【艦これ】鈴谷「遅いよ熊野!」 (127)
こんばんは
鈴谷をLv99にすることができ、その記念としてSSを書く事にしました。
まだ初心者でわからないことが多いですがお願いします。
一応注意書き
性的描写はなしです。
鈴谷と熊野がメインです。
書留は少しだけ。
ペース遅め。
二番煎じにならないように祈ります。
作風は前回のものと似たような形でいきます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415538369
【艦これ】熊野「似た者同士」
【艦これ】熊野「似た者同士」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410074489/)
一応前作です。
読んでも読まなくてもどちらでもどうぞ。
では、駄文ですがよろしくお願いします。
―夜
布団に入ってから何時間たっただろう。
まだ窓から見える星が光っていた。
隣は空っぽのベッド。
この広い寝室に一人は少し寂しい。
最近は寝つきが悪い。
ここに配属されてからもう二ヶ月となるのに・・・。
環境に慣れていないということかな。
案外、鈴谷も繊細なんだね。
「熊野、今頃どうしてるかな。」
ピピピッ!
うるさい目覚まし時計のアラームを止める。
いつの間にか寝ていたみたい。
体にはまだ疲れが残っていてだるいけど。
寝れない時は疲れが取れにくい。
鈴谷の一日はアラームを止めて始まる。
寝癖でボサボサの髪を直しに洗面所に行く。
顔を洗い、髪をとかしセットしたらついでに歯も磨く。
歯を磨き終えたら着替え。
指定の制服に着替えたら準備完了。
朝食を食べながら今日の予定を確認。
さて、本日のスケジュールは・・・。
午前中に利根と筑摩とチームを組んで演習。
午後は工廠で建造。
おっ、昼から面白そうなのあるじゃん。
よし。午前中は頑張りますか。
「利根姉さん、今日の演習は鈴谷さんとご一緒だそうです。」
「そうか。相手は誰じゃ?」
「那智さんに羽黒さん、加古さんだそうです。」
「うむ。では参ろうか。」
「はい、姉さん。」
明日、学校なのでここまでにします。
明日も更新するつもりです。
おつ
来いよ熊野! 砲塔なんて捨ててかかって来い!
こんばんは
>>1です。
少しですが再開します。
しかし、鈴谷は元気かのう。
この間見たときは目の下にクマを作っておったし。
体調が良ければいいんじゃが。
早く熊野が着任してくれんと本当に倒れてしまうやもしれん。
演習が終わったら提督に具申するか。
利根姉さん、難しい顔をしていますね。
おそらく鈴谷さんのことでしょう。
この前お会いした時は疲れているように見えましたし。
演習が終わりましたら提督のもとに行きましょうか。
おっそいな~。あの二人は。
利根がのんびりだからな~。
筑摩は後ろをついて行くだけだし。
もう相手の那智たちは来てるし。あの人を除いて。
早く来ないかな~。
「鈴谷、まだか利根たちは。」
ん、この気が強い声は。
「まだだよ。一緒には来なかったからね。」
「まったく、利根が遅いのはともかく、筑摩が遅いのは気になるな。」
「那智お姉ちゃん、利根さんのことも心配してあげてください。」
那智の後ろから気弱な声だ。
「鈴谷さん、おはようございます。」
「チッース。」
羽黒は相変わらずオドオドしてるな~。
でも笑顔が可愛い。
ガチャ
「遅れてすまん。」
ようやく利根たちが来た。
「遅いぞ、どこで道草をしていたんだ。」
那智が怒鳴りながら利根に詰め寄る。
「まあまあ、那智さん。そんなに怒らないでください。」
「那智お姉ちゃん、筑摩さんの言うとおりですよ。
こうして何事もなく来たんですから。
お姉ちゃんも心配してたんですよね。」
羽黒にそう言われると那智は顔を少し赤らめた。
「なっ、何を言っているんだ羽黒。
私はそんな・・・。」
羽黒がなだめようとしている。が、
「そうか、そんなに吾輩のことが心配じゃったか。
お主も可愛いとこがあるの~。」
さすが火に油を注ぐことでは右に出る者はいない利根。
「な、そもそも貴様が遅れたのが・・・」
あー、始まった。筑摩は微笑んでいるだけで助ける気がなさそうだし、
羽黒は羽黒で那智の迫力で泣きそうになっているし。
ん、そういえば誰かまだ来ていないような。
今日はここまでにします。
