ゆみ「ここは荒野のウエスタン」和「そんなオカルトありえません」(48)

咲ssです
※ドラ〇エ7とは一切関係ありません

和「最近咲さんが冷たいです」

憧「わかる。シズもなんか最近よそよそしくて」

和「憧はセクハラのしすぎなんじゃないんですか?」

憧「軽く抱きついたり軽くクンカクンカする程度よ?」フン

和「私だって軽くペロペロしたくらいです」

美穂子「上埜さんはいつだって聖女です///」

憧「あーあ、永遠に報われないのかな私たち」

和「一緒にしないで下さい。私は咲さんとラブラブですから」

竜華「うちも怜とはラブラブやで」テレテレ

憧「あー、はいはい。勝手にお幸せに」ケッ

美穂子「上埜さん上埜さん上埜さん」

憧「……シズが冷たい世界なんていらない」

和「……そうですね、咲さんが冷たい世の中なんてありえません」

竜華「せやな。怜は常に天使や」

和「……とりあえず鹿児島行きますか」

憧「私たちの恋のため……か」

美穂子「待ってて下さいね、上埜さん」

竜華「ほな、さいなら~」

和「チッ」


長野

京太郎「ドラ喰え7~阿知賀の戦士たちか」

京太郎「職種は魔雀師がいいな」ポチポチ

京太郎「おっ、最初は白糸台からかー」

鹿児島

霞「あ、小蒔ちゃんそれロン……なんでしょう鳥肌が……」ブルブル

小蒔「……」スースー

霞「小蒔ちゃん?」

初美「姫様また眠っちゃったみたいですねー」

霞「あらあら」

霞(疲れたのかしらね)

