航海中毒 (31)

どっかのパクリ

提督「お前にしばらく休暇を与える」

58「えっ」

提督「えっ、じゃなくて」

58「でも、今日もオリョール行かないと…」

提督「いや、だから休暇だから行かなくていいってば」

提督「資材もカンスト、バケツもカンスト。暫く仕事はないから折角だから休んでくれ」

58「でも…」

提督「あーもーいいから!提督命令!」

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58「休暇と言われても何をすればわからないでち…」

58「取り敢えずお外に出かけようかなぁ…」(ゴソゴソ

58「私服が無いでち…」

58「配属されてからずっとクルージングや囮だったから、私服で外に出たことなんてなかったでち…」

58「替えのスクール水着とセーラー服(上)しかないよぉ…」

58「流石にこの格好で一般道を行くのは犯罪でち」

58「この前タ級が落としたマントでも上から羽織るでち」

提督「その格好も十分犯罪だから!むしろ危なさ増してるから!」

58「あってーとく」

提督「やれやれ、様子を見に来たらこれだ」

58「じゃあごーやの服はどうするのぉ?」

提督「取り敢えずイクから借りてきたからこれを着なさい」

58「胸が余るでち…」

提督「まぁ一時しのぎだから。今から買いに行こうか」

58「いいの?」

提督「もちろんだ。今日は仕事は秘書に任したから俺も一緒に行こう」

58「ありがとうごさいます!」

~どっかの服屋~


58「折角だからてーとくが選んでくだち」

提督「マジかよ。俺も基本軍服だし、私服なんて各曜日の分のセットすらないからセンス皆無だぞ」

58「いいからいいから」

提督「わかったよ」

提督(ゴーヤには動きやすい服よりヒラヒラした可愛らしい服がいいと言う電波を受信した…ならば)

提督「これでどうだ?」

58「ワンピースに麦わら帽子でち」

提督「きっと似合うぞ」

58「試着してくるでち!」

58「てーとく、どお?」

提督「こ、これは…」

提督「普段は気がつかないが、ゴーヤの体型は非常にバランスが取れている。大きすぎない胸が少女らしさを増しているな。その神秘的とも言える造形に健康的なワンピースというものが合わさって最強に見える。何より露出している白い肌、太股…素晴らしい。そして麦わら帽子は活動的なイメージと淑女さを同時に表すアイテム…ゴーヤにはピッタリなアイテムと言えよう」

58「てーとくさん、なに言ってるの?」

提督「似合いすぎて別の世界に行っていた」

58「つまり、どういうことぉ?」

提督「可愛いってことだよ」

58「本当ですか?嬉しいでち!」

提督「他にも着てみようか。あっちのデニムとか動きやすい服もいいんじゃないか?」

58「着てみまーす!」

提督「私服がなかったから折角とはいえ、色々買ったな」

58「満足したでち!じゃあオリョール行ってくるでち!」

提督「何でだよ。ダメに決まってんだろ」

58「だって…クルージングや囮してないと落ち着かないよぉ」

提督(うう…こんなになる風まで追い詰めていたなんて…今日はしっかり楽しませないと…)

