モバマスSS
書き溜めあり
いくます
モバP「えっ…なんですかこれ…」
新聞:大手ドリンク販売会社経営危機!年内にも民事再生申請か
P「この社名…どっかで聞いたことあるなぁ…」
ちひろ「Pさーん!」バターン!
P「うわっ!どうしたんですかちひろさん!そんなに慌てて…」
ちひろ「Pさんはなんで落ち着いてるんですかー!今朝の新聞読んでないんですか!?」
P「ああ、読みましたよ。免ノ城すごいですよね~」
ちひろ「違いますって!モバ製薬の経営破綻のニュースですよ!」
P「あー、そのニュースですか。モバ薬品ってどっかで聞いたことあるんですよね~」ウーン
ちひろ「なに言ってるんです!うちのドリンク類もモバ製薬の製品じゃないですか!」
P「えーっ!マズイじゃないですか!新しい契約先見つけないと!ウチの業界はみんなアレで日々の激務に耐えてるのに…」
ちひろ「そんなこと後回しです!気づいてないんですか!?あなた今ナチュラルに飲んでるそれで資産運用してたじゃないですか!」
P「えっ」
~いつかの事務所~
P「あ~なんかいちいちちひろさんにドリンク売ってもらうのも面倒だな~」
ちひろ「別に私は大丈夫ですよ♪着々と増えていくお金って日々の活力になります」
P「あはは…」
ちひろ「いっそPさんも親会社と個人契約しちゃったらどうです?私の紹介で今よりお得になるかもですよっ♪」
P「ホントですかっ!?ぜひお願いします!」
ちひろ(ちっひっひ…マージンゲットだぜ!)
………
P「あー!そういえば!」
ちひろ「反応遅すぎですよ!」
P「ど、どうしましょうちひろさ~ん!僕こないだ契約更新で貯金までほぼ全つっぱしちゃいましたよ!」
ちひろ「Pさん」
P「はい」
ちひろ「なるべく事務所に迷惑にならない方法でお願いします」
P「なんで僕自○するみたいになってるんですか!?」
ちひろ「だって金にもならない栄養ドリンクしか持ってない貯金持ち金0でしょ?」
P「………」
ちひろ「しぬしかないじゃん」
P「ちっちひろさんはどうなんです!?ここは二人力を合わせて困難に立ち向かわなきゃ…」
ちひろ「あっ私は基本少数管理してるので」
P「」
ちひろ「日本円なんていう世界有数の信用がある現金があるのにわざわざ替える意味ないじゃないですか」
P「うぐぅぅ…」
P「ちひろさんお願いがあります」
ちひろ「お金は貸しません」
P「うっ…」
ちひろ「貸しませんから」
P「天使っ!女神!ちひろ!」
ちひろ「………」
P「ちーちゃんお願い!ちょっとだけでいいの!次のお給料で返すからぁ!」
ちひろ「それ結局来月もお金足りなくなるじゃないですか」
P「ぎくぎくっ」
ちひろ(ん?ちょっと待てよ…?)
ちひろ(いいこと思いついちゃいました!)