小蒔「……ほう、現世は久しぶりだな」

巴「!?」

小蒔「お前たちは我の奴隷か?」

霞「なにか他のヤバいのが来ちゃったわね……」

初美「レア神ですかー?」

霞「知らない神を降ろしたとなれば何が起こるかわからないわ。急いで起こしましょう」

小蒔「その心配は不要である。我を解き放ってくれた褒美をやろう」

巴「姫様、何を!?」

小蒔「我はアンラ・マンユ」

初美「姫様がぐろーばるに!?」

霞「ちょ……それ日本全然関係な……」

小蒔「世界を変えてやる」

憧「来たわよー……」


その日、私たちの世界は終わりを迎えました。

21世紀
麻雀石と呼ばれる秘宝が世界を支える時代

麻雀石を扱う、雀士と呼ばれる特殊な力を持つ者たちが、世界の大半を支配していた。

しかし、世界のエネルギー産業の9割を占める麻雀石は、人類の果てない採掘によって枯渇の一途を辿っていた。

人類を掌握するほどの力を持つ雀士は、いつしか互いに対立し、善なる者と悪を為す者に分かれ終わらぬ抗争を繰り広げている。

人類はそんな雀士たちに対抗すべく、世界の新しいエネルギー源を求めて日夜研究を続けていた。

これは麻雀石に秘められた力を宿す少女たちの軌跡――

コツン…コツン…

村人「盗人だー!捕まえてくれー」

??「……」スチャ

カウボーイハットを片手で支え、その少女は静かに銃を抜いた。

??「ロン(物理)」

盗人「ぐあっ」

走り去る盗人の足を撃ち抜く少女

??「安心しろ。空気を圧縮したエア弾だ」

村人「菫様!ありがとうございます!いつもいつも村を守っていただき……」

村人の言葉を指で遮る少女。

菫「気にするな。それが私の仕事なのだから」フッ

正義の保安官、弘世菫。

ならず者が蔓延る白糸台村を守護する者。

暗黒の塔でならず者を束ねる首領、大星淡の抑止力だ。

豊音「なんだ、終わったのかー」

豊音「賞金はなさそうだし無駄足だよー」

黒衣を纏った長身の少女、姉帯豊音。

豊音「次こそは賞金首を追っかけるよー」

知らぬ者のいない追跡者。
捕まった賞金首は口々に語る。

『姉帯豊音からは逃れられない』、と――

菫「白糸台は私の管轄だ。賞金稼ぎは必要ない」

豊音「あー!白糸台のシャーシューター!?」

菫「……まあな」

豊音「……サイン貰えますか?」

菫「うん?まあいいが……」カキカキ

豊音「ありがとー!宝物にするよー」

菫「で?賞金稼ぎが白糸台に何の用だ?」

豊音「……大星淡」

菫「だろうな」

豊音「噂では大星淡の能力は宇宙創造。擬似的に宇宙を生み出すとか」

菫「そうだ。淡に銃弾は通じない。原理は不明だが、彼女は常に重力の壁を纏っている」

豊音「……止まる銃弾」

菫「空気の弾丸でも無駄だった」

菫「最悪なのは淡自身を包む内空間は無重力状態であることだ」

豊音「本体は軽く、周囲は重い」

菫「奴は飛べるのさ……アワアワとな」

豊音「……フワフワ?」

菫「んんッ///……外はガチガチで中はスカスカとか、一体どんな原理だよ……」

豊音「無重力自体は脅威にはならないね。問題はシールドかー」

菫「彼女は挑発に乗ることもない。こちらから暗黒の塔へ出向くしかないのだよ」

豊音「捕まえるには戦力がいるねー」

菫「捕らえれば帝都から莫大な賞金が出る。協力してくれるなら譲ろう」

豊音「ほんと?いやー話のわかる保安官殿でよかったよー」

菫「他の協力者と分けろよ」

豊音「何人集まってるの?」

菫「コークスクリューの照、マヨヒガの白望、帝都から派遣された軍人、ガンスリンガー愛宕姉妹の5人だ」

豊音「菫と私を入れて7人かー」

菫「相手は最低でも100人以上。今ならおりられるぞ?」

豊音「私もプロだよー?……狙った獲物は必ず捕らえる、ね」

菫「では明後日発つ。準備しておけ」

照「……菫?」

菫「ああ、照か。どうした?」

照「……私たちだけで淡を救えるかな……」

菫「信じろ。……淡と過ごした日々を」

菫「……届くよ絶対」

回想

淡「菫さん、テルー見ませんでした?」

菫「いや、見てないよ」

淡「あの人はいつもいつも……まったく、目を離したらすぐいなくなるんだから」

菫「照を責めるな。アイツも常にフラフラしてるわけじゃないさ」

淡「いいえ、菫さんはテルーに甘すぎます!菫さんと私に毎日毎日心配ばかりかけて……困った人です本当に」

菫「帰ってきたら淡が心配してたって伝えておくよ」

淡「やめてくださいよ///テルーったらまた調子に乗ります」

菫「ふふっ、違いない」


……
………

菫(淡…教えてくれ……何がお前をそこまで変えたのか……)

照「……淡は帰ってくるかな?」

菫「…………」

暗黒の塔

淡「白糸台が討伐隊を組織したか。無駄な足掻きを」

淡(麻雀石が……暴走してる……ううっ……菫、テルー……助けて)

淡「お前の身体はもう我の物よ……この、熊倉トシ様のな!!」

淡「永遠の美を!」


「「永遠の美を!」」

荒野

憧「……ここどこ?」

竜華「っ!?」

憧「あ、竜華!どういうことよこれ」

竜華「……あの?大丈夫……ですか?」

憧「竜華?」

竜華「私の名前……どこで」

セーラ「お嬢様!お待ちください!」

憧「ぷっ、なによあんた、竜華がお嬢様て」プルプル

セーラ「何者だ!?突然私やお嬢様の名を口にするとは!下賎の輩め!」

憧「もういいわよ。竜華たちの冗談は面白くないって」

セーラ「貴様!私を愚弄するか!覚悟しろ!」スチャ

憧「わああ!刀!刀!危ないって!こっち向けないで!」

竜華「お待ちなさい、セーラ」

セーラ「はっ!」

憧「ふぅぅ……。怖いって!いきなり何なのよ!?」

竜華「あの……失礼ですが、どちら様ですか?」

憧「………………じょ……冗談キツいな竜華ー。あはは……うちや、憧!新子憧や!」

竜華「新子憧様?」

憧(えー?関西弁にも無反応?どういうことなの?)

憧「なんや自分、悪いもんでも食べ……食うたんか?」

セーラ「貴様ぁぁぁ」

憧「はいはいアンタは落ち着いて、ね?」

セーラ「触るな!」

憧(どうなってんのよ。あれは間違いようがない、竜華本人よね?別人なんてありえない)

竜華「私は清水谷竜華。千里山の領主をしております」

憧「千里山……りょ…う…しゅ?」

竜華「私をご存知のようですが?」

憧「ご存知もなにも私と竜華は親友(笑)じゃん!これ以上は笑えないわよ?」

セーラ「コイツ斬りましょう、お嬢様」

竜華「セーラ、下がりなさい。私とこの方を二人に」

セーラ「そんな!危険です!」

竜華「大丈夫です。大丈夫……だと思います、この方は」

セーラ「信用できません!」

竜華「『私』を信じて下さい」

セーラ「……わかりました」ササッ

竜華(新子憧、不思議な雰囲気の方……初めてお会いするはずなのに、どこか懐かしい)

