ほむら「始まりの時」 (17)

まどマギSSですよ。

短いです。

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ほむら「!」

気が付いたら、病室だった。

私は慌てて日付けを確認する。

……戻ってる。

私が退院する前に。

『ワルプルギスの夜』に、鹿目さんも巴さんも殺される前の光輝く世界に。

自分の左てのひらには、淡く輝く宝石。

ほむら「夢じゃない……!」

夢じゃ、ないんだ!

ほむら「──やった!」

私は思わず喜びの声を上げる。

悲しくて、残酷で、絶対に受け入れる事なんて出来ない現実をやり直せるんだ。

私ははやる心を抑え、ベッドから出た。

そして、魔法少女に『変身』をしてみる。

魔法少女。

白い体に長い耳をした、キュゥべえという生き物と『契約』をしたらなる事が出来る存在。

願いを一つ叶えて貰うかわりにこうなって、魔女と呼ばれる怖い存在と戦う運命を持つらしいんだけど……

そんな事はどうでも良い。

あの現実を、最悪の未来を無かった事に出来るのなら。

─────────────────────

今日が、私が見滝原中に転校してくる日。


和子『目玉焼きとは、固焼きですか? それとも半熟ですかっ!?』


教室の中から先生の声が聞こえる。

私は廊下に立ち、呼ばれるのを待っているのだけど……

ほむら「……ふふっ」

そういえば、『前回』転校してきた時も先生はこんな話をしてたっけ。

ほむら(本当に戻ってきたんだな)


ドクン、ドクン。


胸の鼓動が高まる。

『前回』もドキドキしたけれど、今回のそれは前のとは異なるドキドキ。


和子『じゃあ、暁美さん、いらっしゃ~い』


……呼ばれた!

ほむら「はいっ」

返事をすると、私は教室の中に入った。

そのまますぐに、とある席を確認する。

ほむら(……居た!)

鹿目まどか。

当然、別の教室に巴さんも居るのだろう。

和子「はいそれじゃ、自己紹介いってみよっ」

……様々な感情が溢れる。

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

なんとかそれだけを言えたけど、もう我慢出来なかった。


タッ!


私は駆け出す。鹿目さんの席に向かって。


ザワッ!


私のこの突然の行動に周りの人たちが戸惑いの声を上げるけど、そんなもの私にはどうでもよかった。

ただ、ただ、彼女の元に行きたかったから。声を聞きたかったから。話をしたかったから。

ほむら「鹿目さん、私も魔法少女になったんだよっ!
これから一緒に頑張ろうね!」

まどか「えっ?」

私の言葉に驚いた様子を見せた鹿目さんは、左右に視線を泳がせると、

まどか「えっと……
……うぅ……」

恥ずかしそうに俯いてしまった。


ザワザワ……


さっきよりもさらに、周りの視線が痛くなる。

……しまった。

興奮のあまり、ついやりすぎちゃったかも。

鹿目さんまでこの視線に巻き込んでしまった。

魔法少女の事をここで口にしたのは、特に失敗だったかもしれない。

ほむら「あ……えっと、ごめんなさいっ」

私は鹿目さんに謝ると、慌てて先生の隣に戻って改めて自己紹介をする。

……これからだ。

こうやってやり直す機会を手にしたけれど、本当の勝負はこれからなんだ。

──大切な人に生きていて貰う為ならば、なんだってやってやる──

ほむら「…………」

私は、もう一度鹿目さんの顔を見た。

……あんな未来を壊せるのなら、その先にどんなものが待っていたっていい。

どれだけ苦しい思いをしても負けるものか。

自分が自分でなくなっても良い。

どんな罪だって背負える。

たとえ、『悪魔』になったって構わないわ。

ほむら(……って私、なにを考えてるのかな)

さすがに過激すぎるよね。

きっと、気持ちが空回りしているのだろう。

私はそっと苦笑した。

─────────────────────

これが、『私』の始まり。





完。

以上です。
それではありがとうこざいました~。

ではまた。

え、なにこれは……

超スピードで駆け抜けていったな、乙

まどかSSと期待して開いてこいつのトリップだった時のガッカリ感は異常

◆LeM7Ja3gH2baでググったら本当にがっかりトリップだった

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