明日はレポートを書かなくてはならないので更新できるかわかりません。
>>1です。
レポートが終わりません。
今日いっぱいかかりそうなので、明日更新します。
すみません。
こんばんは>>1です。
イベント始まりましたね。
イベントやりつつ更新しようと思います。
お願いします。
「もう加古ったら遅刻じゃない。」
この人もそうだった。
「あ、ちょっとこんなところで寝ないでよ。那智さんが怒るよ。」
「あと・・・十分~。zzz。」
あ、寝た。
古鷹が加古をおんぶしながら演習場に来た。
加古は古鷹の背中で気持ちよさそうに寝ている。
「皆さん遅れてすみません。」
古鷹が申し訳なさそうに入ってきた。
「加古、貴様もか。」
利根に説教をしていた那智が加古が来たことに気がついた。
「早く起きろ。」
眠たそうな目をこすりながら、
「那智~、そんなに怒ると眉間に皺がつくよ~。」
・・・訂正。こいつもだ。
「加古!」
那智の顔が真っ赤だ。あ~、もうしばらく続きそうだ。
「鈴谷さん、羽黒さん。私たちは向こうに行きましょ。」
筑摩も察したようだ。
羽黒はまだ那智を止めようとしていたが、筑摩の言葉で諦めたみたい。
今日の演習はできるのかな。
今日はここまでにします。
E1終わりました。
扶桑姉妹がそろった~(二組目)
明日も頑張ろう。
こんばんは>>1です。
E3までクリアすることができました。
攻略の続きは明日ですね。
少しですが再開します。
あれから那智に怒鳴られ続け、見かねた筑摩が助けてくれたが、
「もう少し早くても良かったのではないか、筑摩。」
「ふふ、たまにはいいじゃないですか。那智さんは少し嬉しそうでしたよ。」
「それはそうじゃが・・・」
あの時の那智の顔は少し嬉しそうだった。
「それはそうと姉さん。これから執務室に行こうと思いますが、
姉さんはどうします。」
「筑摩もか。一緒に行こうか。」
「はい。」
「ということでな提督。早く鈴谷を熊野に会わしてやってくれんか。」
無茶なことだということはわかっている。
「私も、そうしてやりたいと思っているのだが・・・」
提督も何とかしてやりたい一心で毎日、捜索をしていることも知っている。
「提督が頑張っておることは承知の上じゃ。しかしだな、このままでは鈴谷が
体を壊してしまう。」
私だって何とかしてやりたい。海域の捜索だって毎日しているし、
建造で試したこともある。
だが、無情にも熊野は着任してくれない。
鈴谷が限界に近いこともわかっている。
こうして利根や筑摩、みんなが心配していることも知っている。
「昼からは鈴谷に工廠で建造の任務を任せてある。
今日はそれに祈るしかないな。これで来てくれないなら、
また明日にでも海上での捜索を始めようと思う。」
「そうか。」
利根がそう言うと筑摩とともに執務室から出て行った。
二人ともやるせない顔をしていたな。
今回はここまでにします。
またイベントがんばろ。
おつ
こんばんは>>1です。
無事にイベントを終えることができました。
明日学校なので今日は更新をしません。更新できれば明日します。
こんばんは>>1です。
少しですが書き貯めを更新します。
あれから筑摩が那智をなだめて演習が始まった。
二時間遅れで。
そのおかげでもう十二時を過ぎていた。
お腹減ったな。
今日は間宮で食べよっと。
さすがに時間が遅いからか、間宮に人はいなかった。
鈴谷だけだ。
さて、ランチAセットにしよ。
頼んだものを受け取り、席に着いて食べていると羽黒が来た。
「鈴谷さんお隣いいですか。」
「いいよ。」
「おっ、羽黒もAセットにしたの。」
「はい・・・」
ん、何か元気がないな。
「あの鈴谷さん。」
「なーに?」
「先程はすみませんでした。」
「え、なんで謝るの。」
「お姉ちゃんのせいで演習の時間を遅らせてしまって。」
気にすることでもないのに。当の本人なんかどうでもいいと思っているし。
それに遅れたのは利根と筑摩のせいだってあるのに。わざわざ誤りに来るなんて。
まあ、そこが羽黒のいいところだからいいんだけどね。
ここまでにします。
明日はレポートを書くので更新できるかわかりません。
>>1です。
少しですが更新していきたいと思います。
「気にしなくていいよ。鈴谷気にしてないし。」
「で、でも・・・」
これじゃ、埒があかないな。どうしようか。
「わかった。じゃこうしよう。また演習に付き合ってくれる?
