとうございます。ついでに今日のことは口外にしないでいただけると……」
警察官1「えぇもちろんです。ただしあとでサインください」
P「もちろん。全員分渡しましょう」
——ブルーキャッスル 依頼人の部屋
『ERROR』
涼「くぅ……またエラー!」
佐藤「……秘密を共有することで、男と女の中は深くなる」
佐藤「一番深い秘密は、愛する女性と犯罪を共有することなのさ……」
佐藤「だから……現金輸送車を襲うのが玲子への愛情表現だった……」
佐藤「だが……東尾が警備員を撃ったために、私の完璧な計画がすべて台無しに……!」
貴音「完璧なんて、どこにもありません」
貴音「絶対にどこかで歯車は狂うのです」
貴音「それを無理やり進めてすべてを壊すか、一度止めたのち治してうまく噛み合わせるかはその人次第なのです」
貴音「あなたは怖かっただけでしょう」
貴音「再び最初から始めることが!」
佐藤「そうかも……しれないな……」ガクッ
涼「貴音さん。一度再起動してみました!」
貴音「いけそうですか!?」
涼「えと……」カチッ
『ERROR』
涼「くぅ……」カチッ
『ERROR』
涼「じゃあこれは!」カチッ
『Linked at Time』
貴音「これは?」
涼「時間とつながってるって意味です!」
——ワンダーランド内 レストラン
千早(四条さんが戻ってきてないということは、まだ爆弾は解除されてないということ……)
千早(お願い……みんなを……)
春香「大丈夫?千早ちゃん」
千早「え?あ、大丈夫よ」
春香「そう?昼間も倒れちゃったんだし、ちょっと心配になっちゃって」
千早「大丈夫よ。あの時みんながいたし、じゅうぶん休めたわ」
——ブルーキャッスル 依頼人の部屋 午後9時56分
涼「あ!もしかして無線LANで繋がってるのかも!」
涼「それがダメになってるなら、直接繋げば!」
貴音「手伝います!」
涼「よし、復活しました!」
貴音「早く解除を!」
涼「はい!」カチカチ
涼「パスワード……」
貴音「佐藤殿。「ぱすわーど」を……!」
貴音「気絶してるみたいですね……事故の後遺症でしょうか」
涼「大丈夫です。パスワードリマインダーがあるので」カチッ
『あなたの一番愛する人の名前は?』
貴音涼「「愛する人?」」
——ワンダーランド レストラン内 午後9時59分
P「どうだ?みんな、今日は楽しめたか?」
亜美「ちょ→楽しかった!でもハイパードラゴンに乗れなかったのがな→」
やよい「あのお化け屋敷も怖かったよねー」
真美「あのロケットのやつもすごかったYO!」
——ブルーキャッスル 依頼人の部屋 午後9時59分20秒
涼「愛する人……「橋本玲子」!」カタカタカタカタ
『パスワードが違います』
涼「えぇ!?」
涼「橋本玲子じゃないの!?」
『次にパスワードを間違えるとシステムが終了します』
涼「時間がないよ!」
貴音「っ……」
貴音(どなたでしょう……佐藤殿が愛してる人間……?)
貴音(!)
『橋本「それに話すことと言えば、自慢話ばっかり」』
『佐藤「だが……東尾が警備員を撃ったために、私の完璧な計画がすべて台無しに……!」』
貴音「わかりました!「ぱすわーど」は!」
貴音「「佐藤 孝」です!」
涼「え!?はい!」カタカタカタカタ
涼「あ!出ました!これを移動して!」カチッ
ピッ
——午後9時59分58秒
『タイマーは解除されました』
貴音「ほっ……」
涼「はぁ……」
——ワンダーランド内 レストラン
P「よくやった!本当によくやった!」
貴音『すべて涼殿のお陰です』
貴音『時間は解除できたのですが、「えりあ」による起動は解除できなかったようです』
貴音『なので「あいでぃー」は皆の物すべて回収してください』
P「わかった。すぐに回収する!お疲れ様」ピッ
——ブルーキャッスル 依頼人の部屋
——ブルーキャッスル 依頼人の部屋
貴音「ふぅ。これでひとまずは安心です」ピッ
佐藤「四条くん。それに秋月くん……」
貴音涼「「?」」
佐藤「君たちは最高の……探偵だよ……」
貴音「……あなたは最低な人間ですね」
佐藤「……ふっ」
キミタチ! ダイジョウブカ!