ちひろ「…仕方ないですね…」
P「ちっひ!」
ちひろ「但しお金は貸しません」
P「えっ」
ちひろ「衣食住の最低限はフォローするだけです。それに文句があるなら東京湾までの片道切符代しか渡せません」
P「ちひろさぁん!ぼかぁ知ってた!世界中の誰がなんと言おうとあなたは僕の天使…」
ちひろ「その対価として」
P「金にがめついって嫌やわ~人間性疑う」
ちひろ「切符代にドラム缶とコンクリも付けましょうか?」
P「対価をおっしゃってください。敬ってお応えさせていただきます」
ちひろ「いい心がけです。そのまま1ヶ月過ごしてください」
P「は?」
ちひろ「私に服従してください。四六時中、どこで何してても反すること、歯向かうことを許しません」
P「ちひろさぁん冗談キツイですよ~wそんなラブコメみたいな設定今時流行りませんってw」
ちひろ「………」
P「……マジ?」
ちひろ「敬語」
P「ですか…?」
ちひろ「あなたにはイエスかノーしか無いんですよ。やるのかやらないのかはっきりしてください」
P「イエスじゃないとPちゃんしんじゃう…」
ちひろ「よろしい。では今この時から契約は成立です。ここに印を」スッ
P「いつの間にこんな…」ポンッ
ちひろ「たしかに。まずは今日の業務をこなしなさい。細かな指示は順次伝えます」
P「かしこまりました…」
ガチャッ
凛「おはようございます」
ちひろ「おはようございます凛ちゃん♪」
P「おはよう凛。今日は早いな」
凛「うん。少し事務所でゆっくりしようと思って…って、プロデューサー、顔色悪いよ?」
P「そ、そうか?いや~最近疲れてるからな~」
凛「しっかりしなよ。いつものドリンク飲んだら?」
P「今はそういう気になれないんだ…」
凛「?」
ちひろ「凛ちゃ~ん♪」
凛「ちひろさん、どうしたの?すっごい猫なで声」
ちひろ「うふふ~♪今日の超得ショップ見て行きませんか?」
凛「いつにも増して推してくるねちひろさん。折角だけど、あんまり持ち合わせが…」
ちひろ「見るだけならタダですよ~。ラインナップ見てからでも決めるのは遅くないと思うんですけどねぇ」チラ
凛「じゃあ見るだけ…ほんとに今日のちひろさんどうしたの?いつもと全然ちがッ…!?」
ちひろ「あら~なにか見つけちゃいました?」
凛「ちひろさん、これって…」
超得ショップ!
・~~~~~~
・~~~~~~
・~~~~~~
・~~~~~~
・~~~~~~
・プロデューサー(12H)
ちひろ「あぁ、これですか?ついさっき入荷したての新製品なんです♪」
凛「詳しく聞かせて」
ちひろ「詳しくもなにもそのままの意味で…」
凛「買う」チャリーン
ちひろ「まいどあり~♪」
P「凛ー?打ち合わせするから会議室来てくれ~」
ちひろ「今から夜の10時までPさんをお任せしますね♪」
凛「うん」
P「よーし凛、今日の収録なんだが…」
凛「15時から19時まで、目テレさんの第三スタジオでしょ」
P「ん、そうだ。それで、コーナーの…」
凛「芸人さんが取るリアクションに絡めばいいんだね。まかせて」
P「やる気だな凛。頼もしいぞ。それで…」
凛「その芸人さんの話でしょ。最近もモデルさんといるところパパラッチされてたみたいだし」
P「お、おう。あの芸人さん手が早くて有名だからな。なにかあったらすぐ報告してくれ」
凛「わかってる。頼りにしてるね」
P「なんかあっという間に終わっちゃったな。時間まで事務してるから待っててくれ」
凛「ちょっとまって」
P「ん?」
凛「ちひろさん、プロデューサー借りるよ」
ちひろ「はーい♪」
P「どうした、凛?なにか相談か?」
凛「いいから。最近働き詰めでしょ。ちょっとくらい休みなよ」
P「うーん今は無理にでも働かなきゃいけないんだよ」
凛「どうして?」
P「いや…ちょっとした事情でな…あはは」
凛「ダメだよ、今は私の言うことを聞いて」