憧「どういうことなの?説明してよ」

竜華「説明……ですか?一体なにを?」

憧「千里山の領主ってなに」

竜華「言葉通りの意味ですが」

憧「どこなのここは」

竜華「千里山です」

憧「嘘でしょ……千里山は女子校じゃん!」

竜華「女子校?千里山は元々地名です。なにか勘違いを…」
憧「勘違いじゃない!」

賊「荒野のど真ん中でアホが騒いでると思ったら若い女かよ」

賊2「へへっ、捕まえて食べようぜ」

賊3「女は高く売れるぜ!ひひっ」

竜華「……新子様、お話はあとで」

憧「誰よ!」

怜「賊ですよ」

憧「!?」

賊「そうそう、世間知らずの嬢ちゃんたちを食いもんにするね」

賊2「ヒャッハ~!」

賊3「おめーら囲め!」パラリラパラリラ

憧「竜華!逃げましょ!」

竜華「怜、頼みました」

怜「竜華の頼みなら」

憧「え?園城寺さん?」

怜「麻雀しましょう」

憧「はい?」

怜「麻雀です」

賊「待て!コイツ雀士だ!」

賊2「クソッ!千里山で雀士といえば清水谷財閥の!」

怜「遅いッ!ダブル!!」カチカチカチ

怜(私の雀力は5秒先を視ることができる!)

怜「否ッ!実際は逆!」

賊2「」

怜「世界が5秒止まるッ!」

賊「賊2!?なぜ倒れている!どこからッ!」

怜「無駄です!あなた達には『私』が視えない!」バキッ

賊「ぐあああああ」

憧「なに!?、私の胸が光って!」

竜華「!?私と共鳴して……っ!?それは!」

憧「わかるッ!身体が勝手に!」

竜華&憧「アタタタタタタほわっちゃああああ」

賊3456789「ぎやああああああああ」

竜華&怜&憧「立直一発!自摸!」

ドカーン!

竜華「貴女は鮮血の華……」

憧「鮮血の、華?」

怜「伝説の……ブラッディドラゴン」

憧「あれ?……今私なにを……」

怜「貴女こそ阿知賀の智竜の生まれ変わりッ!」

憧「智竜?」

竜華「改めまして、新子憧様。私は竜を迎える巫女、清水谷竜華です」

怜「私は園城寺怜。竜華と同じく巫女です」

竜華「えええええええ」

旧鹿児島

美穂子「誰もいません」

小蒔(邪神)「ほう、人間は面白いな」

美穂子「上埜さん……」

邪神「お前以外誰も生きてはいないよ。この世界ではな」

邪神「お前の知る世界は終わったのだ」

美穂子「終わっ……た……?」

邪神「滅びた世界で尚生きるか、人よ」

美穂子「上埜さんが……死んだ……?」

邪神「お前も覚めない夢を見ているだけさ」

邪神「もうじき宇宙は終わる」

荒野
和「こんなオカルトありえません」

ゆみ「気付いたら荒野」

ゆみ「ここは荒野のウエスタン!」

和「そんなオカルトありえません!」

ゆみ「原村和、どうやら私は空腹のようだ」

和「咲さんが心配です。ゆみさんもはやく」

ゆみ「私はもう動けない……モモ、最後に一目……クッ!」

和「しっかりして下さい」

??「旅の方ですか?」

和「はい?…ッ!?」

哩「安心して下さい。私達は新道寺の者です」

姫子「貴女達、ここはもう姫松領ですよ?」

和(あれは憧たちが準決勝で当たった……)

