農家「ついこないだの話だぁ」
農家「魔王の手下ぁ言う輩さに、オラの幼馴染のヨネさんばさらわれてしもた」
農家「ヨネさんの作る米は絶品でのぅ」
農家「あの米さ食べねぇと仕事に張り合いがでねってもんだべ」
農家「魔王とか言うのがどんな奴かは知らんけんども、ヨネさんの米さ独り占めは許せねぇ」
農家「オラが魔王さ倒すべ」
農家「ま、オラが丹誠込めて育てた豆さ食べてぇ気合いいれるかいのぅ」
農家「どっこらせっ、と……」ガラガラ
穀物庫「力、守り、素早さ、知力、体力に魔力まで、種なら全部揃ってるよ」
農家「腐らせちゃあ勿体ねぇ、全部食べてから出発すんべ」ポリポラ
農家「おんやぁ、巻き煙草の葉もよーできちょるわい。これも持てるだけ持って行こうかの」世界樹の葉(乾燥)
――三日後
農家「クワよし、煙草よし、水筒よし」
農家「さて、出発すんべ」
農家「えー天気じゃのぅ……」
木こり「おんやぁ、農家でねぇが。おめさ、クワば持ってどこさ行ぐべぇ?」
農家「おー、木こりさ。ちぃとヨネさんば助けに魔王城っつーとこまでの」
木こり「あぁ、ヨネさんさらわれたんじゃったのぅ。てぇことはなんだぁ、おめさ旅にでるんか?」
農家「そうなるのぅ。なぁに、ヨネさんば助けてすぐけぇってくんべ」
木こり「ほぃじゃぁ、ワシからの餞別にこの斧ばやるわぃ。武器がクワじゃ心許ねぇけんのう」
農家「いやいや、それじゃぁ木こりの仕事が……」
木こり「えぇから、今日の仕事だけ終わらせたら家に予備の斧さあるけぇ。ちぃと待っとれ」シュバッ
木こり「そいっ!」
大木「」ズゴォォォン
木こり「せりゃぁぁぁぁぁっ!!」シュババババ
大木's「」ズゴゴゴゴゴ
木こり「ふぅ……たーおれぇるぅぞぉー」
……ズズゥーン
農家「相変わらず見事じゃのぅ」
木こり「農家んとこの豆さ食べよーと身体軽ぅなるけんのぅ」
農家「たまげたぁ……この斧、羽根のように軽いべ」
木こり「あたりめぇでねぇか、ワシの相棒だべ? みすりぃる、ってぇ金属の柄に、うぉりはるごん、とかゆーので出来た刃ば付けとぉ大業物くさ」
農家「なんだぁ?その小難しい名前の」
木こり「ワシにもよぉわからん。 昔森でちっけぇおっさんと、これまたちっけぇめんこい羽根付きの女の子助けたらくれたんだぁ」
農家「そりゃたまげたのぉ」
木こり「たまげたたまげたぁ」
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