P(凛…こんなに俺のこと心配してくれてるなんて)ジーン
P(自分の為だけじゃない…こいつらのために俺にできることをやろう!)グッ
P「よし!その気持ちだけでいくらでも働けるぞ!ありがとな、凛!」
凛「いいから仮眠室行けって」
P「あ、ハイ」
仮眠室
P「えっと、り…渋谷さん?ここで寝ればよろしいので?」
凛「早く」ハァハァハァ
P「はい、失礼します…」
P(凛のやつ急に恐くなったり息荒くなったりどうしたんだ…)
凛「ハッハッハッハ」
P「ちょっ!凛!?なんで布団入ってきてんだ!」
凛「いいから!仕事行くまでだから!」
P「なんもよくないってば!ちひろさーん!助けてくださーい!」
ちひろ「あ、Pさん言い忘れてましたけど」ガチャッ
P「ちひろさん!凛のやつ調子が悪いみたいなんです!今日の代打も考慮に入れて…」
ちひろ「10時までは凛ちゃんの言うこと聞いてくださいね。メイレイですよ♪」
P「」
凛「大丈夫だよなんにも怖くなんかないよ安心していいよ」クンカクンカ
凛「それじゃ、行ってくるから」テカテカ
ちひろ「はい!頑張ってきてくださいね」
P「行って…きまーす…」ドヨ~
バタン
ちひろ「凛ちゃんに2ダース元値で買ってもらって、あとひーふーみー…」
ちひろ「これくらいならアイドル達に売っ払って余裕の完売だぜ!」
スタジオ
P「失礼します!CGプロの渋谷です。本日はよろしくお願いします!」
凛「渋谷凛です。よろしくお願いします」
ディレクター「こちらこそよろしくお願いします。セットが組みあがり次第撮影を始めたいと思いますので…」
P「はい、かしこまりました」
凛「私、メイクしてもらってくるね」
P「わかった。俺は他のスタッフさんに挨拶してくるから」
スタッフ「本番行きまーす!3、2、…」
P(今日の凛、調子良さそうだな…)
凛『ふふっ。でも、○○さんも素敵だよ。私の好みじゃないけど』
芸人『なんやねん!』
P「なんかすっごいイキイキしてるし…」
スタッフ「カットでーす!お疲れ様でした~!」
P「凛、よかったぞ…」
芸人「ええやんけ~アドレスくらい」
凛「ごめんなさい、仕事のアドレスは勝手に教えないように言われてて…」
芸人「ちゃうちゃう!凛ちゃんの個人の方教えて欲しいねん」
凛「それは…」
芸人「ほら、今日みたいなバラエティの反省とか、アドバイスとかもできるやん?」
凛「えっと…」
P「凛!今日のトーク良かったぞ~!早く行かないと次の仕事間に合わないからな!」
凛「プロデューサー!う、うん。そうだったね」
P「芸人さん!本日はお世話になりました!また機会がございましたら渋谷のことよろしくお願いします」
芸人「あ、ちょい待ってって!」
P「ふぅ~…まったく、噂に聞くより手が早いな…凛、大丈夫か?」
凛「う、うん…」
P「凛?…震えてるのか」
凛「ごめんね、プロデューサー…こんなことで怖がってちゃ、アイドルなんてやっていけないよね」
P「無理しなくていい。15歳にしてみればあんなの怖くて当然だよな」
凛「………」ギュッ
P「大丈夫だ、凛たちが危ない目にあわないように俺がいる。安心してくれ」
凛「プロデューサー…」
P「よし!じゃあ事務所に帰るか」
P「よし!じゃあ事務所に帰るか」
凛「………」
P「凛?」
凛「プロデューサー、朝のこと怒ってる…?」
P「朝って…ああ、あれか。もう怒ってないよ。凛だって誰かに甘えたいときがあるんだなって、ちょっと安心した」
凛「誰かじゃないよ。プロデューサーだから」
P「ん…それは光栄だな」
凛「プロデューサーは?」
P「何がだ?」
凛「甘えたくなったりしないの?」
P「うーん…確かに最近は仕事が増えてきて感じることは少なくなったけど、俺にもたまにあるよ。虚無感っていうか理由もなく寂しくなるな」
凛「じゃあ、今は?」
P「今はそんなに寂しくないかな」