——ワンダーランド レストラン
亜美「え→?もう終わりなの?」
響「遊びたんないぞー!」
警察官2「いやーもう終わりですし……」
小鳥「ハンカチ、ハンカチっと……あれ?」
小鳥「無くしたとおもってたのに。このID」
小鳥「なんかペンキ付いてる……いつ付いたのかしら?」
警察官2「はい。回収です」パッ
小鳥「え!?私のは違……」
『本日はご迷惑をお掛けしました。ただいまハイパードラゴンの修理が完了しました。閉園時間を過ぎていますが、最後に一回だけ運転します』
春香「え?やったー!!」ピョンピョン
亜美「サイコ→!」
——ブルーキャッスル スイートルーム
貴音「大丈夫ですか?涼殿」
涼「はい。打撲みたいなんで、2、3日安静してろと今言われました」
涼「そういえば、佐藤さんはどうして僕達を区別できたんですかね?」
涼「事故の後遺症で、目が見えなかったみたいですし……」
貴音「それですか。正解は指ですよ」
涼「指?もしかして指紋ですか?」
貴音「えぇ、あの椅子にどうやら指紋認証機械があったようなのです」
貴音「伊織があの部屋の模様にあの椅子はあってないと言っていたので、それで気づきました」
涼「さすがですね……」
貴音「では、行きましょうか。皆のところへ」
涼「はい!やっと安心できます!」
涼「あの貴音さん?」
貴音「なんでしょう?」
涼「おんぶはちょっと恥ずかしいんですけど///」
貴音「涼殿は怪我人なのです。それに安静にせねばなりませんので」
涼「うぅ……///」
——ワンダーランド ハイパードラゴン前
響「あ、貴音!おかえりだぞ!」
貴音「ただいま戻りました」
律子「あら、なんで涼がおんぶされてるのかしら?」ニコニコ
涼「い、いや……律子姉ちゃん。これにはわけが……」
亜美「お、鬼軍曹が……」
真美「怒ってらっしゃる……」
警察官2「例のID全部回収終わりました。数も合ってます」
警察官1「ありがとう。爆破処理班にまわしてくれ。気づかれないように」
警察官2「はい」
——ハイパードラゴン
座席
前 亜美 真美
やよい 伊織
真 雪歩
春香 美希
千早 あずさ
涼 律子
響 貴音
小鳥
愛 絵理
後 北斗 翔太
Pは関係各所に謝罪中
『行ってらっしゃーい』
真美「ヒャッホ→!」
やよい「た、高いですぅ!」
伊織「ふん!こ、こんなの子ども騙しよ!」
真「楽しみだなぁ!」
雪歩「ま、真ちゃん。手つないでくれる?///」
春香「ジェットコースターですよ!ジェットコースター!」
美希「さぁ高くなってきたの!」
あずさ「飛ばされないように気をつけなきゃ〜」
千早「なんだか久しぶりね」
律子「涼。ここ、パンツも売ってるそうよ?」
涼「ちびらないよ!?」
響「わくわくするぞー!」
貴音「これが「じぇっとこーすたー」ですか……」
小鳥「ピヨ!みなぎってきた!」
愛「もうすぐだよー!!」
絵理「今日のネタになりそう」
北斗「チャオ☆」
翔太「冬馬くんだけ仲間はずれだねー」クスッ
亜美「さぁ皆、準備はいいかい?手を挙げろ→!」
全員「おぉー!」
涼「元気ありまってるなぁ……」
律子「ま、明日はオフなんでしょ?楽しみなさい」
涼「うん……ってあれ?」
涼「春香さん!腕!!」
律子「何よー、急にはしゃいじゃって!」
涼「春香さん!腕にIDが!」
貴音「春香!腕の「あいでぃー」を!」
春香「え?なんか言った?」
涼「このままだとエリア外にでちゃいますー!」
千早「くっ」ガシッ
春香「ふぇえ!?千早ちゃん!?」
千早「動かないで!」
春香「は、はい!」
千早(よし、もう少しで……え?)
グワァァアアアア
キャーー!
千早「きゃあ!」
ポロッ
涼「あわわわわ!」
涼「よし!」キャッチ!
グォォォォ!!
涼「ん?あれ!?貴音さーん!」
貴音「後ろの席です!」
ピピピピピピ!!!
貴音「小鳥嬢!」
小鳥「はやいぃぃぃいいい!お化粧がぁぁぁああ!」
貴音(まずい!)