これで今回はチャラっということでどう?」
「え、で、でも・・・」
「鈴谷がいいって言ってるからいいの。わかった?」
「・・・はい。」
無理やりだけどいっか。こうでもしないと永遠とこの話題を
羽黒と付き合っていかないといけないような気がしたし。
「ふふ。」
「どしたの。」
「やっぱり、鈴谷さんってすごいですよね。」
「?」
今日はここまで
おつ
>>1です。
少し更新します。
―
あれから羽黒と一緒に昼食を食べて、今は工廠に向かっているところ。
それにしても廊下を歩いていて誰とも会わないな。
腕時計を見ると十三時を過ぎていた。
午後の任務をしている娘が多いということかな。
どうりで誰ともすれ違わないわけだね。
さて、工廠に着いた。
今日は明石と夕張はいないみたい。
入口の前に外出中の札がかかっていた。
ということで、今は鈴谷しかいない。
一人占めだ~♪
・・・こんなことをしているんじゃなかった。
今日こそは熊野に会うんだ。
ではでは、建造を始めましょう。
今日はここまでにします。
おつでち
>>1です。
少し更新します。
まずは資材をセットして、資源を投入っと。
ここからは妖精さんのお仕事です。
「あとはよろしくね。」
妖精に頼み鈴谷は工廠にある休憩室に行った。
工廠での任務をしていて、時間があるときはいつもここに来ている。
初めて工廠での任務をしたときは見るものすべてが珍しくて眺めていたけど、
それも最初のうちだけ。
今ではここで時間を潰している。
さて、今日は何で暇をなくそうか。
一冊の雑誌を棚から取り出し椅子に座った。
雑誌だけここはとてつもなく多い。
図書館並みの品揃えとはいかないにしても、
雑誌の種類だけに限れば引けを取らないと思う。
・・たぶん。
ここまでにします。
続きは明日の明るいうちに・・・
おっつおっつ
乙です
>>1です。
のんびり更新していきます。
ここにいると街では何が流行しているのかわからない。
だから雑誌とかで流行りをチェックしている。
まあ、あまり使わないことではあるけど。
でもやっぱりこういうのには敏感でいたいじゃん。
あ~あ。
熊野がいたらこういう話もできるんだろうな。
最上姉さんや三隈姉さんとは趣味が違うから話が合わないんだもん。
半分くらい読んだところで眠くなってきた。
昨日もあまり寝れなかったし、午前の演習の疲れもあると思う。
少し横になろうかな。
ソファもあることだし。
ソファに寝転がるとまぶたが重くなってきた。
寝すぎるといけないから携帯のアラームをセットして。
おやすみ~。
・・・Zzz。
―
ん、誰だろ。あれ?
鈴谷こんなのかけていたっけ?