凛「次はいつ寂しくなる?10時までの間で」
P「ははは、それはわからないな~。それに、寂しくないならその方がいいだろ?」
凛「今寂しくなって」
P「そんな無茶ぶり勘弁してくれよ~」
凛「こっち」
P「あっちょ、凛!?引っ張るなって!」
どこかの個室
P「………」
凛「さあ」
P「さあ、じゃないよ!なんで両腕広げて向き合ってんの!?」
凛「プロデューサーが甘えるためだよ」
P「なんで甘える前提になってるんだよ!」
凛「私だけ甘えるのも不公平でしょ?」
P「凛は子供で俺は大人だろ?不公平てか俺が甘えるのが問題なんだって!」
凛「私、プロデューサーが思ってるほど子供じゃない」
P「ダメなものはダメ!」
凛「ふーん。そっか、そういう態度に出るんだ」
P「な、なんだよ何言ったって無駄だからな!」
凛「ちひろさんとの約束」
P「っ…」
凛「あと2時間は私の言うこと聞いてくれる約束のはずだよね?ちひろさんに…」
P「だ、ダメだ!もうその手には乗らないぞ!」
凛「ならちひろさんが差し入れくれるたびにふともも見て鼻の下伸ばしてること言う」
P「な、なぜそれを!?」
凛「ついでにシャツに透けてる下着毎日チェックしてるのも」
P「だめほんとにダメです…今ちひろさんにバラされたら俺は…」
凛「プロデューサー、おいで?」
P「う、うう…」
凛「ほら、早く。時間無くなっちゃう」
P「少しだけだからな!絶対すぐ離れるから!」
凛「はいはい」
P「お、お邪魔します…」
P(結局負けてこんなことになってしまった…早く終わらせて帰らなきゃ)
P(でも凛いい匂いするな…家が花屋だからか?いや、若いからかな…)
P(なんか子供の頃を思い出すなぁ…カーチャンとか…てか)
P(すっげー気持ちいいなコレ…)
凛「どう?プロデューサー」
P「ん…すっごい落ち着くよ。ありがとな、もう満足だから…」
凛「ダメだよ」ギュウ
P「うぶっり、凛!すぐ離れるって」
凛「プロデューサーが嫌なら言って。離すから」
凛「でも、嫌じゃないなら…」
P「違うんだ凛、その…やわらかいというか…」
凛「っ!?///」バッ
P「あいだっ!?」ゴンッ
凛「…プロデューサーのばか、変態」
P「ごめんなさい…厚かましいようですがちひろさんには内密に…」
凛「じゃあ、約束して」
P「?」
凛「寂しくなったら、絶対言って」
P「凛…ありがとな」
凛「あと、ふとももとかブラジャー見たくなっても私に言って」
P「言えるわけないだろ!」
凛「ふふっ…あ、もうこんな時間だ。帰ろっかプロデューサー」
P「…ああ!」
事務所
ちひろ「お帰りなさい!遅かったですね~心配したんですよ?」
P「申し訳ありませんちひろさん…」
奈緒「凛!おっそいぞ!今日は三人で飯食べに行く約束だっただろー!」
加蓮「待ちくたびれちゃったよ~」
凛「ごめん、二人共。おまたせ」
加蓮「ん?凛、服に髪の毛付いてるよ?」
奈緒「ホントだ。凛の髪の毛にしては短くないか?」
凛「あ、これプロデューサーのだ」
加蓮奈緒「…は?」
凛「プロデューサーってば、そろそろ抜け毛がヤバイんじゃない?」
P「おい!今聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ!それは凛が強く抱くからであって、俺の髪はまだフサフサだ!」
凛「ふふ、ちょっとからかっただけだよ。まったくプロデューサーはすぐ本気にしちゃうんだから。ねぇ?二人共…」
加蓮「凛?Pさんを抱いたってどういうこと?」
凛 P「あ…」
奈緒「おっおまえらなんでそんなことやってたんだよ!」
P「いやっちが、違うんだよ!誤解なんだ!」
凛「バレちゃったなら仕方ないね」
P「凛!?」
凛「プロデューサーは日々の激務によってすり減った心の拠り所を探していたんだよ。だから私を求めた」