ゆみ「(おい、原村和。新道寺といえばあの新道寺と考えるべきか?だがしかし、姫松領?これは一体)」

和「(私にもわかりませんよ。さっきからもう訳がわかりません)」

姫子「私たちは雀士だ」

和「……はぁ、それはわかっています」

姫子「なら話は早い」

哩「一緒に来てください」

菫「暗黒の塔はすぐ先だ」

豊音「いよいよだねー」

照「……」ギュルギュルギュル

誠子「それはドラゴンアチガ製のドラ銃sカスタムか?」

洋榎「そうよ。これが私たちの命」カチャ

絹恵「姉さんと私の絆」チャキ

白望「だる……」


菫「行くぞ!決戦開始だ!!」

豊音「麻雀ファイト、レディーゴー!だよー」

私たちの戦いはこれからだ!
ということで今日はここまでです
また

エイスリン「……」スッ

塞「暗黒の塔、番人来たりて」

胡桃「君滅ぶなかれ」

菫「やれやれ、厄介なのが現れたな」

エイスリン「……13分デ……死ヲ……」

洋榎「こいつは私たちに任せな!絹!」

絹恵「はい!」

誠子「なら私はお前か」カチャ

胡桃「よろしくですよ~」

塞「誰でもいい」

照「……先に行って菫。必ずすぐに追いつくから」ギュルギュル

豊音「お言葉に甘えて私たちは進むよー」

菫「薄弱な奴だ。だがまあいい。私はこの先で雑魚と戯れよう。……頼んだぞ、照」

照「任された」

菫「豊音、行くぞ」
豊音「わかったよー」

塞「では、麻雀を始めよう!」

照「!?」

塞「私は要塞。私に害なすあらゆる攻撃を弾く。そして私の能力は「あらゆる事象を塞ぐこと」」

照「くっ……息が……」

塞「お前の周囲の大気の流れを塞いだ。満足に酸素も得られまい。無論、完全ではないがな」

照「……はぁはぁ……」ギュルギュルギュルギュル

エイスリン「イェアアアアアア!」マシンガン

ガガガガガ

洋榎「来いよビチクソ!」バンバン

胡桃「死ね!!」バンバン

誠子「あまり私を舐めないほうがいい」ササッ

胡桃「ナイフが銃に勝てるかよ!」バンバンバンバン

エイスリン「ワタシ強イ。13分生キテタ人間イナイ」

洋榎「無駄弾バラまいてるだけや!」

誠子「どこまでも速く」シュパパパ

胡桃「ちょっ……なんなんですかこいつ!ナイフが…見えないッ!」


誠子「見せてやる。これが麻雀だ」スパッ

胡桃「チッ!エイスリン!わたしに手を貸しなさいよ!」

エイスリン「……無理デス」

姉妹「「お前の相手はウチらや!」」バンバン

胡桃「クソがぁぁぁぁ!」リロード

塞「終わりですか?」

照「そう……思うか?」キュピーン

塞「スクリュー!?」

照「私のスクリューが地を貫いた。滞った大気の流れそのものが吹き飛んだよ」

塞「フン!なら次は空間自体を……!」

照「無駄」ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュル

塞「なーっ!?」

照「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァ!」パリン

エイスリン「苦戦シロッ!時ト共ニ勝率ガ和了ルコノ力!勝率向上ニ敵ハナイ!」

洋榎「本気出すまでもないなー」

絹恵「はい」

エイスリン「感ジルゾ!溢レルホドノ力ヲ!オマエタチノ命ハアト3分ダ!!」

誠子「終わりだ」バキィィ

胡桃「」

誠子「安心しろ、ただの峰打ちだ」スチャ

塞「…あ……ありえない!!私は完璧な要塞……破れるわけがない!」

照「力任せですまないな。」ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュル

塞「もう一度!私自ら鋼でも砕ける最強の強度に!」

照「ならば鋼ごと……ぺちゃんこだ!」ゴゴゴゴゴゴ!

