騎士「姫!またこんなところへ抜け出してきて…」
姫「うっさいわね、お上品なお姫様ごっこなんて懲り懲りなの!」フン
騎士「一人でこんな人気のないところへ来ては危ないと…」
姫「大丈夫よ、変装してるし……ここに来れば、いつも貴方がいるじゃない」
騎士「……」
姫「まぁしっかし、いつ来ても静かな丘ね」
騎士「落ち着くでしょう?」
姫「……」ムスッ
騎士「姫?」
姫「二人の時くらい敬語、やめなさいよ。昔から知ってるくせに、いまさらそんな口聞かないで」
騎士「しかし、俺も貴女ももうそのような歳では…」
姫「立場なんて知らない。私の言うことが聞けないというの。騎士のくせに」ムスッ
騎士「……立場を利用してるのはお前じゃないか」フッ
姫「ふふ」
姫「ふう……城を抜け出すのも久しぶりね。町娘の格好は楽でいいわ」のびー
騎士「そんなもんか?」
姫「そんなものよ。城の中は息苦しいわ」
騎士「そう言うなよ、王は次の玉座をお前に譲るおつもりだ。そうなればお前は…」
姫「わかってる」
騎士「でも、お前なら良い女王になるさ。庶民のことにも理解があるし、いい意味で野心家だからな」
姫「……当たり前よ。欲しいものはどんな手段を使ってでも手に入れるわ」
騎士「変わらないな」
姫「さて……そろそろ私は帰るわね。また爺やが私を探しているはずだわ、腰が悪いんだからあんまり探し回らないようにしないと」
騎士「ああ、送っていくよ」
姫「いいわ。一人で来たんだから一人で帰る」
騎士「だから危ないから」
姫「いいったらいいの、心配しないで!」
姫「あ、そうだ……明日、お父様がきっと貴方を呼びつけるわ。だから早起きしていなさいね」
騎士「? 何があるんだ?」
姫「私からは言えない。……じゃあね、貴方も早く帰って、さっさと寝なさい」
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