58「てーくさん?どうして泣いてるの?」

提督「何でもないやい!それじゃ、買ったばかりの服着て町で遊ぶか!」

58「はーい」

~夕方:鎮守府前~



提督「いやぁ、遊び尽くしたな…」

58「夢みたいな時間だったでち!」

提督「デパート巡り、ペットショップ、映画見てネノヒーランドでも戯れて喫茶でゆっくりなんて一日でよくこなしたもんだ」

58「てーとくさん、今日はありがとうございます!」

提督「おう、こんなことくらいならいつでもやってやるよ」

58「それじゃ、ごーやは一週間分楽しんだから明日からオリョールに戻るでち」

提督「ダメだ。というか、色んな所に行ったのはその為か」

58「そんなぁ!」

提督「今日はもう風呂入って寝なさいな」

~夜:鎮守府近海~



58「やっぱり我慢できないでち」

58「ごーや、潜りまーす!」

五十鈴「待ちなさい」

58「五十鈴さん!?どうしてここに…」

五十鈴「夜間警備ついでにあなたの見張りを頼まれてたのよ」

58「でも、今のごーやを止められる者はいないでち!」

五十鈴「行くんだったら三式セットで最高の対潜攻撃をお見舞いするけど?」

58「ごーや、自室で寝まーす!」

~二日目~



青葉「司令官」

提督「どうした?」

青葉「ゴーヤさんの様子がおかしいです」

提督「どんな風に」

青葉「ずっと海を見つめています」

提督「いつもの事だろう」

青葉「見つめながらブツブツと呟いていて非常に不気味なんです」

提督「思春期だからそんなこともあるだろう」

青葉「五時間位ずっとです」

提督「それはヤバイな」

青葉「あと昨日執務サボって秘書官に投げましたよね?昨日担当の熊野さんキレてましたよ」

提督「いやぁ、熊野ならなんやかんや仕事やってくれそうだったから…」

青葉「とにかく夜道や寝ている際に襲われないように気を付けてくださいね」

提督「……頭に入れておこう」

~58の部屋~



提督「ゴーヤ、調子はどうだ?」

58「てーとく、出撃ですか…?」

提督「違う」

58「どこをクルーズするでち…?それとも囮…?」

提督「違うって言ってるだろ」

58「ごーやもね、休もうとしてるんだ。でもね、体が勝手に動こうとするでち…」

提督「目の隈が凄いな…昨日の夜もそんな感じで寝てないのか…」

58「バシーオリョールカレーキス囮サーモン東京急行戦果ループ中部伊良子回収」

提督「おおう…というか昨日のワンピースのまま服も着替えてないのか…」

58「出撃…出撃…」ブツブツ

提督「よし、ゴーヤ寝よう!そんな状態で行っても活躍なんてできないしな!」

提督「ほら布団入って!」

58「てーとくも一緒に寝てくれるの?」

提督「おう寝る寝る!寝る寝る寝るねだ!」テーレッテレー

58「そっかぁ…じゃあ寝ますね…」

58「zzz…」

提督(寝付くの早いな…それだけ疲れてたんだろう)

提督(一緒に寝るとは言ったものの、執務もある。悪いが抜け出させて…!?)

58「てーとくぅ…むにゃむにゃ…」ガシッ

提督(コイツ、足を絡めてきやがった!)

58「えへへぇ…」グリグリ

提督(おまけに顔を俺の胸に擦り付けて来やがった!)

提督(マズイ…これじゃあ抜け出せん…ついでに言うと下半身的にもマズイ…)

提督(というか、一日風呂に入って無いはずなのに何でこんないい匂いするんだよ…!)

提督(ふんっふんっ…!……ダメだ、艦娘の力に勝てるわけがない…)

提督(………諦めよう)

提督(あーゴーヤのワンピースの生地が擦れて心地いいなー)