P「な、何言ってるんだよ凛!二人共これは凛の冗談であってだな!な!凛!」
凛「Pさんはこれから寂しくなったら私の胸で泣くって約束もした」
P「」
加蓮「Pさん!私もいつでもいいからね!」
P「何が!?」
加蓮「もう…言わせないでよ」
P「誤解なんだってば!」
奈緒「ま、まったくPさんは未成年になにやってんだ」
P「話聞いてよ…」
奈緒「で、でも!アタシは一応二人より年上だし…来年は18だからまだ大丈夫っていうか…」
P「えっ」
奈緒「ばっ別に!アタシは気にしないから!どうしようもなくなった時くらいは、その…」
凛加蓮「奈緒!ご飯おいていくよ!」
奈緒「おい!ちょっと待てって!じゃ、じゃあPさんそういうことだから!」
P「………」
ちひろ「Pさん、事務所も閉めますよ」
P「あ、ハイ…」
P(今日はどっと疲れた…ちひろさんに頼んで早く寝させてもらおう…)
P「ちひろさん、今日なんですが…」
ちひろ「ああ、文無しでしたね…ハイ、これ」ピッ
P「え?なんですかこの3000円…」
ちひろ「何って、今晩の食費件宿泊費ですよ」
P「?ちひろさんの家に泊めてくれるんじゃ…」
ちひろ「何言ってるんですか?人の脚をケダモノみたいな目で見てくる人とひとつ屋根の下で寝られるわけないじゃないですか」
P「………」
ちひろ「明日は会議がありますから、遅刻しないでくださいね。お疲れ様でした」
バタン
P「………」
P「凛、俺を…」
P「俺を抱きしめてくれ…」
おわり
(タイトル詐欺で)すまんな
何でや!これからやろ!!
乙④
時間以外にも売れるものはまだあるんだよなぁ…
読んでくれた人ありがとう
しぶりん意外なんも考えずに建ててしまったスレだけどなんか他のキャラも書こうかな
候補>>37おなしゃす
輝子
泰葉
ほたる
ワイがCupだと誰から聞いた!
ほたるちゃん書いてくるからね遅筆だけど許してね
期待してまってる
でけた!投下していきます
P「ふぅ…なんとか今日も定時で終われそうだな」
P「金なんてなくてもなんとかなるもんだ!ちひろさんがくれる弁当も美味しくて前より健康的になった気もするし」
ガチャッ
ほたる「お、お疲れ様です…」
P「お、ほたる、お疲れ様。レッスンはどうだった?」
ほたる「それが…私が踊ったり歌ったりするとスタジオの調子が悪くなっちゃうみたいで…」
P「そ、そうか。災難だったな」
ほたる「トレーナーさんが、新しい機材が届くまでボーカルレッスンはできないから、ダンス中心のレッスンにスケジュールを組み直して欲しいって伝えるように言われて…」
P「わかった。みんなのレッスンを組み直してトレーナーさんに伝えればいいんだな」
ほたる「本当にごめんなさい…私のせいで迷惑ばかりかけて…」
P「迷惑なんかじゃない。ほたるが一生懸命やってるのは知ってるよ。気にしなくていいから、今日はもう帰りなさい」
ほたる「はい…ありがとうございます…失礼します」
バタン
P「う~ん…ライブ控えてるヤツらのフォローからいくか…残業だな」カチャカチャ
外
ほたる(やっぱり私がいると皆不幸になっちゃうんだ…機材の弁償とか、やっぱりお金が要るのかな…)
ちひろ「あら?ほたるちゃん?」
ほたる「あ…ちひろさん」
ちひろ「今から帰るところですか?気をつけてくださいね」
ほたる「あ、あの…今日のレッスンで、その…」
ちひろ「どうかしたんですか?」
ほたる「機材とか、壊れちゃったみたいで…その…ごめんなさい…」
ちひろ「ほたるちゃんが壊しちゃったんですか!?怪我とか、どこか調子が悪かったりしませんか!?」
ほたる「私は大丈夫です…私がいると機械とか壊れちゃうみたいで、べ…弁償、とか…」
ちひろ「ほたるちゃんが無事ならそれでいいです!お金なんて気にしなくたっていいんですから!そんなの元から調子が悪かったに決まってますよ。ほたるちゃんが気にすることじゃありません」