「鈴谷さん。」
この声は。
「こんなところで寝ていたら風邪をひますよ。」
「鳳翔さん?」
「まったく、提督から様子を見てくれと言われて来てみたら、
そんな薄着でここで寝ているんですもの。来て正解でしたね。」
どうしてここに、と聞く前に答えてくれた。
提督からか。
「あ、鳳翔さんこれ。ありがとう。」
「いえいえ。」
鳳翔にタオルケットを返して建造のほうを見てみた。
まだ作業は終わってないみたい。
「鈴谷さん、体調の方はいかがですか。」
「どこも悪いとこはないと思うけど。」
「そうですか。ここで寝るほど普段は寝ていないものかと。」
この人はいつも鋭い。誰に対しても親切で、
みんなのことを気にかけてくれる。
そして鈴谷は本音を当てられるとイラッとするわけで、
「はあ。そうですよ。昨日も寝れませんでしたよ。」
鳳翔は悪くないけど少しぶっきらぼうに返してしまった。
「熊野さんのことが心配ですか。」
「・・・うん。」
それから鳳翔は口を開かなかった。
乙です
三十分ぐらい沈黙が続いたあと居酒屋の準備があるということで
鳳翔は工廠から出て行った。
去り際に、
「今日は楽しみに待っていますよ。
鈴谷さんが来るまで開けておきますから。」
と、微笑みながら手を振ってくれた。
あの人は何を考えているのかよくわからない。
―
建造はまだ終わらない。
開発だと一回につき三十分程度で早いんだけど、
建造はバラつきがある。
最短で十八分、長いと半日と幅が広い。
今回はどうやら長引きそう。
鳳翔が出て行ってからまた眠くなってきた。
妖精には悪いけどまた寝させてもらうことにしよう。
再び休憩室のソファで目を閉じた。
―
目を開けると暗闇から急に明るくなりました。
ここはどこでしょう。
周りには小さな生き物がたくさんいますわ。
私はどこで何を・・・。
そしてここは一体・・・。
思い出そうとしても何も思い出せません。
確か自分は暗く深く、そして冷たい海の底へと沈んでいったはずです。
そう、敵の砲撃や爆撃にさらされて沈んだはずです。
そしていつの間にか小さな生き物はいなくなっていました。
―
何やら騒がしいな。
眠たい目を開けると妖精が建造が終わったことを言いに来たみたい。
「ご苦労さん。」
一言妖精にお礼を言って持っていた飴をあげた。
さて、今回はどんな娘ができたのかな。
―
コンコン。
扉をノックする音がします。
誰でしょう。不安だけが心の中を支配しています。
ガチャ。
眩しい・・・。
扉を開けて見えた光景は一瞬、理解することができなかった。
やっと、やっと会えた。
あの海で別れてからずっと会えることを祈って。
「熊野ー!」
扉が開けられたと思ったら、青髪が綺麗な娘が抱きついてきました。
いろんなことが目の前で起こりすぎて処理が追いつかないです。
とりあえず聞かないと。
「あのう、ここはどこなんですか。」
熊野からの質問で我に返った。
鈴谷としたことが取り乱しちゃったみたい。
「ああ、ごめんごめん。ここはね、鎮守府の工廠なんだ。
熊野は今さっき建造されたんだ。」
建造・・・?
ということは私はついさっきできたばかりで、
余計に分からなくなってきましたわ。
「あなたは誰ですの?」
「私は鈴谷だよ。」
鈴谷。あの戦争の時の戦友も確か鈴谷という方でした。
「鈴谷?あなたがあの時沈んでしまった鈴谷なんですの?」
「そうだよ。久しぶりだね。」
「・・・。」
今度は私の方から抱きつきました。
顔から流れる涙を鈴谷に見せないように。
鈴谷の顔は見えませんでしたが、頭を優しく撫でてくれました。
「落ち着いた?」
「もう大丈夫ですわ。」
熊野が落ち着いたみたいだから簡単に説明をした。
ここがどこなのか。どうして人の体になっているのか。
今はどういうことになっているかなど。
熊野は納得していないみたいだけど。
「大体のことはわかりましたけど・・・。ここの提督はどこにいらっしゃるの?」
「今は執務室じゃないかな。・・・そうだ、挨拶に連れて行かないと。」
うっかりしてた。完全に忘れてた。
まあ、今から行っても遅くないよね。
「んじゃ行こっか。」
「ここが執務室。」
「緊張してきましたわ。」
「じゃ開けるよ。」
「あ、ちょっとま・・・」
熊野が言い終わる前に扉を開けた。
ガチャ。
「チッース。どう提督、調子は。」
「まずまずだな。鈴谷は何かいいことでもあったのか。
顔が緩んでるぞ。」
おっと、顔に出てたか。
「えへへ。わかる?」
「何があったのかは知らんがな。」
「ご機嫌な鈴谷が新しい艦娘を連れてきたよ。
ではどうぞ!」
・・・。
なかなか来ないな。
ガチャ。
ゆっくりと扉が開き、そろそろ入ってきた。
「ごきげんよう、わたくしが重巡、熊野ですわ!」
おしまい。
最後が雑になりましたが以上です。
後日談としてこのSSに登場した鳳翔さんのことを一つ話として考えていますが、
需要がありましたら書こうと思っています。
どうでしょうか?