貴音(小鳥嬢は聞こえてないみたいですし……)
貴音(こうなったら安全ばーを外して)グググ!
涼「ダメです!貴音さん!」
涼「この安全バーは全部連動してるから、ひとつ壊したら全部が!」
貴音「!」
貴音(どうすれば……!)
キャー!
マーズ「…………」ビュー
涼(あれは!)
貴音(まぁず!)
マーズ「…………」カチッ
マーズ「…………」ピュー
ドォーーーーン…………
マーズ「……ふっ」ピュー
亜美「もうサイコ→だよ→!」
真美「花火も見れるとはね→!」
美希「いいサービスなの!」
春香「私、なんか楽しめなかった……」
涼「どうしてマーズが……」
貴音「捜査途中から一緒にいたのですよ。私達とともに」
涼「えぇ!?」
——【偶像たちの鎮魂歌】 Fin.
——2011/04/23 21:00 765プロ事務所
P「みんな今日のライブ、お疲れ様!最高だったよ!」
全員「お疲れ様です!」
P「いやー、昨日今日は慌ただしかったけど、無事成功してよかったよ」
春香「その前にプロデューサーさん。質問があります」
伊織「どうして今日!ライブ以外の仕事があったのよ!突然言われてビックリしたじゃない!」
律子「そうですよ、プロデューサー殿。まさかアトラクションの案内係や手伝いをするなんて……聞いてませんよ!?」
P「いやそれはだな……」
千早「どういうことか説明してください」
響「自分、きぐるみを着ることになるとは思ってなかったぞ!」
美希「美希は響と同じ場所で風船配ってたの。きぐるみは着てないよ?」
貴音「私はお化け屋敷にて、お化け役など……私自身が怖かったのですよ!」
真「僕はメリーゴーランドの案内でしたけど、どうして執事服だったんですか!」
雪歩「私は絶叫系アドベンチャーゲームの案内係でした。やよいちゃんと一緒だったので、なんとか出来ましたけど……」
やよい「雪歩さん、時々スコップ出しそうになってたから、頑張って止めてました!」
伊織「んで私は、雪歩とやよいのいる場所の記念写真案内。ふざけてるのかしら?」
真美「真美達はあずさお姉ちゃんと一緒に迷子センターでの預かり場所」
亜美「ゲームできたのはよかったけど、子守が大変だったよ→」
あずさ「迷子センターは久々に入ったわね〜まさか自分が働くとは思わなかったけど〜」
千早「私は園内放送の係でした。意外と疲れるんですね……」
春香「私は入り口の園内案内役でした……」
律子「私はプロデューサー殿と会場の準備とかしてたんで直接な被害はないんですけど、聞かされてなかったってのは大問題じゃないですか?」
P「えっとだな。実は前々からやることは、こっちも承知していて、前日に話そうとしたんだが……ちょっと忙しくてだな……」
P「イベント内容としては、せっかくアイドルが来てるなら、園内にばらつかせて、全員見つけた人にはホテルの宿泊券プレゼントだということだったらしい」
P「ちなみに正解者は3人だった。ぶっちゃけ響と千早を見つけるのは無理だと思ったんだが……」
全員「そういうことじゃない!!(です!)(の!)(ですぅ!)(わ!)(ぞ!)」
P「ごめんなさいぃぃぃいいい!」スライディングドゲザ!!
——なんやかんやあって解散。送迎中
P「えっと、最後は春香、千早、美希か」
P「スマンな。遅くなっちゃって」
美希「あふぅ……別に平気なの」
千早「けど少し疲れましたね……」
春香「明日は生っすかだけでしたよね?」
P「あぁそうだ。じゃ先に車に乗っててくれ」
千早「はい」テクテク
春香「あ、私お手洗いに……」
P「わかった」
P「ほれ、美希も」
美希「あと5分なの……」
P「起きろって……」
美希「動きたくないのー」
P「まったく……めずらしく疲れ切ってるんだな……」
P「それでも俺はお前を起こさなければならない」キリッ
P「ほら、起きろ」
美希「んー……わかったの……」
美希「あれ?ハニー、頭になんかついてるの」
P「え?どこだ?」ワシャ
美希「美希が取ってあげるの」
P「あぁ頼む」シャガム
美希「えいっ」
美希「えっ?」ズルッ
P「えっ?」
春香「お待たせしまし……」ガタッ
チュ
P「!?」
春香「!?」
美希「あ……おでこに当たっちゃった……」
P「おい美希!」
美希「ごめんなさいなの!」
P「まったく……事故だからいいけど、気をつけろよ……」
美希「ハニーのおでこに……チューしちゃったの……///」
春香「ぷ、プロデューサーさん?」
P「あ……春香」
P「い、今のは事故だから!美希がスベっただけだから!勘違いするなよ!」
春香「大丈夫ですよ、プロデューサーさん。ちゃんと見てましたから」
P「あ、あぁ。じゃ、じゃあ行こうか。千早の家で降ろせばいいんだな?」
春香「はい!」
P「千早も待ってるし、早く行こう。ほら、美希も」
美希「は、はいなの!///」
P(大丈夫だよな……?)