ほたる「うう…ありがとうございます…」グスッ
ちひろ「あらら、少しそこの喫茶店でお話しましょ?落ち着くまでほたるちゃんのお仕事の話聞かせてください」
ほたる「ちひろさん…」
喫茶店
ちひろ「ふふっそんなことがあったんですか」
ほたる「はい、それでプロデューサーさんが驚いちゃって…」
ちひろ「まあ…Pさんもしっかりしてくれなきゃ、困っちゃいますね」
ほたる「あ、でもっプロデューサーさんはすごく頑張ってくれてて!私なんかのために、いっぱいお仕事とか」
ちひろ「確かに。Pさんはよくやってくれてます」
ほたる「ほんとにすごいです。大変なはずなのに…」
ちひろ「Pさんはドリンク飲んでますから。体力は人一倍ですよ」
ほたる「ドリンク?あ、あの…」
ちひろ「でもこないだそのドリンク売ってる会社が潰れちゃって…」
ほたる「え?」
ちひろ「ほら、ニュースでもやってたでしょ?それで、Pさんもたくさん買ってたから今はほんとに大変みたい」
ほたる「そ、そんな………ちひろさんは大丈夫なんですか?」
ちひろ「Pさんほどではないですけれど、それなりに大変です…結構売れ余っちゃてて。困っちゃいますね」
ほたる「…」
ほたる「ちひろさん、私、買います」
ちひろ「え?」
ほたる「ちひろさんの売れ残っちゃったドリンク、迷惑じゃなければ売ってください!」
ちひろ「私は助かるけど…無理して買わなくても」
ほたる「その…買いたいんです、ドリンク。飲めば私もPさんみたいに頑張れるかなって…」
ちひろ「…わかりました。でも、ダースでしか売れなくて」
ほたる「大丈夫です。えっと…これでどれくらい買えますか?」
ちひろ「え、そんな…」
ほたる「ご、ごめんなさい!少なかったですか?」
ちひろ「そんなことないです!でもこんなにたくさん買うと…」
ほたる「お願いします!売ってください!」
ちひろ「わかりました。じゃあ、これがドリンクです」
ほたる「ありがとうございます…」
ちひろ「あ、そうだ。今ドリンクを買うと…」
ほたる「?」
事務所
P「おはようございます」
ちひろ「おはようございます」
ほたる「ぷ、プロデューサーさん、おはようございます」
P「ほたるもおはよう。ライブまでラストスパートだな。がんばるぞ!」
ほたる「はい!」
P「じゃあ早速、レッスン行くか!」
ほたる「よろしくお願いします」
P「今日はいつものトレーナーさんじゃなくて、結構大きな舞台を抑えてるんだ。」
ほたる「ぶ、舞台ですか!?」
P「そうだ。ほたるも本番までに舞台度胸をつけなきゃいけないからな。今日はその一環だ」
ほたる「が、ガンバリマス…」
P「今から緊張したって仕方ないぞ!リラックスリラックス」
ほたる「は、はい」
P「それじゃ、行ってきますねちひろさん」
ちひろ「はい、いってらっしゃい♪ほたるちゃんもがんばってね!」
ほたる「はい!行ってきます」
舞台ホール
P「え?音声テープが届いてない!?」
スタッフ「ええ。ちょっと待ってくださいね…はい、CGプロダクション様からの郵送物はありませんね」
P「そ、そんな!じゃあ一体どうやってレッスンすれば…」
ほたる「………」
スタッフ「CGプロさーん!お時間です!入ってください!」
P「は、はい!ほたる、とりあえずステップの確認とアカペラでも取れる音だけ確認しよう!」
ほたる「は、はい!」
P「えーと次は…」
P(当初の予定から外れたレッスン、慣れない舞台に緊張するほたる、戸惑う俺…)
P(当然、まったくの不完全燃焼なレッスンだった)
控え室
P「ほたる、お疲れ様」
ほたる「はい…プロデューサーさん、ごめんなさい…私」
P「今日のトラブルは俺の確認不足だったんだ。ほたるが謝る必要はない。俺こそごめんな」
ほたる「違うんです!私が…」
P「………」
ほたる「私、この前プロデューサーさんのドリンク飲んだんです…」