ちなみに短めです。
おつとう
出来れば欲しい
読みたい
乙です
おはようございます。>>1です。
昼から用事があって出かけるので
夕方から書いていきたいと思います。
内容は鈴谷と熊野が鳳翔のところへ行くというものです。
よろしくお願いします。
こんにちは。>>1です。
ゆっくりと進めていきます。
こんにちは、鳳翔です。
私は今、居酒屋『鳳翔』の暖簾の片付けをしています。
中の片付けは?って。
ふふ。今日はまだお客さんが来るかと思いますからしていません。
もちろんある程度の片付けは済ませてあります。
今日はあの人にとっての記念の日になりそうです。
居酒屋『鳳翔』を始めた理由は提督の提案でした。
今では戦線を離れて一人でここを切り盛りしていますが
本当に良かったのか気になります。
時計を見るといい頃合なので
仕込みを始めます。
さて、何にしましょうか。
―
鎮守府の外は真っ暗だ。
提督に挨拶を済ませた熊野と一緒に『鳳翔』に向かう途中。
鳳翔にあんなことを言われたら行くしかないっしょ。
ということで何も知らない熊野の手を握りしめて、レッツゴー!
―
鎮守府の外は真っ暗だ。
提督に挨拶を済ませた熊野と一緒に『鳳翔』に向かう途中。
鳳翔にあんなことを言われたら行くしかないっしょ。
ということで何も知らない熊野の手を握りしめて、レッツゴー!
提督からはみなさんにご挨拶をするのは
明日の朝礼の時と言われましたわ。
ただでさえ初めての環境なのに前で自己紹介など
考えただけで緊張ものです。
今は鈴谷に連れられて外にいます。
一体どこへ行くのやら。
鎮守府から『鳳翔』までは一本の道をずっと歩いたところにあるんだ。
夜で暗いけど星が道を照らしてくれるから大丈夫。
熊野にペースを合わしているからだいぶ遅いけど。
ずいぶんと歩きました。
「鈴谷、どこに行くのかぐらい教えてくださいな。」
「内緒だよ~。」
いくら聞いてもウヤムヤで返ってきます。
こんな暗い道、転んでしまいそうで心配ですわ。
・・・。一つ明かりが灯っている家を見つけました。
さあ、『鳳翔』の前にやってまいりました。
「鈴谷ここは?」
「ここがね熊野を連れてきたかったところなんだ。」
「居酒屋っぽいところですね。」
「そうだね。というか居酒屋だね。」
「暖簾がありませんけど、もう閉まっているのではなくて。」
「大丈夫、鳳翔さんがね開けておいてくれるって言ってたから。」
―
仕込みが終えました。
あとは鈴谷さんたちが来るのを待つだけです。
・・・。
あ、来たみたいですね。
ガラガラ。
「こんばんは、鳳翔さん。」
「こ、こんばんは。」
鈴谷さんの後ろにいるのが熊野さんのようです。
とても可愛らしい方ですね。
「お待ちしていましたよ。熊野さんははじめまして、ですね。
私がここ『鳳翔』の女将をしています鳳翔です。」
「こ、こちらこそはじめまして。今日ここに着任しました
熊野ですわ。これからもよろしくお願いします。」
初々しいですね。提督に挨拶はもう済んだみたいですし
明日が大変ですね。ここの恒例ですけど。
「そんなことより鳳翔さん。お腹すいた~。
昼から何も食べてないもん。」
「ふふ。わかりました。そちらに座ってちょっと待っててください。
すぐに用意しますから。」
「やったー!」
「鈴谷!少し落ち着きなさい。」
こういうところを見ると姉妹ですね。
こちらは調理に移ります。
「はい、どうぞ。」