——2011/04/28 13:00 とある公園
真美「やっほ→はるるん。待った?」
春香「いや平気だよ。どうしたの、突然?」
真美「……いや、この前さ。真美、人質になったじゃん?」
春香「……この前って遊園地のこと?」
真美「うん……あの後、亜美や律っちゃん、兄ちゃんが励ましてくれたから、なんとかライブも出来たけど……」
真美「あれからずっと考えてたんだ」
真美「ファンの人が、みんな真美より亜美がいいとか、真美は亜美がいなきゃここまで来れなかったんじゃないか、って思ってるんじゃないかなって考えちゃって……」
真美「なんかさ……全部嫌になっちゃった気分なんだ……」
春香「そんなこと……!」
真美「でもはるるん。大切なファンがみんな他の人のファンになって、誰も真美を見てくれなくなったらって考えたら……」
真美「そしてそれが亜美とかのファンになってたら……どうすればいいの……?」
春香「それは……」
真美「実はさ、事務所に来てるファンレター、何通か先に読んじゃったんだ。真美宛の」
春香「え?それは読んでもいいんじゃないの?」
真美「違うよ、はるるん。ピヨちゃんや兄ちゃんがチェックする前の手紙を読んじゃったんだ」
春香「!」
真美「真美はファンの人にこう思われてるってさ……リアルで感じちゃったんだ……」
真美「なんだか、ショックだったよ……」
真美「だいたいは亜美のほうがいいとか、あの犯人が言ってた通りだったよ……」
春香「そんなのイタズラだよ!!」
真美「もういいよ。はるるん」
真美「はるるんにはわかんないよ。大切なファンを、よりによって仲間に奪われるなんて……」
春香「…………」
春香「…………わかるよ」
真美「え?」
春香「私のはちょっと違うけど、大切な人を……友達に奪われるかもしれないと考えたこと、あるよ……」
春香「すごく嫌な気持ちだった……」
真美「はるるん……」
真美「それって……兄ちゃんのこと?」
春香「!」
真美「はるるんはわかりやすいよ」
春香「え、いや、その///」
真美「じゃあさ……もうこんな765プロを壊しちゃわない?」
春香「や、そんなこと、どうやって……」
真美「ちょっと色々調べたら、簡単だよ」
真美「まぁ一人じゃ難しいかな……」
真美「だから、はるるん。協力してくれない?」
春香「え?」
真美「報酬としてはるるんには、兄ちゃんをあげるよ」
真美「悪くない条件じゃない?」
春香「そんな、私は……」
真美「はるるん?自分の気持ちに正直になって?」
春香「…………」
安価多数決
>>221−>>223
1・春香「……わかった。協力するよ」
(貴音「この事件、私が解決します」に続く。最終的にはバッドエンド。バーローシリーズ終了)
2・春香「……やっぱりそんなのダメだよ!」
(もうちょっとだけ続くんじゃ)
2
2
弐
2・ルート
春香「……やっぱりそんなのダメだよ!」
真美「そう……じゃこれは真美だけでやるよ」
春香「そんなことさせない!」ガシッ
真美「え、ちょっとはるるん!?」
春香「えっと、ケータイ……」
真美「どこにかけるのさ!」
春香「真美は黙ってて」プルルルルル プルルルルル
P『はい、もしもし』
春香「あ、もしもし。プロデューサーさん?」
P『どうした、春香?今日はオフのはずだが』
春香「プロデューサーさん。今、事務所にいますか?」
P『あぁ、今日は事務仕事もたまっててな。事務所にカンヅメだよ』
春香「じゃ今から行きます。待っててください」
P『え?あぁ、まぁいいけど』
春香「失礼します」ピッ
春香「わかったよね。事務所に行くから、真美もついてきて」
真美「はるるん……?」
——765プロ事務所
春香「お疲れ様でーす」
真美「お疲れ様です……」
真美(はるるん、何する気なんだろ……)
P「おう、お疲れー。ん、真美も一緒だったか」
春香「プロデューサーさん!お伝えしたいことがあります!」
P「ん?なんかあったか?」ズズ
春香「私はプロデューサーさんのことが好きです!一人の男性として!!」