塞「」

エイスリン「ソロソロ無敵デス」

洋榎「そうか」

絹恵「ま、背後くらい気をつけなさいよ?」

エイスリン「?」

ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュル

エイスリン「!」

洋榎「宮永照。誰でも知ってる最強クラスの雀士だ。その強大すぎるコークスクリューは、『一度放つと止まらない』」

絹恵「この位置まで誘導された時点で、アンタの敗けは決まっていたのよ」

洋榎「不勉強だったな」

ギュルギュルギュルギュルギュル

エイスリン「がはっ!!」ドサッ

絹恵「アンタの能力は相対してる相手限定。横からの流れ弾には効果なし、ね」

照「あっ……邪魔してごめん」

洋榎「いいって、逆に助かったわ」

絹恵「ありがとね」

誠子「ここは片付いた。先に進もう」

パチパチパチパチ

白望『お疲れ様です、3人共。よく時間を稼いでくれました』

誠子「なん……だ?」

白望『貴女たちもなかなかやりますね』

白望『それももう終わりですが』

誠子「この声はどこから!?」

『私の能力はマヨヒガと言って、相手を異空間に閉じ込めることができます』

白望『マヨヒガを抜けるには発動雀士を倒すしかない。けれど私は意図的に存在を消せる』

照「なんだと……?」

誠子「白望!裏切ったのか貴様!!」

白望『残念でしたね』

洋榎「おい、アンタ!自分の力を過信しすぎなんじゃねぇのか?」

白望『ハハッ、まさか。油断して勝てるとは思っていませんよ。目的は果たしましたし』

照「まさか!」

白望『なにせ私の目的は、「仲間がシャープシューターを抹殺する時間を稼ぐこと」…なんですから』クス

照「貴様ァァァァ!」

菫「雑魚は一通り片付いたな」

豊音「だねー」

菫「合流を待つか、先に進むか」

豊音「時間が勿体無いよー。皆を信じてもう少し進もう」

菫「そうだな」

・・・・
・・・
・・


菫「ここを突破すると頂上だ。気を抜くな」

豊音「そう、『気を抜けない』んだよ」スッ

大気が歪む。

豊音「なぜなら、もう『発動した』からだ」タァン

動き出す豊音。

菫「…っ!ss!」スパン

膨張する殺気に、菫は咄嗟の一撃を放つ。

豊音「……グフッ!……殺気に対する無意識の迎撃ィ!だが私の攻撃はフェイクゥ!!『先制』で自ら滅べッ!」シュッ

黒衣の内に忍ばせた100は下らないナイフが、菫めがけて放たれる。

菫「なぜ、お前が!?」

豊音「私のターゲットが、最初から『弘世菫』、だったからだよー」フフン

菫「追尾!?迫ってくる!無数のナイフが!意思を持って!」

豊音「そうだ!菫は私に一撃を加えた。重い攻撃だ!私は焼けつくこの肩の痛みを忘れない!先負けは払った!」

豊音「私に対して立直を与えた場合。私の攻撃はどこまでもその不届き者を追いかける」

豊音「ここから先は、私のターンだ」ババーン

菫(来るっ!ナイフは止まらないっ!)

菫(どうする!?時間がないぞ、私!)

菫(一か八かだ!)

菫「シャープシュート!!」

豊音「無駄なッ!命中精度を上げたところで、『意思を持つ攻撃』は止められない!」

グサッ
グサッ
グサッ
グサッ

菫「」

豊音「呆気ないものだねー。ガッカリだよー」

豊音「他もシロに殺られてる頃かな」

豊音「任務完……」スタッ

パシュ

菫「……惜しいな」

豊音(ss!?この私が怯んだだと?今の攻撃、一瞬でも遅れていれば死んでいた……)

豊音「……なんで?なんで死んでないのー?」

菫「シャープシュートは狙った獲物を外さない。それは逆を言えば、『私を狙う獲物』の軌道も読めるということだ」

豊音「読めたところで……」

菫「読めたところで、何だ?」

豊音「……銃弾?」

豊音が放ったナイフの大半を、菫がばら蒔いた銃弾が貫いていた。
菫「ああ、私の意思が宿った銃弾だ。ちなみに、私はナイフを撃ち抜いたんじゃない。『お前の能力』を『撃ち抜いた』んだ」

豊音「シャープシューターは単なる精密射撃能力じゃ!?」

菫「そんなこと話した覚えはない。それにしても飛ばしすぎたなー、ナイフ。コントロールができてないぞ?」

菫「ご丁寧にほとんど心臓めがけて飛んできたもんだから、落とし切れなかったナイフも致命傷を避けるのなんて簡単だったよ」防刃チョッキ

豊音「意思が宿る弾丸……か。これは先負け失敗だねー」

豊音「でも何本か手足に刺さってるよー」

菫「死にはしない」

豊音「失敗……か」

菫「最初から私が標的と言ったな?」

豊音「まあね」

菫「依頼者は?」

豊音「気付いてるんでしょ?」

菫「淡か」

豊音「ちょっと違うけど……まーそうだねー」

菫「退けば見逃す」

豊音「それは無理な相談」

菫「狙った獲物は逃さない――か」

豊音「使いたくなかったんだけどなー」

豊音は黒衣のコート……否、鎧をその場に脱ぎ捨てた。

ズゴーンと激しい音が響く。脱いだ鎧の重さで地が割れていた。

豊音「3000kgあるんだー」

豊音「友引って言ってね。私はほんとにこれで裸単騎。まー真の能力発動条件は仲間を失うことなんだけどねー。今この場にいないし。普段の30%でもよゆーでしょ」

菫「どうやら……私はハズレクジを引いたようだな……。化物め……」

豊音「さー!楽しい麻雀を再開しようかー!」


つづく

期待。続き、待ってます

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