「いっただきまーす。」
お皿の中身がどんどん減っていきます。本当にお腹がすいていたんですね。
あんなに美味しそうに食べて。
「もう鈴谷は。いくらお腹がすいていたとしても、
食べ方が汚いですわ。」
熊野さんはゆっくり自分のペースですね。
「いいじゃん別に。お腹がすいていたんだから。」
「まったく。・・・。
これ、美味しいですわ。」
「ふふ。ありがとうございます。この煮物、
みなさんにも褒めていただいたんですよ。
今日のは特に美味しいって。」
「鳳翔さんの作る料理ほどれも美味しいけど
今日のは違う美味しさというか、何かあったの?」
そのことはみなさんには教えていませんが
この娘たちならいいでしょう。
この娘たちのために今日はがんばったのですから。
「それはですね、鈴谷さんがずっと待っていた方との
再会を記念して作ってみました。鈴谷さん、
体調を損なわれるほど待っていましたからね。」
鈴谷さんを見ると顔が真っ赤です。
可愛いですね。
「もう、鳳翔さん言わないでって。」
「鈴谷そんなにも私と会いたかったのですか?」
「ああ、もう。うるさい。」
あ、そっぽを向いてしまいました。
でも食べる箸は休みません。やけ食いというものでしょうか。
「ごめんなさいって鈴谷。」
「ふんだ。」
「・・・。私もあの時もう一度、
鈴谷と会いたいと思っていましたから。」
「えっ。」
今度は熊野さんが顔を真っ赤にしています。
「そ、そうなんだ。」
今度は二人してうつむいてしまいました。
顔を真っ赤にして。
微笑ましいです。
―
食事が終わって少ししてから零時を時計が告げました。
「そ、それじゃ鳳翔さん。今日はもう帰るから。
く、熊野帰ろっか。」
「そ、そうですわね。鳳翔さんごちそうさまでした。」
「はい、ではお気を付けて。」
鈴谷さんと熊野さんはあれから静かでした。
・・・。はあ。まったくあの人は。
「提督、覗きなんて趣味が悪いと思いますが。」
「ああ、ごめん。気になって。」
「熊野さんなら大丈夫ですよ。
すぐにここの雰囲気に馴染めますよ。」
「鳳翔さんがそう言うならその通りだな。」
「で、提督はこんな夜遅くにどうしましたか。」
「いや、それがだな・・・。」
歯切れが悪いですね。
何かあったのでしょうか。
「鳳翔、あのさ。」
「は、はい。」
「実は・・・。」
「晩飯食べ損ねて何も食べてないから何か作ってください。
お願いします。」
「・・・。ぷっ、ふふ。」
「もう、笑うなよ。こっちは今まで書類の片付けに追われていたのに。」
「はいはい。わかりましたよ。でも今からだと簡単なものしか
できませんけど、それでもよろしいですか。」
「ああ、それだけでも俺としたらご馳走だから。」
これでは明日はお店を開けるのは難しいですね。
みなさんには悪いですけど休みにしましょうか。
「鳳翔さーん、早くー。」
「もう、子供みたいですよ提督。」
こうして今日も居酒屋『鳳翔』の一日は終わる。
おしまい。
これで今回は終わりという形にしたいと思います。
訂正箇所がひとつ・・・。
>>114「鳳翔さんの作る料理ほどれも美味しいけど
訂正 「鳳翔さんの作る料理はどれも美味しいけど
居酒屋『鳳翔』についてネタが一つあるので次回はそれを書こうかと思っています。
いつ書くかは未定です。
乙です
乙
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