~三日目~



提督「というわけで結局夜になるまでゴーヤは離してくれなかった」

提督「寝返りを打ったときに偶然ロックが外れていなければ、今頃まだ拘束されていたかもしれん」

提督「自室に戻った俺は精神的な疲労ですぐにそのまま寝たのさ」

大井「そうですか、魚雷撃っていいですか?」

提督「そして今日、執務室に行ったら昨日の秘書官だった大井がキレているという状況だ」

大井「あの、こっち見て話してくれませんか?」

提督「魚雷をBANANAの如く使ってホールドアップしてるのにどう向けと言うんだ」

大井「私を裏切ったら沈めるって言いましたよね?」

提督「執務はノーカンで」

大井「うふふ、許しません」

提督「どうしろって言うんだよ…何すれば機嫌直してくれるんだ?」

大井「そうですねぇ…」

名取「大変ですー!」

提督「どうした、そんな慌てて」

大井「チッ…邪魔が入ったわ…」

名取「大井さん、それは何のプレイですか?」

大井「捕虜プレイに近いのかしら」

提督「そんなことはどうでもいい。名取、何があった」

名取「そうでした!実はゴーヤさんが暴れているんです!」

提督「嘘やん…」

名取「クルーズ、クルーズぅぅぅ!出撃でちぃぃぃぃ!とか言って海に出ようと突っ走ってました!」

大井「潜水艦相手じゃいつも頼りの戦艦や正規空母たちは手が出せないし、少し面倒ですね」

提督「仕方がない。五十鈴辺りにでも制圧を…」

日向「その必要はない」

提督「日向!?」

日向「ゴーヤなら既に制圧して、部屋に縛り付けてある」

大井「よくもまぁ上手くできたわねぇ」

日向「この新しく手に入れた三つ目の晴嵐とカ号があれば潜水艦なんて紙っぺらさ」

名取「さすがは夏にフラソ級をワンパンしただけのことはありますね…」

提督「そんなことより、今はゴーヤの様子を見に行くから。じゃあお前たち、後は頼んだ」

大井「あっ逃げた。後で目一杯可愛がってあげるわ…うふふふふ」

日向「あのゴーヤを相手にするんだから逃げたというか、深淵に行ったというか」

名取「退出で逃げるのは私のアイデンティティなのに…」

~監禁室~



58「オリョール…魚雷が一杯でち…」

提督「うわぁ」

大鯨「涎滴ながら目がイッてますね…」

58「ごーやの魚雷は、おりこうさんでち!戦艦を狙い打ちまーす!」

提督「オリョールの幻覚を見てやがる…てかオリョクルなら戦艦狙わなくていいだろ…」

提督「大鯨よ、潜水母艦として、潜水艦の母としてどうにか出来んか?」

大鯨「うーん…思い付くのは幾つかありますが…」

提督「なら一つずつやっていこう」

大鯨「わかりましたぁ…」

~作戦1:反面教師~



大鯨「こういうのは、自分と真逆の者の姿を見れば自分の事を見直すらしいです」

望月「うぁー…めんどくせぇー…帰っていい? 」

初雪      スヤァ…
 _,,..,,,,_
./ ;' 3 `ヽーっ
l   ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"

提督「なるほど、こいつらなら適任だな…」

大鯨「一時間くらい一緒の部屋に入れておきましょう」

望月「マジ時間の無駄だわぁ…」

初雪    スヤァ…
 _,,..,,,,_
./ ;' 3 `ヽーっ
l   ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"

~一時間後~



初雪「仕事万歳!働かざる者食うべからず!」

望月「めんどくさいとか言っててごめんなさい!遠征行ってきます!本当は私、この艦隊や提督大好きです!」

提督「どういうことなの…」

大鯨「ゴーヤさんの姿を見て逆に教えられたのかもしれませんね…あとさらっと告白されてますよ」

提督「アーアーキコエナーイ」

大鯨「そんな風に鈍感主人公演じてたらいつか刺されますよ」

提督「とにかく、この作戦は失敗だな…」

大鯨「では、あの二人は適当に放って次の作戦行きましょう」

提督「お前さり気無く酷いな」

~作戦2:愛玩動物~



大鯨「人の心は動物に癒されることがあります」

提督「ほう、だが何で人間しかいないんだ?」

球磨「クマー」

多摩「ニャー」

卯月「ぴょん」

夕立「ぽい」

大鯨「うちの鎮守府ペット禁止じゃないですか」

提督「だからって動物扱いは酷くないか…」

大鯨「細かいことはいいんですよ。さあ、また一緒の部屋に入れて放置しましょう」

提督「上手く行く気がしない…」

~一時間後~



58「あっ、てーとくが来たでち。ほら、挨拶するでち」

球卯多夕「おはようございます(ぴょん)!」

58「卯月ィ!なんでちかその語尾はァ!挨拶の仕方教えただろうがァ!」

卯月「すいません!」

58「すみませんでちィ!」

卯月「すみませんでしたぁ!」

提督「調教されとる…」

58「てーとく、ごーや頑張ったでしょ?」

提督「ああうん、そうだね…」

大鯨「………次の作戦行きましょうか」

提督「現実逃避すんな」

~作戦3:同胞の呼び声~



大鯨「これが最後の作戦です」

提督「なぁ、もういいんじゃ…微妙にゴーヤも元に戻ってたし…」

大鯨「ここまで来たら引き下がれません!」

大鯨「最後の作戦は、同胞を呼んでの呼び掛けをしてもらいます」

168「司令官が望むなら」

19「任せるなのね!」

8「シュトーレンくれるなら頑張るしかないね」

401「私は燃費が悪いからクルージングに連れてかれたことはないんだけどね」

大鯨「あれ?まるゆさんは?」

提督「まるゆは犠牲になったのだ…近代化改修の、その犠牲にな…」

提督「今回は部屋に監視カメラと盗聴機を仕掛けてみたからそれで様子を見てみよう」

大鯨「どこで手に入れたんですかそんなもの」

提督「部屋に仕掛けられてたからそのまま剥いで使ってる」

168『さあみんな、あの陣形を作るのよ!』

提督「む、どうやら動き出すようだ」

大鯨「何でしょう、ゴーヤさんを取り囲みましたね」

長門「あ、あれは!?家吽勢輪!?」

提督「知っているのか、長門!」

長門「うむ」

大鯨「どっから沸いて出たんですか長門さん」

長門「説明しよう。家吽勢輪(カウンセリング)とは、古来中国に伝わる人心掌握術だ。主に家庭や職場での話し合いに使用され、最初は集団で相手の話を深く聞き込むことで安心感を与え、その後囲んだ逃げ場のない相手に何も言わさない怒涛の勢いで全員で助言をすることにより相手の心理を掌握し、意のままに操ろうとする術だ。なおこの術の習得には過酷な心理的ゆさぶりを体験し克服しなければならず、かつ集団技のため協力者との連携が必要不可欠なため精神崩壊する者が後を絶たず禁忌の術とされている。余談だが本人が満足したら相手との関係が終わる『ヤり逃げ』の語源がこの言葉であることは言うまでもないだろう」