P「え?」
ほたる「差し入れの中にプロデューサーさんのいつも飲んでるドリンクが入ってて…」
P「あ、それもたぶん俺が間違えて入れたんだ」
ほたる「そしたら、そのあとすぐにモバ製薬さんが潰れちゃって…」
P「あ、ああ…」
ほたる「私のせいなんです!私が飲んだから、私の不幸で会社が…!」
P「ほたるのせいなんて、そんなことない」
ほたる「今日のだって、私が!」
P「ほたる!」
ほたる「………っ」
P「ほたるはどうしたいんだ」
ほたる「どう…したい…」
P「ほたるがしたいことを教えてくれ。アイドルとして、白菊ほたるとして」
ほたる「私は…私はみんなを笑顔にしたい…こんな私でも、みんなの幸せのためにできることがあるって証明したいんです…」
P「じゃあ、そうすればいい」
ほたる「でも、こんな調子じゃあライブだって…」
P「…ちひろさんから聞いたよ。ドリンク買ったんだってな」
ほたる「それは、私のせいでちひろさんとかプロデューサーさんが困ってるなら…少しでも責任を取らないと…」
P「ほたる、俺はな、最近体の調子がいいんだ。どうしてだと思う?」
ほたる「…わかりません…」
P「モバ製薬が経営破綻してな。俺は生活すら苦しくなった。情けなくちひろさんに泣きつくぐらい」
ほたる「………」
P「そしたら、ちひろさんがお弁当作ってきてくれるようになった。いままで昼はまともに食べずドリンクばっかり飲んでた俺が昼飯にありつけるようになったんだ」
P「睡眠だってそうだ。これまでは自宅に帰っても仕事して、まともに寝たりなんてしなかった」
P「でも、あんなことがあって、家賃も払えなくなってパソコンもなにも売っ払った。だから事務所の外でできることなんて寝るくらいだ」
P「俺は今の生活は窮屈だった前より好きなんだ」
ほたる「それは、プロデューサーさんが強いから…」
P「それだけじゃない。この前、ほたるがレッスンでうまくいかなかったとき」
P「定時で帰るつもりだった。でも、スケジュールを組み直すために事務所に残ったんだ」
P「それで、やっと終わったと思ってたら期限直前の書類を見つけた。」
P「ほたるがいなかったら大問題になってた。それこそスタジオの機材代なんて比べられないくらいの損失だ」
P「帰宅中にはふらっと寄った居酒屋でディレクターさんとばったり会った。話が弾んで新しい仕事を紹介してくれるみたいだ」
P「これはみんな、ほたるがくれた『幸運』だ」
ほたる「………」
P「ほたる買ったドリンクには何がついてた?」
ほたる「プロ…デューサーさん…」
P「そうだ。なら、命令してみろ」
ほたる「…?」
P「ほたるがなりたいアイドルにさせろって俺に命令してみろ」
ほたる「プロデューサーさん…」
P「なんだ」
ほたる「私、みんなの幸せになるような…アイドルになりたい!してください!」
P「任せろ!絶対ライブ成功させて、一番なりたいアイドルにしてやる!」
ほたる(それからのレッスンは大変だった)
ほたる(今までより難しいし、体力も足りないくらい)
ほたる(相変わらず、いろんなトラブルも起きた。でも、だんだん不幸に悩まなくなって、トラブルがあっても落ち込まずにいられるようになった)
ほたる(何より、プロデューサーさんと一緒にライブを目指すことが楽しかったから)
P「ほたる、今日までお疲れ様。…明日だな」
ほたる「はい。今日まで本当にお世話になりました」
P「さみしいこと言うなよ。明日も明後日も、ずっとだってお世話してやるぞ」
ほたる「ふふふ…うれしいです」
P「ほたるはその笑顔が一番可愛いよ。それさえ忘れなければ、明日のライブだって大成功間違いなしだ」
ほたる「は、はい///」
ライブ会場
ほたる『今日はありがとうございまーす!精一杯歌います!だからっ幸せになっていってください!』
ワアァァ!!!