P「ぶふぉ!?」
真美「ちょ!?はるるん!?」
春香「私は逃げません!美希にプロデューサーさんを取られそうになっても、諦めません!」
P「は、春香……」
春香「プロデューサーさん!返事をください!」
P「…………これは美希に対しても言ってるが」
P「お前たちはアイドル。俺はプロデューサー。アイドルとプロデューサーが恋愛関係になるのはご法度だ」
P「お前らの好意はすごく嬉しい。信頼関係が築けているってのは、お互いに認め合えている関係だと、俺は考えてる」
P「だからこそ、その信頼関係以上をアイドルであるお前らには求めていない」
P「だから春香の想いには応えられない……すまない……」
春香「……わかりました。でも私はまだ諦めませんから!」
春香「これからもよろしくお願いします!」
P「あぁ……よろしく」
春香「では……ちょっと会議室借りていいですか?」
春香「真美と話がしたいので……」
P「あぁいいよ」
春香「行こっ、真美」
真美「う、うん……」
——765プロ事務所 会議室
春香「…………」
真美「は、はるるん?」
春香「はぁ〜!緊張した!」
真美「はるるんいきなり過ぎるよ!兄ちゃんに……告白なんて!」
春香「あはは、ごめんね」
春香「でも私は向き合ったよ」
真美「え?」
春香「大切な人を奪われそうになっても、諦めない」
春香「取られたら、取り返せばいいんだよ!」
真美「はるるん……」
春香「真美もそう!」
春香「ファンの人が減ったって、悪口言われたって!」
春香「諦めないで立ち向かう!」
春香「そうやって私たちは一歩ずつ前に進んできた!」
春香「だからさ、真美……」ダキッ
真美「ふぇ!?」
春香「ここを壊すなんて二度と言わないで!!」
春香「みんなと……えぐっ……会えなくなるなんて……いやだよ……」
真美「はるるん……」
真美「ごめんなさい……真美、考えすぎてたかも……」
春香「そうだよ……ひぐっ……考えすぎだよ……」
春香「真美は真美。亜美は亜美。それぞれ頑張ってるんだから……」
春香「真美にも、いろんないいとこ、わるいとこがあるんだから……!」
真美「そうだね……」
真美「真美は真美だもんね……」
真美「ありがとう。はるるん……」
真美「気づかせてくれて、ありがとう……」
——Happy End
以上で、終わりです。
ここまで読んでくれた方、また安価してくれた方、ありがとうございました!
読み返しながら、反省してきます。
とりあえずこのSSで一連の流れは一区切りです。
最初、春香と真美を犯人にするという暴挙をしてしまい、もうしわけございませんでした。
はるるん可愛い!真美かわいいよ真美!
乙
次のモチーフは3つ案があります。
せっかくなので、安価で決めたいと思います。
高木「ティンと来た!次は……」
1・高木「876プロを中心に作ろう!」
2・高木「モバマスを中心に作ろう!」
3・高木「やはり765プロを中心に作ろう!」
安価>>242
おつです〜
2+3だな!
3
安価ありがとうございます。
「765プロを中心に作る」に決定しました。
今更の補足ですが、876中心でもモバマス中心でも、お姫ちんは主役です。
次回は765中心なので関係ないですが、876の話でも、モバマスの話でも765プロの出番は一応あると伝えときます。
ちょろっとSSの自己感想
真美と春香のダークサイドへの理由がこんなんでいいのかと悩みつつ、ハードルの下をくぐり抜けた形になってしまった……
ホント申し訳ない。
明日の夜にHTML化依頼しときます。
あらためて、読んでくださり、ありがとうございました!
ずっと待ってて良かった!
最後二人も救われたしほっとした。惜しみない乙を!
>>95
犯罪の意味のクライムなら、crimeじゃないか?climbは登るって意味だったはず
完結済みなのに重箱の隅をつつくようですまない。
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