大鯨「何言ってんですか貴女」

提督「本当だ、なにやら相談みたいなことしてる」

168『確かに私たちの仕事は資材集めが主体…』

19『便利屋みたいな扱いではあるのね』

8『でも、提督は無茶な依頼はしてないはずだよ』

401『失敗しても焦ることはないって言ってくれるもんね』

58『てーとくの為なら依頼以上のことをするのは当然(

168『必要でもない依頼をこなすのと』

19『体を壊して心配をかけるのは』

8『どっちが迷惑になるか』

401『ゴーヤさんなら分かるよね』

168198401『ねっ?』

168『これは貴方だけの問題じゃないの』

19『全ては提督のため』

8『貴方も、もちろん私たちも大好きな提督のため』

401『休むのはある意味任務より辛いことだけど』

168『それも出来なければ貴女は必ず迷惑をかけるわ』

58『…………』

19『分かってくれたの?』

8『同じ艦種として、貴女を理解できるのは私達くらいだし』

401『困ったら何でも言っていいんだよ?』

58『……駄目でち』

168『えっ…』

58『ごーやは…確かに働き詰めで、疲れていないとは言い切れないでち』

19『それなら!』

58『それでも!それでもごーやは…立ち止まるわけにはいかない』

58『皆にも分かるはずだよ…だって、ごーやを止める話のはずなのに、何で皆そんなに辛そうな顔をしてるの?』

8『そんなの、ゴーヤを心配してに決まってるよ!』

58『確かにそれもあるでち。でも、それ以上に今のごーやの気持ちが分かるから、皆止めたくなんかないんでしょ?』

401『………』

58『艦娘は戦意高揚で何時でも全力を出せる。出撃できるのを今か今かと待ちわびる』

58『だから、そんな状態で放置されるのは何よりも強い毒でち!』

58『休みの時?違うでち!ごーやが働くのは今!こんなところで立ち止まる訳にはいかないでち!』

168『………そうね』

19『………やれやれなの…』

8『はっちゃん達の葛藤まで見破るなんてね…』

401『よぉし!なら皆でクルージングだよ!一番活躍した子が提督からご褒美ね!』

168『負けないわ!海のスナイパーの実力、見せてあげる!』

19『提督のご褒美をもらうのはイクなのね!』

8『シュトーレンいっぱいもらいたいし、提督の誉め言葉も聞きたいわ』

58『皆…ごーや、もう、いっぱいでち』

401『じゃあ出発!どぼーん!』

『ガチャバタバタバタ…』

提督「…………」

大鯨「提督…彼女は…」
提督「………もう、いいんじゃないかな…本人がこんなやる気出してるんだからさ…」
大鯨「そう、ですね…寧ろ逆効果ですねこれ」

提督「まさか、戦意高揚している時に休ませるのは逆効果とはな…俺もまだまだ半人前だ」

長門「まぁそう落ち込むな」

大鯨「まだいたんですか長門さん」

提督「長く険しい戦いだった…」

長門「イイハナシダッタナー」

この提督は何故急に心変わりしたんだろう。

その後58は出撃を許可され、他潜水艦と共に更なるコンビネーションでクルーズや囮作戦、中部海域において鬼神のごとき活躍をした

動物組は以前に増して提督になつき、ボディタッチが激しくなった

めんどくさがり組は仕事のメリハリが付き、戦果を大きく上げた

長門は相変わらず空気が読めなかった

提督はサボった仕事の代償として熊野と大井に襲われ(意味深)、一晩中悩ましい声で懺悔していた



固定概念を持たず、あなたの鎮守府に合った艦隊指揮をしましょう


その艦娘の姿は同じでも、それは同じ人物ではない…あなただけの存在なのだから


終わり
実際カンストしてる状態で遠征しても、EX海域とかがないと資材が減らなくて、補給分のマイナスにしかならない(体験談)
だからカンストした時点で大型が埋まってないとかじゃない限りは何もしない方がいい

ちなみに長門の言っていたことの出典は

民名書房『知らないことをやれと言われて出来る限りやったら何故聞かないと怒られ、聞いてみたらそれくらいできるだろと怒られる新入社員の心を癒す本』第三巻P58

それではさようなら


Abyssal Holic ならぬ Cruising Holicか

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