P「がんばれ、ほたる…」
ほたる『次は…きゃっ』パッ
P「照明が落ちた!?どうしたんですか!」
スタッフ「サスが点かないんです!どうしたら…」
P「照明さん!ピンスポだけでいいです!ほたるを照らしてください!」
照明スタッフ「はい!」
スタッフ「どうしましょう!サスが点かないと次の曲の演出が…」
P「そこは暗転に変更してください!曲中盤からホリにフェードで色入れて!」
P(ほたる…こんなことで負けるな!)
ほたる(スポットライト…きっとプロデューサーさんだ…)
ほたる『次の曲、いきます!』
ほたる(だって、すっごくあったかい…)
P「ほたる、お疲れ様。最高のライブだったぞ」
ほたる「プロデューサーさん!どうでしたか?みんなに幸せになってもらえたでしょうか?」
P「人に言ってもらわないとわからないか?あんなに盛り上がったじゃないか」
ほたる「プロデューサーさんに言って欲しいんです…ダメですか?」
P「まったく…最高のライブだったよ。間違いなく大成功だ!」
ほたる「はいっ…!ありがとうございます…!」
P「ゆっくり休んでいいから。落ち着いたら着替えて…」
ほたる「プロデューサーさん、ドリンクの約束、まだ残ってるんです」
P「どうした?どうみてもみんな幸せにできた立派なアイドルだぞ?」
ほたる「あのっそうじゃなくて…なんでも言うこと聞いてくれるって…ドリンクの」
P「え?あ、おう。なんでもいいぞ…」
ほたる「ぎゅって…してくれませんか?」
P「い、いやそういうなんでもじゃなくて…」
ほたる「お願いします!」
P「はぁ…凛といいほたるといいなんでみんな…」
ほたる「渋谷さん?渋谷さんがどうかしたんですか?」
P「何でもない!ん"ん"!じゃあ、行くぞ…」
ほたる「はい…」
ほたる(Pさんの心臓…どくどくしてる…)
ほたる(それに…やっぱりあったかい)
P「よし、じゃあ俺は挨拶してくるから、その間に着替えておいてくれよ」
ほたる「プロデューサーさん!最後にひとつだけ、いいですか…?」
P「ま、まだあるのか…?」
ほたる「明日も明後日も、これからずーっと、一緒にいてくれますか?」
P「ふぅ…当たり前だろ!」ギュウ~
ほたる「あっ…ふふっ♪」
ほたる(やっぱりプロデューサーさんが、私の幸運です)
おわり
またまた申し訳程度のドリンク暴落設定&クソシリアスになってまってすまんな
書き忘れたけどほたるちゃんがドリンクいっぱい買ったからたくさんPといっしょにいたってことだよ!
乙
おつ
もっとよみたいなーって思うな
製薬会社がつぶれたら供給がストップするってことは、独占市場だったんだよね?
使わなければ今持ってるドリンクの価値が高騰して、ある程度のもうけは出ると思うんだけど……。
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